回復期脳卒中後片麻痺患者に対する電動車椅子操作練習が車椅子操作能力および身体機能に与える効果
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(2) 脳卒中患者における電動車椅子操作練習の効果. 193. 表 2 RH・PWC 期前後評価結果 評価項目 SIAS(点). 平均 (標準偏差). TIS(点). 平均 (標準偏差). SFRT(cm) 平均 (標準偏差). RH 期前. RH 期後. PWC 期前. PWC 期後. 29.1. 31.0. 29.3. 31.5. (11.6). (13.7). (11.5). (13.0). 4.2. 4.5. 3.5. 5. (3.05). (2.80). (1.96). (2.75). n.s. ※ 1. n.s. ※ 1. 16.8. 19.8. 19.4. 24.2. p < 0.05. (11.8). (9.27). (8.11). (9.82). ※ 1. p = 0.015 ※ 2 PWST(点) 平均 (標準偏差). 13.5. 19.2. 14.8. 22.4. p < 0.05. (6.82). (6.34). (6.05). (5.97). ※ 1. p = 0.021 ※ 2 ※ 1 反復測定分散分析の結果,n.s.:有意差なし,p<0.05:有意差あり. ※ 2 表内の p 値は Bonferonni 法による多重比較の結果を示す.反復測定分散分析の結果,SIAS・TIS 得 点は各評価時期間で有意差は見られなかった.SFRT・PWST 得点は反復測定分散分析の結果,評価 時期による効果がみられた(p<0.05).Bonferroni 法による多重比較の結果,それぞれ,PWC 期の前 後で有意差が見られた(p<0.05) . ※ 3 SIAS : Stroke impairment assessment set.TIS : Trunk impairment scale.SFRT : Sitting functional reach test.PWST : Powered wheelchair skills test.. 結 果. 操作中の患者の様子や自ら操作するといった自発的・能動的な. 各期前後での各評価の結果(表 2)は,身体機能および体. 課題特性がこれらの側面に影響を与え,複合的な課題である. 幹機能について,SIAS および TIS は各期前後での有意な差. リーチ課題の改善につながった可能性もあると考えた。これら. は見られなかった。座位バランス能力について,SFRT(cm). のことから,転帰において,PWC の適用が困難と予想される患. (平均点±標準偏差)は,RH 期前 16.8 ± 11.8 →後 19.8 ± 9.3,. 者においても,移動範囲や条件,本人・家族の理解などについ. PWC 期前 19.4 ± 8.1 →後 24.2 ± 9.2 であった。分散分析の結果,. て考慮したうえで,PWC 適用について検討していくことが有用. 評価時期に有意な効果が見られ,多重比較の結果,PWC 期前. となるのではないかと考えた。. 後で有意な改善が見られた(p < 0.05)。PWC 操作能力につい. おわりに. て,PWST(点)は RH 期前 13.5 ± 6.8 →後 19.2 ± 6.8,PWC. 脳卒中後片麻痺重症患者を対象に PWC 操作練習が操作能力. 期前 14.8 ± 6.1 →後 22.4 ± 6.0 と分散分析の結果,評価時期に. や身体機能の改善に与える効果について検討し,これらの能力. 有意な効果が見られ,多重比較の結果,PWC 期前後で有意な. の改善をもたらす可能性が示唆された。今後,パフォーマンス. 改善が見られた(p < 0.05)。. 改善に寄与する他の指標の検討,能力改善のために必要な課題. 考 察. 設定や組み合わせに関する検討が必要であると考える。. 車椅子自走困難な重症患者に対し,PWC 操作練習の効果に. 文 献. ついて検討した。まず,PWC 操作能力について,比較的重症 な患者においても PWC 期において,操作能力の有意な改善が 見られた。長期の目標設定において,歩行や自走車椅子での移 動能力獲得が困難な重症患者において,操作能力の改善の可能 性や PWC 適用の検討をしていく必要性があると考えた。次に, 身体・体幹機能の有意な改善は見られなかった。バランス能力 (SFRT)については PWC 操作練習の前後で有意な改善が見ら れた。これらについて,対象が比較的重症であったこと,研究 期間の短さや PWC 練習の内容から,身体機能・体幹機能評価 に反映されるための十分な練習量が担保できなかったのではな いかと考えられた。一方で PWC 練習では乗車・操作・移動に 際し,座位・抗重力位保持条件下での能動的な課題指向型の作 業(直進・回転などの操作)やこれに対応した加速度などの感 覚入力や負荷が得られる。これらが重症患者が平常得ている感 覚入力や負荷に対し,大きく,有意な感覚入力となり,姿勢の 変化やリーチ課題における身体の反応性,バランス能力の改善 につながったのではないかと考えられた。また,バランス能力 には身体機能のみではなく覚醒・覚度・注意機能などといった 認知・高次脳機能的側面が関与することが知られている。PWC. 1)Mountain AD, Kirby RL, et al.: Rates and predictors of manual and powered wheelchair use for persons with stroke: a retrospective study in a Canadian rehabilitation center. Arch Phys Med Rehabil. 2010; 91: 639‒643. 2)Pettersson I, Törnquist K, et al.: The effect of an outdoor powered wheelchair on activity and participation in users with stroke. Disabil Rehabil Assist Technol. 2006; 1: 235‒243. 3)Pettersson I, Ahlström G, et al.: The value of an outdoor powered wheelchair with regard to the quality of life of persons with stroke: a follow-up study. Assist Technol. 2007; 19: 143‒153. 4)Dawson J, Thornton H: Can patients with unilateral neglect following stroke drive electrically powered wheelchairs? Br J Occup ther. 2003; 66: 496‒504. 5)Wheelchair Skills Program (WSP). [Internet]. Nova scotia: Dalhousie University. Available from: http://www. wheelchairskillsprogram.ca/eng/documents/FORM_ WST-P-WCU_4.3.pdf 6)MacPhee AH, Kirby RL, et al.: Wheelchair skills training program: a randomized clinical trial on wheelchair users undergoing initial rehabilitation. Arch Phys Med Rehabil. 2004; 85: 41‒50..
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