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パーキンソン病、慢性気管支炎治療中の胃癌合併肺癌の一切除例 利用統計を見る

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平成29年4月1日

パ ーキ ン ソン病、慢性 気管支炎治療 中の胃癌合併肺癌 の一切除例

2) 都留 市立病 院 呼吸器外科 、外科 1)2)2)2)2) 深 澤 敏 男 、大 原 毅 、 岡本 廣擧 、川 島 健 司 、 高 橋 和 徳 峡 南医療 セ ンター 富士川 病院 病理診 断科 山根 徹 要 旨:目 的PS2∼3に て ハ イ リス クの た め治 療 困 難 と思 わ れ た2重 癌 患 者 の手 術 ・化 学療 法 を行 った 。PS、 お よび 心 肺 機 能 の 両面 か ら手 術 適 応 につ き検 証 した 。 症 例 70代 男性。パ ー キ ン ソン病 、発 作性 頻 拍 に て 内科 通 院 中に胸 部 異 常 陰影 を指 摘 され た。 右S2の 直径4cmの 腺 癌 で 、PET-CT、 上 部 消化 管 内視 鏡 で原 発 性 胃癌 も合 併 して い る こ と を確 認 した。術 前 機 能 検 査 で は 、肺 機 能 検 査 、心臓 超 音波 検 査 と もに 問題 を認 め な か っ た もの の 、 PS2∼3で 、喀痰 も常 に喉 頭 ∼ 気 管 ・気 管 支 内 に 絡 ん で お り画 像 上 両 下 肺 野 に炎 症 性陰 影 を認 め る慢 性気 管 支 炎 の状 態 に あ っ た。 手 術 リス ク は 高 い と思 われ た が 、 手 術 不能 な状 態 で は な い と判 断 した。 まず 排痰 訓 練 の後 右 肺 上 葉 切 除 術 、 リンパ 節 廓 清 術 を施 行 、 手 術終 了 直後 に 小 気 管 切 開 チ ュー ブ を挿 入 し、術 後 の排痰 コ ン トロー ル を行 っ た。 喀痰 は徐 々 に減 少 し炎 症 性 陰 影 も消 失 した。 術 中胸 水 細 胞 診 が ク ラ スIVで 、P-T2aN2M1aで あ っ た。2か 月後 に 幽 門側 胃切 除術 を施 行 、経 過 良 好 に て退 院 し術 後 補助 療 法 と して 化 学療 法 剤 ユ ー エ フテ ィ 内服 の上 通 院 中 で あ る。PSの 更 な る低 下 は な く、胸 水 細 胞 診 は ク ラ スIIと 陰 性化 し、約1年 後 再 発 の 兆候 は認 め て い な い。 結 論  Poor PSの 評 価で も機 能 上 問題 が な けれ ば積 極 的 治 療 の対 象 とな る と思 われ た。 キ ー ワー ド:PS不 良 例 、 胃癌 合 併肺 癌 、 ハ イ リス ク患 者 の 手 術 適 応 は じめ に ECOGPerformanceStatusi)(以 下PS)は 肺 癌 な どの 悪 性疾 患 の 治療 方針 決 定 に 際 し 大 き な 影 響 を及 ぼ す2)3)。今 回PS評 価2∼3 の進 行 胃癌 合併 進 行 肺 癌 患 者 の 治 療 を 行 っ た。 この 症 例 を も とに 全 身 状 態 が 不 良 な 患 者 の 手 術 適 応 に つ い て 検 討 した 。 図1初 診時X線 所見 症 例 70代 男性 。パ ー キ ン ソ ン病 及 び 発作 性頻 拍 に て 内科 通 院 ・服 薬 して い た が 、通 院 中 に右 上肺 野 の胸 部 異 常 陰影 を指 摘 され た (図1)。er上 右S2の 直 径4cmの 陰 影(図2) で 、気 管 支鏡 下肺 穿刺 細 胞 診 に てclassIV で あ っ た。全 身 検 索 に てPET-CTを 行 い 、右 図2(π 所 見(右S2の 腫 瘤) 一7一

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山梨 肺 癌 研 究 会 会 誌30巻2017 図3PET-CT 上 葉 の 腫 瘍 と幽 門 部 に集 積 を認 め た(図3)。 そ こで 上 部 消 化 管 内視 鏡 を行 っ た と こ ろ原 発 性2型 胃癌 と判 明 した(図4)。 機 能 検 査 で は 、肺 機 能 検 査 に てVC2.89L、FVC2.59L、 FEV1.01.80L、FEV1.0%69.5%と 、轍 の 閉 塞 性障 害 の み 、 心臓 超 音 波 検 査 に て 図4上 部 消化 管 内視 鏡 所 見 MildMR,TR,Lvl)d62.4㎜,LvEF63%と 、 手 術 適 応 上 問題 を認 め な か った 。 しか し起 立 ・ 歩 行 な ど常 に介 助 を要 し、 日中の 大 部 分 を 起 坐 ま た は 臥床 にて 過 ご して い る状 態 で PS2∼3と 思 われ た 。痰 も常 に喉頭 部 に絡 ん でお り画 像 上 両 下 肺 野 に炎 症 性陰影 を認 め る慢 陸気 管 支 肺 炎 の 状 態 に あっ た(図5)。 術 後 肺 炎 を増 悪 させ 予 後 不 良 とな る可 能 性 も あ り手 術 リス クは 高 い と思 わ れ た が 、 手

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図5(rr所 見(両側 肺底 部炎 症 性変化) 術 不 能 な 状 態 で は な い と判 断 した。 しか し 胸 腹 部 の 同 時 手術 は 更 に合 併症 発 症 の リス クが 高 い と考 え2期 的 に手 術 を行 うこ と と した。 ま ず 右肺 上葉 切 除 術 、 リンパ 節 廓 清 術 を 施 行 した。病 理 学 的 に50×35×26mrnの 混 合 型 腺 癌 、「1'rF-1陽性で 、 肺 原 発 と診 断 し た。 リンパ節#4R、#11転 移 陽 性、準 根 治 図6肺 摘 出標 本 お よひ組 織 所 見 切 除 と思 わ れ た が 術 中胸 水classlVで あ っ た た めP-T2aN2MlastagelVと した(図6)。 手 術 終 了 し気 管 内チ ュー ブ 抜 管 と 同時 に小 気 管 切 開 チ ュー ブ(以 下 ミニ トラ ック⑪)を 挿 入 した 。 術 後 の排痰 コ ン トロー ル は ネ ブ ライ ザ ー に よ り自力排痰 を促 し、 ミニ トラ ッ クか らの 吸痰 を併 用 した。 離沫 を促 し、 早期 か ら歩行 及 び 呼吸 リハ ビ リテ ー シ ョ ン を行 っ た。 入院 期 間3週 間 で 、退 院 前 に は 両 下肺 野 の 炎症 性陰影 は 消 失 して い た(図 7)。排痰 コン トロール に よ り術 前 の慢 性 炎 症 性変化 も改 善 した とた もの と思 われ る。 図7肺 術 後CT ま た肺 機 能 もVC2.52L,FVC2.50L,FEV1.0 1.77%,FEV1.0%70.8%と 、著 明 な低 下 は認 め な か った 。 ミニ トラ ック⑭を挿 入 した ま ま 在 宅 にネ ブ ライ ザ ー と吸 引器 を設 置 し、 退 院 した 。 2か 月 の イ ン ターバ ル をお き肺 癌 の 再発 兆 候 を認 め なか った た め幽 門側 胃切 除 術 を 行 った 。 病 理 学 的 に45×40㎜ の 高 分化 型 腺 癌 、 漿 膜 面 露 出 あ り、 リンパ 節#6転 移 陽 性、T3NIMOstagellaで あ っ た(図8)。 ミニ トラ ッ ク⑪は 気 管 内挿 管 時 に抜 去 し、 抜 管 時 に再挿 入 した 。術 後排痰 コ ン トロー ル は 良 好 で4週 間 で ミニ トラ ッ ク⑧を抜 去 し退 院 した。 退 院 後 は 自宅 にて 自 己排痰 可 能 で あっ た。 喀痰 の 量 も減 少 し気 管 支 肺 炎 一8一

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平 成29年4月1日 図8胃 摘 出標本 お よ 見 の再 発 も認 め な か っ た。 ネ ブ ライ ザ ー 、吸 引器 の使 用 もな か っ た。 術 後 補 助 化 学 療 法 は、 通 常 の レジ メ ン で は副 作 用 発 生 時 の リス ク が高 い と考 え てテ ガ フー ル ・ウラ シル(以 下 ユ ー エ フテ ィ⑭) 内服 と した。 通 院 中一 時 的 に 右胸 水 が 増 量 した が 、穿 刺 除 去 し細 胞 診 検 査 に提 出 した とこ ろ ク ラ スHと 陰 性 化 してお り、そ の後 利 尿 剤 に て コン トロー ル 可 能 で 、 自宅 で の 生 活 上PSの 更 な る悪 化 は な く肺 手術 後11 か.月後 の現 在 再 発 、台併 症 を発 症 せ ず 経 過 良好 で あ る。 考 察 PS2以 上 のPoorPSの 肺 癌 患 者 はハ イ リ ス ク の た め に治 療 法 が 限定 され 十 分 な治 療 が 出来 ず 、 ま た手 術 を行 っ た場 合 に は合 併 症 の た め にPS良 好 な患 者 に 比 して 致 死 率 が 高 い と言 われ て い る2)3)。しか し手 術的 に 切 除 が で き な か っ た症 例 は手 術 が 出来 た症 例 に比 し生 存 率 は不 良 で あ る と も言 われ て い る4)。 本 症 例 はPS2∼3の2重 癌 で 、両 下肺 野 に 慢 性 炎 症 を伴 っ て い て 、 手術適 応 の決 定 に 難i渋した。呼 吸 機 能 や 、心機 能 に 関 して は 、 充分 な機 能 が あ り、 手 術適 応 に は 問題 な い と判 断 した5)6)。リス ク を分 散 させ るた め に 2期 的 に手 術 を行 うこ と と した が 、炎 症 の 改 善 を待 っ て か ら手 術 を行 うの で は2件 の 手術 終 了 に は 日数 が 立 ちす ぎ 、 手術 の機 会 を逸 して しま う危 険 性が あ る と考 え た。 肺 癌 手 術 を 先行 させ た の は 、 よ り進 行 癌 で あ り早 め の 手 術 を行 う必 要 が あ っ た の と、 胃 癌 術 後 で は肺 機 能 が低 下 し、 手術 不能 ま た は 術 後肺 炎 とな る可 能 性が あっ た 。 ま た 、 炎 症性 陰影 の 中 に肺 内 転 移 が あ る可 能 性 も 考 えた が 、 結 果 的 には 転 移 は 存 在 しな か っ た。 手 術 に 際 して は肺 炎 な どの術 後 合併 症 を 回避 し、術 後PSの 悪 化 を可 及 的 最 小 限 に止 め る よ うに留 意 した。喀痰 喀 出 困難 例 と し、 肺 癌 術 直 後 に ミニ トラ ッ ク⑪を挿 入 し、 胃 癌 手術 後 退 院 時 ま で 約3か 月 留 置 した が 、 排痰 コ ン トロー ル 良 好 で 、 術 前 に存在 した 慢 性炎 症 所 見 も消 失 した。 肺 切 除 に よ る軽 度 の 肺 機 能 低 下 は 認 め られ た が 、 気 管 内 の 痰 は 減 少 し、 自力 で 十 分 に喀 出 で き る よ う に な った 。結 果 的 にPSの 悪 化 は避 け られ た と考 えて い る。 術 中胸 水 ク ラスIVで あ った が 術 後 陰 性化 した 。腫 瘍切 除や ユ ー エ フ テ ィ⑧内服 が 奏 効 した の か 、最 初 か ら陰 性で あ っ た(ク ラスIV を陰 性 と考 えれ ば)の か は不 明 で あ る。術 中 胸 水 陰 性で あれ ばP-T2aN2MOstage皿aだ っ た こ と にな る。 結 語 ハイ リス ク患者の手術 についてはPSや 、 機 能上か ら総合的 に判断す る必要が ある。 PS2以 上で も機 能検査 上問題 なければ、2 重癌で も十分適応が あるもの と考 えた。た だ し術後肺炎 な どを台併 した場合 には、PS が悪化 し予後不 良となる場 合もあ り、術後 の合併症の発生 を念頭 に対策 を とるこ とが 必要で ある。 PS2以 上の症例は手術不能 とした場合 も 他の治療法 に関 して も健常者 と同様 の治療 は受 け られず、そ の場合 も予後不 良 となる こ とが多い4)。 このこ とを念頭 に手 術適 応 に関 して は症 例 ご とに十分検討す る必要 がある。 引用文献 1) CDISC Questionnaires

Sub—team.Eastern Cooperative Oncology Group Performance Status (ECOG). CDISC SDTM ECOG Quest Supp12013;1:1-5.

2) Gajra A, Marr AS, Ganti AK. Management of Patients With Lung Cancer and Poor

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山梨 肺 癌 研 究 会 会 誌30巻2017

Performance

Status. JNCCN2014 ; 12: 1015-1025. 3) Lilenbaum RC, Cashy J, Hensing TA, et al. Prevalence of Poor Performance Status in Lung Cancer Patients Implications for Research. J Thorac Oncol. 2008; 3:125-129. 4)Mazzone P. Preoperative evaluation of the lung resection candidate. Creveland Clin J Medic2012;79:e-S17-22

5)EBMの 手 法 に よ る肺 が ん 診 療 ガ イ ドライ

ン2015年 版.特 定 非 営利 活 動 法 人 日本 肺

癌 学会

6) Markos J, Mul lan BP, Hi l lman DR, et al. Preoperative assessment as a predictor of mortality and morbidity after lung resection. Am Rev Respir Dis.

1989;139:902-910

参照

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