• 検索結果がありません。

no 年度 卒業式式辞 皆さん ご卒業おめでとうございます 津田塾大学が新たなスター トを切った2017年度に この学び舎から羽ばたかれる皆さんに心か らの祝福を申し上げます 2017年度に総合政策学部を擁し2学部体制となった津田塾大学 は英語名称をTsuda University

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "no 年度 卒業式式辞 皆さん ご卒業おめでとうございます 津田塾大学が新たなスター トを切った2017年度に この学び舎から羽ばたかれる皆さんに心か らの祝福を申し上げます 2017年度に総合政策学部を擁し2学部体制となった津田塾大学 は英語名称をTsuda University"

Copied!
12
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

no.

106

津田塾 大学 〒187-8577 東京都小平市津田町2-1-1 Tel. 042-342-5113 Fax. 042-342-5121 http://www.tsuda.ac.jp/ P.2

2017年度 卒業式式辞

P.4

新学科・名称変更学科紹介

津田塾大学オープンユニバーシティ報告 P.6

plum garden

わたしと津田塾大学

「斜め上」の人との

関係を築く

P.7

plum garden

津田塾探訪

英作文ペーパーの歴史

P.8

パラリンピック出場をめざす

津田塾生

「シリア内戦と子どもたち」

プロジェクト

P.5 学外学修センターの取り組み報告 自治体やNPO法人との連携について 各賞受賞者報告 授業に関するアンケート実施結果 P.3 P.10 2018年度 入試結果報告 オープンキャンパス等日程のお知らせ 理事会・評議員会開催報告 津田ホールのピアノについて P.11 退職のご挨拶 クリスマス礼拝要約 P.12 津田梅子記念交流館プログラム 公開講座のご案内

カズオ・イシグロ

ノーベル文学賞受賞記念連続講演会

寄付者ご芳名

P.9

SUDA

ODAY

公開講座のご案内

お申込み お問合せ◆津田梅子記念交流館事務室 Tel.042-342-5146 場   所◆小平キャンパス お問合せ◆教務課 Tel.042-342-5130 場   所◆小平キャンパス お問合せ◆教務課 Tel.042-342-5130 場   所◆小平キャンパス お問合せ◆ウェルネス・センター Tel.042-342-5147 場   所◆小平キャンパス

総合 2018

講  師◆講演予定者については、本学ウェブサイトをご参照 ください。 日  時◆授業期間中の毎週木曜日 13:00 ∼ 14:30 お申込み◆不要。本学正門守衛所にて、住所、氏名等をご記入 ください。 参 加 費◆無料。どなたでも参加できます。 講  師◆長谷川 智氏 (羽黒派古修験道先達(二十度位)、一橋大学非常勤講師) 日  時◆2018 年 5月18日(金)10:30 ∼ 12:00 参 加 費◆無料(申込要) どなたでもご参加いただけます。 詳細はウェブサイトでご案内いたします。 現代のさまざまな問題を取り上げ、学生が主体となり 教員と協力して運営にあたる「総合」。 2018 年度は「漕ぎ出せ未来へ-フレキシブルな心のコンパス を携えて-」をテーマに、 各界でご活躍の方々にご講演いただきます。 第1回「修験道からの発想 ∼ウェルネスに生きるための身体と心の使い方∼」

お知らせ

「女性限定 心身のバランスを整えるヨーガ体験」 講  師◆剱持 和子氏(アーナンダヨーガスタジオ代表) 日  時◆2018年5月9日、16日 水曜日全2回13:00 ∼14:30 受 講 料◆4,000 円※ 「ストレスマネジメント入門」 講  師◆坂上 頼子氏(臨床心理士) 日  時◆2018年5月11日∼ 6月8日 金曜日全 5回10:30 ∼ 12:30 受 講 料◆10,000 円 「翻訳を体験しよう」 講  師◆柳田 利枝氏(翻訳家) 日  時◆2018 年 5月12日、26日、6月9日、23日、7月7日 隔週土曜日全 5回10:00 ∼ 12:00 受 講 料◆10,000 円 「大人のための英語講座 多読のすすめ」 講  師◆石黒 真理子(本学非常勤講師) 日  時◆2018 年 5月15日∼ 6月12日 火曜日全 5回10:30 ∼ 12:30 受 講 料◆10,000 円 「女性限定 火の呼吸で元気になる クンダリーニヨガ入門」 講  師◆加来 禎治氏(クンダリーニヨガインストラクター ) 日  時◆2018年5月18日(金)15:00 ∼17:00 受 講 料◆2,000 円 「浮世絵からお江戸の謎解き」 講  師◆牧野 健太郎氏(NHKプロモーションプロデューサー、 日本ユネスコ協会連盟評議委員) 日  時◆2018年5月24日(木)、6月22日(金)10:30 ∼12:00 受 講 料◆各2,000 円※ 「101年目のジャズ」 講  師◆椿 清文(本学英文学科教授) 日  時◆2018年4月17日、24日 火曜日全2回13:00∼14:30 受 講 料◆4,000 円※ ※シニア講座としても開講しますので、60 歳以上の方は受講料が無料です。

津田梅子記念交流館プログラム

詳細は交流館ウェブサイトをご覧ください。本学在校生の受講料は半額です。

ウェルネス・センター公開講座 

希望 −Innovation−

女性学

講  師◆【第1ターム】 三砂 ちづる (本学学芸学部国際関係学科教授) 【第3ターム】【第4ターム】 大橋 稔氏 (城西大学語学教育センター准教授) 日  時◆授業期間中の毎週月曜日13:00 ∼ 14:30 参 加 費◆無料。18歳以上であれば、どなたでも参加できます。 受付期間◆2018年4月9日(月)∼ 20日(金) 9:00 ∼ 16:00(11:15 ∼ 12:15を除く)、先着50名 お申込み◆教務課窓口で受け付けます。 詳しい日程については本学ウェブサイトをご参照ください。

(2)

2017年度第1・2ターム 授業に関するアンケート実施結果

2017年度 卒業式式辞

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 16 18 19 20 21 22 23 24 25 13 14 15 17 この授業を受講する際に、シラバスは有用でしたか。 各回の授業のねらいは明確に理解できましたか。 各回の授業の内容は理解できましたか。 授業で到達目標としている内容が身についたと思いますか。 課外学習の指導(参考文献の提示、文献の調べ方など)は適切でしたか。 この授業を受講して、テーマとする分野への問題意識や関心が深まりましたか。 この授業はよく準備・計画されていたと思いますか。 教員は受講者とコミュニケーションをとる努力をしていましたか。 教科書・授業レジュメプリントや参考文献は、講義内容の理解に効果的でしたか。 教員の声の大きさや話し方は適切でしたか。 板書やパワーポイント等の資料はわかりやすかったですか。 教員は静かな環境で受講できるよう努力していましたか。 総合的に判断してあなたはこの授業に満足しましたか。 教員は何回ぐらい休講(補講のないもの)をしましたか。 教員はクラスレポート(口頭発表)を課し、論評していますか。 教員はレポート等の返却(またはその告知)をしていますか。 教員は自主的発言を重んじ、評価していますか。 教員は学生一人一人の学習状況、理解の程度を把握していますか。 教員は質問の機会を与え、適切に答えていますか。 教員は宿題や小テストを課しましたか。 教員は授業の時間を守っていましたか。 授業を静かな環境で受講できるよう努力しましたか。 この授業に積極的に参加し、意見や質問を述べるよう努力しましたか。 この授業の今までの欠席回数は何回ですか。 この授業に関して、授業時間外で学習に当てた時間は毎週どれくらいでしたか。 ※ 文献調査・資料収集を行った時間も含む 授業に関する設問 受講姿勢に対する自己評価 平均値 問1∼14、19∼25 問15(欠席回数) 問16(総合満足度) 問17 (授業外学習時間〈週〉) 問18(休講回数) [5]:大いにそう思う [4]:そう思う [3]:どちらともいえない [2]:あまりそう思わない [1]:そう思わない [5]:0回  [4]:1回 [3]:2回 [2]:3回 [1]:4回以上 [5]:満足 [4]:やや満足 [3]:ふつう [2]:やや不満 [1]:不満 [5]:3時間以上 [4]:1-3時間 [3]:30分-1時間 [2]:30分未満 [1]:ほとんど行わなかった [5]:0回  [4]:1回  [3]:2回 [2]:3回 [1]:4回以上 設問別 回答内容  2017年度第1・2タームの授業に関するアンケートを6・7月に実施しました。延べ15,638人の履修者数に対して回答者数は12,120人、回答率は 77.5%でした。  設問1∼12、16、18∼25は、授業が適切に実施されていたかの設問で、ほぼ高評価を得る結果となりました。設問13∼15、17は、学生が自分自身 の受講姿勢を振り返る設問となっており、前回同様、大規模な講義形式授業に対する授業外学修の少なさが課題として確認されました。  これら結果については引き続き学内で検討を行うと同時に、今後もアンケートを実施し、さらなる授業改善に努めていきます。  皆さん、ご卒業おめでとうございます。津田塾大学が新たなスター トを切った2017年度に、この学び舎から羽ばたかれる皆さんに心か らの祝福を申し上げます。  2017年度に総合政策学部を擁し2学部体制となった津田塾大学 は英語名称をTsuda Universityと改めました。皆さんはその最初の 卒業生となります。2017年度には「TSUDA VISION 2030」も策定 いたしました。今日のこの機会に、ヴィジョンに込めた思いと創立者 津田梅子の建学の精神の一端に触れ、皆さんにエールを送りたいと 思います。  「TSUDA VISION 2030」ではまず、「変革を担う、女性であるこ と」をモットーに掲げました。どのような立場や環境に置かれていて も、自分が暮らし、働く地域や社会に貢献し、より良い世界を築いて いくために「変革を担う」、英語で言うならば、Make a Difference できる女性を津田塾大学は1900年以来育成してきました。それをさ らに継続していくという強い意思をこのモットーに込めました。また、 ミッションステートメントでは、 と謳い上げました。このミッションにまつわる津田梅子のエピソード を一つ紹介します。  6歳で官費留学生として米国に旅立った津田梅子の一度目の留学 については皆さんもよくご存知でしょう。二度目の留学は、華族女学 校という官立の学校で教鞭を執っていた24歳のときで、在職のまま 米国のブリンマー大学に在籍しました。この留学は、梅子が一度目の 滞米中に知り合っていたメアリ・モリスという敬虔なクエーカー教徒 が支援していました。モリスはブリンマー大学の学長に交渉して、授 業料及び寮費の免除という好条件を梅子のために引き出してくれた のです。  梅子は自身が得た貴重な機会を同胞の女性も経験できるようにと 願ってモリスに相談し、すぐにこれを実現する委員会が立ち上げられ ました。梅子の恩師である学部長のM・ケアリ・トマスも協力し、「ジャ パニーズ・スカラシップ」と名付けられた奨学金制度ができ、募金活 動が開始されたのです。梅子は帰国を1年延期して、募金のためのス ピーチなどを積極的に行いました。1892年に目標としていた8000ド ルが集まり、帰国します。  「ジャパニーズ・スカラシップ」は、1899年に最初のブリンマー大学 卒業生を送り出し、1976年まで25名の留学生を支援しました。受給 者の中には、本学の塾長・学長を務めた星野あいや藤田たき、恵泉女 学園の創立者河井道、同志社女子大学前身の校長を務めた松田道な ど、日本の教育史、女性史にその功績が刻まれている人物が名を連ね ています。渡米が許されなかった太平洋戦争中には、日系人の女性2 人にも奨学金を支給していました。日米の教育に貢献する数多くの 女性リーダーを輩出した画期的な奨学金制度でした。  このように、津田梅子は東京で女子英学塾という学校を作る前に、 自らが得た機会を同胞の女性たちと分かち合い、自分に続く教育者 となる女性リーダーを輩出するヴィジョンを持っていたのです。また、 奨学金制度を作る成功体験があったからこそ、8年後の1900年、女 子英学塾を創立するという英断が可能になったとも言えます。  広く他者に連なる思いやヴィジョンを津田塾大学では、そして卒業 生たちは「津田スピリット」と呼んでいます。ミッションステートメント で謳っている「弱さを、気づきに。強さを、分かち合う力に。不安を、勇 気に。逆境を、創造を灯す光に。」という言葉は、どのような場にあって も果敢に変革を担う選択をした津田梅子の生き方そのものを端的に 表しています。  1913年の卒業式で津田梅子は卒業生に「広く、深く、献身的に愛 することを学べば、人生を失敗することはありません。( Learn to

love broadly, deeply and devotedly, and your lives can not

fail. )」「真摯に、そして惜しみ無く、社会に働きかけることのできる、

有意な人になれ」( Truth and devotion demand that we shall

not waste our lives, but that we shall be of some real service in the world. )と語りかけています。すなわち、女子英学塾

で学んだ卒業生が果敢に社会貢献できる、「変革を担う」女性に育っ ていくようにという願いを込めたのです。  卒業のこの日に、「変革を担う、女性であること」というモットーと 共に津田梅子の広く他者に連なる潔い生き方と高い志を、そして、視 聴覚センターにある屏風絵に描かれた津田梅子の姿―米国到着を 目前に、草履を脱いで、前を向き、視線の先にある未知の世界に立ち 向かう、積極的な姿勢と眼差しを、今一度、皆さんの心に深く刻んで、 この学び舎から羽ばたいていっていただきたいと願っています。

2017年度 各賞受賞者報告

2017年度 卒業・修了(終了)者数2018年3月16日現在 247人 247人 54人 53人 601人 1人 2人 1人 4人 修士課程 大学院 学芸学部 博士課程 14人 2人 10人 26人 英 文 学 科 国 際 関 係 学 科 数 学 科 情 報 科 学 科   合   計   文 学 研 究 科 国際関係学研究科 理 学 研 究 科   合   計   ◎星野あい賞 第2代学長・星野あい先生の寄付を基金として制定された賞。成績優秀な数学科 4年生に授与。 数学科    今井 慧子  石塚 優子  神谷 葉月 ◎石坂泰三賞 元本学理事長・石坂泰三氏の寄付を基金として制定された賞。 英文学科:大学院に進学し、かつ成績優秀な4年生に授与。 情報科学科:成績優秀な4年生に授与。 国際関係学科:成績が優秀でよい論文を書いた4年生に授与。 英文学科   柏村 陽子  中塚 もも  平賀 杏子 情報科学科  橋本 梨菜  飯島 沙織  新田 佳菜 国際関係学科 斎藤 沙也加  阿部 紗織  藤田 七海 ◎多文化・国際協力コース賞 優秀なフィールドワーク報告卒 業論文を作成した多文化・国際 協力コース4年生に授与。 国際関係学科 横山 真由子 ◎メディアスタディーズ・コース賞 優秀な卒業論文または卒業制作 を作成したメディアスタディーズ・ コース4年生に授与。 国際関係学科 山田 久美 ◎情報科学科論文賞 優秀な卒業研究を行った情報科学科4年生に授与。 市川 ひまわり  飯島 沙織 「VR空間におけるジェスチャを用いたNatural User Interfaceの研究」 奥 かなみ  清水 美希 「ゲーミフィケーションを利用した面接シミュレー タの構築」 関根 由莉  高村 美穂 「RoomBack:OpenCVを用いた顔認識による 動画観視環境改善のための動的フィードバック の提案」 橋本 梨菜  新田 佳菜 「コイン裏返しゲームの状態遷移行列」 原 ちひろ  中村 美咲  鷲尾 祥子 「コンピュータ使用状況の可視化」 1 シラバスは有用だったか 2 授業のねらいの理解度 24 宿題・小テストの実施 25 教員は時間を守ったか 16 総合的満足度 13 学生の静寂さへの努力 14 授業への取り組み 15 欠席の回数 17 授業時間外の学習時間 18 休講の回数 3 授業内容の理解度 23 質問の機会・回答 4 到達目標の達成度 22 学習状況・理解度の把握 5 課題学習指導の適切さ 21 自主的発言の評価 20 レポート等の返却 6 分野への問題意識・関心 19 クラスレポートの実施 7 授業の準備・計画性 10 教員の声の大きさ・話し方 11 板書や資料のわかりやすさ 12 教員の静寂さへの努力 8 教員コミュニケーション姿勢 9理解度に関する教材の効果 1 2 3 4 5

弱さを、気づきに。

強さを、分かち合う力に。

不安を、勇気に。

逆境を、創造を灯す光に。

(3)

2017年度第1・2ターム 授業に関するアンケート実施結果

2017年度 卒業式式辞

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 16 18 19 20 21 22 23 24 25 13 14 15 17 この授業を受講する際に、シラバスは有用でしたか。 各回の授業のねらいは明確に理解できましたか。 各回の授業の内容は理解できましたか。 授業で到達目標としている内容が身についたと思いますか。 課外学習の指導(参考文献の提示、文献の調べ方など)は適切でしたか。 この授業を受講して、テーマとする分野への問題意識や関心が深まりましたか。 この授業はよく準備・計画されていたと思いますか。 教員は受講者とコミュニケーションをとる努力をしていましたか。 教科書・授業レジュメプリントや参考文献は、講義内容の理解に効果的でしたか。 教員の声の大きさや話し方は適切でしたか。 板書やパワーポイント等の資料はわかりやすかったですか。 教員は静かな環境で受講できるよう努力していましたか。 総合的に判断してあなたはこの授業に満足しましたか。 教員は何回ぐらい休講(補講のないもの)をしましたか。 教員はクラスレポート(口頭発表)を課し、論評していますか。 教員はレポート等の返却(またはその告知)をしていますか。 教員は自主的発言を重んじ、評価していますか。 教員は学生一人一人の学習状況、理解の程度を把握していますか。 教員は質問の機会を与え、適切に答えていますか。 教員は宿題や小テストを課しましたか。 教員は授業の時間を守っていましたか。 授業を静かな環境で受講できるよう努力しましたか。 この授業に積極的に参加し、意見や質問を述べるよう努力しましたか。 この授業の今までの欠席回数は何回ですか。 この授業に関して、授業時間外で学習に当てた時間は毎週どれくらいでしたか。 ※ 文献調査・資料収集を行った時間も含む 授業に関する設問 受講姿勢に対する自己評価 平均値 問1∼14、19∼25 問15(欠席回数) 問16(総合満足度) 問17 (授業外学習時間〈週〉) 問18(休講回数) [5]:大いにそう思う [4]:そう思う [3]:どちらともいえない [2]:あまりそう思わない [1]:そう思わない [5]:0回  [4]:1回 [3]:2回 [2]:3回 [1]:4回以上 [5]:満足 [4]:やや満足 [3]:ふつう [2]:やや不満 [1]:不満 [5]:3時間以上 [4]:1-3時間 [3]:30分-1時間 [2]:30分未満 [1]:ほとんど行わなかった [5]:0回  [4]:1回  [3]:2回 [2]:3回 [1]:4回以上 設問別 回答内容  2017年度第1・2タームの授業に関するアンケートを6・7月に実施しました。延べ15,638人の履修者数に対して回答者数は12,120人、回答率は 77.5%でした。  設問1∼12、16、18∼25は、授業が適切に実施されていたかの設問で、ほぼ高評価を得る結果となりました。設問13∼15、17は、学生が自分自身 の受講姿勢を振り返る設問となっており、前回同様、大規模な講義形式授業に対する授業外学修の少なさが課題として確認されました。  これら結果については引き続き学内で検討を行うと同時に、今後もアンケートを実施し、さらなる授業改善に努めていきます。  皆さん、ご卒業おめでとうございます。津田塾大学が新たなスター トを切った2017年度に、この学び舎から羽ばたかれる皆さんに心か らの祝福を申し上げます。  2017年度に総合政策学部を擁し2学部体制となった津田塾大学 は英語名称をTsuda Universityと改めました。皆さんはその最初の 卒業生となります。2017年度には「TSUDA VISION 2030」も策定 いたしました。今日のこの機会に、ヴィジョンに込めた思いと創立者 津田梅子の建学の精神の一端に触れ、皆さんにエールを送りたいと 思います。  「TSUDA VISION 2030」ではまず、「変革を担う、女性であるこ と」をモットーに掲げました。どのような立場や環境に置かれていて も、自分が暮らし、働く地域や社会に貢献し、より良い世界を築いて いくために「変革を担う」、英語で言うならば、Make a Difference できる女性を津田塾大学は1900年以来育成してきました。それをさ らに継続していくという強い意思をこのモットーに込めました。また、 ミッションステートメントでは、 と謳い上げました。このミッションにまつわる津田梅子のエピソード を一つ紹介します。  6歳で官費留学生として米国に旅立った津田梅子の一度目の留学 については皆さんもよくご存知でしょう。二度目の留学は、華族女学 校という官立の学校で教鞭を執っていた24歳のときで、在職のまま 米国のブリンマー大学に在籍しました。この留学は、梅子が一度目の 滞米中に知り合っていたメアリ・モリスという敬虔なクエーカー教徒 が支援していました。モリスはブリンマー大学の学長に交渉して、授 業料及び寮費の免除という好条件を梅子のために引き出してくれた のです。  梅子は自身が得た貴重な機会を同胞の女性も経験できるようにと 願ってモリスに相談し、すぐにこれを実現する委員会が立ち上げられ ました。梅子の恩師である学部長のM・ケアリ・トマスも協力し、「ジャ パニーズ・スカラシップ」と名付けられた奨学金制度ができ、募金活 動が開始されたのです。梅子は帰国を1年延期して、募金のためのス ピーチなどを積極的に行いました。1892年に目標としていた8000ド ルが集まり、帰国します。  「ジャパニーズ・スカラシップ」は、1899年に最初のブリンマー大学 卒業生を送り出し、1976年まで25名の留学生を支援しました。受給 者の中には、本学の塾長・学長を務めた星野あいや藤田たき、恵泉女 学園の創立者河井道、同志社女子大学前身の校長を務めた松田道な ど、日本の教育史、女性史にその功績が刻まれている人物が名を連ね ています。渡米が許されなかった太平洋戦争中には、日系人の女性2 人にも奨学金を支給していました。日米の教育に貢献する数多くの 女性リーダーを輩出した画期的な奨学金制度でした。  このように、津田梅子は東京で女子英学塾という学校を作る前に、 自らが得た機会を同胞の女性たちと分かち合い、自分に続く教育者 となる女性リーダーを輩出するヴィジョンを持っていたのです。また、 奨学金制度を作る成功体験があったからこそ、8年後の1900年、女 子英学塾を創立するという英断が可能になったとも言えます。  広く他者に連なる思いやヴィジョンを津田塾大学では、そして卒業 生たちは「津田スピリット」と呼んでいます。ミッションステートメント で謳っている「弱さを、気づきに。強さを、分かち合う力に。不安を、勇 気に。逆境を、創造を灯す光に。」という言葉は、どのような場にあって も果敢に変革を担う選択をした津田梅子の生き方そのものを端的に 表しています。  1913年の卒業式で津田梅子は卒業生に「広く、深く、献身的に愛 することを学べば、人生を失敗することはありません。( Learn to

love broadly, deeply and devotedly, and your lives can not

fail. )」「真摯に、そして惜しみ無く、社会に働きかけることのできる、

有意な人になれ」( Truth and devotion demand that we shall

not waste our lives, but that we shall be of some real service in the world. )と語りかけています。すなわち、女子英学塾

で学んだ卒業生が果敢に社会貢献できる、「変革を担う」女性に育っ ていくようにという願いを込めたのです。  卒業のこの日に、「変革を担う、女性であること」というモットーと 共に津田梅子の広く他者に連なる潔い生き方と高い志を、そして、視 聴覚センターにある屏風絵に描かれた津田梅子の姿―米国到着を 目前に、草履を脱いで、前を向き、視線の先にある未知の世界に立ち 向かう、積極的な姿勢と眼差しを、今一度、皆さんの心に深く刻んで、 この学び舎から羽ばたいていっていただきたいと願っています。

2017年度 各賞受賞者報告

2017年度 卒業・修了(終了)者数2018年3月16日現在 247人 247人 54人 53人 601人 1人 2人 1人 4人 修士課程 大学院 学芸学部 博士課程 14人 2人 10人 26人 英 文 学 科 国 際 関 係 学 科 数 学 科 情 報 科 学 科   合   計   文 学 研 究 科 国際関係学研究科 理 学 研 究 科   合   計   ◎星野あい賞 第2代学長・星野あい先生の寄付を基金として制定された賞。成績優秀な数学科 4年生に授与。 数学科    今井 慧子  石塚 優子  神谷 葉月 ◎石坂泰三賞 元本学理事長・石坂泰三氏の寄付を基金として制定された賞。 英文学科:大学院に進学し、かつ成績優秀な4年生に授与。 情報科学科:成績優秀な4年生に授与。 国際関係学科:成績が優秀でよい論文を書いた4年生に授与。 英文学科   柏村 陽子  中塚 もも  平賀 杏子 情報科学科  橋本 梨菜  飯島 沙織  新田 佳菜 国際関係学科 斎藤 沙也加  阿部 紗織  藤田 七海 ◎多文化・国際協力コース賞 優秀なフィールドワーク報告卒 業論文を作成した多文化・国際 協力コース4年生に授与。 国際関係学科 横山 真由子 ◎メディアスタディーズ・コース賞 優秀な卒業論文または卒業制作 を作成したメディアスタディーズ・ コース4年生に授与。 国際関係学科 山田 久美 ◎情報科学科論文賞 優秀な卒業研究を行った情報科学科4年生に授与。 市川 ひまわり  飯島 沙織 「VR空間におけるジェスチャを用いたNatural User Interfaceの研究」 奥 かなみ  清水 美希 「ゲーミフィケーションを利用した面接シミュレー タの構築」 関根 由莉  高村 美穂 「RoomBack:OpenCVを用いた顔認識による 動画観視環境改善のための動的フィードバック の提案」 橋本 梨菜  新田 佳菜 「コイン裏返しゲームの状態遷移行列」 原 ちひろ  中村 美咲  鷲尾 祥子 「コンピュータ使用状況の可視化」 1 シラバスは有用だったか 2 授業のねらいの理解度 24 宿題・小テストの実施 25 教員は時間を守ったか 16 総合的満足度 13 学生の静寂さへの努力 14 授業への取り組み 15 欠席の回数 17 授業時間外の学習時間 18 休講の回数 3 授業内容の理解度 23 質問の機会・回答 4 到達目標の達成度 22 学習状況・理解度の把握 5 課題学習指導の適切さ 21 自主的発言の評価 20 レポート等の返却 6 分野への問題意識・関心 19 クラスレポートの実施 7 授業の準備・計画性 10 教員の声の大きさ・話し方 11 板書や資料のわかりやすさ 12 教員の静寂さへの努力 8 教員コミュニケーション姿勢 9理解度に関する教材の効果 1 2 3 4 5

弱さを、気づきに。

強さを、分かち合う力に。

不安を、勇気に。

逆境を、創造を灯す光に。

(4)

新学科・名称変更学科紹介

 多文化共生、国際協力、という分野は、開学以来、津田塾が一貫して 人材を輩出してきた分野である。教員たちは、研究、あるいは国際協 力活動の一環として、開発途上国と呼ばれる国々をはじめとする世 界の津々浦々に出かけることがあるが、どこに行っても、活躍してい る津田塾の卒業生に出会うという。アフリカや南アジアやラテンアメ リカなど、過酷な環境の、辺境と呼ばれる地に赴いても、津田塾の卒 業生に会う。卒業生を全て合わせても3万人台、という小さな大学で あることを考えると、それは驚くべきことではあるまいか。  津田塾の お家芸 とも言える、多文化共生や国際協力の分野で活 躍するための系統的な学びを学生時代から提供することを目指し、 2003年に、英文学科と国際関係学科の横断コースとして多文化・国 際協力コースが発足した。2年生から始まるコースでは、フィールド ワークを必須とし、フィールドワークに基づいた論文を書き上げるこ とが求められている。1年生秋に応募が行われるが、発足以来、ずっと 人気は高く、在学生の満足度も高い。2018年3月に卒業する学生た ちはこのコースの12期生であり、総計500名を超える学生がこのコー スから巣立ち、国内外さまざまな分野で活動している。  この学科横断コースの10年以上に及ぶ経験をもとに、2019年4月 に、多文化・国際協力学科(仮称)*の発足を目指すことになった。多文 化共生、国際協力、国際ウェルネス、という三つの分野を学科内の コースとし、定員は70名、学科横断コース時代に培った経験を十分 に生かし、フィールドワークを中心とした学びをさらに発展させてい けるような学科を目指す。  伝統ある英語の学びを中心に置く英文学科、理論的枠組みから学 び始めて、世界の状況に接近して行く国際関係学科に加え、現場か ら問題を抽出し、フィールドから世界を見る新学科の誕生は、リベラ ルアーツの学びを大切にする学芸学部の魅力をさらに高めていくこ とになる、と考えている。 *設置構想中。学科の内容は変更する場合があります。

学外学修センターの取り組み報告

新学科

多文化・国際協力学科

(仮称)

について

シンポジウム「キャンパスをこえた学びが創る女性の未来」開催

 津田梅子先生の思いが結実した「女子英学塾」の歩みは、110余年 の歴史を刻んできました。英文学科は、たえず変容する世界と向き合 いながら、「たしかな英語」を礎にした英語教育を貫いてきました。戦 争の渦中にあってさえ、です。何より、英語を通して、世界を理解する こと、自身が表現することばをもつこと、その重要性を特色とするア カデミック・ポリシーが根幹にあるのだと思います。  たしかな英語力、論理的思考、そして幅広い学識と専門性をそなえ た女性たちが育ち、国内外で活躍してきたことは津田塾大学の誇り です。学則にも明記されているように、「英語を通じて異なる文化的 背景を探求する考察力と人間を洞察する力量を培う」目的が、「読む・ 書く・聞く・話す」英語の技能の修得を通して、広く人文学の知識と言 語文化理解を深めることと有機的に結びついているからではないで しょうか。  他方で、グローバル社会の要請に伴い、「コミュニケーションとして の英語」のスキルに特化した教育プログラムが多くの大学で前面に打 ち出されるようになりました。そのような趨勢にあって、「英文学科」 の名称が、ともすれば「文学」のみを学ぶ学科のような狭い印象を与 えかねないと危惧する声があるのも事実です。英文学科では、今まで の実績にのっとり、特色ある英語教育をより広汎に社会で認識され ることをめざし、学科名称に「英語」を冠し、「英語英文学科」に変更す る決断に至りました。この変更により、現在の教育内容の特色をより 明確に表し、英語教育とリベラルアーツの専門性の両方を継承する学 科としてのアイデンティティをたしかなものにしたいと願っています。  このような展開のもと、英語教育に連動する専門領域の学びにつ いても、「英語圏言語文化専攻」と「異文化コミュニケーション専攻」 に再編することを構想しています。

「英文学科」から「英語英文学科」

(予定)

− 2019年からの展開に向けて

佐原アカデミアとの包括連携協定締結

 2017年11月19日、学外学修に関するシンポジウム「キャンパスを こえた学びが創る女性の未来」が開催され、100名を超える在学生、 卒業生、学外学修にご協力いただいた企業・団体関係者が千駄ヶ谷 キャンパスに集いました。  シンポジウムでは、本学の岩田喜美枝理事による基調講演、各方面 で活躍されている5人の卒業生たちによるパネルディスカッションが あり、社会における女性の活躍やキャンパスをこえて学ぶことについ て活発な議論が交わされました。その後行われたネットワーキングラ ンチでは、在学生たちが卒業生や企業の方に積極的にアプローチ し、インターンシップの機会や進路について熱心に相談していたのが 印象的でした。ランチ会場には学外学修に関する成果発表ポスター も展示され、参加者が興味深く見入っていました。このシンポジウム を機に、在学生、卒業生や支援いただく団体の皆様による交流を深め ることができました。 学外学修センター 副センター長 

敦賀 和外

多文化・国際協力学科(仮称)設置準備室(予定) 

三砂 ちづる

国際関係学科 教授 特任教授 英文学科 教授 学科主任 

早川 敦子

英文学科 教授

自治体やNPO法人との連携をすすめています

 2017年12月14日、特定非営利活動法人佐原アカデミアと本学は、持 続可能な地域社会づくりの理念を共有し、地域社会の発展に寄与する ため、教育活動および研究活動における包括連携協定を締結しました。  佐原アカデミアは、佐原が築き上げてきた歴史文化遺産、有形無 形の生活遺産に関する基本情報の集積、さまざまな課題に取り組む 人たちの人材育成に寄与する活動への取り組み、「外部のまなざし」 を入れた地域の文化資源の発見と新たな創造への取り組みなどによ り、豊かで活力に満ち、かつ持続可能な地域力を培う「まちづくり」の 媒体となることを目指している特定非営利活動法人です。  この協定に伴い、今後、本学と佐原アカデミアは、地域活性化に関 する事項、教育・研究に関する事項、産学連携に関する事項、インター ンシップに関する事項について連携・協力することになります。

国分寺市との相互連携に関する協定締結

 2018年2月15日、国分寺市と本学は、文化、教育、学術、観光等の 分野で相互が持つ資源を有効活用し連携することにより、地域の一 層の活性化および市民サービスの向上並びに人材の育成に寄与する ことを目的に、相互連携に関する協定を締結しました。  隣接する国分寺市では、これまでも本学教員が国分寺市情報公 開・個人情報保護審議会で委員を務めるなどして関係を築いてきま したが、さらに連携を進めるため、定期的に意見交換を行っていきま す。具体的には、データを活用した政策立案等による地域課題の解 決に向けた取り組みの推進や、学生の感性を活かしたまちの魅力発 信などについて、検討を進めていく予定です。

岩手県住田町との連携協力に関する包括協定締結

 2018年2月19日、岩手県住田町と本学は、豊かな自然と歴史文化 をもつ地域の活性化と大学における教育・研究の推進に資するため、 連携協力に関する包括協定を締結しました。  住田町と本学の交流は、森川美絵(総合政策学科教授)が、住田町 を含む気仙地域の自治体が直面する保健医療福祉の課題解決に向 けた活動を展開している非営利団体「一般社団法人未来かなえ機 構」の事業活動アドバイザーを務めていることがきっかけで、2017年 度より始まりました。今回、包括協定を結ぶことによって、より組織的 な連携へと発展させていく予定です。

津田塾大学オープンユニバーシティ(TOU)報告

 「津田塾大学オープンユニバーシティ(TOU)」の初回となる秋期 講座は、9つの講座を開講し、合計65名の受講がありました。内訳と しては、国際機関等の進路希望者を対象とする「Global Education

and Sustainable Development Program」4講座、「小学校教員

向け初等英語教育研究講座」1講座、「学生および企業・社会人向け 英語」2講座、「観光英語」2講座が開講されました。各講座ともに、受 講者からは「幅広いトピックを扱い、教材も充実していたため、知識 を深められた」、「一般の英会話学校とは質が全く異なり、とても素晴 らしい講師であった」といった声が寄せられ、大変好評でした。また、 新制津田塾大学の設置から数えて70年目を迎えた英文学科との共 催により、11月には「カズオ・イシグロノーベル文学賞受賞記念連続 講演会」を開催し、全3回で合計367名の参加があり、今年1月から 開講した「不思議の国 イギリス」では全4回で合計84名の参加があ りました。  来年度からは、好評な観光英語講座に加えて、観光スペイン語・観 光中国語の講座を設けるなど、ますます講座を充実させていく予定 です。詳細は決まり次第、TOU webサイトに掲載します。 http://tou.tsuda.ac.jp/ オープンユニバーシティ長 

野口 啓子

「Global Education and Sustainable Development Program」説明会は、 平日にもかかわらず多くの参加者が 集った。

(5)

新学科・名称変更学科紹介

 多文化共生、国際協力、という分野は、開学以来、津田塾が一貫して 人材を輩出してきた分野である。教員たちは、研究、あるいは国際協 力活動の一環として、開発途上国と呼ばれる国々をはじめとする世 界の津々浦々に出かけることがあるが、どこに行っても、活躍してい る津田塾の卒業生に出会うという。アフリカや南アジアやラテンアメ リカなど、過酷な環境の、辺境と呼ばれる地に赴いても、津田塾の卒 業生に会う。卒業生を全て合わせても3万人台、という小さな大学で あることを考えると、それは驚くべきことではあるまいか。  津田塾の お家芸 とも言える、多文化共生や国際協力の分野で活 躍するための系統的な学びを学生時代から提供することを目指し、 2003年に、英文学科と国際関係学科の横断コースとして多文化・国 際協力コースが発足した。2年生から始まるコースでは、フィールド ワークを必須とし、フィールドワークに基づいた論文を書き上げるこ とが求められている。1年生秋に応募が行われるが、発足以来、ずっと 人気は高く、在学生の満足度も高い。2018年3月に卒業する学生た ちはこのコースの12期生であり、総計500名を超える学生がこのコー スから巣立ち、国内外さまざまな分野で活動している。  この学科横断コースの10年以上に及ぶ経験をもとに、2019年4月 に、多文化・国際協力学科(仮称)*の発足を目指すことになった。多文 化共生、国際協力、国際ウェルネス、という三つの分野を学科内の コースとし、定員は70名、学科横断コース時代に培った経験を十分 に生かし、フィールドワークを中心とした学びをさらに発展させてい けるような学科を目指す。  伝統ある英語の学びを中心に置く英文学科、理論的枠組みから学 び始めて、世界の状況に接近して行く国際関係学科に加え、現場か ら問題を抽出し、フィールドから世界を見る新学科の誕生は、リベラ ルアーツの学びを大切にする学芸学部の魅力をさらに高めていくこ とになる、と考えている。 *設置構想中。学科の内容は変更する場合があります。

学外学修センターの取り組み報告

新学科

多文化・国際協力学科

(仮称)

について

シンポジウム「キャンパスをこえた学びが創る女性の未来」開催

 津田梅子先生の思いが結実した「女子英学塾」の歩みは、110余年 の歴史を刻んできました。英文学科は、たえず変容する世界と向き合 いながら、「たしかな英語」を礎にした英語教育を貫いてきました。戦 争の渦中にあってさえ、です。何より、英語を通して、世界を理解する こと、自身が表現することばをもつこと、その重要性を特色とするア カデミック・ポリシーが根幹にあるのだと思います。  たしかな英語力、論理的思考、そして幅広い学識と専門性をそなえ た女性たちが育ち、国内外で活躍してきたことは津田塾大学の誇り です。学則にも明記されているように、「英語を通じて異なる文化的 背景を探求する考察力と人間を洞察する力量を培う」目的が、「読む・ 書く・聞く・話す」英語の技能の修得を通して、広く人文学の知識と言 語文化理解を深めることと有機的に結びついているからではないで しょうか。  他方で、グローバル社会の要請に伴い、「コミュニケーションとして の英語」のスキルに特化した教育プログラムが多くの大学で前面に打 ち出されるようになりました。そのような趨勢にあって、「英文学科」 の名称が、ともすれば「文学」のみを学ぶ学科のような狭い印象を与 えかねないと危惧する声があるのも事実です。英文学科では、今まで の実績にのっとり、特色ある英語教育をより広汎に社会で認識され ることをめざし、学科名称に「英語」を冠し、「英語英文学科」に変更す る決断に至りました。この変更により、現在の教育内容の特色をより 明確に表し、英語教育とリベラルアーツの専門性の両方を継承する学 科としてのアイデンティティをたしかなものにしたいと願っています。  このような展開のもと、英語教育に連動する専門領域の学びにつ いても、「英語圏言語文化専攻」と「異文化コミュニケーション専攻」 に再編することを構想しています。

「英文学科」から「英語英文学科」

(予定)

− 2019年からの展開に向けて

佐原アカデミアとの包括連携協定締結

 2017年11月19日、学外学修に関するシンポジウム「キャンパスを こえた学びが創る女性の未来」が開催され、100名を超える在学生、 卒業生、学外学修にご協力いただいた企業・団体関係者が千駄ヶ谷 キャンパスに集いました。  シンポジウムでは、本学の岩田喜美枝理事による基調講演、各方面 で活躍されている5人の卒業生たちによるパネルディスカッションが あり、社会における女性の活躍やキャンパスをこえて学ぶことについ て活発な議論が交わされました。その後行われたネットワーキングラ ンチでは、在学生たちが卒業生や企業の方に積極的にアプローチ し、インターンシップの機会や進路について熱心に相談していたのが 印象的でした。ランチ会場には学外学修に関する成果発表ポスター も展示され、参加者が興味深く見入っていました。このシンポジウム を機に、在学生、卒業生や支援いただく団体の皆様による交流を深め ることができました。 学外学修センター 副センター長 

敦賀 和外

多文化・国際協力学科(仮称)設置準備室(予定) 

三砂 ちづる

国際関係学科 教授 特任教授 英文学科 教授 学科主任 

早川 敦子

英文学科 教授

自治体やNPO法人との連携をすすめています

 2017年12月14日、特定非営利活動法人佐原アカデミアと本学は、持 続可能な地域社会づくりの理念を共有し、地域社会の発展に寄与する ため、教育活動および研究活動における包括連携協定を締結しました。  佐原アカデミアは、佐原が築き上げてきた歴史文化遺産、有形無 形の生活遺産に関する基本情報の集積、さまざまな課題に取り組む 人たちの人材育成に寄与する活動への取り組み、「外部のまなざし」 を入れた地域の文化資源の発見と新たな創造への取り組みなどによ り、豊かで活力に満ち、かつ持続可能な地域力を培う「まちづくり」の 媒体となることを目指している特定非営利活動法人です。  この協定に伴い、今後、本学と佐原アカデミアは、地域活性化に関 する事項、教育・研究に関する事項、産学連携に関する事項、インター ンシップに関する事項について連携・協力することになります。

国分寺市との相互連携に関する協定締結

 2018年2月15日、国分寺市と本学は、文化、教育、学術、観光等の 分野で相互が持つ資源を有効活用し連携することにより、地域の一 層の活性化および市民サービスの向上並びに人材の育成に寄与する ことを目的に、相互連携に関する協定を締結しました。  隣接する国分寺市では、これまでも本学教員が国分寺市情報公 開・個人情報保護審議会で委員を務めるなどして関係を築いてきま したが、さらに連携を進めるため、定期的に意見交換を行っていきま す。具体的には、データを活用した政策立案等による地域課題の解 決に向けた取り組みの推進や、学生の感性を活かしたまちの魅力発 信などについて、検討を進めていく予定です。

岩手県住田町との連携協力に関する包括協定締結

 2018年2月19日、岩手県住田町と本学は、豊かな自然と歴史文化 をもつ地域の活性化と大学における教育・研究の推進に資するため、 連携協力に関する包括協定を締結しました。  住田町と本学の交流は、森川美絵(総合政策学科教授)が、住田町 を含む気仙地域の自治体が直面する保健医療福祉の課題解決に向 けた活動を展開している非営利団体「一般社団法人未来かなえ機 構」の事業活動アドバイザーを務めていることがきっかけで、2017年 度より始まりました。今回、包括協定を結ぶことによって、より組織的 な連携へと発展させていく予定です。

津田塾大学オープンユニバーシティ(TOU)報告

 「津田塾大学オープンユニバーシティ(TOU)」の初回となる秋期 講座は、9つの講座を開講し、合計65名の受講がありました。内訳と しては、国際機関等の進路希望者を対象とする「Global Education

and Sustainable Development Program」4講座、「小学校教員

向け初等英語教育研究講座」1講座、「学生および企業・社会人向け 英語」2講座、「観光英語」2講座が開講されました。各講座ともに、受 講者からは「幅広いトピックを扱い、教材も充実していたため、知識 を深められた」、「一般の英会話学校とは質が全く異なり、とても素晴 らしい講師であった」といった声が寄せられ、大変好評でした。また、 新制津田塾大学の設置から数えて70年目を迎えた英文学科との共 催により、11月には「カズオ・イシグロノーベル文学賞受賞記念連続 講演会」を開催し、全3回で合計367名の参加があり、今年1月から 開講した「不思議の国 イギリス」では全4回で合計84名の参加があ りました。  来年度からは、好評な観光英語講座に加えて、観光スペイン語・観 光中国語の講座を設けるなど、ますます講座を充実させていく予定 です。詳細は決まり次第、TOU webサイトに掲載します。 http://tou.tsuda.ac.jp/ オープンユニバーシティ長 

野口 啓子

「Global Education and Sustainable Development Program」説明会は、 平日にもかかわらず多くの参加者が 集った。

(6)

Q.

先生は、津田塾に来る前、どのような活動をしていたのですか 実は僕、9回転職しているんです。新聞社、国連、NGO、外務省、そし て大学など……。学生時代から国際協力に関する仕事はしたいと 思っていましたが、まずは、縁のあった新聞社に就職しました。しか し、国際協力への想いを叶えるため、入社6年目で退職。大学へ戻 り、国連に入りました。新聞社に勤めていた頃は、安定していました し、国連に行けるという保証もなかったため、やめるという決断をす るにあたっては、当然悩みました。しかし、「やらずに後悔するよりも、 ダメだったらその時また考えればいい!」と決断し、夢を実現するこ とができました。 日本では、未だ転職に対して良くないイメージを抱く人が多いので はないでしょうか。しかし、この時代、勤め先が将来にわたって安定 している保証はありませんし、自身の関心も変化するものです。女性 は、出産など人生の分岐点で、仕事のやり方を変えなくてはならな い場面に遭遇するかもしれません。その時に、一つの会社の業務し か身についてないということでは、潰しが利きません。さまざまな場 所で、自分の強みを見つけていくことが大事だと思います。自分の マーケット(市場価値)は、どこにあるのかを考え、自身を高めていっ てください。そして、他の人にはない自分なりの付加価値を身につ け、どのような組織でも働けるスキルを持ってください。それがあな たにとっての魅力となるでしょう。

Q.

学生には、第2タームをどう活 用して欲しいですか  津田塾生には、第2タームを使っ て、一歩踏み出せなかったことに挑 戦し、「斜め上」の人との関係を作っ て欲しいと思っています。「斜め上」 の関係とは、先生や家族、同世代の 友達以外の普段出会えないような 大人との関係を指します。この繋が りは、進路や生き方を考える時に、大切なものとなるでしょう。また、 「自分の中にあるギャップ」と「社会の中にあるギャップ」を埋める時 間にしてもらいたいですね。「自分の中にあるギャップ」とは、目標に 向かう中で、今は足りていないスキルや経験のこと。「社会の中にあ るギャップ」は、貧富、世代、文化、ジェンダーなど社会に存在するさ まざまな格差のこと。この2つのギャップを埋めるためにキャンパス をこえて学んできてください。

Q.

学外学修センターの役割を教えてください  まず、学生には3タイプいると思うのです。1つ目のタイプは、大学 や先生に口出しされなくとも自ら進んで活動できる人。2つ目のタイ プは、何らかの事情を抱え、どう促しても踏み出さない人。3つ目のタ イプは、インターンやボランティアなど何かやりたいと考えているけ れど、躊躇して一歩踏み出せないという人。実は、この3つ目のタイプ の学生が一番多いんですね。センターの役割は、このタイプの学生 の背中をポンっと押してあげることなのです。そして1つ目のタイプ へと導いていきたいと思っています。

Q.

津田塾生へのメッセージをお願いします  津田塾生は英語に関心がある学生が大多数です。しかし、漠然と 英語力をアップさせたい!という学生が多い気がします。もっと英語 を使う先を考えてほしいです。今の時代、英語が話せるだけでは通用 しません。英語を使って何をしたいかという目的を持って学んでくだ さい。そして、やりたいこと、気になることは何かを考え、興味を持っ たことに挑戦してください。その挑戦に関して、センターは、力になり ます。しかし、センターへ来ても、「何かおススメの学外学修プログラ ムはありませんか?」という質問にはお答えしませんし、手取り足取 り教えることもありません。センターが用意できるのは、舞台だけ。 その舞台でどう演じるかは、皆さん次第です。舞台が崩れないように しっかり支えますが、演出家、振付師ではないので、皆さんが自分で 考えてベストなパフォーマンスをしてほしいと思います。大事なの は、「ぶれない」、「めげない」、「人と比べない」ことです。  世界各地でさまざまな経験を積まれてきた敦賀先生。そんな先生 だからこそ、ひとりひとりに合ったプログラムの提案や的確なアドバ イスをしてくださるのだと強く感じました。ぜひ皆さん、目的のあるイ ンターン、ボランティアを探しているのであれば、学外学修センター を訪れてみてはいかがでしょうか?笑顔が素敵な敦賀先生が力を貸 してくれることでしょう。  津田塾大学の1、2年生が履修する授業の1つに「Composition」 という、少人数のクラスで行われる英語の授業があります。この授業 では、毎回テーマに沿った英作文を書き、先生に添削をしてもらいま す。英作文を書く際には、市販の原 稿用紙やノートではなく、津田塾大 学オリジナルの「英作文ペーパー」 を使います。なぜ、指定の用紙を 使って英作文を書くのでしょうか。  今回の津田塾探訪では、津田塾 大学の授業で使われている英作文 ペーパーの歴史を紐解いていきます。 すべての原点は津田塾創設当時から  英作文ペーパーはいつから使われているのでしょうか。聞き込み 調査をしたところ、その歴史は津田塾大学が設立された1900年代 当初から続いていることが分かりました。創立者津田梅子が、『女子 英学塾』時代に添削した英作文ペーパーが、星野あい記念図書館2 階にある津田梅子資料室に保存されていたのです。津田梅子資料室 には、津田梅子が、女子高等教育機関の先駆けとして歴史を拓いた 軌跡が分かる資料が数多く展示されています。 時代を越えても変わらない教育精神  津田梅子が教鞭をとっていた当時の英作文ペーパーは、現在使用 しているものとほぼ同じ大きさでした。 この当時から、津田塾大学 の英作文ペーパーは、縦長に折って使われています。これは、津田梅 子が留学していたブリンマー大学のピジョンホール(「鳩小屋の出入 り穴」−先生宛の小さなメールボックスをこのように呼ぶことがあり ます)に収まるサイズにするためです。今日でも、学生たちが先生宛 のメールボックスに英作 文ペー パーを投函できるように、この折り 方が継承されています。  左の写真の赤字の添削は、津田 梅子によるものです。百年以上前 の学生も、今の私たちと同じよう に、先生に英作文を添削してもらっ ていたのだと思うと、当時の学生 が少し身近に感じられるような気がします。津田塾大学出身の先生 に、英作文ペーパーが何十年にもわたり使われている理由を伺って みたところ、コンパクトで持ち運びやすく、何度重ねて書いても破れ にくい丈夫な紙質だから、という説が得られました。  創立者津田梅子は、「真の教育には、学生の個性に応じた指導が できる少人数教育が望ましい」と説いています。この精神は、津田塾 大学の教育精神として長年培われてきました。学生が書いた英作文 を、先生が丁寧に添削していくという形で、今もなお津田梅子の教 育精神は引き継がれています。 津田梅子が教鞭をとっていた当時の教科書やノート  英作文ペーパーを調査している と、女子英学塾時代に使われてい た教科書や1日の予定が書かれた 日課表、当時の学生のノートなど貴 重な資料が見つかりました。その一 部を写真とともにご紹介します。右 の写真のノートのページ右下には、 アナ・C・ハーツホンの署名「a.c.h」 が書かれています。  アナ・C・ハーツホンは、米国ブリンマー大学のキャンパスで留学し ていた津田梅子と出会い、津田塾の創設期を支えた女性です。来日し て無給で英語を教え、関東大震災で灰塵に帰した女子英学塾再建の ための募金活動に尽力するなど、津田梅子のよき理解者、協力者とし て塾の運営に多大な貢献をしました。津田塾大学の入学式や卒業式 で歌われる愛唱歌「アルマ・マータ」の作詞者としても知られています。 「アルマ・マータ」については、「津田塾探訪 #7 - カレッジ・ソング 'Alma Mater'」も是非ご覧ください。  津田梅子が創り上げた古き良き伝統は、津田塾大学オリジナルの 英作文ペーパーを使った授業を通じて、今日も学生たちに継承され ています。今回の取材を通じて、私たちは今一度津田塾大学の原点 を見直すことができました。 文 ● 国際関係学科 2年 石川 美優 写真 ●英文学科2年 岡崎 碧 この記事は2017年6月16日にplum gardenに掲載された記事を編集したものです。 http://pg.tsuda.ac.jp/my_tsuda/kazuto_tsuruga.html 文 ● 英文学科 メディアスタディーズ・コース 3年 伊藤 美穂 国際関係学科 2年 金子 瑞穂 写真 ●英文学科准教授 郷路 拓也 この記事は2017年2月10日にplum gardenに掲載された記事を編集したものです。 http://pg.tsuda.ac.jp/visiting/composition_paper.html

「斜め上」の人との関係を築く

敦賀 和外

先生 学外学修センター 副センター長 わたしと津田塾大学 津田塾 大 学オフィシャルウェブマガジン

について

 plum gardenは、四季折々のキャンパスの風景、 教員や学生へのインタビューなどを通して、津田塾 大学の魅力を広く発信していくウェブサイトです。  その特徴は、学生が記事の制作を行っているこ と。編集部員は記事の企画立案から、取材、写真 撮影、文章の執筆と校正、そしてウェブページとし てレイアウトするところまで、制作のほぼ全てを 担っています。

 Tsuda Todayは、plum gardenに掲載された記事を 紹介しています。できるだけ多くの人にplum garden 編集部の活動の成果を知っていただき、さらに本 学の魅力を再認識していただければと思います。

英作文ペーパーの歴史

津田塾探訪 #10 現在の津田塾大学で、学生が実際に使っ ている英作文ペーパー。英作文を書き、先 生に添削をしてもらいます。 津田梅子の手書きで、英作文の添削が施 されています。 1916年第12回卒業生の坂本花代さんが 寄贈した女子英語塾授業ノート。流麗な 筆記体で英文が綴られています。 特任教授

(7)

Q.

先生は、津田塾に来る前、どのような活動をしていたのですか 実は僕、9回転職しているんです。新聞社、国連、NGO、外務省、そし て大学など……。学生時代から国際協力に関する仕事はしたいと 思っていましたが、まずは、縁のあった新聞社に就職しました。しか し、国際協力への想いを叶えるため、入社6年目で退職。大学へ戻 り、国連に入りました。新聞社に勤めていた頃は、安定していました し、国連に行けるという保証もなかったため、やめるという決断をす るにあたっては、当然悩みました。しかし、「やらずに後悔するよりも、 ダメだったらその時また考えればいい!」と決断し、夢を実現するこ とができました。 日本では、未だ転職に対して良くないイメージを抱く人が多いので はないでしょうか。しかし、この時代、勤め先が将来にわたって安定 している保証はありませんし、自身の関心も変化するものです。女性 は、出産など人生の分岐点で、仕事のやり方を変えなくてはならな い場面に遭遇するかもしれません。その時に、一つの会社の業務し か身についてないということでは、潰しが利きません。さまざまな場 所で、自分の強みを見つけていくことが大事だと思います。自分の マーケット(市場価値)は、どこにあるのかを考え、自身を高めていっ てください。そして、他の人にはない自分なりの付加価値を身につ け、どのような組織でも働けるスキルを持ってください。それがあな たにとっての魅力となるでしょう。

Q.

学生には、第2タームをどう活 用して欲しいですか  津田塾生には、第2タームを使っ て、一歩踏み出せなかったことに挑 戦し、「斜め上」の人との関係を作っ て欲しいと思っています。「斜め上」 の関係とは、先生や家族、同世代の 友達以外の普段出会えないような 大人との関係を指します。この繋が りは、進路や生き方を考える時に、大切なものとなるでしょう。また、 「自分の中にあるギャップ」と「社会の中にあるギャップ」を埋める時 間にしてもらいたいですね。「自分の中にあるギャップ」とは、目標に 向かう中で、今は足りていないスキルや経験のこと。「社会の中にあ るギャップ」は、貧富、世代、文化、ジェンダーなど社会に存在するさ まざまな格差のこと。この2つのギャップを埋めるためにキャンパス をこえて学んできてください。

Q.

学外学修センターの役割を教えてください  まず、学生には3タイプいると思うのです。1つ目のタイプは、大学 や先生に口出しされなくとも自ら進んで活動できる人。2つ目のタイ プは、何らかの事情を抱え、どう促しても踏み出さない人。3つ目のタ イプは、インターンやボランティアなど何かやりたいと考えているけ れど、躊躇して一歩踏み出せないという人。実は、この3つ目のタイプ の学生が一番多いんですね。センターの役割は、このタイプの学生 の背中をポンっと押してあげることなのです。そして1つ目のタイプ へと導いていきたいと思っています。

Q.

津田塾生へのメッセージをお願いします  津田塾生は英語に関心がある学生が大多数です。しかし、漠然と 英語力をアップさせたい!という学生が多い気がします。もっと英語 を使う先を考えてほしいです。今の時代、英語が話せるだけでは通用 しません。英語を使って何をしたいかという目的を持って学んでくだ さい。そして、やりたいこと、気になることは何かを考え、興味を持っ たことに挑戦してください。その挑戦に関して、センターは、力になり ます。しかし、センターへ来ても、「何かおススメの学外学修プログラ ムはありませんか?」という質問にはお答えしませんし、手取り足取 り教えることもありません。センターが用意できるのは、舞台だけ。 その舞台でどう演じるかは、皆さん次第です。舞台が崩れないように しっかり支えますが、演出家、振付師ではないので、皆さんが自分で 考えてベストなパフォーマンスをしてほしいと思います。大事なの は、「ぶれない」、「めげない」、「人と比べない」ことです。  世界各地でさまざまな経験を積まれてきた敦賀先生。そんな先生 だからこそ、ひとりひとりに合ったプログラムの提案や的確なアドバ イスをしてくださるのだと強く感じました。ぜひ皆さん、目的のあるイ ンターン、ボランティアを探しているのであれば、学外学修センター を訪れてみてはいかがでしょうか?笑顔が素敵な敦賀先生が力を貸 してくれることでしょう。  津田塾大学の1、2年生が履修する授業の1つに「Composition」 という、少人数のクラスで行われる英語の授業があります。この授業 では、毎回テーマに沿った英作文を書き、先生に添削をしてもらいま す。英作文を書く際には、市販の原 稿用紙やノートではなく、津田塾大 学オリジナルの「英作文ペーパー」 を使います。なぜ、指定の用紙を 使って英作文を書くのでしょうか。  今回の津田塾探訪では、津田塾 大学の授業で使われている英作文 ペーパーの歴史を紐解いていきます。 すべての原点は津田塾創設当時から  英作文ペーパーはいつから使われているのでしょうか。聞き込み 調査をしたところ、その歴史は津田塾大学が設立された1900年代 当初から続いていることが分かりました。創立者津田梅子が、『女子 英学塾』時代に添削した英作文ペーパーが、星野あい記念図書館2 階にある津田梅子資料室に保存されていたのです。津田梅子資料室 には、津田梅子が、女子高等教育機関の先駆けとして歴史を拓いた 軌跡が分かる資料が数多く展示されています。 時代を越えても変わらない教育精神  津田梅子が教鞭をとっていた当時の英作文ペーパーは、現在使用 しているものとほぼ同じ大きさでした。 この当時から、津田塾大学 の英作文ペーパーは、縦長に折って使われています。これは、津田梅 子が留学していたブリンマー大学のピジョンホール(「鳩小屋の出入 り穴」−先生宛の小さなメールボックスをこのように呼ぶことがあり ます)に収まるサイズにするためです。今日でも、学生たちが先生宛 のメールボックスに英作 文ペー パーを投函できるように、この折り 方が継承されています。  左の写真の赤字の添削は、津田 梅子によるものです。百年以上前 の学生も、今の私たちと同じよう に、先生に英作文を添削してもらっ ていたのだと思うと、当時の学生 が少し身近に感じられるような気がします。津田塾大学出身の先生 に、英作文ペーパーが何十年にもわたり使われている理由を伺って みたところ、コンパクトで持ち運びやすく、何度重ねて書いても破れ にくい丈夫な紙質だから、という説が得られました。  創立者津田梅子は、「真の教育には、学生の個性に応じた指導が できる少人数教育が望ましい」と説いています。この精神は、津田塾 大学の教育精神として長年培われてきました。学生が書いた英作文 を、先生が丁寧に添削していくという形で、今もなお津田梅子の教 育精神は引き継がれています。 津田梅子が教鞭をとっていた当時の教科書やノート  英作文ペーパーを調査している と、女子英学塾時代に使われてい た教科書や1日の予定が書かれた 日課表、当時の学生のノートなど貴 重な資料が見つかりました。その一 部を写真とともにご紹介します。右 の写真のノートのページ右下には、 アナ・C・ハーツホンの署名「a.c.h」 が書かれています。  アナ・C・ハーツホンは、米国ブリンマー大学のキャンパスで留学し ていた津田梅子と出会い、津田塾の創設期を支えた女性です。来日し て無給で英語を教え、関東大震災で灰塵に帰した女子英学塾再建の ための募金活動に尽力するなど、津田梅子のよき理解者、協力者とし て塾の運営に多大な貢献をしました。津田塾大学の入学式や卒業式 で歌われる愛唱歌「アルマ・マータ」の作詞者としても知られています。 「アルマ・マータ」については、「津田塾探訪 #7 - カレッジ・ソング 'Alma Mater'」も是非ご覧ください。  津田梅子が創り上げた古き良き伝統は、津田塾大学オリジナルの 英作文ペーパーを使った授業を通じて、今日も学生たちに継承され ています。今回の取材を通じて、私たちは今一度津田塾大学の原点 を見直すことができました。 文 ● 国際関係学科 2年 石川 美優 写真 ●英文学科2年 岡崎 碧 この記事は2017年6月16日にplum gardenに掲載された記事を編集したものです。 http://pg.tsuda.ac.jp/my_tsuda/kazuto_tsuruga.html 文 ● 英文学科 メディアスタディーズ・コース 3年 伊藤 美穂 国際関係学科 2年 金子 瑞穂 写真 ●英文学科准教授 郷路 拓也 この記事は2017年2月10日にplum gardenに掲載された記事を編集したものです。 http://pg.tsuda.ac.jp/visiting/composition_paper.html

「斜め上」の人との関係を築く

敦賀 和外

先生 学外学修センター 副センター長 わたしと津田塾大学 津田塾 大 学オフィシャルウェブマガジン

について

 plum gardenは、四季折々のキャンパスの風景、 教員や学生へのインタビューなどを通して、津田塾 大学の魅力を広く発信していくウェブサイトです。  その特徴は、学生が記事の制作を行っているこ と。編集部員は記事の企画立案から、取材、写真 撮影、文章の執筆と校正、そしてウェブページとし てレイアウトするところまで、制作のほぼ全てを 担っています。

 Tsuda Todayは、plum gardenに掲載された記事を 紹介しています。できるだけ多くの人にplum garden 編集部の活動の成果を知っていただき、さらに本 学の魅力を再認識していただければと思います。

英作文ペーパーの歴史

津田塾探訪 #10 現在の津田塾大学で、学生が実際に使っ ている英作文ペーパー。英作文を書き、先 生に添削をしてもらいます。 津田梅子の手書きで、英作文の添削が施 されています。 1916年第12回卒業生の坂本花代さんが 寄贈した女子英語塾授業ノート。流麗な 筆記体で英文が綴られています。 特任教授

参照

関連したドキュメント

一貫教育ならではの ビッグブラ ザーシステム 。大学生が学生 コーチとして高等部や中学部の

神戸・原田村から西宮 上ケ原キャンパスへ移 設してきた当時は大学 予科校舎として使用さ れていた現 在の中学 部本館。キャンパスの

モノーは一八六七年一 0 月から翌年の六月までの二学期を︑ ドイツで過ごした︒ ドイツに留学することは︑

1978年兵庫県西宮市生まれ。2001年慶應義塾大学総合政策学部卒業、

を軌道にのせることができた。最後の2年間 では,本学が他大学に比して遅々としていた

関ルイ子 (金沢大学医学部 6 年生) この皮疹 と持続する発熱ということから,私の頭には感

工学部80周年記念式典で,畑朋延工学部長が,大正9年の

健学科の基礎を築いた。医療短大部の4年制 大学への昇格は文部省の方針により,医学部