The malacological society of Japan
NII-Electronic Library Service 小島:ア ラ レ タ マ キ ビ の 産 卵
229
capsuta , Pub1.
Seto
.M
ar . Biol. L ab .,
3
:55− 56
.
Lebour
M
・
v
・ 1937. The eg9 and larvae of the Britishprosobranchs
.Jour
・M
ar ・BioL
Assoc.
U
, K ., 20 :373
−
378
.
W inckworth
, (2
・ 1922・ Nomenclature of British Littorinidae・ Proc. M alac ・ Soc・London ,
15
: 95−−96
. ア ラ レ タ マ キ ビ の産
卵
に
つ い て の 一観
察
小 島 芳 男 東北 大学 臨 海 実験所 (青森県浅 虫 )A
nO
bservation
onthe
Spaw
ning of 〈N
odilitten’
na
granulan
’
s
(
G
ray)
Y
oshioK
()JIM
A
M arine B 五〇logical
Station
of Asamushi , Aomori Prefecture(挿図 Text − figs
.
1
−
2
)
波 部 は
1956
年7
月に 京 都 大 学 瀬 戸 臨 海 実 験 所 附 近 で ア ラ レ タ マ キ ビNOcli
−littoriu
αgra
Tiulαris(
G
ray)
の 産 卵 に つ い て 観 察 し, 上 面 に 稜 の あ る ド ラ ム 型 の卵嚢 を 有 す る 浮游 性卵 を産 む こ とを報 告 した . 筆 者 は
本
種 に つ い て 産 卵 と集合
との 関 係 を 観 察 し た の で こ こ に 報 告 す る . 観 察1
. 産 卵1956
年8
月 に 東北大 学臨 海 実験所構 内沿 岸 防 波 堤 壁 に 棲 息 す る ア ラ レ タ マ キ ビ の 産卵 を 見 る た め , 防波 堤 壁 に2
区劃A
(
高 潮線上 方0
〜70cm
)
,B
(高 潮線 上 方120
〜140cm
)
を 定 め , 各 区 よ り採 集 した 個体 を 附 着 して い る他 物 を 除去 す る た め に 淡 水 で よ く洗 滌 し, 約30c
.c 容量 の 硝子 瓶 に 約10
c .c . の 海 水 を 入 れ て そ の 中 に 材 料 を 入 れ , 約1
時 間毎 に そ の 海 水 を 調 べ た . 防波堤 壁 は西 に面
し南北約64m
,高
さ約4m
, 傾 斜約75
度 の 安 山岩 造 りで , 高潮
時
に は 防 波堤 の 基 底 は 海 水 に 浸 る. こ の 防波堤壁 に は ア ラ レ タ マ キ ビ の 他 に タ マ キ ビLt
’ ttOrivugαbrem
’ atl α(
Philippi
)
が 棲 息 し, 冬 季 タ マ キ ビ が 繁殖 に 関連 して 海水The malacological society of Japan
NII-Electronic Library Service
230
貝 類 学 雑 誌 19 (3・ 4)1957 中 に 移 動 す る期 間 (小 島 :1957
, a ,b
) を 除 い て は , こ れ ら2
種 の タ マ キ ビ 類 は 混 在 して い る 部 分 が 多 い が , 防波堤 の ほ ぼ 中央部 に は 巾約5m
に 亘 っ て ア ラ レ タ マ キ ビ だ けが 棲 息 して い る部 分 が あ る の で , 本 観 察 は こ の 区 域 を 選 定 し て 行 っ た .1956
年8
月28
日 ,31
日 お よ び9
月1
日 にB
区 よ り採集 した 個体 は全 く産
卵 しな か っ た , 又 こ れ らの 個 体の 卵 巣 に は成
熟 卵 は全 く見 られ な か っ た .8
月29
日 午 後3
時頃 にA
区 よ り…採集 した20
個 体 は ,29
日 の 夜 に は 多i
数の 波 部 (1956
) の 記 載 と 同様 の 浮游 性卵 を 産 ん だ の を 見 た . こ の 防 波堤 壁 の 夏季 の ア ラ レ タ マ キ ビ の 分 布 は 次 に 述 べ る よ うに 冬 季 に 比 して 巾が 広 く , 今 回 の 観 察 か ら産 卵す る個 体 は 低 い 層 即 ち海水面 に 近 い 層 に 分 布 し高 い 層 に は 見 られ な い . 夏季 の 分 布 の 拡 大 は 繁 殖 に 関連 が あ る よ うに 思 わ れ る .2
. 集 合東 北大 学臨 海 実験 所 構 内沿 岸 防波 堤 壁 に 擾 息す る ア ラ レ タ マ キ ビ
b
’ ttOrivagα 認ZZ
(18r
α砌(
Philippi
)に つ い て 阿部 (1935
)は 一 年 を 通 じて 移 動 が 見 られ な い こ と を報 告 して い る . 筆者 は1956
年8
月 の 繁 殖 季 と1957
年2
月 の2
回 に 亘 り, 産 卵 を 観 察 した 区 域 の 約15m
南 に あ る ア ラ レ タ マ キ ビ の み 棲息 す るM
3m
の 区 域 を 選 定 して , 高 潮 時 に 防 波堤基 部 を 基 準 と して そ の 上 方 に35
×35cm
の 方形 区 を 連 続 して 並 べ て7
区 を定 め , 各 区 は 更 に 水 平 に5
等 区 分 し, 各 区 内 の 棲息 個 体 数 を 数 え た . そ の 結 果 は , 夏季 と冬 季 に お け る ア ラ レ タ マ キ ビ の 棲 息帯
に相
違 が 見 られ る(
Text
−fig
.1
)
. 即 ち夏季 は 高 潮線 附近St
.2
か らSt
.7
7 6 5 4 口 o 喟 崙 あ3
2. し _ _ _ _ _ _ 一 _ .一一一 一
H
.W
L .1
− − rr − 一一 一 「一 ’一 一 ’ 一 ’ 1− ・一 一 ’ 「 一 「 一 一 一 rr − 一 「一 一 一 一 「 一 一 r−一 r70
5030
10
0
1030
5070
Number of individuals個 体 数
H
. W .L
. = ・ High waterline
高 潮線Text
−fig
・ 1・ 夏季 と冬季 に お け る ア ラ レ タ マ キ ビ の 分 布状 態 を示 す .
1
〜7
は観察区The malacological society of Japan
NII-Electronic Library Service
小 島: ア ラ レ タ マ キ ビ の 産 卵 281 ま で の 範
囲
に 分布 して い る が , 冬 季 に はSt
.3
の 上 部 か らSt
.7
ま で に 縮少 し て お り・ 高 潮線 附近 に は 分 布 しな い . 棲 息 個 体 数 は 夏季 に 比 べ る と冬 季 で は 著 し く減 少 す る が , そ の 理 由は ま だ 明 らか で な い .タ マ キ ビ
Le
’ttOri
breviculav
α9
α(
Philippi
)
が 集合
の 性質 を 有 す る こ とは 阿部(
1935
)
・ 元 村(
1952
)
な ど に よ っ て 知 られ て お り , ア ラ レ タ マギ
ビ も集 合 の 性 質 を も っ て い る (阿部1935
). 筆 者 は ア ラ レ タ マ キ ビ の 集 合 に つ い て , 夏 季 お よ び 冬季 の 比 較 を ・ 高 潮線 を基 準 に して35
×35cm
の 方形 区 を 連続 して と り , こ れ らの 方 形 区 を そ れ ぞ れ100
等 区 分 し , 各小 区 分 内 の 棲息 個体 数 を 数 え , 各方形 区 毎 に 集 合 率 を元 村(
1952
)
の 式 に よ り求 め た . そ の 結 果 はText
−fig
.2
10.0
q9
驚 ねの o 為 ねo 鷯 0 翫 如 08
邸10
.0
5.0
1 2 3 4 5 67
1 23
4 56
7Station
Station
Text一 丘 9・ 2・ 夏季 と冬季 に お け る ア ラ レ タ マ キ ビ の 集合 率 の 差 を 示 す. 1〜 7前 図 と同 じ. に 示 す よ うに , 夏季 に 比 べ て 冬季 に は 著 しい 集 合 が 見 られ た . 即 ち夏季 の 繁 殖季 に は 高潮線附 近
St
.1
と そ の 上 方St
.3
〜6
に 集 合が 見 られ る が , 冬季 に は 高潮線 附 近 に は 集 合 が 見 られ ずSt
.3
〜6
に 集 合 が 見 られ る . 夏 季 お よ び 冬 季 を 通 じてSt
・4
〜6
(高 潮線 上 方1
〜2m
の 範 囲) に 集合 が 見 られ る . 夏 季 は 高 潮線 附近 に 大 き な 個 体 の 集 合 が 見 られ , 上 方 に は 小 さ な 個 体 の 集 合が 見 ら れ る ・ ま た冬季
に は上 方 に の み集合
して い る が 大小
の 個体
が 混在
して い る のThe malacological society of Japan
NII-Electronic Library Service
232 貝 類 学 雑 誌 19 (3・4)1957 が 見 られ た . こ の 観 察 か ら, ア ラ レ タ マ キ ビ は 高潮線上 方 約
1
〜2m
附近 に 主 棲 息 帯 を もつ と考 え られ , 繁 殖季 を含む 夏季 に は 高潮線 の 水面近 くに 移 動 し, 秋 季 に は 再 び こ の 主 棲 息 帯 に 戻 る こ とが 推 察 さ れ た .黒
田(
1947
−1955
)
は , ア ラ レ タ マ キ ビ が 高潮線 上 方遥 か に 高 い 処 で 僅 か に 波 浪の 飛 沫 の 達 す る 附近 に 棲息 す る こ とを 記載 して い るが ,今
回 の 筆者
の 観 察 で は 黒 田 の 棲 息帯 は 主棲 息 帯 で , 夏季 の 繁 殖季 に は こ の 主 棲 息 帯 か ら海 水 面 附近 に 移 動 して い る の が 見 られ た . こ れ らの こ とか ら, ア ラ レ タ マ キ ビ に は タ マ キ ビ に 見 る ご と く四 季 に よ る移 動が あ り, 夏 季 の 移 動 は 繁殖 と密 接 な 関連 が あ る よ うに 考 え られ , ま た 福 田(
1951
)
の 潮 汐週 期 移動 の 現 象は 上 述 の 夏 季 の 移 動 に よ り起 る こ とが 考 え られ る. こ れ らに 関 して は 今後 詳細 な観 察 を 行 い た い .要
約ア ラ レ タ マ キ ビ
NOclilir
m ’ nagranularis
(
G
ray)
は , 青森 県浅 虫 に お い て は8
月下 旬浮游 性 の 卵 を産 む こ とを観 察 した .ア ラ レ タ マ キ ビ は 冬 季 は 高 潮線 附 近 を 離 れ て 上 部 に 集 合 す る 傾 向が 見 ら れ る が , 夏 季 は 高 潮 線 附 近 ま で 分 布 が 拡 大 し個 体 数 も増大 す る傾 向が 見 られ た . 夏季 の 分 布 の 拡 大 は 繁 殖 に 関係 が あ る もの と思 わ れ る .
本研 究 に 際 して は , 東 北 大学臨 海 実 験 所 長 平 井 越 郎博士 の 終 始 御 懇 篤 な る 御 指 導 を 賜 り, ま た 東北大 学教 授元 村 勲 博士 に は 貴 重 な る御 助 言 を 賜 っ た の で , こ こ に 深 く感 謝 の 意 を 表 す る . 文 献
阿部 襄 1935. The colony of
Littorina
:Littorivaga
brevicula
(PhilipPi)・ Sci・ Rep ・ TohokuImp , Univ . BioL,
9
:279
− 296 。 波部 忠 重 1956. 日本産 タ マ キ ビ類 の 浮 游 性卵 嚢 . ヴ ヰ ナ ス ,
19
: 117 − 12L 福 田英 夫 1951. ア ラ レ タ マ キ ビ の 移動 と潮位 . 生 理 生 態 , 4 : 28 − 37 ・小 島芳 男 1957a. On the breeding of a periwinkle, Littorivaga brevicula(Phi lipPi)・ Bull・
M ar . Bio1.
Sta
. Asamushi ,9
: 59−