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位 1/3 左脛骨遠位 1/3 左右外果 左右第二中足骨頭 左右踵骨の計 33 箇所だった. マーカー座標は,200Hz で収集した. (2) 筋電計筋活動の計測のために, 表面筋電計 ( マルチテレメータ. 日本光電社製 ) を用いた. 計測はすべて支持脚側とし, 脊柱起立筋 大殿筋 中殿筋 大腿

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Academic year: 2021

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(1)

加齢と構えが片脚立位保持に与える影響について

南部 麻里子

<要約> 片脚立位は転倒予防に有効とされているが,構えの規定はなく,高齢者において運動学的・運動力学 的変数に与える影響は明らかではない

本研究の目的は,片脚立位保持中の加齢による影響と構えの違 いについて体重心と筋活動に着目して調べることだ.対象は,健常若年者

10

名と健常高齢者

10

名だっ た.被験者は,上肢の構えが異なる

2

課題と下肢の構えが異なる

2

課題の計

4

課題を行った.高齢者は 若年者と比較して体重心速度とほとんどの下肢筋活動量が有意に増大した.一方,体重心位置およびそ の 2 乗平均平方根には有意差がみられなかった.下肢の構えにおいて,大腿水平課題は軽度屈曲課題よ りも前後方向の重心速度,骨盤の傾斜角度および下肢筋活動量の有意な増加がみられた.従って,加齢 により体重心速度が速くなり

それに伴い下肢筋活動が増大する.また,下肢の軽度屈曲よりも大腿水 平位の方が前後方向の制御がより困難となることが示唆される.本研究結果は高齢者を対象とした片脚 立位指導において有用であり,姿勢制御のメカニズム解明の一助となる.

Ⅰ.目的

高齢者における転倒は,国際的な社会問題であ り,実に

65

歳以上の高齢者の

3,4

人に

1

人は,

1

年間に

1

回以上の転倒を経験している1).さら に,転倒によって骨折などの外傷,活動量の低下 および転倒恐怖感が生じ,それらが

ADL

QOL

の低下を招くことが報告されている2) 高齢者の転倒予防において,バランストレーニ ングが有効であると報告されており

トレーニン グ内に片脚立位を用いている3, 4).しかしながら, 片脚立位時の四肢の構えについては指定がない. 従って,昨年の卒業研究5)では,若年者を対象に 四肢の構えの違いが片脚立位に与える影響につ いて,特に体重心速度および下肢筋活動に着目し て調べた.加齢による影響としては,片脚立位保 持時間の減少6)や高齢者の片脚立位時の骨盤挙 上角度は,片脚立位保持時間に影響を与えること 7)が示されている.しかし,体重心や筋活動に着 目したものは私が知る限りみあたらない. 従って,本研究の目的は(

1

)加齢が片脚立位 保持中に与える影響,(

2

)四肢の構えの違いが高 齢者の片脚立位保持に与える影響について,体重 心および下肢筋活動に着目して明らかにするこ とだった.

Ⅱ.方法

1.

対象 対象は,健常若年男性

10

名(年齢

22

.

6

±

1

.

2

身長

169.3

±

4.95cm,

体重

63.8

±

9.8kg

)と 健常高齢男性

10

名(年齢

68.1

±

2.2

身長

163.2

±

4.2cm,

体重

62.3

±

5.5kg,

MMSE

27.6

±

1.9

) だった.全被験者は,神経学的・整形外科的疾患 の既往歴がない者とし,さらに,高齢者は認知機 能に障害がない者とした.全被験者に対して書面 および口頭での説明を行い,自筆による署名にて 同意を得たうえで実施した.

2

.使用機器 (1)

3

次元動作解析システム 体重心,関節角度算出のために

3

次元動作解析 システム(

EvaRT4.4,Motion

Analysis

社製) を使用した.赤外線カメラ

6

台(

Hawk-200RT,

Motion

Analysis

社製)を用いて,反射マーカー 位置は,

Plug

in

gait

model

に準じて,左右耳孔・

胸骨柄・

C7

・右肩甲骨・剣状突起・左右肩峰・右

上腕近位

1/3

・左上腕遠位

1/3

・左右肘関節軸・左 右手関節・左右第二中手骨骨頭・

Th10

・左右上前

腸骨棘・左右上後腸骨棘・右大腿骨近位

1/3

・左

(2)

1/3

・左脛骨遠位

1/3

・左右外果・左右第二中足 骨頭・左右踵骨の計

33

箇所だった.マーカー座 標は,

200Hz

で収集した. (

2

)筋電計 筋活動の計測のために,表面筋電計(マルチテ レメータ

日本光電社製)を用いた.計測はすべ て支持脚側とし,脊柱起立筋・大殿筋・中殿筋・ 大腿筋膜張筋・長内転筋・大腿直筋・大腿二頭筋・ 前脛骨筋・下腿三頭筋内側頭・長腓骨筋の計

10

筋を用いた.

3.

実験内容 下肢挙上方法が異なる

2

種の構え(下肢が地面 につかない程度に軽く挙上する:軽度屈曲,股関 節を

90

°屈曲位に保つ:大腿水平)と上肢位置が 異なる

2

種の構え(上肢を体側に下垂する:上肢 下垂,上肢を骨盤で支持する:上肢骨盤支持)と の組み合わせた全

6

課題において,各課題

30

秒 間の片脚立位を行った(図

1

). 支持脚は非利き足とし,各課題につき

5

回計測 した.各課題の順番は被験者ごとにランダムとし, 課題間で休憩を取った.床反力計の前後方向の中 心を踵から足長の

40

%の位置に設定した8).片脚 立位開始前の安静立位時の左右の足部の位置は, 平行で腰幅とした.また,目線の高さに設置され た黒点を注視し,頭部の位置が一定になるよう指 示した.

4

.データ処理 (

1

)体重心 姿勢動揺の指標として,

3

次元動作解析システ ムで計測したマーカー位置から体重心を算出し, 前後および側方方向における体重心速度,体重心 位置,体重心位置の二乗平均平方根 (RMS) を算 出した. (

2

)骨盤挙上角度 マーカー位置から骨盤挙上角度を算出した.基 本軸を前額水平軸

移動軸は両上前腸骨棘を結ん だ線とした. (

3

)筋活動 積分筋電値は,片脚立位時の筋活動より安静立 位時の筋活動で除し,最大等尺性収縮時の筋活動 量で正規化した.解析範囲は,片脚立位開始

3

秒 後から

8

秒後までの

5

秒間とした. (

4

)統計解析 加齢による影響をみるために,二元配置分散分 析(

2

群×

4

課題)を行った.高齢者の構えの違 いによる影響をみるために,反復測定二元配置分 散分析(

2

下肢の構え×

2

上肢の構え)を行った. 多重比較には

Bonfferoni

test

を用い,有意水準は

5

%とした. 図

1.

実験課題の構え 上肢の構え 2 種類(上肢下垂;上段・上肢骨盤支持;下段)と 下肢の構え 2 種類(軽度屈曲;左・大腿水平;右)とした.

(3)

Ⅲ.結果

1. 群間比較 体重心速度は,前後方向および側方方向ともに 主効果が認められ (p < 0.05),高齢者の方が若年 者よりも有意に速かった(図

2)

.体重心位置およ び RMS は,前後方向および側方方向ともに主効 果が認められなかった

前脛骨筋・大腿直筋・大腿二頭筋・中殿筋・大 腿筋膜張筋・内転筋・長腓骨筋の筋活動量に主効 果が認められた (p < 0.05).いずれの筋において も高齢者の方が若年者よりも有意に大きかった. 脊柱起立筋・大殿筋・下腿三頭筋においては主効 果が認められなかった. 2. 高齢者の課題間比較 体重心速度は,下肢の構えにおいて,前後方向 で主効果が認められ (p < 0.05),側方方向では認 められなかった.前後方向において大腿水平課題 で軽度屈曲課題よりも有意に速かった(図

3)

.骨 盤挙上角度は主効果が認められ (p < 0.05),大腿 水平課題の方が有意に大きかった(図 4

.上肢の 構えにおいては主効果が認められなかった. 筋活動量は,下肢の構えにおいて,前脛骨筋・ 中殿筋・大殿筋で主効果が認められ (p < 0.05)

いずれの筋においても大腿水平課題の方が軽度 屈曲課題よりも有意に大きかった(図 5

.また, 上肢の構えにおいては大腿二頭筋で主効果が認 められ (p < 0.05),上肢下垂課題は上肢骨盤支持 課題より有意に大きかった. 図4. 骨盤挙上角度 大腿水平課題で遊脚側骨盤挙上が大きくなった 図3.前後方向の体重心速度 大腿水平課題で体重心速度が速くなった 図

2.

前後・側方方向の体重心速度 高齢者の方が若年者よりも前後・側方方向で速度が速い (* P < 0.05).

(4)

5.

構えの違いにおける筋活動量 大腿水平課題の方が前脛骨筋,中殿筋,大殿筋の活動が 大きく,上肢下垂課題の方が大腿二頭筋の活動が大きい.

Ⅳ.考察

1. 加齢による影響 高齢者は若年者と比較して,前後方向・側方方 向の体重心速度が速く,一方,体重心位置や RMS には差がみられなかった.つまり,高齢者は重心 位置を若年者と同様の範囲内で,より速く制御す ることによって姿勢バランスを保持していると 考えられる.

Zatsiorsky

ら 11)は,足圧中心変位 の高周波成分はフィードバック制御を反映して いると示唆している.また,片脚立位において足 底感覚は重要であり9),とくに,高齢者は感覚が 低下している10).よって,より多くの感覚情報を 入力するために足圧中心変位の速度を増加させ, その結果,体重心速度も速くなったのではないか と考えられる.よって,足圧中心に関する分析も 必要となるであろう.また,高齢者およびパーキ ンソン病患者では予測的姿勢制御の減衰が報告 されている20).従って,フィードフォーワード制 御を代償するために感覚情報によるフィードバ ック制御の貢献度が増大した結果であると考え られる. また

ほとんどの下肢筋群の筋活動量が大きく なったのは体重心を速く制御するためであった と考えられる12).しかしながら,脊柱起立筋,腓 腹筋および大殿筋の活動量には両群で差がみら れなかった.その理由として,両群ともに体重心 位置が踵から

70

%程度の点で保持していたこと が考えられる.安静立位では

40

%に位置8)して いるため,それよりも前方で保持するために背側 の筋群の過剰な活動が要求されたために差が生 じなかったのではないかと考えられる 13) 2. 高齢者の構えの違いによる影響 大腿水平課題が軽度屈曲課題よりも前後方向 の体重心速度が大きくなった.これは

昨年の若 年者を対象とした卒業研究5)と同様だった.大腿 水平課題は遊脚肢が軽度屈曲課題より前方に位 置するため

前後方向の不安定性が増し体重心速 度が速くなったと考えられる.また

前後方向制 御のために前脛骨筋

大殿筋の筋活動が大きくな

(5)

ったことが考えられる16, 17).また,中臀筋の活動 量が増加したのは,骨盤挙上角度を増加させたた めであると考えられる18).若年者の結果との相違 点として,今回の結果は大腿筋膜張筋で構えの違 いによる影響がみられなかったことが挙げられ る.これは,股関節・膝関節の屈曲位 15)や円背 14)といったアライメントの変化が影響している かもしれない.よって,矢状面における骨盤傾斜 角度などの他の関節角度についても分析する必 要があると考えられる. 3. 本研究の意義 片脚立位は,転倒予防教室等で全国的に広く行 われている.本研究結果によって明らかとなった 構えの違いによる影響は,高齢者を対象にこの動 作を指導する上で有効な情報となるであろう.例 えば,保持時間の短い対象者であれば非支持脚の 挙げ方を小さくする(軽度屈曲),またバランス 能力が高ければ逆の指導などが挙げられる.一方, 片脚立位動作のバイオメカニクスについては意 外にも報告が極めて少ない21).本研究結果によっ て明らかとなった狭い支持基底面内における静 的バランス制御の加齢の影響については,そのメ カニズム解明の一助となるであろう.

Ⅳ.結語

加齢により片脚立位時の体重心位置は変わら ないが体重心速度が速くなり

下肢筋活動が増大 する.構えによる影響に関しては

高齢者におい て下肢の軽度屈曲よりも大腿水平位の方が前後 方向の制御がより困難となり

それに伴い下肢筋 活動も増大する. 謝辞 本研究を終えるにあたり

ご指導賜りました本 学諸先生方

本学保健科学院大学院生

ならびに 被験者を快く引き受けてくださった被験者の皆 様に心より感謝いたします. 引用文献 1) 市橋則明:運動療法学各論 高齢者の機能 障害に対する運動療法,文光堂,東京,

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2) 黒川幸雄・他:理学療法

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2009

3)

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Effects

of

unipedal

standing

balance

exercise

on

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of

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and

hip

fracture

among

clinically

de

ned

high-risk

elderly

individuals:a

randomized

controlled

trial

J.Orthopaedic

Science,

11

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et

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training program is highly effective in

improving functional status and reducing

the risk of falls in elderly women with

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東京

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参照

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