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ろう学校小学部の国語科における手話と日本語のかかわり-小学2年の手話ビデオ教材を活用した授業分析-

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Academic year: 2021

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(1)ろう学校小学部の国語科における手話と日本語のかかわり.  一小学2年の手話ビデオ教材を活用した侵業分析                        専攻特別支援教育学                        コース 心身障害コース.                        学籍番号 M07091E                        氏  名 有島 ひとみ I.間口と目的. の実践が有効であると考えた。実践報告はあるも.  従来,ろう児に言語を獲得させるためには,聴. のの,具体的な指導方法の検討がまだなされてい. 覚口話法が行われていた。しかし,聴覚口話法で. ない。そこで本研究は,手話から日本語のかかわ. は,①補聴器により残存聴力を活用する必要があ. りについて,手話ビデオ教材を活用した優れた授. る②聴覚を活用して言語を習得することが難し. 業実践であるAろう学校の「お手紙」の授業から. い③「9歳の壁」を克服した者は約40%の子ども,. 指導方略を見つけ出したいと考えた。. 克服できなかった子どもは,聴力レペル100肥. 1I.方法. 以上の者,WISC・Rによる動作性知能指数が100.  分析対象学級は,県立Aろう学校に在籍する小. 以下の者,脳に器質的障害を有する者,聴力レベ. 学部2年生。男児1名女児4名であり,教師は健. ル70個以下で4歳以降に聴能訓練を受けた者. 聴の女性教員であった。子どもは,乳幼児期から. (1992,森)の問題点があげられる。. 手話を積極的に活用してきた子どもたちである。.  近年では,子どもが建であることをそのまま認.  分析対象とした授業は,光村図書が発行してい. め,早期から聾者が使ってい1る手話,すなわち日. る2年下の教科書「お手紙」である。教科書を手・. 本手話で聴覚に頼らずに教育を行っていくこと. 書きで拡大した模造紙サイズの物,教科書の挿絵. を求める動きが顕在化してきており,ろう学校で. を拡大コピーしたものを教材として使っていた。. は幼稚部・小学部から手話を積極的に活用するこ. 副教材として,日本手話研究所が制作した手話ビ. となどが提言されている(日本弁護士連合会,. デオ(教科書を手話に翻訳したビデオ)を使用し. 2005)。手話の利用について肯定的な報告や評価. ていた。. がされている一方で,手話によるコミュニケーシ.  分析方法は,収録された国語科の授業記録約11. ョンの力を得た子どもたちがどのように日本語. 時間分の教師と子どもの発言や活動をすべて書. や教科学習を進めていくのかについて十分な調. き起こし,逐語録を作成した。これをもとに,指. 査・研究や議論がなされているとは言いがたい. 導の一連のまとまりをエピソードとして抽出し,. (鳥越,2003)。また鳥越(2003)は,子どもの手. 教師による指導や子どもの反応を記述し,オープ. 話におけるメタ認知を育てることが日本語の読. ンコード法により分析した。. み書きの学習に有効であると考え,聴覚障害児に. 皿.続桑と着寮. 対する国語科指導のためめ手話教材ビデオ作成. 1.機桑の度11■の滝れ. を試みたが,具体的な指導方法はまだ検討されて.  この物語は,5場面から構成されており,授業. いない。. の全体の流れを詳細に分析した。授業は,第一次.  そこで筆者は,コミュニケーションを大切にし. から第四次の流れで授業展開がされていた。第一. ながら,第 言語(日本手話)から第二言語(日. 次では,ビデオを見て全体の大まかなイメージを. 本語)を獲得させたいと考えた。日本語を獲得さ. 持ち,初発の感想を話し合っていた。第二次では,. せる一つの方法として,手話ビデオを使った授業. 手話ビデオの区切られているところの人物の様. 一190一.

(2) 子を詳しく読み取り,気持ちを想像させていた。. れは,手話のr二次的語しごとば」と考えられた。. また動作化したり,意見や感想を話し合ったりし. これらは,岡本(1985)が聴児の言語習得過程で. て読みを深めていた。第三次では,各場面の文章. 述べていた「一次的語しごとば」から「二次的語. を語句の意味をつかみ,人物の様子や気持ちを想. しごとば」への移行と同様であると考えられた。. 像しながら読んでいた。第四次では,全体を通し. したがってr手話での深まり」では,手話での一. て,がまくんとかえるくんにビデオレターを作っ. 次的話しことばから二次的話しことぱへと移行. ていた。今回の分析では,物語が読み深まり,手. していることが考えられた。. 話と日本語の相互関係が多く見られた第二次と.  「手話の語りから日本語」の傾向では,手話の. 第三次を分析することとした。. 単語と日本語の単語を対比させながら,日本語の.  授業の全体の流れを分析した結果,お手紙の単. 単語や文法を指導していた。これは,鳥越(1999). 元では,r手話でお手紙の読みを深めることを通. が述べていたr手話での二次的語しごとば」から. して,日本語の書きことばの理解を促進させるこ. 「書きことば(日本語)」への移行段階にあたる. と」を指導目標としていたと推測された。. と考えられた。手話での二次的話しことばを身に. 2.エピソードから見た措む方略. つけていることが日本語のスムーズな獲得に働.  一連の指導のまとまりをエピソードとして抽. いた考えられた。. 出した。1場面から5場面ごとにエピソード数を.  「物語の読み深め」では,日本語を用いた教科. 抽出し,116エピソードを抽出することができた。. 書指導がされていた。この指導は,「お手紙」の. 抽出した116エピソードの指導方略をコード化し. 内容を日本語でも理解させており,健聴児に対す. たものをカテゴリーに分けたところ,上位コード. る国語科指導と共通した指導方略が多く見られ. 「手話ビデオを使った指導方略」と下位コード. た。. 「具体的な指導方略」に分けることができた。「手.  「お手紙」を読解させるためには,これらの指. 話ビデオを使った指導方略」は,①手話での読解. 導方略があるからこそ,子どもたちは,お手紙の. 方略②手話言語の指導方略③日本語への橋渡し. 学習を進めることができたと考えられた。. の指導方略④指文字の指導方略⑤日本語での読. 2.今像の課口. 解方略⑥日本語の指導方略⑦音声指導方略⑧文.  今後の課題として,今回の指導方略は,「お手. 脈に応じた手話の使い方の指導方略⑨語彙を増. 紙」の授業分析のみであり,授業者が特定の教師. やす指導方略⑩授業全体としての指導方略の1. であったため,他の手話ビデオを使った国語の授. 0種類の指導方略であった。. 業にも同様の指導法略が見られるかについての. π.組合着業. 検討が必要であることが考えられた。また,物語. 1.措美方議の標向. 文や説明文等の指導方略との違いを検討するこ.  全体の指導方略の傾向を見てみると,「手話で. とも必要であると考えられた。. の深まり」「手話の語りから日本語」「物語の読み.  今後,他の手話ビデオ教材を使った国語科指導. 深め」の3つに分けることができた。. での指導方略を明らかにして,手話ビデオの有効.  「手話での深まり」の傾向では,子どもたちと. な活用方法をさらに検討してきたい。. の対話を通して,言葉の背景にある状況がクラス で共有できるように対話がされていた。これは, 手話の「一次的語しごとば」と考えられた。授業 の振り返りの時は,子どもたちがクラスの友達に も理解できるような言い方で話しをしていた。こ. 一191一. 主任指導教員 鳥越 隆士. 指導教員鳥越隆士.

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参照

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