『竹取物語』の構造と主題に関する研究
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(2) 性を考察し、天竺・唐土・内裏は水平の構造、蓬. はずの月の世界に一矢報いたものこそが「あはれ」. 來・竜宮は垂直の構造であることを示した。この. であり、この『竹取物語』で作者が読者に投げか. 国と神仙境を交互に持ってくることにより、バラ. けたものであったと結論づけた。. ンスの取れた構造になっている。さらに、現実的 な要素と空想的な場所を交互に出すことで、物語. おわりに. 世界を空間的にも内容的にも立体的なものにし. おわりにでは本研究の再確認として、『竹取物. ようとする狙いがあったと言える。これによって、. 語』はそれぞれの場面が明確な意図を持っている. 求婚難題講と昇天の場面を繋ぎながらも、それま. ことを再提示し、その一方で、場面と場面が有機. で出てくることのなかった月が、物語の最後で大. 的な繋がりを持つことによって、物語全体を通し. きく浮かび上がってくるのである。最後に出てく. た主題を表していることもまた確かなようであ. る月は、その根拠として、人間には行くことので. ることを示した。翁から五人の求婚者へ、五人の. きない場所であるという点、そこに住む人(天人). 求婚者から帝へ、そして帝から天人へと。それぞ. は人間の持っていない、不思議な力を持っている. れの存在を超えるものが現れることによって、次. という点から、神仙境とはいえ、蓬來や竜宮と同. の場面へと物語が転換していく。. じように垂直の構造であることも確認した。. 最後には、かぐや姫が帝に不死の薬を残してい く。これにより、帝はある意味で地上の世界を脱. 第三章. することが可能になった。しかし、帝が不死の薬. 第三章では、日本と中国の月と『竹取物語』に. を燃やして破棄することによって、地上の世界の. おける「月の都」、そして『竹取物語』の主題に. 「あはれ」を生きることを決める。無常な地上の. ついて考察した。中秋名月という儀式が、中国か. 世界にもきよらかで不老不死の月の世界にはな. ら日本へと渡り、『竹取物語』がそれを取り入れ. いものがある。それこそが、地上の世界で経験す. ることによって、「月の都」を縞麗に描き出して. ることのできる「あはれ」であったということを. いる。そして、「天人」という考え方は、『竹取物. 本稿で示した。. 語』以前にも存在していたが、羽衣を持つという こと、空を飛ぶことは書かれているが、月へ昇る ということは書かれておらず、『竹取物語』に初. めて見られるものであった。この発想は、中国の 『准南子』に見える婦蛾からヒントを得た可能性 がある。また、『竹取物語』全体を通して、「あは. れ」というものがこの物語の主題であるというこ とを確認した。地上の世界は「きたない所」であ. るが、そこに生きている人間が持っているrあは れ」という感情は、清らかな月の世界に生きる天 人には理解できないものであり、月の世界と相対. 主任指導教員 山口眞琴. 化され、無力である地上の人間が、何もできない. 指導教員 山口眞琴.
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