臨床講義
穀粉榮養障碍
敢 授Jll磯
野田
邊仙
静=ゴ子鄭
筆講
記述
憲者 は一年一ケ月の女児で本年八月十二日初診 主訴 は全身の漂腫尿回藪勘なく機嫌が悪いと云ふ事である。 家族歴 爾親健在兄弟二人家族は凡て健康である。 既種歴 患児は正規分娩見で種痘は警んで居るが旛宋だ麻疹.百目咳を経遇せす今迄全く健康で何の病氣に も罹った享は無かつ元と云ふ。 理疲歴 馳駆の掛りは約十日駅前から顔面及び毒中がむくんで來た事に氣付かれ把、一週問計り前から一日 三一四回乳を吐く様になり、機嫌も悪くなった。然し下痢は無く便逼臼に一回若くは一回も無い事がある。 而して猶此頃になって乳の飲む量が勘く.尿の出方も李常より勘いと云ふ、熟は計らないが無いぢしいと悉 ふ事である。 磯田、川野邊犀穀粉榮養障碓 騨四七磯田、川野邊“穀粉榮養障碍 ︼四八 食餌 は舟偏が出無いために煉乳を溶かして更に之に砂糖を加へて一五〇乃至二〇〇蝿宛を三i四時縦子に 輿へて居ったが二ヶ月前からは煉乳二茶匙を水三百蛎に溶かして砂糖を加へたもの及びスソコニ匙を水二百 蝿に溶かして砂糖少量を加へたるものを與へた分量も近晒二日にそれだけしか飲まないのだと云ふ、此食餌 は随分含水炭素が多い課で含水炭素の偏食である、外凍で治療して居ったが命ずる様に食餌を與へないので 絵りよくならない。そこで九月五日以來入院治療する事となつ柁。 現症所見 顔面、躯幹、四肢凡てに著しい俘腫が認めらる、脈抽呼吸共に安静で何等異歌は認められない艦 温は三十六度四分である。顔色は蒼自顔は腫れて居るけれども苦痛ある顔貌ではない、眼瞼角膜異状なく口 腔内では口蓋に鷲口瘡があるけれ共舌苔なく、咽頭螢遺せす、歯齪口腔粘膜に出血なし、頸部淋巴腺腫脹な く、胸部は心音正常第二肺動脈昔充⋮進ぜす心臓の濁音藍島尋常、肺臓は聴診上打診上士歌を認められない。 腹部 膨浦せす腹水を讃明し得ず、肝臓は僅かに鰯れるのみで脾臓は趨れない。股動脈音は魏へない。 .膝蓋腱反射は賜陽性、四肢を動かしても痛味なく腫脹部もない。 嘔吐があると云ふがケルニヒ氏症歌項部硬直其他の旛膜炎症状は少しも無い。 膿重七、四六〇瓦で年齢の割合に甚だ勘ない。 診闘 以上の様な所見で浮腫が主症候で他には殆ど之ど云ふ礎化がない、只事重が年齢の割合に甚だ輕少で ある、帥ち浮腫のために一見肥へて居る様であるが實は畿育障碍があるものと認めらる㌧のである。 搬て此夢見は何病であらうか、全身の浮腫があるが心臓に演歌なく肝臓の肥大帥ち欝血肝も無いから心臓疾 患ではない。 次に腎臓疾患も考へられるが腎臓疾患ならば尿に灘化が現れるから槍尿をして見る必要がある。
尿所見 ア糖蛋 透酸 セ 白
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故に腎臓疾患では無い事がわかる次に脚氣でも浮腫が現れるが乳艶の脚氣は母乳榮養畜に凍る、人工藤葛見 に乳見醒氣がおこると云ふ事は認められない、尤も今の場合脚氣の蒔の檬に嘔吐を訴へて居るが、呼吸脈搏 の頻藪、心働充遇、第二肺動脈音充進股動脈音等の如き脚氣症歌が無い。 搬てそこで今の揚合、も一つ考ふべき疾患がある.不適當の榮養物思へば姿粉雪は米紛を溶したもの\みで 養ったb、若くは是等を主なる食餌として之に少量の牛乳或はミルクの如き牛乳製品を加へて養ふ場合に一 種の慢性榮養障碍に陥り、而して俘腫を俘ふものがある、之を穀粉榮養障碍と名付て居る、本隙見の食餌は 前に述べた如くであり、而して磯育及び榮養事態がわるく嘔吐あり.蒼白で尿利少く氣嫌悪く且つ俘腫を件 て居る黙から総合して考へる時は正しく穀粉榮養障碍であると診断する事が出來る。 搬て穀粉榮養障碍とは如何なる病患であるかしばらく此疾患に就て蓮べる事とする◎ 穀粉案養障碍とは一言にして言へば穀粉汁︵糊の如きもの︶又は穀粒煎汁︵重湯の類︶を主隠る食餌とするか 或はこれだけで養ふ場合に現れる踊種の慢性榮養障碍を云ふので.ツェ川離一及びケ川レ川︵○慈ミ︶ζ♪慾NNミ 竈Oの︶が命名したものである瑠 本邦に於ても既に明治三十六年︵一九〇三︶に三宅宗淳氏が自米粉に砂糖を混じたるもの︵詩味湯︶や或は観 盤⋮則、川野邊日油鼠榮三障碍 一四九磯由、川野蓬”穀粉榮養障碍 一五〇 等で養はれπ小見は乳兇器氣類似の症駿が螢現する事のあるを報告し、それ以來之を霜剣脚氣類似症と云ひ 或は米粉に因する一種の哺乳見消化不良症と稽へた、 或はツェ川二i。ケレルレ氏穀粉榮養障碍寓①げぎ錯7 。・ゥ巴.⇔と封比して米粉榮養障碍閑.δ回、浮話魯践。昌とも呼ばれた。現今穀象榮養障碍の名が一般に用ひられる。 原因 斯の如く直接の原因は食餌であるが、本症をおこす食餌を二種類に匿別することが出歯る。第一は 穀粉︵又は穀粒汁︶だけで養ふ場合吾邦では耳糞︵これは自米粉乃至は白米と編米の粉末である︶片栗粉、葛粉 重. 秩A糊、米の擢粉、上新粉︵これも自米粉である︶等が用ひられ、外國では変粉、燕饗粉を多く使用される。 第二は以上の様な穀粉計りでなく之等と共に牛乳叉は牛乳髭剃も與へられて居るけれ共、牛乳量は少量で穀 粉が大部分を占めて居る揚馬で、此時にも亦本症がおこる本締はミルクが少量用ひられて居る。 何故に牛乳等を用ひすに是等の穀粉又は主に穀粉を用ひて養はんとするか、これには三つの理由がある。 ︵第一︶母乳が無く⋮貰ひ乳も出來ない場合に、牛乳や牛乳工芸よりもチチコ等の方が遙に安着である事、且つ 小見粉乳粉︵チチコ︶等と云へば乳と同じものであるかの如く思はれるからである、從て現今でも下級敢會に 於て使用せられて居る、︵第二︶澱粉類帥ち第二含水窒素と呼ばるものは下痢を止める作用があるから下痢症 の時に之を用ふると便がよくなる。再び牛乳等に換ると叉下痢が熔こるから穀粉の方がよいと思って永く之 を持棄して居る.すると早晩本症をおこして凝る。︵第三︶には離乳の時期に乳汁の他に含水炭素だけを永く 與へて居って本症をおこす事もある。 以上の愚な置合が直接の原因となるのであるが、個人的膿質は南至の原因的關係がある、起ち同じ穀粉主 食で榮養ざれても本症をおこし易い者とおこさないものとがある。 癒朕 米穀を主に使用する吾國に於けるものは外寸のものとは静歌に於て多少の相違がある、反個人的素質
食餌晶の組合せ︵崩ち穀粉だけの時と穀粉と乳と混ぜて簸る場合︶及び穀粉榮養の持績期間とによって登現 する症歌も同一では無い、全カロリー不足し.含水炭素以外の各養素が不足する爲めに登育が涯れ、榮養状 態が不良となって痩せる、時には本例の⋮糠に浮腫が手量全級又は全身におこら、或は嘔吐、食慾減退、歯音噺 嘆、不機嫌、座作性帰泣、陣吟等の脚氣類似症歌を呈する事がある。又脚註の時の檬に呼吸脈搏増加はある が、乳主脚氣の時の様に著しくはない。叉脚氣と異って心臓肥大や心悸虚像等は見られない、便は下痢の事 もあり、便秘に傾くものもある、本例もそうである。時には角膜乾燥症、角膜軟化症等のダイタミンA訣乏 症の加はる事がある。稀にはバ戸ロ宜氏病の合併し仁例もある◎ 尿は其排泄佳良なものもあるが、悪例の様に滅少するものが多い.インヂカン陽性の事があり、重症では 糖反鷹弱陽性となり、或は糖化酵素が減少すると巽はる、血液は赤血球減少、白血球増加すと云はれ、或は 赤血球藪に大した礎化がないとも云はれる.盲爆では血液所見は次の通である。
淋騨エ 中白赤へ
小凝禰翫諺
巴好嗜 好 ロ
自好朕 白球球ビ
血農 ・・ y
球球球 球敷敷量
型 核核
磯田、川野邊H穀粉榮壷障碍 九月 九日 五八︵ザ⋮り一式 四山ハ九五、OO・○ 八○○○ 瓢Hコ一⑤山ハポ戸 三二・% =・★% ○ ○ 玉四。八% 五?四% 九月二+一日 七一 玉三一こ,○○〇 七四〇〇 一一・六% 八・八% テ八% ∼。六% ○ 八六。四% 八マニ% 一五一磯田、川野邊H穀粉榮養障碍 大 型 モ ノ チ ーテ ソ 四。四% τ六% 五・二% ○。入% 閣透二 本症は主要症状に依て三型に.髄別される。 ︵一︶萎 縮 型︵暮呂℃三。・魯再6遷塁︶ ︵二︶ 浮 腫 型︵ξ脅器巳。・Q冨円門穏ま︶ ︵三︶遇度緊張型︵ξ鷺属。募。︸脅日遷自。。︶ 浮腫型には萎縮を俘ふ場合が多いから萎縮病腫型とも云ふ、浮腫型は通常食餌中に璽類を添加して與へる 場合に現はれるものであるが、本例では別に璽は加へて居ない様である。 過度緊張型と云ふのは筋肉の強直を主徴とするもので、甚だ稀である、遜常萎縮型叉は俘腫型である。 病理 穀粉のみで養ふ場合或は穀粉を主食として養ふ場合に何故に以上の様な病的歌態となるのであるか、 之rに就て從雑種舟なる説があるが、要するに蛋臼脂肪盤類及びヅィタミンの如き種々なる養素の成分的磯餓 と解するのが至常であって、或時は此等養素の一部或時は全部の映乏に原因する事もあるであらう。穀粉帥 ち含水炭素のみでは到底必需熟量を充たす事は困難であるから、カロヲー不足と云ふ事も勿論關係はあるけ れ典軍に熟量的機餓でない事は乳汁榮養の時の熟量混織に於ては決して穀粉母屋障碍に見る様な症候群を呈 しない事で知る事が出來る。 療法 本症を治療するには食餌を牛乳若くは人筑に換へる事が必要である。然し此際注意すべき事は本病盗 見の腸管は耐力が弱って居るから急に食餌を換へると下痢がおこり、褻弱して勘忍に隔る憂がある、下痢が 鞄こるから親はこの子供に牛乳が合はないと思って牛乳を飲ます事を承知しない事がある。今泡の食餌を一
時に急に換へないで、最初小量から酷評に牛乳に換へ障碍の無い事が知れたら可及的迅蓮に穀粉榮養を全康 する。斯様な方針で食餌的治療を施せばよい。 重篤歌里のもの生後三ヶ月以下の岩合併症を有するもの等には最初は人乳を用ふる方が安全である。穀粉 を與へる他に最初乳を搾って小量宛與へ嘔吐下痢等が起らなければその時始めて乳房から畷はせる、而して 從來の榮梅町を漸次止める、穀粉汁を乳汁榮養に換へると一時膿重の減少を招聾する、その程度は俘腫型の 者に於て著しい、膿重減少の著しい時には生理的食璽水リンゲル氏液の注腸叉は皮下注射を行ひ衆ねて張心 湖を與へる、膿重が増加する様になつ惣ら牛乳を輿へる。 最初から牛乳で治療する離合は曳く小量宛徐々に換へて行かないと嘔吐下痢が突黒して瞼悪組中となり勝 である。腕脂乳を用ふるか或はガラクトずン.ラロずン等の蛋自訴を脱脂翫や稀輝乳に加へて輿へる、而し て徐々に増量しそれに慮じて次第に穀粉汁を平して行く。常に水分供給は充分注意せねばならない、砿物と しては重に消化剃を與へる、其他ブィタミン、時には張心剤を必要とする。 本玉の経過 漸次脱脂乳糧でガラクトサンを加へた脱脂製を興へたが、下痢便一日一−二回となり、九月十 三日︵入院後十日目より陽型便となった、嘔畦は入院後六日目で全く無くなった。膿重は
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甲月月月月月月
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11 日日日日日日 ︵入院第一H︶ 9 三日︶ ︵〃 五日︶ ︵〃 七臼︶ ︵〃 九属︶ ︵〃 +一日︶ 置。九入〇 五馳六﹃二Q 叢.四入〇 五.五二Q 五,五QO 置,九五Q 一覧三磯田、川野邊1一鍛金榮養障磯 九丹十九日 ︵ク+五日︶ 九月廿一日 ︵〃十七日︶ と肱倦つ距。食餌は牛乳、∴ハン、卵黄、 六、二〇〇 山ハ、︸二〇〇 カルケヅトを撮る⋮檬になって九月 一五四 二十二日退院したのであるQ 以 上