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塩素化フェノール類とエピクロルヒドリンの反応

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Academic year: 2021

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(1)

塩素化フェノール類とエピクロルヒドリンの反応

著者

隈元 実忠, 植村 寿子, 大西 稔

雑誌名

鹿児島大学工学部研究報告

10

ページ

39-43

別言語のタイトル

The reaction of epichlorohydrin with some

chlorophenols

(2)

塩素化フェノール類とエピクロルヒドリンの反応

著者

隈元 実忠, 植村 寿子, 大西 稔

雑誌名

鹿児島大学工学部研究報告

10

ページ

39-43

別言語のタイトル

The reaction of epichlorohydrin with some

chlorophenols

(3)

塩素化フェノール類とエピクロルヒドリンの反応

隈 元 実 忠 * ・ 植 村

寿 子 * * ・ 大 西 稔 * *

(受理昭和43年5月31日) THEREACTIONOFEPICHLOROHYDRINWITH SOMECHLOROPHENOLS SanetadaKUMAMOTO*,HisakoUEMURA**andMinoruONISHI** Thereactionofepichlorohydrinwithphenolsinthepresenceofbasiccatalystswas studiedbyO・Stephenson(J,CoS、1951,1589)andothers, Wehavebeenstudiedonthereactlonofepichlorohydrinwithsodium-chlorophenolate withoutbasiccatalysts,andobtainedtwokindsofproductsofthetypeofphenyl-glycidyl ether(11)and1,3−diphenoxy-2-propanol(IⅡ),butl-phenoxy-3-chloro-2-propanol(1)could notbeobtained・ TheseproductswerecarriedouttestontheeffectsasagricultureChemicals。 と,70%の収率で(II)をえた.また,(IⅡ)はこれ 1 . 緒 言 らの反応副生物として報告され,O・Stephenson8)は フェノールとエピクロルヒドリン(Ep)との反応に(11)とフェノールの反応で(111)を生成するとのべ ついては,古くLindemann1)はフェノールとEpを熱ている.

覇 鰯 憩 説 蕊 難 聴 O … … ! C … 珊 睦

OH 者によって検討され,反応条件のちがいで,1−フェノ (1) (11) キシー3-クロルー2-プロパノール(1),フェニルグリシジ

輔撫錐蝋難量産綿o…#:…-くこ>

れている.また,塩基性触媒の存在で反応は促進され (Ⅲ) るが,平衡反応で複雑な反応機構をへると考えられ,

好収率で単一生成物をうることか困難で,反応機榊も策者らは,各種塩素化フェノールとEPの反応によ

十分解明されていない.って('')および(''')型化合物を種々合成し,(,,)

(1)を主体とする合成については,O・Stephenson型化合物はエポキシ環を有するので,さらに開環反応

ら2)はピリジン,トリエチルアミンその他の塩基性触によって誘導体に導きたいと考えた.なお,合成され

媒の存在で90∼95°Cで10時間反応させ,so∼70%のた化合物について農薬(除草剤.殺菌剤)としての効

収率で(1)をえた.また,ELevas,HLefebvre3)力試験も実施したい計画で本研究に着手した.従来,

はくンゼン溶媒中BF3触媒の存在で,0℃で反応さNaOH水溶液中の反応など塩基性触媒の存在での反

せ(1)を54%の収率でえた.J・RMerchantら4)も応が研究されているが,筆者らは,あらかじめフェ

ピペリジン塩酸塩を触媒にして(')をえた.ノール類Na塩を調製しておき,適当な溶媒中で(ペ

ー方,フェニルグリシジルエーテル(Ⅱ)は,.R・ンゼンを使用)Epを反応させると次式のように反応

Boydら5)によって最初に報告され,GRoGibsonし,(II)型化合物が好収量でえられるのではないか

ら6)の報告もある.古川,小田ら7)は10%NaOH水と考え,フェノール類Na塩とEpとの反応を研究し

溶液巾,フェノールとEpを常温カクハン反応させるた.

* 鹿 児 島 大 学 工 学 部 応 用 化 学 教 室 ・ 教 授 * * 鹿 児 島 大 学 工 学 部 応 用 化 学 教 室 ・ 助 手

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(4)

鹿 児 烏 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 1 0 号 40 計 算 価 表 1 垢 素 化 フ ェ ノ ー ル N a 塩 と エ ピ ク ロ ル ヒ ド リ ン と の 反 応 p 一 ク ロ ル ー フ ェ ノ ー ル N a 塩 114∼115142.21白色針状結晶|皿 l:81室温’(32日) 1123344456 (註)寒P/EpのP=フェノール類のNa塩,Ep=エピクロルヒドリロ OO47457582 2263191992 ’9且22弧L乳L4Q 生成物記号 反 応 条 件 反 応 生 成 物 実験番号 ル 類 フ ェ ノ 3 73∼75 ノ レ ー 163∼1651少量|白色結晶│IIIf

(蝿腫呼│聯│“

(.c脱g〕│沼崎│瞳

N a 塩 状 l : 1 1 8 0 ∼ 9 0 1 1 3 1 1 ベ ン ゼ ン lllIlIIIIII111I1l 7208416523 0352885705 ||Q922dLdLa臥 2123344455 554651609976 766957193861 sg■■。■●●●cc■ 664443322211

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85∼90/4.5 8 1 無 色 液 体 ’ 1 1 825534625230 975553169656 ④■■■■巳●◆。●●● 138879729230 775↑354443433

111

246

0 心心皿皿秤哩呼叫呼︾喝四 国麺迅迅逼迅逼迅鍾迅珪逼 CCCCCCCCCCCC 919919191991 I1 111 11a llb lllb llc lllc lld llld lle llf lllf 分 析 値 7 5 ∼ 7 6 1 2 1 . 0 1 〃 | I L Na塩’1:2.01室温’(31日)

1

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1 フ ェ ノ ー ル N a 塩 121 80∼90 12 ベ ン ゼ ン 4 1 白 色 結 晶 │ 、 75∼76120.01〃|IIe 2,4,6−トリ フ ェ ノ ー ル ペ ン タ ク ロ フ ェ ノ ー ル 250∼260/4.5 6.81微黄色粘稲液

78’9一m

クロルー’1:L2180'01’21べンゼン

元 素 分 析 値

21葵弘而Na塩’1:1180 ,01121〃’176 180/L5

70.] 無 色 液 体Ⅱ、 4 Na塩’1:2.01室温’(31日)

〃’'1‘

分 析 値 ’ 計 算 値 値 261118784863 算〃5995517275心 664443322211 一三口 110∼120/2.5 6.5 /ノ IIb 分 析 値 71.87 73.47 57.07 57.76 57.29 49.15 47.00 42.28 40.47 42.40 33.65 31.09 Na塩 5’6 ク ロ ル ー ’ 1 : 1 . 2 1 8 0 ∼ 9 0 1 1 2 1 〃 表 2 反 応 生 成 物 の 元 素 分 析 結 果 2,4,5−トリ フ ェ ノ ー ノ I 210∼220/2.5

8

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Cl(%) 1:1 8 0 ∼ 9 0 1 1 2 ノ 195∼210/2.5

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験 式 69.71帯黄色粘稲液

生成物

123∼124145.31白色結晶│IIIC

'

2

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2

'8.41微黄色液体

実 2,4−ジクロルー フ ェ ノ ー ル N a 端 H(%) 131.2 C(%) 1 2 1 〃 80∼90

(5)

80 暖 元 ・ 植 村 ・ 大 西 : 塩 素 化 フ ェ ノ ー ル 類 と エ ピ ク ロ ル ヒ ド リ ン の 反 応 一 41 ii)P/Epのモル比を1:2∼8で,Epを大過剰に 加えて,溶媒なしで室温で約1ヶ月間放置し,時々カ クハンする、 2.2.1フェノールNa塩とEpの反応 フェノールNa塩1729をベンゼン250CCにケン 濁させ,EP122.69を添加して温浴上で12hrs還流 反応させる.反応生成物は浦過後,まずベンゼンおよ び未反応Epなどを回収して減圧蒸詔(精留)によっ て表1の実験番号1のとおりに分留し,11,111およ び微黄色粘調物をえた.粘稲物質の構造は明らかにで きなかった.この反応ではIは得られなかった.な お,IはO、Stephensonら2)の方法に準じてピリジ ン触媒の存在で,フェノールとEpの反応で合成する ことができる. 2.2.20−クロルフェノールNa塩とEpの反応 表1の実験番号2の反応条件で2.2.1と同様に処理 し,bP,、5176∼180°Cの留分Ⅲαをえた.元素分析値 は表2のおりで,フェニルグリシジルエーテル(11) 2 . 実 験 お よ び 結 果 2.1フェノールナトリウム塩の凋製 フェノール,o−クロルフェノール,P−クロルフェノ ールは市販一級品を精留して用いた.2,4-ジクロルフ ェノール,2,4,5−トリクロルフェノール,2,4,6−トリ クロルフェノールは市販一級品を石油エーテルで再結 ,11Aし,ペンタクロルフェノール(三井化学製)はベン ゼンから再結晶し純品として使用した.これら各堀素 化フェノールに対して各等モルの5∼10%NaOH水 溶液を添加して加温溶解後,蒸発乾固して,デシケー ター中に保存した. 2.2塩素化フェノール類Na塩とEpの反応 蝋素化フェノール類(p)とEpの反応は表lのよう に次の2方法を適用した. i)p/Epのモル比を概略1:1として,ベンゼン溶 媒にpをケン濁させ,還流させながら温浴上(80∼ 90℃)で加温反応させる. 100 "一、80 訳 、、丙〆60 苛

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40 00 3 2 0 0 2 4 0 0 1 9 0 0 1 7 0 0 1 5 0 0 1 3 0 0 1 1 0 0 9 0 0 7 00 波 瀦 ( c m - 1 100 1500 4 --1戸 、 1 9 0 0 1 7 0 0 波 数 I R ス ペ 1 5 0 0 1 3 0 0 1 1 0 0 9 0 0 7 0 0 cm−1) ク ト ル 図 図 ] 1 1 0 0 9 0 0 7 0 0

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3450 20 1070 000 3 2 0 0 2 4 0 0 1 9 0 0 1 7 0 0 4 0 0 0 3 2 0 0 2 4 0 0

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(6)

Ⅱ,|テタ刺、

42 X 2.2.62,4,6−トリクロルフェノールNa塩とEp の 反 応 実験番号7,8のとおりで,いづれもmp75∼76℃ の白色針状結晶がえられた.元素分析値は表2のとお りで,IIeはII型の構造として計算値に一致し,IRも 3040,1250,942,843cm-’に吸収がありエポキシ環 の存在が認められる. 2.2.7ペンタクロルフェノールNa端とEpの反 応 実験番号9,10のとおりで,実験番号9では,反応 はあまり進まず,生成物としてはmpl63∼165°Cの 白色結晶(IIIf)が少量えられた.実験番号10は溶媒 なしで,EPを大過剰に加えて32日間,室温で放置し たもので,mpll4∼115℃の白色針状結晶(IIf)を 42%の収率でえた.(IIf)(m笠)の元素分析値は表Z のとおりで,それぞれC9H502Cl5,C15H603C110と しての計算値に一致している.IRも(IIf)は図1の とおりである. 2.2.811および111型化合物の殺草効果 上記の方法で合成した11,111型化合物中IIa,IIc, IIe,IIf’111,IIIbllllclllld,IIIfについて,ヒエ, 型化合物としてのC9H902Clなる組成にかなりよく 一致している.また,IRもエポキシ環の存在が認め られた. 2.2.3p−クロルフェノールNa塩とEpの反応 表1の実験番号3の反応条件で同じく反応させ, bp2.5110∼120℃のfW分11〃とbp2.5195∼210℃の 需分をえた.後者は冷却放置すると白色結品が析州す る.結晶を浦別し,ベンゼンで再結晶すればmp88∼ 89℃の白色結晶(IIIb)をえた,臆液は微黄色粘瑚物 で確認されていない.IIb,IIIbは元素分析値(表2) もよく一致する.IIbはII型,IIIhは、型の化合物 である.IRもIIbはエポキシ環の存在が認められ, mbはOH基が存在し,IIb,IIIbともにフェニルエ ーテルにもとづく吸収が1250cm−1付近と1050cm−1 付近に存在する. 2.2.42,4−ジクロルフェノールNa地とEpの反 応 表1の実験番号4の反応条件で2.2.1と同様に処理 して,bp2.5125∼130℃の留分(IIc)とbP2.5210∼ 220℃の留分をえた.後者は結晶が析出し漁別後,ベ ンゼンより再結晶すればmpl23∼124℃の白色結晶 (IIIC)をえた.IIc,IIICの元素分析値は表2の通り で,それぞれC9HsO2Cl2,C15H1203Cl4なる組成に よく一致し,IIcはII型,IIICはIII型の化合物であ る.また,IRも図1のとおりでIIcはエポキシ環の 存在が認められ,3035,1275,1255,1064,952,800 cm−1などにエポキシ環ならびにフェニルエーテルに もとづく特性吸収がある.一方,IIICはソOHの吸収 が3450cm−1にあり,フェニルエーテルにもとづく 吸収が1273,1070cm-'にあるが,エポキシの特性吸 収は認められない. 2.2.52,4,5−トリクロルフェノールNa塩とEp の反応 表1の実験番号5,6の反応条件で実験し,実験番号 5ではベンゼン溶媒で加熱還流させ,反応生成物から 沈澱物(NaCl)を臆別し,ベンゼンを回収すると, 白色針状結晶を析出する.再結晶すればmpl22∼123 ℃(IIId)がえられた, 一方,Epを過剰に添加して,無溶媒で31日間放置 したものからは,mP73∼75°Cの白色針状結晶(IId) をえた.元素分析値は表2のとおりで,IIIdは、型, IIdはII型の構造と推定される.IRもIIdはエポキ シ環の存在が認められ,IIIdはOH基の存在を示し ている, 表311,111型化合物の殺草効果

1

1

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× ( 註 ) 殺 草 効 果 ○ … 大 △ … 中 × … 小 段 草 効 果

化合物鳴霧

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鹿 児 鳥 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 1 0 号

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(7)

隈 元 ・ 植 村 ・ 大 西 : 塩 素 化 フ ェ ノ ー ル 類 と エ ピ ク ロ ル ヒ ド リ ン の 反 応 43 ナタネの発芽前処理による殺草効力試験を実施し,表 3の結果をえた.ナタネについてはIIa,IIcが特に有 効であり,IIcはヒエに対しても,かなり有効である ことを示している.なお,殺菌効力についても目下試 験中である. 3 . 考 察 従来,フェノール類とEpの反応に塩基触媒の添加 が育効であることがホされている.本研究では,各塩 素化フェノールNa塩をあらかじめ調製し,それらナ トリウム塩とEpをベンゼン溶媒で加熱還流する方法 と,過剰のEPと混合し無溶媒で長時日放置する方法 で反応させた.このような方法ではI型化合物は生成 せず,11,m型化合物をえた.2,4,5-トリクロルフ ェノールまでは(IⅡ)型化合物を多く生成するが,ペ ンタクロルフェノールではIIIfの生成は極めて少量で あった。これらの反応の最適条件は十分検討されてい ない, 上記の方法で合成した11,111型化合物の簡単な殺 草効力試験結果から,ヒエ,ナタネともに効力大であ り,0−クロルフェニルグリシジルエーテル(IIa)はヒ エには効力を示さないが,ナタネに対しては10ppm の濃度でも殺草効果大であった. 文 献 1)Lindemann:Chem、Ber‘,24(1891),2143. 2)W・Bradley,J・ForrestandO・StePhenson: Thecatalysedtransferofhydrogenchloridc fromChlorohydrinstoePoxides,J、Chem・SOC,, 19511589-98. 3)]aLevas,H・Lefebvre:Compt.Rend.,222 (1946),555-7,1439-40. 4)J、R・Merchantetc.:CurrentSci.(India)30 (1961),99-100. 5)D、RBoydandE.R、Narle:J・Chem、SOC., 1908,838. 6)G、R・GibsonandD.W,Stephens:J・Chemo Soc.,砂32,1965. 7)古川,小田:フェニルグリシッドエーテルに関す る研究,工化誌,55(1952),673. 8)O・Stephenson:Thecondensationofepich‐ lorohydrinwithmonohydricphenolsandwith catechol,J,Chem,SOC,,1954,1571.

参照

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