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計算機器の授業について 利用統計を見る

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計算機器の授業について

内藤忠男

古川進

(昭和43年9月12日受理)

On the Curriculum in Computers

TadaoNAITO SusumuFURUKAWA Synop8is  This paper is a report on the curriculum in Computers for the of cource at the engineering faculty of Yamanashi University. students in the first year 1. 緒 言  山梨大学においては,本年度初めての試みとして,計 算機器の授業を開講した。対象は工学部一学年生。学科 内容は,各種計算機器の使い方の初歩である。目的は一 年で,各種計算機器の使用法の基本を覚えさせ,いろい ろな専門学科の中で4年間演習をして,十分身につけて 社会に巣立たせたいということ,また,これらの機器の 発達を通して,時代の流れを身をもって感じとらせたい こと,また,電子計算機の急激な普及のため,すべての 学生が卒業後,どこかで触れる機会をもっようになるで あろうが,計算機に対して不当の恐怖をいだかないよう にするため等々である。通常,このような講義は3∼4 年生を対象とすることが,多いようであるが,十分身に つけるためには,ある程度の年月の実習が必要である。 そのため,一学年に設けて,4年間に他教科の中で実習 を積み重ね,それらの実習と総合的に授業を完成させた い,というのが著者らの考えである。本講義は,そのよ うな総合的授業の入ロへの導入である。 2.教 育 内 容  本講義は毎週90分で半年とする。したがって,2単位 の授業である。教科内容は90分の授業を,手動計算器1 回,電子式卓上計算器1回,計算尺2回,Analog電子

計算機2回,ALGOLプPグラム4回と電子計算機実習

2回,それにFORTRAN,映写1回である。程度は, 手動計算器は加減乗除,および分数の加減,電子式卓上 計算器は加減乗除,根号の操作の練習,計算尺は比例, 反比例,および,ずらし尺を利用した連続乗除,Analog 電子計算機はもっとも簡単な2階微分方程式の解法のプ ログラム,ALGOLプログラムでは,簡単なプログラム の読み方と作製の練習,実習では各自自由に問題をみつ け,その問題のプログラムを作らせ,そのプログラムの タイプ,テープの作製と計算機にかける練習とした。ま た,FORTRNはその紹介にとどめ,映写は本学の電子 計算機に加えて,甲府市内で使われている電子計算機の 紹介とした。

3.授業実施計画

 前記の教育内容をいかにして400名の一年次生に実施 するかというのが本節の問題である。  本講義に課せられた諸条件を列挙すれば,つぎのよう になる。  1)電子計算機室には同時に多数の人を入れることは   好ましくない。  2) 電子計算機は教育用として,週二時間のみの利用   が許可されている (本学の計算機は夜も利用され,   24時間利用となっている。そのため教育用の時間   はとり難iい)。  3)できるだけ実習中心の授業としたい。  4)各種機器を最大限に利用したいこと。すなわち,   年間を通じて機器を休ませないようにしたい。  5)人員は教官ユ,助手1,雇員1。  以上の諸条件をできるだけ満たす有効な授業計画をた てるよう試みた。まず,400名を前期と後期に分け,前期 に計算機器をとったものは後期は実用数学(2単位)を, 一128モー

(2)

計算機器の授業について

表一1 授業実施表

  計算機器実施表 1 2 3 4 5

lIPI−・IPI

尺IA・・1・gi調

3 4 実習

PI

PI

尺1 Anal・g

5 6 計電 実習

PI

PI 尺

IIA・・1・gi調

実習

・・1PI

9 10

尺IA・・1・9(縄

実習

PI

11 12

L/1尺IA・・1・gl計ml籍

13 FORTRANまたは映写 6 7 8 9 10 FORTRANまたは映写

PI−ilPI l尺IA・・1・gl調

実習

PI

PI

尺1 Anai・9

計電 実習

PI

PI 尺 A・・1・gl計電 実習

・ilPI

尺)A・・1・gl澗

実習1・・

/1尺IA・・1・gl計電

実習 (注)尺:計算尺,計:手動計算器,電:電子式卓上計算器,実習:Digita1計算機実習, P:Programmingの実習 組分け:出席番号1∼6を一組とする。7∼12を二組とする。     以下同様。 組長:第1回の講義では6で割り余り1の人を組長とする。     第2回の講義では6で割り余り2の人を組長とする。順次交替とする。 組長:講義全般の責任を負う。     仕事はテープの操作,各表の掲示,等講義の司会,成績物の提出,教師との連絡。 成 積:毎回の提出物7割,これは各組ごとの成績とする。     残り3割は期末試験(Programming)とする。 前期に実用数学をとったものは後期は計算機器をとるよ うにした。時間割は木曜日7∼8時限に電気工学科,金 曜日3∼4時限に電子工学科。.金曜日7∼8時限に精密 工学科が計算機器をとることとした。上記の条件のNK週 二時間”はミー学科約30分”,すなわちたとえば,電気 工学科の60名の学生は前期中においては,NK毎週30分間 だけ木曜日7∼8時限の中の割り当てられた時刻に電子 計算機室に入ることができる”理である。この条件を上 記の 2)の代りに置き換えると,考える対象は400人の 代わりに60人となる。計算機器の授業を行なうもっとも 簡単な方法は手動計算器,電子式卓上計算器を各60台購 入して,計算尺,Analog計算機ALGOLプログラム等 の講義を通常のように進め,電子計算機室には最後の授 業の時,60名全員を連れていって眺めさせることであろ う。まず著者らには上記の120台の計算器を買う金はも ちろん持ち合わせていない(この金額だけでも,2,000 万円以上である)。その点で上記の方法は不可能である が,もっと大切なことは全部の学生に各種機器を眺める のではなくて,実際に触れさせ,話を聞くのではなくて 計算機を動かすことによる実感で計算機を理解させたい ということで,これが著者らの最大の希望であった。そ のため,60名の学生を10組に分け,毎週一組宛,順々 に計算機に触れさせるようにした。残りの組は組長を中 心にあらかじめテープに吹き込んである講義を自修さ せ,数学科等で用いられているゼミナール形式を気分的 に取り入れた(将来はこのゼミナール形式をさらに強化 して,通常の講義にはない味を出してゆきたいと考えて いる)。  以上の点を考慮して作製したのが実施表(表一1)であ る。表の第一行の数字は組名,第一列は講義の回数であ る。たとえば,出席番号8番の学生は第2組で,第3週 目はPIの第一回目のプログラムの練習である。出席番 号43番の学生は8組に属し,第9週目の授業は電子計算 機の最後の実習である。大体,毎週半年分の授業が行な われていることになる。

4.使 用 機器

 テープレコーダはソニーのマガジンマチック12台と 90分録音のカセットを使用した。手動計算器としては, タイガー計算器6台。電子式卓上計算器も6台欲しいの であるが,金がないので1台を6名で使用,残り時間は 東芝の加算器でタッチ・オペレーションを練習させた。  1計算尺の講義はヘンミの佐藤氏のテープを使用し,計算 尺は各自のものを使用させた。Analog計算機は授業用 として使用できるものがないので実習はやらないことに し,講義としてはプログラムの外に本学に設置されてい るAnalog計算機の映写をした。 ALGOLのプログラム の実習用としては,:オキタイパー1台を6名で分け合っ て使うことにし,その補助として,普通のタイプ3台を 使用した。この外,電子計算機室のオキタイパー2台 は電子計算機使用中,主にテープ修正用として利用^し た。なお使用した電子計算機はFACOM 231である。

一129一

(3)

昭和43年12月 山梨大学工学部研究報告 第19号

またFORTRANの講義には東大の森口教授の「FOR

TRAN W入門」用のテープを使用した。以上が著者ら の使用した機器である。この授業のためのみに使用した 金額は約80万円位である(上記のオキタイパーは工学基 礎のものを借用した)。 5. 計算機器に対する学生の評価  次に,実施中の授業に対する学生の評価のアンケート を添布する。授業は前にも述べたように,毎週全授業が 行なわれているが,7月においても各学生からみれば全 部の教程は終ってはいないのはもちろんである。したが って,以下は中途半端なアンケートであるが,参考のた め添布する。著者らは計算機の講義を初めて持ったこ と,テープレコーダの使用も本年4月に初めて覚えた素 人であること,プログラムは初めて学ぶ者にとって,か なり難物であること,実施本決定が3月下旬で準備に十 分の時間がなかったこと,等の悪条件の累積の中で得ら れた結果であることも念頭において,アンケートを見て いただきたい。   アンケート報告  去る6月末から7月初めにかけて実施したアンケート に対して回答してきた,約100名の結果を報告する。 自ll ↑1; 8 6 4 2 0 §ll ↑1;  …  9       アソケート(無記名) 1. 山梨大学で学んでいる週2時間の授業9課目を思  いつくままに書いて下さい。  (好き嫌いと無関係に)

   ①②③…………⑨

2. i)現在までに計算機器を学んで得た知識と,上記  9課目のおのおので得た知識と比較して多いと思う  順番に並べた時,計算機器は第何位か示して下さ  い。(もし差し支えなければ10課目の順位もお書き  下さい。)  ii)課目内容として第何位か。  iii)現在の授業形式(テープ式)で第何位か。  iv)希望があれば書いて下さい。 3.計算機器を含めて上記10課目の中で,どれかを廃  止しなければならないとき,計算機器は,廃止,残  す,のいずれかに○をつけて下さい。   3.の課目廃止アンケートの結果   E科  33名残す  2名廃止   D科  31名残す  6名廃止   S科  24名残す  3名廃止  アンケート2. i)∼iii)の結果はそれぞれ図一1∼3 に示すとおりである。これらの図は,横軸に順位を,縦軸 gl2 ↑ll  9 4 2 0、 ’\

図一1     10

→順位

 A

∠へ\ へ/{タ/

1   2   3   4   5   6   7 図一2   9  10 →川貞位

D/\        −→川日位          図一3 に人数をとってある。Sは精密工学科, Eは電気工学科, Dは電子工学科である。たとえば,2.i)の質問に対し て第1位だと答えた学生の数は,Sで13人, Eで9人, Dで10人。第2位だと答えた学生は,Sで4人, Eで6 人,Dで9人である。以下同様。  図一1∼3から見られるように,E, D, Sの間にかな り意見の開きがある。E科は著者の一人が会議出席で不 在のため,主として助手と雇員により実施。助手は計算 機室の実習生の世話をし,他の学生はテープのみの講義 に頼らねばならなかったこと,D科は3∼4時限の授業 のため遅くも5∼6時限開始前には止めなければならな いこと,また食事をとる時間のないことなど,悪条件が 重なったためと思われる。  D科とS科の指導はまったく同様に著者ら3人により 行なわれた。それにもかかわらずS科の評判が良いの は,授業が7∼8時限のため各自が心ゆくまで研修でき たことであろうと思う。熱心な組は夜8時∼9時まで,

一130一

(4)

計算機器の授業について ぢ ノ」  黒板 黒板    ぢ ノ∫ 〃こ ”\こ 30人 30人 蕪 墨 i己 ※ 高 蹄 粛 畔 ,”

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巨 吉 廊下 図一4 したがって2時間の授業をその3倍の6時間も頑張っ た。教材の内容が多すぎた責任は著者らにあるが,学生 が強制なしに自発的に勉強したことはこの方法の特色で あると考えられる。通常の講義では考えられないことで ある。        6.結     言  今後の目標は通常の授業をテープで置きかえる今回の 方法でなくて,ゼミナール形式を強化した通常の授業で は,できない授業形態の研究が重要だと考える。  教育の大きな効果は人間相互の接触により得られるも のと,知識の吸収,集積により得られるものとに分類で きる。前者の中には,学生相互の高めあいによるものが 非常に大きな役割を演じている。っぎに学生と教師との 接触によるものであろう。学生相互の接触にっいては, 上記のグループ学習方式はすぐれているが,教師と学生 の接触については,上記のテープ式では十分な工夫が行 なわれないと薄れ勝ちになる。この方法では,どこかの 課程で接触し得る理であるから,利用法を十分注意すれ ば除けられると考える。講義はテープレコーダでなく て,ビデオテープレコーダを採用すれば,より効果的で あろうが,経費の点で問題があり,これは今後の課題で ある。テープ式授業の最大の難点は,各組のテープの音 声による騒音である。これをさけるために,イヤホーン を使用したが,長時間のイヤホーンは学生をつかれさ せ,好結果が得られない。  本法をスムーズに実施するためには,10個の小室が必 要である。一例として図一4のような部屋が考えられる。 すなわち,4室の中央にガラスばりの教官室を設け,教 師はそこで4室の学生を指導する。学生は教師と反対側 に向かってテープその他の機器で自主的に講義を進め, 教師は背後から監督する方式である。この教室は120人 位の数学の演習を助手4名を使って実施するために考え たものであるが,多人数教育にはこの方式の教室が有効 であるように考えられる。  演習の場合は,各室に30名位の学生を入れ各室単位で 同じ問題をやらせ教師室においてテレビで4種の解答を 掌握し,比較検討して学生にテレビを通して説明する。 このような方法をとれぽ,少人数より多人数の方が有利 な点もでてくると考えられる。しかし,多人数の教育の 利点は各種機器を有効に利用できる方法が考えられ, したがって,機器の購入が容易になることであろう。60 名の学生に70∼80万の設備をすることは難しくとも, 400名に対して70∼80万の設備は非常に安価であろう。  教室や各種機器を有効に利用できることは,多人数教 育の利点であろう。なお,図一4の教室は窓をもたない から空気調整が必要である(米国の最近の教室は窓をも たないのが多いようであるから,わが国でも窓のない教 室が多くなるであろう)。  最後に,この研究に助力された雇員金子豊氏,井内悦 子氏に感謝する。 一ユ31一

参照

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