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個人消費活性化に対する長野県内企業の意識調査

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Academic year: 2021

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はじめに

先月リリースした「2017 年の景気見通しに対する長野県内企業の意識調査」では、今年の景気 見通しについて「踊り場局面」とする企業が 40.6%で最も多く、「悪化局面」は 19.6%、「回復局 面」は 11.6%などとなった。また、今後景気が回復するために必要な政策として最も多かったの は「個人消費拡大策」。国内総生産(GDP)の約6割を占める個人消費の拡大が、本格的な景気 回復に欠かせない要素だと考える企業が少なくないことを改めて浮き彫りにしている。 一方、昨年 10 月には最低賃金が改定された(長野県も 10 月1日に改定され、最低賃金〈時間 額〉は 746 円から 770 円へと 24 円引き上げられている)。全国・長野県ともに、引き上げ額は比 較可能な 2002 年度以降で最も大きなものとなったが、そこには弱含みが続く消費の活性化に向け た期待も込められている。 帝国データバンクでは今回、個人消費活性化に対する企業の見解について調査を実施した。本 調査はTDB景気動向調査 2016 年 12 月調査とともに行っている。調査期間は 2016 年 12 月 15 日 ~2017 年1月5日。調査対象は全国2万 3804 社、長野県 505 社で、有効回答企業数は全国1万 33 社(回答率 42.1%)、長野県 217 社(同 43.0%)。

特別企画:個人消費活性化に対する長野県内企業の意識調査

現在の個人消費、企業の 55%が「悪い」と認識

個人消費活性化に必要な条件のトップは「賃金の増加」

調査結果(要旨)

■現在の個人消費、「悪い」が 55.3%、「どちらともいえない」は 36.9%

現在の個人消費の動向について、「悪い」と回答した企業が 55.3%に達した。また、「ど ちらともいえない」は 36.9%と3分の1を超え、「良い」は 6.5%にとどまった。

■効果のあった政策、「エコカー減税・補助金」が 44.7%でトップ

これまでに実施された消費活性化策のうち効果のあったものとしては、「エコカー減 税・補助金」と回答した企業が 44.7%で最も多く、「所得税減税」が 41.5%で続いた。

■個人消費活性化のために必要な条件としては「賃金の増加」が突出

個人消費が活性化するために必要な条件を尋ねたところ、最も多かったのは「賃金の増 加」。76.5%の企業が選択しており、他を大きく引き離している。

■消費の回復時期、「分からない」「長期的に回復する見込みはない」が上位に

個人消費が本格的に回復する時期については、「分からない」が 41.9%で最多、「長期的 に回復する見込みはない」が 27.2%で続いた。先行きを見通すことが難しいとする企業、 あるいは悲観的な見方をする企業が少なくない。

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©TEIKOKU DATABANK,LTD

1.現在の消費動向を「悪い」とする「中小企業」は 59.1%、「大企業」は 36.1%

現在の消費動向について、県内企業はどのように感じて いるのだろうか。最も多かったのは「悪い」で 55.3%(120 社)、「どちらともいえない」が 36.9%(80 社)で続き、「良 い」は 6.5%(14 社)にとどまった。「分からない」は 1.4% (3社)。「悪い」が「良い」の 8.5 倍を超えている。なお、 「悪い」は『非常に悪い』『悪い』『やや悪い』の合計、「良 い」は『非常に良い』『良い』『やや良い』の合計。 規模別に「悪い」と回答した企業の構成比をみると、「大 企業」が 36.1%、「中小企業」が 59.1%、「(中小企業のう ち)小規模企業」が 55.4%。「中小企業」が「大企業」を 23.0 ポイント上回っている。両者の間には大きな開きがあ り、「中小企業」の厳しい見方が浮かび上がる。主要業界別 では、「建設」の 53.6%、「製造」の 54.6%、「卸売」の 53.7%、「サービス」の 61.1%が「悪い」と回答。エンドユ ーザーと直接取引するケースも多い「サ ービス」が最も高い。企業数は多くない ものの「小売」も 66.7%と高く、消費者 と近いところで事業を行っている業界ほ ど「悪い」と判断する傾向が窺える。 なお、全国の調査結果は「悪い」51.9%、 「どちらともいえない」35.9%、「良い」 8.7%、「分からない」3.4%。「悪い」は 長野県の方が 3.4 ポイント高く、「良い」 は 2.2 ポイント低かった。

2.「大企業」は「エコカー減税・補助金」を、

「中小企業」は「所得税減税」を最も評価

これまでに実施された消費活性化策のうち、どのよ うな政策で効果があったと思うかを尋ねたところ(複 数回答)、「エコカー減税・補助金」が 44.7%(97 社) で最も多かった。以下、「所得税減税」(41.5%、90 社)、 「住宅ローン減税」(35.9%、78 社)、「プレミアム付 商品券」(30.4%、66 社)、「エコポイント制度(住宅 エコポイントや家電エコポイント)」(25.8%、56 社) などと続いている。減税に伴う消費者の負担軽減策、 消費を行うことで付加サービスが得られる政策が上位 に並ぶ一方、50%を超える項目がないなど、特定の政

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策で消費の活性化を幅広く支援する難しさも見え隠れしている。 規模別では、「大企業」が「エコカー減税・補助金」(52.8%)を選択した企業が最も多かった のに対し、「中小企業」は「所得税減税」(44.2%)がトップ。また、主要業界別で最多となった のは、「建設」が「住宅ローン減税」(46.4%)、「製造」が「所得税減税」(51.5%)、「卸売」が「所 得税減税」と「エコカー減税・補助金」(各 42.6%)、「サービス」が「エコカー減税・補助金」と 「住宅ローン減税」(各 44.4%)だった。

3.個人消費活性化のための条件、4社に3社が「賃金の増加」を選択

個人消費を活性化するために必要な条件を5つまでの複 数回答であげてもらった。最も多かったのは「賃金の増加」 で 76.5%(166 社)。4社に3社が選択しており、2位以下 を大きく引き離している。先般、長野県が公表した賃金実 態調査によると、2016 年における一般労働者の所定内賃金 は前年を 0.6%下回る 27 万 667 円。賃上げがなかなか浸透 しない現実が明らかとなったが、企業の多くは「賃金の増 加」を重視している。また、2位の「企業業績の改善」 (45.2%、98 社)は、賃上げを実行するにあたっての必要 条件でもある。 同じく2位には「将来不安の払拭(年金など)」(45.2%、

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©TEIKOKU DATABANK,LTD 98 社)が入ったが、多くの国民が抱く将来不安が消費活性化の阻害要因となっているとの見方は 根強い。なお、各企業からは「収入が安定的に増加しなければ、消費が活性化するわけがない」「今 後人口減少が続くことになり、全体的な消費回復は困難」「高所得者層の消費を拡大する政策が必 要」「将来不安が強く、消費より貯蓄優先とならざるを得ない」「財政上の制約もあり、効果的な 政策は難しいのでは」といった声が寄せられている。 個人消費活性化に必要な条件について因子分析を行ったところ(前頁参照)、8つのポイントが 浮かび上がってきた。それは「消費機会の創出」「自由な時間の増加」「若者支援」「高齢者支援」 「マクロ環境の改善」「将来不安の払拭」「家計負担の軽減」「企業活動の伸長」。日本社会は、こ れらの条件をひとつひとつクリアしていくことが重要となる。

4.消費回復の時期、慎重な見方、悲観的な見方をする企業が多数

企業は今後、個人消費が本格的に回復する時期をどのようにみているのだろうか。最も多かっ たのは「分からない」で 41.9%(91 社)にのぼったが、「長期的に回復する見込みはない」とす る企業も 27.2%(59 社)と3割近くにのぼっている。この両者で全体の約7割を占めており、消 費の先行きに対する見解は極めて慎重かつ悲観的だと言ってよい。一方、「3年後以降」(13.4%、 29 社)、「2年後」(10.6%、23 社)、「1年後」(6.0%、13 社)と先へ行くほど構成比が高まる傾向もみてとれる。 「長期的に回復する見込みはない」と回答した企業の構 成比をみると、「大企業」が 30.6%、「中小企業」が 26.5% と、「大企業」の方が高くなっている。また、「建設」の 28.6%、「製造」の 21.6%、「卸売」の 38.9%、「サービス」 の 16.7%が「長期的に回復する見込みはない」と回答した。 全国の調査結果は、「分からない」35.4%、「長期的に回 復する見込みはない」28.8%、「2年後」13.3%、「3年後 以降」12.8%、「1年後」7.6%、「すでに回復している」 2.0%。「長期的に回復する見込みはない」は、長野県の方 が 1.6 ポイント低い。

まとめ

今後の国内景気は個人消費の動向がカギを握る。家計は先行き不安により支出を抑えようとす る誘因が働く一方、消費が弱いままとなれば、年金や保険制度など他の政策にも影響を及ぼす可 能性が高い。 今回の調査では、現在の個人消費について県内企業の 55.3%が「悪い」ととらえるなど、厳し い見方をしていることが浮き彫りとなった。他方、過去の消費活性化策では、「エコカー減税・補 助金」「所得税減税」「住宅ローン減税」などの効果が高かったとしている。直接的に消費を刺激 する政策に対し一定の評価をしながらも、寄せられたコメントなどからは中長期的に生活が豊か になることを重視している様子も窺えた。

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個人消費が活性化するために必要な条件では、「賃金の増加」が突出している。今年も春闘の時 期が到来。現実問題として消費者の所得増加が最大の活性化策となるが、若年層を中心に財布の ヒモが緩くなるためには、年金など将来不安が払拭されなければならない。個人消費が活性化す るためには、「消費機会の創出」や「自由な時間の増加」といった8つの条件をひとつひとつクリ アしていく必要があるが、個々の企業や消費者だけでなく、政府による役割も大きく、消費活性 化に向けた取り組みは日本社会全体で進めることが肝要であろう。 当レポートの著作権は株式会社帝国データバンクに帰属します。 当レポートはプレスリリース用資料として作成しております。報道目的以外の利用につきましては、著作権法 の範囲内でご利用いただき、私的利用を超えた複製および転載を固く禁じます。 【内容に関する問い合わせ先】 株式会社帝国データバンク 松本支店 担当:奥原 TEL 0263-33-2180 FAX 0263-35-7763

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