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三角ロジックモデルを用いた三段論法の直接操作型学習環境

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三角ロジックモデルを用いた三段論法の直接操作型学習環

Direct Manipulation Learning Environment of Syllogism designed based on Triangle

Logic Model

北村 拓也

1

長谷 浩也

2

前田 一誠

2

林 雄介

1

平嶋 宗

1

Takuya Kitamura 1

1

, Hironari Hase

,2

,Kazushige Maeda

2

,Yusuke Hayashi

1

,and Tsukasa Hirashima

1

1

広島大学大学院工学研究科

1

Graduate School of Engineering Hiroshima University

2

環太平洋大学次世代教育学部

2

Faculty of Education for Future Generations International Pacific University

Abstract: In this research, the syllogism which is considered to be the most typical structure of the logic

is represented by a triangular logic model, and a learning environment which can be operated directly is designed and developed. Currently, only one logical structure of triangle is dealt with, but this will be expanded and extended to exercises dealing with logical structures composed of multiple triangles.

1.はじめに

Galperin の知的行為多段階形成モデルでは,ある 思考形式を身につけるためには,その思考形式を具 体物に対する具体的な操作として行えるようにする ことが有効であるとしている[12].Papert はマインド ストームにおいて,対象についての操作可能なモデ ル表現を持ち,それを操作することが対象の理解に 重要であることを指摘している[15].これらの研究 では,人の思考を情報構造に対する操作として捉え ることができると仮定されており,このような仮定 に基づく学習支援システムの設計開発は,情報構造 指向アプローチと呼ばれることがある[3,4].筆者 らはこの情報構造指向アプローチに従って,対象を 情報構造として記述し,その情報構造についてのイ ンタラクティブな操作を計算機上で実現することで, その対象についてのより深い学びを可能にする学習 環境の設計開発と実践利用を行ってきている[5].本 研究では,近年特に重要視されるようになってきて いる論理的思考力に関しても情報構造指向アプロー チが適用可能であると考え,論理の構造を情報構造 として具体化し,学習者がインタラクティブに操作 活動を行える環境を実現しようとしている[12,13]. 論理の構造を情報の構造として表現するモデルの 一つとしてToulmin モデルが知られている[17]が,本 研究では,根拠,理由付け,主張の三つで構成され るToulmin モデルの簡略化版としてしばしば用いら れる「根拠」「理由づけ」「主張」の三つの要素で構 成されるモデル(本稿では,三要素に簡略化された Toulmin「三角ロジックモデル」と呼ぶ)を採用して いる.この三角ロジックモデルに基づいて,三つの 要素で構成される一つの三角形としての論理構造を 学習者が操作的に組み立てることができる演習環境 を設計・開発した. これまでのToulmin モデルに関する研究では,構 成された論理構造の妥当性は人が判断するものとさ れていたため,これらの三つの構成要素の満たすべ き性質の限定は明示的には行われていなかったとい える.本研究では学習者が取り扱う論理構造を仮言 的三段論法“(A→B)∧(B→C)⊢(A→C)”,定言 的三段論法“(A-B)∧(B-C)⊢(A-C)”に限 定する.取り扱う論理構造を三段論法に限定するこ とで「根拠」,「理由づけ」,「主張」の構成要素とそ れらの要素間の関係を定式化し,さらに三角形の各 辺に推論としての意味付けを追加して,それぞれの 推論を演習化している.この環境では,キットビル ド方式[6] を採用することで,学習者の作成した論 理構造の診断と診断に基づくフィードバックが行え るようになっている. 以下本稿では,まず操作対象とする情報構造とし ての論理の構造のモデルについて述べる.次に,そ の構造の操作としての演習をインタラクティブに行 うことのできる演習環境の設計開発について述べる. 人工知能学会研究会資料 SIG-ALST-B506-14

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2.論理構造のモデル

2.1 論理的思考力の育成

近年,個々の教科や領域に依存しない一般的な能 力としての論理的思考力が重視されるようになって きている.実際に,教育国際学力到達度調査(PISA) や全国学力調査の問題は科目に対する特定の知識で はなく,論理的思考力を問うものであるとされてい る[13].論理的思考力の育成方法については,多くの 活動が提案されているが,(1)プログラミング/フロ ーチャートといった人工言語を使った論理の学習[8, 11]と,(2)ディベート/作文といった自然言語を使っ た論理の学習,に大別することができる[1].これら は,論理的な構造を組み立てるという活動を行わせ ることで,論理的思考力を育成していると解釈でき る.本研究は,自然言語を使った論理の学習に属す る. 自然言語を用いた論理学習における一つの問題点 は,正確な診断の困難さにより学習者の組み立てた 論理構造に対するフィードバックが難しい点である. 自然言語を用いて学習者が何かを組み立てる活動に 対して個別のフィードバックを実現している例とし て,筆者らが行っている算数文章題の作問を対象と した研究が挙げられる[4].この研究では,算数文章 題の情報構造モデル[5]に基づき文章題の構成部品 を定義し,その構成部品を学習者に提供して組み立 てさせることで文章題を作成させていた.このよう な形態での算数文章題の構造化とその操作が学習に とって有効であることは,小学校1 年生から 6 年生 までの実践[ 18 など],および大人を対象とした作問 活動実験調査によっても確認されている.本研究で は,同様の考えのもと,自然言語で記述された論理 を対象とした論理構造のモデルであるToulmin モデ ルによって論理構造を表現した上で,その論理構造 を学習者が操作できるインタラクティブな環境を実 現している.

2.2 Toulmin モデルと三角ロジックモデル

Toulmin モデルでは,主張・理由づけ・根拠・限 定・反証・裏付けの6 要素によって論証の構造を定 式化している.このToulmin モデルを論理的思考力 の基準として全面的あるいは部分的に採用している 研究は数多く存在する[16]. また,Toulmin モデル を演習環境に取り入れた研究も行われている.例え ば,[10]はオンラインディスカッション用にシンプ ルなToulmin モデルの枠組みで自由記述する形の演 習環境を実装している.しかしながら,構成された 論理構造を自動診断し即時的なフィードバックを返 すと行ったインタラクティブ化を指向した研究は見 当たらない.本研究はこのインタラクティブ化を目 指したものとなる. Bryan は Toulmin モデルの六要素のうちの主張・理 由づけ・根拠の3 つが論理構造の本質であり,この 三つだけでも論理構造とみなせるとの主張を行って いる [2].井上も,Toulmin の示した 6 項目のうち, 「根拠」と「理由づけ」と「主張」が論の骨組みで あり,「裏付け」「反証」「限定」の三つは一括して但 し書きと考えた方が実際的に扱いやすいとしている [9].また,三要素を用いて論理の学習を行っている 事例も多く存在する[7].三角ロジックモデルで表し た 論 理 構 造 の 具 体 例 を 図 1 に 示 し た ( こ の 例 は Toulmin モデルで標準的に用いられている例である). 三角形の各頂点は,それぞれ論理構造の特定の要素 が割り当てられており,底辺左の頂点に「根拠」,底 辺右の頂点に「理由付け」,底辺の対頂点に「主張」 が割り当てられる. 本研究では,取り扱う論理構造を三段論法に限定 することで「根拠」,「理由づけ」,「主張」の構成要 素とそれらの要素間の関係を定式化し,さらに三角 形の各辺に推論としての意味付けを追加して,それ ぞれの推論を演習化していることが特徴となる.し たがって,本稿で扱っている三角ロジックモデルは, 三段論法を表現したものとして話を進める.また本 稿では三角ロジックモデルのインスタンスとしての 記述を三角ロジックと呼ぶ.

2.3 三段論法の表現としての三角ロジック

モデル

これまでのToulmin モデルに関する研究では,構 成された論理構造の妥当性は人が判断するものとさ れていたため,これらの三つの構成要素の満たすべ き性質については厳密には定められていなかった. 本研究では学習者が取り扱う論理構造を仮言的三段 論法“(A→B)∧(B→C)⊢(A→C)”,定言的三段 論法“(A-B)∧(B-C)⊢(A-C)”に限定する. この場合,根拠が”A→B/A-B”,理由づけが“B →C/B-C”,主張が“A→C/A-C”となる.これ ら三つはそれぞれ命題となっており,ここで取り扱 う論理構造は三つの命題から構成されることになる. また,命題を構成するA,B,C を本稿では命題要素 と呼ぶ.図1の例(Toulmin が用いた例)であれば, A:彼,B:バミューダ生まれ,C:イギリス人,とな る.三段論法は演繹推論の代表例として学ばれるも のであり,また,三角ロジックモデルをベースとし

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て行われている研究において例示されている例題の 多くは,三段論法で解釈可能なものである.これら のことから,これらのことから,三段論法に限定し ても十分に論理の学習として意義があると判断して いる. 三角ロジックモデルで取り扱う論理構造を三段論 法で記述可能なものに限定するで,三角ロジックを 構成する部品と部品間の関係が明確になる.よって, 教材の用意が容易となり,さらに,学習者の組み立 てた論理構造の診断やフィードバックが設計可能と なる.しかしながら,従来三角ロジックモデルで取 り扱われた事例を直接扱えない場合がでてくる.た とえば,図1 の例において,「バミューダで生まれた」 を「イギリス領で生まれた」に抽象化し,「イギリス 領で生まれた人はイギリス人である」という,より 一般的な理由づけを用いるような事例を考えてみる. 三段論法として考えると,「バミューダで生まれた人」 が「イギリス領で生まれた人」であることは自明で はなく,それを導くための理由付けが必要となる. 本研究では,「バミュータで生まれた人は,イギリス 領で生まれた人である」という理由付けを用いて, 「彼はバミューダで生まれた」を根拠として,「彼は イギリス領で生まれた」を主張として導き,さらに, この主張を根拠として,「イギリス領で生まれた人は イギリス人である」を理由付けとすることで,「彼は イギリス人である」という主張を導けると表現する ことになる.図2 に,上記論理を三角ロジックで表 現した例を示す.記述自体の柔軟性は失われること になるものの,論理の構造としては厳密なものにな っているといえるので,妥当な制限であると判断し ている.なお,本稿の範囲での演習では,次に述べ る単一の三角ロジックを対象とした演習のみを扱っ ており,複数の三角ロジックの組み合わせは今後の 課題となっている. また,この三角ロジックモデルにおいては,三段論 法が成立していることを前提して,図 1 のように, (1)主張推論,(2)理由付け推論,(3)根拠推 論,の3 つを定義する事ができる.これらは,各辺 の両端の命題が与えられた場合に対頂点の命題を推 論することであり,主張推論は,根拠と理由付けか ら主張を導くことであり,三段論法そのものとなる. 理由付け推論も,対応する主張と根拠が決定されて いれば,理由付けを導くことが可能となる.根拠推 論についても同様となる.これらの推論方法に基づ いて3 章で述べる演習が設計されている. なお,本稿の範囲では,定言と仮言の違いは考慮し ていない.論理構造を意味的に解釈するためには, 定言と仮言の違いは重要となるが,三角ロジックモ デルで表現される論理の構造においては両者を区別 する必要がないとの考え方からである.また,三段 論法の一つとされる選言的三段論法を現在扱ってい ない.選言的三段論法においても,(A∨B)∧(¬B) ⊢A と命題や命題要素が定式化されているため取り 扱いは可能であると思われる.この取り扱いの実現 については,今後の課題となっている. 図 1 三角ロジックモデル 図 2 「彼はイギリス人である」を導く三角ロジック

2.4 インタラクティブ化

Toulmin モデルの従来の利用法は,学習者がこの モデルの図式に合わせて自身の考えた論理構造を表 現するというものであった.これだけでも効果があ るとされているが,学習者の作った論理構造を診断 し,その結果に基づくフィードバックは,学習の支 援として一般的に望まれるものであるといえる.し かしながら,学習者自身が論理構造の各要素を記述 する形式の場合,その正確な診断は簡単ではなかっ た.このため,学習者がToulmin モデルに基づいて 記述した論理表現を自動診断する仕組みはこれまで のところ報告されていない. 本研究では,予め教授者が正解となる論理構造を 三角ロジックモデルに基づいて記述する(教授者三 角ロジックと呼ぶ.図3(1)).次にその記述を部品に 分解する.一つの三角ロジックから三つの命題が取 り出されるが,これを再構成して三角ロジックを組

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み立てるためには,三つの命題の関係を表す三角形 の枠組み(三角ロジックフレームと呼ぶ)も必要と なる.命題と三角ロジックフレームのセットをキッ ト(図3(2))と呼び,このキットを学習者に提供し, 学習者に組み立てさせる.学習者が再構成したもの を学習者三角ロジックと呼ぶ.この学習者三角ロジ ックは,教授者三角ロジックと比べることで診断さ れる.本研究ではこの方式をキットビルド方式[6]と 呼んでいる. キットビルド方式の場合,部品自体は用意された ものであるため,それらを用いて作られる構造は, あらかじめ用意された構造との比較によって診断す ることができる.また,個々の部品は作り出すので はなく,認識すればよいので,構造に焦点を置いた 学習になると期待できる.さらに,一つの三角ロジ ックから,三つの命題が部品として取り出されるが, 図1 に示したように,三角形の各頂点は,それぞれ, 根拠(底辺左頂点),理由づけ(底辺右頂点),主張 (底辺対頂点)が配置されるものとしている.この ため,三つの命題の配置の仕方は,3×2×1=6 通りとなる.3 章で述べる演習環境で設計した課題 では少なくとも3 個のダミーの命題を追加している ので,6×5×4=120通りとなっており,論理 の構造を考えずに再構成することが難しい課題とな っている.なお,2.2 で述べたように各命題は他の命 題との組み合わせで,三つの役割のうちいずれをも 果たすことができる.したがって,複数の三角ロジ ックを連結した論理構造を作ることができる.複合 的三角ロジックの取り扱いについては,今後の課題 となっている. 図 3 三角ロジックフロー図

3.論理組み立て演習環境

2 章で述べた三角ロジックモデルに基づき,(1) すべての命題が配置された三角ロジックの正誤判定 を行う演習(判定演習),(2)二つの命題が配置さ れた三角ロジックと残りの一つの命題の候補集合を 提供し,残りの一つの命題を選択・配置する演習(主 張推論,理由づけ推論,根拠推論に対応する)(組み 立て演習1),(3)一つの命題が配置された三角ロ ジックと残りの二つの命題の候補集合を提供し,残 りの二つの命題を選択・配置する演習(組み立て演 習2),(4)命題が配置されていない三角ロジック と三つの命題の候補集合を提供し,適切な命題を選 択・配置する演習(組み立て演習3),の四つを実装 した.

3.1 判定演習

判定演習の演習画面を図4 に示す.この演習では 学習者は提示された三角ロジックの正誤を判定する. 誤りとしては,一つだけ不適切な命題が含まれてい る三角ロジックが用意されている.提示された三角 ロジックが正しい場合は,画面左側にある「あって いる」ボタンを選択する.誤りの場合は,三角ロジ ック中の間違っている命題を選択した上で,左側の 「間違っている」ボタンを選択する.具体的に図 4 の例は,理由づけの「魚は泳ぐ」が間違っている三 角ロジックが提示されている.図4 では,主張の「カ ツオは魚である」が誤りの箇所として選択されてい るので,このままでは誤りと判定される.判定演習 では,学習者の回答に対しては,正誤のみが返され る.

3.2 組み立て演習1

組み立て演習1としては,(1)主張推論:根拠と理 由づけがあらかじめ配置された三角ロジックに対し て,与えられた命題リストから主張として適当なも のを選び,配置する(図5),(2)理由づけ推論:根拠 と主張があらかじめ配置された三角ロジックに対し て,与えられた命題リストから理由づけとして適当 なものを選び,配置する,(3)根拠推論:理由づけと 主張があらかじめ配置された三角ロジックに対して, 与えられた命題リストから理由づけとして適当なも のを選び,配置する,の三種類の演習を実装してい る.学習者三角ロジックと教授者三角ロジックが一 致すると正解であり,不一致の場合が不正解となる. フィードバックは正誤のみを学習者に伝えている.

3.3 組み立て演習2

組み立て演習2としては,(1)与えられた根拠に対 し て,理由づけと主張を組み立てる,(2)与えられ た理由づけに対して,根拠と主張を組み立てる,(3) 与えられた主張に対して,根拠と理由づけを組み立

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てる,の三種類の演習を実装している.この演習の 場合,命題の選択と配置について診断が行われる. 命題の選択と配置の両方が正しいのが正解であり, 誤りは,(i)二つの命題の選択は正しいが二つとも配 置が間違っている,(ii)一つの命題について選択と配 置が正しく,もう一つの命題は間違って選択されて いる,(iii)二つの命題が間違って選択されている,の 三つに分けられ,それらが診断できる機能が実装さ れている.組み立て演習2では, (i)の誤りに対して, 命題の配置の再考を促すフィードバック,(ii)の誤り に対して,間違っている命題の再考を促すフィード バック,(iii)の誤りに対して,二つの命題を選択から 考え直すフィードバック,をそれぞれ生成できるよ うにしている.なお,組み立て演習2 の場合,複数 の正しい三角ロジックを作らせる演習も設定可能で あるが,4章で述べる実験では用いていない.

3.4 組み立て演習 3

組み立て演習3 では,与えられた命題から,正し い三角ロジックを組み立てさせる.図6 に画面例を 示した.この演習の場合,学習者は三つの命題を正 しく選択し,三角ロジックフレームに正しく配置す る必要がある.このため,学習者の選択した三つの 命題の正誤,および配置の正誤を診断し,指摘する ことが可能となっている.この組み立て演習3も複 数の正解を作成させることができる課題も設定可能 であるが,4章で述べる実験では用いていない.

3.5 ダミー命題

本演習環境で用いたダミー命題は,以下のような 手順で教授者三角ロジックの作成者が作成した. (1)教授者三角ロジックの命題を命題要素に分解し, それらを組み合わせた命題を作成した.たとえば, 教授者三角ロジックが“(A→B)∧(B→C)⊢(A→ C)”あるいは (A-B)∧(B-C)⊢(A-C)”であ るとした場合,A,B,C を命題要素として,教授者 三角ロジックにない命題を作成し,ダミー命題候補 とした.つまり,B→A,C→B,C→A がダミー命題 候補となる. (2)教授者三角ロジックの命題が論理的包含(A→B) の形式であることから,前提を否定に入れ替えたも の(¬A→B),帰結を否定に入れ替えたもの(A→¬B) をダミー命題候補とした. (3)正しい命題が(A→B)の場合に,A や B の命題 要素と概念的に近い命題要素に置き換えることでダ ミー命題候補を作成した. これらのダミー命題の生成,および生成されたダ ミー命題の中から組み立て課題に用いるダミー命題 を選択する仕組み,の自動化については,今後の課 題となっている. 図4 演習環境の画面:判定演習 図5 演習環境の画面: 組み立て演習1主張推論 図6 演習環境の画面: 組み立て演習3

4.まとめ

対象を情報構造化し,その情報構造を操作する活 動を通じて対象について学ぶという情報構造指向ア プローチに基づいて,論理の構造を組み立てる活動 を通して論理的思考力についての学習を行う演習支 援システムを設計開発した.論理の構造の情報構造 化としては, Toulmin モデルの三要素モデルを採用 している.これを三角ロジックモデルと呼び,さら に,表現する論理の構造を三段論法に限定すること により,正誤判定と判定に基づくフィードバックを 実現している. 現在,三角形一つ分の論理構造しか扱っていないが, これを拡張し,複数の三角形で構成される論理構造 を扱う演習への拡張を行う予定である.また,選言 的三段論法の取り扱いも行う予定である.また,今 回,他の学習の方法との比較を行っていないため, 従来型の論理の演習との比較を行うことも次の段階

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として必要であると考えている.なお,この点に関 しては,空間的に配置される構造記述を学習者に操 作させ,その操作結果にフィードバックを返すこと のできる環境における学びが,従来の方法で同等の 内容を学習する場合よりも,学習者の動機づけや能 動性を高め,高い学習効果を得ることができること は,筆者らがこれまで行ってきた算数や理科,ある いは英語等の学習支援に関する研究において情報構 造指向アプローチとその効果として示してきたこと であり,同様の方法論を採用している本研究も有望 であると考えている

謝辞

本研究は,科学研究費 15K12413 および 15H02931 の支援を受けたものである

参考文献

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