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児童の家事分担度と協調性の高まり

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Academic year: 2021

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1. 研究の背景  1989 年(平成元年)の学習指導要領の改訂時 に,小学校第1学年及び第2学年に生活科が新 設された。生活科の最終目標は「自立の基礎を 養う」である。新設時の学習指導要領の内容に は「家庭生活を支えている家族の仕事や家族の 一員として自分でしなければならないことが分 かり,自分の役割を積極的に果たす」と書かれ てあり,1998 年(平成 10 年),2008 年(平成 20 年)の学習指導要領改訂時においても,そ の内容は引き継がれている。小学校の第 3 学年 及び第 4 学年には,家庭生活について学ぶ内容 は日本の学校教育には存在せず,高学年になる と家庭科として登場する。現行 ( 平成 20 年 ) の 小学校学習指導要領の言葉をかりると,小学校 家庭科の果たすべき役割やねらいは「家族の一 員として生活をよりよくしようとする実践的な 態度を育てる」である。しかし,日本の小学生は, 家庭生活において自分に直接関わる仕事,家族 のためにする仕事の実践は消極的であるという 報告(村山ら,1983)( 新福ら,1985)(宇佐見 ら,1993)(内野ら,2000)( 佐藤ら,2002)(日 本家庭科教育学会,2004)が多い。国際比較調 査においても,日本の子どもは外国の子どもと 比較して,家庭生活でできることが少ないとい う報告(日本女子社会教育会,1995)( 上野ら, 2011) がある。また,生活が便利になる中で実 践の必要は減少し,今後さらに生活が便利にな ると家庭生活についての内容を学校教育に含め る必要がなくなるのではないかという意見もあ る。  家庭科は、児童が実際の生活に直接かかわる 内容を学ぶ教科である。また,現代の複雑な社 会を生きる子どもたちの状況を見たとき,家庭 科学習が学校教育の理念である「生きる力」に どのようにつながるのかを考察し,学校教育に おける家庭科学習の意義をより明確にする必要 があると考える。理念「生きる力」の 3 要素で ある「確かな学力」,「健康・体力」,「豊かな人 間性」のうち「豊かな人間性」は「自らを律し つつ,他人とともに協調し,他人を思いやる心 や感動するこころなどの豊かな人間性」と説明 されている。  家庭科の学習は,自己効力感(大森,2004), 自尊感情(安藤,2006),社会性 ( 武藤,1989), 人間形成 ( 武藤,1989) を醸成するという意見は これまでにもある。しかし,家庭科学習を通して, 児童が他人を思いやる心をどのように育むのか に関する定量的な研究は殆どみられない。  岩川(2005)は,中学・高校・大学生について, 思いやり行動の程度を向社会的行動尺度で調べ, この得点と家事労働・手伝い行動との間に,量的, 質的にも有意な相関が得られ,小学校時代など 早期からの家事労働・手伝い行動の開始が向社 会的行動尺度得点を高めるとしている。  一方,向社会的行動は,外的な報酬を期待す ることなしに,他人や他の人びとを助けようと したり,こうした人びとのためになることをし ようとする行為のことであり(菊地 ,1998),よ り積極的な社会的行動である。一般的に,これ

児童の家事分担度と協調性の高まり

田 中 宏 子

Hiroko TANAKA

キーワード:小学生、家事分担、協調性、家族との関わり

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の変数を含めて,先行研究が殆どない児童の家 事分担度と協調性の関係性を把握することは難 しいと考えたためである。子どもの数や,兄弟 姉妹の構成は統制していない。 3)時期  調査期間は,第Ⅰ期 2004 年 10 月~ 11 月, 第Ⅱ期 2005 年 12 月~ 2006 年1月である注1) 4)データの取得  児童を対象とした調査の主な内容は,家事分 担の種類と頻度,協調性の程度,回答者の属性 である。児童を対象とした調査項目は,牧野 ら(1996)の研究において使用された調査項目 を参考とし,家事分担に関する項目は,児童の 回答の負担を考慮し 17 項目とした。児童の協 調性に関する項目は,木田(1999)の研究で使 用された調査項目も参考とし4項目とした注2) 母親を対象とした調査の主な内容は,協調性を 支える家庭生活についてである。それらは,母 親の家庭生活における感情項目(以下,生活感 情と呼ぶ),父親の家族に対する絆を深めよう とする行動(以下家庭関与と呼ぶ),母親およ び父親の属性である。母親の生活感情に関する 項目は,尾形ら (1999) が用いた調査項目を参考 とし,7項目とした。父親の家庭関与に関する 項目は、平山 (2001)の研究を参考とし、20 項 目とした。父親の行動に関する項目の評定は母 親に回答を求めた注3)  調査票の配布場所は,滋賀県湖南ブロック注4) において,調査の許可が得られたスポーツ少年 団である。  本研究では,自記式の調査票を用いた留置法 で行った。データは数値化され統計的に処理す るため個人のデータが特定されないなどの個人 情報の保護や,研究への参加は任意であるなど の人権への配慮,そして調査方法などを書いた 挨拶文を添えて,児童用と母親用の調査票を一 つの封筒に入れ,調査員が児童に調査の説明を 行った後,家に持ち帰らせ,記入後再度,児童 用と母親用を1セットとして封筒に入れてもら い,後日回収した。  なお,母親と子ども型注5),母親のみの回答, 児童のみの回答の場合にも同様に回収したが, 児童と母親がともに有効であるデータのみを分 析の対象とした。 らは中学生から高校生への発達過程で高まると いわれている(菊地 , 1998)。  以上を踏まえると , 家事労働・手伝い行動と 思いやり行動との間に関係があると推測され る。  そこで、家事労働・手伝い行動の内容を含む 家庭科の学習を通して身につける知識や技能を 家庭生活で実践することは,学校教育の理念の 1つである「豊かな人間性」を支える,児童の 協調性の向上につながるのではないか,さらに , どのような種類の実践が,児童の協調性を高め るために効果的なのかを明らかにすることによ り,学校教育における家庭生活についての学習 の意義をより明確にすることができると考え, 本研究に着手した。 2. 研究の目的  本研究は,児童の家庭生活における家事分担 度を定量的に把握し,児童の家事分担度と協調 性の程度との関係を,家族との関わりとの関係 を考慮しながら調べることを目的とした。 3. 研究の方法 1)内容  本研究は,小学校第4~6学年の児童とその 母親を対象とした調査をもとに,下に示す内容 について検討を行った。 1家事分担の種類と頻度 2協調性の程度 3分担経験と協調性の向上 4協調性を支える家庭生活 2)対象  滋賀県の公立小学校に通う第4~6学年の児 童を対象とした。また,「家庭」は,その家庭系列, 生活習慣,伝統,指向,とりわけ,その同居構 成要素は多様にわたる。家庭員構成の型は,1 祖父母両親子どもの異世代同居型,2両親と子 どもの核家族型,3母親と子ども型,4父親と 子ども型,5祖父母と子ども型,6親類者と子 ども型,7その他の特別な型,などあるが,今 回の調査では,1祖父母両親子どもの異世代同 居型と2両親と子ども型,つまり両親のいる家 庭に絞って調査を行った。調査域を限定した理 由は,家庭の同居構成要素は多様であり,多く

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表 1 調査対象者の属性 表 2 因子分析結果 <児童の家事分担度> た5項目を以降の分析から除外し,残りの 12 項目に対して,主因子法による因子分析を行っ た。 固 有 値 の 変 化 は 3.35,1.61,1.47,1.06, 0.96…であり,4因子構造が妥当であると考え た。そこで再度4因子を仮定して主因子法・ Promax 回転による因子分析を行った。なお, 回転前の4因子で 12 項目の全分散を説明する 割合は 62.4%であった。また,内的整合性を検 討するために各下位尺度の Cronbach のα係数 を算出し,信頼性を有していると判断した。表 2に Promax 回転後の最終的な因子パターン, 因子の解釈,下位尺度得点(下位尺度の各項目 の平均値),α係数を示す。  因子の解釈については,第1因子は「机の整 理をする」,「使った物は片付ける」など,身の 回りを整理する内容の項目が高い負荷量を示し ていた。そこで,「身の回りを整える」因子と 命名した。第2因子は「家族に頼まれたら,お つかいに行く」,「家族から任された仕事は責任 をもってする」,「近所の人に挨拶をする」など, 周りの人との関わりにおいての実践に関する内 容の項目が高い負荷量を示していた。そこで, 「人と関わる」因子と命名した。第3因子は「お 金は無駄にしないように使い方を工夫する」, 「ゴミは決められた方法で捨てる」など,物の 扱い方に関する内容の項目が高い負荷量を示し ていた。そこで,「資源を大切にする」因子と 命名した。第4因子は「夕食作りを手伝う」,「フ ライパンや鍋を使って料理する」といった調理 についての項目が高い負荷量を示していた。そ こで,「調理をする」因子と命名した。以後, この4つの因子を家事分担度の分析軸に使う。 この4つの因子において,下位尺度得点をみる  有効回収率は 72.8%,有効回答数は,男子と その母親 261 組,女子とその母親 142 組,合計 403 組であった。調査対象者の特徴を表1に示 す。 表1 調査対象者の属性 項目 人数(人) 割合(%) 児童の性別 男子 261 64.8 女子 142 35.2 児童の学年 小学校4年生 93 23.1 小学校5年生 157 39.0 小学校6年生 153 38.0 父親の出勤時刻 ~6時 60 14.9 7時 183 45.4 8~10時 94 23.3 父親の帰宅時刻 ~18時 61 15.1 19時 40 17.4 20時 66 16.4 21時 60 14.9 22時~ 78 19.4 母親の就労形態 常勤 78 19.4 パート(週30時間以上) 93 23.1 パート(週30時間未満) 105 26.1 専業主婦 90 22.3 その他 37 9.1 母親の年齢 30~39歳 183 45.5 40~49歳 219 54.5 父親の年齢 28~42歳 196 48.6 43~57歳 206 51.1 家族形態 核家族 219 54.3 拡大家族 176 43.7  データ解析には,IBM SPSS Statistics 22 を 使用し,因子分析,重回帰分析,パス解析を行っ た。 4.調査の分析結果 1)分担の種類と頻度の関係  児童の家事分担の種類と頻度は,項目毎に「い つもする」,「時々する」,「あまりしない」,「し ない」の4段階評定で回答してもらい,4から 1の得点を与えた。この得点を用いて,各項目 の平均値,標準偏差(SD)を算出した。  次いで,天井効果,フロア効果注6)のみられ FⅠ FⅡ FⅢ FⅣ 平均 SD 机の整理をする 0.84 0.15 0.39 0.18 0.72 使った物は片付ける 0.69 0.25 0.37 0.23 0.49 家の掃除をしてきれいにする 0.60 0.18 0.20 0.24 0.37 家族に頼まれたら、おつかいに行く 0.62 0.62 0.22 0.17 0.41 家族から任された仕事は責任をもってする 0.32 0.59 0.33 0.21 0.38 近所の人に挨拶をする 0.21 0.55 0.40 0.11 0.33 自分より小さい子どもの遊び相手をする 0.12 0.48 0.26 0.17 0.23 お金は無駄にしないように使い方を工夫する 0.31 0.29 0.72 0.16 0.52 ゴミは決められた方法で捨てる 0.23 0.40 0.63 0.05 0.42 電気や水を使いすぎないように、注意や工夫をする 0.38 0.32 0.57 0.12 0.34 夕食作りを手伝う 0.29 0.25 0.13 0.80 0.65 フライパンや鍋を使って料理する 0.21 0.24 0.16 0.78 0.61 3.04 0.62 2.50 0.69 資源を大切にする α=0.66 2.94 0.71 身の回りを整える α=0.75 表2 因子分析結果 <児童の家事分担度> 共通性 因子負荷量 0.81 因子の解釈 下位尺度 2.27 調理をする α=0.77 人と関わる α=0.65

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ち込んでいる人がいたら,勇気づけてあげたい」 など,相手の立場や気持ちを思いやり,協力し ようとする意識の内容であることから,「協調性」 因子と命名した。尺度得点は 3.24 であった。 3)分担経験と協調性の向上  家事分担の4つの下位尺度である「身の回り を整える」,「人と関わる」,「資源を大切にする」, 「調理をする」が,児童の「協調性」に与える 影響を検討するために,それぞれの尺度得点を 用いて重回帰分析を行った。重回帰分析に基づ くパス図を図1に示す。「身の回りを整える」 から,児童の「協調性」に対する標準偏回帰係 数は有意ではなかったが,「人と関わる」,「資 源を大切にする」,「調理をする」から,児童の 「協調性」に対する標準偏回帰係数は有意であっ た。「身の回りを整える」といった自分に直接 関わることがらよりも,周囲の人を意識したこ とがらを実践している児童の方が協調性の程度 と,最も高いのは「人と関わる (3.04)」,次いで 「資源を大切にする (2.94)」であり,最も低いの は「調理をする (2.27)」,次いで「身の回りを整 える (2.50)」であった。 2)協調性の程度  児童の協調性については,項目毎に「あては まる」,「少しあてはまる」,「あまりあてはまら ない」,「全くあてはまらない」の4段階評定で 回答してもらい,4から1の得点を与えた。こ の得点を用いて,各項目の平均値,標準偏差(SD) を算出した。天井効果,フロア効果のみられた 項目はなかったため,4項目に対して主因子法 による因子分析を行った。固有値の変化は 2.56, 0.60,…であり,1因子構造が妥当であると考 えられた。そこで再度1因子を仮定して主因子 法・Promax 回転による因子分析を行った(表3)。 なお,4項目の全分散を説明する割合は 64.0% であった。「困っている人がいたら助けたい」,「落 表3 因子分析結果 <児童の協調性> 因子負荷量 FⅠ 平均 SD 困っている人がいたら、助けたい 0.86 0.74 落ち込んでいる人がいたら、勇気づけてあげたい 0.77 0.60 体の不自由な人やお年寄りに何かしてあげたいと思う 0.65 0.42 人のために役立つ生き方をしたい 0.60 0.36 協調性 α=0.81 共通性 因子の解釈 下位尺度 3.24 0.58 身の回りを整える 人と関わる 資源を大切にする 調理をする 協調性 (R2=0.31***) (F値=43.00) *p<0.05,  **p<0.01, ***p<0.001      注: 有意なパスのみ描いてある 図1 パス解析結果 (家事分担度が協調性に与える影響) . 14 ** .44 *** .10 * .14** .37*** .22*** .34*** .24*** .22*** 表 3 因子分析結果 <児童の協調性> 図 1 パス解析結果 (家事分担度が協調性に与える影響) 表3 因子分析結果 <児童の協調性> 因子負荷量 FⅠ 平均 SD 困っている人がいたら、助けたい 0.86 0.74 落ち込んでいる人がいたら、勇気づけてあげたい 0.77 0.60 体の不自由な人やお年寄りに何かしてあげたいと思う 0.65 0.42 人のために役立つ生き方をしたい 0.60 0.36 協調性 α=0.81 共通性 因子の解釈 下位尺度 3.24 0.58

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「社会から取り残されたように感じる」と,自己 否定的な内容の項目が高い負荷量を示していた。 そこで,「自己否定感」因子と命名した。下位尺 度得点は,「充実感(3.45)」,「イライラ感(2.95)」, 「自己否定感 (1.98)」であった。  父親の家庭関与は,「いつもする」,「時々す る」,「あまりしない」,「しない」の4段階評定 で回答してもらい,4から1の得点を与えた。 因子分析の結果を表5に示す。なお,回転前 の4因子で 20 項目の全分散を説明する割合は 70.2%であった。α係数は高く,十分な信頼性 を有していると判断した。第 1 因子は,「時間 があるときには家事をする」,「食事を作るのを 手伝う」,「食事の後片付け(食器洗いなど)を する」など,家事に関わる内容の項目が高い負 荷量を示していた。そこで ,「家事分担」因子 と命名した。第 2 因子は,「できるだけ子ども 自身に考えさせようとしている」,「子どもがや りたがることは、下手でもあぶなくてもやらせ ている」など,子どもとの積極的な関わりにつ いての内容の項目が高い負荷量を示していた。 が高い傾向がみられた。 4)協調性を支える家庭生活 ①家族との関わりの程度  家族との関わりについては、母親の生活感情 および父親の家庭関与をとり挙げた。母親の生 活感情は,「あてはまる」,「少しあてはまる」,「あ まりあてはまらない」,「全くあてはまらない」 の4段階評定で回答してもらい,4から1の得 点を与えた。主因子法・Promax 回転による因 子分析を行った結果を表4に示す。なお,回転 前の 3 因子で 7 項目の全分散を説明する割合は 79.4%であった。α係数も十分な値が得られた。 第 1 因子は,「子どもは人生を豊かにしてくれて いる」,「子どものいる生活に満足している」な ど,充実感に関する内容の項目が高い負荷量を 示していた。そこで、「充実感」因子と命名し た。第 2 因子は,「子どものことでイライラする」, 「子どもに感情的に接してしまう」と,神経が高 ぶって落ち着きを失っている内容の項目が高い 負荷量を示していた。そこで,「イライラ感」因 子と命名した。第 3 因子は、「自信がもてない」, 表 4 因子分析結果 <母親の生活感情> 表 5 因子分析結果 <父親の家庭関与> 表4 因子分析結果 <母親の生活感情> FⅠ FⅡ FⅢ 平均 SD 子どもは人生を豊かにしてくれている 0.86 -0.01 0.05 0.69 子どものいる生活に満足している 0.79 -0.08 0.10 0.65 生活に張り合いがある 0.70 0.10 -0.18 0.53 子どものことでイライラする -0.01 0.83 0.00 0.75 子どもに感情的に接してしまう 0.02 0.79 0.04 0.63 自信がもてない 0.02 0.00 0.87 0.52 社会から取り残されたように感じる -0.03 0.04 0.71 0.73 0.60 2.95 0.71 1.98 0.74 下位尺度 充実感 α=0.82 イライラ感 α=0.80 自己否定感 α=0.77 3.45 共通性 因子負荷量 因子の解釈 表5 因子分析結果 <父親の家庭関与> 因子負荷量 FⅠ FⅡ FⅢ FⅣ 平均 SD 時間があるときには家事をする 0.88 0.07 0.00 -0.08 0.78 食事を作るのを手伝う 0.78 -0.11 0.04 0.05 0.60 食事の後片付け(食器洗いなど)をする 0.77 -0.07 -0.04 0.03 0.55 妻がいない時には代わりに家事をする 0.75 0.16 -0.12 -0.01 0.59 洗濯の手伝いをする 0.74 -0.02 -0.05 -0.02 0.51 家の掃除をする 0.73 -0.05 0.04 0.05 0.56 食料品や日常品の買物をする 0.66 -0.03 0.11 0.01 0.49 家の整理整頓をする 0.60 0.05 0.07 -0.01 0.41 できるだけ子ども自身に考えさせようとしている -0.01 0.84 -0.01 -0.14 0.57 子どもがやりたがることは下手でもあぶなくてもやらせている 0.01 0.82 -0.15 0.02 0.56 子どもが失敗してしょげていると、なぐさめてやっている -0.01 0.75 0.07 -0.05 0.59 子どもが困った時や相談をかけた時、力になってやっている -0.02 0.69 0.18 -0.01 0.65 子どもが人とかかわる機会を大切にしている 0.02 0.60 0.07 0.18 0.61 子どもの興味や関心を広げてやろうとする -0.01 0.60 0.04 0.19 0.58 子どものことで妻と色々と話をする -0.06 -0.04 0.96 0.05 0.89 妻が子育てのことで悩み事を話した時、相談にのる -0.01 0.08 0.85 -0.07 0.75 妻と子育ての方針について話しあう 0.05 0.06 0.85 -0.05 0.78 子ども以外のことで妻と色々と話をする 0.05 -0.03 0.77 0.05 0.64 子どもと外遊びをする 0.01 0.01 -0.03 0.96 0.92 休みの日に子どもと一緒に遊ぶ 0.00 0.04 0.03 0.84 0.78 2.81 0.86 下位尺度 2.06 0.75 3.09 0.66 3.06 0.79 共通性 家事分担 α=0.91 子どもとの 積極的な関わり α=0.89 夫婦間の会話 α=0.93 子どもとの遊び α=0.92 因子の解釈

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(表7)。  父親の「子どもとの積極的な関わり」から児 童の「家事分担度」に対する標準偏回帰係数は 有意ではなかったが,「夫婦間の会話」,「子ど もとの遊び」,「家事分担」から,児童の「家事 分担度」に対する標準偏回帰係数は有意であっ た。しかし,決定係数は r2=0.08 と低く,父親 の家庭関与も,児童の家事分担度に影響は及ぼ しているが,ごく一部を規定しているにすぎな かった。  母親の生活感情の3つの下位尺度が,児童の 協調性の程度に与える影響を検討するために, 下位尺度得点を用いて重回帰分析を行った(表 8)。  母親の「イライラ感」と「自己否定感」から 児童の「協調性」に対する標準偏回帰係数は有 意ではなかったが,母親の「充実感」から児童 の「協調性」に対する標準偏回帰係数は有意で あった。しかし、決定係数は r2=0.04 と低く, 母親の充実感は,児童の協調性に影響を及ぼし ているが,ごく一部を規定しているにすぎな かった。  次いで,父親の家庭関与の4つの下位尺度が, 児童の協調性に与える影響を検討した(表9)。 そこで,「子どもとの積極的な関わり」因子と 命名した。第 3 因子は,「子どものことで妻と 色々と話をする」,「妻が子育てのことで悩み事 を話した時,相談にのる」など,夫婦間のコミュ ニケーションに関する内容の項目が高い負荷量 を示していた。そこで,「夫婦間の会話」因子 と命名した。第 4 因子は「子どもと外遊びをす る」,「休みの日に子どもと一緒に遊ぶ」と,子 どもとの遊びに関する内容の項目が高い負荷量 を示していた。そこで,「子どもとの遊び」因 子と命名した。下位尺度得点をみると,最も高 いのは「子どもとの積極的な関わり(3.09)」, 次いで「夫婦間の会話(3.06)」であり,最も低 いのは「家事分担 (2.06)」であった。 ②家族との関わりの影響  家族との関わりが児童の家事分担度に与える 影響を検討する。母親の生活感情の3つの下位 尺度が,児童の家事分担度に与える影響を検討 するために,下位尺度得点を用いて重回帰分析 を行った ( 表6)。  児童の家事分担度は,各下位尺度得点の合計 点を使用した。母親の「イライラ感」と「自己 否定感」から児童の「家事分担度」に対する標 準偏回帰係数は有意ではなかったが,母親の 「充実感」から児童の「家事分担度」に対する 標準偏回帰係数は有意であった。しかし,母親 の生活感情が,児童の家事分担度に与える影響 が,どのくらい証明できるかを表す決定係数は r2=0.04 と低く,母親の充実感は,児童の家事 分担度に影響を及ぼしてはいるが,ごく一部を 規定しているにすぎなかった。  次いで,父親の家庭関与の4つの下位尺度が, 児童の家事分担度に与える影響を検討するため に,下位尺度得点を用いて重回帰分析を行った 表6 重回帰分析の結果 (母親の生活感情が児童の家事分担度に与える影響)   充実感 0.16**  イライラ感 -0.10  自己否定感 -0.05 R2 0.04** F値 5.81 **p<0.01 β: 標準偏回帰係数 β 表7 重回帰分析の結果 (父親の家庭関与が児童の家事分担度に与える影響)  家事分担 0.13*  子どもとの積極的な関わり 0.13  夫婦間の会話 0.18**  子どもとの遊び -0.17** R2 0.08*** F値 8.21 *p<0.05, **p<0.01, ***p<0.001 β: 標準偏回帰係数 β 表 6 重回帰分析の結果 (母親の生活感情が児童の家事分担度に与える影響)  表 8 重回帰分析の結果 (母親の生活感情が協調性に与える影響)  表 7 重回帰分析の結果 (父親の家庭関与が児童の家事分担度に与える影響) 表8 重回帰分析の結果 (母親の生活感情が協調性に与える影響)     充実感 0.15**  イライラ感 -0.05  自己否定感 -0.07 R2 0.04** F値 5.05 **p<0.01 β: 標準偏回帰係数 β

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常的にあることが,児童の精神的な発達である 協調性を育むのではないかと考える。なぜなら ば「身の回りを整える」は,児童の協調性と関 連が弱かったこと,さらに,「家族に頼まれたら, おつかいに行く」,「家族から任された仕事は責 任をもってする」などの項目からなる「人と関 わる」は,児童の協調性と最も関連が強かった からである。  さらに,「人と関わる」は,責任ある仕事を 与えられる内容を含んでいる。Staub,E. らの年 下の子どもにパズルを教える責任を与えられた 子どもの寄付行為の程度に関する実験的研究か ら考察される,子どもが一定の責任ある仕事 を与えられることが向社会的傾向を強めるよ う作用する,という報告 ( 岩川,2005)(菊地, 1998)と同様の結果となったのではないかと考 える。  「資源を大切にする」は,間接的には他者を 意識したとも言えるが,直接人との行為のやり とりがなされる内容ではない。この内容を実践 している児童の協調性がなぜ高かったのかにつ いて,今後検討していくことが,資源や環境に 配慮した生活行動を促す要因を明らかすること につながるのではないかと考える。  また,児童の家事分担度や児童の協調性の程 度に,保護者の関与はごく一部を規定している にすぎないとはいえ,ある一定の影響が見られ た。毎日一緒に生活している周囲の人との関わ りは,児童の協調性の成長に重要な意味がある ことを示している。  本研究は,児童の家事分担度を定量的に把握 し,家庭生活における分担度と児童の協調性の 程度との関係性を,家族との関わりを考慮しな がら調べるという当初の研究目的は果たせたと 言える。さらに,岩川(2005)が対象とした中学・ 高校・大学生の結果に,小学生の結果を加える ことができたこと,岩川 (2005) は,家事労働・ 手伝い行動の種類について言及していなかった が,家事労働・手伝い行動の種類についても調 べることができた。加えて,小学校家庭科の学 習内容である家庭生活での仕事についての学習 は,学校教育の理念のひとつにつながり,非常 に意義があることも確認した。しかし,学校教 育における家庭科の存在意義をより明確にする  父親の「家事分担」,「夫婦間の会話」,「子ど もとの遊び」から,児童の「協調性」に対する 標準偏回帰係数は有意ではなかったが,父親の 「子どもとの積極的な関わり」から児童の協調 性に対する標準偏回帰係数は有意であった。し かし,決定係数は r2=0.08 と低く,父親の子ど もとの積極的な関わりは,児童の協調性に影響 を及ぼすが,ごく一部を規定しているにすぎな かった。 保護者の属性(母親の就労形態,父親の出勤時 間,父親の帰宅時間,母親の年齢,父親の年齢, 家族形態)から,児童の家事分担度,協調性へ の有意な影響はみられなかった。 5.考察  児童の家事分担度と協調性の程度との間に一 定の関係が見られた。家庭生活に積極的に参加 し家事を分担する児童は,分担をあまりしない 児童よりも,周囲の人により親切で,より人の 助けになる態度を身につけている傾向があっ た。従って,家庭での分担経験は児童の発達に 極めて重要な意味があると言える。また,児童 の分担経験は,学校教育の1つの理念である「豊 かな人間性」にもつながると言える。  岩川(2005)は,家事労働・手伝い行動は, 家族員への情緒的共感性の高さ,自己の役割意 識の取得が動機となり,向社会的行動が促進さ れるとしている。本研究においては,協調性の 程度が高い傾向にある児童が,家事労働・手伝 い行動をよくしていることも考えられるが,お 手伝いをすることは,回りの人の気持ちを感じ たり,その人の立場に立って考えたり行動した り,互いに相手に対し行動し,相手から働きか けられるという行為のやりとりがなされるとい うことを含んでいる。この人とのやりとりが日 表 9 重回帰分析の結果 (父親の家庭関与が協調性に与える影響)表9 重回帰分析の結果 (父親の家庭関与が協調性に与える影響)     家事分担 0.10  子どもとの積極的な関わり 0.19*  夫婦間の会話 0.12  子どもとの遊び -0.10 R2 0.08*** F値 8.05 *p<0.05, ***p<0.001 β: 標準偏回帰係数 β

(8)

ためには,家庭科学習内容の種類を詳細に検討 する必要もあるだろうし,他の要因になりうる, 例えば,保護者や兄弟姉妹,地域の人,学校の 先生,友人など,子どもの成長に関わる人々な どからの影響についても調べる必要がある。ま た,児童を取り巻く人間関係は社会変化によっ て推移する。このことについても考える必要が ある。  現時点において,本研究の結果をもとに,教 科家庭科について考える。小学校家庭科の「家 庭生活と仕事」の学習では , 特に周囲の人の存 在を気にかけながら分担経験をさせる視点が大 切である。また、中学校技術・家庭の「家族・ 家庭と子どもの成長」の学習では,子どもへの 関わり方を学ぶ視点が大切である。例えば , 人 間の成長に関わって自分はどう子どもに接す るのかを幼児ふれあい体験などを通して実感を もって考えた後 , 講義や討論等で異なる考え方 への気づきを得るなどである。  限られた授業時間数の中 , 学校教育の理念に つなげて目標をより一層明確にして指導内容 を整理することが , これからの我が国の教育に とって極めて重要であると考える。  今後の課題は , 次の通りである。 本調査は , 家族型を , 両親と子どもに絞って調 査を行ったため , 調査域が限られたものとなっ た。調査域を限定した理由は , 家庭の同居構成 要素は多様であり , 多くの変数を含めて , 先行 研究が殆どない児童の家事分担度と協調性の程 度の関係性を把握することは難しいと考えたた めである。また , 父親については母親の回答で あるため課題が残る。小学生を対象とした調査 は , 調査票の分量が限られており、また回答の 上での正確さの限界もあり , 尺度の精度の問題 点も残す。今回の成果を踏まえて , 今後の調査 においては調査域限定による精度の問題を解消 していく必要がある。  また , 今回の調査は滋賀県湖南に住む小学生 とその母親を対象としたため , 全国の日本の子 どもの姿を表すものではない。今後 , 地域性を 考慮した新たな調査が必要である。  終わりに, 調査にご回答いただきました皆 様,そして調査の集計・分析にご協力いただき ました滋賀大学4回生(平成 17 年度)三上泰 生さん,(平成 18 年度)奥真鈴さんに深く感謝 申し上げます。 1)Ⅰ期とⅡ期で回答者の重複はない。 2)木田は「豊かな人間性を育む家庭生活-子 どもの共感性、個別性、セルフ・エスティー ムに焦点を当てて-」の中で共感性の言葉 を用いているが , 本研究では意味内容から 協調性とした。 3)父親に回答を求めると回収率が低下するこ と , 母親と児童の棄却データが増える可能 性が高いことが予想されるため , 本調査で は , 母親と児童に回答を求めた。母親およ び児童に対して完全な一致項目ではない が , 母親が回答した父親の「子どもとの積 極的な関わり」の下位尺度得点と , 児童が 回答した「お父さんはあなたの考えを理解 しようとしてくれていますか」の質問項目 (4 段階評定)との間には、r=0.47(p < 0.001) の相関がみられた。 4)滋賀県スポーツ少年団は,湖西,湖南,湖 東,湖西の 4 ブロックにわかれている。 5)父親と子ども型がないことは調査実施前に 確認していた。 6)多くの人の回答が高い得点方向に偏ってし まっている天井効果,多くの人の回答が低 い得点方向に偏ってしまっているフロア効 果については,独立変数の効果を検出でき る変化量がわずかとなるため分析から除外 した。本研究では,各項目が1から4の 得点の範囲であるため天井効果は ( 平均値 + 1SD >4),フロア効果は(平均値 + 1 SD <1)とした。 引用文献 村山淑子 , 中村よし子 , 滝沢志貴子(1983)家 庭生活に関する児童・生徒の能力の発達 ( 第 6報 )- 生徒の態度 -, 日本家庭科教育学会 誌 ,26(3),pp.27-34. 新福祐子 , 中川兆子(1985)男女共学に関する 研究 - 中学校における調理実習を通して -,

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大阪教育大学紀第Ⅱ部門 ,34(2),pp.137-152.  宇佐見佳枝 , 菊池るみ子 , 深田祐規子(1993) 小学校における家庭科教育の意義 - 児童の 家事参加に関する調査を通して,高知大学 教育学部研究報告第 1 部 (46),pp.129-138. 内野紀子 , 櫻井純子 , 諏訪原洋子(2000)小学 校学習指導要領実施の評価 ( その 1) 子ど もの意識と態度形成,日本家庭科教育学会 誌 ,43(3)pp.159-166. 佐藤文子 , 浜島京子 , 外山知徳 , 野田文子 , 松村 京子 , 矢野由起 , 柳昌子 , 鎌田浩子 , 岩崎恭枝 , 小島郷子 , 荒井紀子(2002)現代の子ども は家族・家庭生活をどう認識し行動してい るか - 全国調査第一次報告 -,日本家庭科 教育学会誌 , 45(1),pp.71-82. 日本家庭科教育学会編 (2004) 家庭科で育つ子ど もたちの力-家庭生活についての全国調査 から- ,pp.21-31, 明治図書 . 日本女子社会教育会(1995)家庭教育に関する 国際比較調査報告書 ,pp.87-89. 上野顕子 , 吉原崇恵 , 小川裕子 , 室雅子(2011) 日本とカナダ,ブリティッシュ・コロンビ ア州における大学生の生活力に関する国際 比較,pp.131-142. 大森桂(2004)調理実習と生徒の調理に対する 自己効力感の相互関連性,山形大学教育実 践研究 ,13,pp.19-28. 安藤茂樹編著(2006)セルフ・エスティームを はぐくむ技術・家庭科教育,pp.8-16,明治 図書. 武藤八重恵子(1989)調理学習の意義「食物の 授業」,pp.9-11,家政教育社. 岩川淳(2005)向社会的行動の発達と家族関係 (1):青年期の家事労働・手伝いとの関連京 都女子大学発達教育学部紀要 1, pp.31-38. 菊地章夫(1998)また / 思いやりを科学する 向社会的行動の心理スキル,p.6,p.81,p.151,  pp.161-163,川島書店. 牧野カツコ , 中野由美子 , 柏木恵子(1996)子 どもの発達と父親の役割,ミネルヴァ書房 , 巻末 . 木田淳子(1999)豊かな人間性を育む家庭生活 -子どもの共感性,個別性,セルフ・エス ティームに焦点を当てて-,大阪教育文化 センター「家庭調査」研究会,p.143 尾形和男、宮下一博(1999)父親の協力的関わ りと母親のストレス、子どもの社会性発達 および父親の成長,家族心理学研究 ,13(2), pp.87-102. 平 山 聡 子(2001) 中 学 生 の 精 神 的 健 康 と そ の 父 親 の 家 庭 関 与 と の 関 連: 父 母 評 定 の 一 致 度 か ら の 検 討, 発 達 心 理 学 研 究 ,12(2),pp.99-109.

(10)

1

詞が(結果)状態を表すタイプの結果複合動詞に寄せられてきた

(e.g. Li 1990, 1993, 1995,

1999, Ross 1990, Gu 1992, Cheng and Huang 1994, Zou 1994, Her 2007, Yu 2012, 于 2012, 2015)。

一方で、これ以外にも、

“看到”

(見る

-着く)などや“走来”(歩く-来る)などの“追累”

(追う

-疲れる)とは異なるタイプが存在することも知られている。Lu (1977), Li and

Thompson (1981), 刘(他)(1983)や Packard (2000)などで、結果複合動詞の体系的な分類が

なされているが、これらは、結局意味・用法を中心に記述したものである。これに対して、

本論文では、結果複合動詞の形態的な側面に焦点を当て、結果複合動詞の前項動詞と後項

動詞の結合度を検証することを目的とする。考察の結果、結果複合動詞は、タイプによっ

て結合度が異なることを示す。

このことを検証するために、本論文は以下のように議論を進める。まず、2節でこれま

で結果複合動詞がどのように分類されてきたのかを概観する。続く3節では、前項動詞に

“了”や目的語が後続できるかどうか、前項動詞が他の要素と交替できるかどうかという

事実から、結果複合動詞の結合度を検証する。4節はまとめと展望である。

2. 結果複合動詞とその分類

Li and Thompson (1981)で議論されているように、結果複合動詞(Resultative Verb

Compound)は、(1)のように規定できる。結果複合動詞は、大雑把に言うと、行為などを表

す前項動詞と、前項動詞が表す行為などから得られる結果を表す後項動詞から形成される

1

(2)がその代表的な例である。

(1) A two-element verb compound is called a resultative verb compound if the second element

signals some result of the action or process conveyed by the first element. There are several different

kinds of results that can be expressed by an RVC.

(Li and Thompson 1981: 54-55)

(2) 张三 喝醉 了。

張三

飲む

-酔っ払う ASP

‘張三が飲んでその結果酔っ払った。

(2)に示すように、前項動詞の“喝”(飲む)は行為、後項動詞の“醉”(酔っ払う)は飲ん

だ結果の状態を表している。

(2)の結果は、酔っ払っていない状態から酔っ払った状態に変

化したという結果状態を表すが、

(1)の定義からも推察できるように、後項動詞が表すこと

のできる結果はこれに限らない。詳しい説明はすぐ後にするとして、まず結果複合動詞が

1

本論文は結果複合動詞の後項が動詞であるか形容詞であるかという論争には立ち入らな

い。

表 1 調査対象者の属性 表 2 因子分析結果 <児童の家事分担度> た5項目を以降の分析から除外し,残りの 12項目に対して,主因子法による因子分析を行っ た。 固 有 値 の 変 化 は 3.35,1.61,1.47,1.06,0.96…であり,4因子構造が妥当であると考えた。そこで再度4因子を仮定して主因子法・Promax 回転による因子分析を行った。なお,回転前の4因子で 12 項目の全分散を説明する割合は 62.4%であった。また,内的整合性を検討するために各下位尺度の Cronbach のα係数

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