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「失われた時を求めて」における象徴としての眼鏡

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Academic year: 2021

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(1)57. 『失われた時を求 めて』 における象徴 としての眼鏡 田. 前. 美. 樹. は,わ れわれが社交人の性格 を視覚的 にとらえること め. ク﹂. は. を可能 にして くれるだけでな く,世 の中の変化 をも映 し出 してい るようだ。それぞれの レンズは彼 らにとっ. マルセル・プルース ト (Marcel Proust)の 『失 われ た時を求 めて』A. 1)は. て,ま たプルース トにとって, どのような装置 であ っ. ″θ んι κんιグ た ρs ρι だ夕 ,19 “ “ ・エ ポ ッ ベ 20世 ル して 世紀末 ,そ 紀初頭 にか けての. たのか。. クか ら第一次世界大戦終了直後 までの社交界 を生 きる 人び との人 間模様 をさまざまな姿 で描 い た作 品 で あ. で あ る 『見 出 され た 時』Lθ ル叩 rι ″ ソ どにお い ““ て,交 錯す るそれぞれの要素が どのような糸 を紡 ぎだ. る。 この作品 に描かれた時代 は,産 業革命以来続 く産. す のか を検討する ことにす る。. Jα. さらに『失 われた時 を求 めて』 とい う作品の最終部. 業 の発展 によるさまざまな技術革新 によ り莫大な資金 を手 に入れ,生 活 に余裕 が出た人びとの間では,鉄 道. I.『 失われた時 を求めて』 と眼鏡. などの交通手段 の発達 で可能になった国外旅行 (ベ ル ・エ ポ ック期 には鉄道 による各国 の美術館巡 りが流 行)を 楽 しみ,週 末 にはオペ ラを観賞 し,ジ ャーナ リ. 1.あ る種 の読 み方. ズムの発展 によりすでに定着 してい た新聞を通 して. にあてが う「眼鏡」 ない しレンズ を伴 った道具 には. 帝国主義 による植民地政策な どの国家間 レベルでの視 野 の拡大 をときにはカリカチ ュアを通 して目の当た り. 片眼鏡 mOnOcleを は じめ とし,鼻 眼鏡 lorgnon,柄 付 main,オ ペ ラグ ラ ス lorgnette,虫 眼鏡 き眼鏡 face_≧ ―. にし,写 真技術 の発達 などにより,貴 族 は画家 に肖像. VeFe grOSsissant,双 眼 鏡 jumelle,立 体 鏡. ,. 『失 われた時 を求めて』 の登場人物がそれぞれ の顔 ,. st6r6o―. 画 を描かせるのではな く,写 真 を盛んに撮 らせ るよう. scope,顕 微鏡 micrOscope,拡 大 レンズ une s。 貢e de veFe. になるなど,ま さに「視覚」 の時代 であ った。当時 の ヨーロ ッパ社交界では立体写真鏡 ,ス テレオス コープ. grossissant,の ぞ き 眼 鏡 vuc Optiquc,拡 大 鏡 vcre grossissant,万 華 鏡 ka16idoscope,望 遠 鏡 t61escopeな. が全盛 を迎 えてい た。語 り手 の友 人 のブ ロ ックの父. ど,様 々な種類 の眼鏡が登場す る。 これ らの レンズは. が,語 り手 やサ ン=ル ー に大金 を払 って手 に入れた立. われわれ読者 に強い印象 を残す。. 体鏡 を見せて,自 分 の息子 に手柄 をたてさせ ようとす るシー ンはそれを証明す る場面2)で ぁる。その他 に も. まず,『 見出 された時』 に登場す る以 下 の箇所 に注 目しよう。. 作 中に登場す るさまざまな道具の登場 をみれば,プ ル ース トが「視覚 の時代」 としての世 の 中の流れを意識. 一人 ひと りの読者 は本 を読 んでい るときに,自 分. し,作 品を制作 したことが明 らかである。. 自身 の読者 なのだ。作 品 は,そ れが なければ見 え. そ こで注 目す るのは,プ ルース トが作 中 で描 い た. なか った読者 自身 の 内部 の もの をはっ き りと識別. 「視覚 の時代」 の到来 に生 きた社交界人 たちのそれぞ. させ るため に,作 者 が 読者 に提供 す る一 種 の 光学. れの「視点」 である。 さらに,そ の視点 をもっと小 さ. ・]こ うして,書 物が曇 った 器械にす ぎない。 ・. な単位 でみてみ る と,あ る「象徴」 として描 かれ た 「眼鏡」lunettesの 存在が浮 かび上がって くる。ある者. レンズ しか差 し出 して くれない ように,こ れでは. [・. 本が読 めない とい うことも起 こ りうるだろ う。 だ. は,「 片 眼 鏡」 mOnOcl♂ を,あ る もの は 「鼻 眼 鏡」. が これ とは違 った特殊性. lorgnonを ,ま たあるものは「柄 つ き眼鏡」face― )― main. が正確 に理解す るために,あ る種 の読 み方が必要. をかけてい る。それ らの眼鏡 は,彼 らの目を覆 ってい. ・]「 自分で見てごらん。 こ になることもある。 ・ のレンズの方がよく見えるだろうか。それともこ. る。 まるで武装 してい るかの ようだ。ぞれぞれの眼鏡. [・. [… ]の. 場合 には,読 者.

(2) 甲南女子大学大学 院論 集 第 2号. 文学 ・文化研究編 (2004年 3月. ). 紀 は じめ には ,社 交 界 で は フ ラ ンス 製 ロ ル ニ ェ ッ ト. ちらのレンズかな。あちらのかな」 と。 41. lorgnetteな い しは小型 のスパ イ眼鏡 が 大流行 した。重. この箇所 の傍線部 に特 に注 目 したいので あ るが,「 読 者が正確 に理解す る」 ために「ある種 の読み方」 が必. い把手 の付 い た複 玉眼鏡 の 時代 が過 ぎ去 る と,小 型化 され形 も変 わ り,つ い に女 性 用 の 柄付 き眼鏡 face_江 ―. 要である, とい うように,読 者が 自分 自身の顔 に「レ. m五 nが 登場 す る。 この 柄付 き眼鏡 は,眼 鏡 はか け な. ンズ」 をあて,自 分 自身 の レンズで 「 よ く見 て ご ら. い が ,場 合 に よつては つ き りもの を見 る必 要 の あ るお. ん」 とプルース トは読者 に促す。 また「それ は私 か ら 見 た事件, レンズのこちら側 か ら見 た事件, とい う意. 洒落 な女性 たちの間で人気 を得 て い た。社交界 の 人 び. 味 で,そ の レンズは決 して透明で はない し,レ ンズの 反対側 にある真実がなんなのか,私 には分か らないの. に至 った。世紀末 になって も柄付 き眼鏡 は人気 を保 っ. とが それ を使 う ようになって ,や が て一般 に流行す る た。 そ して片眼鏡 mOnOcleは 19世 紀 の イギ リスで 生. 5と だが」 表現 して い る よ うに,こ の作 品 にでて くる 「レンズ」 の表現 には 「言 売者 としての レンズ」 または. まれ た。そ れ は 当初舞 台 で 初 め て使 わ れ た もの で あ. 「レンズの こちら側」そ して「レンズの反対側」 とい. うにな り,そ れが フラ ンスの上流 階級 に広 まった。最. うように常 にその「 レンズ」 には一通 りではない「複. 初 この片眼鏡 は明 らか に視力矯 正用 として使 われて い. 数 の視点」が存在す ることをわれわれに連想 させる。. たが ,後 になる と,単 に貴族 階級 の真似 を して ,流 行. り,次 第 に イギ リスの貴族 階級 の 人 び とに使 われ る よ. 品 として掛け られるようになった。元来老人が使 うも のだったが,後 になると,流 行 にならう若者 たちに掛. 2.眼 鏡 の歴史 ヨーロッパ にお いて眼鏡 は 13世 紀初頭 にイタリア. け られるようにな った。そ して次 に 19世 紀 には鼻眼. 最初 の眼鏡 は把手 の. 鏡 lorgnonも あ らわれ,多 数 の鼻眼鏡 が発明 された。. 付 い た枠 にはめ られた単玉 レンズで あ った ようであ る。把手が二つ付 くようになったのは もっと後 のこと. 19世 紀後半 になる と男女 ともこれ を掛 けるようにな った。 この よ う に 18世 紀 ,19世 紀 の ヨー ロ ッパ で. である。中世 になると眼鏡は肖像画 に登場するように なる。 しか し当時の眼鏡が,実 際 に人びとによつて使. は,眼 鏡 は博学 のシンボルとい うよ り,実 用性 をこえ た流行 があった。以上が ヨーロ ッパ における眼鏡 のお. 用 されていたとい うことを裏付 けるものは何 もな く. お まかな歴史である. む しろ 「尊敬 の しる しとして肖像画に付け加 えられた. 史 と流行 は,13世 紀 か ら密接 に関わ つて きた と言 う ことがで きるだろう。そ して この作品 において も,社. 6。. で発明 されたといわれている. ,. 7。. この ように社交界 と眼鏡 の歴. もの」 であ り,そ うした慣習 はそののち数世紀 にわた って行 なわれた。おそ らくこのころの眼鏡 とい うもの. 交人たちはその流行 と実用 に応 じてそれぞれの眼鏡 を. は,「 学問」 とか,「 読 む能力」 とか,ま た当時 の「実. けてい る。 推卜. 力者」 ない しは「重要人物」 を表 わす道具 であ ったよ Ⅱ.社 交 人 と眼 鏡. うである。16世 紀 になると眼鏡は発展 し普及 した。17 世紀 のご く初期 には,眼 鏡 はまだ高価 なもので,学 問 けた ところか ら,や がてそ をしてい る人間が これ を推卜. 1。. スワ ンと片日 艮鏡. れが一種 のステー タス 0シ ンボル となる。やがて眼鏡. 『失 われた時 を求めて』 にお いて最初 に片眼鏡 を掛. を買 うだけの経済的余裕 のある人びとの手 にわたる よ. けて登場す るのが,話 し手 の人生 に多大 な影響 を与 え た人物 シャルル ・ス ワンである。 ス ワンはユ ダヤ人の. うにな り,そ うい うことか ら眼鏡 は,「 あ る社会的地 位」 とい うものを象徴 するようになった。 ところが安. 両替商 の虐、 子 であ り,上 流階級 の人 びとと付 き合 って. い眼鏡が急激 に使 われるようになつて くる と,世 の金. い る。 ス ワ ンは上 品 で芸術 に造詣が深 く,彼 の癖 は. 持 ちや社交界の人 びとはこれまで よリー層高価 な材料. 「生 きた人間 と美術館 の 肖像画 の類似 を求める」 こと. や洗練 された技巧 を求めるようにな る。 18世 紀 にな ると,眼 鏡発展史上著 しい数 々の進歩が見 られ, さま. である。若 い頃のスワンは数 々の女性 を手玉にとるほ どの洒落男であ った。彼 は女性 に対する好みにも「生. ざまな眼鏡が発明 された。社交界 の人びとはきそって. きた人間と美術館 の 肖像画の類似」 を求 める。そ して. 社交界 で 眼鏡 を掛 け る よ う になる。19世 紀 にな る と,装 飾 をほどこした高価なものをひたす ら追 い求 め. 彼 の恋人オデ ッ トはそんな彼 の趣味 にかなった女性で あ つた。. る とい う流行 は終 わ りを告 げ,少 な くとも男性 たち は,実 用的 な眼鏡 を掛 け るようになって くる。 19世. いつ もの癖 で,ス ワ ンはす ぐ生 きた人間 と美術館.

(3) 前田 美樹. :『. 失 われた時 を求 めて』 における象徴 としての眼鏡. 59. の 肖像画 の類似 を求 めた くなるのだが,そ の彼独. で ね,あ の 髪 ,あ の 片眼鏡 ,あ の 笑 い か た と きた. 特 の癖 は今 もなお,し か もいつ も以上 に休 み な. ら !」 H)と 人 にい わ しめた彼 の片眼鏡姿 は,恋 人 オデ. く,い っそう広 い範囲で働 いていた。つ ま り,彼. ッ トの 目にも,そ して他の社交人か らもシックに映っ. が社交界 か ら離脱 した今 になって,社 交生活全体. たようである。そ して 「片眼鏡 をはず し, レンズ を拭. が まるで一連 の7由 絵 のように彼 の 目の前 にあ らわ 帥 れたのである。. う」 ことが彼 の癖 であ った。 これ と同様 の言 い回 しは 次 に挙げるように数 力所出て くる。. この ようにスワ ンの 目に社交界 は「一連 の油絵」une. それか ら苦痛 が激 しくな って,彼 は手 を額 にや. suite de tableauxの ように写 っていたよ うで ある。そ. り,片 眼鏡 をはず し, レンズを拭 つた。 この とき. んなスワ ンの 目を覆 っている片眼鏡 は彼 にとって どん. もし彼 に 自分 の姿が見えたなら,お そらくまるで. なものであ ったのだろか。それを考 えるときに,ま ず. うるさい考 えを追 い払 うように と りはず して,曇 った表面 か らハ ンカチで苦労 の種 をぬ ぐい とろ う. 芸術 を愛す るもの としての独 自の視点 を持 つス ワ ン自 身が,片 眼鏡 を掛けて社交界 に出入 りしてい る 自分 の 友人 について考察 してい る箇所がある労。サ ン=ト ゥー. とした彼 自身 の片眼鏡 を,こ れ まで に観察 した 片眼鏡 の コ レクシ ョンに加えたことだろ う。. 12). ヴェル ト邸 の演奏室 でスワンは,片 眼鏡 を「心理探求 と容赦 ない分析 の唯一の道具」,と 形容 し,ま た片眼. この ように彼 は苦痛 を感 じると片眼鏡 をはず し,い っ. 鏡 は社交人たちの顔 の欠点 を調整 し恋 の手助け をする と考 え,ま た「水族館 のガ ラスの全体 を想 像 させ る」. 、 で レンズを拭 う。そ さいの考 えをも消 し去 りたい一′ 亡 して目が悪か ったスワンは鼻眼鏡 も使用 していた。片. とい う片眼鏡姿 によって,パ ドヴァのジ ョッ トの 『悪. 眼鏡同様 に鼻眼鏡 も拭 う。. 徳』 と『美徳』 の熱愛者 で あ るス ワ ンにまさにその 〈不正 の 図 〉を思 い起 こ させ た りす る。 プル ース ト. 彼 は消えてゆ く風景 を一瞥す るように,自 分が訣. は,芸 術 を愛す るもの としての独 自の「視″ 点」 を持 つ. 別 した この愛 をちらりと眺めてみたか った。 しか. ス ワ ンに,社 交界 を訪 れてい る人物 たちについて片眼. し,自 分 を二重 に分裂 させた り,失 って しまった. 鏡 とい う一つの道具か らさまざまなイメージを引 き起. 感情 の真 の姿 を自分 に再現 して見せた りするのは. こさせ ,そ して社交人 と片眼鏡 を結 び付 けて描写する ことによって,ス ヮンの属す る階級 をもわれわれに示. 至難 の業 だか ら,や がて頭 の なかは真 っ暗になっ. して くれる。そ して この部分 は「それぞれの人物 の視. 鼻眼鏡 を外す と,そ の レンズ を拭 う。. て,も う何 も見えず,彼 は眺めるのをあ きらめて B). 点 を眼鏡 を通 して分析す る」 とい うことが無謀 ではな いことを証明 して くれてい る重要な箇所 である。それ. 当初 ス ワ ンの片眼鏡姿 をシックであるとしきりに誉. では,ス ワ ン自身に とっての片眼鏡 はどのようなもの. めたオデ ッ トだったが,二 人の恋は長 くは続 かなかっ. であ ったのか具体的 に見 てゆ くことにする。. た。そ して次第にその恋 に苦 しみを覚 えるようになっ たスワンは,オ デ ッ トとの恋か ら発生す る苦痛 を感 じ. ス ワ ンは 目が少 し悪 く,家 で仕事 をするときには. たとき, きまって片眼鏡 ない し鼻眼鏡 をはず して レン. 眼鏡 をかけてい なければならなかった し,社 交界. ズ に付着 した何かを拭 い去 ろ うとす る。その行動 はま. に出るときは,あ ま りおか しくない片眼鏡 をかけ. るで,オ デ ッ トとの 日々 をともに「見て」 いた,ま た. なければな らなか った。オデ ッ トは,は じめて. 「写 し出 してい た」 レンズその ものか ら,記 憶 を消 し 去 ろ うとせんばか りであ る。次 に挙げるのが 『ソ ドム. 片眼鏡 をかけたスワンを見 た ときに, とび上がっ クよ !こ うや ってる と,あ なた,と て も素敵 だ. とゴモ ラ』Sθ グθ ι ι ′Gθ θr″ αにおい て描 かれる “ “ スワンが年老 いて死が近 いこ とを知 ってか ら訪 れた. わ !ほ んとのジェン トルマ ンみたい。ないのは肩. グルマ ン ト大公妃 の夜会 においてのスワ ンに関す る眼. て喜 んだ。「男 の人 の場合 ,こ れ,文 句 な くシ ッ. 書 だけね. !」. と彼女 は,い くぶん残念そうにつ け. ,. ,. 鏡関連 の最後 の一場面 である。. 加 えた。. 1°. その前 にス ワ ンは,い かにも通人 らしいみだ らな 彼 の眼 には常 に片眼鏡が掛 けられてい る。「 [… ]彼 は. 目を大 きく見開いて,母 親 の ドレスの胸 のあた り. 整 った美男子 とい うわけ じゃないが ,で も実にシック. を長 々 と見つめず にはい られなかった。彼 はよ く.

(4) 甲南女子大学大学院論集第 2号 見 える よ うに片眼鏡 まであてが った。そ して私 に 話 しかけなが ら, ときお りこの婦 人 の方 向 に視線 ‖ をむけるので あ った。 │. 文学 。文化研究編 (2004年 3月 2。. ). コ ター ル と鼻 眼鏡 同 ヴ ェルデ ュ ラ ン家 のサ ロ ンの常 連 コ ター ル で あ る. が ,彼 は著名 で 優秀 な臨床 医 で あ りなが らも くだ らな い駄 洒落 ばか りを とばす人物 として登 場す る。 そ の彼. か つ ては皆 が認 め るほ どの シ ックな社交 人であ つたス ワ ンが ,こ の場面 で はただの 老 い ぼれ た愚 か な色 ボケ 老人 になって しま った こ とを示 して い る。そ して この 片眼鏡 の描 写 の 直前 に彼 の変 わ り呆 てた 「顔」 の描写. )で は 「鼻眼鏡 ご しに視線 を滑 らせ て微笑 ん」口 ,ま た. 「鼻眼鏡 の下 か らいかがわ しい視線 をそ っと送 りなが ら」`│お 気 に入 りの冗談 をとば し,「 シャル リュス氏 の 横 に座 っていた コタールは,近 づ きになってな ごやか な空気 を作ろうと,鼻 眼鏡 ご しにじっと相手 を見つめ. が あ る。. なが らしき りに目をぱちぱちさtr」. 19)て. , シャル リュ. じの よい 顔 の なか に溶 け こん. ス氏 に同種族 の者 と勘違い される。 また「相手 を巻 き. で い た ス ワ ンの鼻 が ,今 で は [… ]年 とったヘ ブ ・]あ る ライ人の鼻 の よ う に見 え るの だ った。 ・. こ もうとする視線 は微笑 によつてます ますふ くれあが. [… ]長 い あ い だ 感. 種 の イス ラエ ル 人 は ,非 常 に洗練 された デ リケ ー. り,鼻 眼鏡 の レンズにはお さまりきらな くなって, レ 20と ンズか ら四方八方 にあふれ出て い た。 」 ぃ ぅ ょぅ. トな社交 人であ るに もかかわ らず ,そ の 楽屋裏 に. に,コ タールのお人好 しの視線は鼻眼鏡 の レンズか ら. [・. はみだ して しまうほ どである。下線部 の「鼻 眼鏡 ご 定 の 時期 になる と,ま るで 芝居 の なかで の ようti. し」hors de sOn lorgnonや「鼻眼鏡 の下」sous son 10rgnon または 「鼻眼鏡 の レンズにはお さまりきらない」n'6_. 舞台 に登場 して くる もので あ る。 スワ ンは ,こ の ・]こ う して そ の 預 言者 の 年齢 に達 して い た。 ・. taient plus contenus par le vere du lorgnonと. 顔 つ きはす っか り変 わって しま ったが ,私 はそれ. ズを通 した視線 の描写 からは,コ タールの持 つ行儀 の. 以上 に, どれほ どス ワ ンが 私 に とつて変 わ ったか とい う ことに胸 を打 たれた。 この 見事 な,教 養 の. 悪 い人間 としての視点 と,一 方ではノルポワに「胃拡 創)と 張 は彼 の鼻眼鏡 に映 ってい ますか ら」 言 われるよ. あ る人物 ,そ の彼 に会 うのは退屈 どころで なか つ. うに,有 能な医者 としての視点が鼻眼鏡 によって端的. たはず なの に,今 で は,ど う して 自分 がか つ て こ の ス ワ ンにあれほ どの神秘 を植 えつ ける こ とがで. に表現 されてい る。つ まり彼 の医学者 としての地位 を 象徴 する道具 として用 い られてい る鼻眼鏡 は,か つて. きた のか ,分 か らな くな ってい た。. は「博学 のシンボルであった」 とい う歴史上の事実 に. [・. 15. い うレン. よって裏付け られる。 この よ う に して ,彼 自身 の 顔 に は 「粗 野 な男」 が 現 れ ,す っか りと顔 つ きは変 わ り,そ して彼 の思想 そ の. 3.ヴ アカ ンスにて. もの も変化 し,そ の 変化 は残酷 に も レンズにはっ き り. 『花咲 く乙女 たちのかげに』 んι ι sル タ Sμ S AJ'θ brθ グ “ 4ル ′だ で描 かれるバルベ ックの場面では世紀末 の海 θ. と映 し出 され るのであ る。 以上が ス ワ ンに関 わる眼鏡 の 主 な描写 であ る。 これ らす べ ての描写 を検討 して み る と,ス ワ ンに とつて の. Jι. 水浴場 の風景 を知 ることがで きる。そ こでは 19世 紀 に流行 し,ま た世紀末 にも流行 したとい う「柄付 き眼. ンに とって実用性 の面 で切 って も切 れ ない 関係 であ っ. ― m」 nを 伴 う描写 が 多数登場 し,当 時 の柄 鏡」facc― ≧ 付 き眼鏡 の持 つ象徴的 な側面が描かれてい る。バルベ. たが ,そ れだけで な く,一 方 で は彼 の持 つ独 自の 「美. ックではヴァカ ンスに来 てい るご婦人が,同 様 にそ こ. 学」 とむす びつい てお り,も う一 方 で はシ ツクな社交. を訪れてい る社交人 を「柄 のついた眼鏡 を顔 にあてて. 人 で あ つたス ワ ンが 高級娼婦 オデ ッ トとの恋 で苦 しん. [… ]じ. だ ときに見 せ た 「恋 の受難者」 と して の一 面 を浮 か び. の柄 のついた鼻眼鏡 をさっそ くとり出す と,こ の奇妙. 上 が らせ る道具 で あ る と言 え る。 また時 を経 て 見 せ. ")と な婦人の 出現 に拡大 レンズを向け たことだろ う」 つ と い うように,そ こに訪 れる人びとをまじまじ 見 め. 片眼鏡 な い し鼻眼鏡 は,「 近視」 で 目が悪 か った ス ワ. た,年 老 いて顔 や思想 自体 が愚 か に変化 したあ とでの. ろ じろ眺める」 “ また「その人物 は夫婦共用 │。. も恋 の苦 しみ もす べ て失 われて ,彼 の顔 にはユ ダヤ人. る道具 として描 かれる。当時,ヴ ァカンスは次第 に長 い期間のヴァカンス休暇 にな りつつ あ った。そ して リ. としての 「血 」 が あ ふれだ し,そ こか らは語 り手 が あ. ゾー ト地で人 びとは設備 ,サ ー ヴイス,エ ンターテイ. こがれていた「知性」す ら失 われて いた。. メン トを求めるようになった。 ここで描 かれるのはま. 彼 の 片眼鏡 か ら映 し出 される ものか らは,独 自の美学.

(5) 前田 美樹. :『. 失われた時を求めて』における象徴 としての眼鏡. さにその エ ン ター テイメ ン トを求 め る,詮 索好 きな ご. て,社 交界 では多 くの女性か ら支持 されてい た。『花. 夫人 たちであ る。 バ ルベ ックにおいて ,グ ルマ ン ト家. 咲 く乙女 たちのかげに』 において描写 されるシャル リ. の ヴ イルパ リジ夫 人 も眼鏡 で ,ヴ ァカ ンスの ため にそ. ュス氏 の最初 の出現場面20で は,は じめシャル リュス. こ に訪 れて い る社交 人 たちを観察す る。. 氏 の名前 は語 り手 ない し読者 には明か されず ,「 目を かっと見開いて私 を注視 してい る四十が らみの一人の. ヴ ィルパ リジ夫 人 は遠 くの方 か ら,豆 粒 ほ どにぼ んや りと見 える知 人 の群 れの大 よその動 きを,気 の ない 眼鏡 ご しに眺めて い るのだが ,そ の 眼鏡 の なか の私 の父 を見 る部分 だ け異常 に度 の強 い拡大. 男」 として描写 され,「 ときお りそ の 日か らは,こ の η 上 もな く活動 的 な視線 が 四方 八 方 に走 る」 また 謝 「彼 の視線 は稲妻 の ように私 を貫 く」 など,あ や しげ )。. な「視線」 を持 つ男 として描 かれ,語 り手 に「狂人」. レンズが はめ こ まれて い るのは,い ったい ど う し. または「スパ イ」 なのではないか と思わせる。後 にそ. た偶然 の作用 なのだろ うか 。そ の レンズのおか げ ・]す べ て細 か な点 に で ヴ ィルパ リジ夫 人 は,[・・. の男がシヤルリュス氏 であったと知 らされた語 り手 は 非常 に驚 くのだが,そ んな「鋭 い視線」 の秘密が 『ソ. 至 る まで はっ き り浮 き彫 りに してみ る こ とがで き. ドムとゴモ ラ』 において描 かれる,仕 立て屋 ジユピア. るのだ し,ま たその レンズは彼女 のため に拡 大 の. ンとの まるで「植物 の受粉」 を思わせるような倒錯的. ・]父 の こ とをほか の ち っぽ 目盛 りを変 えて ,[・・. 行為 の場面 によつて明かされる。 しか しその 「視線 の. けな人 びとの真 ん中に一人だけひどく大 きくして. 持 つ秘密」が明 か され る まで は,シ ャル リュス氏 の 「視線」 は ミステ リアス な ところを残 した ままであ っ. 示す のであ った。. 2●. た。 しか し語 り手 によつて同性愛者 としての一面 を目 このように,ヴ イルパ リジ夫人はバ ルベ ックを訪 れる 人びとを「気 のない眼鏡 ご し」dans. la lunette indittrente. 撃 されたシャル リュス氏 は,時 の流 れ とともに次第 に 「鋭 い視線」 を失 い,女 性化 してゆ く。そ んなシャル. は婦人 たちの柄付 き眼鏡 に負 けず劣 らず ,「 異常 に度. リュス氏 の「視線」 を覆ってい る「眼鏡」 とはどんな ど ものだったのか,ま ず は 『グ ルマ ン トの方』Lι C∂ ″. の 強 い拡 大 レンズ」vere prOdigieuscment grossissant. ″ηα ん′ ι sの ヴイルパ リジ夫人のマ チネで描かれ グι G“ θ. がはめ こまれてお り,か つ 自由自在 にその目盛 りをか. た以下の箇所 を見てみ よう。. に見 つめるのだが,そ の「気 のない眼鏡」 とい うもの. えることがで きる。そ してヴァカンスに訪 れていた裁 判所長 の細君 もその手 に柄付 き眼鏡 をもって防波堤の 紳士淑女 たちを観察す る。. 私 はシヤルリュス氏 を見つめていた。半 自の髪 の ひとつ まみの房 ,片 眼鏡 で片方 の眉 のつ りあがっ た微笑 を浮かべ ている目,赤 い花 をつ けたボタ ン. それは毎 日きまって紳士淑女たちが堤防をぐる り. ホール,そ れ らが三角形 の動 く頂点 をな して,ぴ. と一巡 して くる時刻 で,彼 らはまるでなにか欠陥. くぴ くと震 えなが ら人目を惹 く。. 2". を持 っていてそれをじろ じろと仔細 に調べ られる. かのように,裁 判所長の細君の容赦 ない柄付 き眼 ハ 鏡 の砲 火 に さらされ るのであ った。 ). この場面 はヴイルパ リジ夫人のマチネにおいて,語 り 手が シヤル リュス氏 をまじまじと見 つめるシーンであ る。 この ようにシヤル リュス氏 もまた,社 交界 で片眼. このように,柄 付 き眼鏡 はヴァカンスに訪 れる婦人た ちの詮索好 きな性 質 をまざまざとわれわれに示 して く れると同時 に当時のヴアカンスの風景,ま た小 パ リと. 鏡 をかけていて,彼 の同性愛が示 される以前で はその 片眼鏡 は, きよろきょろ と常 にサ ロンを見渡す癖 のあ る「あや しく鋭 い視線」 を覆 い隠すべ く,シ ヤル リュ. か ら観てい るような気分 にもさせて くれ る。. ス氏 の尊大 な表情 と釣 り上が った 目のバ ラ ンス をとっ て い て,人 目を惹 い て い た。 しか し『ソ ドム と ゴモ. 4.シ ヤル リュス氏 とゲルマ ン ト公爵 の眼鏡. ラ』 にお い てシヤル リュス氏 の 同性愛 がすで に示 さ れ,そ れ以降の 『見出された時』 に描かれる次 の場面. なったバルベ ックでの人 間模様 を柄付 き眼鏡で観客席. 次 に,ゲ ルマ ン ト公爵 とシヤル リュス氏 は,生 粋 の. では,第 一次世界大戦中のパ リでシヤル リュス氏が語. グルマ ン ト家 の一員 であ り, と りわけ シャルリュス氏. り手 と出会 い, ともに連 れ立 って暗い街角 を話 しなが. の貴族 としての尊大な態度 は,非 常 に洗練 された感覚 と女性的な感受性 とす ばらしい知性 に裏打 ちされてい. ら歩 いてい る最中 に,シ ヤル リュス氏が空の上の警備 兵 たちの飛行機 をよく見 たい と語 り手 にもらす箇所が.

(6) 甲南女子大学大学 院論集 第 2号. 62. 文学 0文 化研究編 (2004年 3月. ). 片 眼鏡 が ま た 跳 ん だ り は ね た り して い る あ い だ. 以 下 で あ る。. に,[… ]い か に も優美 に また慣 れ た仕 草 で 駅 者 もっ ともシャル リュス氏 は文字通 り頭 を どこへ 向. の手渡す手綱 を と り上 げる と,彼 のわ きに腰 を下. けた らよい か も分 か らず に, しき りと顔 を上 げて. ろ して ,ホ テルの支配 人が渡 した手紙 の封 を切 り. は双眼鏡 の ないの を悔 や む ので あ ったが ,た とえ. ・]毎 回戸 なが ら馬 を出発 させ るの で あ った。 ・. 双眼鏡 があ って も大 して役 に立 ち は しなか っただ Ю ろ う。. 外 やホテ ルの なかで出会 うたび ご とに一― 高 い カ. [・. ラ ー をつ け た彼 は,跳 び は ね なが ら逃 げ て 行 く 片眼鏡 の まわ りで たえず手足 を動 か しなが ら平衡. この よ うに,社 交界 のみ な らず ,常 に鋭 い 目を きょろ きょろ させ て い るシヤル リュス氏 に とっての 眼鏡 は. を保 ってい るので ,ま るで片眼鏡 が彼 の 四肢 の重. ,. 同性愛 が知 られ る以前 で はそ の視線 を不 自然 さか ら守 り,彼 の 尊大 さを表 わす こ とに成功 し,「 秘 密 を持 っ. このように,「 片眼鏡がたえずはずれて落ちる彼の 目」. た視線」 を片眼鏡 で 覆 い 隠 して い たが ,同 性愛 が知 ら. Ses yeux, de l'un desquels tombait a tout moment un. れた後 で は秘密 を隠そ うとせず ,む しろ双眼鏡 に よつ. monodc lよ 「青 い海」la cOuleur de la merま た「青 く. てそ の 視 野 を拡 大 させ よ う とす る。 つ ま り至 る 所 で. 輝 く蛋 白石」d'opale azur6eと 対比 させ られなが ら描. 「男」 を捜 しまわ る「 同性 愛 者」 また は 「倒 錯 者」 と. 写 され,グ ルマ ン ト家 の美貌 の若 い「貴公子」 に相応. して の側面 を強調 させ て しまう道具 として描 かれて い. しい登場場面 である。彼 の 目にはまるで分身であるか. る。. のように,常 に「片眼鏡」 が掛 けられていた。 自らが. 次 にグ ルマ ン ト公爵 における眼鏡 を伴 った描写 は. ,. 否定 しようとも,そ の行動や服装 には,ゲ ルマ ン ト家. もっぱ らその外 見 を飾 る装飾 品 ,ま た 「そ の片眼鏡 の. の一員の持 つ特有 の成厳がそなわ り,ゲ ルマ ン ト家 の. 反射 ,歯 を見せ た笑 い方 ,純 白な胸 の カー ネー シ ョン. 貴公子 としての躍動的であ りなが らも優雅 な印象 をわ れわれ に与 える。それ とは反対 に「たえず はず れ落. またはプ リー ツの つい た ワイシ ャツの胸飾 り,そ うい. ち」,ま た「跳 んだ りはねた り」 してい る彼 の片眼鏡. った ものか ら発す る光 に席 をゆず って ,彼 の眉 も唇 も 劇 燕尾服 も遠 ざけ られて しまったかの よ うだ。」 とい う. の「落 ち着 きのない」動 きか らは,「 まだ片眼鏡が 目. よ うに,グ ルマ ン ト公爵 の片眼鏡 か ら発す る光 は まる. にな じんではい ない若者」 または「活動的な若者」 と. でその莫大 な富 か らもれ る後光 の ようで もある。. しての フレッシュな印象 を与 える。「海 の青 さ」 と対 比 されて描写 される「落ち着 きの ない片眼鏡 の動 き」. 5。. は「人間 としての青 さ」 も現 されてい るかのようだ。. サ ン=ル ー の 片眼鏡 次 に示す箇所 は 『花咲 く乙女 たちのかげ に』 にお い. そ して「 まるで片眼鏡が彼 の四肢 の重心 とも見 える」 とい うように,彼 は片眼鏡 に支配 されてい るようであ. て描写 され るサ ン=ル ーの最初 の登場場面 であ る。. り,そ れほど彼 の顔 の中で,片 眼鏡 は強 い印象 を持 た [… ]片 眼鏡 が た えず は ず れ て 落 ちる彼 の 目 は. ,. せ る ものである とい える。 このサ ン=ル ーの最初 の登. 海 の色 を して い た。誰 もが興味 ぶか げに彼 を眺 め. 場場面 はのちに 『逃げ去る女』,『 見出された時』 にお. た。 この 若 い サ ン=ル ー=バ ン=ブ レー侯 爵 が お 洒 落 で有 名 な こ とはつ とに知 られて い たのであ る。. いて,話 り手 によって三度回想 される。それほど印象 的な この場面 で,す でに片眼鏡 はサ ン=ル ーの シンボ. [… ]彼. ルになったといって過言 ではないだろ う。. の髪 や 目や肌 や風 来全体 の きわ だ った特. 徴 は ,ご つ ごつ した岩 の あ い だで青 く輝 いてい る. は じめ語 り手 は彼 の「グルマ ン ト的」 な尊大な態度. 貴重 な蛋 白石 の鉱脈 の ように,群 衆 の なかで も彼. を目の当 りに し,サ ン=ル ー と友情 を結 ぶのは不可能. を目立 つ もの に した ことで あ ろ うが ,そ れはほか. だ と感 じ失望す るのだが,や がて語 り手 の祖母 の持つ. の 人たちの暮 ら しぶ りとは異 な った ある生活 に対. 縁 のおかげでサ ン=ル ー と親 しくなる。芽生 え始めた. ・]彼 は ホ テ ル 応 して い るはず だ と思 わ れ た。 ・ の一 方 の端 か ら反対側 まで足速 に横切 って行 った. ばか りの二 人の友情 は「片眼鏡 と近視 の視線 とは,そ 錦)と い よ れ とな く私 たち二 人の友情 を示 してい た」 う. が ,ま るでそれ は蝶 の よ うに彼 の前 で ひ らひ ら し. うに,「 ち ぐは ぐな視線」 によって二人の まだ ぎこち. て い る 片眼鏡 を追 い か け て い る よ うに見 え た。. ない友情が表現 されてい る。 また語 り手が垣間見たサ ン=ル ーの軍隊生活 にも,彼 の片眼鏡 をふ くんだエ ピ. [・. […. ]そ して太 陽 の 照 りつ け る 街 道 の 上 で 彼 の.

(7) 前田 美樹. :『. 失われた時 を求 めて』 にお け る象徴 と しての眼鏡. ソ ー ドは数 多 く登場 す る。 サ ン=ル ー と同 じ中隊 に属. 的 な建築 とが 現 れて い た。彼 の頭 が連想 させ るの. す る若 い ブル ジ ョワの志願兵 たち をは じめ ,彼 の上 官. は昔 の城 の 中央 にそびえる主 塔 の櫓 であ って ,使. す らも,「 サ ン=ル ー の美貌 や ,ぎ こちない歩 き方や敬. われ な くな った銃 眼 は今 もその まま目につ くけれ. 礼 の仕方 ,た えず片 眼鏡 をひ らひ らさせ る仕草 ,や た. ども,内 部 は改修 されて書庫 に変 わってい たので. らに高 くした軍帽 をかぶ り,ひ ど くしなやか な生地 で. あ る。. 38). け ば け ば しい ピ ン ク色 を した ズ ボ ン をは く とい っ た 3の く奇行 〉 」 を,「 シ ック」 で あ る と し,軍 隊生活 にお い. とい うように,こ こでは下線部 の「片眼鏡 は使 われな. なる。サ ン=ル ー はそ こでの生 活 で ,語 り手 に友 情 を. くなった銃眼」les cr6ncaux inutilis6sに 例 えられるの だが,こ の引用部 か らはサ ン=ル ーの頭 その ものが一. 越 えた家族 の愛情 を示す 一 方 ,軍 人 としての ,ま た貴. つ の建築物 に例 えられ,サ ン=ル ーの 肉体 はまるであ. 族 としての冷 た い態度 を ときお り示 し,語 り手 は驚 か. やつ り人形 のごと く,空 洞化 される。本当 のサ ン=ル ー などどこに もい ない。操 り人形 と化 したサ ン=ル ー. て も片 眼鏡 は彼 の家柄 に対す る「崇拝 の シ ンボル」 と. され る。. の 目に掛 け られた片眼鏡 は,サ ン=ル ーの内部 に宿 る それ以前 にバ ルベ ックで も,私 は気 づ い て いた. ,. 彼 には無邪気 な誠実 さが あ って ,不 意 に押 しよせ. 何 ものかの「のぞ き窓」 の よ うで あ る。サ ン=ル ー は 片眼鏡 の奥 に秘密 を持 ったまま,戦 死す る。サ ン=ル. だが ,そ の反面 で彼 の 肉体 は ,あ る種 の こ とを包. ー とい う登場人物 が,ま た変 わ り身の早 い彼 の人生そ の ものが どこか蝶 の ようにひらひらとしていて,安 定. みか くす礼儀作法 の訓練 を見事 な まで に受 け てお. 感がないのはその片眼鏡 の動 きと同様 である。. た感動 も,顔 の皮膚 ご しに透 けて見 えて しまうの. り,軍 隊生活 で も社交 界 で も,完 全 な俳優 の よ う にさまざまな役 を次 々 と演 じる こ とがで きる とい. Ⅲ .サ ン=ル ーの 片 眼 鏡 か らブ ロックの 片 眼 鏡 ヘ. う こ とを。 そ の役 の一 つ にお い て ,彼 は私 に深 い った。 た しか に彼 は私 の兄 だ つた し,ま た,ふ た. グルマ ン ト家 の一員 であ りなが ら ドレー フュス派 を 公 言 し,政 治 と積極 的 に関わろ う と したサ ン=ル ー. たび兄 に もどったのだ。 しか しあの ときは一 瞬 の. と,中 流階級 のユ ダヤ人ブルジ ョワの出身であ るブ ロ. あ い だ ,私 の こ とを知 らない 別 の 人物 にな り,手 綱 をに ぎ り,片 眼鏡 をか け, こち らを見 もしなけ. ックは,全 く正反対の出身であれ,語 り手 と同世代 の 友人 として, しば しば対比 させ られて描かれる。 この. れば微 笑 む こと もな く,た だ軍帽 の ひ さ しに手 を. 二人 の片眼鏡 か らみたものはどのようなものであ つた. 上 げ て , しゃち こば つた軍隊式 の敬ネしを送 って よ. のだろ うか。. こ した ので ある. 語 り手 の年長 の級友 であ り,パ リの比較的下層 のユ ダヤ人ブルジ ョワであるブロ ックは,人 をくった表現. 愛情 を寄 せ ,私 に対 してほ とん ど兄 の よ うに振 舞. !35). めて接 す るサ ン=ル ー だが ,も う一 方 で は,片 眼鏡 を. で,語 り手 の家族 の眉 をひそめ させ た り,『 グ ルマ ン トの方』 ではヴイルパ リジ夫人のサ ロンにおいてぶ し. か け た「軍 人」 を完璧 に演 じ,サ ン=ル ー の二 面性 を. つ けな態度が辱愛 を買 う。そ してそのサ ロンにおいて. 目の 当 た りに した語 り手 を驚 かす。 この箇所 は「片 眼. へ まをしたブロ ックは敏感 で「神経質」 で もあ った。. 鏡 [… ]は ,ダ ンデ ィが 冷淡 さ,あ るい は侮蔑 を表現 ぃ ぅ言葉 を思 い 出 させ. 気取 り屋 であるがネL儀 知 らずである彼 は 『ソ ドム とゴ モ ラ』 では熱心 な ドレー フュス派 として,ス ワ ンとゲ. る場面 で あ る。やが て語 り手 は「私 の思考 は ときお り. ルマ ン ト大公 に, ピカール大佐擁護 のための リス トに. サ ン=ル ーの うち に,彼 自身 よ りももっ と一 般 的 な存. サイ ンをさせる。時 は過 ぎ,社 会 の万華鏡 は回転 し. 在 ,つ ま り「貴族」 の存在 を見分 け た。 そ の貴族 が. ブ ロ ックは第一次大戦 中 に濠1作 家 としての名声 を得. とこの よ うに,一 方 で は語 り手 に惜 しみ ない愛情 を こ. 30と. す るための小 道具 で あ る。 」. ,. 内部 に宿 る精霊 の ご と くに,彼 の手足 を動 か し,彼 に 初 」 とい う よ う 仕 事 や 行 為 を命 令 して い るの で あ る。. ,. る。やがてすべ ての価値観 が変化 した戦後 ,ゲ ルマ ン. に,サ ン=ル ー の二 面性 は さ らに確 信 を持 って語 られ. ト大公夫人のマチ ネにおいて語 り手が彼 と再会 した と きは,顔 つ きも変わ り,名 前 もジャ ック・デュ・ロジ. る。そ して さらに. ェと改名 し,語 り手 にはそれがあのブロ ックだ とはす. ,. 繊細 なそ の皮膚 の下 に,大 胆不敵 な構造 と,封 建. ぐには認識 で きない ほどであった。そ して以前 は完全 にユ ダヤ人の ものだ った顔 は,今 ではイギ リスふ うの.

(8) 64. 甲南女子大学大学院論集第 2号. 文学 。文化研究編 (2004年 3月. ). シ ックな装 い に完 全 に変 わ ってい た。「髪 型 と,日 ひ. ック=グ ルマ ン ト」 と呼 び,ブ ロ ックをグ ルマ ン ト家. レガ ンス と,体 つ きと,意 志 の. の一 員 に仕 立 て上 げ ,サ ン=ル ー の 顔 に シ ンボ ル と し. げ を落 した こ とと,エ. 強 そ うな様子 の ため に,ユ. ダヤ人 ら しい鼻 の特徴 は消. て掛 か っていた片眼鏡 はブ ロ ックに奪 われ る。 か つ て. い うように,以 前 はユ ダヤ人で あ. は手 の届 か ない所 にあ った何 か をブ ロ ックは得 る こ と. る こ とを強調 して い た鼻 の特徴 さえ彼 は消 して しま っ. になる。つ まり,「 サ ン=ル ーの片眼鏡→ ブロ ックの片. た。そ して もっ とも注 目すべ きブ ロ ックの変化 を表 し. 眼鏡」と移行 してい くこの構図 は,19世 紀後半 か ら 20. て い るのが次 の箇所 で あ る。. 世紀初頭 にかけて加速 した社交界 を取 り巻 く環境 の変 化 ,つ まり「貴族社会へ のブルジ ョヮの侵入」そ して. 39と. えて しま った。 」. だが と りわけブ ロ ックが あ らわれ る と同時 にその 顔立 ちが 一 変 して い る よ うに見 えたの は,恐 るべ. 「勢力 の逆転現象」 を表 して い て,そ の現象 は「片眼 鏡」 によってより象徴的 に表 されてい るのである。. き片眼鏡 のため だった。 この 片眼鏡 が ブ ロ ックの 顔 に導 入 した機械化 の部分 は ,人 間 の顔 に課 され. Ⅳ。 社 交 人 の 眼 鏡 を通 して見 え た もの. て い るすべ ての 困難 な義務 か ら彼 の顔 を解放 して い た。す なわ ち美 し くな る 義 務 ,才 気 や ,親 切. この ように『失 われた時 を求めて』 のサ ロンに登場. や ,努 力 な どを顔 にあ らわす 義 務 で あ る。 この. す る主 な社交 人,ス ワ ン,コ ター ル,シ ャル リュス. 片眼鏡が ブ ロ ックの顔 にの ってい るだけで ,ま ず. 氏 ,グ ルマ ン ト公爵 ,サ ン=ル ー,ブ ロ ックそ してヴ. 第 一 にその顔が美 しい か どうか と考 える必 要 が な くなる。 ち ょうどイギ リス製 の 品物 の前 で 店員 か. ァカンスにおける眼鏡の描写 を検討 して きたのだが 「眼鏡」 は ときに社交 人 た ち を表 わす シ ンボル とな. ら「 これは最高 にシ ックなお 品 です」 と言 われ る. り,そ れぞれの人物 の性質や性格 を端的に現す道具 と. と,そ れが 気 に入 るか ど うか と考 える こ ともで き. して登場 した。そ していずれの人物 も,自 分 の視線 を. な くなる よ うな ものだ。 そ の一 方 で彼 は,ま るで. 覆 っている「眼鏡」 で,自 分 の 目の奥 にある何 かを隠. 八 つ の ス プ リ ン グ つ きの ガ ラ ス の よ うに,こ の. そ うとした り,ま た ときにはそれぞれの「眼鏡」 で何. 片眼鏡 の ガラスの奥 に傲 然 とと り澄 ま した態度 で. かを見極め ようとした り,ま た「眼鏡」が まるで自分. 気持 ち よさそ うにお さま り,ぺ った りとなで つ け. の分身であるかの よ うに,「 顔」 の変化 とともに,映. た髪 や片眼鏡 に合 う よ うに,そ の顔 は もはや なん. し出す ものを変 えて,そ れぞれの顔 に君臨 していた。. の表情 も浮 かべ て い ないの だ った。 “. また,「 眼鏡」 の描写 は歴 史的,風 俗 史的傾1面 と合 わ. ,. せて作品に投影 される。 このようにして,プ ルース ト この よ う に,『 見 出 され た時』 にお い て ブ ロ ックは顔. は社交人たちの掛 け る眼鏡 の レンズに反映す る もの. に イギ リス 人紳士 の ご と く,ま たサ ン=ル ーの ご と く. を,そ れぞれの登場人物 によって使 い分けることによ. に,下 線部 の『恐 るべ き片眼鏡 』un redoutable monode. り,わ れわれ読者 の「読みの可能性」 を無限の ものに. を顔 に導 入す るので あ る。 この 時点 で もはやサ ン=ル. した。. ー は戦死 して この 世 には い ない。 そ してか つ て「ゲル. また,プ ルース トは 自ら出入 りする社交界 の実在 の. マ ン ト家 の 貴公子」 で あ ったサ ン=ル ー の い な くな っ. 社交人か ら「片眼鏡 のモデル」 を選 び42,意 識的に作. た社交界 の 空席 にまるで代 わ りに入 り込 む よ うに,ブ. 中人物 を描写す る際 に投影 したとい うこともしば しば. ロ ックは 自 らの顔 にサ ン=ル ーの シ ンボルで あ った 片. あ ったようである。 またさまざまな研究 において くプ. 眼鏡 を導 入 させ る。 そ の二 人 の シ ンボルの交代劇 を も. ルース トと写真 〉の関連性 についての意見がかわされ. っ と劇 的 にす るのが ,以 下であ る。. てい るが43,プ ルース トが写真 に興味 を示 し,そ の技 術 を積極的に取 り入れて作品に反映 させていたとい う. Lc Bloch― Gucrmantes?Le famillier des Guerman― 《 tes?》. 『ブロック=グ ルマントですか ?あ のグルマント家 によく行 く人 ?』 綱. ことは有名な事実 で ある。『プル ース ト/写 真』 にお いてブラッサ イ (1899-1984)は ,「 カメラの レンズ」 を通 してプ ルース トは「肉眼」 に対 立す る「内的視 線」 と「外 的視線」 をそ こ に介入 させ る ことに よっ て,さ まざまなイメージや無意志的記憶 を可能にさせ. この よ うに,過 ぎ去 った時 は残酷 に もブ ロ ックの顔 に. た,と いってい る44。 ここでは われわれは「カメラ」. 片眼鏡 を導 入 し,そ して社交 界 の 人び とは彼 を 「 ブ ロ. ならぬ「眼鏡 の レンズ」 か ら同様 にその ような「内的.

(9) 前田 美樹 :『 失われた時を求めて』における象徴 としての眼鏡 視線」 と「外的視線」 の存在 を認識するに至 った。. 490。. ). 5)『 ソ ドム とゴモ ラ I』 ,p.357.(RIP,rrr,p。 び. 結. 49に. われわれは先 に述べ たプルース トの問いかけ. 194。. 史 ― フ ァ ッシ ョンとデザ イ ン』,八 坂書房 ,1999. 7)前 掲 書 ,『 眼鏡 の 文 化 史 一フ ア ッシ ョン とデ ザ イ ン』. 従. って,『 失 われた時 を求 めて』 における「象徴 として の眼鏡」 の役割 を考察 して きた ので あ るが,一 方 で 「眼鏡」 は時代 ,ま たは時 の流れ と共 に変遷す る登 場 人物 の「視線」 を象徴的 に映 し出 していた。 また,そ. を参親薇。. 8)『 ス ワ ン家 の 方 へ Ⅱ』,p.251。. 9)乃. jグ. (RT,I,p.317.). (jbjグ 。 ,pp.320-322.). .,pp.255-260。. 10)ル jグ 。 ,p.116。. (RIP,r,p。. 11)乃 jグ 。 ,p.245。. (jbjグ. 。 ,p.314.). 242。. ). 12)ル jグ 。 ,p.294。. (jbjグ. .,p.341。. ). れぞれの眼鏡 は社交人 たちの「視線」 の先 にあるもの. 13)乃 jグ 。 ,p.347。. (jbjグ .,p.371。. ). をも映 し出 していた。. 14)『 ソ ドム とゴモ ラ I』 ,p.194.(RIP,rrf,p。. それぞれの人物が持 つ 「複数の視線」 が,人 々が集 う社交界 に出入 りす ることによって増大 し,複 雑 に交 差す る。 この複数に交差す る視線 は,こ の作品の解釈. 15)二 ♭ .,pp.166-167。 jグ. (jbjグ. lo3。. プル ース ト博物館』,p.381。 に よれ ば彼 の 鼻 眼鏡 には実 在 の モ デ ル ーアル ベ ー ル 0ヴ ア ン ダル伯 爵. 16)『 事典. 一が存 在 した。 17)『 ソ ドム と ゴモ ラ Ⅱ』,p.231.(RIP,frr,p.365。. 可能性」 の無限の広が りを意味す る。そ してその広が. 18)ル jグ .,p。 69。 (jbjグ .,p.280。 ) 19)乃 jグ .,p.127.(jbjグ .,p.310。 ). りはわれ われ「読 者」 に も及 ぶ ので あ る。「私 の 本 は,コ ンブ レーの眼鏡屋 がお客 に差 し出す ような,一 40と. ぃ ぅ ょ うに,『 失. われた時 を求 めて』 とい う作 品 は,「 眼鏡屋」 の ごと く,わ れわれに新 たな「レンズ」 を提供 して くれた。 つ まり「 レンズのこちら側」,ま た「 レンズの反対佃1」. ). .,p.89).. をより複雑 に してい る。 しか しそれは同時に「読 みの. 」 種 の拡大鏡 にす ぎない か らだ。. ). チ ヤー ド 0コ ー ソ ン著 ,梅 田晴夫訳 ,『 眼鏡 の 文 化. 6)リ. 20)ル jグ. .(jbjグ 。 ). 21)『 花 咲 く乙 女 た ち の か げ に I』 ,p.254。 560。. ). (RT,r,p。. ). 22)ル jグ .,p。 439。 23)乃 jグ .,p.442。. (jbjグ. .,p.37.). (jbjグ. 。 ,p.39。. ). 24)『 花咲 く乙女たちのか げにⅡ』 ,p.25.(RP,〃 ,p. 61。. ). にある「内的視線」,「 外的視線」 の存在 を示 して くれ. 25)ル jグ .,p。 177.(jbjグ 。 ,p.146。. た。. 26)厳 密 に い えば こ こが 最初 の登場 シ ー ンで は な い。『ス. 今 回 の考察 にお い ては,そ れぞれの眼鏡 の「象徴 的」な役割 について例証 したに過 ぎない。 これか らは もう一歩踏 み込み,人 称 の問題 に も触 れなが ら,「 見 ること」,「 見 られる こと」 とい うことに重点 を置 き ,. プルース ト自身がそれぞれの登場人物 にどの程度 自分. ). ワ ン家 の 方 へ 』 にお い て ,語 り手 が ジル ベ ル トとは じ め て 出会 う場 面 で ,シ ヤル リ ュス 氏 はす で に登 場 して い る。 しか しそ れ が 明 か され るの は も っ と後 の こ とで あ る。 27)『 花咲 く乙女たちのか げにⅡ』 ,p。 HO。. ). 自身を投影 して描 い たのか も考察 しなが ら,『 失 われ. 28)乃 jグ 。 (jbjグ 。. た時 を求 めて』 における「視線」 の問題 をひきつづ き. 29)『 グルマン トの方 I』 ,p.463。. 考 えてい きたい。. ). 30)乃 jグ .,p.189。. (jbjグ. 31)ル jグ .,p.87.(jbjグ. .,p.380。. .,p.353。. (RT,〃 ,p.566.). ). ). 32)『 花咲 く乙女 たちのかげにⅡ』,pp。 pp.88-89。. 圧. 1)テ クス トは,Marcel. αrι cん ι κんι グ た4閑 Proust,A ι “. 113.(RT,〃 ,p.. 73-75。. (RP,〃. ,. ). 33)『 ゲ ルマ ン トの方. I』. ,p.121。. (RP,〃 ,p.372。. ). 1989.を 使 用 した。 また原 文 で の ペ ー ジ番 号 は 作 品名. 34)ル jグ .,p.155。 (jbjグ 。 ,pp.391-392.) 35)乃 jグ 。 ,pp.298-299.(jbjグ .,p.474.). を R″,ム ニ 五. 36)ロ ジ ェ ・ケ ンプ著 ,桜 井哲 夫 訳 ,『 ダ ンデ ィーあ る男. rグ タ , ρι. Gallilnard,Bibliothё que de la P16iade,4 vol., 1987-. ry, と略記 したあ とにペ ー ジ番号 を入. れ る。引用 は集英社 版 ,1996-2001,鈴 木道彦訳 を用 い た。 なお 引用 文 中 の傍 線 はす べ て 筆 者 に よる強 調 で あ る。. 2)『 花 咲 く乙女 た ちの か げ に Ⅱ』,p.108.(RT,〃 ,p. 106.). 3)本 分 中 の monocleの 表 記 は,引 用 に つ い て は 引 用 に. たちの美学 』,講 談社現代 新書 ,p.68. 37)『 花 咲 く乙 女 た ち の か げ に Ⅱ』,p.88.(RT,〃. ,p。. 96.). 38)ル jグ .,p.227。 (jbjグ 。 ,pp.175-176。 39)ル jグ 。 ,pp.70-71.(jbjグ .,p.531。 ) 40)ル jグ .,p.71.(jbjグ .,p.531。. ). ). 忠 実 に従 った。そ の 他 は「片 眼鏡」 とい う表 記 に統 一. 41)乃 jグ 。 ,pp。. した。. 42)注 16を 参照。 43)ブ ラ ッサ イ著 ,上 田睦子 訳 ,『 プ ル ー ス ト/写 真』. 4)『 見 出 され た時 Ⅱ』,pp.337-378.(RT,ry,pp.489-. 91-92。. (jbjグ. 。 ,p.544。. ). ,.

(10) 甲南女子大学大学院論集第 2号. 66. 文学 ・文化研究編 (2004年 3月. ). 岩波書店,2001.ま た stephen co lnfandno,P力 θ 均%ρ 力 Prθ 夕 sr,New York: P.Lang,1992.(Currents in. 山田 勝著,『 回想のベルエポック 世紀末か らの夢 と享. comparadve romance languages and literatures:vol.6)な. 横 山 俊 夫 編 集 ,『 視 覚 の 一 九 世 紀 一 人 間 ・技 術 ・文 明 ―』,思 文 閣出版 ,1992。. jε. 楽』,. jSjθ ,Oj“ ソ. ど。. 46)乃. .,p.206.(jbjグ .,p.610。. 典. ). クス ト〉. ′セ ρ∫ρ タム〃,/rr,Iy, Marcd Proust:A′ ar`ε ルrε ttι グ “. `〃. ブラッサ イ著,上 田睦子訳,『 プルース ト/写 真』,岩 波. 1987-1989,Edidons Publi6e sous la direclon de JEAN―. 書店 ,2001。. YVES TADIЁ ,BibliOthё que de la Pに hde,Ё dhions GJl卜. 湯 沢 英 彦 著 ,『 プ ル ー ス ト的 冒 険 ―偶 然 ,反 復 ,倒 錯. mard,en FRANCE. マ ルセ ル ・ プル ー ス ト著 ,鈴 木道彦訳 三 『失 われ た時 を求 めて』,1巻. を読 む (上 ),中 公文庫 ,2002。 長谷 川富 子 著 ,『 モ ー ドに見 る プル ー ス トー『失 わ れ た 時. 7加 Stephen C.Infantino,P力 θ′ ψ αρあた 両Siθ ′. sr,New. jrf9′ jθ ″ 召 ′ θ ″ αfr`ル sル ″ ∫ Astnd Vitok,Djε ′ j∫. `rrθ. ``rs)'用. ―. ノr′ ″′ bJi`′ θ ′θ ,PaHs,Ё di10ns Bonneton,1994。 `グ の 辻 邦生責任編集,『 憂愁 エロス :フ ランス 世紀末の 美 と夢』,集 英社,1986。 ロジェ 。ケンプ著,桜 井哲夫訳,『 ダンデ イーある男 たち の美学』,講 談社,1989。 自山晰也著,『 眼鏡の社会史』,ダ イヤモ ンド社,1990。 '′. を 求 め て 』 を読 む 』,青 山 社 ,2002。. Prθ 夕. York:Po Lang,1992. ′ ′. ―』,水 声社 ,2001。 弘著 ,『 プル ー ス トの 部屋』『失 われ た 時 を求 め て』. 海野. -13巻 ,集 英社 ,1996-2001。. (参 考文献〉. bθ 9夕. あ るい は メガ ネの文化誌』,は る書房 ,1997。. リチャー ド・コー ソン著,梅 田晴夫訳,『 メガネの文化史 ―ファッションとデザインー』,八 坂書房,1999。 ミッシェル 0エ ルマン著,吉 田 城訳,『 評伝 マルセル・ プルース ト:そ の生 と軌跡』,青 山社,1999。. 参考文献 (テ. ックス , 199o。. アス トリ ッ ド・ ヴ イ トルズ著 ,野 崎 三郎 訳 ,『 メ ガ ネの 事. 44)前 掲 書 ,『 プル ース ト/写 真』,pp.196-197. 45)注 5を 参照。 jグ. NHKブ. フイリップ・ ミッチェル・チエ リ著,湯 沢英彦訳,『 事典 プルース ト博物館』,筑 摩書房,2002。. (雑. 誌〉 ユ リイカ臨時増刊 号,総 特集 プル ース ト,第 19巻 第 14 号,青 土社,1987。 天野由紀代著,『 スノビスムの構図 プルー ス トの社交 界』,ユ リイカ臨時増干」号,総 特集 プル ース ト,1987,. pp.50-61。.

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参照

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