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経営学部における情報教育 IV. 「経営情報科学」改訂後のアンケート調査

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(2)

師   啓 二  要旨  内容を大幅に改訂した「経営情報科学」を1年間講義した後に実施したア ンケート調査の結果を分析する。改訂前のアンケート調査の結果との比較も 行う。これにより、今回の改訂の成果を評価する。  1.はじめに  最初の報告1(以下「論文1」とする)では改訂前の「経営情報科学」を 受講したクラスについて受講状況と成績を調査した。続いて前々回の報告2 (以下「論文H」とする〉ではそれらのクラスについて実施した授業アンケ ートの調査結果を分析した。さらに前回の報告3(以下「論文皿」とする) では、改訂後の「経営情報科学」を受講したクラスについて受講状況と成績 の調査を行い、論文1の結果と比較した。今回の改訂により、学生がパソコ ンを実習する時間がかなり増えた。内容的にもプログラミング言語教育をや め、「日本語ワープロ」・「表計算ソフト」・「電子メール」といった、「パ ソコンを使って即仕事ができる」・「すぐ役に立つ」ソフトの実習への大幅 な改訂となった。論文皿で述べたように、改訂前の成績データとの比較によ れば、平均点で3∼9点の成績の向上が認められた。これは実習に基づく後 期の成績が向上したためであった。従来通りの筆記試験による前期読験の成 績は再履修クラスを含めてあまり変わらない。実習の成績はキー入力がいか に速くできるかと言う能力と関係があり、パソコンを所有し、普段からパソ コンになれている学生ほど有利であり、成績は良い。論文IIで述べたように、 欠席者が多い、講義に対する関心度が低いなど再履修クラスには相変わらず 問題がある。 本稿では、論文皿と同じ学生のグループに対して実施した授業アンケート調 査の結果を報告する。それによって、講義の内容に対する学生の関心度や理 解度がどれだけ変化したか、また、実習で用いたソフトがどれだけ使えるよ うになったか(習熟度)などをチェックする。学生の要望は、さらなるカリ キュラムの改善のための資料として提供する。

(3)

 “.前回のアンケート調査  論文Eで報告した改定前の「経営情報科学」についてのアンケート調査の 結果は、まとめると以下の通りであった。2 1 アンケート調査の上では、再履修クラスと他の1年生のクラスの間 に差異は認められない。 2 大多数の学生がコンピュータ(特にパソコン)の必要性を感じ、使 いこなしたいと考えている。 3 プログラミングに興味を示す学生もいるが、全体の3割くらいであ る。 4 パソコン実習は好評であり、大部分の学生が実習時間を増やしても らいたいと望んでいる。 5 情報関連の資格試験については、「難しくなければ受けて見たい」と いう程度の意識であって、約半数の学生は受験を全く考えていない。  ”1.今回のアンケート調査  前回同様、これは著者が担当した「経営情報科学」の全5クラスに対して 実施した授業アンケート調査である。講義内容をいくつかの単元(章)に分 けて、各単元ごとに学生の理解度・習熟度を調べた。アンケートの質問項目 は論文Hに示したものと基本的に同じであるのでここでは例示しない。もち ろん、講義内容の改定に応じて新たな項目(「インターネット」・「情報倫 理」および実習に関するものなど)を追加した。調査の実施時期は1996年 度の最後の講義(1997年1月)の時間内である。  1.アンケート集計結果  第1表および第2表にそれぞれ「前期の講義内容」および「後期の講義内 容」についてのデータを示す。有効回答数は月曜3限Aクラスが45名、月曜

(4)

二 啓 師 4限Bクラスが43名、火曜2限Cクラスが40名、水曜3限Hクラスが35名 および火曜1限再履修クラスが48名である。 講一 二N oo 寸 のoう O寸 oう 寸 ゆ寸 謹一 一扁 oo 寸 霧 O噂 oう 寸 專 詫        細 噸 oO ⇔り 一 O 一 の 寸 ①

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(7)

 2.集計結果の分析 a 前期の講義内容と理解度  グラフ1に「コンピュータの歴史について」の内容と理解度を棒グラフで 示す。1995年度と比べて1996年度は「興味がもてなかった」、「興味がもてた」、 「普通」のいずれもやや増えている。しかし、調査対象の人数は96年度の方 が多い(95年度が174人、96年度が211人)ので、傾向としては95年度も96年 度もほぼ同じで変わりがないということになる。理解度の方を見ると、96年 度は「まあまあ理解した」が少し減り、「普通」と答えた学生が増えたこと がわかる。「コンピュータの歴史」については興味を持った者はいるものの、 相変わらず多くの学生にとっては別にどうという印象は無いようだ。  グラフ2に「コンピュータのハードウェア」の内容と理解度を棒グラフで 示す。95年度と比較すると、96年度は「興味がもてた」と「普通」がやや 増加し、「興味がもてなかった」が減少していることがわかる。理解度の方 をみると、96年度は「まあまあ理解した」が減り、「良く理解した」と「普 通」が増えていることがわかる。これは、共通のテキストである「経営情報 科学テキスト」を作成するとき、従来この章にあった「論理回路」や「加算 回路」の説明を割愛したので、文科系の学生にもわかり易い内容になったた めと思われる。  グラフ3は「コンピュータのソフトウェア」についての結果である。96年 度は「興味がもてた」が増え、「興味がもてなかった」が減少している。理 解度の方も96年度は「よく理解した」と「普通」が増え、「あまり理解でき なかった」が減少している。これも、従来は大型計算機システムのソフトウ ェァに関した内容であったものが、「日本語ワープロ」や「表計算ソフト」 など、より実用的なパソコンのソフトウェアを含む内容に変わり、よりわか り易くなったためと思われる。  グラフ4に「演習問題」についての内容を棒グラフで示す。前期の講義内 容のうち、No.1は「コンピュータの歴史」と「ハードウェア」について、 No.2は「ソフトウェア」についての問題である。前述のように、講義をパ

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師   啓 二 ソコン中心の内容に変えたため、情報処理試験に出るような従来の問題はあ まり出せなくなった。改訂にともない、96年度は後期に演習問題(95年度は 「流れ図の作成」と「FORTRANの基礎文法」に関する問題であった)をや っていない。比較すると、96年度は「普通」が増え、「難しかった」がやや 減少した傾向がある。授業で説明したばかりの内容であっても、演習問題を 解かせてみると、あまり理解されていないことがわかる。問題の解説は丁寧 に行った。  96年度からは「コンピュータの歴史」の前に、導入的な「コンピュータの 利用」という章を置いた。「世の中でコンピュータが実際にどのように利用 されているか、ざっと見渡してみよう」という内容である。グラフ5はこの 「コンピュータの利用」についての結果である。内容については「興味がも てた」が66%、「普通」が30%、「興味がもてなかった」が約2%である。 理解度の方は、「理解した」と「まあまあ理解した」とで54%、「普通」が 31%、「あまり理解できなかった」が11%、「全然理解できなかった」はゼロ、 という結果である。身近なコンピュータの話はわかりやすかったということ である。  グラフ6は「データベース」についての結果である。この章では、主とし てコンピュータ・ネットワークの説明を行った。内容については「興味がも てた」と「普通」が半々でそれぞれ47%と46%、「興味がもてなかったjが 約4%である。理解度の方は「よく理解した」と「まあまあ理解した」を合 わせて約39%、「普通」が約42%、「あまり理解できなかった」と「全然理 解できなかった」とで約13%である。ここではビデオを見せ、コンピュー タ・ネットワークでつながれた商用データベースも紹介した。全体の約半数 の者が興味を持ち、理解したということである。  グラフ7は「インターネット」についての結果である。「興味がもてた」 が71%、約26%が「普通」である。理解度の方は「良く理解した」と「ま あまあ理解した」を合わせて約40%、「普通」が40%、「あまり理解できな かった」と「全然理解できなかった」とで約13%である。インターネット

(9)

はいま世の中で最も注目を浴びている対象でもあるので、学生の関心は高い が、インターネットについてきちんと知っている者は少ないというのが現状 である。であるから、将来的な必要性からいっても、その危険性をも含めて、 系統的にきちんと教えておく必要がある。  「情報倫理」についての結果をグラフ8に示す。「興味がもてた」と「興 味がもてなかった」がほぼ同数で17%、約64%が「普通」である。理解度 の方は「良く理解した」と「まあまあ理解した」を合わせて約26%、「普通」 が42%、「あまり理解できなかった」と「全然理解できなかった」とで約 26%である。インターネットが普及して、全世界のあらゆる人々とネットワ ークを通した交流が広がっていく中で、「ネットワーク違法行為」などの新 しいタイプのコンピュータ犯罪が登場している。これからのコミュニケーシ ョンの手段の一つとしてコンピュータ・ネットワークを考えるとき、守って いかなければならないルールや注意すべき犯罪行為等について無知・無関心 でいるわけにはいかない。しかし、現状では、「インターネット」に比べて、 この章の内容への学生の関心の度合は今一つという感じである。  グラフ9は「ビデオ」についての結果である。「コンピュータの利用」の 章を除いた各章では、その章に関連のある内容のビデオを見せている。それ ぞれの内容に関する学生の意見は後述するが、ここではビデオ全般にわたり、 その内容と理解度を見る。まず、内容は「興味がもてた」が26%、「興味が もてなかった」が約7%で、約64%が「普通」である。理解度の方は「良く 理解した」と「まあまあ理解した」を合わせて約41%、「普通」が35%、「あ まり理解できなかった」と「全然理解できなかった」とで約15%である。学 生にとってこれらのビデオは、「関心を持って積極的に見るという内容では ないが、まあまあ理解はできた」というところである。事物を具体的に説明 するとき、「映像で見せる」という方法は効果的であるので、これからも引 き続きビデオの利用法を考えていきたい。

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「コンピュータの歴史」の理解度 100

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難しかつ 普通 易しかつ 回答無し グラフ4 「演習問題No.1およびNo.2」についての比較

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面 自 ︸一 「コンピュータの利用」について 「コンピュータの利用」の理解度 興味がもて なかった  2.4% 回答無し 1,4% あまり理解 できなかった 回答無し 3,3% さ馨力つ7と         o .4% まあまあ理解   した  46.4% 普通 31.3% 良く理解した  7.6% グラフ5「コンピュータの利用」の内容と理解度 「データベース」にっいて 「データベース」の理解度 興味がもて なかった  4.3% 回答無し 2.4% 全然理解でき回答無し なかった   6・2%  た/ 解つ 理か りな% まきゆ あで絢 良く理解した 2.8%        6.6% 塁解った まあまあ理解   した  32.7% 普通 41.7% グラフ6「データベース」の内容と理解度

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「インターネット」について 「インターネット」の理解度 興味がもて なかった  2.4% 回答無し 0.9% 全然理解でき回答無し なかった 6・6% あまり理解 “きなかった .5% 良く理解した 3.3%        6.6% 翌解った まあまあ理解   した  33.6% 普通 40.3% グラフ7「インターネット」の内容と理解度 「情報倫理」について 「情報倫理」の理解度 興味がもて 回答無し 3.3% なかった       興味がもて 16.1%      17.1% 普通 63.5% 全然理解でき 回答無し 5.7% 良く理解した 五ハ、、助王肝曳e 6.6% なかった .8% まあまあ理解 あまり理解 できなかった した 19.4% 23.2% 普通 42.2% グラフ8「情報倫理」の内容と理解度

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師   啓 二 「ビデオ」について 興味がもて回答無し なかった  3.8%  6.6% 普通 63.5% 興味がもてた  26.1% 「ビデオ」の理解度     回答無し 全然理解でき9・5%        良く理解した なかった          4.3% あまり理解 できなかった 13.3% 1.4% 里解 、った まあまあ理解. した 37.O% 普通 34.6% グラフ9「ビデオ」の内容と理解度 b.後期の実習の内容と習熟度  グラフ10に「日本語ワープロ」(Microsoft word95)の実習についての結 果を円グラフで示す。内容については「興味がもてた」が約77%、「普通」 が21%である。前期の講義と比べて圧倒的に多くの学生が興味を持ったとい うことがわかる。習熟度の方は「かなり使えるようになった」が18%、「ま あまあ使えるようになった」が約57%で、この両方合わせて約75%、全体 の3/4である。あと「普通」が約14%と「あまり使えるようにはならなか った」が約7%いる。課題として学生にワープロソフトで書かせた文書の出 来映えを見る限りにおいても、大部分の学生は「一応ワープロソフトが使え る」状態になったと判断している。  「表計算ソフト」(Microso丘Excel95〉の実習についての結果をグラフ11 に示す。こちらも学生の関心が高く、内容については「興味がもてた」が約 76%、「普通」が22%で、日本語ワーフ。ロの場合とほぽ同じである。習熟度

(15)

の方は「かなり使えるようになった」が16%、「まあまあ使えるようになっ た」が約55%で、この両方合わせて約70%、全体の7割である。あと「普 通」が約18%と「あまり使えるようにはならなかった」が約6%いる。キ ーボードに慣れていて入力が速く、ワープロの課題などすぐに仕上げてしま う学生も各クラスに何名かはいるが、彼等の多くは表計算ソフトまでは使っ た経験がない。このソフトを使えば簡単に3次元のグラフ等がきれいに描け てしまえるので、彼等を含めた多くの学生にとって、このソフトの実習は興 味あるものとなったと言えよう。  グラフ12に「電子メール」(ccMai1)の実習についての結果を円グラフで 示す。内容については「興味がもてた」が約46%、「普通」が29%、「興味 が持てなかった」が約2%、「回答無し」が約23%である。習熟度の方は 「かなり使えるようになった」と「まあまあ使えるようになった」で約24%、 「普通」が約33%、「あまり使えるようにはならなかった」と「使えるよう にならなかった」とで約13%、「回答無し」が約29%いる。この実習の回数 は1回のみであり、教室内での「閉じた」LANの中でのメールのやり取り であったので、実際の利用とその効用が、日本語ワープロや表計算ソフトの 場合と比べて今一つ理解されなかったのではないか。  さて、習熟度の評価には学生の主観がかなり入っているし、学生の中には 実際にはかなり使えるのにもかかわらず、「あまり使えるようにはならなか った」と答えているものもいることが考えられる。そこで、学生の実習の成 績そのものである実習点3と各ソフトについての習熟度との相関を見るため にこれらのデータ問の散布図を取り、行列の形で示したものがグラフ13で ある。ここで、実習点は「小→大」の順で高くなり、また、習熟度は、aが 「かなり使えるようになった」、bが「まあまあ使えるようになった」、cが 「普通」、dが「あまり使えるようにはならなかった」、eが「使えるようにな らなかった」を表す。習熟度の変数が5つしかないので散布図からはあまり はっきりとした傾向は見られないが、実習点と日本語ワープロおよび表計算 ソフトの習熟度の間にはやや右下がりの相関があるように見える。これは

(16)

師   啓 二 「かなり使えるようになった」(a)者は実習点も高い(大)という傾向を示 している。実習点と電子メールの習熟度との間にはほとんど相関は見られな い。また、各ソフトの習熟度の問の相関は認められる。つまり、たとえば日 本語ワープロで「かなり使えるようになった」(a)者は他のソフトも「かな り使えるようになった」(a)し、逆に「あまり使えるようにはならなかった」 (d)者は他のソフトも「あまり使えるようにはならなかった」(d)という傾向 がある。 「日本語ワープロ」について 興味がもて なかった 回答無し  0.5% 0.9% 「日本語ワープロ」の習熟度 あまり使える回答無し ようにはなら 4。3% なかった 6・6%       かなり使える         ようになった          18.0% 通跳 普性 まあまあ使える ようになった  56.9% グラフ10「日本語ワープロ」の内容と習熟度

(17)

「表計算ソフト」について 興昧がもて なかった 回答無し  0.9%  1.4%      「表計算ソフト」の習熟度   使えるようには    ならなかった回答無し   O・9%  5.2% かなり使える        ようになったあまり使える       15、6%ようにはなら なかった 6.2%     普通    17.5%          まあまあ使える          ようになった       54、5% グラフ11「表計算ソフト」の内容と習熟度 興 がもて なかった  2.4% 「電子メール」について  回答無し  22.7% 「電子メール」の習熟度     かなり使える     ようになった      5.2%        使えるようには        ならなかった        6.2%          ようにはなら          なかった         7.1% グラフ12「電子メール」の内容と習熟度 29.4% 回答無し    まあまあ使え         ようになった          19.0% 普通 33.2% ようには かった まり使える

(18)

師   啓 二 実習点 慧a3暮  盟 躍 ヨ  課  窩 口 コ日   ・ヨ訟 冒 ヨ  回  目  口蓬襲ヨ 3賢口  回﹄ ヨ ・ロ 日ロ  ロ 露 頃嘱闘謹回 認魍=■■剛”閣 ワーブロ  口  鱈  ロ ロ  ロ  昌  層  回 5     認  ロ ロ  回     置   口  躊  召  躍  口  “  q 駆     駆  “  5 慶  コ  曙  口  α 躍  舅 昌置口■口目嗣回口  “   o =B 篇  凶■    面   冒 口    冒    回    召  口        魏 口         駆    o 口    露   口 表計算ソフト   目     “  昌  口  闘  口 遣  旦  口  昌  o   冒  目  口 回  口  “     口 召口翻謄一  “ 回凶o昌躍口闘胴 昼    ロロ■■曜回 国嗣■■ 薗ロ 躍    ”   口    o コ    o    口 躍        ロ    コ 目    轟    ロ ロ    召 ロ  ロ  ロ  ロ  o  “  口  o o         易  冒 口  q  口  恩 コ  5  琢 電子メール 一〇    口■国■窟==曙

大→小dcbaedcbaedcba

小→大abcdabcdeabcde

  グラフ13実習点と各ソフトの習熟度の散布図行列 c.共通教材のレベルと範囲  今回の改訂では、講義用として「経営情報科学テキスト」、実習用として 「日本語ワープロ」、「表計算ソフト」、「電子メール」の各テキストをそれぞ れ作成し、これら共通の教材を使って授業を行った。テキストの内容に関す るアンケートの集計結果を第3表に示す。また、グラフ14∼17はこれらの結 果のうち、各教材のレベルと範囲について、学生が感じたことを円グラフの 形でまとめたものである。

(19)

第3表 アンケート集計結果[テキストの内容] 経営情報科学テキスト 日本語ワープロ 表計算ソフト 電子メール 内容のレベル 難   し  い 34

3

5

7

やや難 しい 86 30 52 18 普     通 82 137 124 106 やや易 しい

4

24 18 12 易   し  い

3

9

6

3

回 答 無 し

2

8

6

65 合     計 211 211 211 211

内容の範囲

広 す ぎ る 18

0

0

2

や や 広 い 84 24 27

7

普      通 92 157 156 120 や や 狭 い

4

14 14

9

狭 す ぎ る

2

1

0

1

回 答 無 し 11 15 14 72 合     計 211 211 211 211

説明の仕方

分かりにくかった 17

6

10

9

普     通 140 103 96 82 分かりやすかった 41 82 87 44 回 答 無 し 13 20 18 76 合     計 211 211 211 211 「経営情報科学テキスト」について

  易しい

   1・4%回答無し ゃや易しい   0.9% 1.9%        難しい        16.1% 普通 38.9%        やや難しい         40.8% 1.9%       8・5% やや広い 39.8% 普通 43.6% 「経営情報科学テキスト」の範囲

   回答無し

 狭すぎる 5.2% やや狭いo・9%  広すぎる

      85%

グラフ14 「経営情報科学テキスト」のレベルと範囲について

(20)

雨 自 一︸ 「日本語ワープロのテキスト」について 「日本語ワープロのテキスト」の範囲    回答無し    3.8% 易しい 難しい 1.4%  4.3% やや易しい 11.4% やや難しい  14.2% 普通 64.9% 狭すぎる   05% 6.6% 回答無し 7.1%    u.b踊 や狭い 6% やや広い 11.4% 普通 74.4% グラフ15「日本語ワープロのテキスト」のレベルと範囲について 「表計算ソフトのテキスト」について 「表計算ソフトのテキスト」の範囲   回答無し 易しい2・8% 28% 難しい 2.4%     ∠.b物 や易しい 8.5% やや難しいi  24.6% 普通 58.8% 回答無し 6.6% やや狭い .6% やや広い 12.8% 普通 73.9% グラフ16 「表計算ソフトのテキスト」のレベルと範囲について

(21)

「電子メールのテキスト」について 「電子メールのテキスト」の範囲 易しい 1.4% 5.7% 難しい 3.3% 回答無し 30.8% やや難しい  8.5% しい 4% や易しい 57% 普通 50.2% 独すぎる  0.5% 広すぎる 0.9% やや広い    3.3% 回答無し 34.1% 普通 56.9% る5%や狭 い3% グラフ17 「電子メールのテキスト」のレベルと範囲について  具体的にいろいろな事柄(特に、英語の専門語が多い)を勉強しなければ ならないので、「経営情報科学テキスト」の内容は「難しくて広い」、と感じ た学生が約半数を占めた。実習用のテキストについては、いずれも、レベル も範囲も「普通」と学生は感じている。 d.講義全般について  グラフ18に、改訂前と改訂後について、講義の内容にたいする学生の印 象をそれぞれ円グラフで示す。改訂前に44%であった「役に立つと思う」 が改訂後は約84%と大幅に伸びていることがわかる。それに伴い、「普通」 は36%から13%へ、また「あまり役に立たないと思う」と答えたものは約 6%からほぼ0%へとかなり減少した。授業内容は「役に立つ方向への改訂 である」と学生達が受け取ったわけである。この結果だけから言っても、今 回の改訂はその目的3を達成したことがはっきりとわかる。

(22)

師  啓二  グラフ19は講義のレベルに対する学生の印象である。95年度と比べると 「難しいので、もっと易しくしてほしい」が減り、「ちょうど良い」が大幅に 増えている。96年度では「ちょうど良い」が112名いて、全体の約53%を 占めている。また、「講義が難しい」と感じている学生の内の約6割の学生 は「難しいが、このままで良い」と考えているのである。「講義が易しい」 と感じた学生はゼロではないものの、極めて少ない。「経営情報科学」は決 して易しいレベルの講義ではないが、95年度と比べると「講義の難しさ」は 「ちょうど良い」という方向へかなり改善されたと言ってよいだろう。  グラフ20からコンピュータに対する学生の印象の変化を見てみよう。95年 度では「興味をもったので、これから使っていきたい」という学生は112名 (174名中)、全体の約2/3であったが、96年度ではその割合が増え、数は 171名(211名中)で、全体の約81%にも達する。「使いたくない」と答えた 学生は相対的にかなり少なくなった。実習をやってみて、パソコンでどのよ うなことができるのかが具体的にわかったので、多くの学生が「これから使 っていこう」という気持ちになったものと思われる。  グラフ21から情報関連の資格試験に対する学生の意識の変化を探ってみよ う。今回の改訂により、情報関連の資格試験を意識した、大型計算機システ ムの話やプログラミング言語教育という要素は講義内容から削られた。しか し、「情報関連の資格をとりたい」とか「受験してみてもよい」と思う学生 は減少していない。これは、「とりあえずコンピュータが使えるようになっ たので、簡単に資格がとれるならばチャレンジしたい」と学生達は考えてい るいうことである。  グラフ22は「大学における情報教育の内容について学生が何を求めるのか」 という意見をまとめたものである。コンピュータ言語を学ぶよりは、「市販 のパソコン・ソフトが使えるようになりたい」という意見が圧倒的に多い。 この傾向は95年度も96年度も変わらない。96年度では「コンピュータ言語が 使えるようになりたい」と「資格をとりたい」が若干増えている。「キーボー ド入力ができればよい」とか「一般的な知識のみで十分」という程度の消極的

(23)

な目的意識の学生は減った。 改訂後の講義の内容について     わからない      1.4% あまり役に立  回答無し たないと思う  1.4% グラフ18       難しいが、     このままで良い   難しいので、もっと    易しくしてほしい      ちょうど良い   易しいので、もっと   詳しくやってほしい 易しいが、このままで良い         その他        回答無し

0

役と% 2、3 トし6。 まな 一う﹄一 改訂前の講義の内容について      回答無し わからない 1。7% 講義の内容について(改訂の効果)  講義のレベルについて         人  数  20      40      60      80      100 120 ロマ996年度 [ニニ11995年度 グラフ19講義のレベルの比較

(24)

師   啓 二   コンピュータに対する印象       人  数 0    20   40   60    80   100   120   140   160   180      興味を持ったので、     これから使っていきたい        興味はあるが、      あまり使いたくない 興味はないが、これからは必要だ   と思うので、使っていきたい   興昧はなく、使いたくない       その他       回答無し          グラフ20 コンピュータに対する印象の変化        情報関連の資格試験について        人  数        0    10   20   30   40   50   60       ぜひ受験して、       資格をとりたい 勉強があまり大変でなければ、     受験してみてもよい       関心はあるが、   いまは受験する気はない       関心はないし、      受験する気もない       その他          回答無し        グラフ21 [コ1996年度 【ニコ1995年度 70  80  90 Eコ1996年度 肛皿1995年度 情報関連の資格試験に対する意識の変化

(25)

        大学における情報処理教育の内容に対する要望(2項目選択)       人  数        0    20    40    60    80    100   120   140   160  いくつかのコンピュータ言語が     使えるようになりたい   市販のパソコン・ソフトが     使えるようになりたい 取り敢えず、キーボード入力がで     きるようになればよい   いろいろな資格をとりたい  システム設計が出来るように         なりたい 一般的な知識のみで十分である          その他      グラフ22情報処理教育の内容に対する要望(2項目選択) □1996年度 肛コ1995年度

3.学生の意見

 アンケート用紙には択一式に解答を選ぶだけではなく、自由な形式で意見 を書く欄も設けてある。以下ではその欄に書かれた学生諸君の意見を示す。 まずは、講義で見たビデオの印象から、  「EMACやパソコン誕生の話」 コンピュータの歴史がどういうものかわかってとても良かったと思う。 ・ほんの数十年であの壮大な機械を上まわるコンピュータが目の前の机の上 にある現実がとても信じられない気がします。 ・コンピュータの進歩のきっかけが軍事利用によるものだということが残念 に思えた。

(26)

師  啓二 「マイクロプロセッサーの開発の話」 ・初めて知ることが多く勉強になった。 ・どんなにすごいマイクロチップも、人の手があの小さなものにしていった  のには震えるくらいの感動を覚えた。 「データ・ベースの話」 ・情報の価値、パソコンの使い方を痛感させられた。CASはスゴイ。 ・データ・べ一スについて知ることができてよかった。 「インターネットの話」  インターネットをやってみたいと思った。(複数あり)  インターネットは便利な反面、情報を盗まれたりといった悪用されるケー  スもあることをよく頭に入れておきたい。 「表計算ソフトと日本語ワープロソフトの開発物語」 ・表計算ソフトを開発したのが大学生であったことに驚いた。さすがアメリ  カである。 ・開発の過程が面白かった。(複数あり) つぎに、「講義の内容」に関して ・初心者にとっては、これから大学のコンピュータを利用するにあたってい  いきっかけになったと思う。 ・授業よりも実際にコンピュータを使った後期の方が楽しい授業だった。  (複数あり) ・パソコンを使える時間をもっと増やして欲しかった。(多数あり) ・これからの社会ではコンピュータは不可欠のものとなるので、ある程度知  識に入れておく必要があり、その点乙の授業はとても役立ったと思う。 ・現代はコンピュータが不可欠の時代であるけれども初心者には用語が分か

(27)

らず困った。 ・内容は難しかったけれど、ちょっとでもわかるように授業を進めてくれた のでよかった。 ・理論と実践のバランスのとれた良い授業であったと思う。 ・パソコンがある程度使える人とまったく使ったことのない人が同じ速さで 習得するのは難しいと思います。 「講義のレベル」に関して ・基本もやっているので進行の速さはちょうどいいと思う。べ一シックやC  言語をやりたかったです。 ・いろいろなのでよく分からない。難しかったり、易しかったり。 ・もっとゆっくりやってほしい。 ・易しすぎるのでもっと難しくした方が良い。 最後に、「その他の意見」  コンピュータ実習がすごく楽しかったです。身につきました。(複数あり) ・もっといろいろなことをやりたかった。(複数あり〉 ・インターネットを行いたい。(複数あり) ・パソコンにはとても興味があり、これからも勉強したい。(複数あり〉 ・難しかったですが、大変ためになりました。 以上。  lV.結論 今回のアンケート調査の結果をまとめると、以下の通りである。 1.今回の改訂によってパソコン実習の内容が大幅に改善され、その結果、 多くの学生がパソコンを使えるようになった。実習は楽しく、また、役

(28)

師   啓 二 に立つ内容と受け取られている。 2 パソコンに興味を持ち、「これからも使っていきたい」という学生が 大多数を占めた。 3 講義用のテキストである「経営情報科学テキスト」の内容を書き改め た結果、講義の「難しさ」は少し改善された。しかし、まだ「難し い」・「広い」と感じている学生が全体の半数くらい存在する。 4 情報関連の資格を取りたいという学生は増えてはいるが、全体の約4 割の学生は取得を考えていない。  コンピュータを利用した「読み」・「書き」の技術を教えること、つまり 「情報リテラシー教育」を取り入れるという形で行なった今回の改訂であっ たが、当初の目的は十分達成したと言える。実習は確かに楽しいが、マニュ アルに載っている例題をそのままただ入力して実行するだけでは応用力はつ かないであろう。自分が得た技術を使って、例えば、自分の専門におけるデ ータ分析にどのようにパソコンが使えるのか。学生達にとって、次に求めら れるのはこの応用の能力である。これらの内容についてはさらに上級の科目 で対応することになろう。一方、専門基礎科目である「経営情報科学」にお いても、いつまでも「読み」・「書き」の技術の教育をやっているわけには いかない。パソコンが普及して、中学・高校の段階でこのような「情報リテ ラシー教育」を終えた学生が入学してくるのもそう遠い将来ということでは ないだろう。次稿では、「経営学部における情報教育」の一連のシリーズの 最後として、将来の情報教育の在り方について検討してみたい。  謝辞  「経営情報科学」を担当された先生方には、学生のアンケート調査および 教員の教材アンケート調査の際に御協力をいただいた。ここに、これらの先 生方に対し、感謝申し上げたい。なお、前年度との比較をしたいため、今回 の報告では著者担当のクラス分のデータのみに限らせていただいたが、先生

(29)

方から頂戴した資料は後日まとめて報告したいと思っています。

 V.参考文献

(1)師 啓二 1996「経営学部における情報教育1」『自鴎大学論集』Vo1。11   No.1、5(1996) (2)師 啓二 1997「経営学部における情報教育H」『臼鴎大学論集』Vol.11   No2、103(1997) (3〉師 啓二 1997「経営学部における情報教育皿」『白鴎大学論集』Vo1.11   No.1、93(1997)        (本学経営学部教授)

参照

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