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生徒の応急処置に関する知識と保健指導が与える影響

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Academic year: 2021

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(1)Title. 生徒の応急処置に関する知識と保健指導が与える影響. Author(s). 芝木, 美沙子; 安田, 元子; 米谷, 雅子. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. C, 教育科学編, 42(1): 323-338. Issue Date. 1991-07. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/5166. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 平成 3年7月. 2巻 第1号 北海道教育大学紀要 (第1部C) 第4 i i i i do Univer t ty of Educat on I C) VOI on (Sec Jow【 s nal of Hokka ‐I .42 , No. l Ju y ,1991. 生徒の応急処置に関する知識と保健指導が与える影響. 芝木. 美沙子*・安田. 1. 緒. 元子**・米谷. 雅子**. 言. 日常よく受傷するケガの応急処置は, 普段何げなく行われている が, 実際には, 応急処置の方法 ) 応急処置は、 正しく行われなけ が正しく理解されていないことも多く, 問題点 が指摘されている1 . れば, 症状を悪化させ苦痛を与えることになるため, 児童・生徒も, 日常経験することの多いケガ について, 正しい応急処置の知識を持ち, 適切に対応できることが望まれている. こう したことか ら, 養護教諭は, 学校で応急処置を行うことはもちろ ん, 児童・生徒に対して正しい応急処置の保 3 ) ) 健指導を行うことが求められている2 .. これまで, 児童・生徒が行う応急処置や家庭での応急処置が及ぼす影響については種々研究され 5 ) ) ている が4 , 学校での保健の授業や保健指導とのかかわりについて は, あまり研究がなされていな し).. そこで本研究では, 日常おこりやすいケガの応急処置について, 生徒がどの様な知識を持っ てい るか, さらに, その知識には, 受傷経験, 学校での保健の授業や保健指導が どの様に影響している のかを調査し, 応急処置に関する指導のあり方について検討を行っ たので, その結果を報告する.. 1 1 . 調査対象および方法 1.. 調査対象. 学校で応急処置の保健学習を学ぶ前後で比較検討 するため,旭川市内の中学校2校第2学年436名, ならびに, 高等学校1校第2学年441名を対象とした. 回収数は803部, 回収率は91 ‐6%であっ た. 2. 調査期間 89年1 0月1 6日から同年11月9日までの期間に行っ た. 調査は, 19 3. 調査方法・内容 一部自由記述を含む質 問紙調査法で調査を行っ た. 調査内容 は, 受傷が多いと考えられるすり傷, 切り傷, 突き指, やけど, 鼻血の手当ての方法, 受傷経験, 処置方法の修得について, 学校で学ん だ応急処置についてである.. 323.

(3) . 芝木 美沙子・安田 元子・米谷 雅子. m. 結. 果. 1. 対象について 1) 運動部・運動クラブの所属 運動部・運動クラ ブの所属経験がある者は7 8‐3% ( 6 29名) で, 経験のない者は21 170名) ‐2% ( であっ た. 中学・高校による差 はみられなかっ たが, 男女別にみると, 男子85 407名) ‐9% ( , 女子 67 1 % ( 2 1 ) 8名 で 男子の方が運動部・運動クラ ブ P< た ( の所属経験者が多か 0 0 0 5 ) っ ‐ , ‐ . 所属した運動部・運動クラブは, 男子では野球が31‐7% ( 129名) と最も多く, 次いでサッカー 26‐ 5% ( 1 08名), バスケッ トボール1 5‐7% ( 64名), テニス1 3‐ 8% ( 56名) であっ た. 女子ではバ レーボールが30 7名) と最も多く, 次いでテニス22‐0% ( 6 48名) ‐7%( , バスケ ッ トボール18‐8% ( 41名) であっ た. 運動部・運動クラ ブで多く経験するケガとして は, 突き指が43‐1% ( 271名) と最も多くの者が あ げており, すり傷は324% ( 20 4名) 197名) 6 5名) であっ た. , 捻挫は31 ‐3%( , 打撲は10 ‐3%(. 2) 保健委員 (保体委員) の経験. 保健委員の経験がある者 は29.9% ( 240名) で, 中学・高校による差はみられなかっ たが, 男女 別にみると, 女子の方が多かっ た (P<0 ) 5 ‐00 . 2. ケガの経験 (表1) 表1 ケガの経験 ケガの種類 す り 傷 切 り 傷 突 き 指 や け. ど. 鼻. 血. 全 体 n =803 96.4. 学. 中学. 校. 高校. n =414 n =389 94.7. 98.2. ( 77 4 ). 3 92 ( ). 3 82 ( ). 95‐9. 94-9. 96.9. 別. 性. 検定 **. 男子. 別. 女子. n =474 n =325 96‐8. 検定. 95.7. 運 ある n =629 97.8. 95.6. 96‐3. 96‐0. 95-3. ( 3 77 ). ( 453 ). ( 3 13 ). ( 6 04 ). 87.4. **. 87.8. 782. 87.O. 88.4. ***. ( 6 6 9 ) 81.6. ( 6 55 ). 78‐5. ( 325 ) 80.9. ( 335 ). ( ) 34 4 82.3. 320 ( ). ***. ( 1 5 5 ). 80.2. 83‐3. 91.2. ( 6 15 ). ( 3 9 ) 3. ( 3 40 ). 検定. ( 11 ) 3. 83‐7. 33 2 ( ). だ まし) n =170. ( 4 59 ). ( ) 77 0 ( 6 72 ). % 部. 動. ( 41 ) 6 83.8. ( 397 ) 84‐8. ( 4 0 2 ). ( 254 ). ***. 83.1. 83.5. ( 27 ) 0 76‐6. ( 24 9 ). ( 7 ) 54 ( 52 5 ). ***. 82.5. ( 51 9 ). ( 16 2 ) 71.2. ( 1 21 ). ** *. 82.4. ( 1 4 ) 0 78.2. ( 13 ) 3. * * P <0‐01 * * *P <0‐005. (複数回答). 経験したことのあるケガでは, すり傷が最も多く96‐4% ( 7 74名) 770名) , 切り傷95‐9% ( ,突 き指83‐7% ( 672名) やけど8 3 3 % ( 6 ) 6 9名 鼻血8 1 6 % ( 6 5 ) た 5名 であ っ . , . , . ケガの経験を中学・高校別にみると, すり傷, 突き指, やけどは高校生の方が多く経験していた. 男女別にみると, 突き指, 鼻血は男子に多く, 運動部の所属経験の有無でみると, すり傷, 突き指 は, 運動部の経験者に多く みられた. 3. ケガの手当ての経験 (表2) 1) すり傷 すり傷の手当てをしたことがある者は83‐1% ( 667名) であっ た。 自分の手当てをしたことがあ 2‐4% ( る者は8 662名) 170名) , 他人の手当てをしたことがある者は21 ‐2% ( , 自分の手当ても他 324.

(4) . 生徒の応急処置に関する知識と保健指導が与える影響 表2 手当ての経験 学 全 体 ケガの種類 n= 80 3 中学. 校. 高校. n=414 n=389. 83 I. 80 9. 85 3. 89-7. 88‐4. 91.0. 70 0. 65 5. 74 8. 72-2. 65‐7. 79‐2. 80‐3. 77.5. 83.3. 別. 検定. - . . す り 傷 ( ) ( 2 ) 6 67 ) ( 335 33. ど. 鼻. 血. 3 ) ( 5 80 ) ( 27 2 ) ( 08. n=474 n=32 5 79-3. 88.3. 86.7. 93‐8. 70.5. 69‐5. 72.4. 72‐3. 81‐0. 79.4. 3 ) ( 4 11 ) ( 05. - . ‐ 突 き 指 ( 2 91 ) 2 ) ( 2 71 ) ( 5 6 け. 女子. ) ( 2 87 ) ( 3 76. 切 り 傷 (20 ) 3 66 ) ( 3 54 7) (. や. 別. 性. 男子. 検定 *** ***. 2 26 ) ) ( ( 3 34 *. ) 4 ) ( 21 ) ( 3 24 ( 6 5 3. 4 ) ( 23 5 ) ( 3 3 ) 258 ( 38 4 ) (. 運動部経験 士 まし1 n=629 n=17 0. ある. 83.1. 82.4. 9QO. 88‐2. 検定. 0 14 ) ( 23 ) ( 5 ( 66 ) ( 150 ) 5 73.6. 添 字 ***. 72.O. 72‐4 ▼. 81.1. 77.6. ( 46 3 ). ( 4 ) ( 1 2 3 ) 5 3. 保健委員経験 だ まし1 n=24 0 0 n=55. ある. 85-8. 81.8. 90.O. 89.8. 74‐2. 68‐2. 75.0. 71.I. 82‐5. 79‐3. 検定. ( 20 6 ) ( 4 50 ) ( 21 6 ) ( 49 4 ) 37 ) ( 1 78 ) ( 5 39 1 ) ( 1 ) ( 8 0. 1 ) ( 4 36 ) ( 98 *P <0‐05 * * *P <0‐005 (複数回答). ) 1 32 ( 51 0 ) (. 165名) であっ た. 5% ( 人の手当ても経験している者は20‐ 手当てをしたことがある者を男女別にみる と, 女子に多かっ た. ) 005 また, 他人の手当てをしたことがある者についてみると, 男女別では女子に多く (P<0‐ , ). 05 保健委員の経験では, 経験者に多かっ た (P<0‐0 2) 切り傷 7 20名) で, 取り上 げた5つのケガの中では, 切り傷は, 手当てをしたことがある者 が89.7% ( 7 08名) 最も手当ての経験者 が多く, 自分の手当てをしたこと がある者が88‐2%( , 他人の手当てを は1 9‐7% 自分の手当ても他人の手当ても経験している者 1 2 % ( 1 7 0名 ) で したことがある者が2‐ , ( 1 58名) であっ た. 手当てをしたことがある者を男女別にみる と, 女子の方が多かっ た. 5 ), また, 他人の手当てをしたことがある者についてみると, 男女別では女子に多く (P<0 ‐00 ). 保健委員の経験では, 経験者に多かっ た (P<0‐005 3) 突き指 0‐0% ( 562名) で, 取り上げた5つのケガの中では, 突き指では, 手当てをしたことがある者 は7 一 番少なかっ た. 自分の手当てをしたことがある者は66‐4%( 533名) , 他人の手当てをしたことが 95名) であっ た. 1 24名) ある者は154% ( .8% ( , 自分と他人 どちらも経験したことがある者は11 手当てをしたことがある者を運動部の所属経験の有無でみると, 運動部経験者に多かっ た. ) 他人の手当てをしたことがあると答えた者についてみると,男女別では女子に多く,(P<0‐005 , 5 ) 運動部の所属経験では, 経験者に多く (P<0‐0 , 保健委員の経験でも, 経験者に多かっ た(P< 0‐005 ).. 4) やけど 2.2% ( 580名) であっ た. 自分の手当てをしたことがあ やけどの手当てをしたことがある者 は7 6% ( 6 9名) 543名) る者 は67‐6% ( , 自分の手当ても他人 , 他人の手当てをしたことがある者は8‐ 32名) であっ た‐ の手当ても経験している者 は4 ‐0% ( 手当ての経験を中学・高校別にみると, 高校生の方が手当を経験している者 が多かっ た. 他人の手当てでは差はなかっ た. 5) 鼻血 64 5名) であっ た. 自分の手当てをしたことがある 鼻血の手当てをしたことがある者 は803% ( 1 20名) であっ た. また, 自分 9% ( 4‐ 他人の手当てをしたことがある者は1 者は77‐ 6% ( 623名) , 325.

(5) . 芝木 美沙子・安田 元子・米谷 雅子. と他人の両方の手当てを経験している者は1 2‐2( 98名) であっ た. 他人の手当てをしたことがある者 は, 男女別では女子に多く (P<0.005 ) , 保健委員の経験で比 べると, 経験者に多かっ た (P<0 ) ‐01 . 4. 各ケガの手当て (表3) 1) すり傷 膝をすりむき, 傷口にドロや砂がついていて, 血がにじんでいる場合の手当ての方法は 「傷口を , 「 水道水で洗う」 が80‐9% ( 650名) で最も多く, 次いで 「消毒する」70.1% ( 563名) , サ ビオをは る, または清潔なガーゼをあてて包帯を巻く」 69‐6% ( 559名) であっ た. 「 中学・高校別にみると, 「傷口を水道水で洗う」 は高校生に多く (P<0‐005 ) , サビオをはる, または清潔なガーゼをあてて包帯を巻く」 は中学生に多かっ た (P<0 ) ‐005 . . 「 「 男女別にみると, 消毒する」 (P<0‐005 ビ ) サ オをはる ( P< 0 0 0 ) は女子に多く, 「つ ば 5 」 , ‐ をつける」 は男子に多かっ た (P<0‐ 005 ) . 2) 切り傷 指先を少し切り, 傷 は深くないが血がでてきた場合の手当ての方法は,「サ ビオをはる または清 , 潔なガーゼをあてて包帯を巻く・ が最も多く75.6% ( 607名) であっ た. 次いで, 「傷口をなめる」 「 35 283名) 4% ( 180名) であっ た. ‐2% ( , 清毒する」 22. 中学・高校別にみると, 「サ ビオをはる」 と答えた者が中学生に多かっ た (P<0 ) ‐005 . 「 「 「 男女別にみると, サビオをはる」(P<0‐00 5 ) 止血する ) ( P< 0‐0 ) 05 」 , 清毒する」(P<0‐01 , , 「ぬり薬をつける」 (P<005 「傷口をなめる」 (P<0005 「 )は女子に多く ) 何もしない P< ‐ 」( , ‐ , 0 5 ) は男子に多かっ た. ‐00 3) 突き指 突き指をして, 腫れて痛む場合の手当ての方法は, 「湿布をする」が716%( 57 5名)と最も多く, ‐ 「指を伸 ばして固定する」222% ( 次いで 「水で冷やす」 4 5.0% ( 361名) 17 8名) であっ た. , ‐ 表3 手当て の方法 す. り. 傷. 切 り 傷. 突 き 指. や. 鼻. ど. け. % 血. 水道水で洗う 80.9 サビオ, または 75.6 湿 布 を す る 71.6 水 で 冷 や す 92‐3 つめものをする 83.4 ( 6 50 ) 清潔なガーゼ ( 60 7 ) ( ) 57 5 ( 7 41 ) ( 67 0 ) 70 1. 35‐2 ‐ 消 毒 す る ( 563 ) 傷口をなめる ( 28 3 ) 水で冷やす サビオ, または 69.6 22‐4 指を伸ばして 清潔なガーゼ ( 5 59 ) 消 毒 す る ( 80 ) 固 定 す る 1. 45.O 32‐3 44.7 は ( ) アロ エ を る ( 361 2 ) 上を向いて寝る ( 59 3 59 ). 赤チンをつける 13‐6 ぬり薬をつける ( 10 9 ). マッサージする. . 1 8 ( 1 ) 病院へ行く. お き 昼 鼻の上を冷やす (1130‐84). 何もしない. 何もしない. 透 参消. 鼻をつま む. そ. 指を曲 げて 固 定 す る. (詩. 三 品 (. 鼻 を か む. 22 2. ガーゼをあてて 20 7. 27. . . .4 ( 17 8 ) 包帯を巻く ( 1 66 ) うなじをたたく ( 220 ) 16.3 19.3 2 0 0 2 0 3 2 2 いすに座 O て っ ‐ - . ぬり薬をつける ( 1 ) 止 血 す る ( 31 1 5 ) 何度も引っ張る ( 5 16 1 ) ぬり薬をつける ( 1 3 6 ) 頭をそらせる ( 17 ) 7. つ ばをつける. (%. 何もしない O ( そ. の. 他. O ‐ (琵. 無. 回. 答. (喧. 無. の. 回. (溺. な め ( 他 三 (品. 答 0 (晶. あたためる. 14 7. も 品 (. 協. そ. の. 他. ‐ 鼻 (も. 無. 回. 答. (鶴. 毒 す る. 何もしない すっ た ジャ ガ. イモをつける しょう 油 を つ. け. そ. の. 無. 回. る. (噌. O ‐ (品. - & 品 答 三 (名 他. いすに座っ て 前 を 向 く 何もしない. 奮 お (. 調. O ‐ (琵. そ. の. 他. 品. 無. 回. 答. き 3. n =803. 326. 12‐6. 01 ( 1 ).

(6) . 生徒の応急処置に関する知識と保健指導が与える影響. 「 中学・高校別では, 「指を伸 ばして固定する」 (P<0 ) ) 5 ‐005 , 何度も指を引っ 張る」 (P<0‐0 と答えた者が、 中学生に多かっ た‐ 「 ) )は女子に多 男女別にみると, 「湿布をする」 (P<0‐005 , 指を伸 ばして固定する」 (P<0‐005 「 「 「 ) ) く, 水で冷やす」 (P<0‐005 ) , 何もしない」 (P<0‐005 , 何度も指を引っ 張る」 (P<0‐05 は男子に多かっ た. 4) やけど 7 41 熱湯で指にやけどをし, 水ぶくれができた場合の手当ての方法は, 「水で冷やす」 が92‐3% ( 「清潔なガー ゼをあてて包帯を巻く」 2‐3% ( 259名) 名) と最も多く, 次いで 「アロエをはる」 3 , 20.7% ( 166名) であっ た. 中学・高校別にみると 「アロエをはる」 (P<0‐ 01 ), 「清潔なガー ゼをあてて包帯を巻く」 (P< 0.005 ) は, 共に中学生の方が多かっ た. 「 「 男女別にみると, 「水で冷やす」 (P<0‐ 005 ) ) , アロエをはる」 (P<0‐05 , 清潔なガー ゼをあ 「 「 ) てて包帯を巻く」 (P<0.0 05 ) は女 ) , ぬり薬をつける」 (P<0‐005 , 病院へ行く」 (P<0‐005 子に多かっ た. 「水で冷やす」 場合の冷やし方では 「流れる水道水を直接かける」65 6% ( 「 486名) ‐ , , 水道水を 「 流しながら洗面器に手をつける」22‐9%( 17 0名) 6 0名) ‐1% ( , 水をためた洗面器に手をつける」8 「 であっ た. 「水道水を流しながら洗面器 に手をつける」 と答えた者 は高校生に多く (P<0‐05 ) , 流 れる水道水を直接かける」 と答えた者は, 中学生に多かっ た (P<0‐0 ). 男女別では差 はみられ 05 な か っ た.. 「 「 水で冷やす時間では, 「3分以下」 が4 5‐7% ( 339名) 309名) , 3~10分くらい」41‐7% ( , 10 「 分以上」 が1 0‐ 5%( 78名)であっ た. 中学・高校別でみると, 3分以下」が高校生に多かっ た(P< 0‐ 05 ). 男女別では差 はみられなかっ た. や け どで で き た 水 ぶ く れ に 関 し て は「そ の ま ま に し て お く」41‐7%( 335 名), 「つ ぶ す」32‐8%( 263 名), 「つ ぶ れ な い よ う に 気 をつ ける」 22‐9% ( 184 名) で あ っ た. 中 学・高 校 別 に み る と, 「そ の ま. 「 まにしておく」 は高校生に多く (P<0‐0 5 ) ) , つぶす」 は中学生に多かっ た (P<0‐05 . 男女別に み る と, 「つ ぶ す」 は男 子 に 多 く (P <0‐005), 「つ ぶ れ な い よ う に 気 を つ ける」 は女 子 に 多 か っ た (P <0‐005 ).. 服の上から熱湯がかかっ た場合の手当ての方法は, 「急いで無理にでも脱がせて手当てをする」が 「 57‐7% ( 46 3名) 2 58名) であっ た. 中学・高 , 服を脱がせるよりも先に手当てをする」 が32‐1% ( 「 「 校別にみると, 急いで無理にでも脱がせて手当てをする」 は, 中学生に多く (P<0‐0 ) 05 , 服を 脱がせるよりも先に手当てをする」 は, 高校生に多かっ た (P<0‐0 ). 男女別にみると, 「急いで 5 「 無理にでも脱がせて手当てをする」 は男子に多く(P<0‐005 ) , 服を脱がせるよりも先に手当てを す る」 は女 子 に多 か っ た (P <0‐005).. 5) 鼻血 鼻をぶつ けて鼻血がでた場合の手当ての方法は, 「つめものをする」 が最も多く83‐4% ( 670名) , 「うなじをたたく」 274% ( 次いで 「上を向いて寝る」 44‐7% ( 359名) 2 2 0名 ) であ た っ . , ‐ 「鼻をかむ」 (P<0 005 中学・高校別にみると, 「うなじをたたく」 (P<0‐0 05 ) ) は , ‐ , 中学生に 多く, 「鼻の上を冷やす」 は高校生に多かっ た (P<0‐01 ). 「 男女別にみると,「鼻の上を冷やす」(P<0‐005 ) ) , いすに座っ て頭を後ろにそらせる」(P<0‐05 は女子に多かっ た. 「つめものをする」 場合の つめるものは 「チリ紙」 が最も多く8 「 8‐1% ( 590名) , , 脱脂綿」 が 327.

(7) . 芝木 美沙子・安田 元子・米谷 雅子. 1 5‐ 8% ( 106名), 「ガーゼ」 が1.9% ( 1 3名) であっ た。 中学生と高校生で差 はみられなかっ た. 男 女別では, 「チリ紙」 は男子に多く (P<0‐0 5 ), 「脱脂綿」 は女子に多かっ た (P<0‐01 ) . 「 「止まればす つめものの取り替えについては, 止まるまで何度も取り替える」51‐ 2% ( 3 43名) , 「 ぐ取る」38.1% ( 255名) 6 4名) であっ た. 中学生と高 , 止まっ ても5~10分は取らない」9‐6% ( 校生で差はみられなかっ た. 男女別では,「止まるまで何度 も取り替える」は女子に多く(P<0‐01 ) , 「止まればすぐ取る は男子に多かっ た (P<0005 」 ‐ ) . 5. 手当ての知識を得た方法 表4 手当ての知識を得た方法 、、 方 法. 之ご2種類. % (名). すり傷. 切り傷. 突き指. やけど. 鼻 血. 56.8. 56.0. 42‐8. 56.8. 51-6. 手当てをしてもらった. ( ) 456. ( 4 ) 50. ( 34 4 ). ( 456 ). ( 4 14 ). 自 分 で 考 え た. 21-3. 22.5. 13‐4. ‐ も ぞ 3. ( 3 ) 14. ( 1 ) 4 6. 18.2. 渦. ゐ 品. (5 3 ). 人 か ら 聞 い た. 本や TV で知 っ た 学校で勉強した そ. の. 無. 回. ‐. 他. 答. ( ) 17 1. ( 1 8 1 ). も き ろ ( 品 ( 食 品 (なあ 2.4. (19 ). (笥. 当 な る あ ( ( 6-8. (55 ). (閉. 8 ( 1 0 ). 4.4. (3 5 ). & 参 9‐7. ) (78. 6‐6. 17.8. (萄 5.4. (43). ‐ な あ & 品 (. 母. 親. 父. 親. 養. 護. 教. 諭. 一. 般. 教. 諭. 友. 人. そ. の. 他. 無. 回. 答. 突き指. 校で勉強した」は,すり傷(P< 0‐05 ) 5 ) , 切り傷 (P<0.00 , 突き指 (P<0‐005 ) やけど ,. やけど. % (名) 鼻血. ( ) 37 5. ( ) 3 21. (P<0‐005 ), 鼻 血 (P< 0.00 )の全ての項目で高校生 5 に多く,「手当てをしてもらっ た, または手当てをしている. 4.I. n =456. n=450 n =344 n =456 n =414 81.8 52.0 82.2 77.5. ( ) 368. ( 17 9 ). ‐ 鼻 調 (M (易 (萄 & ‐ も お ( な め お (争 (拐 (詩 ぞ 0.4. O ‐ (晶. 2 ‐ (品. 1‐I. ) (2. ) (5. 参 る ( も ま (. 0 ‐ (盗 O ‐ (多. ‐ & 品 ‐ な お & 鼻 ( を 品 (謡 ( 2‐4. (11 ). (錫. (易. で考えた」が多かっ た(表4). 中学・高校別でみると, 「学. (3 3 ). 切り傷. ( 37 1 ). のを見た」 と答えた者が最も 多かっ た. 次いで, 突き指で は 「人から聞いた」 が多かっ たが, 他の4項目では 「自分. (笥. すり傷 81-4. には, 取り上 げた5つのケガ の全てで,「手当てをしてもらっ た, または手当てをしている. を 品. 3.4. 表5 ケガの処置者. 之せ芝種類. ことから知っ たかという質問. (27 ). n =803. \、 処置者. 手当ての方法をどのような. 鮎. 三 品 ( 1-9. (8 ). 罰. (複数回答). のを見た」 も, すり傷 (P< 0‐0 5 ), 切り傷 (P<0‐0 5 ) , 突き指 (P<0‐0 5 ) で, 高校 生に多かっ た。 また,「自分で 考 え た」 は, 切 り 傷 (P< 0‐05 ) ) で中 5 , 鼻血 (P<0‐0 学生に多く,「本やTVで知っ た」 も, 突き指 (P<0‐05 ). で中学生に多かっ た. 「 性別でみると, 手当てをしてもらっ た, また は手当てをしているのを見た」 は, すり傷 (P< 0 0 ) ) ) ) ) の全て ‐ 05 , 切り傷 (P<0‐05 , 突き指 (P<0‐005 , やけど (P<0‐005 , 鼻血 (P<0.05 の項目で, 女子に多く, 「自分で考えた」は, すり傷(P<0‐01 ) 突き指( P< 0 0 0 5 ) やけど (P< , . , 0‐005 ) で, 男 子 に 多 か っ た.. 「手当てをしてもらっ た または手当てをしている のを見た と答えた者に そのときに手当て 」 , , を行っ ていた人を尋ねた結果, 取り上 げた5つのケガの全てで, 母親が最も多く, 次いで養護教諭. 328.

(8) . 生徒の応急処置に関する知識と保健指導が与える影響. か父親であっ た (表5). 「人から聞いた」 と答えた者に 聞いた相手を尋ねた結果 突き指以外の4つのケガでは母親が , , 最も多く, 突き指では友人が最も多かっ た‐ 6. 学校における応急処置の指導 1) 学習経験 (表6) 今までに, 学校でケガの手当てについて学習 409名) したことがあると答えた者 は50‐9% ( であっ た. 中学・高校別 にみると, 中学生では 1 46名) であるのに対 し, 高校生 では 35‐3% ( 263名)で, 学習経験者は高校生の方が 6 7‐6%( 多 か っ た (P <0‐005).. 学校で手当てについて学習 したケガでは, 突 263名) き指が最も多く64‐3%( , 次いでやけど 162名) で が5LI% ( 209名), 切り傷39‐6% ( 2 % あっ た. その他として は骨折13 ( 54名) ‐ , 20名) などがあげられていた. 中 捻挫4‐9% ( 学・高校 父別にみると, 切り傷, 突き指, やけど. 表6 ケガの種誠夏 す り 傷 切 り 傷 突. き 指. や. け. 鼻. 学校 で学習 した ケガ. 全体. n =409 34-5. 14 1 ( ) 39.6. ( 1 6 2 ) 64‐3. 26 3 ) ( 51‐I. ど. ( 9 ) 20. 血. 38.6. その他…. % 中 学 高 校 別. ) 15 8 ( 26.2. ( 107 ). 中学. 高校. n=146 n =263. ‐ も S き き 品 P 43‐7 P M (115) も 品 (6177‐73) P 35-6. (5 2 ). 59‐7. ( 157 ). を ぞ 多 寵 品 6品 F婦 (. 検定. * * ***. * **. * P <0-05 * * * P <0-005. は, 高校生の方が多く学習していた‐ また, 骨折と答えた54名 はすべて高校生であり, 中学生では 学習していなかっ た‐ 2) 学習する機会 (表7) 「 0‐4% ( 71名) 69 すり傷では, 「ケガをしたとき」 が最も多く5 , 次いで 保健の授業」 が48‐9% ( 「保健の ) 名) であっ た. 中学・高校別にみると, 「ケガをしたとき」 は中学生に多く (P<0‐ 005 , 授業」 は高校生に多かっ た (P<0‐005 ) . 切り傷では, 「保健の授業」 で学ぶと答えた者が55‐6% ( 9 0名) と最も多く, 次いで 「ケガをし たとき」 が45‐1% ( 73名) であっ た. 中学・高校別にみると, 「保健の授業」 と答えた者 は高校生 に多 く (P <0‐005), 「ケ ガ を し た と き」 は, 中 学 生 に 多 か っ た (P <0‐005).. 突き指を学ぶ機会は 「保健. 表7. \ こ塾偏重類 、 際 学習機 会 保 健. の 授 業. ケ ガ を し た と き. クラ ブ・部活動 保 健 委 員 会. 手当て の学習機会. すり傷. 切り傷. n =141 n コ162. 電 流 ( 7.I. 4.9. ) (83. 4.3. 2‐7. (1 0 ). (7 ). ( 7 ). 5-7. 2 ‐ (品 O ‐ (み. 他. 0 ‐ (み. 無. 回. 答. 1 (晶. ( 4 ). 前. 31‐6. ) (8. の. の. やけど n =209. ‐ も 品 (123) (148) も 品 F さ ‐ ‐ も 電 品 ぞ 品 F % ぞ 弱 F. そ. 事. 突き指 n ;263 46.8. 4 ‐ (角 0 ・ (S. 行. % (名). (8 ). 2.5. 3‐O. (8 ). 70-8. 鼻血. n =158 45-6. (7 2 ) 36‐7. (5 8 ). 1 (参 2 (晶. (鶴. 1‐9. 3‐2. 2 (品. (4 ). (5 ). (9 ). 4‐3. 3 (晶. 4 ‐ (品. 5 . (. (複数回答). の 授 業」 が 46‐8% (123 名). と最も多く, 次いで 「ケガを し た と き」34‐2%( 90 名),「ク. ラ ブ・部活動」31‐ 6% ( 8 3名) であっ た. 中学・高校別にみ ると, 「保健の授業」は高校生 「 ) に多く(P<0‐00 5 , ケガを したとき」 は中学生に多かっ た (P <0‐005 ).. やけどの学習機会は 「保健 0‐8% ( の授業」 が7 148名) で, 他のケガと比べても特に 多 く, 次 い で 「ケ ガ を し た と 329.

(9) . 芝木 美沙子・安田 元子・米谷 雅子. き」25‐4% ( 53名) であっ た. 中学・高校別にみると, 「保健の授業」 は高校生に多く (P<0 ) ‐005 , 「ケガをしたとき」 (P<0 0 「 ) 05 ) は中学生に多かっ た. ‐05 , 保健委員会」 (P<0‐ 鼻血の手当てについて学習する機会は 「保健の授業」 が45 72名) と最も多く, 次いで 「ケ ‐6% ( 「 ガをしたとき」36.7%( 58名)であっ た. 中学・高校別にみると, 保健の授業」は高校生に多く(P< 0‐00 5 ), 「クラ ブ・部活動」 は中学生に多かっ た (P<0‐005 ) . 「 その他として, 骨折の手当ての学習機会では, 保健の授業」 が81‐ 5% ( 44名) と最も多く, 「ケ 「 「 ガをしたとき」 , クラ ブ・部活動」 , 行事の前」 という答えはそれぞれ1.9% (1名) であっ た. 捻 「 「 「 挫では, 保健の授業」 0% , クラブ・部活動」 がそれぞれ30‐0% (6名) , ケガをしたとき」 が25‐ 「行事の前」5 0% (1名) であっ た (5名) , ‐ . 3) 指導者 (表8) すり傷では, 「養護教諭」 が66‐ 0% ( 93名) と最も多く, 次いで 「体育教師」29‐1% ( 41名) で あっ た. 中学・高校別にみると,「体育教師」から学んだと答えた者は高校生に多かっ た(P<0.005 ) . 「 「 切り傷では, 養護教諭」 が55‐6% ( 90名) と最も多く, 次いで 体育教師」35‐ 2% ( 57名) で 「 あっ た. 中学・高校別にみると, 「養護教諭」 (P<0. 005 ) 005 ) が中学生 に多く, , 担任」 (P<0‐ 「体育教師」 は高校生に多かっ た (P<0005 ) . . 表8. 、\ ケぞ輩 の種類 指導者 -、 養 体. 教. 護 育. 教. 担. 手当て を学習 した時の指導者 すり傷. 切り傷. 突き指. % (名). やけど. 鼻血. n =141 n =162. n =263 n =209 n =158. 諭. ‐ も 品 代 品 F. 師. ‐ 塾 ぞ み. (57 ). も 令 号 晶 さ ‐ ‐ も も P あ き 角 ぞ な お. 任. 5 . (. & 品. 2 ‐ (品. ‐ & 昼. 4 (晶. 部 活 動 の 教 師 そ. の. 他. 無. 回. 答. 35.2. 43‐O. ( 1 13 ). 5‐7. (12 ). ‐ も ぞ 品. (0 ). (0 ). 2 ‐ (品 O ‐ (昼. 5 ‐ (品. 0 (g. ‐ ‐ & 品 (罫 ぞ も お. ‐ も 品. ぞ% 0 (晶. 8‐2. (1 3 ). 「 突き指では, 「養護教諭」 が43. 0% ( 1 13名) と最も多く, 「体育教師」 が35‐7% ( 94名) , クラ 「 ブ・部活動の教師」 が29 7 8名) であっ た. 中学・高校生にみると, 養護教諭」 は中学生に ‐7% ( 「体育教師」 は高校生に多かっ た (P<000 ) 多く (P<0‐005 ) , ‐ 5 . 「 「 やけどでは, 体育教師」 が46‐4% ( 97名) で, 次いで 養護教諭」42‐6% ( 89名) であっ た. 「 中学・高校別にみると, 「体育教師」 は高校生に多く (P<0‐005 ) , 養護教諭」 は中学生に多かっ た (P <0‐005).. 鼻血では 「養護教諭」 が48‐7% ( 77名) と最も多く, 次いで 「体育教師」27‐8% ( 44名) であっ た. 中学・高校別にみると, 「体育教師」 は高校生に多く (P<0‐ ), 「担任」 は中学生に多かっ た 05 (P<0‐ 05 ) . その他の骨折の指導者では, 「体育教師」 が70‐4% ( 38名) と最も多く, 次いで 「養護教諭」14. 「 「 8% (8名) , クラ ブ・部活動の教師J , 担任」 がそれぞれ1‐9% (1名) であっ た. 捻挫の指導者 「 は 「クラ ブ・部 活動教師」 が3 0 % 5. (7名) , 体育教師」 が25‐0% (5名) , 養護教諭」 が10‐0% (2名) であっ た. 330.

(10) . 生徒の応急処置に関する知識と保健指導が与える影 謬響. 4) 学習機会と指導者 (表9) 表9. 手当ての学習機 会と指導者. ケガの種類 学習機会 自愛毒害一 - --- 保健の授業 で体育教師から ケガを したとき養護教 諭から. 保健の授業 で養護教諭から クラブ・部活動で部活動の教師から ケガを したとき体育教師から クラ ブ・ 部 活 動 で 養 護 教 諭 か ら ケガをしたとき部活動の教 師から そ. の. 他. 無. 回. 答. すり傷. 切り傷. n =141. n =162. %. 突き指. やけど n =263 n =209 31.6 (83). ぞ笥 き 謝 き 鶴 40-4 15‐3 錫 ぞ詩 (32) (57 ) P 24.I 17‐I も 品 (4 (34 ) ) ぞ 錫 5 1 4晶 O ‐ き み (‐品 (品 ( 6-4. (9 ). (M. ( 8 ). 4 ‐ (品. 3 ‐ (品. (5 ). 5-7. 29.1. (41 ). (笥. 3-I. 21.6. 6-8. (18 ) 8‐4. (22 ) 6.5. (17 ) 28.5. (35 ). (7 5 ). 11‐7. ‐ も 品. (19 ). (笥. 1 ‐ (参 1‐4. ) (3. 鼻血. n =158 25‐3. (40 ). M 濁 5 (晶 3 (晶 2 ‐ (お 1-9. (3 ). を 鮎 ぞ 3 14‐8. (31 ). 17.7. ) (28. すり傷では, 「ケガをしたとき養護教諭から」 が最も多かっ たが, 他の4項目では 「保健の授業 , で体育教師から」 が最も多かっ た. また, 「保健の授業で養護教諭から」 というも のも多く これら , 3つの場合がほとん どであっ た. ただし, 突き指だけは, 「クラブ・部活動で部活動の教師から」 と いう者が24‐3% ( 64名) と多かっ た.. IV. 考. 察. 1. ケガの経験 すり傷, 切り傷な どは, 実に多く経験するケガ で, ほとんどの者が受傷 経験を持っていた すり . 傷, 切り傷に比べると突 き指, やけど, 鼻血の受傷経験 は少なかっ たが, どのケガも80%以上の者 が経験していた. このことからも, 正しい手当ての方法を修得しておくことが必要と感じられた . また, 受傷経験者は中学生 に比べ高校生に多くなっ ていたが, これは年齢が進むにつれ 受傷機 , ) 7 )と同様に 男子の方が受傷経験が多かっ たが 会が増えるためと思われる. 性別では, 他の調査6 , 、 これは, 男子の方が活動が活発であるためと思わ れる また, 運動部・運動クラブの経験者 の方が . すり傷と突き指を経験した者が多かっ たが, これらのケガは運動中 の受傷が多いためと思われる . 2. ケガの手当ての経験 手当て の経験率が高かっ た ケガ は, 切 り 傷 の89 .7%であっ た が, 最 も 少な かっ た突 き指 でも 7 0.0%の者が手当て を経験していた. 切り傷, すり傷, 鼻血などは幼少期から多く受傷するケガで あり, 処置方法も比較的簡単であることから, 手当てを経験した者が多かっ たものと考えられる . 手当ての経験を, 他人の手当ての経験も含めて みると, 性別では 女子の方が手当 てを経験した , 者が多いケガがあっ たが, これは, 女子の方がケガの処置に対して積極的にかかわり, また 母親 , に代わっ て処置することもあるためと思われる. また, 運動部・運動クラブ所属経験者の方が, 突 331.

(11) . 芝木 美沙子・安田 元子・米谷 雅子. き指の手当てを結験した者が多かっ たが, これは, 部活動時に受傷する ことが多いためと思われる. 保健委員の経験の有無で見ると, 他人の手当の経験が, すり傷, 切り傷, 突き指, 鼻血で委員経 ) 岩瀬9 )らの研究でも 学校での応急処置への関与 は, 一般 の生徒に比 験者の方が多かっ た. 中村8 , ,. べ保健委員の方が多いことが報告されており, 保健委員は学校での応急処置で, 養護教諭の手伝い として簡単な手当てを行うことがあるためと思われる. 3. 各ケガの手当て 1) すり傷 0 )では 水道水で洗うよりも消毒を優先する者が多かっ たが,今回 筆者らの母親を対象として調査1 , 「 の調査では, 傷口を水道水で洗う」 が80‐9%と最も多く, 水道水な どで泥や砂を取り除いてから, 1に とが理解されているものと思われた また 水道水で洗うと答え 消毒した方がより効果的である1 , . た者は中学生より高校生に多く, 年齢が進み受傷や学習の経験が増えることで, 差がでてきたもの と思われる. すり傷の場合, 傷口を洗浄, 消毒した後は, 傷口を乾かす方が治りが早いので, できるだけ傷は 9‐6% 覆わない方がよいが,「サ ビオをはる,または清潔なガー ゼをあてて包帯を巻く」と答えた者が6 であっ た. この答えは中学生に比べて高校生では少なく, 高校生は中学の保健の授業で, 血液の働 きや体の自然治癒能力などを学んでおり, 傷口を乾燥させることの意義を理解しているためと考え られる. 救急群創膏の使用については, 消毒をしなかっ たり, 長時間貼り続けたりという問題点も 2 1 3に とから 使用方法について十分指導することが望まれる ) 指摘されている1 . , 「赤チンをつける」 という答えは1 3‐6%みられた. 赤チン (マーキュロクロム) は成分に水銀が 4 } 市販されているため 家庭に 含まれるなど, その有害性から1973年に製造中止になっ ているが1 , , 常備していることも多いものと思われる。 赤チンは手軽で, 殺菌力が強いが, 長く大量に使用する と人体 への害 が考えられることや, 色がとれないので炎症を起こしていても見落とす恐れがあるた め使用しないことが望まれる. 2) 切り傷 指先の切り傷で, 傷は浅いが出血しているというときの処置は, まず傷口を清潔にすることが必 要である. しかし, 今回の調査では「消毒する」と答えた者はわずかに224%しかみられなかっ た. 小さな切り傷の場合, 消毒が軽視されがち であるが, 傷口は細菌感染を起こしやすいので, 清潔に 注意させることが必要である. また, 出血量が多いときは, 止血することも重要であるが, 止血す 9‐3%に過 ぎなかっ た. 止血の必要性や方法についての理解 が全体的に不足してい ると答えた者は1 ると思 、われる. 5.6%であっ 最も多かっ た答えは 「サ ビオをはる, または清潔なガー ゼをあてて包帯を巻く」 で7 たが, 救急紳創膏の使用について は, 前述のように注意が必要であるとともに, 出血が止まっ たら 粋創膏をとり, 乾燥させた方がよいことを指導していく必要がある. 「傷口をなめる」 と答えた者が352%おり 消毒や止血を行うと答えた者より多かっ た 小さな ‐ , . 切り傷の場合でも出血が多いこともあり, とっ さに傷口をなめてしまっ ているものと思われるが, 口腔内 は細菌学的にみて不潔であるので, 行うべきではない. 3) 突き指 突き指の処置として第一に行うことは, 指を冷やすことであり, 水または氷で冷やし, 続けて冷 「 「 5 ) 0%であっ た. 湿布をして冷 湿布を行うとよいが1 ‐6%, 水で冷やす」 は45. , 湿布をする」 は71 やすことは多くの者に理解されていたが, 水で冷やすことについてはあまり知られていなかっ た. 332.

(12) . 生徒の応急処置に関する知識と保健指導が与える影響. 突き指の際, 変形がみられなければ指をそらし気味に伸 ばして 固定するとよいが,「指を伸 ばして 「 固定する」 は22‐2%, 「曲げて固定する」 と誤っ て答えた者が3 ‐2%であっ た. また, 何度も指を 引 っ 張 る」 と いう 者 が 20‐0%, 「マ ッ サ ー ジ を す る」 と い う 者 が 14‐テ% あ り, こ れ ら力達誤 っ た 処 置. であることがあまり理解されていなかっ た. 指が変形して明らかに短くなっ ている場合に, 長軸方 向に思いきり1~2度強く引っ 張ることは, 整復, または整復位に近ずけることもできるが, 正し く行われなければかえっ て痔痛や腫れを増し, 悪化させることになるため, 何度も引っ 張ることは 正しい処置とはいえない. また, マ ッ サ÷ ジをすると, 軟部組織が少ない骨膜, 骨組織を刺激しや 6 ) マ ッ サージも行っ て はならない すく, 肥厚,変形を生じ, 二次的に機能障害を起こしてくるため1 , . 突き指は, ス ポーツ傷害の中では非常に多いものであるが, 一般的に軽視されがち である. しか し, 後遺症を残すことも多く, 変形がない場合でも, 痛みや腫れがひ どいときは受診すべきである‐ 4) やけど やけどの応急処置の基本は, 水をかけて受傷部位を冷却することと, 局所の汚染を除き, 清潔を 保つことである. 今回の調査でも, 「水で冷やす」と答えた者が最も多く, 92‐ 3%を占めており, 手 当ての基本として冷やすことが理解されていた. しかし, 冷やし方についてみると, 傷に直接強い 水圧を当てると, 水庖を破く恐れがある ので避けるべきである が, 「流れる水道水を直接かける」と いう者が65‐6%で最も多かっ た.「水道水を流しながら洗面器に手をつける」と正しく回答した者 は 2 2‐9%で, 中学生に比べて高校生に多く, 学校で学習したケガの中でやけどが多くあげられていた ことなどから, 保健学習などにより正しい知識が得られたものと思われる‐ 冷やす時間は, やけどの程度によっ て異なるが, 深部まで完全に冷やすためには,20~30分冷却 7 ) 今回の調査では 水ぶくれができた場合の手当てと条件づけたに を続けることが最も望ましいが1 , , 「 もかかわらず, 1 0分以上」 と答えた者 は1 0‐ 5%であっ た‐ 冷やす時間は, 冷却をやめても痛みが なくなるか, 軽減するまで冷やし続けることが目安となるが, 冷却には, 痛みの軽減のほかに, 受 傷面の拡大や深部への伝達を防ぐ意味もあるので, どんな場合でも, できる だけ早くきれいな水で, 十分冷やす必要性を理解させることが望まれる. 「ぬ り 薬 を つ ける」 と い う 者 が 20 3% 「ア ロ エ を はる が 32 3% で あ っ た 局 所 に 軟 膏 類 を 塗 」 ‐ , ‐ .. 8 } 応急処 ると, 多くの場合, 不適切な操作により創面に細菌を塗り込んで, 感染の原因になるため1 , 置の段階では行わない方が良いと思われる. また, アロエなどの民間療法は治療効果はほとんどな 9 } 行っ て はならない 家族やマスメ ディ アか いぽかりか, 局所に刺激を与え感染の原因となるため1 , . ら, こう した誤っ た知識を得たと思われるので, 学校の授業や保健指導で正しい知識を与えていく 必要がある. やけどでできた水ぶくれは, 破らずガーゼで覆うなどして, 細菌感染を防ぐ必要があるが, 最も 望 ま しい 「つ ぶ れ な い よ う に 気 を つ け る」 は22‐9%, 「そ の ま ま に し て お く」 が 41‐7% で あ っ た .. これに対し, 「つぶす」と答えた者が32‐8%で, 水ぶくれが破れた場合, 細菌感染が考えられるとい うことを指導する必要がある‐ 服の上から熱湯がかかるなど, 衣服の上からのやけどでは, まず衣服の上から冷却し局所の温度 0 ) を下 げて2 ,その後そっ と脱がせたり,ノ・サミな どで切り開くようにして脱がせる処置が望ましいが, 「急いで無理にでも脱がせて手当てする」が577%で 「服を脱がせるよりも先に手当てする は321% 」 ‐ , ‐ と少なかっ た. 中学・高校別では高校生に正しい回答をした者が多く, 保健学習な どで正しい知識 を得ているためと思われる. 5) 鼻血 鼻をぶつけて鼻血がでたという場合, 原因は衝撃によるキーゼルバ ッハ部位の損傷がほとん どで 333.

(13) . 芝木 美沙子・安田 元子・米谷 雅子. ある. このようなときの処置では, いすに腰掛けて首を軽く前屈させる体位をとらせ, 膿盆などに のどへ回っ た血液を吐き出させるようにし, 指で鼻翼を中央に圧迫するか, 清潔なガーゼあるいは 脱脂綿をガーゼで包んだものを挿入するとよい. また, 鼻根部を冷やすことも止血効果を高める. 今回の調査では,「つめものをする」が83‐4%と多くの者が行っ ているが, つめものの種類や扱い 方には問題点もあげられる. つめるものについては, 「チリ紙」 が88.1%, 「脱脂綿」 が15‐8%を占 めていたが, これらは繊維が附着しやすく, チリ紙 は清潔という点からも適当なものとは言えない。 さらに, つめものは再出血を防ぐために, 出血が止まっ てもすぐに取るべきではないが, 止まるま で何度も取り替えたり, 止まればすぐ取る者が多く, つめものの取り扱いについて指導する必要が ある. 1 } 「座っ て前を向く」 は59%と 最も望ましい体位は, 出血部を心臓より高く保つ座位であるが2 ‐ , 「 「 少なく, 上を向いて寝る」44‐7%, いすに座っ て頭を後ろにそらせる」22‐0%であっ た. しかし, このような体位 は, 血液を飲み込んでしまい, 胃を刺激して吐き気となり, ショックになりやすい 2 ) ばかりか, 気道閉鎖を起こすことがあるため避けるべきである2 . 「鼻の上を冷やす」 は1 3‐4%, 「鼻をつまむ」 は1 2‐6%で, これらの止血法はあまり知られてい なかっ た. それに対し, 「うなじをたたく」は脳の真下を刺激することになり, 危険であるため行う 3 ) べきではないが2 ,27 ‐4%と多くの者が行っ ていた. うなじをたたくことは, 高校生では少なく, 学 校での指導の効果が感じられた. 4‐ 手当ての知識を得た方法 ケガの手当ての方法を, どのようなことから知っ たかについて は,「手当てをしてもらっ た, また は手当てをしているのを見た」 が, 取り上げた5つのケガの どのケガでも最も多かっ た. 受傷時に 手当てをしてもらいながら, 手当ての方法を修得しているものと思われる. このため, 処置を行う 者が間違っ た方法で手当てを行うと, 誤っ た方法を教えていることになるので, 処置を行う者 は正 しい知識を身につけていることが望まれる. 「手当てをしてもらっ た または手当てをしているのを見た」 は高校生に多い項目があっ たが , , これは, 年齢が進むにつれて受傷経験が増えるためと思われる. 男女別では, 全てのケガで女子の 方が多かっ た. これは, 女子の方が, 手当てをうけているときに興味を持っ て処置を見たり, 方法 を聞くことが多いからと考えられる‐ 「学校で勉強した」 と答えた者 は 取り上 げた5つの方法の中で どのケガでも一番少なかっ た , , が, 中学と高校で比べると, 全てのケガで高校生の方が多かっ た. 学校での保健学習や保健指導が 手当ての知識の修得につながっ ていることがわかり, 学校での指導の効果がみられた. しかし, す べて5%以下であり, 学校での応急処置教育のあり方について検討が必要と思われた. 「手当てをしてもらっ た または手当てをしているのを見た」 場合のその時の処置者 は どのケ 、 , 4 )は児童が応急処置を教わる者は 母親が最も多く 次いで父 ガでも「母親」が最も多かっ た. 木村2 , , 親, 祖母であると報告していることから, 家族の影響, 特に, 家庭で健康管理を行う母親の影響が 5 ) 母親に対する応急処 大きいと思われる. しかし, 母親の処置の中には, 望ましくない処置もあり2 , 「 置教育も必要と考えられた. 処置者として次に多かっ たのは 養護教諭」 であっ た. 学校でケガを したときに, 保健室で養護教諭に手当てをしてもらい, その手当てを受けながら処置方法を学ぶも のと考えられる. 生徒にとっ て は, 授業で学ぶことも大切であるが, 手当てをしてもらっ たり, 手 6 } 養護教諭 は 単に処 当てをしているのを見た方が, より印象に残り, 確かな知識になることから2 , , 置をするだけでなく, 受傷者や周囲の者への応急処置教育も考えた上で処置をする必要がある. 334.

(14) . 生徒の応急処置に関する知識と保健指導が与える影響. 手当ての方法を聞いた相手では, 突き指以外のケガでは 「母親」 が大半を占めていた. これも処 置者と同じ理由による と思われる. 次に多いのは「友人」で, 突き指では母親と答えた者より多かっ た. 友人とは直接手当てをしあうことは少ない が, ケガをしたときの話などから, 手当ての方法を 聞くことが多いと思われる‐ 5. 学校における応急処置の指導 1) 学習経験 学校で, ケガの手当てについて学習 したことがある者は, 全体の50‐9%であり, 中学・高校によ 3%, 高校67‐7%と高校生が多かっ た. これは, 高校生の方が学校生活が長 る差をみると, 中学35‐ く, 学習する機会が多いことの他, 中学校第3学年の保健体育の保健分野で, 応急処置について学 習することが影響していると考えられる. 学習したことのあるケガとしては, 突き指, やけどが多く, 次いで, 日常経験することの多い, 切り傷, 鼻血, すり傷, その他として骨折, 捻挫な どがあげられていた. これらのうち, やけど, 捻挫, 骨折, 切り傷は, 高校生 の方 が学習経験者は多かっ た. これは, 中学校第3学年でケガの応 急処置について学ぶためと思われる. 2) 学習する機会 学校で, ケガの手当てについて学習する機会として は, 「保健の授業」 が最も多く, 次いで「ケガ をしたとき」 が多くなっ ている. この2つを比べ, 保健の授業という答えが多かっ たのは高校生で あることから, 中学校第3学年での保健学習 が, 学習の機会として大きな位置を占めている と思わ れ る.. また, 「クラ ブ・部活動」 で学んだという答え は中学生に多く, 主なケガとして突き指, 捻挫など があげられていた. 中学校第2学年では, まだ保健の授業として応急処置を学んでおらず, クラ ブo 部活動で多く経験したケガについて経験を通して学んだものと考えられる. このためクラ ブ・部活 動においても正しい指導 をすることが望まれ, 養護教諭の働きかけも重要であると思われる. 「保健委員会」 や 「行事前の指導」 という答えは少なかっ たが, 貴重な保健指導の機会として利 用 して い く べ き だ と 考 える.. 3) 指導者 学校での指導者として は 「養護教諭」 が最も多く, 次いで 「体育教師」 となっ ている‐ ただし, 高校において比較すると体育 教師が多くなっ ていた. これは学習機会に保健の授業が多くあげられ たことと関連していると思われる. 養護教諭から学んだケガとして は, すり傷, 切り傷, 鼻血な ど 日常的なケガが多く, 体育教師から学ぶものとして は, 授業で扱うやけどや骨折が多くみられた. また, 「担任」という答えが高校生に比べ中学生に多くみられ, 学習したケガとして切り傷, 鼻血 な どがあげられた. これらは日常経験することの多いケガであり, 処置も簡単であることから, 担 任による指導も多いと思われる. このため, 一般教師の応急処置に対する知識の充実も必要と考え る.. 4) 学習機会と指導者 学習機会と指導者とを相対させた場合, 最も多いの が 「保健の授業で体育教師から」 という答え である. 中学校第3学年での保健学習 が, 学校における応急処置指導で大きな位置を占めており, 授業が生徒に与える影響も大きいと思われる. 体育教師と養護教諭は協力しあい, 効果的な指導を 進めていくことが望まれる. 次いで多いのは 「ケガをした時に養護教諭から」 という答えである. 受傷時に原因や処置な どに 335.

(15) . 芝木 美沙子・安田 元子・米谷 雅子. ついて指導することは大変効果的であり, さらに養護教諭は専門的知識を持つ者であることから, 個人に対して適切な指導が可能になると思われる.. V. 結. 語. 旭川市内の中学校2校と高等学校1校のそれぞれ第2学年に,日常よく受傷するケガの応急処置, 学校で行われている保健学習・保健指導な どについて調査を行っ たところ, 次のような結果が得ら れた. 1 ( )ケガの経験では, すり傷が96‐4%と最も多く, 次いで切り傷95‐9%, 突き指83‐7%, や けど 8 3‐3%, 鼻血81 ‐6%で, どのケガも多く の者 が経験していることから, 正しい手当の方法を修得し ておくことが必要と感じられた. ( 2 )各ケガの手当 を した ことがある者 は, 切り傷89 ‐7%, すり傷83‐1%, 鼻血80 ‐3%, や け ど 7 2‐2%, 突き指7 0‐0%で, 手当を経験した者が多かっ た. ( 3 )すり傷の手当ての方法はラ 「傷口を水道水で洗う」 が80‐9%, 次いで 「消毒する」 が7 0‐1%で 「 「 傷口を清潔に保つことが理解されていたが, 赤チンをつける」 , つ ばをつ ける」という望ましくな い手当ても行われていた. ( 4 )切り傷の手当ての方法は, 「サビオをはる, または清潔なガーゼをあてて包帯を巻く」が7 5.6% で, 傷を保護する傾向がみられた. また, 「傷口をなめる」 が35‐2%で, 「消毒する」 の2 2‐4%を上 回っ ており, 切り傷の場合, 傷口を清潔にすることが軽視されがちであっ た. ( 5 )突き指の手当て の方法は, 「湿布をする」 が71‐6%, 「水で冷やす」 が45‐0%で冷やすことにつ いて は理解されていたが, 湿布に比べると, 水で冷やすことはあまり行われていなかっ た.「何度も 「 指を引っ 張る」 , マ ッサージをする」 という処置も行われており, これらが症状を悪化させること が理解されていなかっ た. ( )やけどの手当て の方法は, 「水で冷やす」が9 6 2‐3%で冷やすことが理解されていた. しかし, 冷 「 やし方, 冷やす時間などは正しく行われていなかっ た. また,「アロエをはる」 , 水ぶくれをつぶす」 という手当ても行われており, 傷口の清潔について指導 が必要であると思われる. ( )鼻血の手当て の方法 は, 「つ めもの をする」 が83‐4%であっ た‐ つ めるもの は 「チリ紙」 が 7 「 88 2%で, 適したつめもの, つめ方 ‐1%と最も多く使用され, 止まるまで何度も取り替える」が51 . で処置は行われていなかっ た. ( 8 )手当ての知識を得た方法については,「手当てをしてもらっ た, または手当てをしているのを見 た」 がどのケガでも最も多く, 受傷したときに知識を得ることが多かっ た. ( 9 )「手当てをしてもらっ た, または手当てをしている のを見た」 場合の処置者, また, 「人から聞 いた」 場合の聞いた相手は, 共に どのケガでも 「母親」 が最も多かっ た. 家庭では, ほとんどの場 合母親が処置を行っ ているため, 子どもに与える影響も大きいも のと考えられる. ( 1 の学校で, ケガの手当てについて学習したことがある者は50‐9%で, 中学生に比べ高校生の方が 学習経験者が多かっ た‐ これは, 中学校第3学年の保健の授業で応急処置を学ぶため, このような 差がでたものと思われる. 回学校で学習したケガでは, 突き指が64‐3%で最も多く, 次いでやけど51 ‐1%, 切り傷39‐6%な どで あ っ た.. 「 ( 1 2 )学習機会としては,「保健の授業」 , ケガをしたとき」が多く, 保健の授業は高校生に多かっ た. 336.

(16) . 生徒の応急処置に関する知識と保健指導が与える影響. ( 1 3 )学校での応急処置の指導者では, 「養護教諭」 が最も多く, 次いで 「体育教師」 となっ ている. また, 切り傷, 鼻血などの簡単なケガでは, 担任も多く関与していた. の学習機会と指導者とを相対させた場合, 「保健の授業で体育の先生から」学んだという 答えが最 Q も多く, 次いで 「ケガをした時に養護教諭 から」 が多かっ た. また, 「授業で養護教諭から」 という 答えも多かっ た. 以上のことから, 生徒は, 受傷時に実際に処置方法 を見たりして, 応急処置に関する知識を得る 場合が多いことがわかっ た. また, 周囲からの情報や学校での指導は, 生徒の知識・能力に大きな 影 影響を与えていた. 応急処置は, 即時的に, 適切に行われること が必要であるため, 生徒も正確な知識・技術を修得 することが望まれる. しかし, 簡単と思われるケガの手当てでも正しく行っ ていることは少なく, 生徒が応急処置について学ぶ機会は十分 とはいえない. そのため, 保健の授業の充実とともに, 専門的知識を持つ養護教諭が中心となり, 一般教諭の協 力のもとで, 様々 な機会・方法を利用して応急処置に関する保健指導を進めていく よう, 家庭や学 校全体へ働きかける ことが必要と考える. 最後に, 本論文の作成にあたり, 調査に ご協力下さいました対象校の諸先生方, 生徒の皆さんに 心より感謝いたします.. V I .引用文献 88 1- 44 1) 木村律子:子供の救急処置に対する知識とその対処能力について, 弘前大学 卒業研究集録7, 4 , 19 . 9 2‐ 23 1 8 4 2) 安藤 格:ヘルスライ ブラリー4 症状からみた救急処置1, ぎょうせい, 2 , ‐ ( D 8 2 I 5 5 3) 細川久子:受傷児童に対する指導, 健康教室, 33 , 19 , 50‐ ‐ 51 ‐16 1 4) 高須けい子:救急処置に関する認識の発達について,学校保健その研究課題と方法 第2集,東山書房,1 , 1975 ‐. 5) 前掲書 1) 25‐8 3 0 97 7 6) 不破博徳・川井節子:小学校児童の学校傷害について, 保健の科学, 19回, 8 ,1 . 0 ) 4 9 ‐ 4 1 8 6 5 0 7) 石樽清司:小学校児童における創傷の発生と各種要因, 学校保健研究, 300 , , 98 ‐ 2 2 1 9 8 4 ) 1 1 5 8) 中村朋子:日常的な救急処置-中・高等学校の場合-, 学校保健研究, 26( , . , 7- 14 6 9) 岩瀬悦子:児童生徒に行なわせる救急処置の範囲について, 養護教諭の職務研究 第5集, 東山書房, 13 , 1972 ‐. 1 ) 3‐ 207 99 0 ) 芝木美沙子他:家庭における応急処置の実態, 北海道教育大学紀要夕 41( 1 0 , 19 ,1 . 1 9 8 3 1 1 ) 船川幡夫:子供の急病・事故と救急処置, ライフ・サイエンス・センター, 64 , . D 97 ( I 5‐ 55 0 5 ) 盛 昭子他:救急粋創膏にっいての実態調査ならびに実験的研究, 学校保健研究, 17 1 2 , 54 ,1 ‐ 13 ) 小野寺公子他:救急辞創膏に関する実験的研究 第1報 無菌試験および抗菌力測定成績にっいて,保健の科学, ) 20( 7 , 487‐490 , 1978 .. 4‐6 6 98 2 ) 坂本正明:くすりの小事典, 朝日新聞社, 6 1 4 ,1 . 98 4 1 5 ) 川崎憲一:新保健室の救急事典, 東山書房, 187 ,1 ‐ ) 清川誠一:図説 スポーツ傷害と処置, 新思潮社, 1 57 8 1 6 , 196 ‐ 17 85 17 ) 全国国立大学附属学校養護教諭部会: 「学校における救急処置」 の手引き, 東山書房, 1 , 19 . 3 6 5 ‐ 6 7 1 9 8 7 ) 1 8 ) 相川直樹:やけどの応急処置, 健康教室, 38( , , . ) 9 ) 前掲書 1 8 1 ) 20 ) 前掲書 18 337.

(17) . 芝木 美沙子・安田 元子・米谷 雅子 ) 前掲書 17 2 1 )7 4 2 2 ) 飯沼需孝:鼻出血, 保健の科学, 29( 1 ) - 30 9 87 , 27 ,1 . 23 ) 日本赤十字社:家庭看護と救急事典, 講談社, 7 7 8 , 197 ‐ 24 ) 前掲書 1) 25 ) 前掲書 10 ) 26 ) 前掲書 3) * 本学助手 旭川分校 ( ) **旭川 分 校 看 護 学 講 座) (. 338.

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