• 検索結果がありません。

小学校での特別支援教育にかかわる外部との連携に関する一考察

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "小学校での特別支援教育にかかわる外部との連携に関する一考察"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

1.はじめに  本報告は,小学校における特別支援教育の推進のた め,学校からの要請を受けて行った5年間の共同研究 のまとめである。X市立Y小学校の特別支援学級およ び通常学級に在籍する発達的支援を必要とする児童に ついて,授業場面でみられる姿をふまえて,支援のあ り方を検討した。また2年次以降においては,保護者 との共通理解を構築するための方策の検討,育児上の 悩みに応えていくことも重視した。 2.経過  5年間の経過を以下に記す。 <1年次>  1年次においては,特別支援学級(知的障害児学級 および自閉症・情緒障害児学級)および低学年の通常 学級に在籍する発達障害児,支援を必要とする児童に ついて,主として授業場面でみられる姿をふまえて, 当該児童をどう理解するか,支援のあり方,他児との かかわりあい,学級集団としての課題等を明らかにし ようとした。  筆者が学校を訪問したのは5回であり,いずれの日 においても授業場面を観察し,その後,校長,教頭, 担任,ケースによっては市の発達相談員,および筆者 で,相談・カンファレンスを行った。  当該小学校では,特別支援学級に在籍する障害児, 通常学級に在籍する発達支援を必要とする児童がとも に多く,これまでにも特別支援教育のための校内体制 を一定整備し,関係機関との連携を構築しているもの の,学級担任はかなり苦慮しながら,日々の実践にあ たっている現状がある。そうした状況において,児の 障害特性等の理解だけではなく,支援の方向を集団的 に確認し,担任を支えることに重きをおいた。自閉症・ 情緒障害児学級に在籍する1児童については,担任の 悩みも深かったため,メールでのやりとりも行なった。 <2年次>  2年次も,自閉症・情緒障害児特別支援学級,知的 障害児特別支援学級,および,主として低学年の通常 学級に在籍する発達障害児や支援を必要とする児童に ついて,授業場面を観察し,校長,教頭,担任,特別 支援教育コーディネーター,保護者,市の発達相談員, および白石で,相談・カンファレンスを行った。筆者 が学校を訪問したのは8回である。  1年次は,支援の方向を集団的に確認し,担任を支 えることに重きをおいたが,2年次については,保護 者を含めた懇談を重視した。事例の一人が,家庭での 養育にも困難を抱えており,保護者とくに母親を支え ることも大きな課題であったからである。また,別の 事例については,学校でみせる姿と家庭でみせる姿の 異同に留意しつつ,保護者との共通理解を構築してい くための方策について検討した。場面緘黙の症状を示 す児であり,家庭と学校でみせる姿が大きく異なって いたためである。場面緘黙児に限らず,自閉症スペク トラム障害の傾向をもつ児童においても,家庭と学校 での姿が異なり,保護者と教師とが共通認識をもって 支援の方向を探っていくことに困難を示すことが少な からずある。そうした場合も含め,保護者と教師の共 通理解をはかっていくための支援の方策のあり方を検 討することが大きな課題となった。 <3年次>  3年次においては,引き続き,特別支援学級および 通常学級に在籍する発達的支援を必要とする児童の状 況把握と支援を目的とした。3年次においてはとりわ け,①前年度より支援について検討を行なっている児 童の経過観察,②通常学級に支援を必要とする児童が 複数在籍する場合の,児童の状況把握と支援方策の検 討を行なった。筆者が学校を訪問したのは4回である。 ①の児童については,家庭と学校でみせる姿が大きく 異なっており,保護者と教師とが共通認識をもつこと に困難があった。そこで,保護者と教師との二者間の 話し合いだけではなく,第三者的な立場で家庭の状況, 保護者のねがいや悩みを聴き取り,支援につなげた。 3年次は,その後の経過について観察し,着実に発達 的変化を示していることを確認した。

On Cooperation with the Outside about Special Needs Education

in Elementary Schools

白石 恵理子

Eriko SHIRAISHI

滋賀大学 <キーワード> 特別支援教育、小学校、外部との連携

(2)

 また,通常学級に支援を必要とする児童が複数在籍 し,互いに相乗的に刺激し合っている場合,学級経営 は困難さを極めやすい。とりわけ,多動性・衝動性を 示す児童が複数在籍する場合,その子どもたちへの対 応に追われやすく,低学力等の課題をもつ児童への支 援が難しくなる。そうした場合の児童の状況把握と課 題の整理を集団的に行なうことの必要性を確認した。 <4年次>  4年次も引き続き,特別支援学級および通常学級に 在籍する発達的支援を必要とする児童の状況把握と支 援,および保護者支援を行なった。4年次はとりわけ, ①前年度より支援について検討を行なっている児童の 経過観察,②通常学級低学年クラスに在籍する自閉症 スペクトラム障害,軽度知的障害,場面緘黙等の児童 の理解と,集団内での支援の検討を行なった。筆者が 学校を訪問したのは4回である。  最近では,就学前機関や就学指導等においてすでに 児の課題が指摘されてきていることが多いが,高機能 の自閉症スペクトラム障害児や軽度知的障害児の場 合,通常学級に就学することが多い。また就学前には とくに課題がなくても学校という新たな環境において 困難を顕在化させることもある。こうした就学期に固 有の課題に対し,担任任せにするのではなく,児の課 題を共有し学校全体で支援方策を探っていくこと,児 が安心してクラス集団のなかで自分の居場所をつくれ るような支援が重要である。また,保護者の不安も大 きい時期であり,保護者の理解と受容のプロセスによ りそいながら共通認識をはかっていく必要がある。そ こで,保護者と教師との二者間の話し合いだけではな く,第三者的な立場で家庭の状況,保護者のねがいや 悩みを聴き取った。 <5年次>  5年次も引き続き,特別支援学級および通常学級に 在籍する発達的支援を必要とする児童の状況把握と支 援,および保護者支援を行なった。5年次はとりわけ, ①昨年度より支援について検討を行なっている児童の 経過観察,②通常学級低学年クラスに在籍する自閉症 スペクトラム障害,軽度知的障害等の児童の理解と, 集団内での支援の検討を行なった。また,5年間の総 括も行なった。筆者が学校を訪問したのは3回である。 5年次は,多動性・衝動性や他児とのトラブルといっ た「問題行動」は示さないがゆえに,教室内での支援 がともすると後回しになりがちな児童の理解と支援, 保護者との共通理解について検討を行った。「問題行 動」を示す児童は,その行動によってサインを出して いるし,教師もそのサインを受け止め支援を考える必 要性に迫られ,結果的に何らかの手だてがうたれやす い。しかし,そうしたサインを出しにくい児童の場合, 本人自身「困り感」を意識しておらず,教室内に過剰 適応してしまっている場合もある。保護者も問題意識 をもちにくい。こうした児童がもつ発達要求をより深 くとらえること,どのタイミングで特別な支援をする かの判断など,教師側の見取りがより慎重に求められ る。そのためには,児童の発達的理解と,児童の様子 を複眼的にみることのできる機会の保障が重要であろ う。 3. 小学校での特別支援教育推進における外部との連 携のありかたに関する考察  上記の経過をふまえ,ここでは,小学校での特別支 援教育推進のために外部の研究者ができることは何 か,何に留意して進めなければならないかについて考 察を行なう。 (1) 学校全体の特徴をつかむ  X市立Y小学校は,各学年2学級の比較的規模の小さ な学校であるが,特別支援学級に在籍する障害児,通 常学級に在籍する発達支援を必要とする児童がともに 多く,筆者がかかわる1年次においてすでに特別支援 教育のための校内体制を一定整備し,関係機関との連 携を構築してきていた。  特別支援学級としては知的障害児学級と自閉症・情 緒障害児学級の2学級があるが,担任だけでなく,校長, 教頭,特別支援教育コーディネーター,養護教諭等が 一緒に課題を共有していこうとする体制と雰囲気がで きているように推察された。あえて「雰囲気」と書い たのは,学校によっては「体制」はできていても,「雰 囲気」が感じられない,すなわち体制が機能していな いこともあるからである。Y小学校の場合,小さい学 校ならではの特徴とも言えるのか,教職員が互いに近 い関係をもって,協力しあっていると感じられた。自 閉症スペクトラム障害で聴覚過敏等をもつ児童に対す る配慮(比較的静かな2階に教室をおく等)はしつつも, 教室は基本的にオープンで,管理職も学級に在籍する 児童とよくかかわっている印象を受けた。支援学級の 担任も,課題を一人で抱え込まないように努力してい ることが窺えた。  通常学級に在籍する児童についても,学年によって バラつきはあるものの平均して約8%の児童について 特別支援が必要とされ,その支援内容を学校として共 通認識するしくみもできていた。医療機関で「広汎性 発達障害」「ADHD」「高機能自閉症」「アスペルガー 症候群」の診断を受け,他校の通級指導教室に通級す る児童(自校に通級指導教室がないため,他校通級と なる),市の発達支援センターと連携して支援が行な われている児童が各学年に複数いる。また,未受診 ではあるが,「学習障害」「ADHD」「自閉症」の疑い があると教師が見取っている児童も多かった。高学年

(3)

になると,自閉症スペクトラム障害,ADHDのため に支援を必要とする児童は減少する一方で,「低学力」 のために特別な支援が必要とされる児童が多いようで あった。  また,地域的にも古くから住んでいる家庭も多いよ うで,児童の親の担任をしていた等,家庭全体のこと をよく知っている教員もいる。また,祖父母も含め, 学校行事等に協力的な家庭も多い。しかしながら,こ のことは,児が特別支援を必要としていることについ て保護者が受け入れにくい,あるいは母親だけが悩ん でしまうことにもつながりやすいことに留意する必要 がある。  筆者の場合,大学教員という立場であったが,外部 から学校の特別支援教育にかかわる場合,こうした学 校のもつ特徴や校内体制の整備状況を充分にふまえる 必要がある。個の児童のもつ課題を外部から投げ込む だけでは,目の前の子どもたちと日々向き合っている 教師を追い詰めることにもなりかねないことを意識し ておかねばならない。 (2)「目立たない」子どもたちの課題について  上述したように,Y小学校では,比較的低学年期に おいて自閉症スペクトラム障害,ADHD,学習障害 としての支援を必要とする児童が多く,高学年になる と,そうした児童は減少し,「低学力」で支援を必要 とする児童が増えていた。その理由として次の3点が 考えられる。  一つは,この共同研究が行なわれた時期が,特別支 援教育になって数年が経過したときにあたり,通常学 級で特別支援を必要とする子どもたちの課題への関心 が徐々に高まってきたこと,とりわけ自閉症スペクト ラム障害やADHDの理解,実際に医療機関で診断を 受ける児童が増えていったことの影響である。  二つには,そうした子どもたちが,年齢を重ね,教 育が積みあがっていくなかで徐々に「問題」が目立た なくなっていくことが考えられる。とりわけ多動性・ 衝動性については,目立ちにくくなっていくことが多 い。  三つには,学習障害や不注意傾向を示す子どもたち の場合,目立たないだけにその困難さが見逃されやす いことにも留意する必要がある。多動性・衝動性を示 す児童が複数在籍する場合,互いに相乗的に刺激し合 うことになりやすく,学級経営は困難さを極めやす い。教師は,その子どもたちへの対応に追われやすく, 学習障害や不注意傾向の強い児童の場合、「問題行動」 としてのサインを示すことが少ないため,教室内での 支援がともすると後回しになりがちである。担任も気 にはしていても,目の前の事態に日々追われ,手が届 かない焦慮感を抱きやすい。こうした子どもたちが高 学年になるにつれ,「低学力」を顕在化させていく可 能性があると考える。  「問題行動」として出すことができる児童は,意識 的であれ,無意識的であれ本人自身が「困り感」をも ち,それをアピールできる児童であることが多い。目 立たないけれども,特別支援を必要とする子どもたち は,本人自身「困り感」を意識しておらず,教室内に 過剰適応してしまっている場合もある。保護者も問題 意識をもちにくい。しかしながら,これらの児童が単 に「低学力」というだけではなく,二次的に自己否定 感を強めていく可能性もあり,こうした児童への支援 を考えることが課題になっている。彼らがもつ発達要 求をとらえるためには,児童の発達的理解と,児童の 様子を複眼的にみることのできる機会の保障が重要で あろう。 (3)保護者支援における外部との連携の意味  1年次は,支援の方向を集団的に確認し,担任を支 えることに重きをおいたが,2年次以降については, 保護者を含めた懇談も重視した。特別支援学級に在籍 する児童が思春期に近づくにつれ不安定さを増した り,場面緘黙の症状を示す児については,家庭と学校 でみせる姿が大きく異なっていたためである。こうし た第三者的な立場から保護者との相談を行なうこと で,特別支援学級への入級につなぐことができた事例 もあった。  思春期に近づくことによってみせる不安定さについ ては,小学校教員や保護者も一定の理解はしていても, 学校での関わりや子育ての問題に原因があるのではな いかと考えることで,二者間の懇談だけでは,ときに 問題をこじらせてしまうこともある。障害のある子ど もたちにおいては,行動への表し方が激しい場合もあ り,必要に応じて福祉サービスを使うことが有効なこ ともある。また,福祉サービスを利用するには至らな くても,「成長にともなう証」ととらえられるように なるだけで,不安から,不必要に介入してしまわなく てもよくなることも多い。そもそも思春期とは,親が 子どもとの距離を作り直す時期であり,そうした親子 関係を支えるためにも第三者的な立場から相談に応じ ることも重要だと考える。  また,場面緘黙の特徴をみせる児童の場合,学校で みせる姿と家庭でみせる姿の異同に留意しつつ,保護 者との共通理解を構築していくための方策について検 討する必要がある。場面緘黙児に限らず,自閉症スペ クトラム障害の児童においても,家庭と学校での姿が 大きく異なり,保護者と教師とが共通認識をもって支 援の方向を探っていくことに困難を示すことが少なか らずある。そうした場合も,学校と家庭の二者間では 相談が難しくなる。第三者の立場で,客観的に双方で の姿を確認・整理しながら児の支援について考えてい くことが有効であることを確認することができた。

(4)

みる力を獲得してきたときに,自分自身のもってい る「特性」を上手に調整できるようになることもあれ ば,逆に,自己否定感を強めていくこともある。「弱 さ」を克服させようとする視点だけでなく,一見,「弱 さ」にみえることの裏に隠れた発達要求を見出すこと で,「弱さ」を「よき個性」「その子らしさ」につくり かえていく視点も重要である。  この課題を解決していくためには,通常学級担任が 発達的視点をもつことと合わせ,気になる児童がどの ような変化をみせていくかの追跡を重ねていく必要が ある。校内委員会等が中心になって,そうした追跡的 理解をしていくことも必要であろう。しかしながら, そうした余裕は全くないのが学校の現状でもある。こ れは,客観的立場で子どもたちの姿をみることのでき る外部の研究者の今後の課題とも言えるだろう。 4.まとめにかえて  地域差や,学校差は存在するものの,公立小学校に おいて,特別支援教育は着実に前進を遂げている。個々 の児童がどのような課題をもっているのかについて は,かなり共通認識できるようになり,個々への支援 については具体的に考えられるようになっているが, 今後の課題として見えてきたことは以下の3点である。 ① 行動上の「問題」が強く現われている児童に対して は,特別支援学級の担任だけで対応することはきわ めて困難であり,保護者の悩みも深い。行動の背景 にある要因をていねいに分析しながら,家庭,医療 機関,相談機関等と連携し,安心して学校生活が送 れるように長期的に支援していく必要がある。そう した事例に対する校内体制,学校外の種々の機関と の連携のありようについてさらに整理していく必要 がある。 ② 個々の児童のもつ課題は明らかになってきている が,それぞれに課題や障害をもった子どもたちが, 互いの関係性のなかで育ちあっていくための指導や 集団づくりのあり方について明らかにしていくこと はこれからの課題である。さまざまなトラブルがあ りながらも育ちあっている事実は確かめられてお り,そこから,より普遍的な教訓を導き出していく 必要がある。 ③ 通常学級において,行動上の「問題」としてあらわ れにくい学習障害等の児童に対して,子どものもつ 課題を正しくとらえた支援を進めるための体制につ いて明らかにしていく必要がある。これは,ユニバー サルデザインの授業づくりの課題とも連動する。    本報告では,こうした特別支援教育の課題に対し, 外部の研究者が学校と共同,協働して行なえること, その際の留意点について考察を行なった。しかし,実 際にかかわらせていただいて,何よりも感じたことは, (4)経過観察をしていくことの意義  今回,5年間にわたり,同一校での共同研究を進め たわけだが,筆者が学校に訪問するのは,1年間に3回 から8回であった。  少ない回数ではあっても経年的な変化をみせていた だけることも有り難く,筆者自身,児童の成長を嬉し く感じられることも多かった。また,よく言われるこ とではあるが,毎日,子どもと接していると子どもの 成長は見えにくいが,たまに会うからこそ見える変化 もある。その意味でも,外部との連携がもつ意味があ るだろう。  しかしながら,一般的に言って、相談対象になった 児童について,その後の経過をみていくことは容易で はない。学校内でも,学年があがり担任が変わること も多く,経年的に児童の変化を見取ることは困難であ る。どうしても,その時その時に「課題」が大きい児 童に対する関心が集まるため,その後の変化を追うこ とはよほど意識的に行なわないと難しい。  子ども理解においては,今をみるだけでなく,児の 歴史をとらえることが不可欠である。今だけをみると 「問題行動」に見えることが,生育歴をおさえること によって,年少時期の方がもっと問題が大きかったこ とが分かり,課題はありながらも子どもの変化に確信 をもてるようになる(それが,児へのよいかかわりに つながる)ことも少なくない。子どもが変わっていく のは,あくまでも子ども自身の力によるのであって, そうした子どものもつ力に信頼を寄せて待つことが重 要なことも多い。そうした子どもへの信頼は,子ども 自身のこれまでの育ちを知ることで見えてくるもので ある。こうした生育歴を知ることの重要性の理解が広 まったこと,児童によっては個別の指導計画等の個人 ファイルがつくられるようになり振り返りがしやすく なったことで,「課題」が大きく出てきたときに,こ れまでの歴史を振り返ることが以前より多くなったと 推察する。  しかしながら,その後の変化については必ずしもお さえられてはいない。学年があがるにつれ「問題」が 見えなくなっていった児童についても,それが教育実 践の積み上げによるものなのか,子ども自身がもとも と持っていた力が大きく,そもそも「問題」としてみ る必要があまりなかったことなのかの見極めは困難で ある。とりわけ,昨今,特別支援に対する理解が進ん だことで,個性や,年齢相応の幼さの範疇に入るであ ろうことに対しても教師や保護者の不安が大きいこと もよくある。  また,低学年期の「課題」が「9,10歳頃の発達の質 的転換期」を超えた高学年期にどのように変化するの かを分析することも重要な課題であろう。低学年期に は周囲からの逸脱行動とみえる姿が多かった児童が, 高学年になって児童自身が周囲と自分自身を客観的に

(5)

子どもたちの成長に日々関わっているのは教師であ り,保護者であり,そして子ども自身であるというこ とだ。研究者だからと言って,土足で踏み込むことや, 「こうあるべき」と指示をするような関わりをするこ とがあってはならない。学校が本来もっている力,家 庭が本来もっている力,子ども自身が本来もっている 力を少しでも引き出せるようにすること,何よりも担 任と保護者を励ますこと,うまくいかないとき,悩み が大きいときにも,そこにある意味を一緒に見出すこ とが大切であると考える。 謝辞  最後になりましたが,今回,このような学びの機会 を与えてくださったY小学校の先生方,保護者の皆さ ん,子どもたちに心から感謝いたします。

参照

関連したドキュメント

The ratios of childcare givers who reported having classes with "children with special care needs" increased with the age of the children. Problems associated with

仏像に対する知識は、これまでの学校教育では必

2.シニア層に対する活躍支援 (3) 目標と課題認識 ○ 戦力として期待する一方で、さまざまな課題も・・・

また、学内の専門スタッフである SC や養護教諭が外部の専門機関に援助を求める際、依頼後もその支援にか かわる対象校が

平成 支援法 へのき 制度改 ービス 児支援 供する 対する 環境整 設等が ービス また 及び市 類ごと 義務付 計画的 の見込 く障害 障害児 な量の るよう

イ小学校1~3年生 の兄・姉を有する ウ情緒障害児短期 治療施設通所部に 入所又は児童発達 支援若しくは医療型 児童発達支援を利

 英語の関学の伝統を継承するのが「子どもと英 語」です。初等教育における英語教育に対応でき

小学校学習指導要領総則第1の3において、「学校における体育・健康に関する指導は、児