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-婦人科がんと大腸がん-

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Academic year: 2021

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『自分と家族のために知っておきたい、遺伝するがんのお話-婦人科がんと大腸がん-』 遺伝するがんについて知ることは、自らの宿命を呪うことではありません。自分、そして 大切な家族の体質を知ることにより、どうすればがんにならないようにできるか、もしくは 早期発見ができるのか、そしてがんになったとしても、効果が期待できる薬剤などの治療法 を知ることができるという点において、極めて重要な情報となりうるのです。 今回私は、皆様に遺伝子、そして遺伝するがん体質についてお話したいと思います。 遺伝子は各細胞の中にあり、生まれてから基本的に一生変化することのない、いわば自分自 身を作る設計図のようなものです。そしてその設計図は、どの人間も自分の両親から半分ず つ受け継いでいるのです。 その遺伝子の中には生命維持のために重要なものもあります。その一つが「がん抑制遺伝 子」と呼ばれる種類の遺伝子で、今までにたくさんのがん抑制遺伝子が見つかっています。 その名の通り、細胞ががん化することを未然に防ぐ役割があるがん抑制遺伝子ですが、そ の働きが生まれながらにして低下していることがあります。そして多くの場合その働きの 低下は、両親のいずれかから遺伝しているのです。 その働きの低下の原因となるのが、「遺伝子変異」です。この遺伝子における変化=変異 は、自分の体のすべての細胞内で起こっていて、それ故にそれぞれの細胞におけるがん抑制 の機能が低下するのです。 ただ、遺伝子変異があるからといってすべての臓器ががん化の危険にさらされて居るわ けではありません。その変異のある遺伝子の種類によって、どの臓器にがんができやすくな るかが変わります。 遺伝性乳癌卵巣癌症候群、リンチ症候群、カウデン症候群はそれぞれ異なるがん抑制遺伝 子の変異が原因で起こります。そして近年では、どの遺伝子に変異があるかによって、治療 薬(分子標的治療薬)の効果が予測できるようになってきました。つまり、我々は遺伝子を 知ることによって、そのがんに対する効果的な治療を選択できる様になってきているので す。 遺伝について知ることによって、がんから身を守る術を知ることが可能となる医療、それ が遺伝性腫瘍診療なのです。

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