人 文 科 学 論 集 2017, No. 96, 1-14 は じ め に
社会科教育 法として のデ ィベ ート
伊 藤 利 明
1 わ が 国 で は, 1950 (昭 和25 年 ) 年 代 に は, 大 学 の英 語 ク ラブ(E.S.S) に お い て 英 語 ディ ベ ート が実 践 さ れて い た。 1980 ( 昭 和55 年 ) 年 代 に は, 日米 自動 車 摩 擦 が起 き た。 オイ ル・ シ ョ ッ ク と 呼ば れ た石 油 危 機 に より ガ ソ リ ン が高 騰 し た け れど も, ア メ リカ の 自 動 車 産 業 は 小 型 車 の開 発 に遅 れを 取 っ た。 我 が国 は 自動 車 の輸 出 を 自主 的 に規 制 せ ざ るを 得な か った。 日米 の貿 易 摩 擦 を 有利 に取 り 計 ら う た め に, デ ィ ベ ー ト 能力 が必 要 と さ れ た。 1990 年 ( 平 成 2 年 ) 前 後 か ら デ ィ ベ ート が 話 題 に な り , 教 育 雑 誌 で 特 集 が 組 ま れた り, 単行 本 が出 版 さ れ た りし て い っ た 几 デ ィベ ート は国 語 科 の 授 業 に 導 入 さ れ, 社 会 科 , 理 科 へ と広 が って い っ た。 道 徳 につ い て も, デ ィ ベ ート の 教 材 が 作 成 さ れ た。 社 会 科 に つ い て は,「 歴 史 デ ィ ベ ート 」 が と り あ げら れ, 藤 岡信 勝 氏 は「 大 東 亜 戦 争 は 自衛 戦 争 で あ っ た」 の実 践 記 録 を 出版 し て い る 几 1996 年 ( 平 成 8 年 ) に は , 全 国 教 室 デ ィ ベ ー ト 連 盟 が 創 設 さ れ, デ ィ ベ ート 教 材 の 開 発な ど,「 授 業 で 行 う デ ィ ベ ート 教 育 活 動 の 研 究 ・ 普 及」 を 目指 し て い る几 全 国 教 室 デ ィ ベ ート 連 盟 は, 読 売 新 聞 社 と共 催 し て ,「全 国 中学 ・ 高 校 デ ィベ ート 選 手 権」( デ ィベ ート 甲子 園 ) を 毎 年 実 施 し て お り, 現 在 に 至 って い る。 こ の よう な 経 緯 を 経 て , ディ ベ ート は学 校 教 育 に 取 り入 れ ら れ てい っ た。 し かし ,ア∼ψイ ベー ト につ い て は, 誤 解 や無 理 解 があ り ,間 違 い が 現在 ま で 引 き継 が れ てい る。 論 題 ( テ ー マ) の 中の 「 大 東 亜 戦 争 」 とい う言 葉 は, す で に一 定 の価 値 観 を 含 んで い る。 安 藤 豊 氏 が 呼称 の違 和 感 を 指 摘 し た が, そ の ま ま 使 用 さ れ て い る(4)。 論 題 で は 中 立 的 な 言 葉 を 使 用 し なけ れば な らな い 。 ディ ベ ート に関 す る誤 っ た理 解 を 指 摘 す るこ と は, デ ィベ ート を 普及 させ る ため に必 要 な こ と で あ る。 ディ ベ ート に関 し て , 最 小 限必 要 な ル ー ルを 確 認 し , 授 業 に 適 用 す べ きで あ る。 次 に, 中 央 教 育 審 議 会 答 申 「 新 たな 未 来 を 築 くた め の大 学 教 育 の質 的 転 換 に 向 けて ∼生 涯学 び 続 け, 主 体 的 に 考 え る力 を 育 成 す る大 学 へ ∼](2012 年 ( 平 成24 年 )8 月28 日)2 人文 科 学論 集 第96 号 の中 で , ア ク ティ ブ ・ ラ ーニ ン グ が主 張 さ れ る と, デ ィベ ート が 教 育 方 法 の ひ とつ と し て 位置 付 けら れ よう にな っ た。 し かし , ア クテ ィブ ・ ラ ーニ ン グと い う言 葉 はあ い まい で あ り, も っと 厳 密 な 規 定 を し , デ ィベ ート との 関 連 を 明 確 に し な け れば な らな い 。 デ ィ ベ ー ト の 活 用 が 学 校 教 育 にお い て 推 奨 さ れ た の で,「偽 物 」 で は な く,「本 物 の」 デ ィベ ー ト の 在り 方 を 理 解 す べ きで あ る。 筆 者 は,「 道 徳 教 育 の 方 法 」 にお い て, 道 徳 教 育 を 活 性 化 す る た め に, デ ィ ベ ート の方 法を 提 唱 し,「 教育 的 デ ィ ベ ー ト の 意 義 」 にお いて , デ ィ ベ ー ト の 定 義 や 目 的 を 述 べ た 几 しか し , 社 会 科 に お け る デ ィベ ート の 授 業 を ま だ十 分 に検 討 し て い な い 。 本 論 文 の 目的 は , ディ ベ ート が小 ・ 中・ 高 校 の社 会 科 教 育 法 と し て 有 効 で あ るこ とを 述 べ, 問 題 点 を 指 摘 す る こ と で あ る。 第 凵 こ, デ ィ ベ ー ト の理 解 が 十 分 で は な い こ と を 指 摘 す る。 第 2 に, 小 ・ 中・ 高 校 の 社 会 科 に お い て , 設 定 さ れ た 論 題 を 検 討 す る。 第 3 に, ディ ベ ート は, ア ク ティ ブ ・ ラ ーニ ン グ の ひ とつ と し て 位 置付 け ら れて い る。 デ ィベ ー ト は児 童 ・ 生 徒 の能 動 的 学 修 を 推 進 す る け れど も, ア ク ティ ブ ・ ラ ーニ ン グ の意 味 が は っ き りと 規 定 さ れて い な い 。 ア クテ ィブ ・ ラ ーニ ン グの 意 味 を 確 認 し , 問題 解 決 学 習 や 課 題 解 決型 の能 動 的 学 修 が 中心 的 役 割 を 果 た す こ と を 述 べ , ディ ベ ート に関 し て も, 教 員 の力 量 が不 可 欠 で あ るこ とを 指 摘 す る。 1
デ ィ ベ ー ト と は 何 か
デ ィベ ート につ い て 議 論 す る た めに は, デ ィベ ート が何 で あ る の かを 知 らな け れ ば な ら ない 。 ディ ベ ート が何 で あ るか を 知 ら な け れ ば, デ ィベ ート の有 効 性 を 知 るこ と がで き な い。 デ ィベ ート を 事 前 に 調 べな け れば , 学 校 に ディ ベ ート を 導 入 す るこ とを 教 師 が主 張 し て も, 説 得 力 を 持 だな い 。 岡本 明 人 氏 は, 学 校 に デ ィベ ート ( 岡本 氏 は,「授 業 ディ ベ ート 」 と 呼 ぶ。) を 導 入 す る よう に主 張 し て い る。 岡 本 明 人 氏 は, デ ィベ ート の 定 義 を 次 のよ う に述 べて い る。 「 デ ィベ ート と は, 一 定 の ル ール に もと づ い て 行 な う 討 論 ゲ ー ムで あ る。/ 」 こ の定 義 で は, デ ィベ ート が 「 一 定 の ル ー ル に も とづ い て 行 な う」 こ と が述 べ ら れ て い る。 こ の 場 合 ,「 ル ー ル」 は , 児 童 ・ 生 徒 が デ ィ ベ ー ト を 実 施 す る と き, 最 初 の 立 論 で 何 分話 す かな どで あ る と理 解 で き る。 こ の 定 義 は , 次 の 点 て不 十 分 で あ る 。 第 凵 こ, デ ィ ベ ート は, 肯 定 側 と 否 定 側 の 間 の 言 葉 のや り 取 りで あ る。 肯 定 側 と否 定 側 とい う立 場 を は っ き りさ せ るこ と が, デ ィベ ー ト を 実 施 す る と きに 求 めら れ る。 肯 定 側 で も否 定 側 で も, ど ち らで も よい とい う 立 場 で は, ディ ベ ート を 実 施 す るこ と がで きな い 。 学 校 で は, 児 童 ・ 生 徒 自 身 が賛 成 す る側 に立 つ の では な い 。 肯 定 側 と否 定 側 の両 方 の立 場 に立 つ こ と に よ って , 思 考 力 が 鍛 え ら れ る。 一 方 ,「 討 論 」 で は, 肯 定 側 や 否 定 側 の よ う に , 立 場 を 明 確 に し な く て も よ い。 た い て社会 科 教育 法 と し て の デ ィ ベ ー ト 3 い の 場 合,「 討 論 」 を す る と き , 自 分 の 考 え を 主 張 す れ ば よ い 。 他 の人 の主 張 を 聞 い て , 途中 で 自分 の意 見 を 変 え るこ と は かま わな い 。 第 2 に, デ ィ ベ ー ト は,「 討 論 」 で は な い 。「 討 論 」 は , 一 般 的 に デ ィ ス カ ッ シ ョ ンを 指し て い る。 こ の デ ィ スカ ッ シ ョ ンに は, 自 由 に主 張 を 述 べ合 う フ リ ー・ ディ スカ ッ シ ョ ンや 一 定 の ル ール に従 っ た フ ォ ー マル ・ ディ スカ ッ シ ョ ン が含 ま れ る。 ど ちら にし て も, ディ スカ ッ シ ョ ン は, デ ィベ ート とは 別 物 で あ る。 パ ネル ・ ディ スカ ッ シ ョ ン も, 討 論 の ひと つ で あ る。 パ ネ ル・ デ ィ スカ ッ シ ョ ンで は, ひ とつ の テ ーマ につ い て , 複 数 の代 表 者 が聴 衆 の前 で 主 張 を 述 べ , 質 問 に答 え る。 デ ィ ベ ー ト と い う 言 葉 は, 日本 語 で 対 応 す る 言 葉 が 存 在 し な い。 か つ て は,「 闘 論 」 と 呼ば れ たこ と もあ る け れ ど も, 現 在 で は, デ ィベ ート を そ の まま 使 用 し て い る。 第 3 に, デ ィベ ート は,「 ゲ ー ム」 で は ない 側面 を 持 つ。「 ゲ ー ム」 に は ,2 つ の意 味 が あ る。 ひと つ の 意 味 は, 遊 び と し て の「 ゲ ー ム」 で あ る。 ト ラ ンプ を 使 っ た「 ゲ ー ム」 は, 気 晴 らし の た めに 行 わ れ る。 社 会 科 や 国 語 科 の授 業 で , 遊 び のた め の「 ゲ ー ム」 を す る わ けに はい か な い 。 た だし , 幼 稚 園 ・ 保 育 所 ・ 認 定 こ ど も園 で は, 身 体 的 , 知 的 , 情 緒 的 発 達 を も たら す ので , 遊 びを す るこ とが 教 育 ・ 保 育 の 中心 に な って い る。 し かし , 幼 稚 園等 では , ディ ベ ート を 実 施 し て は い な い 。 遊 び とい う 意 味 で は, デ ィベ ート を 学 校 に導 入 で きな い。 も う ひと つ の 意 味 は, 競 技 や 試 合 と して の「 ゲ ー ム」 であ る。 こ の 意 味 の「 ゲ ー ム」 は, 運動 系 の ス ポ ーツ を 連 想 させ る。 ディ ベ ート が根 拠 を 持 っ た主 張 のや り 取 りで あ るこ とを 考 慮 す る と ,「 ゲ ー ム」 と い う言 葉 は 軽 い 。 競 技 や 試合 の 意 味 で デ ィベ ー ト を と ら え る な ら,「 ゲ ー ム」 で は な く,「競 技 」 また は「 試 合 」 と い う言 葉 を 使 用 す べ きで あ る。 第 4 に, 論 題 が 抜 け 落 ち て い る。 デ ィ ベ ー ト で は , 特 定 の論 題 に 関 し て , 肯 定 側 と 否 定 側 で 主 張 を や り 取 りす る。 論 題 がな け れば , 多 く の主 張 がや り 取 りさ れて , 論 点 が 複数 にな る恐 れ があ る。 ディ ベ ート の論 題 は, ひ とつ の 事 柄 を 取 り扱 う べき で あ る。 次 に, 小 学 校 で は, デ ィベ ート とい う言 葉 を 使 用 し な い で , デ ィベ ート の考 え 方 を 取 り 入 れ た 学 級 討 論 会 を 実 施 し て い る。 光 村 図 書 出版 の 国 語 教 科 書 『 国 語 六 創 造 』 で は , 「学 級 討 論 会 を し よ う」 を 取 り 上 げ て い る。 「 中 村 さ ん の ク ラ ス で は, 学 級 文 庫 に ま ん が を 置 く か ど う か に つ い て, ま ん が を 置 いて も いい と い う立 場( 肯 定 グ ル ープ) と置 か ない ほう がい い と い う立 場( 否 定 ク ル ー プ) に 分 か れ, 討 論 会 を す るこ と にし ま し た。/ ) 学 級 討 論 会 は, 次 の手 順 に従 って 進 め ら れ る。 第 凵 こ, 一 人 一 人 が , 立 場 ご と に 考 え ら れ る 理 由 を 挙 げ よ う , 第 2 に, 討 論 会 の 進 め 方 を 確 か め , 準 備 し よ う ( 司 会, 記 録 係 , 時 間 管 理 係 を 決 め , 準 備を す る。 ), 第 3 に, 学 級 討 論 会 を し よ う ( ①初 め の主 張 , ② 質 疑 応 答, ③ 最 後 の 主 張 , ④ ま と め ), 第 4 に, 討 論 会 を ふ り返 ろ ゲ 几
4 人文 科 学論 集 第96 号 こ の教 科 書 の 「学 級 討 論 会 を し よ う」 は , デ ィ ベ ート を 下 敷 き に し てい ると 推 測 で き る。 学 級 討 論 会 と デ ィ ベ ート の 共 通 点 と し て , 次 の こ とを 指 摘 で き る 。 第 凵 こ, 肯 定 側 と 否 定 側 を 区 別 し て, そ れ ぞ れ の 理 由を 考 え さ せ て い る。 第 2 に, 児 童 の 意 見 で は な く , 主 張を 求 めて い る。 主 張 は , 根 拠 や 証 拠 を 問題 にす る。 根 拠 や 証 拠 に基 づ かな け れば , 主 張 と 呼 ぶ こ と が で き な い 。 第 3 に, 学 級 討 論 会 の 手 順 が, デ ィ ベ ート の も の と 類 似 し て い る。 デ ィベ ート の 基 本 形 は, 立 論 ( 肯 定 側 , 否 定 側 ), 反 対 尋 問 ( 否 定 側 , 肯 定 側 ), 最 終 弁 論 ( 否 定 側, 肯 定 側) と な って い る几 デ ィベ ート の手 順を 比 較 す る と , 学 級 討 論 会 は ディ ベ ート のや り 方 を 手 本 にし て い る。 一 方 , 学 級 討 論 会 は, デ ィ ベ ー ト と 異 な る 点 が い く つ か 存 在 す る 。 第 凵 こ, 肯 定 側 と 否定 側 の両 方 の立 場 に立 つ こ と は, デ ィベ ート で は し な い 。 学 級 文 庫 に ま んが を 置 く か ど うか につ い て は, 現 在 置 い て い な い 場 合 , 論 題 ( 国 語 教 科 書 で は , 議 題 と 呼ば れて い る。) は「 学 級 文 庫 にま ん がを 置 くべ きで あ る」 と な る。 デ ィベ ート で は, 肯 定 側 と 否 定 側 の 理 由と を 比 較 し な い 。 論 題 を 肯 定 す る立 場 の大 が主 張 を し , そ れに 対 し て 否 定 す る立 場 の大 がさ ら に主 張 を す る。 同 じ 大 が , 肯 定 側 と否 定 側 の 両 方 に 立 つ こ と はで きな い 。 第 2 に, 肯 定 側 に 立 つ 大 と 否 定 側 に 立 つ 人 の 人 選 に つ い て は, 国 語 教 科 書 は 何 も書 い てい な い 。 デ ィベ ート で は, 肯 定 側 と 否 定 側 の立 場 を くじ 引 きな どで そ の場 で 決 め る。 自 分が 肯 定 側 だ から とい う 理 由 で , 肯 定 側 に立 つ こ と はな い 。 学 校 にお け る ディ ベ ート は, 学 校 外 の社 会 で 行 わ れる ディ ベ ート と異 な り, 児 童・ 生 徒 の思 考 を 鍛え ると い う目 的 を 持 っ てい る。 立 場 を 変 え るこ と によ って , 思 考 が 深 ま るこ とが 期 待 で き る。 児 童 ・ 生 徒 を 肯 定 側と 否 定 側 , 討 論 を 聞 く グ ル ープ に振 り分 け る場 合 , 役 割 を 固定 す べき で はな い。 第 3 に,「 学 級 文 庫 に ま ん が を 置 くべ き で あ る」 と い う 論 題 に つ い て , 資 料 収 集 や 検索 など が軽 視 さ れて い る。 主 張 を 裏 付 け る証 拠 の収 集 が実 施 さ れな い 可 能 性 が高 い 。 質 疑 応 答 の 中 で,「 楽 し い だ け の ま ん か は よ く な い 」 と い う 否 定 側 の 質 問 に対 し て , 肯 定 側 は 「 歴史 や 伝 記 な どを 扱 っ た もの な ど 」 を 実 例 と し て 主 張 し て い る 。 調 べ学 習 に し て は , 調 べ る 範囲 と 深 さが 物 足 り な い 。 デ ィベ ート で 主 張 す る ため に は, 裏 付 け とな る証 拠 を 調 べ なけ れば な らな い 。 その 準 備 は , ①文 献 を 見 つ け, ②文 献 目録 を 作 成 し , ③読 み, ④ 資 料 を 記 録 し , ⑤ 資 料 を ま と め る, と い う手 順 を 踏 む(10)。 証 拠 を 集 め る 調 べ学 習 に は, か な りの 時 間 を 充 て るこ とに な る。 証 拠 に よ って 裏 付 け ら れな い 主 張 は, 口 先 だけ のこ と に な りや す い 。 小 学 校 の国 語 教 科書 で は, デ ィ ベ ート と い う言 葉 は使 用 し てい な い が, 学 級討 論 会 は デ ィ ベ ート の考 え を 取 り入 れて い る。 し か し , 学 級 討 論 会 はデ ィベ ート を 一 部 手 直 し し た形 で 実 施 し て い る。
2 社 会 科 に 社会 科 教育 法 と し て の デ ィ ベ ー ト
お ける 望 ま し い 論 題
5 (1) 論 題 の 分類 デ ィベ ー ト の論 題 は, 事 実 論 題 , 価 値 論 題 , 政 策 論 題 に 分 類 で き る。 こ の分 類 は, 欧 米 にお け るデ ィ ベ ート の理 論 の 中 で説 明 さ れ て い る。 た とえ ば,J・M ・ エ リ クソ ン と J・J・ マ ー フ ィ ー(J. M. Ericson and J. J. Murphy) の 『 デ ィ ペ ー タ ー の 手 引 き 』(The Debater's Guide) に よ れ ば, デ ィベ ー ト の 論 題 は 事 実 論 題 , 価 値 論 題 , 政 策 論 題 で あ る(11)。 事実 論 題 は , 学 校 で は ほ と ん ど実 践 さ れて い な い。 具 体 的 な 例 は,「 被 告 は , 殺人 で有 罪 で あ る 。」 で あ る。 事 実 論 題 は, 事 実 の 存 在を 問 題 に し て お り, 物 事 や 状 況 が 存 在 した か どう かを 問 題 にし て い る。 価 値 論 題 は, 物 事 の価 値 を 確 立 す る。 問題 は, 主 張 す る と きの 根 拠 や 証 拠 が 主 観 的 に な るこ とで あ る。 望 ま しさ を 構 成 す る も の は何 かを 問 う。 政 策 論題 は, 未来 の 行動 を 取 り 扱 う。 未来 の 行 動 に対 し て, 十 分 な 理由 か お るこ とに デ ィ ベ ート の聴 衆 が合 意 す る と, 肯 定 側 に 賛 成 す るこ と にな る。 こ の 3 分 類 は, 日 本 で 作 ら れ た も の で は な い。 事 実 ・ 価 値 ・政 策 とい う 言 葉 は, 並 列 す る と, 一 貫 して い な い こ とに 気 付 く。 事 実 と価 値 は対 立 的 な 言 葉 で あ り, 哲 学 や 倫 理学 にお い て , 分 析 さ れて い る対 概 念 で あ る。 一 方 , 政 策 は, 個 人 で はな く, 政 府 や 政 党 が 作 る方 針で あ る。 事 実 論 題 と価 値 論 題 は , 取 り 扱 い が 難 しい 。 学 校 で のデ ィベ ー トで は, 政 策 論 題 が多 く み ら れ る。 こ の 3 分類 につ いて , 宇佐 美 寛氏 は,3 分 類 が 「論 理 的 に不 整 合 で あり, 何 の役 に も立 っ て い な い 。」 と批 判 し て い る(12)。 し か し, こ の批 判 に 対 す る反 論 が さ れ て い な い 。3 分 類 に代 わ る分 類 は, い まだ に さ れて い な い まま で あ る。 (2) 社 会 科 の 論 題 の 検 討 論 題 と は何 か。『 授 業 づ くり ネ ッ ト ワ ー ク 別冊 教 室デ ィベ ート の 挑 戦 第14 集 必 携 ! ディ ベ ート 用 語 集 』 によ れ ば, 論 題 は 次 のこ とを 指 し て い る。 「 デ ィベ ート の話 し 合 い に はテ ーマ が 必 要 で あ る。 そ のテ ーマ を 示 す もの を 『 論 題 』 と 言 う 。 デ ィベ ート 独 自 の形 を し て い る。 型 を 示 す と次 の よう に な る。 ○ ○ は口 口 す べ し ( す べ き で あ る) 論 題 は こ の よ う に 「 主 体 ( ○ ○ ) 十行 為 (口 口 )] か ら な っ て い る。 こ の 場 合, 主 体 は政 策 の 主 体 と し て ふ さ わし い 日本 ( 政 府 ) で あ るこ と が多 い 。 以 下, 論 題 の 具 体 例 を 示 す 。6 人文 科 学論 集 第96 号 ① 日本 は死 刑 制 度 を 廃 止 す べ きで あ る。 (以 下 略)](13) こ の説 明 に よ る と, デ ィベ ート の論 題 は,「 テ ーマ 」 で あ り, 定 型 的 な 文 で 表 現 さ れ る。 具体 例 を 見 て み よ う 。 高 校 3 年 生 の 「 政 治 ・ 経 済 」 で , デ ィ ベ ー ト が実 践 さ れ て い る。 市原 浩 二 氏 に よ って 取 り 上 げ ら れ た論 題 は,「 男 と女 は ど っ ち が得 か」 で あ る(14)。 こ の論 題 は, ま だ ディ ベ ート が 普及 して い な い 時 代 に 作成 さ れた。 し か し, こ の 論 題 は, 次 の 点 て 批 判 す るこ と がで き る。 第 凵 こ,「 男 と 女 」 と い う 2 つ の 性 が 取 り 上 げ ら れ て い るの で , ひ とつ の テ ーマ で はな い 。 ひ とつ は , 男 が 得 な 点 で あ り , もう ひ とつ は, 女 が 得 な点 て あ る。 男 女 は, そ れ ぞ れ が得 な 点 かお り, 得 で はな い 点 か お る。 男 女 の 得 な 点 と 得 では な い 点 を 組 み合 わせ れ ば, 全 部 で 4 つ の テ ー マを 考え る こ と に な る。 少 な く と も,A か B かを 問 う こ と は , デ ィ ベ ート の 論 題 と し て 適 切 で は な い 。 第 2 に, デ ィ ベ ー ト の論 題 の形 式 に 基 づ い て い な い。 論 題 は ,「 ○ ○ は口 口 す べ し ( す べき で あ る)] とい う 形式 で 表 現 さ れ る。「男 と 女 は ど っち が 得 か」 と い う論 題 は, デ ィ ベ ー トの 論 題 と し て , 適 切 で はな い 。 第 3 に, こ の 論 題 を 政 策 論 題 と し て 受 け止 め れば , 政 府 や 政 党 な ど の主 体 が 存 在 し な い。 こ こ か ら ,「男 と 女 は ど っ ち が 得 か」 と い う 論 題 は, 政 策 論 題 で は な い と 結 論 付 け ら れ る。 で は , 価 値 論 題 と し て 受 け止 め る と, 男 女 の 性 に高 低 を 付 け るこ と にな り, 高 校生 の政 治 ・ 経 済 の授 業 の内 容 とし て は好 まし くな い 。 もし こ の論 題 を 事 実 論 題 と し て 理 解 す ると , 男 女 の高 低 を 根 拠 や 証 拠 に よ って 証 明 し な け れば な らな い 。 納 得 のい く証 明 が で き るか ど うか は, 疑 問で あ る。 第 4 に, 高 校生 の 主 張 の い くつ か は , 現 在 で は 時 代 遅 れで あ っ た り, 根 拠 の な い も の で あ っ た り す る。「 政 経 デ ィ ベ ート 用 プ リ ント」 を 見 る と, 男 が 得 な チ ー ム は, 次 の 主 張 を し て い る。 「 ①男 は 着 替 え が楽 で あ る。 ②女 は 子 供 を 産 む と き痛 い 。 ③女 は 仕 事 を し て い て も, ほ とん ど雑 用 係。 ④女 は 子 供 の 世 話 を す るの が めん ど う。 ⑤仕 事 を し て い ると き に, 妊 娠 し て い た らや め させ ら れ る。 女 が得 な チ ー ム は, 次 の主 張 を し て い る。 ①女 だ か らと 差 別 さ れな くな っ た。 ②就 職 し な い で 結 婚 す れば い い 。 ③女 は , ズ ボ ン・ スカ ート ・ 半 ズ ボ ンが 全 部 は け る。 ④男 に は学 歴 がな くて はな らな い 。 ⑤小 中 高 , マ ラ ソ ン コ ー ス は短 い 。](15) こ の 中で , 男 が 得 な チ ー ムの ③ と⑤ は, 現 在 で は 時 代 遅 れで あ る。 女 の仕 事 は雑 用 係 で
社会 科 教育 法 と し て の デ ィ ベ ー ト 7 はな い 。 子 ど もを 産 む と き には , 産 前 ・ 産 後 の休 業 が, 権 利 とし て 認 め ら れて い る。 労 働 基準 法 第65 条 は, 次 の よ う に 規 定 し て い る。 「 使用 者 は, 六 週 間 ( 多 胎 妊 娠 の場 合 に あ つ て は, 十 四 週 間 ) 以 内 に 出 産 す る予 定 の女 性 が休 業 を 請 求 し た場 合 にお い て は , その 者 を 就 業 させ て はな らな い 。 2 使用 者 は, 産 後 八 週 間 を 経 過 し な い 女 性 を 就 業 さ せ て は な ら な い 。 た だ し , 産 後 六 週 間 を 経 過 し た 女 性 が 請 求 し た場 合 にお い て , そ の者 に つ い て 医 師 が 支 障 が な い と認 め た業 務 に就 か せ るこ と は, 差 し 支 え な い 。 ( 以 下 略)] ま た, 同 法 第67 条 で は , 育 児 時 間 につ い て も,「 生 後 満 一 年 に 達 し な い 生 児 を 育 て る 女 性 は, 第 三 十 四 条 の休 憩 時 間 の ほか , 一 日二 回各 々少 な く と も三 十 分 ] の育 児 時 間 を 請 求で き ると し て い る。 女 が得 な チ ー ム の ②は , 現 在 で は時 代 遅 れで あ る。 一 部 に は, 就 職 よ り結 婚 を 選 択 す る 女 性 がい る か もし れな い 。 し か し, 女 性 の 意 識 が変 わ り, 女 性 の 就 職率 は高 くな って い る。 総 務 省 統 計 局 「 女 性 (15 ∼64 歳) の 就業 率 の 上昇 ] に よ れ ば, 女 性 の 就 業 率 は, 2007 年 ( 平 成19 年 )5 月 に60.6% と60 % を 超え て 以 降, 60% 前 後 を 推 移 し, 2013 年 ( 平 成25 年 )4 月 に62.5% と 過 去 最 高 と な っ て い る(16)。 次 に, 高 校 生 の 主 張 の 中 には , 根 拠 のな い も のが い くつ かあ る。 男 が 得 な チ ー ム の ①, ③, ④, ⑤ , 女 が 得 な チ ー ムの ③, ④ は根 拠 がな く, 統 計 的 デ ー タな ど の証 拠 に よ っ て 説 明さ れて い な い 。
3 ア ク テ ィブ ・ ラ ー ニ ン グ と し て の デ ィ ベ ー ト と 社 会 科
(1) ア クテ ィブ ・ ラ ーニ ング と し て の デ ィベ ー ト ア ク ティ ブ ・ ラ ーニ ン グ は能 動 的 学 習 と訳 さ れ, 児 童 ・ 生 徒 が 授 業 に 積 極 的 に参 加 す る 学 習 を 意 味 し て い る(17)。 次 期学 習 指 導 要 領 の答 申 案 で は,「 主 体 的 ・ 対 話 的 で 深 い 学 び」 を 実 現 す るこ とが 求 めら れて い る。 2012 年 ( 平 成24 年 )8 月28 日 に 発 表 さ れた 中 央 教 育 審 議 会 答 申 「 新 た な 未 来 を 築 く ため の大 学 教 育 の 質 的 転 換 に向 けて ∼ 生 涯 学 び続 け , 主 体 的 に考 え る力 を 育 成 す る大 学 へ ∼] の中 の 「用 語 集 」 に お い て, ア クテ ィ ブ ・ ラ ーニ ン グは , 次 の よ う に説 明 さ れて い る。 「 教員 に よ る一 方 向 的 な 講 義 形 式 の 教 育 と は 異 な り, 学 修 者 の能 動 的 な 学 修 へ の 参 加を 取 り入 れ た教 授 ・ 学 習 法 の総 称 。 学 修 者 が 能 動 的 に学 修 す るこ と によ って , 認 知 的, 倫 理 的 , 社 会 的 能 力 , 教 養 , 知 識 , 経 験 を 含 めた 汎 用 的 能 力 の 育 成 を 図 る。 発 見 学 習, 問題 解 決学 習, 体 験学 習, 調 査学 習 等 が 含 ま れる が, 教 室 内で の グル ープ ・ デ ィ スカ ッ シ ョ ン, デ ィ ベ ート , グ ル ー プ・ ワ ー ク等 も有 効 な ア ク ティ ブ ・ ラ ーニ ン グ の 方 法 で あ る。](18)8 人文 科 学論 集 第96 号 答 申 の 本 文 中 の 3 ペ ー ジ の 「【 参 考 】 学 士 課 程 教 育 の 改 善 の 経 緯 ] で は,「 グ ル ー プ ・ ディ スカ ッ シ ョ ン, ディ ベ ート , グル ープ ・ ワ ー ク等 によ る課 題 解 決 型 の能 動 的 学 修 ( ア クテ ィブ ・ ラ ーニ ン グ) に取 り 組 み, 成 果 を 上 げ る大 学 も 出て き て い る] と説 明 さ れ て い る。 こ の よ う に 説 明 さ れて い る ア ク テ ィ ブ ・ ラ ー ニ ン グ に つ い て は , 次 の 2 点 を 指 摘 で き る。 第 凵 こ, ア ク テ ィ ブ・ ラ ー ニ ン グは ,「 教員 に よ る 一 方 向 的 な 講義 形式 の 教 育 」 で は な く,「 学 修 者 の 能 動 的 な 学 修 へ の 参 加を 取 り 入 れ た教 授・ 学 習 法」 で あ る。 こ こ か ら, ア ク テ ィ ブ ・ ラ ーニ ン グ の 中 心 部 分 は,「 学 修 者 の能 動 的 な 学 修 へ の参 加」 で あ ると 理 解 でき る。 講 義 形 式 の授 業 で あ って も, 学 習 者 が能 動 的 に参 加 す れ ば, ア ク ティ ブ ・ ラ ーニ ン グ に な り 得 る。「一 方 向 的 な 」 授 業 か ら 二 方 向 的 な又 は 双 方 向 的 な 授 業 に な れば よ い と 理解 で き る。 教師 が児 童 ・ 生 徒 に質 問を し , 児 童 ・生 徒 が活 発 に 手 を 挙げ , 答 え を 言え ば, 「能 動 的 な 学 修 への 参 加 」 にな る。 ディ ベ ート は 「学 修 者 の能 動 的 な学 修 へ の参 加 」を 促 す と い う意 味 で, ア クティ ブ ・ ラ ー ニ ン グ の ひ とつ で あ る。 デ ィベ ート の 場 合 , だ れが 論 題 を 決 め る か が問 題 で あ る。 教 師 が 決め る と, 学 修 者 の「 能 動 的 な 学 修 」 の 範囲 が狭 くな る。 本 来 な ら, 学 習 者 で あ る児 童・ 生 徒 が論 題 を 決 め る べき で あ る が, 時 間 がか か りす ぎ るこ と が難 点 で あ る。 第 2 に,「 用 語 集 」 と 答 申 の 本 文 の 説 明 を 見 る と ,「 問 題 解 決学 習 」 と 「 課 題 解 決 型 の 能動 的 学 修 」 がそ れ ぞ れ推 奨 さ れて い る。 こ れ らの 説 明 で は, 同 じ 学 習 方 法 が 取 り上 げ ら れ て い る と言 え る 。「 問 題 解 決 学 習 」 は,J・ デ ュ ー イ(J. Dewey) に よ って 定式 化 さ れ た学 習 方 法 で あ る。 「 問 題 解 決 学 習 」 や 「 課 題 解 決 型 の 能動 的 学 修 」 を ど の よ う に 考 え れ ば よ い だ ろ う か。 藤村 裕一 氏 に よ れ ば, 授 業 に は 4 つ の 型 が あ る。 「 ①教 師 が一 方 的 に話 を し て , 子 供 は そ れを 聞 い た りノ ート に 取 った りす る授 業 。 ②教 師 が課 題 を 与 え て 提 示 す ると と もに , 教 師 が追 究 方 法 を 決 め, 教 師 の 指 示 に 基づ いて 子 供 が課 題 を 解 決 す る授 業 。 ③教 師 が課 題 を 提 示 す るが 追 究 方 法 は子 供 が決 め, 自 分 た ちで 課 題 を 解 決 す る授 業 。 ④子 供 が 問い を 発 見 し , 追 究 方 法 を 決 め , 自分 た ちで 問題 解 決 す る授 業 。](19) こ れ らの 中 の ② か ら ④ が「 問 題 解 決学 習 」 や 「 課 題解 決 型 の 能 動 的学 修 」 に 当 て は ま る。 狭い 意 味 で は, ④ の「 子 供 が問 い を 発 見 」 す る学 習 方 法 で あ る。 広 い 意 味 で は , ② か ら ④ まで を 含 ん で い る。 デ ィベ ート で は , 肯 定 側 に立 つ と, 論 題 を 実 施 す る ため の解 決 策 ( プ ラ ン) を 提 案 し な け れ ば な ら な い 。 た と え ば ,「 日本 は, 環 境 税 を 導 入 す べ き で あ る」 と い う 論 題 で は , 環 境税 の具 体 的 な 仕 組 みを 解 決 策 とし て 提 案 し な け れば な ら な い 。 環 境 税 を 所 得 に応 じ て 徴 収す る のか , 所 得 に関 係 な く徴 収 す る の か, 税 率 は ど うす る のか , 徴 収 し た税 金 の使 い道 を 限 定 す る の か, な どの 解 決 策 を 提 案 し な け れ ばな らな い 。
社会 科 教育 法 と し て の デ ィ ベ ー ト 9 デ ィベ ート の論 題 は解 決 す べ き 問 題を 提 示 し て い る の で, デ ィ ベ ート は「 問題 解 決学 習 」 の ひ とつ で あ る。 藤 村 祐 一 氏 の ④ のよ う に, 児 童 ・ 生 徒 が 自 ら論 題 を 決 め, 自 分 た ち で 解 決で き れば , 明 ら か に「 問題 解 決 学 習 」 を 実 施 し た こ とに な る。 第 3 に,「 問 題 解 決 学 習 」 を 実 施 す るた め に は, 教 師 の 指 導 力 が不 可 欠 で あ る。 ② と ③ では , 教 師 が事 前 に「 課 題 」 を 準 備 し な け れば な ら な い 。 ②で は,「課 題 」 の 「 追 究 方 法 」 も準 備 し な け れば な らな い 。 授 業 で 学 習 す る内 容 が , す べ て 「 課 題 」 と し て 設 定 で き る わ けで はな い 。「課 題 」 や 「 追 究 方 法 」 を 選 択 す る とき , 教 師 の力 量 が問 わ れ る。 デ ィベ ート を 授 業 の中 で 実 施 す る場 合 , 教 師 の負 担 はか な り大 きい 。 教 師 は , デ ィ ベ ー ト が ど のよ うな も ので あ る かを 事 前 に 学 習 し て お か な け れ ばな ら な い 。 まず , 教 師 は デ ィ ベ ート に関 す る著 作 を 数 冊 読 む こ とが 必 要 で あ る。 次 に, 論 題 を だ れが 決 め る の かを 考え る。 児 童 ・ 生 徒 が 決 め るこ とが 難 し い と判 断 し た時 に は, 教 師 が 論 題 を 提 示 し て も よ い。 複数 の論 題 の 中か ら児 童 ・ 生 徒 に選 択 させ るこ と も, ひと つ の方 法 で あ る。 準 備 に何 時 間 充 て る のか を 決 め , 主 張 を 裏 付 け る証 拠 を 集 め る。 児 童 ・ 生 徒 が 証 拠 を 集 め る前 に教 師 も 事前 の下 調 べ は行 う。 さ ら に, デ ィベ ート の 試 合 を す ると き, ジ ャ ッ ジを 決 め る。 ク ラ スの 何 人 か の児 童 ・ 生 徒を 指 名 す る か, デ ィベ ート の メ ンバ ーを 除 く全 員 にす る の かを 決 め る。 ディ ベ ート の 終 了 後 に, ふ り 返 りを 実 施 す るの か を 決 め る。, デ ィ ベ ー ト の 試 合 を 見 て , 考え が 変 わ っ た のか を 確 認 す るこ と も よ い。 (2) デ ィベ ート の 方 法と 社 会 科 デ ィベ ート の方 法 は, 問 題 解 決型 授業 方 法 の ひとつ と して , 学 校 教育 に導 入 さ れて い る。 児 童 ・ 生 徒 の思 考 力 を 鍛 え るた め に, デ ィベ ート の 方 法 が 取 り入 れ ら れて い る。 デ ィ ベ ー トの 方 法 は 教 科 だ けで は な く, 総 合 的 な 学 習 の時 間 , 学 級 活 動 や ホ ー ム ル ー ム活 動 に お い て も実 践 さ れて い る。 社 会 科 に お い て も, 国 語 科 と 同 様 に , ディ ベ ート が導 入 さ れ, 注 目 され て い る。 社 会科 で は, 論 争 的 な, 答え が得 ら れて い な い 問題 を取 り上 げ る場 合 に, デ ィ ベ ート の方 法 が使 用 さ れ る。 デ ィベ ート の方 法 につ い て , 社 会 科 の授 業 で 有 効 で あ るこ とが 主 張 さ れて い る。 た とえ ば, 次 のよ う に主 張 さ れて い る。 「 … … 児 童 生 徒 の 社 会 意 識 を 育 む た め に デ ィ ベ ート は有 効 で す が , 地 域 社 会 や 国 家 にお い て 論 争 とな って い る よ うな テ ーマ を その ま ま実 施 す るこ とは な かな か難 し い も ので す 。 たと え ば , 原 子力 発 電 の 是 非 を め ぐ って ディ ベ ート す る場 合 , 児 童 生 徒 の 親 や関 係 者 が原 子 力 発 電 会 社 に勤 務 し て い る場 合 もあ り ます 。 学 級 全 体 で 原 子 力 発 電 が 否定 的 に とら え ら れ た場 合 , その 児 童 生 徒 が内 面 に葛 藤 を 抱 え て し ま う場 合 もあ り ま す。 デ ィベ ート のテ ー マの 中立 性 に配 慮 す るあ ま り, 無 味 無 臭 な テ ー マば か り に な っ てし ま う のは 好 まし くあ り ませ ん 。 し か し , 社 会 生 活 にお け る様 々な テ ー マ に は利 害
10 人文 科 学論 集 第96 号 関係 者 かお り , 児 童 生 徒 も そ れら の利 害 と無 縁 で な い こ とは お さえ て お く べ きで し ょ こ の主 張 の 中 で, 注 目 す べ きこ と が い くつ か 指 摘 さ れ て い る。 第 凵 こ, 社 会 科 の 授 業 で デ ィ ベ ー ト が有 効 で あ る 。「 児 童 生 徒 の 社 会 意 識 を 育 む」 こ と は , 社 会 科 の 目 標 の 中 に 含 ま れ て い る。 小 学 校 学 習 指 導 要 領 第 2 章 各 教 科 第 2 節 社 会 第 1 日 標 に お い て , 社会 の 目標 が,「社 会 生 活 につ い て の理 解」,「 我 が国 の国 土 と歴 史 に対 す る理 解 と愛 情 」, 「 国 際 社 会 に 生 き る平 和 で 民 主 的 な 国家 ・ 社 会 の 形 成 者 と し て 必 要 な 公 民 的 資 質 の 基 礎 」 を 育 成 す るこ と が 述 べ ら れて い る 。 中 学 校 学 習 指 導 要 第 2 章 各 教 科 第 2 節 社 会 第 1 日 標 に お い て , 社 会 の 目 標 が ,「 広 い 視 野 に 立 って , 社 会 に 対 す る関 心 を 高 め, 諸 資 料 に 基づ い て 多 面 的 ・ 多 角 的 に 考 察 」 す るこ と を 含 んで い る。 高 等 学 校 学 習 指 導 要 領 第 2 章 各 学 科 に 共 通 す る各 教 科 第 3 節 公 民 第 1 款 目 標 は ,「 広 い 視 野 に立 っ て, 現 代 の 社 会 につ い て 主 体 的 に 考 察 さ せ , 理 解 を 深 め させ るこ と 」 を 規 定 し て い る。 第 2 に,「 デ ィ ベ ート の テ ー マ の 中立 性 に 配 慮 す る」 こ と が 述 べ ら れて い る。「 デ ィ ベ ー トの テ ーマ は, 論 題 を 指 し て い る。 し かし , 論 題 ( テ ーマ ) の中 立 性 に つ い て は, も っ と 議論 し な く て はな ら な い。 特 に ,「 利 害 関 係 者 」 の 存 在 を 考 慮 す るこ と に は, 慎 重 で な け れば な らな い 。 小 ・ 中・ 高 校 で は, 公 教 育 の 一 環 と し て の 教 育 を 行 って い る。 取 り扱 う論 題( テ ーマ ) は, 児 童 ・ 生 徒 が 関 心 を 持 つ も ので あ る。 デ ィ ベ ー ト の 論 題 ( テ ー マ ) の 中立 性 に 配 慮 す る と,「 無 味 無 臭 な テ ー マ ば か り に な っ てし ま う」 とい う 指 摘 は 受 け入 れ るこ と がで きな い 。 ディ ベ ート の論 題 ( テ ー マ) は多 く の人 が関 心 を 持 つ 論 争 的 な 問題 で あ り , 答 え が定 ま っ てい な い の で,「無 味 無 臭 な テ ー マ」 で はな い。 例を 挙 げ る。 全 国 教 室 デ ィベ ート 連 盟 の ホ ー ムペ ー ジに よ る と,「 中 学 社 会 科 ・ 高校 公 民 科 で のデ ィベ ート ・ シ ナ リオ 集 」 と し て , 次 の論 題 ( テ ー マ) が教 科 書 に掲 載 さ れて い る。 10 番 まで は, 国 語 科で の デ ィベ ー ト・ シ ナ リ オ集 で あ る。 11 「 日 本 は 死 刑 制 度 を 廃 止 す べ き で あ る」 中 学 : 教 育 出 版 「 中 学 社 会 公 民 」 12 「 日本 は選 挙 権を18 歳 に 引 き 下 げ る べ きで あ る」 中学 : 東 京 書 籍 「 新 し い 社 会 公 民 」 13 「 日 本 は 外 国 人 労 働 者 を 積 極 的 に 受 け 入 れ る べ き で あ る 」 中 学 : 日 本 文 教 出 版 「公 民 現 代 の社 会」 14 「○ ○ 中 学 校 は 女 子 の 制 服 に ズ ボ ンを 加 え る べ き で あ る」 中 学 : 清 水 書 院 「 新 中 学 校 公 民 」 15 「 日 本 は 原 子 力 発 電 を 廃 止 す べ き で あ る」 中 学 : 扶 桑 社 「 新 し い 公 民 教 科 書 中 学 社 会 」 16 「 日 本 は 脳 死 患 者 か ら の 臓 器 移 植 の 年 齢 制 限 を 廃 止 す べ き で あ る」 高 校 : 教 育 出 版 「 現 代 社 会 」 17 「 日 本 は 積 極 的 安 楽 死 を 認 め る べ き で あ る」 高 校 : 桐 原 書 店 「 新 現 代 社 会 」
社会 科 教育 法 と し て の デ ィ ベ ー ト 11 18 「 日 本 は 環 境 税 を 導 入 す べ き で あ る」 高 校 : 東 京 書 籍 「 新 訂 現 代 社 会 」 19 「 日 本 は夫 婦 別 姓 を 認 め る べ き で あ る」 高 校 : 東 京 書 籍 「 新 訂 現 代 社 会 」 20 「 日 本 は 刑 事 裁 判 に 陪 審 制 を 導 入 す べ き で あ る 」 高 校 : 東 京 書 籍 「 新 訂 現 代 社 会 /1」 こ の 中 で ,12 番 目 の 「 日本 は 選 挙 権 を18 歳 に 引 き下 げ る べ き で あ る」 に つ い て は , 2015 年 ( 平 成27 年 ) 6 月 に, 公 職 選 挙 法 等 の 一 部 を 改 正 す る法 律 が成 立 し, 2016 年 ( 平 成28 年 )6月19 日に 施 行 さ れ た。 年 齢 が 満18 年以 上 満20 年 未 満 の者 が 選 挙 に 参 加 でき る よう にな っ た。 既 に選 挙 権 年 齢 を 引 き 下 げ るこ とが 決 定 さ れ たの で , デ ィベ ート の 論 題 ( テ ー マ) と し て は 適 切 で はな い 。 20 番 目 の 「 日 本 は 刑 事 裁 判 に 陪 審 制 を 導 入 す べ き で あ る」 に つ い て は, 適 切 性 を 判 断 し に く い。 日 本 で は, 2009 年 ( 平 成21 年 )5月21 日 か ら, 裁 判員 制 度 が 導 入 さ れ て い る。 裁 判 員 制 度 は , 陪 審 制 と も参 審 制 と も異 な る制 度 で あ る。 裁 判 員 が 事 件 ご と に選 任 さ れ る点 で は , 陪 審 制 と同 じ で あ る。 し かし , 裁 判 員 が事 実 認 定 と 量 刑 を 判 断 し , 法 律 問 題 は裁 判 官 が 行 う点 て , 参 審 制 と は異 な る。 裁 判 員 制 度 は, 日本 独 自 の制 度 な の で , 陪 審 制 と比 較 す るこ とが 難 し い(22)。 「 日 本 の 裁 判 員 制 度を 廃 止 す べ き で あ る」 は, デ ィベ ー ト の 論 題 ( テ ー マ) に は な り う る。 日本 国 民 で あ れ ば誰 で も, くじ 引 き によ って 裁 判 員 候 補 者 名 簿 に掲 載 さ れ る可 能 性 か お る。 ディ ベ ート の論 題 ( テ ー マ) は 「 無 味 無 臭 」 で はな く, 多 く の人 が関 心 を 持 ち, 解 決策 を 知 り たい と 思 って い る問 題 を 取 り扱 って い る。 「 社 会 生 活 にお け る 様 々 な テ ーマ に は利 害 関 係 者 かお り, 児 童 生 徒 も そ れ ら の 利 害 と無 縁で な い こ と] は , ディ ベ ート の論 題 ( テ ー マ) の 適 切 性 に関 わ って い る。「 利 害 関 係 者 」 が い る こ と は , ど の 論 題 ( テ ー マ) に も当 て は ま る こ と で あ る。 11 の 「死 刑 制 度」 につ いて は, 知 り合 い が死 刑 の判 決 を 下 さ れ るこ と はま れ か もし れな い 。 し かし , 日本 の 司 法 制度 の一 環 とし て の「 死 刑 制 度 」 は, 日本 国 民 の全 員 を 対 象 とし て い る。 中学 生 や 高 校生 も,「 死 刑 制 度 」 の 適 用 を 受 け る。 こ の 意 味 で は , 中学 生 や 高 校 生 も「 利 害 関 係 者 」 で あ る。 13 番 目 の 「 日 本 は 外 国 人 労 働 者 を 積 極 的 に受 け 入 れ る べ き で あ る 」 につ い て も, 中学 生 や 高 校 生 は ,「 利 害 関 係 者 」 とな る可 能 性 が あ る。 生 徒 や 学 生 の身 分 で あ れ ば, 外 国 人 労 働 者 の存 在 は直 接 的 に は関 係 がな い 。 し か し , 家 族 が働 い て い る場 合 , 職 場 に外 国 人 労 働者 が雇 用 さ れ る と, 家 族 の職 が失 わ れ る可 能 性 か お る。 ま た, 中学 生 や 高 校 生 が就 職 す る と きに, 外 国人 労 働 者 が 職 場 に大 量 に採 用 さ れ た ら, 就 職 で き る 職場 の 範囲 が 狭 く な る。 中学 生 や 高 校 生 は 外 国 人 労 働 者 と無 縁 で はな い。 学 校 で デ ィベ ート を 実 施 す る と き, 児 童 ・ 生 徒 が 「 利 害 関 係 者 」 で あ る かど う か は, 問 題に な らな い 。 デ ィベ ート にお い て は , 論 題 ( テ ー マ) に 賛 成 す る児 童 ・ 生 徒 と否 定 す る 児 童 ・生 徒 の 両 方 がい る。 学 校 で は, 国 会な ど の立 法府 デ ィ ベ ート で はな く, 教 育 デ ィ ベ ー
12 人文 科 学論 集 第96 号 卜( アカ デ ミ ッ ク・ ディ ベ ート ) を 実 施 す る。 教 育 デ ィベ ート の 目的 は , 児 童 ・ 生 徒 の思 考能 力 を 鍛 え るこ とで あ る。 児 童 ・ 生 徒 そ れ ぞ れの 考 え が 何 で あ って も, 賛 成 派 と否 定 派 に分 か れ, 規 則 に 従 って デ ィベ ート を 実 施 す る。 学 校 で 実 施 す る デ ィベ ート は , ディ ベ ート の後 に 論 題 ( テ ーマ ) を 実 行 す るこ とを 要 求 しな い。「原 子 力 発 電 所 を 廃 止 す べ きで あ る」 とい う 論 題 ( テ ーマ ) で デ ィベ ート を し て , 肯 定 派 が勝 っ たと し て も, 原 子 力 発 電 所 を 廃 止 す るこ とに はな ら な い 。 デ ィベ ート は, あ くま で 児 童 ・ 生 徒 の思 考 を 鍛 え る ため に行 わ れ る。 賛 成 派 と否 定 派 を 入 れ替 え て デ ィ ベ ー ト す るこ と が求 め ら れて い るの は, デ ィベ ート を 思 考 訓 練 の方 法 と みな し て い る か ら で あ る。 こ の よう に, 学 校 で デ ィベ ート を 実 施 し よ う とす る とき , 教 師 は論 題 を 選 択 す る か, 児 童・ 生 徒 に 選 択 さ せ な け れ ばな らな い 。 論 題 を 選 択 す るた め に, 教 師 は かな り の時 間 とエ ネル ギ ーを 使 うこ と にな る。 本 物 ディ ベ ート の論 題 は, 賛 成 派 と 否 定 派 が拮 抗 す る も のを 選択 す る。 効 果 的 な デ ィベ ート を 実 施 し , 児 童 ・ 生 徒 の思 考 を 鍛 え る ため に は, 証 拠 と な る資 料を 検索 し, 読 み, まと め な けれ ば な らな い。 どこ ま で資 料 を 収集 す るか は, 論 題 の中 身 に よ っ て異 な るが , エ ビ デ ン ス の収 集 を 大 切 にす べ きで あ る。 エ ビ デ ン ス には , 新 聞 や 雑 誌 の記 事, 統 計 的 デ ータ , 辞 書 ・ 辞 典 , 単 行 本 , 専 門家 の 意 見 な ど があ る。 検 索 や 収 集 のや り方 を 学 習 す るこ と も, 有 意 義 で あ る。 デ ィベ ート の 考え 方 を 取 り 入 れ た 学 級討 論 会 で は, 論 題 の 中 立 性 に も配 慮 す べ き で あ る。 特に 「 利 害 関 係 者 」 で あ る かど う かは , 学 校 で は問 題 にな らな い が, 現 実 問題 とし て , 児 童・ 生 徒 が 不 快 な 思 い を し な い よ うに す べき で あ る。 ディ ベ ート や 学 級 討 論 会 の ど ち らを 実 施 す るに し て も, 教 師 の 指 導 性 を 発 揮 し な け れ ば な ら な い。 児 童 ・ 生 徒 の 思 考 力(23)を 鍛え る ため に は, 教 師 自 ら ディ ベ ート を 研 究 し て , 力 量 を 高 めて お く必 要 か お る。 注 剛 デ ィベ ー ト の歴 史 につ いて は, 下 記を 参 照。 井 上 江 奈良 彦 ・ 蓮 見二 郎 ・ 諏 訪 明 宏 ( 編 ),『 デ ィ ベ ート 教 育 の展 望 』( 花 書 院 ,2015 年 )8 ∼10 ペ ー ジ。 (2) 藤 岡信 勝 (編 著),『 大東 亜 戦争 は 自 衛戦 争 であ っ た』(明 治 図書, 1996 年 ) (3) 特定 非 営 利 活 動 法人 全国 教 室デ ィ ベ ー ト 連盟 ,「 デ ィベ ー ト甲 子 園」 http://nade.jp/about/organization (2016 年 5 月17 日閲 覧 ) (4) 安 藤豊 ,「 第 2 部 デ ィ ベ ート の準 備 過 程 1 浮 遊 す る 座 標 軸 一 肯 定 側 準 備 過 程 の記 録 」, 藤 岡信 勝 (編 著), 『大 東 亜 戦 争 は 自 衛 戦争 で あ っ た 』前 掲 書所 収, 106-138 ペ ー ジ。 (5) 伊 藤 利 明 ,「 道徳 教育 の方 法」 名 古 屋 経 済 大 学・ 市 部 学 園 短 期 大 学 『 人文 科 学論 集 』第34 号, 1983 年 ,73 −89 ペ ー ジ。 伊 藤利 明 ,「 教 育 的 デ ィ ベ ート の意 義 」 名 古 屋 経 済 大 学 ・ 市 部 学 園 短 期 大 学 『 人 文 科 学 論 集 』 第59 号 ,
社会 科 教育 法 と し て の デ ィ ベ ー ト 13 1996 年, 15-23 ペ ー ジ。 (6) 岡 本明 人,『 授業 デ ィベ ート 入 門 』(明 治 図 書, 1992 年 )17 ペ ー ジ。 日 本, 台 湾, 韓国 の 日 本語 デ ィベ ート の 実 践 につ いて は, 下 記 参照 。 井 上 江 奈良 彦 ・ 蓮見 二 郎・ 諏 訪明 宏 (編 ),『デ ィ ベ ート 教育 の 展望 』前 掲 書,20 ∼86 ペ ー ジ。 閨 教 科書 「 国 語 六 創 造 」( 光村 図 書出 版,2013 年 )45 ペ ー ジ。 (8) 同上, 46-49 ペ ー ジ。 (9) 岡 本明 人, 前 掲 書, 102-111 ペ ー ジ。
(抑 D. W. Kloph, T. Kawashima, The 召ases oダフ)d・ate (SANSHUSHA, 1996) pp.30-35 証 拠(evidence) の 詳 し い 説 明 は, 下 記 参 照。
A. J. Free ley, Argumentation and Debate, Eighth Edition (Wadsworth,1993) pp.107-115
{ID J . M. Ericson and J. J. Murphy, The 」Debate心 G扇面Revised Edition (Southern Illinois University Press) pp.8-9 (措 宇 佐美 寛 ,「研 究 乏 しき 運 動 の 狭 さ と 硬 さ」, 現 代教 育 科学 1995 年 4月 号 No.463 ( 明 治 図 書, 1995 年)85 ペ ー ジ。 (猖 全 国 教 室 デ ィベ ート 連 盟 ,『 授 業 づ く り ネ ッ ト ワ ー ク 別冊 教 室 デ ィベ ート の挑 戦第14 集 必 携! デ ィ ベ ート 用 語集 』( 学事 出 版, 1999 年 )56 ペ ー ジ。 (川 杉 浦 正 和・ 和 井 田清 司,『 デ ィ ベ ート 術 冂 (国 土 社, 1995 年) 38-49 ペ ー ジ。 (扨 同上 ,48 ペ ー ジ。 膕 総 務 省 統 計局 ,「 女 性(15 ∼64 歳 ) の 就 業 率 の 上 昇 」, www.stat.go.jp/data/roudou/tsushin/pdf/no08.pdf (2016 年 5 月17 日閲 覧 ) (挧 ア クテ ィ ブ・ ラ ーニ ン グ につ いて は, 下 記を 参 照。 前 林清 和 ・ 江 田 英 里 香 ・ 須 釜 幸 男 ・ 田 中 綾 子 ・ 土 谷 総 子 ,『 ア ク テ ィ ブ ・ ラ ーニ ン グ 理 論 と 実 践 − − 』( デ ザ イ ンエ ッ グ, 2015 年 )1 ∼15 ペ ー ジ。 (扨 中央 教 育 審議 会 答申 「 新 た な 未来 を 築 く た め の 大 学教 育 の質 的 転換 に 向け て∼ 生 涯 学 び 続 け, 主 体 的 に考 え る力 を 育 成 す る大 学 へ∼ 」「 用語 集 」37 ペ ー ジ。 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/1325047.htm (1325048_3%20 (1). pdf) (2016 年 5 月17 日 閲 覧) (揖 藤 村 裕一 ,『 わ か る! 書け る! 授 業 改 善 の た め の 学習 指導 案 』( ジ ャ ム ハ ウ ス, 2015 年 )72 ペ ー ジ。 鴟 笹 尾省 二 ・ 相 馬 伸一 ,「 社 会科 教育 の 課 題 と方 法」(渓 水 社, 2010 年) 140-141 ペ ー ジ。 剛 非 特定 営 利 活 動 法人 「 全国 教 室デ ィ ベ ート 連盟 」 の ホ ー ムペ ー ジ http://old.nade.jp/school/teiban.html (2016 年 5 月17 日 閲 覧) 社 会科 の論 題 につ い て は, 下 記 も 参 照。 ①国 際 理 解教 育 とデ ィ ベ ート につ い て, 説明 し て い る。 羽 淵強 一 ,『 社会 科 授業 に 向 く デ ィベ ート 論 題 』(明 治 図 書, 1998 年) 76-157 ペ ー ジ。 ②論 題 を 「1 入 門 期 の 論 題 」 と 「2 学 習 単 元 に 対 応 し た 論 題」 に 分 類 し, 例 を 挙 げ て い る。 吉水 裕也 氏 ,『 デ ィベ ート で 変 わ る 社 会科 授業 』(明 治 図書, 1995 年) 56-62 ペ ー ジ ③ リ サ ー チ の 指導 を 説明 し て い る。 エ ビ デ ン ス・ カ ー ド の使 用 に も言 及し て い る。 松 尾正 幸 ・ 佐 長 健 司( 編 著 ),『 デ ィベ ート に よ る 社 会科 の授 業 づ く り 』(明 治 図書, 1995 年) 80-92 ペ ー ジ。
14 人文 科 学論 集 第96 号 儲 最 判所 ホ ー ム ペ ー ジ,「 裁 判員 制 度 Q& A」, http://www.saibanin.courts.go.jp/qa/c8_2.html (2016 年 5月17 日 閲 覧 ) こ の中 で, 裁 判員 制 度・ 陪 審 制度 ・ 参審 制 度を 比 較し て い る。 叫 教 職 科 目 の 社 会 科 教育 法 とデ ィベ ート と の 関 連 につ いて , 鎌 田 裕 文 氏 は 九州 大 学 の「 社 会 ・ 公 民 科 指 導 法」 の授 業 で デ ィベ ート を 実 施し , 学生 の「 批 判 的 ・論 理 的 思 考力 」 が 育 成 さ れ たか を 測 定 し てい る。 デ ィ ベ ー ト 授業 は 学生 に良 い 影 響を 与 え て い るが , 思考 力 の向 上 は判 明 して い ない と結 論 付 けて い る。 鎌田 裕文 ,「「 教職 科 目 『社 会・ 公 民 科指 導 法』 に み ら れ るデ ィ ベ ート 授業 の影 響 批判 思考 能 力 の 効 果測 定 の試 み 」 大 学 教育 , 第10 号, 2004 年 2 月, 41-58 ペ ー ジ。 一 方 , 青柳 西 蔵氏 他 は高 校生 を 対 象 に し て総 合的 な 学習 の 時 間 に デ ィベ ート 学 習 を 実 施 し, 批 判的 思考 態 度 の育 成 に 効 果が あ る と結 論 付 け てい る。 青柳 西 蔵・ 石 井 浩 剛 ・ 下 田 宏 ・ 伊丹 悠 人 ・ 冨 江 宏 ・ 北 川 欣 也 ・ 河 原 恵 ,「 教 育 用 デ ィ ベ ー ト シ ステ ムを 導 入 し た 学 習 単 元 の 提 案 と 批 判 的 思 考 態 度 醸 成 効 果 の 評 価 」, 日 本 教 育工 学 会 論 文 誌,33 巻 4 号 ,2009 年, 411-422 ペ ー ジ。 ( 名 古 屋 経 済 大 学 名 誉 教 授 ・ 教 育 学 )