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シラスの工業的利用に関する研究 (第10報) : シラスを原料とする微細中空ガラス球の試作

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(1)

シラスの工業的利用に関する研究 (第10報) : シラ

スを原料とする微細中空ガラス球の試作

著者

島田 欣二, 福重 安雄

雑誌名

鹿児島大学工学部研究報告

13

ページ

51-60

別言語のタイトル

Studies on the industrial application of

Shirasu (Report 10) : on the trial production

of the glass microbaloon particles from

Shirasu

(2)

シラスの工業的利用に関する研究 (第10報) : シラ

スを原料とする微細中空ガラス球の試作

著者

島田 欣二, 福重 安雄

雑誌名

鹿児島大学工学部研究報告

13

ページ

51-60

別言語のタイトル

Studies on the industrial application of

Shirasu (Report 10) : on the trial production

of the glass microbaloon particles from

Shirasu

(3)

ルーンの比重は平均粒子密度約0.34でこれは炭酸カ ルシウム左どの一般に用いられる無機質フィラーの約 1/10に相当するので,同一の容積を充てんするには少 量でよく,またそれだけ軽量となるわけである'). また,イギリスのピッツバーグ・コーニング社から 発表されたセルラミックCelramicも軽く,2.4∼4.8 mmの完全な中空ガラス球で水分を吸収せず,ガラス の持つ大きな粘り強さを備えているので,これを骨材 と し て 用 い た コ ン ク リ ー ト は 普 通 の 軽 量 断 熱 コ ン ク リートよりも,水の所要量が極めて少なく,養生時間 が短かく,非常にはやく強度が発現し,耐火性が優れ て い る な ど 多 く の 特 長 を も っ て い る . こ れ ら の 微 細 中 空 ガ ラ ス 球 は 一 般 に 膜 形 成 物 質 お よ び潜在ガスを溶解した揮発性溶媒からたる溶液を小滴 に細分したのち,揮発性溶媒が蒸発して孔のない強靭 左皮膜を形成する温度に加熱してつくられる2).この 潜在ガス物質はブローイング剤といわれ,炭酸塩,亜 硝酸塩の無機質なものやポリメチレンニトロアミンの よ う 有 機 化 合 物 な ど 多 く の も の が 使 用 さ れ て い る . た

島 田 欣 二 。 福 重 安 雄

(昭和46年5月24日受理) STUnmsONTHEINDUSIrRIALAPPLICATIONOFSIRASU

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ontheTrialProductionoftheGlassMicroballoon ParticlesfromShirasu

KinjiSHIMADA,YasuoFUKUSHIGE

SixspeciesofShirasudistributedinsouthemKyushuwereclassifledonthebasisofgrainsizeinto fivegrades,Theywerekeptat900∼1050.Cfbrabout3∼20minutesintheelectricfUrnaceandcooled rapidlytoroomtemperature、Theglassmicroballoonparticleswereseparatedfromthembypouring intowater・ OptimumproductionconditionsoftheglassmicroballoonparticlesfromShirasuwereasfbllow;gra1n sizeoftherawmaterial:150∼200βm,firingtemperature8950∼lOOOoC,keepingtime:about3minutes・ The基raydi缶actionpattemsoftheseglassmicroballoonparticlesareverybroaddi缶actionband, suggestingthattheyaretheglassstructure・Theglassmicroballoonparticlesfi・omShirasuappearsa singlesphereoranagglomerateconsistingofseveralspheres.

シラスの工業的利用に関する研究(第10報)

シ ラ ス を 原 料 と す る 微 細 中 空 ガ ラ ス 球 の 試 作

1 . 緒 一一一一巨 最近数年間プラスチックエ業に多くの種類の無機フ ィラーが用いられるようになった,しかし,これらのフ ィラーには一般に比重が大きいという一つの欠点があ る.この欠点を改善するものとして,中空のガラス球の フィラーが開発され,多くのプラスチックフィラーと して成功を収めている.たとえばアメリカのエマーソ ン・カミング社(EMERSON&CUMINGInc.)はホ ウケイ酸ソーダガラスを主成分とする中空ガラス球を マイクロバルーンMicroballoonの商品名で市販して いる.これは直径が10∼300解の中空左ガラス球で, 肉眼で見ると微細な白色の砂のようであるが,顕微鏡 下では,各粒子は完全に穴のない中空の球からたって い る . こ の マ イ ク ロ バ ル ー ン は ポ リ エ ス テ ル , エ ポ キ シ樹脂その他の液体樹脂系と混合,形成することによ っ て , 強 く て 低 密 度 の 製 品 が 得 ら れ , ま た コ ン ク リ ー ト,プラスターその他の無機質物質に添加して軽量,断 熱 , 耐 火 性 の す ぐ れ た 構 造 体 が 得 ら れ る . マ イ ク ロ バ

(4)

第13号 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 52 862077 ■■.●&■ 320480

41111

とえば2.5∼25%のホウ酸と0.8∼5.0%の尿素を含 有するナトリウムシリケート(主要成分)の均一を混 合液を小滴に細分したのち,適当な温度に加熱すると 微細中空ガラス球が得られるという3). これらの.微細中空ガラス球は以上のように多くの特 徴をもち,各種の充てん剤や合成木材の複合剤として 用いられており〆今後,需要が急激に増加するものと 考えられているが,現状ではかなり高価であるという 欠点を有している.著者らは鹿児島県の面積の約半分 を占めるシラスの高度利用を目的として,微細中空ガ ラス球の試作を行なった. シラスは南九州に広く分布する厚い軽石流,降下軽 石,およびこれらの二次堆積層で,火山ガラスを主成

分とし,石英,斜長石,磁鉄鉱などを含んでいる4).

火山ガラスは岩葉が冷却されるとき,イオン半径や電 荷,さらに構造の安定性表どによって,かんらん石, 輝石,角閃石,黒雲母,長石,石英をどの順に結晶化 していくが,結晶化が最後まで完全に行なわれず,途 中で急冷されて,溶融物がそのまま固化されたもので ある5).岩蕊分化過程の終期には揮発生成分が濃集す るので,この段階で急冷固化した火山ガラスにはこれ らの揮発'性成分の一部が取り込まれている6). このような火山ガラスを加熱するとき,内蔵されて いる揮発性物質が気化して膨脹するとともにガラスの 溶化が起るような適当の温度で加熱すれば,孔のない ガラス球が生ずる.シラスには火山ガラスの微細粒子 を多量に含み,これらを選別して適当を焼成条件で加 熱すれば,微細中空ガラスを製作することは可能で, 通産省工業技術院九州工業技術試験所においてはシラ スから火山ガラスを取り出し,粒度調整後1000。c前 後に短時間焼成し,比重分離によって微細中空ガラス 球を得た7). 本報においては,南九州各地のシラスを分級し,そ れらの試料を原料とする微細中空ガラス球の製造条件 と収率との関係について報告する. および44′以下の6種類の粒度群に分級した. その結果は表1に示すとおり,吉田および加久藤産 シラスはその外観も白色で極めて微細を部分が多く, 特に吉田産のものは1491α以上のものはほとんど含ま れていない。それに対して,古江,志布志,串良およ び岩川産シラスは灰白あるいは茶褐色を呈し,その粒 度分布も類似している.このように吉田および加久藤 産シラスの外観および粒度分布が後者といちじるしく 異をるものは成因によるもので加久藤シラスは二次シ ラスとよばれている4). 表 1 各 地 シ ラ ス の 粒 度 分 布 ( % ) 2 . 実 験 お よ び 実 験 結 果 2 . 1 試 料 微細中空ガラス球の試作の原料として用いたシラス は鹿児島県鹿屋市古江,曽於郡志布志町,曽於郡大隅 町岩川,肝付郡串良町,姶良郡吉田村および宮崎県西 諸県郡加久藤町産のものである. これらの試料を,振動型ふるい振という器により, 3501以上,350∼210,210∼149,149∼74,74∼坐, 45.1 10.7 22.0 10.0 12.2

)

61.5 8.3 6.9 10.1 7.1 6.1 44.140.5 11.015.3 9.612.9 16.115.8 9 . 6 9 . 9 9 . 6 5 . 6 印加蛸惣坐 321 ジーーーーン 印加⑲拠坐 321 2.2微細中空ガラス球の試作 2.1の各地産シラスの分級した試料約29を小型白 金ルツボ(容量5ml)に採取し,処定の温度に保持さ れている管状電気炉(内径60mm,長さ600mm)中 に一定時間保持後,速やかに炉外に取り出して空冷し た.試料の焼成温度は900,950,1000および1050°C とし,3,5,10,15および20min、一定温度に保持し て焼成した. 焼成を行なった試料は精秤(これをAとする)後, 蒸留水中に投入し,10分間静置する.微細中空ガラス 球は比重が小さいので水面に浮上するが,破裂したガ ラス球や未発泡物は沈降する.浮上した試料をガラス フィルターに傾斜法により移して吸引i戸過し,105。C にlhr乾燥後秤量(これをBとする)する.微細中空 ガラス球の収率(S)は(1)式によって求めた. S(%)=B/A×100…….………..…(1) 2.3微細中空ガラス球の収率と焼成時間との関係 2.1の各地産シラスの各種分級物について,2.2の 方 法 に よ り 微 細 中 空 ガ ラ ス 球 の 収 率 に お よ ぼ す 焼 成 時 間の影響について実験を行をい,その結果を図1に示 した.焼成温度は1000°Cとし,焼成時間は3,5,10, 15および20min、とした. 図1に示すように,各地産シラスとも類似した傾向 を示し,3mm・の焼成物が最大の微細中空ガラス球の 262 ’360 36

(5)

グ ョ 、 ま 53 251崖

505221

︵訳︶卦 収 率 で 焼 成 時 間 が 長 く な る に つ れ て 減 少 し た . こ の こ とは焼成温度が高すぎるため短時間で微細中空ガラス 球が生成し,時間の経過とともに破裂するものが増大 す る も の と 考 え ら れ る . ま た , 粒 径 の 大 き い も の ほ ど,収率が高いのは2.6に述べるように微細中空ガラ ス 球 の 膨 脹 率 が 大 き く て か を b の 大 き さ ま で 膨 脹 し て も破裂による損失が少ないためと思われる. 各地産シラスのうち,古江産シラスが最も収率が大 きく,岩川,串良,志布志産シラスはほぼ同程度の収 率で吉田産シラスの収率が最も少ない.しかし,粒度 分布を考慮に入れると,吉田産シラスは大部分74β 以 下 の 微 粒 子 か ら な り , 自 然 分 級 さ れ た も の で あ る こ とから必ずしも全体的に見た場合収率が少まいとはい えまい.また,加久藤産シラスはこの方法では全く中 空 ガ ラ ス 球 を 得 る こ と は で き な か っ た . 2.4微細中空ガラス球の収率と焼成温度との関係 2.1の各地産シラスの各種分級物について,2.2の 方法により微細中空ガラス球の収率におよぼす焼成温 度の影響について実‘験を行まい,その結果を図2に示 した.焼成時間は5min.と一定にし,900,950,1000 および1050°Cにおいて焼成した. 図2に示すように,いずれの試料もおおよそ同じよ 島 田 ・ 福 重 : シ ラ ス の 工 業 的 利 用 に 関 す る 研 究 ( 第 1 0 報 ) 30

32211

0505050

焼 成 図1 岩 川 産 シ ラ ス 〆 一 、 串 良 産 シ ラ ス ま ∼ 淫

505221

︵ま︶舟 綿 −J

050

1 区言 F1可 L 」 0 5 1 0 1 5 焼成時間(min) 2 0 ー 0 5 1 0 1 5 2 0 焼成時間(min) 0 5

050

1 宮寺 30

30「一志布志産シラス

古江産シラス 焼 成 温 度 1 0 0 0 ℃ 1 0 1 5 2 0 時間(min) 微 細 中 空 ガ ラ ス 球 の 収 率 と 焼 成 時 間 と の 関 係

050

1 〆云 粒 度 e 4 4 ∼ 1 7 4 浬 074∼149〆 ●149∼210β △210∼350脚 201怪= 15 r>〈 20 10 Q -J 0 0 5 1 0 1 5 焼 成 時 間 ( m i n ) 0 5 1 0 1 5 2 0 焼成時間(min) 30

505221

︵ま︶舟 吉 田 産 シ ラ ス

(6)

古江産シラス 54 志布志産シラス 30 30 0 2 ︵ま︶冊 0 2 ︵ま︶舟 岩 川 産 シ ラ ス 串良産シラス 0 2 ︵ま︶舟 0 2 ︵ま︶舟 ノ L A 10 10 I>〈 唇 0 0 9 0 0 9 5 0 1 0 0 0 焼 成 温 度 ( % ) 1050 900 9 5 0 1 0 0 0 1 0 5 0 焼 成 温 度 ( % ) 30 1 1 HH 9 0 0 9 5 0 1 0 0 0 1 0 5 0 焼 成 温 度 ( ℃ ) 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 1 3 号 図 3 に 示 す よ う に , 志 布 志 , 岩 川 お よ び 串 良 産 シ ラ スは同じような傾向を示し,200浬前後の粒径のもの が最も収率が高いのに対し,古江産シラスは300/zあ るいはそれより大きた粒径の部分に最大の収率を示す 部分があるように思われる. 2.6原料シラスの膨脹率 原料シラスの膨脹率を知るため,1000.0,3min、で 焼成して作成した微細中空ガラス球の直径を顕微鏡下 で測定し,各分級原土シラスの平均粒径に対する膨脹 うな傾向が認められ,収率の最も多い焼成温度は950 ∼lOOOoCである. 2・5微細中空ガラス球の収率と原料シラスの粒度 と の 関 係 各地産シラスを原料とする中空ガラス球の収率にお よぼす原料の粒度の影響を検討するため,2.2の方法 により実1験を行まい,その結果を図3に示した.焼成 温度は1000.Cとし,試料の保持時間は最も収率のよ い3min。とした.また,原料シラスの粒径は各粒度 範囲の平均値として59似,111浬,180解および280β 剛 9 0 0 9 5 0 1 0 0 0 1 0 5 0 焼 成 温 度 ( ℃ ) 900 10 区10 言 陰く 0 9 5 0 1 0 0 0 1 0 5 0 焼 成 温 度 ( ℃ ) 図 2 微 細 中 空 ガ ラ ス 球 の 収 率 と 焼 成 温 度 と の 関 係 吉 田 産 シ ラ ス 0 として表示した, ー 10 焼 成 時 間 5 m i n

粒度。44∼74〆

○74∼149浬 ●149∼210,L【 △210∼350浬 0 2 ︵ま︶冊 唇

(7)

O 岩 川 55 170 粒 径 仏 ) 図4シラスの粒径と生成中空ガラス球の大き さ と の 関 係 (1000.C’5分焼成物) dUU 30 2.7顕微鏡的観察

各地産原士分級シラスおよびそれを原料としてつく

った微細中空ガラス球について岩石顕微鏡による観察

を行なった.

原上シラスの岩石顕微鏡下の観察によれば,大部分

は火山ガラスよりたり,結晶性鉱物として輝石,斜長

石および僅少の石英が認められる.中空ガラス球は

図5(a)の写真に示すように,球状あるいはフット

ボール状あるいは不規則な形状の中空ガラス球が認め

られる.これらの形の差異は原料や焼成条件によって

変化するものであろう.さらに,単一球から左るもの

のほかに,図5(b)写真に示すように数個の中空ガラ

ス球が融着して団球を形成しているものもある.

2.8X線回折

各地産シラス原土(149∼74β)およびそれを原料と

してつくった中空ガラス球のX線回折を自記記録式

東芝製GA−2形X線回折装置により行ない,その結

果を図6∼9図に示した. 古1 − L 凸 ま,20 − 〆 $ $ + 再 = 布 志 川 良 ID, 岩 串 10 仁電 I ) 0 1 0 0 2 0 0 3 0 0 粒 径 ( 〆 ) 図3微細中空ガラス球の収率と原料シラスの 粒 径 と の 関 係 (焼成温度1000.C,保持時間3min.)

0054

1 1 ︵ま︶斜

率を求め,その結果を図4に示した.測定値はいずれ

も各分級別試料について約10個の試料の平均値であ

る. 図4に示すように,いずれの産地のシラスも同じよ うな傾向を示し,原料の粒径が大きくなるにつれて膨

脹率も増大する傾向が認められた.このことは粒径の

大きいものほど膨脹能力の大きいことを示すものであ ろう. (a)×55 ,、、

島田.福重:シラスの工業的利用に関する研究(第10報)

i

:i#

坐130

蛙 160

⋮# : 120

110 (b)×200 図5シラスを原料とするに1,空ガラス球 職一

L I | ’

0 100 100

(8)

56

鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 1 3 号

0 P QP Q 28 P P P P

図6各地産原土シラスのX線回折図(粒径149∼74/‘)

(P:斜長石,Q:石英) 岩 川 古 江 志 布 志 串 良 加 久 藤 吉 田

(9)

10 15

島田・福重:シラスの工業的利用に関する研究(第10報)

20 図7 P Q Q P P Q 2崎 30 28 古江産シラスの粒度別X線回折図 (P:斜長石,Q:石英) B侭 57 42∼65浬 65∼100解 100∼200浬 200∼325ノヒイ 325,Ld以下 40

(10)

58

鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 1 3 号

吉 田 志布志 串 良 古 江 岩 川

_」

40 砿 30 25 EMI 15 10 28 図 8 中 空 ガ ラ ス 球 の X 線 回 折 図

図6に示すように各地産シラスのうち吉田産シラス

は約4.0Aを頂点とする幅広い回折バンドを示し,大

部分が無定形のガラス質である.その他の産地のもの

は3.34A,4.26A,1.82A,左どのα石英の回折線およ

び3.18A,3.20A,4.02Aなどの斜長石の特徴線が認め

られる.しかし,これらの回折線はいずれも吉田産シ

ラスのX線回折図で示されたような4.0Aを頂点とす

る幅広い回折バンド上に現われていることから,無定

形のガラス質を主体とし,これにα石英および斜長

石を混在しているものと思われる.

古江,吉田および串良産シラスについて粒度別によ

るX線回折試験を行ない,その代表例として古江産

シラスのX線回折結果を図7に示した.その他の試

料もいずれも類似した結果が得られた.図7に示すよ

うに粒度が細かくなるにつれて斜長石およびα石英

の回折ピークの強度が弱まり,200浬以下のものはほ

とんど無定形ガラス質より構成されている.

電気炉による焼成試験では比較的粒子の粗い部分が

中空ガラス球の収率が高い結果が得られたが,火山ガ

ラスの含有量はむしろ細かい部分に多いことから,焼

成時間が長すぎたため,大部分が破壊して収率が細か

い部分では低下したものであろう.今後焼成法につい

て検討すべきである.事実古江産シラスを原料として

焼成温度1000.c,保持時間5分の条件で中空ガラス

球を試作し,水に浮遊したものと沈降したもののX

線回折試験を行左った結果,図9に示すように原料の

細かいものはほとんど無定形のガラス質よりまって

いる.また,当然のことであるが各地産シラスを原

料とした微細中空ガラス球のX線回折図は図8に示

すように,いずれも類似しており4.Aあたりを頂点

とする幅広い山形のハロ−であって,連続した無定

形物質,すなわちガラス質からなることを示してい

る。

(11)

島田・福重:シラスの工業的利用に関する研究(第10報) 59 P Q P P Q P Q 42∼65郷 65∼100〃 100∼200ノu 200∼325』L〈

L − I

10 15 2 0 2 5 3 0 3 5 2β 図 9 水 に よ る 選 別 で 沈 降 し た 部 分 の X 線 回 折 図 40 3 . 総 括 鹿 児 島 県 お よ び 宮 崎 県 産 の シ ラ ス 6 種 の 試 料 に つ い て,5段階に分級を行ない,そのおのおのについて微 細中空ガラス球の試,作を行なった. シラスを原料とする微細中空ガラス球の製造温度は 950∼1000.Cが適当であって,その焼成時間は短かい ほど収率が高く,本実験法では3分が最高の収率を示 した.焼成方法には今後検討すべき点が多い. 各地産シラスのうち古江産シラスが最も微細中空ガ ラス球の収率が高く,ついで岩川,串良,志布志,吉 田産の順で加久藤シラスは本法による焼成法では中空 ガラス球は得られなかった. 原 料 シ ラ ス の 粒 度 と 中 空 ガ ラ ス 球 の 収 率 と の 関 係 は 150∼200〃の粒度のものが最も収率が高く,それよ り 粗 い も の も 細 か い も の も 収 率 が 減 少 す る 傾 向 が 認 め られた。しかし,これも焼成法と関連があることで, X 線 回 折 に よ れ ば 細 か い も の ほ ど ガ ラ ス 質 を 多 量 に 含んでいる. シ ラ ス を 原 料 と す る 中 空 ガ ラ ス 球 は 単 一 あ る い は 数

(12)

60 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 1 3 号 個から左る団球であり,X線的に連続したガラス質 から構成されている、 2 ) 本研究の一部を担当した中野伸彦君および福里隆一 3 ) 君に感謝の意を表します. 4 ) 5 ) 文 献 6 ) 1)H、E・A1fbrdandF、Veatch;GlassMicroballoon particles,alow-densityfiller,Repritedfromthe7) Nov、1961isseofModernPlasticsbyEmerson& Cuming,Inc, 特許公報昭31-9146. 特許公報昭37-18065. 大庭・露木・海老原:岩鉱,48,[4](1967). 浜野:窯協,73,[1],64(1965)。 W、Eitel;ThePhysicalChemistryoftheSili-cateS.P.833(1952). 九工試:九工試ニュース,4,[4](1970).

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