「高度な医療的ケア等に対応した
校内支援体制の整備・充実」
平成29年度 文部科学省委託モデル事業(受託者:愛媛県教育委員会) 「学校における高度な医療的ケア等に対応した校内支援体制充実事業」 成果報告会平成30年2月14日(水)
愛媛県立しげのぶ特別支援学校
愛媛県イメージ キャラクター みきゃん幼児児童生徒の状況
部 在籍者数 学級数 幼稚部 2(1) 2(1) 小学部 59(4) 25(1) 中学部 46(2) 17 高等部 53(5) 24(2) 訪問教育 (病弱教育) 0(0) 0(0) 合 計 160(12) 65(4)1
幼児児童生徒数
(平29年5月1日現在)
( )病弱教 育部門の内数 通 学 寄宿舎 センター 120 11 29 自家用車 74 幼稚部 0 幼稚部 1 スクールバス (3コース) 43 小学部 1 小学部 16 単独 3 中学部 3 中学部 13 高等部 7 高等部 70 5 10 15 20 25 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29
医療的ケア児の人数・内容別人数の変遷
学校ケア生 胃ろう、腸ろう 経鼻経管栄養 咽頭部からの吸引 気管切開部からの吸引・衛生管理 薬液等の吸入 酸素吸入 人工呼吸器の管理 人 年度 3学校看護師対応
23
センター看護師対応
12
(人)本校の医療的ケアの現状
(H29.5.1)看護師と認定教員
常勤看護師 1 非常勤看護師 9医療的ケアが必要な幼児児童生徒:35人
5
本校の医療的ケアの現状
〇幼児児童生徒の障がいの重度・重複化
〇医療的ケア児の増加
〇医療的ケアの内容の複雑・多様化
・特定行為以外の医行為(高度な医療的ケア)が必要な医療的ケア児
の増加
・人工呼吸器使用児の増加
・自発呼吸のない医療的ケア児や気管カニューレ抜去の際、即時に再
挿入が求められる医療的ケア児の増加
〇保護者のニーズや要望
高度な医療的ケアへの対応
物的・人的・質的環境整備
ガイドラインの策定や実施体制の見直し
・ケアルーム、教室の整備
・常勤看護師の配置
・看護師の人数確保
・学校医療的ケア指導医の関与
・研修体制の充実
・看護師と教員の役割の明確化と協働
・授業力の向上
・緊急時、研修に必要な物品の整備
・県教育委員会関与のもと「学校における実施体制の見直し
・看護師、主治医、センター医師との相談体制、医療機関との
本校の課題
【愛媛県の取組】 〇運営協議会の設置 〇モデル校の指定 〇指導医の委嘱 〇意識調査の実施 〇医療的ケア実施 マニュアル等の策定 7
「学校における医療的ケア実施体制構築事業」
目的
人工呼吸器の管理等の高度な医療的ケアを必要とする幼
児児童生徒に対応する特別支援学校の安全・安心な医療的
ケア実施体制の充実を図ることを目的として研究を行う。
文部科学省委託事業の活用
【モデル校が実施する事業(本校)】 ○ 指導医による医療的ケア実施場面の視察 ○ 指導医の参画による拡大医療的ケア安全委員会の開催 ○ 指導医の助言を受けるケース会議等の開催 ○ ヒヤリハット事例の蓄積と分析 ○ 高度な医療的ケアが必要な幼児児童生徒に対応する ための校内の医療的ケア実施体制の検証 ○ 医療的ケア実施体制充実を図るための研修 ○ 医療的ケア実施マニュアル等案の作成研究の5つの観点
① 地域資源の活用とネットワークの構築
② 人的・物的・質的環境整備
③ ニーズ及び実態への適切な対応と合意形成
④ 授業の充実(指導内容・方法等)
⑤ 学級担任等と看護師の役割分担と連携
1 愛媛県教育委員会の実施する事業 運営協議会の設置(年 3 回開 催) 医師・看護師・学識経験者 学校関係者・行政関係者 ガイドライン等の策定 ・指導医の医療的ケア場面視察 ・個別ケース会議、主治医訪問 ・ニーズ及び実態への適切な対応と合意形成 ・授業の充実(指導内容・方法等) ・認定教員研修(第3号研修)への積極的参加 ・子ども療育センターと連携した緊急時対応 シミュレーションの実施 ・看護師研修、教職員研修の実施 [ 県外講師(2回)県内講師(8回)] ・指導医の委嘱、意識調査 ・常勤看護師主任の設置、看護師増員 ・連絡チェック・緊急安全体制の整備 ・関係機関との連携、地域資源の活用 とネットワークの構築 ・ケアルーム、保健室の環境整備 ・教室配置、学習グループ編成、学級 担任と看護師との役割分担と連携等 高度な医療的ケアに対応するための体制整備 ・ガイドラインの策定 1 医療的ケア実施マニュアル 2 人工呼吸器ケアガイドライン 3 気管カニューレガイドライン 4 その他 ・ヒヤリハット事例の検証 ・校外学習への看護師帯同の試行 ・実践報告書の作成、HPでの公開 ・成果報告会の実施、次年度への改善 物的・人的環境整備 推進計画・先進県視察 質的環境整備 実践・研修の充実 ガイドライン等の策定 実施体制の検証 高度な医療的ケアを必要とする幼児児童生徒に対応する 特別支援学校の安全・安心な医療的ケア実施体制の充実 取組内容 1 愛媛県教育委員会が実施する事業 2 モデル校のしげのぶ特別支援学校が実施する事業 本校医療的ケア実施要領 協働 連携 医療的ケアを適切かつ安全に行うために、 実施の在り方や環境整備等を審議する 校内医ケア安全委員会 2 しげのぶ特別支援学校が実施する事業 1 研究の推進に関わる協議 2 研究成果の分析 3 医療的ケア実施マニュアル等の策定 4 モデル校への指導助言 医療的ケアの 指導・助言 1 教員 2 看護師 1 医療的ケア実施マニュアル 2 人工呼吸器ケアガイドライン 3 気管カニューレガイドライン 子 ど も 療 育 センターなど 関 係 機 関 運営協議会 庶務 愛媛県教育委 員会特別支援 教育課 意識調査 の実施 指導医の 委嘱 1 課題解決の方向性と校内支援体制の整備・充実 2 地域資源を生かしたネットワーク体制の構築 3 医療的ケアの質的向上を目指した研修体制の構築 県立特別支援学校医療的ケア実施要綱 3 つのワーキンググループ設置 文部科学省医ケア事業推進委員会 本事業を円滑に推進するとともに、実施体 制の充実を図り、成果と課題を検証する 保護者 ~負担軽減 を図る~ 9
研究推進体制と役割分担 校長 ◎健康安全課長 ○自立活動課長 ◎教務課長 ○総務課長 ◎研修課長 ○支援相談課長 関係課員等 関係課員等 関係課員等 ・医ケア実施マニュアル等の見直し ・本研究全体の推進 ・意識調査(事業前後)の実施と分析 ・2つのガイドラインの作成 ・県医ケア体制充実運営協議会の実施 ・保護者、関係機関との連携 ・指導医による学校巡回指導の実施 ・高度な医ケアに対応する環境整備 ・ネットワーク体制の構築 ・チェックリスト、記録の見直し ・校外学習の看護師帯同の試行 ・報告書のまとめ、印刷・製本 ・看護師研修、第3号研修の推進 ・成果報告会の企画・運営 ・講演会の実施 ・高度な医ケアに対応する環境整備 ・次年度に向けた研究の継続 <推進委員会> ※毎月1回開催 文部科学省医ケア事業推進委員会 ◎教務課長、○健康安全課長、研修課長 支援相談課長、総務課長、自立活動長、 部主事、医ケア主任、養護教諭 看護師主任 (研究の推進と共通理解) 全体研究推進の検討、各WGの作業内容・進捗状況の確認、研究の成果報告に向けて、課題解決と共通理解を図る。 <WG> ※毎月、推進委員会の前に1~2回適宜実施 ①担当の課題について、問題点を整理し、課題解決の方策を検討する。 ②推進委員会で審議のうえWGで実施する。 ③その成果と課題をWGでまとめて推進委員会に報告する。 愛媛県教育委員会 教 頭 各関係機関 文部科学省 B 研究推進・環境整備WG A 学校巡回指導・ガイドライン作成WG C 研究のまとめ・意識調査WG
11
【物的環境整備】
・ケアルームや教室等の学習環境の整備
・緊急時や災害時を想定した配置 など
【人的環境整備】
・看護師主任の設置等
・医療的ケア関係者の役割の明確化
・各関係者との連携・協働体制の整備
【質的環境整備】
・指導医の指導・助言や相談体制
・子ども療育センターとの連携・協働体制の整備
・看護師や教職員の研修体制
3つの整備の柱
研究の概要
物的環境整備
拡大教育課程検討会決定事項(平成28年度) ・ケアルーム及び保健室、教室の配置の整備。 ・体調管理が難しく校内で常時看護師の付添いが必要な幼児児童生徒は、 医師の意見、保護者の聞き取りをしたうえで、校長が判断する。 (幼児期は、病状等が安定していないため保護者にケアを実施してもらう。) (以下、「対象児」という。) 【ケアルーム及び保健室、教室(対象児)の整備】 体調及び衛生管理、緊急時の対応、感染症対策の充実を図る。 〇廊下が広く緊急時に対応しやすい教棟を使用。 〇非常時、災害時及び停電時等にエレベーターが使用できない場合でも迅速に 対応できる1階の教室を使用。 〇出入り口や駐車場に近い教棟、教室を使用。13 ケアルーム 保健室 5年生の教室 5年生の教室 多目的ルーム 1年生の教室 対象児の教室 ・対象児の集団の学習の場の確保・・・多目的ルーム ・時間割の工夫・・・特別教室 H29年度対象児 小学部1年2名 5年1名
月 火 水 木 金 1 生活活動の指導 生活活動の指導 生活活動の指導 生活活動の指導 生活活動の指導 2 単元活動の指導 自立活動 自立活動 課題活動の指導 単元活動の指導 3 単元活動の指導 単元(音楽) 遊び活動の指導 単元(からだ) 自立活動 4 生活活動の指導 生活活動の指導 生活活動の指導 生活活動の指導 生活活動の指導 5 遊び活動の指導 月 火 水 木 金 1 生活活動の指導 生活活動の指導 生活活動の指導 生活活動の指導 生活活動の指導 2 自立活動 単元活動の指導 単元活動の指導 課題活動の指導 遊び活動の指導 3 単元(音楽) 単元(からだ) 自立活動 単元活動の指導 自立活動 4 生活活動の指導 生活活動の指導 生活活動の指導 生活活動の指導 生活活動の指導 5 課題活動 遊び活動の指導 単元活動の指導 課題活動 1年生の時間割 5年生の時間割 学習グループ、同学年との授業 ケアルームで、給食
1日6名(平成28度末)勤務
1日9名(常勤看護師を含む。)
平成29年度から配置された常勤看護師1名を看護師主任として設置。 看護師主任の主な役割 医療的ケア児の健康状態の把握や医療的ケアの実施 学校関係者や看護師間の情報共有や連携 保護者の相談や主治医との連絡調整、主治医訪やケース会議の対応 非常勤看護師の意見を集約し、校内会議等の場で提案・報告 養護教諭、医療的ケア主任とヒヤリハット情報の収集と分析 15各関係者の役割を明確にし、各自が役割を確実に果たすことで連携を図り、
安全・安心な医療的ケアを実施する。
校長、主治医、学校医・指導医、看護師、健康安全課長、保健主事、 養護教諭、医療的ケア主任、認定教員、担任及び授業者(認定教員含む) 保護者、特別支援教育コーディネーター〇看護師主任の設置等
〇医療的ケア実施関係者の役割の明確化
人的環境整備
学級担任と看護師と役割分担と連携
学級担任
看護師
体調把握
緊急体制の確認
情報の共有
・医療的ケアの記録や確認
・ダブルチェック
・緊急時対応シミュレーションの実施
・授業予定の確認
教育活動
医療的ケア
互いの役割を重ね合いながら、協働するケアルーム
本人・保護者 看護師 看護師 主任 出席状況 体調・ケアの引継ぎ等 申し送り 健康状態の確認 当日のケア内容の確認 物品の確認 連絡帳の記載内容の確認 医療的ケア実施記録・・・看護師 連絡帳・・・保護者・担任 医療的ケア主任 養護教諭担 任
連絡・チェック体制
管理職
連絡調整 保護者対応 医療的ケア実施記録簿・・・看護師 主治医 学校医 指導医 医療情報の提供と 確認 17医療的ケア実施場面の視察(月2回) 看護師や教職員への指導・助言 医療的ケアに関する相談 医療的ケア安全委員会での助言 ケース会議での助言(適宜) 看護師や教職員への研修講師 主治医との連携(必要に応じて) 医療的ケア実施マニュアル策定についての指導・助言 人工呼吸器ケアガイドライン策定についての指導・助言 気管カニューレガイドライン策定についての指導・助言 緊急マニュアルやチェックリスト作成についての指導・助言 医療的ケア実施体制の整備や構築についての指導・助言
〇 指導医の学校医療的ケアへの参画
質的環境整備
医師が常駐しない学校において、医療的ケアを行うこと、高度な医療が必要な 児童等が増えてきたこと、緊急時の迅速な対応がより必要となってきたことから、 安全・安心に実施するために、看護師を始め直接担当する教職員は不安と心配 を感じていた。指導医の指導・助言や相談体制
○指導医巡回指導
安全・安心な医療的ケア実施に繋がった。
【視察内容】
・人工呼吸器使用児の自立活動
・常時酸素投与が必要な児童の授業
・緊張が入り誤嚥しやすい児童の給食
・緊張が入りやすい児童の胃ろう注入
・気管切開している児童が参加しているプール学習
・気管切開している児童のカニューレ交換 など
19質的環境整備
保護者のニーズと対応
○
人工呼吸器使用児の保護者付添いがなるべく早くなくなるように。
通常の手順
+
人工呼吸器ガイドライン
実態把握
人工呼吸器チェックシート
実施記録
緊急時の対応
主治医
学校医
指導医
学校生活上の配慮
個別の対応
指導・協力
丁寧な説明 合意形成
21 回数 対象 研修の方法 参加人数 全体研修 年2回 教職員 看護師 外部参加者 講演 各180名 選択研修 年7回 希望者 (教職員、看護師、 外部希望者) 講演 実技 7回合計 300名 認定教員研修 年1回 認定教員 看護師 希望者(教職員、 外部希望者) 講演 グループ ワーク 25名 高度な医療的ケア が必要な児童と看 護師の研修 年3回 担任、看護師 関係教職員 授業参観 指導助言 質疑・助言 20名
研修(教職員・看護師)
研修内容:教職員・看護師のニーズ調査・計画・実施
質的環境整備
高度な医療的ケアが必要な幼児児童生徒が友だちとともに学ぶために。
本人・保護者の願い
指導計画等の作成
学習グルー
プでの検
討・実践
研修、助言
改 善
授業の充実
事例
23 対象児:小学部5年 女子 必要なケア・・・人工呼吸器の管理、たんの吸引(咽頭部、気管カニューレ)、 気管切開部の衛生管理、胃ろうからの注入による経管栄養 常時看護師付添い 教育課程・・・自活主1
指導計画等の作成
「個別の教育支援計画」・・・・保護者のニーズを把握。 「友だちと一緒に過ごさせたい。それがとても大切。」 「年間指導計画」 ・・・・・・同学年の児童と一緒に活動する教科等の時間を設定。 活動内容の検討。場所の確保。具体的内容、教材、教 具(補助具含)、配置等の検討。 「個別の指導計画」・・・・・「体調の安定」を図ることをベースにし、各教科等の目標、 支援の手立て、学習活動の環境設定、動き、教具等計画。児童の小さな反応(声、体の緩み具合等)に応じて、児童の気持ちに寄り
添い、言葉でフィードバックすることを大切にしている。
2 学習グループでの授業の組み立て
(指導内容、授業時の配置等配慮点)
① 授業内容による姿勢及び動きに対応した配慮、支援
・授業内容の検討会・・・・・学習グループ会、学年部会。
・学習時の場所の配置
・・・コンセントの位置、電源コードの安全、チーフの教員や
教材・教具に注目しやすい位置、看護師のケアの位置
と待機場所、他の児童との関わりと呼吸器の安全確保
・姿勢・・・・活動内容により座位保持装置、クッションチェア。
移乗時に看護師の応援。
・活動の準備・・・手指や肩周りの緩め、業間の姿勢変換等
・医療的ケア・・・・・人工呼吸器の負担、低体温、授業中の
医療的ケアのタイミングへの対応
3 学習内容、活動の検証
(保護者、看護師、指導医、主治医との相談、連携、研修から)
25 1 ケアルーム・・・・週案で活動場所、下校時刻、送迎者、下校後の予定の 連絡、確認 2 保護者・・・・校外学習の保護者帯同の予定の連絡と学級通信による学習内容の お知らせ、学習内容(新しい活動)について参加方法の相談と確認。 ≪例1 プール学習を行うための取組≫ 「プール学習に関する主治医指示書」を受け、担任、養護教諭、医療的ケア 主任、看護師主任、主事、教務課長で支援の方法について検討。 ➡ 人工呼吸器の安全管理と安全な実施について・・指導医、呼吸器業者からの意見 ➡活動計画、備品、教員、母親、看護師の役割分担の再検討・再確認 ≪例2 外部講師 研修・助言から≫ 授業参観後の助言:登校後体を緩める時間を確保するとよい。 ➡授業前に体を整える時間を確保するために、体調の良い時には早めの登校をお願い したが、グループ学習開始の時刻に登校することが多く、保護者が授業に入ることを 希望するため、業間に姿勢変換の時間を確保した。緊急安全体制の整備
1 ハリーコール体制の整備
・全校で年2回ハリーコールシュミレーションを実施。(内1回センターと合同実施)3 緊急時の個別の対応マニュアルの作成
4 緊急時や災害時に必要な物品の整備
・研修やシミュレーション時に実際に活用し、緊急時に備える。 ・保護者、担任、主治医、学校医、指導医、看護師等関係者の合意の上で作成。 ・物品の準備・・・保護者。管理・・・担任、看護師。 ・各部、学習集団ごとに学期に1回実施(看護師、養護教諭、医療的ケア主任参加2 緊急時対応シミュレーションの実施
愛媛県立しげのぶ特別支援学校医療的ケア実施要領の見直し・改訂 ポイント: 医療的ケアの目的や対象者、役割等の明確化、看護師や 認定教員が行う医療的ケアの内容や範囲や実施方法、 実施手順、医療的ケア安全委員会の役割 27
〇医療的ケア実施マニュアルの策定
学校で人工呼吸器使用児が安全・安心に医療的ケアが受けられるようにする ため、また、保護者付添いなしで医療的ケアを受けられるようにするためにガイ ドラインを策定する。 ポイント:看護師の意見を最大限に尊重 授業を行う担任等の意見 指導医等の医師の助言 学識経験者の助言 人工呼吸器業者からの情報や文献 ※ 今後、適宜見直しを行い、より安全に活用できるガイドラインへと改訂し ていく。〇人工呼吸器ケアガイドラインの策定
気管カニューレ抜去の際、即時に再挿入が求められる自発呼吸のな
い医療的ケア児や気管軟化症の医療的ケア児が、安全・安心に医療的
ケアが受けられるようにするため、また、保護者付添いなしで医療的ケ
アを受けられるようにするためにガイドラインを策定した。
ポイント:看護師の意見を最大限に尊重
授業を行う担任等の意見
指導医等の医師の助言
学識経験者の助言
緊急対応や研修内容の明文化
※ 今後、適宜見直しを行い、より安全に活用できるガイドラインへと改訂して いく。〇気管カニューレガイドラインの策定
29
目 的
ヒヤリハットに遭遇した教職員だけの問題や責任ではなく、 学校
全体のこととして捉え、自身にも起こりうることだと認識をもち事故の
予防や未然防止に努める。
方 法
・ヒヤリハット事例の収集(様式の見直し・些細な事象も収集)
・外部講師による研修会
・検証会の開催(指導医からの指導・助言)
・共有化(各部会、教員と看護師間での共有)
結 果
具体的事例の検証や研修会等を通して教職員の意識の高揚が
図られ、報告しやすい環境作りやチェック体制の整備へとつながった。
〇 ヒヤリハット事例の蓄積と分析
成果と課題
1 物的環境整備
○
ケアルーム、保健室の移設
・
ケアルームを広くすることができた。 ・廊下が広く出入り口や駐車場にも近くなり、緊急時の対応が取りやすくなった。 ・保健室も広くなり将来の感染症予防対策にも対応しやすくなった。 ・校内一か所の屋根付き駐車場から遠くなったことで、雨の日の車の乗降に課 題が残った。○
対象児の教室配置
・
ケアルーム近くに教室を配置したことにより、緊急時の対応、空調設備等の環 境が整った。 ・必要時には看護師が複数で対応しやすくなり、医療的ケア面の安全・安心な環 境は確保された。 ・5年生は同学年の学習グループの教室を対象児の教室近くに配置することが できなかった。 「安全・安心な環境整備」と「学びの保障」の両立が課題である。○学校環境
・緊急連絡用の通信機器の整備が急務。○指導医
・指導医の存在・・・高度な医療的ケアの安全・安心な実施、 教育活動を
推進するために学校に大きな影響をもたらした。
・医療者としての視点で直接指導・助言・・・・看護師、教員の安心・安全と
専門性の向上。
・学校にいる子ども達を直接見てもらう・・・・病院ではない、診察室ではない
「学校にいる子どもを知ってもらえる機会」
・ 医療的な視点を取り入れながら教育活動を推進してい く。
・センターとの連携がより密接になった。
○ 主治医に学校を知ってもらえる工夫。
・「安全・安心に無理なく学べるようにするためどうすれ ばよいか」等が分
かりやすい指示書がもらえる工夫。
312 人的環境整備と質的環境整備
○
常勤看護師の配置・看護師と認定教員の役割分担と活用
・常勤看護師の大きな役割
医療的ケア生の健康状態の把握や保護者、学校関係者、看護師間
の連携、主治医や学校医等の医療関係者や病院等関係機関との連携
・期待が大きい・・・・
常勤看護師の負担が大きい
。
・高度な医療的ケアが必要な児童生徒の増加が想定される。
看護師と認定教員の協働について、さらに検討し、
安全・安心な 医療的ケア実施体制を充実させる。
33
○
授業の充実(学習保障と集団保障)
・
教員と看護師の役割を明確化→
連携・充実
・対象児の常時看護師が付き添い→
安心してより授業に取り組めた。
・外部講師からの研修・・・・「より充実した授業」
・主治医や指導医と連携・協働し、授業を考える.
人工呼吸器使用児に対する授業の目標や目的意識
「人工呼吸器があるからできない。」から、「どうしたら できるのか。」
・ 同学年の児童生徒との学習や集団保障のための学級編制や教室
配置への工夫について検討。
・限られた環境の中でいかに工夫し、改善するか。
○ヒヤリハット事例の蓄積と検証、情報共有
・
事故を未然に防ぎ、安全に医療的ケアを実施するために小さなヒヤリッ
トも見逃さず、蓄積、検証、情報共有することの重要性について再認識
し、学校全体で継続して取組んでいく。
・学んだことをマニュアルに反映させていく。
○ 研修
・
高度な医療的ケアに対応するための研修機会は、不安を抱える看護師
や教職員にとって良い学びの場となった。
・よりニーズにあった研修を計画する。
・研修内容の再確認できるシステムの構築。
・看護師と教員が互いに理解し、より協働できるために
看護師・・・「学校で働く看護師の役割」
教員・・・・・「学校にいる看護師」
○ ガイドライン
・策定したガイドラインを実用化しながら、適宜見直す。
・より安全に活用できるものに。
・保護者の説明の根拠となるものに。
・基準の中の個別性。
○ 役割と責任
「役割と責任を自覚」
・・・保護者、教員、看護師、医師、教育委員会
誰か一人の責任ではない
「みんなの責任」
35○学校で医療的ケアを実施する意味、保護者の負担軽減、主治医の役割と学 校に指導医が配置されている意味をさらに考えながら安全・安心な医療的ケア の充実を図りたい。 ○「医療現場ではない学校という教育の場」で医療職の看護師と教育職の教員 がそれぞれ専門職としての役割を果たしながら、互いに役割を重ね合い、互い を理解し合いながら、「ともに子どものために」という気持ちで協働したい。その ためにも、教職員、看護師とのよりよい協働についてさらに考えて行きたい ○「高度な医療的ケアを必要とする子どもが学校に通うことで、子ども達にどの ような発達があったか。」・・・・高度な医療的ケアを必要とする子ども達の担任、 看護師から学校教育の意義や成果、保護者から子どもの成長を喜ぶ声があっ た。これらの関係者の思いを全校教職員に広げて行きたい。 終わりに
37