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ふたりきょうだいにおけるきょうだい関係(2) : 幼児期・児童期におけるきょうだい関係認知の発達的変化

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(1)ふたりきょうだいにおけるきょうだい関係(2) 幼児期・児童期におけるきょうだい関係認知の発達的変化-. The. between. two. siblings. in. of this study. purpose. between. tionship Tbe. subject. children. in the. The. main. to. middle. relationship. childhood. AkiraせoDA. and. developmental. the. examine. (2). of the. cognition. and. FuKUDA. sixth. kindergarden. grade.. results. were were. The. shown as. (1). The. sibling relationsip. (2). The. developmental. boys. andgirls,. 1.. early. siblings. in. changes. the. were. subjects The. them・. follows. beteenfirst-born. children. asked. to. make. in a. story. of thief stories. contents. third. the. grade,. 54. each. of. about were. analyzed・. :. it. is not鮎ed,. changes. 82. children,. in. developmental. exhibits. the. sibling. and. next-born・. relationship. changes・ are. different. between. 的. 目. われわれは,ふたりきょうだいのきょうだい関係について,依田(1965)の考案した図 版を用いて, TAT法により調査分析をしてきた。依田(1965)の調査結果でほ,ふたり きょうだいのきょうだい関係認知は,次のようにまとめられた。 (1)全体としてみると対立関係が多く,きょうだい関係の基底には,対立関係があると 考えられる。 2. 男子は女子よりも対立的であり,女子ほ男子よりも調和的である。. 3. 長子ほ次子よりも専制的であり,次子ほ長子よりも分離的である。. 4. rela-. siblings・ 86. were. that. pictures. seven. two. was. two. in the. changes. Takak.. The. between. relatioship. developrnental. -The. 明**. 孝子*・依田. 福田. きょうだい間の年齢間隔がせまいと,長子ほ次子よりも対立的であって,調和的で ない。. 15年以上が経過した早川・依田(1983)の調査でほ,依田 この依田(1965)の調査から, (1965)の調査結果と比戟を行い,年代的変化を検討しながら,きょうだい関係認知につい Metropolitan *東京都立大学大学院(Tokyo **心理学教室(°ept. of Psychology). Univ・).

(2) 144. 福田. 孝子・依田. 明. て考察した。その結果は,次のようにまとめられた。. (1)いずれのきょうだい構成においても調和関係がもっとも多くみられ,きょうだい関 係の基本は対立であるというかつての特徴は見られなくなってきている。 (2)年代的変化の全体的特徴は,対立関係と専制関係の減少および調和関係と分離関係 の増加である。. (3)男女差,出生順位による差,年齢間隔による差がなくなり,いずれのきょうだい構 成においても類似したきょうだい関係認知をするようになっている。. (4)男子が女子のもっていた特徴(調和が多く,対立が少ない)に近づいているともい える。. 以上のような結果ほ,小学生高学年から中学生を対象とした調査結果であり,その年齢の きょうだい関係についてとらえようとしたものである。しかし,きょうだい関係ほ決して 固定的なものでほなく,それぞれのきょうだいごとの特徴を持ちながらも,きょうだいの 年齢変化とともに発達的に変化していくものと考えられる。本研究でほ,幼児期から児童 期の子どもを対象に,この時期のきょうだい関係認知がどのような発達的変化をするかに ついて検討する。. 法. 2.方. (1)調査対象 横浜市内市立幼稚園年長観3クラス. 計113名. 横浜市内公立小学校3年生3クラス. 計124名. 6年生2クラス 総数325名,このうちふたりきょうだい //. 計. 89名. Table. l・被験者,年令段階階別きょうだい数. 222名のきょうだい関係認知について考察 する。 Table. であるが,現在,圧倒的にふたりきょうだ いの暑が多くなっていることが分かる。. (2)調査内容(きょうだい関係認知の測 定) きょうだい関係認知の潮定は,. 2人の子. ども(きょうだい)の登場する日常生活場. 小学校. 幼稚園. 1.ほ,仝被調査者のうちわけ. 9. 16. 2人 きょうだい. 86. 82. す二万-. 18. 22. 1人っ子. きょうだい 4人以上の. 0. 皇_L辿 Total. 113. 小学校. 3年. 4 1. 124. 面の図版6放と白紙図版1枚,計7枚の図. Total. 6年 5. 1. 30. 計器 271 訂二 881. 版を用いてTAT法により施行した。これ以前のわれわれのきょうだい関係についての研 究(依田(1965),早川・依田(1983)において,きょうだい関係認知の謝定に用いてきた 図版は,. 1タイプのみが用意されているものであり,この図版七はだけでほ,きょうだい. 構成が十分に反映されているとほいいがたいものであった。そこで本調査では,きょうだ. いの出生嘱位と性別の構成に対応した4タイプ(兄-弟,兄一株,柿-弟,柿-妹)を作 成し,それぞれの子どものきょうだい構成と一致する図版を用い′ることによって,実際の きょうだい関係がより投影されやすいように配慮したo. Fig.. 1.ほ本調査におけるきょう.

(3) ふたりきょうだいにおけるきょうだい関係(2). 兄-弟. 姉一味. 145. 姉-弟. 兄一味. 伝 (D. T. 図 敬. T. し. ヽ. ∫. (. ② 図 版.  ̄「TTー. #. S. L. C!b. ● ●. ●. I. ■. ●. ■. ● ●. ③ 図 敬. ㊨ 図 版. @ 図 版. 豊轟ぎⅥ滞 ¢ bu. 窃. 1. 聯. 哩. (. ㍗. I,Ag A. } ●. 刊. a I. ●. 4. I. メ. ⑥ B] 版 Fig. l・きょうだい関係認知測定用図版.

(4) 福田. 146. 孝子・依田. 明. だい関係認知測定のための図版である。 被調査者ほ物語作成に際して,. 6枚の図版それぞれについて次のような質問に答える。 「この絵の中のふたりはあなたとあなたのきょうだいだとします。 ①今,このふたりは何 をしているところでしょう.また,どんなことを考えているでしょう。②この絵になるす. こし前に,どんなことがあったでしょう。⑨これからあとふたりほどうするでしょう.+ 三7枚目の自耗の図版にほ,次のような教示がついているo 「(目をとじて)今までの図版のように,あなたとあなたのきょうだいが,何かをしている ところを考えてください。+. これに続く質問ほ,前の6放と同様である。 調査は,幼児については個別面接法,小学生については集団法により実施した。 3.結果および考察. (1)結果の分析方法(きょうだい関係認知の分類とスコア) 7枚の図版のそれぞれについてEl答された内容を,次の5つの分類にしたがって分析す る。. ①. 対立関係スコア. ふたりの中の一方に優位が認められず,相互に対立し,はりあっている関係。物のとり あい,つかみ合い,けんか,口論,その他競争心がうかがわれるもの。闘争的な遊びなど。 ③. たて調和スコア. ‥きょうだいの上下関係が感じられながらも親和的な雰囲気がある関係。兄らしさ,姉ら しさを発揮してきょうだいの世話や面倒をみたりする。または,年上のきょうだいに対す る甘え,依存,信頼などが認められるものなど。 ③ よこ調和スコア きょうだいの間に上下関係が感じられず,対等の親和的関係が認められる関係。協同の 遊び(鬼ごっこ,ままごとなど),おしゃべり,協同的な作業・動作。また, 「一緒に--・+ という表現がなされているもの.他者に対する共通的行為(ex・ふたりであやまるなど).. あるものを媒介にしてinteractionが感じられるものなど0 ④. 専制関係スコア. ‡きょうだいどちらか一方が優位に立ち,他方にその力を及ぼそうとする関係o命令した り,指示したり,圧迫を加えたり,独占しようとしたりすることなど。 @ 分離関係スコア H'きょうだいの間に積極的な交渉が認められない関係.ふたりの問に関係のない並行的な 「わからない+など。また,きょうだい以外の人とのinteractionの 遊び,傍観,無関心, みがみられるもの。. 各図版に対する回答内容について,. 1枚の図版につき10点を,対立関係スコア,よこ調. 和スコア,たて調和スコア,専制関係スコア,分離関係スコアに割り振り,. 7枚の図版の.

(5) 147. ふたりきょうだいにおけるきょうだい関係(2). 合計を求めた。 (したーがって,図版7枚の合計得点70点が上記5分類に割り振られること になる。)さらに,上記5つのスコアから次の3つのスコアを算出する。 ⑥ よこ関係スコア きょうだい関係についての上記5分類中の,よこの関係についてまとめるものセある。 したがって,よこ関係スコア-対立スコア+よこ調和スコア ⑦ きょうだい関係についての上記5分類中の,たての関係についてまとめるものであ る。したがって,たて関係スコア-専制スコア十たて調和スコア. ⑧. きょうだい関係における全体的な相互作用についてまとめるものであ.る。したがっ. て,. interactionスコア-対立スコア+よこ調和スコア十たて調和スコ7+専制スコア-70. 一分離スコア. 以上のように本調査における分類分析ほ,依田(1965),早川・依田(1983)の調査にお ける4分類(対立関係,調和関係,専制関係,分離関係)の分析方法とは異なっている点 がある。. 第1に,各図版につきいずれかひとつの分類に決定するという方法を改れ. 各図版内の. 回答内容の特徴を活かすため, 10点を5分類に割り振るという方法をとったことである. 第2に,調和関係をⅦたて”の調和と"よこ”の調和とに分けたことである。同じ調和 l. 的な関係でも,きょうだい関係の中でほ,上下の関係が強調されている場合と,そうでな い場合とがあると考えられたためである。. 第3に,対立関係とよこ調和関係から,きょうだいの"よこ”の関係を表現する"皐 関係スコア”を算出し,また,専制関係とたて調和関係から,きょうだいゐ1tたて”ゐ関 係を表現する"たて関係スコア”を算分し,検討することにしたことである。 (2)全体としてのきょうだい関係認知スコアの発達的変化について Table. 2は,全体,男女別,出生順位別のきょうだい関係認知スコアの平均についてで. ある。またFig.2は,全体としてのきょうだい関係認知の平均をまとめたものである。 全体としてのきょうだい関係認知スコアのうち,対立関係スコアについて年齢段階に関 して分散分析した結果,年齢による有意な差が見られた(ど(2,220)-35,29,p>.001)。そ こでさらに,異なる年齢段階間の差をt検定した結果,対立スコアほ年齢段階の上昇とと もに有意に増加する。.(幼児全体一小3全体: tニー5.69,df-116,p<.bol,小3一小6. :. tニー2.95,df-135,. p>.001) よこ調和スコアについて年齢段階に関して分散分析した結果,年齢段階による有意な差. が見られた(F(2,220)-3.24,. p<.05)。そこでよこ調和スコアについて異なる年齢段階 間の差のt検定をした結果,小3と小6の間に,有意差が見られた(t=-2.75,df-135, p<・01).よこ調和スコアは,小3の時点で一時減少の傾向が見られるが,小6になるに いた-て有意に増加してくるo. !i書. こうしたよこ調和関係スコアの動きに対し七たて調和スコアについては,年齢段階に よる有意差ほ見られなかった。.

(6) 福田. 148. Table. N. 幼児全体. 86. 小3全体. 82. 小6全体. 54. 幼児男子. 38. 幼児女子. 48. 小3男子. 40. 小3女子. 42. 小6男子. 25. 小6女子. 29. 幼児長子. 29. 幼児次子. 57. 小3長子. 41. 小3次子. 41. 小6長子. 25. 小6次子. 29. 2.. a. 明. 2.きょうだい関係認知スコアの平均 よこ. 立. 対. 孝子・依田. たて. 調和. 調和. 制. 分. よこ. 1.. 45.. (3.. (3.. (14.. 2.. 1.. 42.. 離. 3.. 17.. 書g)I 隻 A %. 専. inteI・. たて. 関係. 関係. 19.. 4.. % 隻. (4.. (12.. a. -action. 24. 29. 3.. 1.. 19.. 4.. % 2型 隻壁) 宮デ % 55). (5.. (8.. (2.. (3.. (12.. (10.. (3.. (12.19). 1.. 18.. 3.. 1.. 45.. 19.. 4. 24. 61. (2.. (13.. (3.. (3.. (16.. (14.. (4. (16. 81). 8.. ll.. 2.. 1.. 46.. 19.. 3.. 23. 75. a. 〔峯. a. 13.. 凄 怠 A. !基. 3.. 2. (9.. (ll.. (3.. (3. 7.. a 12.. A 2.. 重工 7.. (7. ii:. 塗 2.. a 3.. E41. 3.. 3.. 3.. (4.. 4.. 0.. 13. 73. 呈鼻 ZZ2. (10.. 鮎型. ). 8.. (8.. ). 7.. ). Q!. (2. 2. 93 2. 83. 1. 1.. (2.. 姐 3.42. 20.. ll. 03. (3. ). 〔も ). 姐. % % 普. ) (ll.. 乱造. 3. 66. (2. 90). (8.76) (10.. (12.. 43.. I.. 2.. A % 隻. (12.. 蛙ニ ). 忠 % 濡 濃. 日工. % % %. 1.. (2.. a. 2.. % %. 2.. a. 18.. ). (峯. 堕二. 4.. 6.. ). 対 立. ). (5.  ̄瓦 (5.. 6.. ). 21. 07. 4.. 幽 23. 63. 3.. 専 利. 33. 54 _j生旦Z). ) 幽. a 5.. 54. a 7.. 31. 96. (2S: (蛋:g岩)I. 69. (6.. (13.32). )内はSD. 分 艶 70. Fig2.きょうだい関係認知スコア(全体). 34. 4.. 23. 85. ) (13.07). 0. 61. a. ). % 992 % 992 % 992 普A 鷲旦⊇ ll. 担三. ) 迦塑. 22. (12.78) 26. 59. 5.. たて関係 た調 て和. 60. 吐萱二_萱型 (坐 18. 76. % 壁) 鷲型) 鷲壁) 00. a. [. よ調 こ和. a. ). 「 「. 「「. 15. 4.. interactionスコア. よこ関係. 98. a.

(7) ふたりきょうだいにおけるきょうだい関係(2). 149. 専制関係スコアについて年齢段階に関して分散分析した結果,有意差が見られた(ど (2,220)-4.71,. p<.01)。年齢段階間の差をt検定したところ,専制関係スコアほ小6の 年齢段階で有意に増加してくる(小3一小6 tニー2.32,df-74,pく.05)0 よこ関係スコアは,年齢の上昇とともに有意に増加する(幼児一小3:tニー2.17, :. -166,. df-139,. p<・01小3-小6:tニー4.25,. 階による有意な差ほ見られなかった。. df. p<.01)が,たて関係スコアは,年齢段. interactionスコアも,よこ関係スコアの効果によ df-167,<.1小3一小6:. って,年齢の上昇とともに増加する(幼児一小3:tニー1.67, tニー5. 58,巨df=135, p<.001).. 以上,全体としてのきょうだい関係語知の発達的変化をまとめると次のようになる。対 立関係スコアは,年齢の上昇とともに増加し,この対立関係スコアの影響を受けて,よこ 関係スコア, interactionスコアも年齢とともに増加する。よこ調和スコアは小3の良階で 一時的に減少の傾向があり,また,専制関係スコアほ小6の段階で増大してくるoよこ関 係スコアが年齢の上昇とともに変化し,増大してくるのに対して,たて関係スコアにほ年 齢による変化は見られなかった。 (3)きょうだい関係認知の男女差および男女別きょうだい関係認知の発達的変化についで Fig. Table. 3は,. 2に示される男女別きょうだい関係認知の平均についてである。. [夏至]. 女 interactionスコア. interactionスコア. 「「. 対 立. よこ関係. たて関係. よこ関係. 「. 「 「. よ詞た詞 こ和で和. 子. 専 利. 分 醍. 「. 対 立 70. たて関係 「 「. よ調た調 こ和て和. 1). 幼児. 小3. 小6. Fig3.きょうだい関係語知スコア(男女別). 専 制. 分 離 70.

(8) 福田. 150. Table. 明. 孝子・依田. 3■ほ,幼児におけるきょうだい関係認知スコア平均の男女差についてt検定した. 結果である。幼児においては,いずれのきょうだい関係認知スコアについても有意な男女 差ほ見られなかった。 Table. Table. 4ほ,小学校3年におけるきょうだい関係認. 知スコア平均の男女差についてt検定した結果であ. 3.幼児における男女差の t検定 df. る。小3においてほ,よこ調和スコア,よこ関係スコ ア,. interactionスコアについては,有意に女子の方が. 対立スコア たて調和スコア. コア,たて関係スコアについてほ,有意な男女差は見. 専制スコア. られなかった。 Table. 83. よこ調和スコア. 高かった。対立関係スコア,たて調和スコア,専制ス. 5は,小学校6年におけるきょうだい関係認. 知スコア平均の男女差についてt検定した結果であ. 1.27. 84. -0.79. 84. -0.18. 84. よこ関係スコテ. 841. たて関係スコア. 84. interactionスコア. t値. 83. 0.44 -0.32 0.19 -0+15. る。小6においても,小3と同様の結果で,よこ調和 Table. スコア,よこ関係スコア, interactionスコアについて は,女子の方が有意に高く,対立関係スコア,たて調 和スコア,専制スコア,たて関係スコアについては,. 4.小3における男女差の t検定. 対立スコア. 有意な男女差ほ見られなかった。 男子のきょうだい関係認知スコアについて 男子の対立関係スコアについて,年齢段階による分散 分析の結果,有意差が見られた(ど (2,100)-9.38,. -4.42***. 80. -0+48.. 専制スコア. 80. よこ関係スコア. 80. -3.33***. たて関係スコア. 80. -0.86. 80. -3.44***. -0.75.. ***p. <. 001. Table. 5.小6における男女差の t検定. 事dflt値. 関係スコアほ年齢の上昇とともに増加するといえる。. 対立スヲア. :男子のよこ調和スコアについて年齢段階による分散 分析の結果,有意な差が見られた(F(2,100)-2・73,. 46. -2. よこ調和ネコテ 46. df. たて調和スヲア よこ関係スコ'7. 46. たて開係スコア. 46. interactionスコア. *p<・05. 12*. ⊥0. 74. 専制ズ占車46. p<・05)また, 男子より有意に高く(t-2・45,df-67・. -0.83. 46. p<.o5)。よこ調和スコアについて,幼児男子ほ小3. で一時減少する。. 0.12... よこ調和スコア. :. 占63,p<.05)・石つまり,男子よこ調和スコアほ,小3. 80. たて調和スコア. tニー4.32,df-35,p<・001) p<.o1幼児男子-小6 小3と小6の間に有意な差はないながら,男子の対立. 小6男子ほ小3男子より有意に高い(tニー2・33,. t値. 80. interactionスコア. p<.001)ので,年齢段階間の差のt検定を行ったとこ ろ,幼児男子は小3男子および小6男子よりも有意に df=63, 低かった。 (幼児男子-小3男子: tニー3.26,. df. 46. 0. 95 -2.. 34**. 0. 35 -2.. 06*. **<・01. 男子のたて調和スコアには,年齢段階による有意差は見られなかった。 男子の専制関係スコアについて年齢段階による分散分析の結果,有意な差がみられ.た (F(2,100)-3.17,. p<.05).小6男子ほ,幼児男子および小3男手よりも専制関係スコア. が高くなる傾向が見られた。.

(9) 151. ふたりきょうだいにおけるきょうだい関係(2). 男子よこ関係スコアについて,年齢段階による分析の結果,有意差が見られた(ど(2,100) -100)-5.61,. p<.01)ので年齢段階間のt検定を行ったところ,幼児男子と小3男子と. の間に有意な差ほ見られないが,小6男子は,■幼児男子および小3男子よりも有意に高かっ. た(幼児男子一小6男子:tニー2.84,. df-61,. p<.01小3男子一小6男子:t--2・79,. df-40,. p<.01)。つまり男子よこ関係スコアほ,小6の段階で明確な増大が見られる。 男子たて関係スコアに,年齢段階による有意差は見られなかった。 男子interactionスコアについて,年齢段階による分散分析の結果,有意差が見られた. (F (2,100)=6.32,. p<.01)。幼児男子と小3男子との問に有意差は見られないが,小6 男子ほ,幼児男子および小3男子より有意にinteractionそコアが高かった(幼児男子一 tニー2.73, tニー3.32, 小6男子: df-61,p<.01小3男子一小6男子: df=63,p<.001). 女子のきょうだい関係認知スコアについて 女子の対立関係スコアについて,\年齢段階による分散分析の結果,有意差が見られた (ど (2, 110)-25.12,. p<.001)ので,年齢段階間差についてのt検定を行ったところ, 女子の対立関係スコアほ,年齢の上昇とともに有意に増加する(幼児女子一小3女子: t--4.77,. df-50,. t--2.47,. df-63,. p<.05). 女子のよこ調和スコア,たて調和スコア,専制関係スコア,たて関係スコアについて p<.001小3女子一小6女子:. ほ,年齢段階による有意差ほ見られなかった。 女子のよこ関係スコアおよびinteractoinスコアは,対立関係スコアの効果によって,. 年齢とともに有意に増加する。 p以上,きょうだい関係認知の男女差についてまとめると次のようになる. きょうだ山関係認知の男女差は,幼児においてほ,いずれの分類スコ,:ァについても見ら. れないが,小学校3年生および小学校6年生においては,よこ調和ス占ア,よこ関係スコ ア,. interactiohスコアについて,女子中方が高い方向で有意な男女差が見られた。つまり,. 幼児の段階では,性差ほ明らかではないが,小学校3年以降の段階において,女子のよこ 調和スコア(よこ関係スコア)が男子より高くなり,性差が見られるようになってくる。 /. 次に男女別のきょうだい関係認知の発達的変化についてまとめると次のようになる。 interactionスコアが,年齢の上昇 女子については,対立関係スコア,よこ関係スコア,. とともに有意に増大し,よこ調和ス・コア,たて調和スコア,専制関係スコア,たて関係ス コアには,年齢による変化はない. これに対して,男子のきょうだい関係語知の発達的変化ほやや複稚であると言える。す なわ、ち,対立関係スコアが年齢の上昇とともに有意に増大し,また,たて調和スコア, て関係スコアに年齢による変化がないのは女子と同様である。ところが,よこ調和スコア は,小3で一時有意に減少し,小6で再び増大する。専制スコアほ有意でないながら,小 6で増大の傾向が見られる。よこ関係スコアとinteractionは,小6の時点で有意な増大 を示す。. つまり,女子のきょうだい関係認知の発達的変化が,年齢と並行しながら比較的単純で. -た.

(10) 152. 福田. 明. 孝子・依田. あるといえるのに対して,男子ほ女子に比戟して複雑な様相を示している。男子のきょう だい関係認知が,小学校6年にかけて急激な変化を見せるのは興味深いことである。女千 に対する就からの発達期待が比戟的変化しないものであるのに対して,男子に対する親の 期待は年齢の上昇とともに,より複軌こ大きく変化してくるものと考えられる。こうした 親の期待の変化を反映している側面もあるであろう。また思春期・第2反抗期の中での, 家族関係,対人関係など様々な葛藤がきょうだい関係認知の発達にも大きく影響している と考えられる。. (4)きょうだい関係認知の出生順位差および出生順位別のきょうだい関係認知の発達的変 化につい七 Fig. 4ほ,. Table. 2に示される長子次子別のきょうだい関係認知の平均についてまとめ. たものである。. 巨ニヨ. 次. interactionスコア. 子. interactionスコア rT. よこ関係 「「. 対 立. たて関係. よこ関係. 「「. よ調た詞 こ和て和. 「. 専. 分 級. 利. 「. たて関係 [. 対. よ調た詞. 立. こ和て和. 専 利. 分. 級. 700. 幼児. +、3. 小6. Fig. Table6,Table. 4・きょうだい関係認知スコア(長子次子別). 7, Tabler. 8は,それぞれ,幼児,小3,小6における,長子と次子の. 差について,. t検定した鈷果である。 幼児において,たて調和スコアは,長子の方が次子より有意に高い。また次子の専制関. 係スコアほ,長子よりも高い傾向があるが,その他のスコアについては有意差は見られな い。. 小3および小6においてほ,いずれのスコアについても長子と次子の間に有意な差は見. 70.

(11) 153. ふたりきょうだいにおけるきょうだい関係(2) られなかった。 Table. 長子のきょうだい関係認知スコアについて. 長子のよこ調和スコア,専制関係スコア,たて関係. dft値. スコアには,年齢による差は見られなかった。 長子の対立関係スコアは,年齢段階による分散分析 の結果,有意差が見られ(F(2,93)-15.29, p<.001), : 年齢の上昇とともに有意に増加する(幼児一小3 df-59,. t--3.71, df-65,. :. p<.001小3-小6. p<.05)0. 84. 0.13. よこ調和スコア. 84. 0.83. たて調和スコア. 84. 3.27***. 専制スコア. 79. よこ関係スコア. 由. 0.85. たて関係スコア. 84. 1.22. 84. 1.02. interactionスコア. df=47,. p<.05)し,その後,小3 から小6にかけて増加の傾向がある。. 一小3:t-2.53,. 対立スコア. t--2.59,. 長子のたて調和スコアほ,小3で有意に減少(幼児. 6.幼児における長子と 次子の差のt検定. ***p<.001. 十P<.1 Table. 長子のよこ関係スコアについては,幼児と小6 (tニー3.48, df-53, (t-3.22, p<.01),小3と小6. 7.小3における長子と. 次子の差のt検定. ldfl t値. df-65,. p<.05)との間に有意な差が見られ,よこ関 係スコアは小6の時点で有意に増大するといえる。. 対立スコア. 長子のinteractionスコアは,小6の時点で有意に 増大する(小3一小6. :. df-65,. t=-3.40,. p<.001)0. 次子のきょうだい関係認知スコアについて. 次子よこ調和スコア,たて調和スコアにほ年齢によ. -1.97+. 80. よこ調和スコア. 80. たて調和スコア. 74. 0. 09 20. -0.. 0. 19. 専制スコア. 72. よこ関係スコア. 80. 0. 06. たて関係スコア. 80. -0. 67. 80. -0.. interactionスコア. 88. -0.. 28. る差は見られなかった。. 次子の対立関係スコアは,年齢の上昇とともに増大 する(幼児一小3:tニー4.25,. df-55,. Table. p<.001小3. df-68,. tニー1.58, n.S.) -小6 次子の専制関係スコアは。小6の段階で有意に増大 :. する(小3-小6. :tニー2.13,. 対立スコア. df-37,. p<.05) 次子のよこ関係スコアほ,年齢の上昇とともに増大. する(幼児一小3:tニー1.93,df-95,p<.10 小6. :. tニー3.16,. 小3-. df-46,. p<.01) 次子のたて関係スコアは,小6の段階で有意に増大. する(小3一小6. 8.小6における長子と 次子の差のt検定. :tニー2.61,. dfl. t値. 53. 1. 12. よこ調和スコア. 53. -0.. たて調和スコア. 53. -0.. -2.20. 39 28. 専制スコア. 37. よこ関係スコア. 53. たて関係スコア. 53. -1.91. 53. -0. 31. interactionスコア. df-38,. 0. 43. p<0.5)0 次子のinteractionスコアほ,年齢の上昇とともに増大し,小6で有意な増大が見られ df-96, 小3一小6 tニー3.63, df-68,pく.001) る(幼児一小3 : tニー1.89, p<.10 :. 以上,きょうだい関係認知の出生順位による差をまとめると次のようになる0 幼児期において,たて調和スコアほ,長子ほ次子より有意に多く,専制スコアについて.

(12) 福田. 154. 孝子・依田. 明. 次子ほ多い傾向が見られた。その他のスコアについては有意な差ほ見られなかった。ま た,小学校3年,. 6年においてほ,いずれのスコアについても長子と次子の間に有意な差. は見られなかった。. 出生順位別のきょうだい関係認知の発達的変化をまとめると次のようになる。 長子・次子いずれにおいても,対立関係スコア,よこ関係スコア,. interactionスコアは. 年齢とともに増大し,よこ調和スコアは年齢による変化は見られなかった。 長子のたて調和スコアほ,小3で減少し,小6で増大してくるのに対して,次子のたて. 調和スコアは年齢による変化は無い。一方,専制スコアおよび,たて関係スコアほ,長子 は変化しないが,次子は小6で増大してる。. つまり,対立関係スコア,よこ調和スコアといった"よこ”の関係を反映するスコアに ついては,長子と次子の間に差ほ見られないのに対して,たて調和スコア,専制関係スコ ア,といった≠たて”の関係を反映するスコアには,きょうだい関係認知の発達的変化に, 長子と次子の間に差が見られたのである。また,その差は幼児期でほなく,いずれも小学. 校6年の時期あたりで生じている。 (5)ま. と. め. きょうだい関係は,決して固定的なものではなく,年齢段階を追って変化していくと考 えられる。年齢の上昇とともに,きょうだい間のさまざまな葛藤の中で複雑な相互作用を 持つようになる。 本調査結果から,きょうだい関係認知の発達的変化にほ,男女差および出生順位による. 差が認められることが明らかにされた。女子ほきょうだい関係認知の発達的変化が,年齢 と並行しながら比較的単純であるといえる。これに対して,男子は女子に比べるとやや複 雑な様相を呈し,小学校6年にかけての段階で,女子にほ見られない複雑で急激な変化が みられる。. また,、対立関係スコア,よこ調和スコア,よこ関係スコアといった"よこ”の関係を反 映するスコアについてほ,長子と次子の間に差ほ見られないのに対して,たて調和スコア, 専制関係スコアといった"たて”の関係を反映させるスコアには,きょうだい関係認知の. 発達的変化に長子と次子の差が現れてきている。こういった点ほ,興味深いといえる。 年齢の上昇とともに,子どもほ様々な経験をし,他者とのかかわりあいの中で自分の世 界を広げる。きょうだいとの関係が年齢の上昇とともに,量的に増すというよりほむし ら,質的に複雑さを増し,また,深い意味を持ってくるということが,本調査結果からう かがえる.こうした複稚な人間関係のトレーニソグを通して,人間関係のひろがりと深さ を学び,身につけていくことになるのである。つまり,良好なきょうだい関係とは,単に 調和的な関係ばかりが多い平穏な関係でほなく,対立,専制を含めてのinteractionの複 雑さ多さに関係しているであろうと考えられるo. こういった点を検証するた捌こは,きょ うだい関係のあり方とより一般的な人間関係のあり方との関連性が検討されなければなら. ないであろう。.

(13)

Table 2.きょうだい関係認知スコアの平均 N 対 立 よこ 調和 たて 調和 専 制 分 離 よこ 関係 たて 関係 inteI・ ‑action 17. 隻 A % (8.2.a7.a12.A2.(5.62488853幼児全体小3全体小6全体幼児男子 書g)I (3.3.2.a3.a3.(2

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