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2.1 TransUI ウェブクライアント ウェブクライアントはネットワークカメラの 映 像 を 表 示 し, 映 像 内 のオブジェクトの 上 に, 映 像 に 重 ねるかたちでアイコンを 表 示 する.ユーザはアイコンをクリックすることで 動 作 対 象 (オブジェクト)を 選 択 し,プルダウ

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Academic year: 2021

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ユビキタス環境技術を用いた超越体験メディアの開発

1.背景及び目的 近年,ネットワークカメラが普及し,防犯,監視に加えて,幼稚園に設置して保護者が子 供を見守るなど,様々な用途で用いられている.ネットワークカメラを用いると,ユーザは現 地の情報を取得することができるが,現地の人に対して働きかけることはできなかった.そ こで本プロジェクトではネットワークカメラ映像を用いて,ユビキタス環境技術,すなわちス マート環境を構成するセンサやカメラ,ロボットなどのデバイスを操作することのできるよう なインタフェース「TransUI」を開発した.TransUI を用いることで,ユーザは環境内の様子 をカメラで確認しながら,多様な方法で環境内の人とのインタラクションを起こすことができ るという超越的な体験をすることができる.本プロジェクトではこのようなインタフェースによ ってインターネットユーザと実世界,すなわちネットワークカメラの設置されたスマート環境と をインタラクティブに接続することを目的としている. 2.開発の内容 本システムはネットワークカメラ,サーバ,ウェブクライアント及び本システムに接続したセ ンサや出力デバイスから構成される.ネットワークカメラは天井に取り付け,部屋全体を見 渡すことができるようにする.ネットワークカメラはウェブブラウザを用いて映像を見たり,パ ン,チルトの操作を行ってカメラの向きを変更したり,要求に応じて現在のパン,チルトの値 を出力したりすることができるものを用いる.図 1 にシステム全体の構成を示し,以下それ ぞれについて説明する. カメラ映像情報 TransUIウェブクライアント サーバ 表示位置座標 カメラ 映像 カメラの姿勢 (PTZ) アイコンの表示 ユーザの操作の受け付け 個別オブジェクト情報 オブジェクト種別情報 座標変換モジュール メソッドの内容等 TransUIライブラリ 出力デバイス TransUIライブラリ センサ 動作命令 TransUIスクリプト 位置座標 カメラ映像情報 TransUIウェブクライアント サーバ 表示位置座標 カメラ 映像 カメラの姿勢 (PTZ) アイコンの表示 ユーザの操作の受け付け 個別オブジェクト情報 オブジェクト種別情報 座標変換モジュール メソッドの内容等 TransUIライブラリ 出力デバイス TransUIライブラリ センサ 動作命令 TransUIスクリプト 位置座標 図1.システム構成図

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2.1 TransUI ウェブクライアント ウェブクライアントはネットワークカメラの映像を表示し,映像内のオブジェクトの上に,映 像に重ねるかたちでアイコンを表示する.ユーザはアイコンをクリックすることで動作対象 (オブジェクト)を選択し,プルダウンメニューからそのオブジェクトに対する動作(メソッド)を 選択することができる.ウェブクライアントのデザインは,現在パーソナルコンピュータのイ ンタフェースとして主流となっている GUI を模したインタフェースデザインにし,ユーザに受 け入れられやすくしている(図 2).ウェブクライアントは具体的には以下のように動作する. ウェブクライアントは起動されるとまず,オブジェクトごとのプルダウンメニューの内容などが 記述されたTransUI スクリプトを読み込む(TransUI スクリプトに関しては後述する).そし て,ネットワークカメラの映像を表示すると共に,カメラ映像上のどこにアイコンを表示すべ きかを定期的にサーバに問い合わせる.サーバはカメラの位置と姿勢から,アイコンを表 示すべき位置をウェブクライアントに返し,ウェブクライアントはそれにしたがってカメラ映像 の 上 に ア イ コ ン を 描 画 す る . 以 上 の ア イ コ ン 描 画 の 機 能 は Ajax(Asynchronous JavaScript + XML)の技術を用いて実装した.ユーザがアイコンをクリックするとプルダウ ンメニューを表示し,ユーザが選択したメソッドに応じて,Http Request を用いてサーバや 各デバイスに動作命令を送る. 図2.TransUI ウェブクライアント画面

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2.2 TransUI スクリプト サーバには各オブジェクトの名前,位置,メソッド名とメソッドの内容,すなわちそのメソッ ドが選択されたときにどのような動作をするかを保持しておく.保持する情報の内容及びフ ォーマットを決め,TransUI スクリプトとしてまとめた.TransUI スクリプトに保持する内容 は大きく分けて「個別オブジェクト情報」,「オブジェクト種別情報」,「カメラ映像情報」の三種 類である.各オブジェクトの名前や位置は「個別オブジェクト情報」としてJava servlet を用 いて書かれたサーバプログラム内のオブジェクトとして保持する.位置座標はセンサから送 られた値を「位置座標更新モジュール」で受信し,随時更新する.さらに各オブジェクトを 「human」,「robot」,「PC」などタイプごとに分け,タイプごとにメソッド名やメソッドの内容を 「オブジェクト種別情報」として保持しておく.オブジェクト種別情報は JavaScript の外部オ ブジェクトとして記述する.カメラ映像上のアイコンの無いところを右クリックしてメニューを 出したり,アイコンの無いところへドロップしたりしたときの動作は「カメラ映像情報」に記述 する. 2.3 座標変換モジュール サーバはウェブクライアントからの要求に対してカメラ映像上でのオブジェクトの位置座 標を返す機能を持つ.クライアントからの要求を受け取ると,オブジェクト情報ファイルから 位置座標を読み出す.さらに,ネットワークカメラからパン,チルトの値を取得したうえで,各 オブジェクトの実空間上での位置座標をカメラ映像内での座標,すなわちカメラ映像の左上 の点からのピクセル数へと変換し,ウェブクライアントへ送信する. 2.4 TransUI ライブラリ 本システムは様々なセンサや出力デバイスを接続することで,それらを用いた機能を実 装することが可能となっている.たとえば,床センサをシステムに接続した場合,床センサ から得られた人の位置情報をネットワークカメラの映像上に表示することができる.また,ロ ボットをシステムに接続した場合,カメラの映像上で指定した位置にロボットを動かしたりす ることが可能となる.本システムと各デバイスとのやりとりは,Http Request を用いている. Http Request を用いて値を送信したり,動作命令を受け付けたりするラッパー関数を各デ バイスに実装することで,様々なデバイスを本システムに接続することが可能となる.その ようなラッパー関数群のうち,様々なデバイスで共通して使えるものをまとめ,TransUI ライ ブラリとした. 2.5 TransUI フレームワーク

TransUI ウェブクライアント,TransUI スクリプト,座標変換モジュール,TransUI ライブ ラリを TransUI フレームワークとしてパッケージ化した.TransUI フレームワークに様々な デバイスを接続することで超越体験メディアを構築することができる.手順としては,まずネ ットワークカメラを設置し,座標変換モジュールにカメラの位置などを設定する.そして,各 デバイスに TransUI ライブラリの関数を実装することで各デバイスとサーバを Http Request を用いてやりとりできるようにする.最後に,TransUI スクリプトに各オブジェクト の情報やメソッドごとの動作を記述することで,超越体験メディアを構築できる.

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2.6 テストルーム 本システムは様々なデバイスを接続し,動作させることができると述べた.今回はテストケ ースとして移動可能なロボット,人のID を検出できる RFID 床センサ,音声通話ソフトがイ ンストールされたパーソナルコンピュータ,携帯電話を用いた環境において本システムを実 装した.オブジェクトとしてカメラ映像上にアイコンを表示したのは,パーソナルコンピュータ, 床センサ上にいる人物,ロボット,壁に貼ったポスターである.以下に実装したオブジェクト とメソッドの一覧を示す. 表1.実装オブジェクト,メソッド一覧 オブジェクト メソッド パーソナルコンピュータ テキストチャット 音声通話 ポスター ロボットをポスター前に移動させる ロボットの合成音声でポスターを解説する pdf ファイルでポスターの内容を表示する ロボット ロボットに搭載したマイクとスピーカを通して会話を行う 床センサ上の人物 人物の携帯電話に通話する 各オブジェクトに対するメソッド以外に,以下のような機能も実装した. ・カメラをロボットの方に向ける ・カメラ映像上でダブルクリックした位置にロボットを移動させる 3.従来の技術(または機能)との相違 従来のスマート環境は,環境内の人物に対して生活支援を行うことを目的としていたが, 本システムでは,カメラやセンサから環境内の人や物の情報を取得してユーザに提供した り,ユーザが指定したメソッドをロボットなどの実世界へ干渉できるデバイスを用いて実行し たりするためにスマート環境を利用している.また,本システムはカメラの実映像の上にア イコンを重ねて表示するという点で,拡張現実感の発想を用いていると言える.従来の拡張 現実感のシステムは,実映像の上に文字や画像などを重ねて表示することでコンピュータ 内の情報を付加することを主な目的としていたが,本システムは拡張現実感を実世界の操 作に利用している.映像上に付加されたアイコンを操作することで実世界に対する動作を 指定できるようにすることで,コンピュータ内のデータを扱う場合と同じような操作で実世界 にアクセスすることを可能としている. 4.期待される効果 ユーザは遠隔地の様子をカメラ映像で確認しながら,多様な方法で映像内の人や物との インタラクションを起こせるという,超越的な体験をすることができる.すなわち,インターネ ットユーザと,カメラに写っている実世界上の人や物などとを,ロボットやセンサを介してイ ンタラクティブに接続することができるようになる.

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5.普及(または活用)の見通し TransUI フレームワークを下記の URL にて公開,配布している. http://smg.ams.eng.osaka-u.ac.jp/trans_ui/ フレームワークを公開,配布することで多くの人に様々なデバイスを接続して超越体験メデ ィアを構築してもらい,そうすることで本システムを用いたより実用的なアプリケーションの 実現を図る.そして,インターネットユーザと実世界とをインタラクティブに繋ぐような,超越 体験の発想を用いた多種多様なシステムの実現を促す.また,テストルームにも様々なデ バイスを追加し,システムを拡張していく予定である. 6.開発者名(所属) 村上友樹(大阪大学) 井村誠孝(奈良先端科学技術大学院大学) 黒川高弘(大阪大学) 植原祥之((株)NTT データセキスイシステムズ) 上平崇仁(専修大学)

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