平成
26年
度
学位論文
高校 生 にお け る 自律 的動機 づ け と
レジ リエ ンス との関連
― 自己決定理論の援用の可能性一
兵庫教育大学大学院修士課程
人間発達教育専攻
学校心理発達健康教育 コース
久保勝利
M13031D
目次
第1章
序論・・ ・ ・・ ・ ・・・ ・・ ・・・ ・・・ ・ ・・・・ ・・ ・ 。・・ ・・・ ・・ 1 第2章
研 究方法・ 。。・・・ ・・・ ・ ・・ ・・ 。・・ 。・・・ ・・ ・・・ ・ ・・ ・07
第1節 方 法・ ・・・ ・・ ・・・ ・ ・・・ ・ ・・ ・・ ◆・・ ・・・ ・・ ・・ ・・ ・・ 7 第1項
対象 お よび調 査方 法・・ ・・・ ・ ・・・・・ ・・・・・ ・ ・・ ・ ・・ ・・ 7 第2項
属性 と質 問項 目・・・ ・ ・・・ ・ ・・・・・ ・・ ・ 。・ ・・・ ・ ・・・ ・ 71
属性 。・ ・・ ・・・ ・・・ 。・ 。・・・・・ ・・・・ ・・・ ・・ ・・・ ・ 。72
質 問項 目・・ ・・・ ・・・ ・ ・・ ・・ ・・・・ ・・・ ・・ ・・・ 。・・ ・ ・ 7 第3項
使 用 尺度・ ・・ ・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・ 。・・ ・・・ ・ ・・・ ・・ ・・ 81
二次元 レジ リエ ンス要 因尺度・ 。・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・ 82
学習動機 づ け尺度 。・・・ ・・・ ・・ ・・・・ ・・ 。・ ・ ・・ ・・・ ・ ・・ 83
自己決 定感 尺度 。有 能感 尺度・・ ・・・ ・・ ・・・・ ・・ ・ ・・ ・・・ ・ 。84
学生用 ソー シ ャル・ サ ポー ト尺度・・ ・ 。・・ ・・・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・ 9 第4項
分析 方 法・・ ・ ・・ ・・ ・・・ ・・・・・ 。・・ ・・・ ・ ・・・ 。・ 。10
1
各尺度 得 点 にお け る因子構 造 お よび 下位 尺度 の検討 のた めの因子 分析・ 。10
1)二
次元 レジ リエ ンス要 因尺度・・・・・・・ ・・ ・・・ ・・・ ・・・ 。10
2)学
習動機 づ け尺度 の因子 分析・ ・・・・ ・ ・・・・・ ・ 。・・ ・・ ・ 。10
3)自
己決 定感 尺度 の因子分析・・・・・・・ 。・・・・ 。・・・ 。。・・10
4)有
能感 尺度 の因子 分析・ ・・・ ・・ ・ ・・・ ・・ ・・・・ ・・ ・・・ 。10
5)学
生用 ソー シャル・ サ ポー ト尺度 の因子分析・・・ ・・・・・・・・・10
2
各尺度得 点 にお け る学年差 お よび性 差 の検討 のた めの 学年(2)×
性別(2)の
二元配置分散分析・・・・・・・・・・ ・・・10
3
尺度 間の関連 の検討 のた めの相 関分析・・・・・・・ ・・・ 。・・・ ・ 。10
4.ソ
ー シャル 。サ ポー ト源別 の各尺度得 点 の比較検討 のた めの 一 元配置分散分析・・・ 。・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 。11
5
レジ リエ ンス と自律 的動機 づ けお よび 自己決 定理論 との関連 の 検 討 のた めのパ ス解 析・・ ・・・ ・・・ ・・ ・・・・ ・・ ・・ ・・ ・・ 。11
第3章
結 果・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・ ・・ 。・・・・ ・ ・・ ・・・ ・・・ 。12
第1節 分析 指標 の作成・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・ ・・・ ・・ 。・ ・・ ・ ・・ ・12
第1項
項 目分析 。・・・ ・・ ・ ・・・ ・・・・・ ・・・・ ・ 。・ ・・・ ・ 。012
第2項
各 尺度 の因子 分析・・・ ・・・ ・・・・・ ・・・ ・・・ ・ ・・・ ・・ 。13
1
二次元 レジ リエ ンス要 因尺度 の因子分析・・・・・・ ・・・・ 。・・・ 。13
2
学習動機 づ け尺度 の 因子分析・・・・・ ・・・・・ ・・・・ ・・ ・・ ・・15
3
自己決 定感 尺度 の因子分析・・・ ・・・ ・・ ・・・・・ ・・・ ・ 。・・・17
4
有能感 尺度 の因子分析・ ・・・ ・ ・ ・・・・・ ・・・ ・・ ・・ ・・ ・ ・ ・18
5
学 生用 ソー シ ャル・ サ ポー ト尺度 の因子 分析・・・・ ・・ 。・ ・・・ ・ 。19
第2節
各 尺度 得 点 間 の関連 の分析・ ・・ ・・・ ・・ ・・・・ ・・ 。・・ ・ ・・ 。21
第1項
各尺度 得 点 の平均値 と標 準偏 差・・・・・ ・・・ ・・・ ・ ・・・ ・・ ・21
第2項
各尺度 得 点 にお け る学年 差 お よび性 差 の検討 のた めの 学年(2)×
性別(2)の
二元配置分散分析・・・・ 。・・・・・・・22
第3項
各尺 度得 点 間の相 関分析・・・ ・・・・・ ・・・ ・・・ ・ 。・・ ・・ 。23
第4項
ソー シ ャル・ サポー ト源別 の各 尺度得 点 の比較検討 のた めの 一 元配置分散分析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 。・・ 。24
第3節
レジ リエ ンス と自律 的動機 づ けお よび 自己決 定理論 との関連 の検討 の た めのパ ス解析・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・ ・・ 。25
第4章
考 察・・ ・・・ ・・ ・・・ ・ ・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・ ・ ・ 。・・・ ・27
第1節 レジ リエ ンス と自律 的動機 づ けお よび 自己決 定理論 との関連 の検討・・ 。27
第1項
各 尺度得 点 にお け る学年 差 お よび性 差 の検討・・・・ ・ ・・ ・・・ ・ 。27
第2項
各 尺度 間 の 関連 の検 討・ ・・ ・・ ・・・・・ ・・・ ・・ ・・ ・・ ・・ 。28
1
各尺度 間 の 関連 の検 討 のた めの相 関分析・・ ・ ・・・・・ ・ ・・ 。・ ・ 。28
2.ソ
ー シャル・ サポー ト源別 の各尺度得 点 の比較検討 のた めの 一 元配置分散分析 。・・・・ ・・・・・・ ・・・・ 。・・ 。・ 。・・・・28
第
3項
レジ リエ ンス と自律 的動機 づ けお よび 自己決 定理論 との関連 の検討 の た めのパ ス解析・・・ 。。・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・29
第2節
レジ リエ ンスの涵養 に向 けたアプ ローチ としての 自己決 定理論 の援 用 の 可能性・・・ ・・・ ・・・ ・ ・ 。・・・ ・・ ・・・・・・ ・ ・ ・・・ ・・30
第3節
今 後 の課 題・・・ ・ ・・ ・ ・・・ ・・・ ・・ ・ 。・ ・・・ ・ ・・・ ・・ 。31
引用 文献 謝辞 資料第
1章
序論
高校 生 の時期 は思春期 中期 にあた り,自
我 が不安 定 な 「疾風怒濤 の時代 」とも 呼 ばれ,学
業,部
活動,人
間 関係,進
路選 択,大
学受験 な どで乗 り越 えな けれ ばな らない壁や課題 が多 く存在す る時期 で あ る。 そ のた め,高
校 へ の不本意入 学,学
業不振や人 間関係 の問題,受
験へ の不安 な ど,多
くの生徒 が多様 な問題 を抱 えなが ら高校 生活 を送 つてお り,全
て の生徒 が学校 生活 に対す る不適応 状 態 を呈す る可能性 を有 してい る と考 え られ る。 平成24年度「児童 生徒 の問題 行動等 生徒指 導上 の諸 問題 に関する調査 」(文部科 学省,2014)によると,高
等学校 にお け る不登校 生徒数 は,平
成21年
度 の51,728人(1.55%)か
ら平成24年
度 の57,664人
(1.72%)と
,4年
連続 で増力日してい る。 本 来多様 な子 どもた ちには,そ
れ に応 え る多様 な教 育的支援,多
様 な選 択肢 が 提供 され る よ うな学校 環境 が求 め られ てい る とい え る。個 々のペ ー スや ニー ズ に合 った様 々な学習 の機 会 を提供す るこ とは,不
登校 対策 に とどま らず,子
ど もの健 全 な育成 とい う観 点か らも大 きな意義 が あ る と思 われ る。 しか しこの よ うな,個
々の生徒 へ の個別 の対応 を教員各 自が考 え行 うといつた支援 の細分化 は,繁
雑 とな り,教
員 の負担 も大 きい と考 える。む しろ,学
校 全 体 と して取 り 組 め る,少
ない要 素 で効果 的 な支援 の あ り方 が求 め られ る と考 え る。 永 作・新 井(2005)は
,中
学生 を対象 に,
自己決 定理論 に基 づ いて高等学校 移行 時 の心理 的要 因 と して 自律 的高校進 学動機 を取 り上 げ,学
校 移行 後 の学校 適応・ 不適応 との 関連 を検討 した。 その結果,
自己決 定 の高い進 学動機 を有 し て高校 に進 学す る こ とが,進
学後 の学校適応 の高 さにつ なが る可能性 を示 し, 自己決 定 の低 い進 路選択 は,進
学後 の学校 不適応 につ なが りかね ない こ とを示 唆 してい る。 ここでい う自己決 定 とは,「求 め られ た行動 の価値 や調整 が,内
在 化 し統合 され てい る程度 の違 い(Ryan&Decl,2000)」
を意 味 してお り,自
律性 (自律 的)と
ほぼ 同義 で あ る。 西村・櫻 井(2010)は
,中
学生 を対象 に学 習動 機 と学業適応 との 関連 を検討 した結 果,
自律 的学習動機 と適応 的指標・ 不適応 的指標 は関連 が あ るこ とを示 してい る。不登校 は学校 不適応 の一側 面 にす ぎな い が,こ
れ らの先行研 究 か らは,高
校入 学 時 の生徒 の 自律 的 な動機 づ けを高 め る支援 の重 要性 が示唆 され る。自己決 定理論 は
,内
発 的動機 づ けに関す る理論 を発 展 させ た もので,行
動 に対 して 自律 的 で あ る とい うこ とに よ り,高
い学業成績や 良い精神 的健 康 が もた ら され る とい う理論 で あ り,行
動 に対 して い か に 自己決 定性 が高 い か が重 要 で あ る。 自己決 定理論 で は,「無動機 づ け」,「 外発 的動機 づ け」,「内発 的動機 づ け」 を 自己決 定 (自 律 性)の
程度 に よつて分 類 し,内
発 的 一外発 的動機 づ けの2つ
を 自己決 定 (自律 性)と
い う観 点 か ら一 次元上 の両極 と捉 え,連
続 性 を持 つ も の と してい る。そ して,社
会 的 な価値 を 自分 の もの に してい く価 値 の内在化 (自 己調整)に
注 目して,適
切 な働 きか けに よつて,よ
り自己決 定 (自律性)の
程 度 の高 い動機 づ けが形成 され るこ とが想 定 され てい る。 自己決 定理論 で は,「外 発 的動機 づ け」を,報
酬や罰 な ど外 部 か らの統制 に従 う段 階で最 も他律 的 な 「外 的調整 」,外
部 の評価 や義務感 が伴 う自己価値 の維 持や恥 の感 覚 の回避 な ど外 部 の評価や義務感 が伴 う「取 り入れ 的調整 」,活
動へ の価値 を認 め 自分 の もの と し て受 け入れ てい る状態 の 「同一化 的調整 」,自
身 の価 値観 と行動や活動 の価値観 が矛 盾 な く統合 され 自己内 に葛藤 を生 じず に活 動 に取 り組 む段 階 の 「統合 的調 整 」 の4つ
に区分 し,特
に 「同一化 的調整 」「統合 的調整 」 と 「内的調整 (内発 的動機 づ け)」 を 「自律 的動機 づ け」 と し,学
業成績 や精神 的健康 な どに良い影 響 を与 え る と して い る (山 口,2012)。 た だ し,統
合 的調整 は,探
索 的 因子 分析 を行 うと 「同一化 的調整 」や 「内的調整 」 に項 目が含 まれ,統
計 的 に分別 で き ない とい うこ ともあ り,近
年 の研 究 で は あま りと りあげ られ て い ない (西村・ 櫻 井,2013)。 このた め,本
研 究 で も 「統合 的調整 」 は扱 わ ない こ とと した。 自己決 定理論 で は,生
理 的欲 求 と心理 的欲 求 を区別 した上 で,動
機 づ けの基 本 的 な心理 的欲 求 として,自
律性欲 求 (行為 を 自ら起 こそ うとす る傾 向性),有
能欲 求 (環境 と効果 的 に関わ りなが ら学 んでい こ うとす る傾 向性),関
係 性欲 求 (他者 や コ ミュニテ ィ と関わ ろ うとす る傾 向性)の
3つ
のいずれ も人 が生得 的 に持 つてい る心理 的欲 求 と して特 定 してい る。 これ らの心理 的欲 求 が全 て成長 に向 けて の生得 的 な傾 向性 で あ り,こ
れ らの欲 求 が 同時 に満 た され る よ うな条 件 の も とで外 的 な価値 が 内在化 (自 己調整)さ
れ,よ
り自己決 定 (自律性)の
程度 の高い動機 づ けを持 つ よ うにな る と仮 定 してい る (長沼,2004)。 鹿 毛(2004)に
よれ ば,
自己決 定理論 で は,活
動 へ の 自律 的 な動機 づ けを高 め,価
値 の 内在 化 を促 進 す る よ うな重要 な他 者 の行 動や 態度 につ い て概 念 化 してい る。 これ は
,自
律性 支援 的(autOnomy supportⅣ
e)態
度 と名 づ け られ, 3
つ の成分次元か ら成 ってい る。 第1は
「構造 」で,重
要 な他者 が 日標 や期待 を明確 に伝 え,評
価 や フ ィー ド バ ックも一 貫性 ・予測 可能性0随
伴 性 を もつて行 うこ とと され,
さ らには手段 的 な援 助 を提供 した り,行
為者 に合 わせ た指 導方 略 を採 用 す る こ とな ども含 ま れ る。「構 造 」 は有能 さへ の欲 求 に対応 してお り,達
成水 準 を明確 に し,一
貫 し た基 準 を も とに評 価 す る こ とで,着
実 に有能感 を高 め る こ とが で き る と してい る。 第2は ,狭
義 の 「自律性 支援 」 で,子
どもが 自分 自身 の行動 を決 定す る 自由 を認 め,選
択 の機 会 を提供 す る こ とで あ り,特
に重 要 なの は外 的報 酬や圧 力 を 伴 わ ない雰 囲気 の 中で,こ
れ らの働 きか けが行 われ る こ とで あ る と してい る。 自律性 支援 は 自律 性欲 求 に対応 す る もの で あ る。 これ と対 比 され るの は 「制御 的」態度 で あ り,重
要 な他 者 が決 定権 を持 つて指示 を与 え,達
成 に圧 力 をか け る よ うな態度 を指 してい る。 第3は
,「関与 」で,重
要 な他者 が制御 的態度 では な く,子
どもの生活 と行 動 に関心 と知識 を持 ち,肯
定 的感 情 を伴 って積 極 的 に 関わ つた り,心
理 的・ 物 理 的資源 や 時 間 を子 どもに提供 す る こ とを指 してい る(Sklnner&Belmont,1993)。
関係 性欲 求 に対応 す るのが 関与 で あ る。 また,自
己決 定理論 で は,始
発 が外発 的 な動機 で あつて も,こ
れ らのアプ ロ ー チ を通 じて,価
値 の 内在化 が進 め られ,自
己決 定 の感 覚 を伴 う行 動 へ変化 さ せ る こ とは可能 で あ る と仮 定 してい る (長沼,2004)。 本研 究 で は,
自律性欲 求,有
能欲 求,関
係性 欲 求 の3つ
の基本 的心理 的欲 求 の充足 の程度 を,そ
れ ぞれ 自己決 定感,有
能感,ソ
ー シ ャル・ サ ポー トか ら捉 え る こ とと した。新井・佐藤(2000)は
,
自己決 定 は学習 の動機 づ けだ けで は な く,子
どもの生活や行 動全般 に大 き く影 響 を与 え る概 念 で あ る と述べ てい る。 また,有
能感 は 「有能 さの 自己認 知 」 の測 定で あ り,Decl(1985)は
,自
己の 有能 さの認 知 を高揚す るこ とを通 して内発 的動機 づ けが高 め られ る傾 向が あ る こ とを述べ てい る。 ソー シ ャル・ サ ポー トは,個
人 を取 り巻 く人 々か ら受 け る様 々 な形 の支援 を いい,「社 会 的包 絡 」,「知覚 され たサ ポー ト」,「実行 され たサ ポー ト」 の3種
類に分類 され る (Barrera,1986)。 児童 生徒 を対象 とした調査 で は
,ソ
ー シ ヤル・ サ ポー トは,微
妙 な個 人差 を反 映す るた めにはサ ポー トを受 け る可能性 へ の主 観 的評価 の測 定 が適 してい る こ とか らほ とん ど 「知覚 され たサ ポー ト」 の観 点 で測 定 され てい る (石毛・ 無藤 ,2005)。 久 田・ 千 田・ 箕 口(1989)は
,ソ
ー シ ャル・ サ ポー トにつ い て,「ふ だんか ら自分 を取 り巻 く重要 な他者 に愛 され 大切 に され てお り,も
し何 か問題 が起 こつて も援助 して も らえ る,と
い う期待 の強 さ」(Cobb,1976,久
田0千
田・ 箕 口,1989)と
定義 してお り,こ
の期待 は,過
去 の経験 に よつて形成 され るもので あ り,そ
の経験 に基づ く将来 の可能性 につ い て の予測 で あ る。 また,岡
安 ら(1993)は
,中
学生 を対象 に,知
覚 され たサ ポ ー トが高い ほ どス トレス反応 が小 さい こ とを報告 してい る。知覚 され たサポー トの水 準 が高い こ とは,過
去 に他者 か らサ ポー トを受 けた経験 が多 い こ とや他 者 との親密 度 が高 い こ と,サ
ポー トの入 手可能性 に対す る期待 が高 い こ とを意 味 し,こ
の期待 はス トレッサー に対す る嫌悪性や統制 可能性 とい つた認知 的評 価 に影響 を及 ぼす こ とに よつて,ス
トレス反応 の生起 を抑 制す る機 能 を持つ と 考 え られ る。 本研 究 で は,ソ
ー シ ャル・ サポー トにつ いて,久
田・ 千 田・ 箕 口(1989)と
同様 に 「ふ だんか ら自分 を取 り巻 く重要 な他者 に愛 され大切 に され てお り,も
し何 か問題 が起 こつて も援助 して も らえ る,と
い う期待 の強 さ」 と定義 し,認
知 的 アプ ローチ と して,過
去 の経 験 お よび その経験 に基づ く将来 の可能性 につ いて の期待 の強 さとい う主観 的感 覚 を測定す る事 に よつて ソー シャル・ サポー トレベル を査 定 した。 動機 づ けは,行
動 の始発性 や原 因性 とい つた,行
動 を一 定方 向に向 けて始発 さ せ,推
進 し,持
続 させ る過程 の全般 を総称 す る概 念 で あ るが,一
方 で,挫
折や 困難 な状況 に晒 され る こ とで,一
時的 に心理 的不健 康 な状況 に陥 って もそれ を 乗 り越 えそ こか ら立 ち直 る力 を表す概念 に,レ
ジ リエ ンスが あ る。Masten,Best and Garmezy(1990)は
,
レジ リエ ンス を 「困難 あ るい は脅威的 な状況 に も関わ らず
,
うま く適応 す る過 程,能
力,あ
るい は結果 」 と定義 してい る。
日本 にお いて レジ リエ ンス は,「回復 力」「復 元力」「反発 力 」とも言 われ,「生
レジ リエ ンス の研 究 は
,重
篤 な障害,虐
待や貧 困な どの厳 しい環境 に直面 し なが らも適応 的 な結果 を示す 要 因 につ い て の研 究 が行 われ た こ とが始 ま りとい われ てい るが,現
在 で は,重
篤 な障害 の有無 に関わ らず,
日常生活 の 中で厳 し い状況 で も適応 で きる者 と適 当で きない者 の差 を調査0研
究 した もの を中心 に, レジ リエ ンス研 究分野 の対象範 囲は全般 的に広 く扱 われてい る (今村・ 山本 ◆ 出水・ 徳 島・ 谷川・ 乾,2013)。 石 毛・無藤(2005)は
中学生 の受験期 の学業場 面 にお け る精神 的健 康 とレジ リエ ンスお よび ソー シャル・ サ ポー トの 関連 につ いて検討 し,レ
ジ リエ ンス概 念 の構成 因子 と して,自
ら問題解 決 しよ うとす る 自立的 な傾 向で あ る 「自己志 向性 」 のほか 「楽観性 」・「関係性 」 の3因
子 をあ げてい る。 これ らの研 究 にお いて,良
好 な精神 状態へ と変化 した者 は 自律性, 高い計画性,ス
トレス フル な状況 を統制す る能 力,家
族 のサ ポー トを備 えてい るこ とが示 され てい る(L/1asten,Burt,Rolsman,Obradovlc,Long,&Tellegen,
2004)。 田中・ 見 玉(2010)に
よれ ば,レ
ジ リエ ンス は,本
来人 間が有 し,個
人 内で 発 達 させ る こ とが で き,ま
た可逆 的 で促進 させ る こ とがで きる人 間の基本 的 な 生 き る力 を強 め る機 能 で あ り,周
囲か らの有効 な働 きか けに よ り個 人 内部 の レ ジ リエ ンス を高 め るこ とで,危
機 状 況 か らの回復 がで きる と考 え られ,状
況 に 適応 す るた めの介入 の可能性 も示 唆 され てい る。 レジ リエ ンス を高 めてス トレ ス フル な状況 に有効 に対処 で きるよ うな介入 をす るこ とは,予
防 的介入 とい う 観 点 か ら重 要 で あ る と考 え られ てい る。平野(2010)は
,レ
ジ リエ ンス要 因 を, 持 つて生 まれ た気質 と関連 の強 い 「資質 的 レジ リエ ンス要 因」 と後天 的 に身 に つ けてい きやす い 「獲得 的 レジ リエ ンス要 因」 に分 けて捉 え,両
者 を測 定す る 二次元 レジ リエ ンス要 因尺度(BRS)を
作成 し,「資質 的 レジ リエ ンス要 因」 と 「獲得 的 レジ リエ ンス要 因」 を分 けて捉 えるこ とに よ り,
レジ リエ ンス を後天 的 に高 めてい く方法 を検討 で きる と してい る。 これ まで に,自 律 的動機 づ け とレジ リエ ンス の関連 に関す る先行研 究 は少 な く, 高校 生 にお け る 自律 的動機 づ け と レジ リエ ンス との 関連 を検討 した研 究 は未 だ 見受 け られ ない。 学 習動機 づ け と レジ リエ ンス の関連 につ いて検討 した先行研 究 と して は,倉
住・ 渡辺(2007)は
,中
学 生 を対象 に学 習意欲低 下場 面 を取 り上 げ,場
面 に対す る対処方 略 と レジ リエ ンス及 び学 習動機 づ けの関連 につ いて検討 し
,
レジ リ エ ンス得点 の高い者 は回避 的対処 を選択 しに くく,直
接 的 問題 対処 を行 う傾 向 が あ り,低
動機 づ けス タイル を持 つ者 は回避 的対処 を行 いやす く,直
接 的 問題 対処 を行 わ ない傾 向が あ る こ とを示 してい る。 また,自
己決 定理論 に関す る 自 律 的 な学習動機 づ け と他者 か らの働 きか けにつ いて検討 した先行研 究 につ い て は,Vallerand,Fortlet&Guay(1997)が ,高
校 生 を対象 に他者 か らの働 きか け と生徒 の学習動機 づ け,退
学へ の意志 と行動 との 関連 につ いて検討 し,両
親 や教 師か らの 自律性 支援 は,
自律性 や コン ピテ ンス の認 知 を介 して 自律 的 な動 機 づ け を形成 し,そ
れ が退学へ の意 志や行 動 を抑制す るこ とを示 してい る (岡 田・ 中谷,2006)。 動機 づ け と レジ リエ ンス は異 な る概 念 で あ るが,生
徒 の学校 不適応 や 不 登校 の予 防 に向けて,
どち らも重 要 な視 点 で あ る と思 われ る。 本研 究 で は,生 徒 の学校 不適応や 不登校 予 防 の観 点 か ら自律 的動機 づ け と レジ リエ ンス を取 り上 げ,高
校 生 にお け る 自律 的動機 づ け と レジ リエ ンス との関連 を検討 す る とともに,生
徒 の レジ リエ ンス を涵養 す る支援 のた めのアプ ロー チ として,自
己決 定理論 の援用 の可能性 を検討 す るこ とを 目的 とす る。第
2章
研究方法
第
1節
方 法
第
1項
対象および調査方法
2014年
1月下旬に
,兵庫県下の公立高等学校普通科
102年
生各 120名 計 240
名 を対象に質問紙調査 を行つた。調査は
,学
級担任の指導の下に主に
LHRの
時間に無記名で実施 し
,回
答はその場で即時回収 した。回収 された
220名
(回収率
91.7%)の
うち
,回
答 に不備のあった 7名 を除 く
213名
(男子 102名
,女
子 111名
/1年
生 109名
,2年
生 104名
)を
分析対象 とした。平均年齢 16.3歳
“
り
=.58)で
あつた。分析には
,SPSS(ver.21)と
AMOS(ve■
20)を
使用
した。調査の実施 にあた り
,テ
ス トでは無 く学校の成績 とは無関係である事
,回答は強制ではなく回答 した くない項 目があつた場合は回答 しなくて構わない
とい う事
,回
答か ら個人の情報や回答内容が特定 され る事はな く
,研
究 目的以
外に使用 しない事 を伝 えてもらった。
第
2項
属性 と質問項 目
1
属性
学年
,性
別
,年
齢
2
質問項 目
現在の身近なソーシャル・サポー ト源の種類について
,「家族」「友人」
「その他」「いない」の
4つ
の選択肢の中か ら一つ選択 させた。
第
3項
使 用尺度1
二次元 レジ リエ ンス要 因尺度 二次元 レジ リエ ンス要 因尺度 (平野,2010)は
,資
質 的要 因4因
子 (楽観 性, 統御 力,社
交性,行
動力),獲
得 的要 因3因
子 (問題 解 決志 向,自
己理解,他
者 心理 の理解)の7つ
の下位 尺度 か ら構成 され てお り,「困難 な出来事 が起 きて も, ど うにか切 り抜 け るこ とがで き る と思 う」 な ど レジ リエ ンス につ い て,21項
目 で測 定す る尺度 で あ る。 大学 生用 に作成 され た尺度 で あ るが,高
校 生 に も適 用 可能 で あ る と考 え られ てい る。 この尺度 を用 い て,高
校 生 にお け る レジ リエ ン ス につ いて,「ま った くあて はま らない」 か ら 「よ くあて はま る」 の5件
法 で 回 答 を求 めた。2
学 習動機 づ け尺度 学習動機 づ け尺度 (安藤,2005)は
,「勉 強す る こ とが楽 しいか ら」な ど自己決 定理論 に基 づ く4つ
の下位 尺度 (外的調整・ 取入れ 的調整0同
一化 的調整・ 内 的調整)に
つ い て,14項
目で測 定す る尺度 で あ る。 この尺度 を用 いて,高
校 生 の学習動機 づ けについて,「ぜ んぜ ん あて はま らない」か ら「とて もあて はま る」 の5件
法 で 回答 を求 めた。3
自己決 定感尺度・有能感尺度 有能感0有
能欲 求・ 自己決 定感・ 自己決 定欲 求尺度 (櫻井,1993)は
,「物 事 は 他 の人 よ りも上手 に してい る」「自分 の思 い通 りに行 動 してい る」 な ど 日常生活 にお け る有能感,有
能欲 求,
自己決 定感,
自己決 定欲 求 につ いて,33項
目で測 定す る尺度 で あ る。 大学生 を対象 に作成 され たが,項
目の内容 か ら高校 生 に も 適用 可能 で あ る と考 え られ る。 この尺度 よ り,
自己決 定感 尺度8項
目,有
能感 尺度8項
目を用 い て,高
校 生 の 自己決 定感,有
能感 につ いて,「ま った くあて は ま らない」 か ら 「非常 に よ くあて はま る」 の6件
法 で回答 を求 めた。4
学生用 ソー シヤル・ サ ポー ト尺 度久 田
0千
田茂・ 箕 口(1989)に
よつて作成 され た,学
生用 ソー シ ャル・ サ ポー ト尺度
(The scale Of Expectancy for Soclal Support:SESS)は
,将
来何 か問題 が生 じた場 合 に
,周
囲 の人 々か らどの程度 の援 助 が期待 で き るか調 べ る事 を 目的 と した尺度 で,「 あなたが落 ち込 ん でい る と元気 づ けて くれ る」 な ど 16 種類 のサ ポー ト場 面 を設 定 し,各
場 面 にお い て どの程度 サ ポー ト源 が対象者 を サ ポー トして くれ るか につ い て 「絶 対 ちが う」 か ら 「きつ とそ うだ」 の4段
階 で評 定 を求 め る もので あ る (岡安・ 嶋 田・ 坂野,1993)。 本研 究 で は「現在 の生活 にお いて,も
つ ともあなた の助 けになつてい る と感 じ てい る人 を思 い浮 かべ て答 えて下 さい。」 との教示 を行 い,16場
面 の うち,調
査 校側 の意 見 を考慮 して「あなた が失恋 した と知 つた ら,心
か ら同情 して くれ る」 と「あなた を心 か ら愛 してい る」の2場
面 を削 除 した14場
面 で質 問紙 を構成 し た。 この尺 度 を用 い て,高
校 生 にお け る認 知 的 な ソー シ ャル・ サ ポー トにつ い て,「絶対 ちが う」 か ら 「きっ とそ うだ」 の4件
法 で 回答 を求 めた。第
4項
分析 方法1
各尺度 得 点 にお ける因子構造 お よび下位尺度 の検 討のための 因子分析1)二
次 元 レジ リエ ンス要 因尺度 先行研 究 (平野,2010)と
同様 の因子構 造 を示す か ど うか,先
行研 究 に準 じて7因
子解 を仮 定 した探 索 的 因子分析 (最尤法,プ
ロマ ックス回転)を
行 つた。2)学
習動機 づ け尺度 の 因子分析 先行研 究 (安藤,2005)と
同様 の因子構 造 を示 す か ど うか,先
行研 究 に準 じて4因
子解 を仮 定 した探 索 的 因子分析 (最尤 法,プ
ロマ ックス回転)を
行 つた。3)自
己決 定感尺 度 の 因子分析 先行研 究 (櫻井,1993)と
同様 の 因子構 造 を示す か ど うか,先
行研 究 に準 じて1因
子解 を仮 定 した探 索 的因子分析 (最尤 法,プ
ロマ ックス回転)を
行 つた。4)有
能感尺度 の 因子分析 先行研 究 (櫻井,1993)と
同様 の因子構 造 を示す か ど うか,先
行研 究 と同 じ1 因子解 を仮 定 した探 索 的 因子分析 (最尤 法,プ
ロマ ックス回転)を
行 った。5)学
生用 ソー シャル・ サ ポー ト尺 度 の 因子分析 先行研 究 (久田・ 千 田茂・ 箕 口,1989)と
同様 の因子構 造 を示 す か ど うか,先
行研 究 に準 じて1因
子解 を仮 定 した探 索 的 因子 分析 (最尤 法,プ
ロマ ックス回 転)を
行 つた。2各
尺度得 点 にお ける学 年差 お よび性 差 の検 討の ための学 年(2)X性
別(2)
の二元配置 分散分析 各 尺度得 ′点にお け る学年 差 お よび性 差 の検討 のた めに,各
尺度 得 点 につ い て, 学年(2)×
性別(2)の
二元配置分散分析 を行 つた。3
尺度 間 の関連 の検 討 のための相 関分析 各 尺度 間 の関連 の検討 のた めに,各
尺度得 点 間の相 関係 数 を算 出 した。 104
ソー シ ャル・サ ポー ト源 別 の各尺度得 点の比較検 討のための 一元配置 分散 分析 ソー シ ャル・ サ ポー ト源 別 の各 尺度得 点 の比 較検討 のた めに,家
族 サ ポー ト 群,友
人サ ポー ト群,ソ
ー シ ャル・ サポー ト無 し群 の3群
を独 立変数 と して, レジ リエ ンス,
自律 的動機 づ け,
自己決 定感,有
能感 の各 尺度 得 点 を従 属 変数 に,一
元配置分散 分析 を行 つた。5
レジ リエ ンス と自律 的動機 づ けおよび 自己決 定理論 との関連 の検 討の ため のパ ス解析 自己決 定感,有
能感,ソ
ー シ ャル・ サ ポー トが 自律 的動機 づ け,レ
ジ リエ ン ス に及 ぼす影響 お よび 自律 的動機 づ け とレジ リエ ンスの関連 につ いて検討す る た めに,ハ
IOSに
よるパ ス解析 を行 い,自
己決 定感,ソ
ー シャル・ サポー トを 外生変数 に,有
能感,
自律 的動機 づ け,
レジ リエ ンス を内生変数 とした因果 モ デル を作成 した。第
3章
結果
第
1節
分 析 指 標 の 作 成
第
1項
項 目分析
各尺度項 目の逆転項 目の処理を行い
,平均値および標準偏差を確認 した。次に
,項 目ごとに
,Shaplro‐Wllkの
正規性の検定を行い, ヒス トグラムと合わせて各
データの正規性 を検証 した。その結果
,学
習動機づけ尺度の同一化的調整に含
まれ る「
Q27
今
,学
習 しておかない と後で困るか ら」を除 く他の項 目は
,正
規
分布 に従っているもの と解釈 された。項 目
Q27は
,ShaplrO‐Wllkの
正規性の検
定
(ρ <。001)で 正規性は否定 され,尺 度段階の「
5と
てもあてはまる」が
92%
と天丼効果を示 したため分析か ら除外 し
,残
りの全ての項 目を分析に用いた。
次に
,現
在の身近なソーシャル・サポー ト源の種類についての結果は
,対
象
者
213名
に対 し
,「家族」 。
47.9%(102名 ),「
友人」
.42.3%(90名 ),「
そ
の他」 。
2.3%(5名
。中学校の先生
,恋
人
,全
て
,ア
イ ドル
,記
述無 し
),「 い
ない」
7.5%(16名
),で
あつた。その他記述に
,「
高校の先生」に類す る記
述は見 られなかつた。
12第
2項
各尺度 の 因子分析1
二次元 レジ リエ ンス要 因尺度 の因子分析 先行研 究 (平野,2010)と
同様 の因子構 造 を示 す か ど うか,先
行研 究 に準 じて7因
子解 を仮 定 した探 索 的因子分析 (最尤 法,プ
ロマ ックス回転)を
行 つた結 果,本
来 の7下
位 尺度 に相 当す る因子 は抽 出 され なか つた。 次 に,固
有値1以
上 の探 索的 因子 分析 (最尤 法,プ
ロマ ックス回転)を
行 い,因
子負荷 量 が。40に
満 た ない項 目を除外 して再度 因子分析 (最尤法,プ
ロマ ックス回転)を
行 つた 結果, 5因
子解 が抽 出 され た。 第1因
子 の 「努 力す る こ とを大事 にす る方 だ」 な どを,
日標 や意欲 を持 ち実 行 で き る力 と して 「行 動力」,第
2因
子 の 「自分 か ら人 と親 しくな るこ とが得 意 だ」 な どを,見
知 らぬ他者 に対す る不安や 恐怖 が少 な く,他
者 との関わ りを好 む力 と して 「社 交性 」,第
3因
子 の 「た とえ 自信 が ない こ とで も,結
果 的 に何 と か な る と思 う」 な どを,将
来 に対 して不安 を持 たず,肯
定 的 な期待 を もつて行 動 で き る力 として 「楽観 性 」,第
4因
子 の 「嫌 な 出来事 が あつた とき,今
の経験 か ら得 られ るもの を探 す。」 な どを,問
題 を積極 的 に解 決 しよ うとす る意志 を持 ち,解
決方 法 を学 ぼ うとす る力 と して 「問題解 決志 向」,第
5因
子 の 「他 人 の考 え方 を理解 す るのが比較 的得意 だ」 な どを,他
者 の心理 を認 知 的 に理解,も
し くは受容 す る力 と して 「他者 心理 の理解 」 と命名 した。 た だ し,第
5因
子 の 「他者 心理 の理解 」は項 目数 が2項
目と少 なか ったた め, 第5因
子 の 「他者 心理 の理解 」 は今 回 の分析 に用 い る事 は控 え る こ とと した。 また,先
行研 究 (平野,2010)に
お ける 「統御 力 」 と 「自己理解 」 の因子 は抽 出 され なか った。他 の因子 に分散 して ま とま った もの と考 え られ る。 第5因
子 の 「他者 心理 の理解 」 の2項
目を除外 して,固
有値1以
上 の探 索 的 因子 分析 (最尤 法,プ
ロマ ックス回転)を
行 った結果,前
回 の 「行動 力」「社 交 性 」「楽観性 」「問題解 決志 向」 と同 じ4因
子 が抽 出 され た。 尺度 の内的整 合性 を検討す るた めに,Cronbachの
α係 数 を算 出 した。尺度 全 体 の α係 数 は α=.82,各
下位 尺度 の α係 数 は 「行動 力」「社 交性 」「楽観 性 」「問 題解 決 志 向」がそれ ぞれ α=.81,.85,.82,.71の
値 を得,内
的整 合性 が高 い と 判 断 した。 各 下位 尺度 の項 目の合 計平均 点 を各 下位 尺度得 点 と し,「他者 心理 の理解 」 を 13除 く
4つ
の下位 尺度得 点 の合 計点 を 「レジ リエ ンス得 点」 として分析 に用 い る こ とと した (Table l)。 TaЫo l二次元レ
ジリ
エンス要因尺度の因子分析結果
(最尤法
=プロ
マ
ッ
ク
ス回転
)と平均値
=標準偏差
項目Fl F2 F3 F4ヵ
′ 〃"
〈第
1因子行動力〉
(″=81) 6自
分は粘り
強い
人間だと
思う
。
7つら
いこ
と
でも
我慢できる
方だ。
8決め
たこ
と
を
最後までやり
と
お
すこ
と
ができ
る
。
5努力する
こ
と
教事にする
方だ。
〈第
2因子社交性〉
(″=85) 2自
分から
人と
親し
く
なる
こ
と
が得意だ。
4交友関係が広く
,社交的である。
3昔から
:人と
の関係を
と
る
のが上手だ。
〈第
3因子楽観性〉
(″=82) 10たと
え自
信がないこ
と
でも
:結果的に
何と
かなると
思う
。
9ど
んなこ
と
でも
,たい
てい
何と
かなり
そ
う
な気がする
。
11困難な出来事が起きても
,どう
に
か切り
抜け
る
こ
と
ができ
る
と
思う
。
〈第
4因子問題解決志向〉
(″=71) 20嫌な出来事があ
つ
たと
き
,今の経験から
得ら
れる
も
の観す。
19嫌な出来事があ
つ
たと
き
,その問題を解決するために情報を
集める
。
18嫌な出来事が
,どんな風に自分の気持ちに影響するか理解し
てい
る
。
02 -02 -09 14 -01 02 10 -21 311 097 333 096 324 095 365 094 -09 08 04 -06 -06 13 -06 06 -09 14 -01 05 -06再
饉
理
壼
00 ¨05 -01 -01 -01 07 月 毘 用 風 関 相 間 子 因 鮨′′θ″=″ 26 -142
学 習動機 づ け尺度 の 因子分析 先行研 究 (安藤,2005)と
同様 の因子構 造 を示す か ど うか,先
行研 究 に準 じて4因
子解 を仮 定 した探 索 的因子分析 (最尤 法,プロマ ックス回転)を 行 つた結果, 先行研 究 と同 じ4因
子 が抽 出 され た。 次 に固有値1以
上 の探 索 的 因子分析 (最 尤法,プ
ロマ ックス回転)を
行 い,先
行研 究 (安藤,2005)と
同様 の4因
子 が抽 出 され た。 そ こで,先
行研 究 (安藤,2005)に
な らい,第
1因
子 の 「他 人 に勉 強 しろ と言 われ るか ら」 な どを,報
酬や罰 な ど外部 か らの統制 に従 う段 階 で最 も他律 的 な 「外 的調整 」,第
2因
子 の 「授 業 の 内容 が楽 しい か ら」 な どを,何
か に対す る興 味 を満 足 させ るた め,も
しくは達成感 を得 るた めに 自己 目的的 に行 動 を して い る状態 の 「内的調整 」,第
3因
子 の 「自分 のた めにな る と思 うか ら」 な どを,活
動へ の価値 を認 め 自分 の もの と して受 け入れ てい る状態 の 「同一化 的調整 」,第
4因
子 の 「学生 なので,勉
強す る こ とが あた りま えだか ら」 な どを,
自己価 値 の維 持や恥 の感 覚 の回避 な ど外部 の評価 や義務感 が伴 う 「取 り入れ 的調整 」 と 命名 した。 尺度 の内的整 合性 を検討す るた めに,Cronbachの
α係 数 を算 出 した。尺度全 体 の α係数 は α=.63と
低 い値 で あった。 下位 尺度 の 「外 的調整 」「取 り入 れ 的 調整 」「同一化 的調整 」「内的調整 」の α係 数 は,そ
れ ぞれ α=.77,.59,。
70,。76
で あ つた。「取 り入れ 的調整 」 の値 は α=.59と
低 い値 で あ るが,先
行研 究 (安 藤,2005)と
同 じ値 で あ るので,こ
のまま分析 に用 い るこ ととした (Table 2)。 下位 尺度 の各 項 目の得 ′点の合 計 平均 ′点をそれ ぞれ 「外 的調整 」「取 り入れ 的調 整 」「同一化 的調整 」「内的調整 」得 ′点と し,「外 的調整 」 と 「取入 れ 的調整 」 の 合 計 点 を 「統制 的動機 づ け」,「 同一化 的調整 」 と 「内的調整 」 の合 計 点 を 「自 律 的動機 づ け」 の得 点 と して扱 う事 と した。 この得 ′点化 の方 法 は動機 づ けの上 位概 念 を捉 え る指標 と して多 くの研 究 で用 い られ てい る もので あ る (西村・ 櫻 メキ,2013)。 15丁aЫe 2 学習動機づナ尺度の因子分析結果(最尤法・プロマックス回転)と平均値口標準偏差 項 目
F4
ヵ2
″ Sθ 0 7 3 0 0 0 ¨ 2 6 7 4 0 0 0 0 一 一 5 1 9 3 3 2 5 6 3 2 2 2 8 4 2 0 2 2 3 3 4 2 3 3 2 3 <第1因子 外的調整>(″〓77) 他人に勉強しろと言われるから。 勉強しないと親がうるさいから。 勉強しないと教師にしかられるから。 <第2因子 内的調整>(″=76)
授業の内容が楽しいから。 勉強することが楽しいから。 新しい知識を得るのが楽しいから。 <第3因 子 同一化的調整>(″=70)
自分のためになると思うから。 勉強内容が将来役に立つと思うから。 希望する職業に必要だから。 勉強するべき大切な内容だと思うから。 <第4因 子 取り入れ的調整>(″=59)
学生なので,勉 強するのがあたりまえだから。 勉強しないと不安だから。 良い成績を取りたいから。 -01 -11 10 -01 76 222 -08 55 231 04 38 226 3 6 4 04 -07 00 100 103 105 00 14 -21 17 18 10 -06 -22 …12 -04 -04 -09 24 -14 02 02 -06 14 -03 18 -02 -06 -05 7 4 8 7 5 0 2 2 3 8 6 5 5 5 4 0 8 2 2 5 4 3 4 0 2 6 7 3 2 398 85 340 105 376 111 331 98 343 1 12 338 1 15 389 98 -05 -11 03 月 ″ 用 晟 鮮ジ/θ ″=″
一 一 9 2 一 5 4 3 1 因子間相関 163
自己決 定感尺度 の 因子分析 先行研 究 (櫻井,1993)と
同様 の因子構 造 を示 す か ど うか,先
行研 究 に準 じて1因
子解 を仮 定 した探 索的 因子分析 (最尤 法,プ
ロマ ックス回転)を
行 い,因
子負 荷 量が。40に
満 た ない4項
目を除外 して繰 り返 し因子分析 を行 つた結果,1
因子4項
目が抽 出 され た。 次 に行 つた 固有 値1以
上 の探 索 的 因子 分析 (最尤 法,プ
ロマ ックス回転)で
は3因
子解 とな つたが,2項
目のみ の因子 が2因
子抽 出 され た。因子 の解 釈 可能 性 を考慮 して,こ
こで は1因
子解 を採用す るこ とと し,こ
れ ら2項
目のみ の 2 因子 の4項
目を除外 して,固
有値1以
上 の探 索 的因子 分析 (最尤 法,プ
ロマ ッ クス 回転)を
行 った結 果, 1因
子4項
目が抽 出 され た。 尺度全 体 の α係 数 は α =。74で
あつた。1因
子4項
目の得 点 の合 計 平均 点 を 「自己決 定感 」得 点 と して分析 に用 い る こ と と した (Table 3)。 TaЫe 3自己決定感尺度の因子分析結果
(最尤法・プロマックス回転
)と平均値・標準偏差
Na 項目Fl
ヵ2
″"
8 0 2 6 3 4 4 3自分の思いどおりに行動している。
何かやりたいときには、
他人に頼らず自分の判
他人の考えにこだわらず、自分の考えどおりに
自分の生き方は自分で決めている。
炸213″
=74
174
有能 感尺度 の 因子分析 先行研 究 (櫻井,1993)と
同様 の 因子構 造 を示す か ど うか,先
行研 究 と同 じ1 因子解 を仮 定 した探 索 的 因子分析 (最尤 法,プ
ロマ ックス回転)を
行 つた結果,1因
子8項
目が抽 出 され た。 次 に行 つた 固有値1以
上 の探 索的 因子分析 (最尤 法,プ
ロマ ックス回転)で
も同様 に1因
子8項
目が抽 出 され た。 尺度 全体 の α 係数 は α=.81で
あつた。 これ ら1因
子8項
目の得 点 の合 計 平均 点 を 「有能感 」得 ′点と して分析 に用 い るこ ととした (Table 4)。 丁aЫe 4有
能感尺度の因子分析(最尤法・プロマックス回転)と平均値B標準偏差 項 目Fl
ヵ2
〃Sθ
55
物事はほかの人より上手にしている。
59
周りの人が出来ないことでも、うまくやつている。
54
難しい課題でも、うまくやり遂
│力Cいる。
53
有能な人間である。
58
やりかけたことは、うまくやり遂げている。
57
ほかの人には難しいようなパズルや問題を簡単に解く方である。
60
現在所属するクラスでは優秀な方である。
56
なるべく
簡単にできる課題をしている。
77 299 1 10 66 273 136 64 301 105 53 261 12351 310 103
39 341 108
37 352 101 19 264 1 18 ル213″
=81
185
学生用 ソーシヤル・サポー ト尺度の因子分析
先行研究
(久田 0千 田茂・箕 口,1989)と 同様の因子構造 を示すかどうか
,先
行研究に準 じて 1因 子解 を仮定 した探索的因子分析
(最尤法
,プ
ロマ ックス回
転
)を
行い
,先
行研究 と同様の 1因 子 14項 目が抽出された。尺度全体の α係数
は α
=。91で
あつた。しか し
,先
行研究における対象者が大学生であることや ソ
ーシャル・サポー トの多様性 を考慮 し
,次
に固有値 1以 上の探索的因子分析
(最尤法
,プ
ロマ ックス回転
)を
行つた。因子負荷量が。
40に 満たない
2項
目を除外
して再度因子分析 を行つた結果
, 2因
子解が抽出された。
第 1因 子 を「あなたが ミス してもそつとカバー して くれる」な ど
,手
助けや助
言
,ア
ドバイス といった何 らかの援助が期待できるようなサポー トとして 「理
解的・協力的サポー ト」,第
2因
子を「あなたに何か うれ しいことが起きた とき
,それ をわがことのように喜んで くれ る」など
,
自分の言葉や感情な どを批判 し
た り評価 した りせず
,あ
りのままに受け入れてもらえるよ うな情緒的なサポー
トとして 「受容的・共感的サポー ト」 と命名 した。尺度の信頼性 を検討す るた
めに
,Cronbachの
α係数を算出 した。尺度全体の α係数は α
=。91,各
下位尺
度の α係数は 「理解的・協力的サポー ト」
,「受容的 0共感的サポー ト」がそれ
ぞれ α
=.86,.85の
値 を得
,内
的整合性が高い と判断 した。
1因
子解 と同等の
α係数が得 られた事 とソーシャル 0サ ポー トの多様性 を考え
,分
析には
2因
子
解を採用す ることとした。
各項 目の合計平均得点をそれぞれ 「理解的・協力的サポー ト」得点
,「受容的・
共感的サポー ト」得点 とし
,こ
れ らの下位尺度得点の合計点を 「ソーシャル・
サポー ト」得点 として分析に用いることとした
(Table 5)。 19TaЫe 5学
生用ソ
ーシャル
=サポート
尺度の因子分析
(最尤法
=プロ
マ
ッ
ク
ス回転
)と平均値
・
標準偏差
Fl F2ヵ
2〃
"
‖
1 li目く第
1因子理解的
・
協力的サポート
″〓
86〉 77あなたがミ
スを
し
ても
,そっ
と
カ
バーし
てく
れる。
74あ
なたが大切な試験で失敗し
たと
知っ
たら
:―生懸命なぐ
さ
めてく
れる
。
82あ
なたが人間関係に悩んでいると
知っ
たら
,いろ
いろ
と
解決方法を
アド
バイ
スし
てく
れる
。
75あ
なたが元気がないと
,すぐ
気づ
いて気づかっ
てく
れる
。
79 -人ではでき
そう
にない課題があつ
たと
きは
,快く
手伝つ
てく
れる。
81ふだんから
あなたの気持ち
を
よ
く
理解し
てく
れる
。
76あなたが不満を
ぶち
まけ
たいと
きに
,話を
聞いてく
れる
。
〈第
2因子受容的
=共感的サポート″
=85〉 71あなたに
何かう
れし
いこ
と
が起きたと
き
,それを
わがこ
と
のよ
う
に
喜んでく
れる。
78あなたが何かを
成し
遂げ
たと
き
:心から
おめでと
う
を
言つ
てく
れる
。
73あなたがする
話はいつも
たいてい興味を
持つ
て耳を
傾け
てく
れる
。
83良いと
こ
ろ
も
悪いと
こ
ろ
も
すべて含め
て
,あなたの存在を
認めてく
れる
。
70あなたが落ち込んでいる
と
,元気づけ
てく
れる
。
42 2.95 78 48 304 89 50 321 83 55 312 80 35 305 87 64 332 73 44 341 73 67 341 64 53 346 70 47 3.30 .66 54 358 60 57 342 70 11 39 μ=197α=91 Fl ―因子間相牒
F2 77
…
20第
2節
各 尺 度 得 点 間 の 関連 の分析
第
1項
各尺度得点の平均値と標準偏差
各尺度得点の平均値 と標準偏差を算出した
(Table 6)。 TaЫe 6各
尺度の全体口
男女別
E学年別の平均値口
標準偏差
全体
(W―-213)男
子
(W―-102)女
子
(ル111)1年
(r_-lo9) 2年(ル104)尺度
〃
,フ
〃
Sθ
〃
Sθ
〃
Sθ
〃
Sθ
レジリエンス
自律的動機づけ
自己決定感
有能感
1326 217 6,41 1,26 401 74 3,00 ,84 13.232,25 639 126311 91
412 ,76 13.282,10642 127
2.90 .75 391 721324 215
6.33 1,39 3.97 ,73 297 80 13.282.206.49112
406 .76 3,03 ,88全体
(W―-197)男
子い自
")女
子
(ル109)〃
,フ
〃
S∂
〃
Sθ
1年(r_-96)2年
いに
101)〃
Sθ
〃
S∂
尺度
ソ
ーシヤル・サポート
654 228 568 259 733 160 628 265 6.80 1.80
21第
2項
各尺度得 点 にお ける学年差 お よび性差 の検 討 のための 学 年(2)X性
別(2)の
二元配置分散分析 各 尺度得 ′点にお け る学年 差 お よび性 差 の検討 のた めに,各
尺度得 点 につ い て, 学年(2)×
性別(2)の
二元配置分散分析 を行 つた結果,全
て の尺度得 点 にお いて交互作用 は認 め られ なか った。 学年 差 につ いて は,全
て の尺度 得 点 にお い て有意差 は認 め られ なか った。性 差 につ いて は,ソー シャル・サ ポー ト(F(1,193) =25.06,′<.001))で
性別 の主効果 が認 め られ,女
子 が有意 に高 か った。また, 自己決 定感(F(1,209)=5.51,′
<.05),有
能感(F(1,209)=3.93,′
<.05)で
, 性別 の主効果 が認 め られ,男
子 が有意 に高 か った (Table 7)。 TaЫe 7各尺度得点におけ
る
学年差
=性差の検討のための二元配置分散分析の結果
1年(Ⅳ〓
109) 2年(Ⅳ〓
104)男子
(Ⅳ=64)女子
(Ⅳ=45)男子
(Ⅳ〓
38)女子
(Ⅳ=66)学年差 性差
交互作用
尺度
〃
"〃
"〃
"〃
"FllL FltL
FltLレ
ジリ
エ
ン
ス
自
律的動機づ
け
自己決定感
有能感
2.21131引 2,08 1.29 61341.54 .71 3,89 ,75 ,82 286 ,77 1342 233 6.50 123 4129 181 3,20 1106 1320 213 02 648 1,06 .75 3.93 .70 2,15 2.93 .74 .88 13.12 6,33 4,02 3,05 `01 .00 5.51* 3.98* ,70 .01 130 ,14鮨
213d卜1/209 *ρ〈
.05 1年(Ⅳ=96) 2年(Ⅳ=101)男子
(Ⅳ=53)女子
(Ⅳ=43)男子
(Ⅳ〓
35)女子
(Ⅳ〓
66)学年差
性差
交互作用
〃
"〃
"〃
"〃
"FllL FltL FllL
ソ
ー
シ
ヤ
ル
1サポ
ート
6,58 1,32 7182 106 6.58 1140 7,23 1,33 2.41 25,06*** 2,42鮨
197J=1/193 22料
*ρ〈
,0側第
3項
尺 度 間の 関連 の検 討 のた めの相 関分析 各尺度 間の関連 の検討 のた めに,各
尺度得 点 間の相 関係 数 を算 出 した結果, レジ リエ ンスは,自
己決 定感,有
能感 とそれ ぞれ有意 な 中程度 の正 の相 関 を示 し,
自律 的動機 づ け,ソ
ー シャル・ サポー トとそれ ぞれ有意 な弱い正 の相 関を 示 した。 自律 的動機 づ けは,レ
ジ リエ ンス,自
己決 定感,有
能感,ソ
ー シ ャル・ サ ポー トとそれ ぞれ有意 な弱 い正 の相 関 を示 した (Table 8)。 丁aЫe 8各
尺 度 得 点 間 の 相 関 分 析 の 結 果墜
ダ
員 熙
晶 有
憾 有葉こ♯
・
レジ リエンスー 自律 的 動 機 づけ
319***
自己決 定 感416*** 208**
有 育ヒ偏R 457*** 239*** .217**
ソーシャル ロサ ポー ト.298*** 245***
″・S 191**
胎197
***′く001,**′く01 23第
4項
ソー シ ヤル・ サ ポー ト源 別 の各尺度得 点の比較検 討のた めの 一元配 置分散分析 ソー シャル・ サ ポー トのサ ポー ト源 のそ の他 サ ポー ト群 は5名
と少 な く,サ
ンプル サイ ズ の減 少 に よる検 定力 の低 下やパ ー ソナ リテ ィな ど個人 の特性 の影 響 が大 き くな る と考 え られ るた め,サ
ポー ト源 別 の分析 に用 い る こ とは控 え る こ と とした。 ソー シャル・サ ポー ト源別 の各尺度得 点 の比較検討 のた めに,そ
の他 サ ポー ト を除 く,家
族 サ ポー ト群,友
人 サ ポー ト群,ソ
ー シ ャル・ サポー ト無 し群 の 3 群 を独 立変数 と して,ソ
ー シ ャル・ サポー ト以外 の各尺度得点 を従属変数 に, 一元配置分散分析 を行 つた結果,レ
ジ リエ ンス (F(2,205)=3.37,′<.05),有
育旨 感 (F(2,205)=5。 84,′<.01)に
お いて,サ
ポー ト源 別 の水 準 間 に有意差 が認 め られ た。Tukeyの
“ 検 定 に よる多重 比較 に よ り,レ
ジ リエ ンスの 「家族>い
ない」 と有 能感 の 「家族>友
人 」「家族>い
ない」 にお いて1%水
準 で有意 差 が み られ た (Table 9)。丁
aЫe 9
ソ
ーシヤル・サポート
源別の各尺度得点
(SS除く
)における…元配置分散分析の結果
家族
(Ⅳ=102)友
人
(Ⅳ〓
90)いない
(Al=16)尺度
〃
Sθ〃
"〃
S∂多重比較
FELレジリ
エンス
13.42自律的動機づけ 653
自己決定感
4.04
有能感
3.18
1.98 126 .72 83 1329 222 634 1.22 399 73 288 73 11,92 2,86 6.42 128 4,00 1,02 2.55 123 3.37*家族〉
いない
100 Jl 584**家族〉
友人
,家族〉いない
Ⅳ
=208作
2/205 **′〈
01,*′〈
05 24第
3節
レジ リエ ンス と自律 的動機 づ けお よび 自己決 定理 論 との関連 の 検 討の ためのパ ス解 析 自己決 定感,有
能感,ソ
ー シ ャル・ サ ポー トが 自律 的動機 づ け,
レジ リエ ン ス に及 ぼす影響 お よび 自律 的動機 づ け とレジ リエ ンスの関連 につ いて検討す る た めに,自
己決 定感,
ソー シ ャル・ サ ポー トを外 生変数 に,有
能感,
自律 的動 機づ け,レ
ジ リエ ンス を内生変数 と して作成 した因果 モデル の適合度 の結果 は,/2=。
583(渉
1,′=。445),GFI=。
999,AGFI=。
984,NFI=。
996,CFI=1.00,
RMSEA=.000,AIC=28.583で
,良好 なモデル適合度 が示 され た。(Flgure l)。 作成 モデル か らは,自
己決 定感 とソー シ ャル・サ ポー トが 自律 的動機 づ けへ影 響 を及 ぼす プ ロセ ス と して,そ
れ ぞれ 直接 的 に影 響 を与 え るプ ロセ ス と有 能感 を経 由す るプ ロセ ス の2つ
が示 され,自
己決 定感 とソー シ ャル・ サ ポー トが レ ジ リエ ンスヘ影 響 を及 ばす プ ロセ ス には,そ
れ ぞれ 直接 的 に影 響 を与 え るプ ロ セ ス と有能感 また は 自律 的動機 づ けを経 由 とす るプ ロセ ス,さ
らに有 能感 と自 律 的動機 づ けを経 由す るプ ロセ ス の4つ
が示 され た。 また,有
能感 が 自律 的動 機 づ けへ影 響 を及 ぼす プ ロセ ス に は直接 的 に影 響 を与 え るプ ロセ ス が示 され, 有能感 が レジ リエ ンスヘ影 響 を及 ぼす プ ロセ ス には,直
接 的 に影 響 を与 え るプ ロセ ス と自律 的動機 づ けを経 由す るプ ロセ スの2つ
が示 され た。 自己決 定感,有
能感,ソ
ー シャル・サポー トか ら自律 的動機 づ けへ の標 準化総 合効 果 はそれ ぞれ,。20,。18,.18で
あ り,レ
ジ リエ ンスヘ の標 準化総合効果 は, それ ぞれ 。40,。 35,。28で
あつた。 これ に よ り,
自己決 定感 は,
自律 的動機 づ け お よび レジ リエ ンス に対 して,最
も大 きな正 の影 響 を及 ば して い る こ とが示 さ れ た。 また,自
律 的動機 づ けは,レ
ジ リエ ンス に有意 な正 の影 響 を及 ばす こ とが示 さ れ た。 25N_-197
χ2=583(aF=■ , メ=.445) GFI=.999,AG日=.984 ′4_08
‐32キ料レジリエンス
自律 的 動 機 づ ffソーシャル
tサポート
*ホホ
〆■
01,爛レ
く
_01,・′
(05
RMSEA=.000,AIC=28.583 Ftture■自己決 定 感
,有
能 感 ,ソ ーシャル・サ ポー トが
自律 的 動 機 づ けおよび レジ リエンスに及 ぼす影響 と
自律 的 動 機 づ けとレジ リエンスの 関連 についての 因果モデ ル
26第
4章
考 察
第
1節
レジ リエンスと自律的動機づけおよび自己決定理論 との
関連の検討
第1項
各尺度得 点 に お ける学 年差 および性差 の検 討 本研 究 の 目的 は,生
徒 の学校 不適応や 不登校 予 防 の観 ′点か ら自律 的動機 づ け とレジ リエ ンス を取 り上 げ,高
校 生 にお け る 自律 的動機 づ け と レジ リエ ンス と の関連 を検討す る とともに,生
徒 の レジ リエ ンス を涵養 す る支援 のた めのアプ ロー チ として,
自己決 定理論 の援 用 の可能性 を検討 す るこ とで あつた。 本研 究 の結果 よ り,各
尺度得 ′点にお け る性差 につ い て は,自
己決 定感,有
能感 にお い て男子 が有 意 に高 く,ソ
ー シ ャル・ サポー トにおいて女子 が有意 に高か った。 レジ リエ ンスお よび 自律 的動機 づ けに性差 は認 め られ なか つた。 岡安・ 嶋 田・ 坂 野(1993)は
,知
覚 され たサ ポー トの期待 が学校 ス トレス に 及 ぼす影響 につ いて,中
学 1∼3年
生 1,088名 を対象 と した質 問紙調査 を行 つた 結果,女
子 に関 して は,サ ポー トヘ の期待 が高 けれ ば,大
きなス トレッサー に直 面 した時 に危機 状 態 に陥 るの を防 ぐ働 きを持つ こ とを示唆 してい る。 また,石
毛・ 無藤(2005)は
,受
験期 の 中学3年
生538名
を対象 に,学
業場 面 にお け る 精神 的健康 とレジ リエ ンスお よび ソー シ ャル・ サ ポー トの 関連 につ いて検討 し た結 果,ソ
ー シ ャル・ サポー ト得点 は男子 よ り女子 の方 が高い傾 向を示 し,レ
ジ リエ ンス得 点 につ い て は,性
差 はみ られ なか った こ とを報告 してい る。 本研 究 におい て,ソ
ー シ ャル・サ ポー トに性差 が認 め られ,男
子 よ り女子 の方 が有意 に高 く,
レジ リエ ンス に性差 が認 め られ ない点 は先行研 究 と一致 した結 果 で あ る (岡安・ 嶋 田・ 坂 野,1993,石
毛・ 無藤,2005)。 27第