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巻頭言

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Academic year: 2021

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「これからの心理科学に期待すること」

このたび、『帝塚山大学心理学部紀要』が、装いも新たに、『帝塚山大学心理科学論集』として発行されるこ とをお慶び申し上げます。 心理学部が学部創設以来16年経過し、かつ大学院心理科学研究科も前身の人文科学研究科臨床社会心 理学専攻から数えると、早いもので設立後14年になります。この間、多くの教職員の献身的な教育研究活動と、 何より学部生や大学院生の頑張りにより、心理学部も大学院心理科学研究科も発展を遂げてまいりました。 本学の心理学部及び大学院では、基礎心理と応用心理さらには臨床心理分野が相互に交流しつつ、学際 的な教育研究活動を推進しており、各分野において、理論と実践の融合を目指しています。帝塚山大学が位 置する京阪奈地域及び日本社会では、不登校、自殺、高齢化など、様々な社会問題が発生しており、その背 景には、家族や学校、職場での人間関係のもつれや仕事のストレスなどが指摘されています。こうした社会問 題を臨床心理学や応用心理学のみならず、基礎心理学や発達心理学の分野でも積極的に取り上げ、社会に 向けて、研究成果や提言を発信する場として、この『心理科学論集』を位置付けて頂きたいと思います。 私たちの心理科学では、第一に、「科学的アプローチ」、第二に、「学際的アプローチ」、第三に、「地域との 連携」を常に心にとどめて頂きたいと思います。 科学的アプローチですが、心理学のいずれの分野においても、科学的アプローチは不可欠です。科学的 知見のない提言は、単なる主義主張と受け取られることになり、持続的な発展ができません。臨床心理学での 「介入手法」の研究においても、実験計画法に基づく統制群を設定しての前後比較を行い、再現可能な手法 での評価を行うことが重要です。 第二の「学際的アプローチ」ですが、今日の社会問題を解決するためには、その背景を詳細に分析する必 要があります。たとえば、高齢者の問題を扱うには、高齢者心理学のみならず、医学や工学、社会福祉学など の分野の知識や専門家との協働は不可欠です。そのためには、心理学の専門家も他分野の基礎知識や研究 法の理解が求められます。ぜひ、若い世代には幅の広いネットワークを構築して頂きたいと思いますし、その ための手段として、本論集の業績を活用頂きたく思います。 第三の「地域との連携」ですが、帝塚山大学では、奈良県を中心として多くの市町村や団体と協定を締結 し、連携活動を進めています。学生や大学院生も地域でのプロジェクト活動に参加することで、学内の教育で は得られない社会的訓練を受けることができます。こうした活動の報告も本論集では公表して頂き、学部・大学 院の実績として長く記録頂ければ幸いです。 本論集の刊行が学部大学院のますますの発展に結びつくことを期待しています。 帝塚山大学 学長 蓮花 一己

頭 言

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