小学部 自立活動学習指導案 1 題材名「あそびたいきもちをつたえよう」 2 指導観 ○ 実態観 対象児A(以下A児)は、肢体不自由と知的障がいを併せ有する児童である。主な実態につい て、自立活動の6つの区分に沿って以下に整理する。 健康の保持 ・疲れているときは、居眠りをするように力が抜けて、頭を下げ続けた り、目をこすったりする。 心理的な安定 ・快や不快によって、情動が変化しやすい。 ・周囲からの刺激が少ない状況や見通しをもてない状況が続くと、指を 口に入れる、自分の髪の毛を引っ張る、身体を激しく揺する、机をた たく等、自己刺激行動が増える。 人間関係の形成 ・目の前で声を掛けられると、顔を見つめたり、視線を合わせたりする ことができ、目の前に差し出された手を握ることができる。 ・スキンシップを好み、そばにいる教師に強い力で抱きつく。 ・くすぐり遊びやいないいないばあ遊びでは、声を出して笑う。 環境の把握 ・歩いたり、揺れや弾みを感じたり、力を入れて物を動かしたりするな ど前庭覚、固有覚、触覚に直接働き掛ける遊びを好む。 ・快刺激により過剰に興奮すると、自己刺激行動が増え、教師の言葉掛 けや関わりに注意が向かなくなる。 ・物をなめる、指を口に入れる等、口への触刺激に集中しやすい。 身体の動き ・あぐら座位、腹ばい移動ができる。 ・椅子座位は可能であるが、両足を床から離す、床を蹴って椅子を動か す、机に伏せる等、姿勢が不安定になりやすい。 ・物に手を伸ばして手のひら全体でつかんだり、たたいたり、引っ張っ たりすることができる。 コミュニケーション ・楽しさは笑顔や笑い声で表す。 ・不快や拒否は、低い声を出したり、手で払いのけたりして表す。 ・要求は、教師に抱きつく、物をつかむ等、直接的な行動で示す。 コミュニケーション発達については、要求対象が、生理的要求から外界への興味・関心へと広 がっていく段階である。他者との関係性を深めていく次の段階へ向けて、関心のあること、欲し いものを使ったやりとりの積み重ねが大事な時期であると考えられる。しかし、大型遊具や床に 置いてある生活道具、他児と関わっている教師等、気になる物や人があると、腹ばいで一直線に 向かい、衝動的に手でつかむ。大型遊具遊びや抱っこ、歌遊び等、教師に遊んでもらうことを好 むが、発声や身振り等で自分から遊んでくれるように働き掛けることは少ない。状況から教師が A児の意思を読み取って応じている。遊んでもらえないと、あきらめて他の刺激を求めて移動し たり、強い力で教師に抱きついてスキンシップを求めたりする。 学習場面では、身体を動かす、物をつかむ、落とす、かむ、なめる、揺れる、弾む等、好きな 感覚刺激を得られる活動を好み、弱い刺激よりも強い刺激を感受しやすい。しかし、強い刺激を 与え続けると、過剰に興奮し、自己刺激行動が激しくなり、教師の言葉掛けや関わりを受け入れ られなくなる。いろいろな遊びを体験させようと教師が働き掛けるも、物をかむ、なめるなどの 感覚遊びに集中しやすく、教師が意図するやりとりは成立しにくい。関心のない活動や、刺激が 少ない状況が続くと、覚醒が低下して指を口に入れ続けたり、自分の髪の毛を引っ張る、机をた たくなどの自己刺激行動が激しくなって興奮したりして、教師の言葉掛けや関わりに注意が向か なくなる。A児が感受しやすい感覚に働き掛ける活動を設定しつつ、興奮し過ぎないように配慮 をすることで、A児は教師の働き掛けに注意を向けることができ、学習活動に取り組むことがで きる。 ※ 本指導案は「福岡県教育センター長期派遣研修」における主題研究に基づき作成されています。 教育センターホームページの「長期研修報告書:平成 30 年度:各研修報告書」と併せて御覧ください。
○ 題材観 本題材は、一緒に遊んでいる教師に注意を向け続けること、教師が自分の要求をかなえてくれ る存在であることに気付き、自ら顔を見る、手を伸ばす、近づく等、相手に受け入れやすい方法 で働き掛け、楽しい気持ちや遊びたい気持ちを伝えることを目標としている。A児は、学校や家 庭等で、様々な立場の人と関わりながら生活をしている。A児が、自分の気持ちを人に伝えられ るようになることは、自己決定・自己選択をしていくための土台となり、生活の質を高めていく ことにつながる。そのためにも、遊びの場面で、「楽しい。」「遊びたい。」という気持ちを自 ら教師に伝える力を育む本題材は意義深いと考える。 目標を達成するために、特別支援学校学習指導要領解説自立活動編の自立活動の内容から「3 人間関係の形成」の「他者とのかかわりの基礎に関すること」及び「6コミュニケーション」の 「コミュニケーションの基礎的能力に関すること」を中心に、「2心理的な安定」の「情緒の安 定に関すること」「状況の理解と変化への対応に関すること」、「4環境の把握」の「保有する 感覚の活用に関すること」を関連させて本題材を設定している。教師に気持ちを伝えられるよう になるためには、「楽しい。」「遊びたい。」と感じること、伝える相手である教師の存在に気 付くことが必要である。「楽しい。」「遊びたい。」と感じることができるように、A児が感受 しやすい感覚に働き掛ける遊びを活動の中心とし、その中で教師とのやりとりを設定することで 教師に注意を向けられるようにする。さらに、教師が自分の要求をかなえてくれる存在であるこ とに気付き、自ら顔を見る、手を伸ばす、近づくなどの表出行動を引き出すために、要求場面を 仕組む。そのために、遊びの内容に関しては、前庭覚、固有覚、触覚などA児が感受しやすい感 覚に働き掛けることに加えて、教師が関わらないと成立しない遊びを設定する。具体的には、1 試行が短く、「楽しい。」「もっと遊びたい。」という気持ちを表出する場面をつくりやすい遊 び(身体を使った遊び)、教師と向かい合って遊ぶことができ、教師の言葉掛けや関わりに注意 を向けさせやすく、行動と結果の関係が分かりやすい遊び(かかわり遊び)、表出行動の手掛か りを視覚的に示すことができ、離れたところにいる教師への「yes」の表出行動を引き出しや すい遊び(物を用いた遊び)を目標に応じて設定する。 ○ 指導観 本題材の指導に当たっては、A児が気持ちを伝える相手である教師に注意を向け続けられるよ うに、教師がA児の情動を調整し、やりとりが成立しやすい状態をつくることを基盤とする。覚 醒が低くなり、指を口に入れる、物をなめるなどの自己刺激行動に集中しているときは、好きな 感覚刺激を与える、感覚刺激の強さを強める、遊びのテンポを速める、言葉掛けの声を大きくす るなどして、快の情動を高める。過剰に興奮し教師の言葉掛けや関わりに注意が向きにくくなっ たときは、与える感覚刺激を減らしたり、遊びを終了し場面を切り替えたりして落ち着かせる。 また、活動に集中し一緒に遊んでいる教師に注意が向きやすいように、活動に応じた安定した姿 勢づくりや整理された環境づくりを行う。 A児の興奮の状態に応じて与える感覚刺激を調整し、教師に注意を向けさせた上で、遊びたい 気持ちを伝える力を三つの段階で育む。その際、教師は、自発的な表出行動を促す働き掛けと表 出行動を定着させる働き掛けを段階に応じて行う。第1・2時では、一緒に遊んでいる教師から の言葉掛けや関わりを受け入れ、楽しいときや期待しているときに、笑顔で教師の顔を見て気持 ちを伝えることを目指す。楽しさや期待感を引き出す言葉掛けや関わりを行うとともに、主とな る感覚刺激の前後に気持ちを確認する間を確保し、自発的な表出行動を促す。表情や視線等によ る表出行動に対して「楽しいね。」等、共感的な言葉掛けを返すことで教師と楽しさを共有する 喜びを感じさせ、教師に気持ちを伝えたいという意欲を高める。第3~5時では、教師の言葉掛 けや関わりを理解し、遊びを続けてほしいときに、そばにいる教師に自ら手を伸ばして伝えるこ とを目指す。1~3試行で遊びを中断し、もっと遊びたいという気持ちを表出する状況を多く仕 組む。最初は、正面から教師が手を差し出し「もう一回しますか。」と問い掛け、応答的なタッ チを促す。次第に、いろいろな方向から問い掛けたり、手差しや問い掛けを無くしたりして、A 児が自発的に手を伸ばして伝えるように、段階的に教師の働き掛けを減らしていく。教師に手を 伸ばす表出行動に対し「もう一回するんだね。」と言葉で応答し、すぐに遊びを再開することで 教師に手を伸ばしたら遊びを開始してもらえるという行動の意味付けを行い、表出行動として定 着させていく。第6~8時では、離れている教師からの言葉掛けや関わりを理解し遊びを開始す
るかどうかの問い掛けに対して、手を伸ばしたり、近づいたりして応答し、「 y es 」 の意思を 伝えることを目指す。「〇〇で遊びますか。」「どうする。」等、言葉による問い掛けに加え、 具体物を提示することで要求表出の手掛かりを提示し、表出行動を促す。その際、教師及び具体 物とA児との距離を少しずつ広げることによって、離れている所にいる教師に気持ちを伝える表 出行動の定着を図る。 3 目標 ○ 教師が自分の要求をかなえてくれる存在であることに気付き、自ら顔を見る、手を伸ばす、近 づくなどして教師に働き掛け、楽しい気持ちや遊びたい気持ちを伝えることができる。 ○ 一緒に遊んでいる教師の言葉掛けや関わりに注意を向け続けることができる。 4 題材指導計画(総時間8時間:本時5/8) 5 本時 (1)本時の目標 ○ 遊びが中断されたときに、いろいろな方向からの「もう一回する。」という教師の問い掛け に対して、教師の顔を見ながら手を伸ばして応じることができる。 ○ 遊びの中で、教師の言葉掛けや関わりに対して、教師の動きを見たり、目を合わせたりして 応じることができる。 (2)本時指導の考え方 前時では、遊びの中断後の「もう一回する。」という教師の問い掛けに対して、教師の方を見 ながら手を伸ばして応じることができるようになることをねらった。遊びの中断後に「もう一回 する。」と教師が問い掛ける場面で、手を差し出す手掛かりを少しずつなくしていくことで、問 い掛けのみでも教師の顔を見ながら手を伸ばすことができるようになってきた。また、手が届か ない程度に教師とA児との距離をとって問い掛けたことで、教師に抱えてもらおうとして手を伸 ばす行動と区別することができた。今後も、このやりとりを繰り返し、問い掛けに対して教師の 方を見て手を伸ばす行動が「yes」を伝える手段であることの理解を定着させていくとともに より自発的な表出行動へ高めていく必要がある。一方で、果物狩りでは、エプロンの方に注意が 集中し、教師の顔を見ないで手を伸ばしたり、教師が問い掛けるも身体を揺する自己刺激行動に 集中したりする様子が見られ、教師の問い掛けに注意が向きにくかった。遊びの終了を理解でき ていないことが一つの要因と考えられた。積み木倒しでは、遊びへの期待が高まり身体の揺すり 段階 受け入れる 働き掛ける 伝える 大人の行動を予期・期待する段階 → 自分の動きの結果を予期・予測する段階 時間 第1時 第2時 第3時 第4時 第5時 第6時 第7時 第8時 目標 ・楽しいときや期待しているときに、笑顔で教師の 顔を見て、気持ちを伝えることができる。 ・一緒に遊んでいる教師からの言葉掛けや関わりを 受け入れることができる。 ・遊びが中断したときに、そばにいる教師に自ら手を伸ばし、働 き掛けることができる。 ・そばにいる教師からの言葉掛けや関わりを理解し、注意を向け 続けることができる。 ・離れている教師からの問い掛けに対し、見つめたり、手を伸ば したり、近づいたりして遊びたい気持ちを伝えることができる。 ・離れている教師からの言葉掛けや関わりを理解し、注意を向け 続けることができる。 学習内容 ・教師への注意・楽しさの共有 ・教師の行動への期待 ・自発的な教師への働き掛け・手を伸ばす-遊びの再開の関係理解 ・離れている教師への注意と働き掛け・見つめる、手を伸ばす-遊びの開始の関係理解 学習活動 文脈 ①教師と一緒に遊ぶ ②気持ちを共有する ①教師と一緒に遊ぶ ②要求する ※1~3試行で遊びを中断し、要求場面を設定する。 ①教師が遊びの提案をする ②要求する ※遊びの、要求場面を設定する。 行動 意図 笑顔で教師の顔を見る「楽しいね。」 教師に手を伸ばす 「もう一回遊びたい。」 教師を見つめる、手を伸ばす、近づく 「遊びたい(yes)。」 段階 教師の言葉掛けや関わりに笑顔で教師の顔を見る→教師の言葉掛けや関わりを期待して笑う 問い掛けに応じて教師の手にタッチする→自ら教師に手を伸ばす正面にいる教師に手を伸ばす→あらゆる方向の教師に手を伸ばす 近くからの問い掛けに応じる→遠くからの問い掛けに応じる見つめる→手を伸ばす、近づく→近づいて手を伸ばす 活動内容 体を使った遊び(「ぐるぐる回転」)物を用いた遊び(「果物狩り」、積木倒し) かかわり遊び(「いっぽんばし」、「ねえねえねえ」、「先生はどこ」) 表出行動 を促す 働き掛け の工夫 自発的 な働き 掛け ・笑顔や期待の手掛かりとなる言葉掛けや関わり ・気持ちを確認する間の確保(手掛かり刺激から快 刺激までの間、快刺激の後の間) ・要求表出の手掛かりとなる遊びの中断と声掛け (「もう一回しますか。」) ・応答的な表出から自発的な表出への段階的な手掛かり (手差し+問い掛け→問い掛けのみ) ・要求表出の手掛かりとなる問い掛けと具体物の提示 (「〇〇で遊びますか。」「どうする。」) ・応答的な表出から自発的な表出への段階的な手掛かり (手差し+問い掛け→問い掛けのみ) 表出行 動の定 着 ・表出行動に対する共感的な言葉掛け ・表出行動に対する即時的な応答と意味付け ・遊びの中断→表出行動→遊びの再開のパターンの繰り返し ・近くから遠くへと、A児と教師との段階的な距離の調整 ・表出行動に対する即時的な応答と意味付け ・遊び提案→表出行動→遊びの再開のパターンの繰り返し 情動の調整 〇情動の興奮に応じた感覚刺激の調節(遊びのテンポ、感覚刺激の強弱、言葉掛けの声の大きさなど) 〇活動に応じた安定した姿勢づくりと整理された環境づくり 〇情動の過剰な興奮を抑えるための場面の切り替えや遊びの変更 〇情動の興奮を高めるための、感受しやすい感覚に働き掛ける遊びの開始
を伴う笑顔や笑いが続くことがあったが、教師の問い掛けや言葉掛けに応じることができた。興 奮がやや高めの状態でも、教師に注意を向ける上で適度な状態であると考えられる。 そこで、本時では、より自発的な「yes」の表出を目指し、いろいろな方向からの「もう一 回する。」という教師の問い掛けに対し、教師の顔を見ながら手を伸ばして応じることできるよ うになることをねらう。最初は、遊びを中断したときに、教師が正面から「もう一回する。」と 問い掛け、正面からの問い掛けに対して教師に手を伸ばす行動が定着したところで、A児の左側 から、右側からと教師が問い掛ける位置を変えていく。問い掛けに気付かない場合や、手を伸ば す行動が出にくい場合は、肩に触れて注意を促したり、教師が少しだけ手を出したりして手掛か りを与える。果物狩りにおいては、A児が遊びの終了を視覚的に理解し、教師の問い掛けに注意 を向けるように、果物パネルを全て取り終えた後に教師がエプロンを脱いで見せる。教師と遊び を楽しみ、手を伸ばして「もっと遊びたい。」という気持ちを伝え、要求が伝わる体験を繰り返 すことで、教師に手を伸ばす行動が要求を伝える手段であることを理解するとともに、要求が伝 わる喜びを感じるよう促し、教師に対する更なる要求表出行動へとつなげていきたい。 (3)準備 ①スカーフ(大、小) ②果物パネル ③ファシリテーションボール ④積木 ⑤活動の写真 ⑥CD (4)展開 配時 学習活動・内容 指導上の留意点 教具 評価 2分 3分 5分 1 始まりの歌を歌う ・歌に合わせて差し出さ れた手を握る ・手をつないでいる教師 に注意を向ける 2 遊びに使用する道具や 活動の写真を見たり、触 れたりする ・教師が提示した遊びに 使用する道具や写真に 注意を向ける 3 「ねえねえねえ」をす る ・いろいろな方向からの 「もう一回する。」の 問い掛けに気付き、教 師の顔を見て手を伸ば して応じる ・遊びの中で、教師が歌 ○ 差し出された手にA児が注意を 向けるように、手を握るまで歌を 止めて待つ。 ○ 応答が伝わったことを分かるよ うに、A児が手を伸ばしたら手を 取り大きく振って刺激を与える。 ○ 提示した道具や写真に注意が向 くように、箱からゆっくりと取り 出したり、顔に近づけたり、動か したりする。 〇 教師の顔を見て手を伸ばすと遊 びが再開されるということを理解 できるように、教師の問い掛け、 A児の応答、遊びの再開といった やりとりを繰り返す。 〇 正面からの問い掛けに応じるこ とができるようになったら、左側 や右側から問い掛ける。問い掛け に気付かない場合は、肩に触れて 再度問い掛け、注意を促す。 〇 やりとりの内容を理解できるよ ① ② ④ ⑤ ⑥ ⑥ 1
8分 5分 や歩行を止めたときに 教師の顔を見て応じる 4 「先生はどこ」をする ・いろいろな方向からの 「もう一回する。」の 問い掛けに対し、教師 の顔を見て手を伸ばし て応じる ・遊びの中で、いろいろ な方向からの教師の関 わりに気付き、スカー フを取ったり教師の手 に触れたりして応じる 5 「ぐるぐる回転」をす る ・いろいろな方向からの 「もう一回する。」の 問い掛けに対し、教師 の顔を見て手を伸ばし て応じる うに、歌や歩行が止まったことに A児が気付き教師の顔を見たこと を確認しながら遊びを進める。 〇 遊びの終了後、遊びが終わった ことを理解できるように、道具箱 や写真を移動させる。※他の遊び の終了後も同様 ○ 教師の顔を見て手を伸ばすと遊 びが再開されるということを理解 できるように、3試行で遊びを中 断し、遊びの中断、教師の問い掛 け、A児の応答、遊びの再開とい うやりとりを繰り返す。 〇 正面からの問い掛けに応じるこ とができるようになったら、左側 や右側から問い掛ける。問い掛け に気付かない場合は、肩に触れて 再度問い掛け、注意を促す。 〇 教師に対しての表出行動である ことを意識させるために、問い掛 ける際には、スカーフを見えなく するとともに、教師の顔を見たこ とを確認してから要求に応じる。 〇 床の上で遊びを行い、正面から 左側や右側へ、近い位置から離れ た位置へと教師が声を掛ける位置 を変えていく。 ○ 教師の顔を見て手を伸ばすと遊 びが再開されるということを理解 できるように、試行後に、教師の 問い掛け、A児の応答、遊びの再 開といったやりとりを繰り返す。 〇 3試行後に遊びを中断し、車椅 子に座らせ向かい合った状態で問 い掛ける。その際、問い掛けに対 する応答と、教師に抱きつく行動 とを区別するために、手が届かな い距離をとって問い掛ける。 〇 正面からの問い掛けに応じるこ とができるようになったら、左側 や右側から問い掛ける。問い掛け に気付かない場合は、肩に触れて 再度問い掛け、注意を促す。 ① 2 3
7分 10分 6 「果物狩り」をする ・「もう一回する。」の 問い掛けに対し、教師 の顔を見て手を伸ばし て応じる 7 積木倒しをする ・いろいろな方向からの 「もう一回する。」の 問い掛けに対し、教師 の顔を見て手を伸ばし て応じる ・教師の関わりや言葉掛 けに対し、動きに注目 したり、目を合わせた りして応じる ○ 教師の顔を見て手を伸ばすと遊 びが再開されるということを理解 できるように、2~3試行で遊び を中断し、遊びの中断、教師の問 い掛け、A児の応答、遊びの再開 といったやりとりを繰り返す。 〇 遊びの終了を理解し、教師の問 い掛けに応じる場面であることが 分かるように、教師がエプロンを 脱いで見せる。 〇 台を叩く自己刺激行動により興 奮が高まり過ぎないように、教師 はA児の正面から離れないように する。 〇 果物パネルを放す行動により興 奮が高まり過ぎないように、A児 が果物パネルを取ってからすぐに 受け取るようにする。 ○ 教師の顔を見て手を伸ばすと遊 びが再開されるということを理解 できるように、遊びの中断、教師 の問い掛け、A児の応答、遊びの 再開というやりとりを繰り返す。 〇 教師の問い掛けに注意が向くよ うに、車椅子に座らせ向かい合っ た状態で問い掛ける。その際、問 い掛けに対する応答と、教師に抱 きつく行動とを区別するために、 手が届かない距離をとって問い掛 ける。 〇 正面からの問い掛けに応じるこ とができるようになったら、左側 や右側から問い掛ける。問い掛け に気付かない場合は、肩に触れて 再度問い掛け、注意を促す。 ○ A児が見ていることを確認しな がら数唱し、積木を重ねる。その 際、積み木を倒さないように手が 届かない位置で積み木を重ねる。 〇 車椅子から降りるとき、教師の 声掛けに対し、目を合わせたこと を確認してから車椅子のベルトを 外す。 〇 ボールに触れたい気持ちが高ま り興奮し過ぎないように、ボール が見えない状態で、積み木を重ね ② ③ ④ 4 5
3分 2分 8 本時で学んだことを発 表する ・教師に褒められたこと が分かる 9 終わりの挨拶をする。 ・終わりを確認する たり、問い掛けたりする。 〇 本時の遊びを想起できるように 遊びに使用する道具が入った箱や 活動の写真を見せる。 ○ 本時で最も楽しそうに遊んでい た遊びを行い、教師の顔を見て手 を伸ばし、遊びたい気持ちを伝え ることができたら称賛する。 ○ 手を握り、教師の顔を見たこと を確認してから号令を掛ける。 ① ② ④ ⑤ ⑥ (5)配置図 授業全体における配慮 〇 興奮が低く教師の関わりや言葉掛けに注意が向いてい ないときは、興奮を適度な状態まで高めるために、試行 後の笑顔や期待反応が確実に発現するまで、遊びのテン ポを速めたり、言葉掛けに抑揚をつけたりする。笑顔や 期待反応の発現後は、活動の間をとったり、声の大きさ や与える刺激を弱めたりして、適度な興奮の状態を保つ ことができるようにする。 〇 興奮が高まり過ぎて、笑いが止まらなくなり、教師に 注意が向きにくくなったときは、遊びを中断し興奮が落 ち着いてから遊びを再開したり、問い掛けたりする。 〇 教師との関わりの中での台を叩く行動に対しては、強 化しないように言葉での制止を控え、やさしく手に触れ て制止する。 黒板
長
机
教師 A児 ファシリ テーション ボール 箱 (積木)長
机
箱 (スカーフ) 箱 (果物 パネル) 箱 (CD) 机長
机
マット(6)評価 活動 目標1:遊びが中断されたときに、いろいろ な方向からの「もう一回する。」と いう教師の問い掛けに対して、教師 の顔を見ながら手を伸ばして応じる ことができる。 目標2:遊びの中で、教師の関わりや言葉 掛けに対し、教師の動きを見たり 目を合わせたりして応じることが できる。 1 ねえねえねえ ③ 遊びの試行後、いろいろな方向からの教 師の「もう一回する。」の問い掛けに対し て、教師の顔を見ながらゆっくりと手を伸 ばして応じた。 ③ 教師とのやりとりを理解し、歌や歩行 を止めると、すぐに教師の顔を見た。 ② 遊びの試行後、正面からの「もう一回す る。」の問い掛けに対して、教師の顔を見 ながらゆっくりと手を伸ばして応じた。 ② 教師が歌や歩行を止めて待つと、その ことに気付いて教師の顔を見た。 ① 遊びの試行後、教師からの「もう一回す る。」の問い掛けに対して、手を伸ばして 応じるのに、教師が手を差し出すなどの支 援を要した。 ① 遊びの間、他方を見ていたり、自己刺 激行動に集中したりすることが多く、や りとりが成立しなかった。 2 先生はどこ ③ 遊びの中断後、いろいろな方向からの教 師の「もう一回する。」の問い掛けに対し て、教師の顔を見ながらゆっくりと手を伸 ばして応じた。 ③ 床の上で遊ぶときに、腹ばいで教師に 近づき、スカーフを取ったり、顔を隠し ている教師の手に触れたりした。 ② 遊びの中断後、正面からの「もう一回す る。」の問い掛けに対して、教師の顔を見 ながらゆっくりと手を伸ばして応じた。 ② 床の上で遊ぶときに、いろいろな方向 からの教師の言葉掛けに対し、教師の方 を向いてスカーフを取ったり、顔を隠し ている教師の手に触れたりした。 ① 遊びの中断後、教師からの「もう一回す る。」の問い掛けに対して、手を伸ばして 応じるのに、教師が手を差し出すなどの支 援を要した。 ① 床の上で遊ぶときに、他方へ移動した り、自己刺激行動に集中したりすること が多く、やりとりが成立しなかった。 3 ぐるぐる回転 ③ 遊びの中断後、いろいろな方向からの教 師の「もう一回する。」の問い掛けに対し て、教師の顔を見ながらゆっくりと手を伸 ばして応じた。 ② 遊びの中断後、正面からの「もう一回す る。」の問い掛けに対して、教師の顔を見 ながらゆっくりと手を伸ばして応じた。 ① 遊びの中断後、教師からの「もう一回す る。」の問い掛けに対して、手を伸ばして 応じるのに、教師が手を差し出すなどの支 援を要した。 4 果物狩り ③ 遊びの中断後、教師からの「もう一回す る。」の問い掛けに対して、教師の顔を見 ながらゆっくりと手を伸ばして応じた。 ② 遊びの中断後、教師からの「もう一回す る。」の問い掛けと手を差し出す手掛かり に対して、教師の顔を見ながらゆっくりと 手を伸ばして応じた。 ① 遊びの中断後に、教師が、「もう一回す る。」と問い掛けるも、エプロンに注意を 向け続けたり、自己刺激行動に集中したり していた。 5 積み木倒し ③ 遊びの中断後、いろいろな方向からの教 師の「もう一回する。」の問い掛けに対し て、教師の顔を見ながらゆっくりと手を伸 ばして応じた。 ③ 言葉掛け等の教師の促しがなくても、 自ら積み木を積む様子を見続けたり、決 まった場面で目を合わせたりした。 ② 遊びの中断後、正面からの「もう一回す る。」の問い掛けに対して、教師の顔を見 ながらゆっくりと手を伸ばして応じた。 ② 教師の関わりや言葉掛けに対し、積み 木を積む様子を見たり、決まった場面で 目を合わせたりした。 ① 遊びの中断後、教師からの「もう一回す る。」の問い掛けに対して、手を伸ばして 応じるのに、教師が手を差し出すなどの支 援を要した。 ① 自己刺激行動に集中し、教師の関わり や言葉掛けに注意が向きにくかった。