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5. 既存の研究成果等の収集 分析 検討委員会での助言をもとに 既存の研究成果等を収集し 活用可能性について分析等を実施した 既存の研究成果は 広葉樹林化ハンドブック 2010,2012( 独立行政法人森林総合研究所 ) をはじめ 学会誌等により公開されている文献などから本事業に関係すると考えられる

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5. 既存の研究成果等の収集・分析

検討委員会での助言をもとに、既存の研究成果等を収集し、活用可能性について分析等を

実施した。既存の研究成果は「広葉樹林化ハンドブック

2010,2012(独立行政法人森林総

合研究所)」をはじめ、学会誌等により公開されている文献などから本事業に関係すると考

えられる資料を収集した。収集した文献は、広葉樹の植生帯、植栽木の樹種の違いにより更

新状況が異なると予測されるため、

判明できた範囲で文献の研究対象地を都道府県別に区分

し、森林の状態を把握した。また、これらの知見は、現地調査結果の検証及び技術マニュア

ル作成のための検討に用いることから、適用分野を整理して取りまとめた。なお、文献から

の知見の抽出及び分類は、独自に判断したものである。

各分野における知見数は以下のとおりであり、収集した研究成果等の知見及び出典は巻末

の資料編に示すとおりである。

表 5.1 既存の知見等研究成果集計表

区 分

既存の知見数

更新判断

7

影響要因

10

更新特性

(種子、種子散布、前生稚樹、後生稚樹、収量比数、立地等)

32

阻害要因

10

伐採による変化

32

補助作業の効果等

11

維持管理

1

103

(2)

6. 天然力を活用した森林施業を推進する上で留意すべき課題の検討

事例調査、契約地調査結果から評価分析を行い、留意すべき課題の検討、問題点の抽出を

行った。

I. 現地調査結果の分析

既存の知見の評価のための因子、更新の有意性の傾向を抽出し所見の整理を行った。なお、

検討委員会ではスギ、ヒノキ植栽木別による更新木の有意性、混交林化しやすさの根拠につ

いて意見をいただいており、次年度の文献調査、現地調査による検証の候補として取り扱っ

ていく必要がある。影響因子と傾向及び所見は表 6.1~表 6.3 のとおりであり、現地調査

結果は表 6.4 のとおりである。

表 6.1~表 6.2 に示すとおり、樹高 50cm 以上を更新の基準値として見た場合に、斜面勾

配で傾向がほぼ見られなくなり、間伐方法、樹高、斜面位置、裸地率、広葉樹林との距離で

傾向が見られなくなった。また、樹高

50cm 以上で新たに有意性の傾向が見られた項目に、

林齢の一部と相対照度の一部がある。これは、樹高

50cm 以上の基準値を超えるプロットが

少なくなり、有意性の傾向が判断できなくなったためで、樹高の基準値を設定することは、

より更新完了が更に困難になることを示していると考える。

表 6.1 現地調査結果からの影響因子と有意性の傾向(1)

因子

調査地

全ての高木性更新木

樹高 50cm 以上高木性更新木

マイナス

の傾向

プラス

の傾向

マイナス

の傾向

プラス

の傾向

植栽木

山梨

スギ

ヒノキ

同じ傾向

群馬

スギ

ヒノキ

同じ傾向

林齢(スギ)

全体

同じ傾向

(スギ

33~48 年生)

宮城事

同じ傾向

(スギ

43~83 年生)

宮城契

傾向なし

間伐方法

全体

定性

傾向なし

除間伐回数

千葉

少*

同じ傾向

宮城

同じ傾向

ギャップ (ヒノキ)

山梨

あり

(生長への影響)

同じ傾向

平均樹高 (スギ)

全体

傾向なし

(カラマツ)

北海道

同じ傾向

収量比数 (スギ)

全体

同じ傾向

(カラマツ)

北海道

同じ傾向

相対照度 (カラマツ)

北海道

同じ傾向

(スギ)

宮崎

(ヒノキ)

宮崎

同じ傾向

斜面位置 (スギ)

宮崎

傾向なし

群馬

同じ傾向

シカ食害地(契約地千葉

322 号)を除いた傾向

(3)

158

表 6.2 現地調査結果からの影響因子と有意性の傾向(2)

因子

調査地

全ての高木性更新木

樹高 50cm 以上高木性更新木

マイナス

の傾向

プラス

の傾向

マイナス

の傾向

プラス

の傾向

斜面勾配

全体

傾向なし

群馬

傾向なし

(カラマツ)

北海道

同じ傾向

(スギ)

宮城

傾向なし

斜面勾配と競合植生(スギ)

宮城

急で競合植

生あり

同じ傾向

侵食発生 (スギ)

宮崎

あり

同じ傾向

裸地率 (10%を境に)

宮崎

傾向なし

広葉樹との距離(スギ)

宮崎

傾向なし

シカ食害

千葉

あり

同じ傾向

シカ影響下の間伐率

千葉

同じ傾向

シカ影響下の間伐後の

経過年数

千葉

長い

同じ傾向

シカ影響下の相対照度

千葉

同じ傾向

シカ影響下の斜面位置

千葉

同じ傾向

シカ影響下の裸地率

千葉

同じ傾向

表 6.3 現地調査及び調査結果からの所見

調査地区

所 見

宮崎

・ 周食性樹種の出現が多く、ブナ科の出現割合は少ない。

・ ブナ科の出現は広葉樹林の近くが多い。

・ 群状伐採、幅

10m 弱の帯状伐採の林縁では、伐採から 3 年経過では効果

が現れていないか、シカの影響を受けている。

・ 伐採と林縁環境はヒサカキに有意に働いている(施業

8 年後)。

・ 群状帯状伐採による切捨て間伐は、伐倒木の集中により更新木を被圧し、

更新地を減少させる。

山梨

3~8cm 弱程度の伐痕からの萌芽枝の成長は比較的良い。

・ 更新木の成長には、侵入時期(若齢時の侵入)とギャップの有無が影響。

・ アカマツは上層木がある場合、一定以上生長しない。

群馬

・ 伐痕

2~5cm 程度のアラカシの萌芽枝が多く、成長も良好。

・ 近くに母樹が見当たらないアラカシの更新が多く見られる。

・ 作業道による部分的なギャップで更新する樹種が異なる。

・ 相対照度が低い場合スギ・ヒノキが更新し、高くなるとアラカシ・クリ

が更新する。

宮城

・ 高齢林では、斜面下方で、間伐からの経過年数が長いと種数が少ない。

・ 光環境が適当で、植栽木が若齢から侵入すると、混交林化しやすくなる

のではないか。

・ 斜面上部の広葉樹が更新木の種子源の可能性が高い。

北海道

・ ササ繁茂箇所には裸地部の創出など更新補助作業が必要。

千葉

・ モウソウチク侵入箇所では、間伐がタケの侵入を促進する可能性がある。

・ シカ影響下ではブナ科樹種の出現が少ない。

全体

・ 高木性更新木が

3,000 本/ha 未満の箇所全てで、広葉樹の伐採痕跡が見ら

れなかった。樹高

50cm 以上を更新対象とした場合、3,000 本/ha 以上の

プロットに伐採痕跡が多く見られた。

(4)

159

表 6.4 調査結果一覧表

調査 区分 地区 プロット 名 樹種 林 齢 間伐区分 間伐率 前回間伐 からの 経過年数 土地 履歴 平均 胸高 直径 平均 樹高 密度 収量 比数 地位 斜面 方位 平均 勾配 斜面 位置 地質区分 標高 全樹種 更新密度 高木性樹種 更新密度 更新数の多い 主な高木性樹種 樹高50cm以上 高木性樹種 更新密度 競合 植生 裸 地 率 広葉樹林 との距離

(年生) (%) (年) (cm) (m) (本/ha) Ry (度) (m) (本/ha) (本/ha) (本/ha) (m) (%) (m)

事例 宮崎1 J9-1 スギ 34 定性・切捨て 材20 5 - - - 広葉樹林 35 22 900 0.82 Ⅱ NE 30 中 堆積岩 870 10,000 無 7,600 イヌガシ・ユズリハ 4,000 - 5 50 J9-2 スギ 34 試・群状 20×20m 3 - - - 広葉樹林 23 18 2200 0.95 Ⅱ NE 32 上 堆積岩 895 43,600 無 10,400 イヌガシ・ウラジロガシ・シロダモ 2,400 - 10 30 J9-3 スギ 34 試・群状 20×20m 3 - - - 広葉樹林 23 21 2200 0.99 Ⅱ NE 36 中 堆積岩 880 9,600 無 5,600 イヌガシ・ユズリハ 2,000 - 20 60 J9-4 スギ 34 試・群状 30×30m 3 - - - 広葉樹林 24 20 1690 0.93 Ⅱ NE 36 中 堆積岩 885 8,400 無 6,800 イヌガシ・ユズリハ 3,200 - 20 60 J9-5上 スギ 34 試・群状 30×30m 3 - - - 広葉樹林 22 18 1500 0.87 Ⅱ NE 43 上 堆積岩 915 51,200 有 13,600 ウラジロガシ・ツガ・イヌガシ 8,000 - 0 15 J9-5下 スギ 34 試・群状 30×30m 3 - - - 広葉樹林 - - - - 〃 〃 〃 〃 〃 〃 45,600 無 8,000 イヌガシ 1,600 - 20 20 J9-6 スギ 34 試・帯状 3残5伐 3 - - - 広葉樹林 25 19 1100 0.81 Ⅱ N 43 中 堆積岩 885 8,800 無 6,000 イヌガシ・シロダモ 2,400 - 40 40 宮崎2 J10-1 樹冠なし - 列状・切捨て 材30 8 - - - 広葉樹林 - - - - Ⅲ NE 34 中 堆積岩 845 15,600 有 7,600 イヌガシ・シロダモ 7,200 夏緑シダ0.4 0 60 J10-2 ヒノキ 45 列状・切捨て 材30 8 - - - 広葉樹林 24 16 1290 0.82 Ⅲ E 38 中 堆積岩 850 43,200 不明確 5,200 イヌガシ・ユズリハ 2,800 - 20 60 山梨 J11-1 ヒノキ(スギ混) 49 定性(劣木) 材35 4 - - - 広葉樹林 20 15 1110 0.62 3 SW 24 中 火山性岩石 870 42,000 有 29,200 アカマツ・ヒノキ・スギ 6,400 - 1 180 J11-2 ヒノキ 32 定性(劣木) 材35 10 - - - アカマツ林 20 11 700 0.38 3 W 20 中 火山性岩石 850 25,200 有 8,000 クリ 5,600 - 1 190 J11-3 ヒノキ 32 定性(劣木) 材35 10 - - - アカマツ林 21 13 900 0.54 3 SW 22 中 火山性岩石 845 53,600 有 35,200 ヒノキ・アカマツ 2,400 - 10 230 J11-4 スギ 49 定性(劣木) 材35 5 - - - 広葉樹林 30 24 900 0.78 1 W 25 中 火山性岩石 870 10,400 有 2,400 コナラ 2,400 - 1 130 群馬1 J12-1 ヒノキ 59 定性・搬出 材28 7 - - - ヒノキ人工林 23 17 1020 0.73 3 S 40 中 変成岩 385 38,800 有 27,600 アラカシ・ヒノキ 18,400 草本0.8 0 50 J12-2 スギ 59 定性・搬出 材28 7 - - - ヒノキ人工林 32 21 500 0.53 3 SE 43 中 変成岩 410 7,200 有 5,600 アラカシ 5,600 草本0.9 0 30 J12-3 ヒノキ 59 定性・搬出 材28 7 - - - ヒノキ人工林 26 21 700 0.73 3 SW 30 中 変成岩 365 24,400 有 17,600 アラカシ・ケヤキ 16,400 草本0.8 0 30 J12-4 スギ 62 定性・切捨て 材25 7 - - - スギ人工林 29 21 600 0.58 3 SW 47 中 変成岩 390 15,600 有 10,400 アラカシ 10,000 草本0.8 0 90 群馬2 J13-1 スギ(ヒノキ混) 58 定性・搬出 材25 4 - - - スギ人工林 29 22 760 0.68 3 SW 38 中 変成岩 390 36,000 有 10,000 ヒノキ・スギ 4,000 草本1.0 0 110 J13-2 スギ 58 定性・搬出 材25 4 - - - スギ人工林 23 17 900 0.61 3 SW 29 中 変成岩 355 26,800 有 6,800 クリ・アラカシ 6,400 草本0.8 0 120 J13-3 スギ 70 定性・搬出 材25 4 - - - スギ人工林 37 28 600 0.72 3 N 34 下 変成岩 320 17,600 有 4,800 イタヤカエデ・アラカシ 4,000 草本0.9 0 50 J13-4 スギ 79 不明 不明 不明 - - - スギ人工林 42 27 600 0.70 3 W 37 下 変成岩 390 8,000 無 1,200 ケヤキ 800 - 5 40 宮城1 J14-1 スギ 43 定性 本30 15 - - - 広葉樹林 32 20 800 0.61 10 SE 18 上 火山性岩石 480 9,600 少 5,200 コナラ 4,400 - 0 - J14-2 スギ 43 定性 本30 15 - - - 広葉樹林 29 20 1160 0.74 10 W 23 中 火山性岩石 455 22,800 無 16,400 スギ・コナラ・ミズキ 5,600 - 0 - J14-3 スギ 44 定性 本30 15 - - - 広葉樹林 34 22 600 0.55 10 S 25 下 火山性岩石 430 8,800 無 4,800 イタヤカエデ・オオモミジ 4,000 低木0.8 0 50 J14-4 スギ 44 定性 本30 15 - - - 広葉樹林 35 22 1000 0.74 10 SE 34 下 火山性岩石 420 6,000 無 2,800 イタヤカエデ 2,800 夏緑シダ1.0 0 30 宮城2 J15-1 スギ 82 更新伐 本30 12 - - - 広葉樹林 38 22 710 0.61 上 W 35 中 深成岩 595 18,800 無 7,600 アワブキ・ハクウンボク 7,200 - 0 - J15-2 スギ 82 更新伐 本30 12 - - - 広葉樹林 39 24 900 0.75 上 SW 38 中 深成岩 600 20,400 無 4,800 アワブキ・クリ・ブナ・ミズナラ 4,800 - 0 20 J15-3 スギ 83 列状・搬出 本30 17 - - - 広葉樹林 62 38 300 0.60 上 S 17 下 深成岩 565 7,200 無 5,200 アワブキ・サワグルミ 5,200 常緑シダ0.6 0 - J15-4 スギ 83 列状・搬出 本30 17 - - - 広葉樹林 51 33 400 0.63 上 SW 44 下 深成岩 540 11,200 無 8,400 アワブキ 8,400 - 1 - 北海道 J16-1 カラマツ 47 定性・搬出 材24 5 - - - 針広林 36 26 300 0.55 1 E 13 上 火山性堆積物 150 4,400 無 800 アサダ・ミズナラ 800 ササ1.2 0 70 J16-2 カラマツ 48 定性・搬出 材25 5 - - - 針広林 31 25 500 0.72 1 SW 11 上 火山性堆積物 160 4,000 無 2,400 イタヤカエデ・コブニレ・ハリギリ 2,400 ササ1.2 0 120 J16-3 カラマツ 42 定性・搬出 材25 5 - - - 針広林 25 23 620 0.74 1 N 17 中 火山性堆積物 145 5,200 無 2,000 オヒョウ 1,200 ササ1.2 0 130 J16-4 カラマツ 52 定性・搬出 材20 5 - - - 針広林 31 31 600 0.92 1 NE 33 中 火山性堆積物 120 8,000 無 4,800 オオバボダイジュ 3,600 ササ1.0 0 280 契約地 千葉 332-1 スギ 50 定性・切捨て 材11 17 2 1 3 潅木 29 22 1420 0.90 1 W 33 上 堆積岩 150 4,800 無 2,000 シロダモ 1,600 - 10 30 332-2 スギ 50 定性・切捨て 材11 17 2 1 3 潅木 25 20 1500 0.88 1 W 35 上 堆積岩 155 11,200 無 6,800 シロダモ 4,000 - 10 30 332-3 スギ 51 定性・切捨て 材10 17 2 1 3 潅木 31 26 1400 0.95 1 N 24 下 堆積岩 120 3,200 無 2,400 シロダモ 1,200 - 10 90 332-4 スギ 51 定性・切捨て 材10 17 2 1 3 潅木 31 20 1100 0.81 1 S 30 下 堆積岩 160 4,800 無 1,600 シロダモ 1,200 - 20 20 401-1 スギ 49 列状・搬出 材23 9 2 2 4 潅木 23 19 900 0.73 2 SE 35 上 堆積物 80 9,600 無 7,200 アラカシ・スダジイ 6,000 - 5 200 401-2 スギ 49 定性・搬出 材23 9 2 2 4 潅木 26 21 1300 0.87 1 S 22 上 堆積物 90 8,400 無 4,400 スダジイ・ヤマグワ 2,000 - 1 210 401-3 ヒノキ 50 定性・搬出 材28 9 3 2 5 潅木 26 17 1240 0.78 1 SW 25 上 堆積物 95 11,600 無 4,800 スダジイ・アラカシ 4,000 ササ1.6 0 160 401-4 ヒノキ 50 定性・搬出 材31 9 3 2 5 潅木 25 17 1100 0.75 1 SE 24 上 堆積物 100 10,800 無 4,800 エノキ・アラカシ・ヤマグワ 3,600 ササ2.5 0 40 403-1 ヒノキ 50 定性・切捨て 材17 6 2 2 4 潅木 29 18 700 0.64 1 NE 15 上 堆積岩 175 17,200 有 6,000 スダジイ・アラカシ 5,600 常緑シダ0.8 5 90 403-2 スギ 50 定性・切捨て 材18 6 3 2 5 潅木 28 22 1400 0.90 1 E 47 上 堆積岩 180 4,800 無 3,600 スダジイ・カゴノキ・シロダモ 3,600 - 5 50 403-3 スギ 49 定性・切捨て 材17 5 2 2 4 潅木 30 23 1110 0.86 1 NW 43 上 堆積岩 185 4,400 無 2,800 アラカシ・アカガシ 1,200 - 1 30 403-4 スギ 49 定性・切捨て 材17 5 2 2 4 潅木 34 24 1100 0.87 1 NW 35 中 堆積岩 160 14,400 有(古) 8,400 アラカシ・シロダモ・マテバシイ 7,200 - 5 40 宮城 357-1 スギ 48 定性・搬出 本20 6 3 3 6 潅木 28 21 930 0.69 3 W 20 下 堆積岩 160 10,000 無 800 スギ・カスミザクラ 400 - 0 120 357-2 スギ 48 定性・搬出 本20 6 3 3 6 潅木 26 24 700 0.65 3 NW 30 下 堆積岩 175 10,400 有 4,000 スギ・クリ・ウリハダカエデ 2,400 - 0 30 357-3 スギ 48 定性・搬出 本20 6 2 3 5 潅木 25 18 1000 0.63 3 SW 26 下 堆積岩 170 12,000 有 4,000 コナラ・スギ・カスミザクラ 2,800 低木1.0 0 40 357-4 スギ 47 定性・搬出 本23 6 3 2 5 潅木 26 20 1600 0.86 3 NW 33 中 堆積岩 190 4,400 無 1,200 ハクウンボク 800 - 5 60 569-1 スギ 45 定量・搬出 材22 1 3 3 6 潅木 30 21 800 0.63 2 S 40 中 堆積岩 190 10,400 無 3,600 アカマツ・コナラ・ホオノキ 1,200 - 1 60 569-2 樹冠なし 45 定量・搬出 材22 1 3 3 6 潅木 - - - - 2 S 36 上 堆積岩 185 23,200 無 4,400 コナラ 2,000 - 5 90 569-3 スギ 45 定性・搬出 本23 6 3 2 5 潅木 23 19 1400 0.78 2 NE 38 中 堆積岩 210 26,400 無 5,600 コナラ・アサダ 4,400 - 5 100 569-4 スギ 45 定性・搬出 本23 6 3 2 5 潅木 38 24 700 0.65 2 E 40 下 堆積岩 125 3,600 無 2,800 アワブキ 2,400 - 5 30 993-1 スギ 34 定量・搬出 材20 3 2 1 3 潅木 21 18 1730 0.81 2 E 43 中 堆積岩 255 16,800 無 6,000 カスミザクラ・クリ・ハクウンボク 6,000 - 5 30 993-2 スギ 33 定量・搬出 材20 3 2 2 4 潅木 20 16 1300 0.66 2 NE 36 中 堆積岩 235 30,400 有 6,800 コナラ・アワブキ 6,000 - 1 190 993-3 スギ 35 定量・搬出 材18 3 2 2 4 潅木 24 16 900 0.53 3 N 32 上 堆積岩 260 28,000 有 4,800 コシアブラ・イタヤカエデ 4,000 - 0 30 伐採 痕跡 除 伐 回 数 間 伐 回 数 除 間 伐 計 植栽木 立地 更新木

(5)

160

II. 本年度調査の検証

調査結果は一時的な現象を捉えるなど局所性の問題を含んでおり、天然更新の地域性、不

確実性といった問題も十分考慮して技術マニュアルを作成していく必要があることから、

地調査結果と前述の収集分析した文献と照らし合わせ、

既存の知見の検証による評価を本事

業では実施することとしている。検証は平成

26 年度調査結果も合わせて行った結果、文献

の示す結果と現地調査結果の整合が見られた知見は

38 件あり、異なる結果のもの、または

整合が見られなかった知見は

19 件見られた。

表 6.5 知見区分と現地調査による検証状況

区 分

既存の

知見数

整合あり

異なる結果

整合なし

更新判断

7

1

影響要因

10

8

6

更新特性(種子、種子散布、前生稚樹、

後生稚樹、収量比数、立地等)

32

11

10

阻害要因

10

7

2

伐採による変化

32

11

1

補助作業の効果等

11

維持管理

1

103

38

19

各分野における検証状況は以下のとおりである。なお、検証には調査地の植生帯に考慮し

て実施した。

(1)

更新判断

アカマツ人工林が分布していた調査地において、平成

26 年度京都契約地と平成 27 年度

山梨事例地、宮城契約地で文献

NO4(資料編参照)の知見と整合が見られた。明るい林内

での更新木の特性と省力的な広葉樹林化の可能性についての知見であった。

(2)

影響要因

例えば広葉樹林からの距離と更新木の関係については既存の知見でも異なる見解を示し

ている文献があり、現地調査でも更新樹種すなわち地域による違いが見られた。このため複

数の検証結果が

1 つの知見内で確認された。整合の見られた知見は文献 NO9~15,17 であ

り、密度、斜面位置、間伐後の年数、光環境(Ry 平均)、植栽樹種、更新樹種、相対照度、

母樹からの距離に影響が見られないこと、動物による種子散布についてであった。また、整

合の見られない知見は文献

NO9,10,12~14,17 であり、広葉樹林からの距離、土地前歴、林

齢、間伐からの経過年数、草本植生、斜面傾斜、種子源からの距離であった。

(6)

(3)

更新特性

影響要因と同様、

1 つの知見に複数の判断が行われた知見が見られる。整合の見られた知

見は文献

NO18,19,21~23,27,30,31,33,36,39 であり、多様性の増加、疎な状態(収量比数)、

種子散布特性、地表撹乱、鳥散布樹種の特性、更新樹種についてであった。また、整合の見

られない知見は文献

NO19,21,27,28,31~33,39,46,47 であり、収量比数と生育本数、種子

の散布距離、種子の分布、種子源、林縁からの距離、更新樹種、間伐による更新木の増加で

あった。

(4)

阻害要因

1 つの知見に複数の判断が行われた知見が見られるが現地調査結果と整合が多く見られ

た。整合の見られた知見は文献

NO51,53,54,56~59 であり、競合植性、樹冠の閉鎖、間伐

による損傷、シカの影響についてであった。また、整合の見られない知見は文献

NO56,58

であり、間伐による損傷、シカの食害樹種についてであった。

(5)

伐採による変化

整合の見られた知見は文献

NO62~64,67,70,75,77,80,85,86 であり、広葉樹林からの距離

の関係が見られないこと、間伐による更新契機、植栽木密度と更新木の関係、萌芽枝成長の

可能性、稚樹発生のばらつき、樹冠閉鎖の影響、更新樹種の特性についてであった。整合の

見られない知見は文献

NO60 の 1 件であり、カラマツ林の広葉樹林からの距離についてで

あった。

検証の結果、既存の知見と整合が見られない調査結果も複数確認されている。天然更新は

様々な自然環境や人為の影響により更新状況が異なることが考えられ、

樹高のように更新対

象の取り扱いを変えることで影響の見られる因子が変化していた。検討委員会では、既存の

文献がより汎用的な内容を示しているが、

現地調査結果と異なった知見をバラツキとして捉

え重要な判断材料となる可能性があることと、現場確認による判断の必要性が指摘された。

技術マニュアルの作成では、天然更新の地域性、不確実性の問題の考慮と、既存の知見や

現地調査からの事象を踏まえた事前確認による判断、

現地確認による判断をもって来年度事

業で検討して行くことが必要であると考える。

(7)

162

III. 今後の課題

2 回検討委員会ではマニュアルの前提条件、使われ方、整理すべき内容などが議論さ

れた。来年度は事業計画の最終年度となり、技術マニュアルを作成することから、技術マニ

ュアル作成に向けての課題の整理、問題点の抽出を行った。

(1)影響因子の確認

昨年度指摘された支障木伐採に伴う侵入木の刈り払いと更新の影響について調査した結

果、刈り払い痕跡が見られた人工林でも更新基準値を満たしている調査地が多く、当初想定

された知見が得られなかった。侵入木の刈り払いは物理的な減少を引き起こすことから、広

葉樹の更新密度を高めるためには避けるべき案件であり、検討委員会でも指摘されている。

現地調査結果のみの判断によりマニュアルを作成するのではなく、

行ってはならない案件も

既存の文献などの収集をさらに図り、検討委員会の助言を踏まえながら整理しておく必要が

あると考える。

(2)検証の継続

今年度事業では現地調査結果から天然更新に影響する因子と傾向の抽出と所見の整理し

評価を行った。

所見については現況からの仮定にあてはめた判断であることから既存の知見

との評価により整合性の確認を進めたが、今年度の取りまとめた結果からは、他の要因が影

響していることも考えられ、判断根拠により明言できる範囲が変わってくる。マニュアルを

作成するためにも根拠が薄い所見は、既存の文献の分析を進めて根拠付けを進めていくこと

や補足調査により事象を捉えていくことが来年度事業でも必要と考える。なお、現地調査で

は対象とする事象を事前に把握することは困難であることから、

文献の再調査が主体になる

と考え、現地調査を実施する場合は確認する影響要因、事象を事前に整理し調査に臨む必要

がある。

(3)補足調査の実施

補足調査を実施する調査地が地域性を代表しているかどうかの事前予測は困難であるが、

これまでに得られていない知見や所見が得られる可能性が期待できる。調査の実施は、調査

までの調整、結果の分析に時間を要し、調査地点数や事業開始時期、予算等にも左右される

が、調査を行う場合はマニュアル作成に反映させるためにも、出来るだけ早い段階で調査を

取りまとめる必要がある。このため、補足調査を実施する場合は、検討委員会の開催に先立

ち調査地を選定し、調査のための調整を図る必要があると考える。

(8)

(4)施業履歴の追加調査

今年度の事例調査は宮崎の事例を除き民有林で実施した。各関係機関に協力を仰ぎながら

ヒアリング調査を進めたが、前々回以前の施業履歴の確認はヒアリング対象者の負担が大き

くなり履歴の把握が出来なかった調査地も見られた。一方、水源林造成事業の契約地では除

伐までの履歴が記録されており、分析データとして活用することが出来た。来年度に施業履

歴の検証を追加する場合には、

契約地で調査を実施することで詳細な結果を得ることが可能

と考える。

(5)シカ対策

今年度の調査では、宮崎の事例地、千葉の

1 契約地でシカによる影響が確認された。宮

崎の事例地ではシカの激害地であるが、

被害は更新対象外の亜高木性樹種であるヒサカキに

多く見られ、

対象樹種の更新密度は樹高が不足しているプロットが見られたものの本数は基

準値を超えていた。また、千葉の契約地では更新密度が基準値を下回っているプロットが多

かったが、

前回間伐の間伐強度が低く間伐からの経過年数が長期間となり樹冠の閉塞も影響

していることが示唆された。

シカの対策としては、

柵等による囲い込み、

個別のシェルター、

狩猟圧の増加などコストや人材確保が問題となる対策であることから進んでいない状況で

あるが、伐採木の放置による実験も行われている事例も見られる。このような情報を順次収

集し、

マニュアル作成段階で有識者によるヒアリングを実施しマニュアルに反映させること

が必要と考える。

参考文献

1)平成 26 年度 天然更新活用による森林整備手法に関する調査委託事業報告書,林野庁,

2015.3

2)独立行政法人森林総合研究所 HP,樹木データベース http://treedb.ffpri.affrc.go.jp/

3)原色牧野植物大図鑑,北陸館

4)増補改訂版北海道樹木図鑑,佐藤孝夫,亜璃西社

5)各都道府県の天然更新完了基準(林野庁資料)

6)平成 26 年度 照葉樹林復元の間伐試行伐採モニタリング及びシカ生息密度・復元の優先

度区分に関する調査報告書,九州森林管理局,2015.3

7)平成 24 年度 照葉樹林保護・復元の動態モニタリング及びシカ密度実態調査等に関する

調査報告書,九州森林管理局,2013.3

8)国土交通省 HP,20 万分の 1 土地分類基本調査及び土地保全基本調査(全国都道府県)

http://nrb-www.mlit.go.jp/kokjo/inspect/landclassification/land/l_national_map_20-1.

html

9)気象庁 HP, http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php

10)自然環境保全基礎調査 植生調査 環境省 自然環境局 生物多様性センターHP,

http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php

11)人工林林分密度管理図,社団法人日本林業技術協会,1980.3

12)既存の知見(資料編:既存の知見出典一覧参照)

参照

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