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不正会計の実態分析

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Academic year: 2021

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(1)不正会計. 不正会計の実態分析 一ノ宮 士 郎 目 1.はじめに 2.先行研究 3.リサーチデザイン. 次 4.分析と評価 5.結論. 本稿は、第三者委員会報告などの公表資料に基づき、2004 ~ 18年までの15年間におけるわが国の不正会計 事例に基づきプロファイリングを行い、不正会計の平均像を描いていくという実態分析を試みた。15年間を3 ステージに区分して検証したものの、ステージ間で極端な差は確認されず、逆に類似した平均像が認められた。 つまり、わが国では不正会計事例(企業)の平均像が大きく変化しているものではなく、同じような属性を持っ た事例が繰り返して出現してきたことが見いだされた。. 態(事実)は何かをつかむことが大事である(注1)。. 1.はじめに. 過去から現在に至るまでに発生した不正会計を. よく耳にするフレーズに、 「利益は意見、キャ. 振り返る限り、規制や監督だけでは潜在的な不正. ッシュは事実」という言葉がある。利益は意見で. を有効に抑止できなかった(注2)。だからこそ経. あるからこそ、過大・過小表示が問題となるので. 営者による不正会計について、経済面と心理面(特. あり、本稿のテーマに即して言葉を換えれば、 「不. に動機)を考察する必要があると指摘されてきた. 正会計は印象(impression) 」とでも言えようか。. が(Giroux[2018])、心理は内面的であり、外. わが国で伝統的に使用されてきた粉飾決算という. 部からはうかがい知れない。一方不正の動機(あ. 用 語 も、 文 字 通 りwindow( 実 態・ 決 算 ) を. るいは誘因)は変わらず、類似した事例が繰り返. dressing(偽る・飾る)することで印象を歪める. し出現する傾向があった。このため次善の策なが. ことを端的に表している(Amat[2019] ) 。した. ら、過去の不正会計事例を参考に、アナリストな. がって、表面的な印象(意見)に惑わされず、実. どの外部利害関係者が注意を払うべき不正会計の. 一ノ宮 士郎(いちのみや しろう) 専修大学経営学部教授。1980年早稲田大学法学部卒業。同年4月、日本開発銀行(現・ 日本政策投資銀行)入行。88年London Business School(Sloan Program)修了。公認 会計士。2015年4月より現職。主な著書に、『QOE[利益の質]分析』(中央経済社、 2008年)、An Analysis of Japanese Management Styles, Business and Accounting for Business Researchers(共著、Maruzen Planet、2014年)がある。. 6. 証券アナリストジャーナル 2020.10.

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