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高齢者虐待の実態 2

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(1)

高齢者虐待防止及び

高齢者の権利侵害防止について

(公財)東京都福祉保健財団

福祉人材養成室

(2)

高齢者虐待の実態

(3)



高齢夫婦虐待:外出できないよう

ドアにチェーン

平成25年6月3日毎日新聞より一部改変 神戸市介護指導課によると、マンションに住む90代男性と80 代女性の夫婦は2011年3月から訪問介護を受けていた。昨 年8月21日、女性介護ヘルパーが夫婦らに無断で、玄関ドア ノブと窓の格子をバイク用チェーンキーでつないで外から施錠 し、外出できないようにした。訪問時だけ解錠し、退出時に再び 施錠していた。 ケアマネジャーら両事業所幹部も認識していたという。両事業 者は市に「男性が出歩き、転倒や事故の恐れがあった。(了解 が必要な)身体拘束や虐待に当たらないと思っていた」と説明 したという。女性は歩行困難だったという。昨年11月、夫婦の 知人から市に「外から鍵がかかっている」と苦情があり発覚。 ⇒人格尊重義務違反として6カ月の営業停止処分 3

(4)

大阪市の「高齢者向け住宅」への

虐待判断

大阪市が、介護スタッフが常駐し金銭出納管

理等のサービスも提供していた西成区にある

高齢者向け賃貸住宅に対して、改善指導を行

った。(平成25年12月24日報道発表より)

虐待があったと判断したもの42名(65歳以上37名

65歳未満5名)

 分離・保護 10件(老人ホームへの措置入所7名、入院 中で退院後は施設入所が必要と判断3名)  成年後見市長審判請求 11件  社会福祉協議会日常生活自立支援事業利用 16件  ケアプラン見直し等のケアマネジャーとの協議 11件 4

(5)

経済的虐待・・・36件「

明確な理由がないにもかか

わらず不当に引き出した事実

」をもって金銭搾取を

判断

 金銭管理担当者が、上司の指示により入居者36名の 口座から7,690,000円を引き出し、当該出金状況が記 載された通帳を破棄し、各入居者の金銭出納簿にも記 載せず、現金を紙袋に入れて持ち歩いていた。市の調 査において、出金した金銭の使途を尋ねても十分な説 明が得られなかったことから、不適切な出金と認定し、 本市の指導により入居者各人の口座に同額を返還させ た。 

身体的虐待・・・1件

 入居者1名を居室内に閉じ込め行動制限を行っていた。 内側からドアを開けることができない状況下で入居者1 名を居室内に閉じ込めていた。

(6)

ネグレクト・・・12件

 パンフレットやホームページで「24時間介護スタッフ常駐 」と広告し、要介護度が高い高齢者を受け入れていたに もかかわらず、12名の入居者についてロイヤル花園とし て十分な世話がなされていなかった。  各居室には壁にインターホンが設置され「ナースコール 」と称しているが、寝たきり状態の入居者は手が届かず 助けを求めることができない状態に置かれていた。  おむつが汚れた状態で放置、爪が伸び放題、室内の不 衛生、シーツの不衛生、異臭など。 

高齢者向け賃貸住宅は、高齢者福祉施設には該当

しないものの、高齢者虐待防止法、障害者虐待防止

法に基づいて、改善指導を行われた。

6

(7)

悪質な虐待

「住宅」+ケアマネジャー、ヘルパー常駐

生活保護、高い医療依存、身寄りがいない、認知

「金銭預かり」と限度額いっぱいの同サービス

経済的虐待、放棄放任、心理的虐待

身体拘束

(8)

東京都における養介護施設従事者等虐待の状況(1)

年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 高齢者虐待が認 められた件数 4件 3件 5件 6件 施設・事業所の 類型 • 介護老人福祉施設 3件 • 認知症対応型 共同生活介護 1件 • 介護老人福祉施設 2件 • 有料老人ホーム 1件 • 介護老人福祉施設 1件 • 認知症対応型 共同生活介護 2件 • 地域密着型介護老人 福祉施設 1件 • 特定施設入居者生活 介護、介護予防特定 入居者生活介護 1件 • 介護老人福祉施設 1件 • 介護老人保健施設 1件 • 認知症対応型 共同生活介護 2件 • 特定施設入居者 生活介護 1件 • 小規模多機能型 居宅介護 1件 虐待の種別類型 ※1 •身体的虐待 3件 •心理的虐待 1件 •身体的虐待 2件 •心理的虐待 1件 •身体的虐待 1件 •心理的虐待 2件 •身体・心理的虐待 2件 •身体的虐待 4件 •心理的虐待 1件 •身体・心理的虐待 2件 「高齢者虐待の防止・高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」第25条に基づく、東京都における養介護施設従事者等による高齢者 虐待の状況の公表」を基に作成 ※1施設において複数の被虐待高齢者がいる場合、虐待の種別も異なる事例もあり、施設数と一致しない 8

(9)

年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 高齢者虐待が認めら れた件数 10件 16件 18件 施設・事業所の類型 • 介護老人福祉施設 3件 • 介護老人保健施設 2件 • 認知症対応型共同生活介護 1件 • 特定施設入居者生活介護 2 件 • 短期入所 1件 • 通所介護 1件 • 指定介護老人福祉施設 5件 • 介護老人保健施設 1件 • 介護療養型医療施設 1件 • 認知症対応型共同生活介護 3件 • 有料老人ホーム 2件 • 特定施設入居者生活介護 3件 • 短期入所 1件 • 通所介護 1件 • 指定介護老人福祉施設 8件 • 介護老人保健施設 1件 • 認知症対応型共同生活介護 1件 • 有料老人ホーム 2件 • 通所介護 2件 • 特定施設入居者生活 介護、 介護予防特定入居者生活介護 4件 虐待の種別類型※1 •身体的虐待 7件 •心理的虐待 5件 •放棄放任 2件 •身体的虐待 14件 •放棄放任 4件 •心理的虐待 5件 •性的虐待 1件 •身体的虐待 11件 •放棄放任 6件 •心理的虐待 10件 •経済的虐待 2件 「高齢者虐待の防止・高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」第25条に基づく、東京都における養介護施設従事者等による高齢者 虐待の状況の公表」を基に作成 ※1施設において複数の被虐待高齢者がいる場合、虐待の種別も異なる事例もあり、施設数と一致しない

東京都における養介護施設従事者等虐待の状況(2)

(10)

平成18年度~24年度までの施設・事業所種別割合

10 特別養護老人ホーム 36.5% 介護老人保健施設 7.9% 介護療養型医療施設 1.6% 認知症対応型共同生 活介護 15.9% 有料老人ホーム 7.9% 小規模多機能型居宅 介護 1.6% 地域密着型 特別養護老人ホーム 1.6% 短期入所施設 3.2% デイサービスセン ター 6.3% 特定施設入居者生活 介護 17.5% (東京都=63)

(11)
(12)

高齢者虐待防止法の特徴

高齢者の尊厳保持、権利利益の擁護が目的

 虐待者への処罰規定はない  処罰は別の法律で行われる 

養護者による虐待の対応は

区市町村

地域包括支援センターが専門機関として対応の中核を担う  養護者とは・・・高齢者(65歳以上の者)を現に養護する者 (親族関係は要件になっていない) 

養介護施設従事者等による虐待については、市町村・

都道府県が対応

(13)

高齢者虐待防止法の「虐待」の考え方

〔虐待の種別〕 身体的虐待 心理的虐待 放棄放任 性的虐待 経済的虐待 一般的にイメージする虐待 (事件性のある虐待) 高齢者虐待防止法が規定した 高齢者虐待(自覚を問わない)

虐待の小さな芽

から 区市町村が責任をもって 防止的に対応! ※行政が対応しない場合、不作 為責任を問われる可能性あり 「自覚」「悪意」は問わない。 「いじめてやろう」「虐げよう」 と思っているかどうかは、無 関係

(14)
(15)

「養介護施設従事者等」とは・・・

養介護施設 養介護事業 養介護施設 従事者等 老人福祉法 による規定 •老人福祉施設 •有料老人ホーム •老人居宅生活支援事業 「養介護施設」 または「養介 護事業」の業 務に従事する 者 介護保険法 による規定 •介護老人福祉施設 •介護老人保健施設 •介護療養型医療施設 •地域密着型介護老人 福祉施設 •地域包括支援センター •居宅サービス事業 •地域密着型サービス事業 •居宅介護支援事業 •介護予防サービス事業 •地域密着型介護予防サービス 事業 •予防介護支援事業

•「養介護施設・事業所」と「従事者等」の範囲

(出典:厚生労働省老健局『市町村・都道府県における高齢者虐待への対応と養護者支援について』,2006)

(16)

「サービス付き高齢者向け住宅」の場合、

どのように対応が行われるのか?

 介護、食事の提供、家事、健康管理のいずれかのサービスを 提供している高齢者住宅は、有料老人ホームに該当する  未届有料として取り扱いが可能→「養介護施設従事者等」による虐待  有料老人ホームに該当する高齢者住宅は多い(9割以上)  「住宅」からの介護等のサービス提供がいずれもない場合  虐待の主体が「養介護施設従事者等」であれば、「養介護施設従事者 等」による虐待として対応、でなければ、「養護者による虐待対応」とし て実施

高齢者虐待が疑われる場合、高齢者虐待防止法に基

づいて、区市町村による調査・対応が行われる

16

(17)

養介護施設従事者に課せられている責務

高齢者虐待防止法20条によって、個人では

なく、施設・事業所に下記の責務が課せられ

ている

研修の実施

苦情対応体制の整備

その他の養介護施設従事者等による高齢者虐

待防止のための措置

(18)

都の基準によって、住宅登録時より、高齢者虐待防

止について求めている

 高齢者虐待防止及び高齢者の権利利益の不当な侵害防 止に向けた適切な対策を講じること。また、入居者に対す る生活支援サービスを住宅事業者が自ら行わず、委託や 業務提携等により他の事業者が行う場合は、当該事業者 に対し、高齢者虐待防止及び高齢者の権利利益の侵害 防止に向けた適切な対策を講じさせること。 (登録要件基 準表 その他②より)

東京都の求めている要件

18

(19)

身体的虐待

法 律 上 の 文 言

高齢者の身体に外傷が生じ、又は生じる

おそれのある暴行を加えること。

具 体 例

①暴力的行為

②本人の利益にならない強制による行為、代替

方法を検討せずに高齢者を乱暴に扱う行為

③「緊急やむを得ない」場合以外の身体拘束・

抑制

 生命または身体を保護するため、緊急やむを得ない場合以 外、身体拘束は高齢者虐待に該当する行為。

(20)

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介護・世話の放棄・放任

法 律 上 の 文 言

高齢者を衰弱させるような著しい減食又は長時間の放

置その他の高齢者を擁護すべき職務上の義務を著しく

怠ること。

具 体 例

①必要とされる介護や世話を怠り、高齢者の生活環境・

身体や精神状態を悪化させる行為

②高齢者の状態に応じた治療や介護を怠ったり、医学

的診断を無視した行為

③必要な用具の使用を限定し、高齢者の要望や行動を

制限させる行為

④高齢者の権利を無視した行為またはその行為の放置

(21)

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心理的虐待

法 律 上 の 文 言

高齢者に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応そ

の他の高齢者に著しい心理的外傷を与える言動を行う

こと。

具 体 例 ( 1 )

①威嚇的な発言、態度

怒鳴る、罵る。「追い出すぞ」などと言い脅す。 など

②侮辱的な発言、態度

嘲笑する。「死ね」などの侮蔑的なことを言う。子ども扱いするよ うな呼称で呼ぶ。 など

③高齢者や家族の存在や行為を否定、無視する

ような発言、態度

他の利用者に高齢者や家族の悪口等を言いふらす。 話しかけ、ナースコール等を無視する。 など

(22)

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心理的虐待

具 体 例 ( 2 )

④高齢者の意欲や自立心を低下させる行為

 本人のできることを職員の都合を優先し、本人の意思や状態を 無視した介護を行う。 など

⑤心理的に高齢者を不当に孤立させる行為

本人の意思に反して外部との連絡・面談等を遮断する。など。

⑥その他

 自分の信仰している宗教に加入するよう強制する。  入所者の顔に落書きをして、それをカメラ等で撮影し他の職員 に見せる。 など

(23)

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性的虐待

法 律 上 の 文 言

高齢者にわいせつな行為をすること又は高齢者をして

わいせつな行為をさせること。

具 体 例

本人との間で合意が形成されていない、あらゆる形態

の性的な行為またはその強要

性器等に接触したり、キス、性的行為を強要する。 性的な話を強要する(無理やり聞かせる、話させる) わいせつな映像や写真を見せる。 本人を裸にする。またはわいせつな行為をさせ、映像や写真を撮 る。撮影したものを他人に見せる。 排泄や着替えの介助がしやすいという目的で下(上)半身を裸に したり、下着のままで放置する。 人前で排泄させたり、おむつ交換をしたりする。また、その場面を 見せないための配慮をしない。

(24)

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経済的虐待

法 律 上 の 文 言

高齢者の財産を不当に処分することその他当該高齢

者から不当に財産上の利益を得ること。

具 体 例

本人の合意なしに財産や金銭を使用し、本人の

希望する金銭の使用を理由なく制限すること

事業所に金銭を寄付・贈与するよう強要する。 金銭・財産等の着服・窃盗等(高齢者のお金を盗む、無断で使 う、処分する、無断流用する、おつりを渡さない) 立場を利用して、「お金を貸してほしい」と頼み、借りる。 日常的に使用するお金を不当に制限する、生活に必要なお金 を渡さない。 など

(25)

身体拘束について考えてみよう?

大人になって、誰かに縛り付けられて、身動

きが取れなくなったことはありますか?

どこかに閉じ込められたことは?

そういう行為を誰かからされたら、どうします

か?

監禁とは:本人の意思を無視し、一定期間、特定

の場所に閉じ込めること。

(26)

身体拘束と高齢者虐待との関係

 「緊急やむを得ない場合」以外の身体拘束は、高齢者虐待に 該当する。  「緊急やむを得ない場合」として拘束が認められる例外3要件

1)

切迫性

利用者本人又は他の利用者等の生命又は身体が危険 にさらされる可能性が著しく高いこと

2)

非代替性

身体拘束その他の行動制限を行う以外に代替する介 護方法がないこと

3)

一時性

身体拘束その他の行動制限が一時的なものであること 26 上記に加え、適正手続きが必要 *個人ではなくチームでの判断(「サービス担当者会議」「身体拘束廃止委員会」) *本人や家族への説明(目的、方法、時間帯、期間などできるだけ詳しい説明が必要) 「家族の同意」があれば、例外3要件が必要ないということはないので注意が必要 *観察と再検討による定期的再評価(尊厳への配慮)⇒必要なくなれば、速やかに解除 *記録の義務付け (2年間保存)

(27)

身体拘束の例

ポイントは行動の自由を制限しているかどうか? ①徘徊しないように、車いすやいす、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る。 ②転落しないように、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る。 ③自分で降りられないように、ベッドを柵(サイドレール)で囲む。 ④点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように、四肢をひも等で縛る。 ⑤点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように、又は皮膚をかきむしらな いように、手指の機能を制限するミトン型の手袋等をつける。 ⑥車いすやいすからずり落ちたり、立ち上がったりしないように、Y字型抑制 帯や腰ベルト、車いすテーブルをつける。 ⑦立ち上がる能力のある人の立ち上がりを妨げるようないすを使用する。 ⑧脱衣やおむつはずしを制限するために、介護衣(つなぎ服)を着せる。 ⑨他人への迷惑行為を防ぐために、ベッドなどに体幹や四肢をひも等で縛 る。 ⑩行動を落ち着かせるために、向精神薬を過剰に服用させる。 ⑪自分の意思で開けることのできない居室等に隔離する。 出典:「身体拘束ゼロへの手引き」(平成13 年3 月:厚生労働省「身体拘束 ゼロ作戦推進会議」発行) 27

(28)

ケガの予防や認知症の行動障害の防止策と思われがちな「身体拘束」だが、問題となってい る行動の目的や意味が理解されず、適切な介護や支援が行われないことで、高齢者本人の 状態はむしろ悪化し、心身に重大な影響が生じることが明らかになっている ・ベルト、柵、紐等による行動制限 ・つなぎ服やミトン型手袋の使用 ・立ち上がりを妨げる椅子の使用 ・向精神薬等の過剰服用 ・鍵つき居室等への隔離 筋力低下、関節の拘縮、心肺機能の 低下などを招く 不安や怒り、屈辱、諦め等 から、 ・認知症の進行や周辺症状 の増悪を招く ・意欲が低下し、結果的に ADLの低下を招く 拘束しているが故に、 無理な立ち上がりや柵の 乗り越え等により、 重大な事故が起きる危険も 28

(29)

発見・通報について

保健医療福祉関係者には早期発見努力義務(第5条)

「高齢者の権利を無視した行為の放置」は、養介護施設

従事者等による放棄放任にあたる

通報義務>守秘義務(第21条)

 通報義務は、業務上の守秘義務、個人情報保護義務等よりも 優先される  「思われる」で通報できる(証拠、根拠は必要なし) 

通報した者を特定させる情報は洩らされない(第23条)

通報等による不利益取り扱いの禁止(第21条7項)

 通報等をしたことを理由に、解雇その他不利益な取扱いを受けない  ただし、虚偽であるもの過失によるものを除く

(30)

参考判例

施設には

「虐待の真相を徹底究明する義務」

「虐待の事実を告げた職員を守る義務」

「職員が外部に通報した場合でも不利益を課さな

い義務」

の3つの義務がある

(ルミエール虐待2008年札幌高裁判決文より)

30

(31)

高齢者虐待・不適切なケアが起きたらどうするか

速やかな初期対応

利用者の不安解消 →安全安心の回復・権利侵害からの回復 事実確認 保険者への連絡(通報は義務!) 組織的な情報共有と対策の検討 個人の問題とせず、「なぜ起きたのか?」を把握する 本人・家族への説明や謝罪 原因分析と再発防止の取り組み →個人レベルではなく組織レベルへ •正確な事実確認 •情報を隠さない (認知症介護研究・研修(仙台・東京・大府)センター「高齢者虐待を考える」養介護施設従事者等による 高齢者虐待防止のための事例集を参考に一部改変)

(32)

通報先

養護者による高齢者虐待

地域包括支援センター・区市町村

養介護施設従事者等による高齢者虐待

その施設・事業所のある区市町村

⇒区市町村による調査が行われる

32

(33)
(34)

34

「不適切なケア」を底辺とする「高齢者虐待」の概念図

顕在化した虐待 非意図的虐待 意図的虐待 「緊急やむを得ない」 場合以外の身体拘束 不適切なケア 「高齢者虐待を考える」養介護施設従事者等による高齢者虐待防止のための事例集 (認知症介護研究・研修 (仙台・東京・大府)センターより) グレーゾーン

(35)

<介護保険のチーム> 情報共有の不足 コミュニケーションの不足 アセスメント不足 チームメンバーの不足(医療連携等) 利用者・家族との不適切な関係 <世帯> 頼れる家族の不在 家族からの虐待 不適切なケアの要求 経済的困窮 <組織> 虐待に関する認識不足 職員を支える体制の不足(研修受講、相談等) 報告・連絡・相談の課題 苦情対応体制の課題 組織としての理念とその共有の課題 組織風土の課題 <本人> BPSD等 本 人 家 族 <職員個人> 虐待・認知症ケアの 知識や技術の不足 倫理の課題 ストレスマネジメント 従 事 者 管 理 者 等 保険者 <保険者> 研修機会の 提供や集団 指導の不足

(36)

虐待防止のためには

個人

の意識改革と

(37)

身元保証をめぐる課題

本来は従業員が雇い主に被害を与えた際の賠償を保

障する契約

 「契約・サービス利用料の支払いの確保等」  「緊急連絡先の確保」  「本人の死後の問題への対応」のために慣習化  これを求めることによる「身寄りの縁のない高齢者」のサービ ス利用からの排除が社会問題になっている  利用者が不安を感じた場合には、東京都消費生活総合セン ターに相談できる(℡03-3235-1155)

(38)

任意代理契約 判断能力がしっかりし ていても体が動かな い場合(入院など)の 支払いや金銭管理、 難しい法律行為への 相談支援の際によく 利用する契約です。 死後の事務 委任契約 病院への清算や葬儀 など、亡くなった際に 関 連 す る 事 務 を 前 もってお願いしておく 契約です。 遺言 財産を誰に 残したいか 等の望みを 形にしてお きます。 公 証 役 場 で の 契 約 の 締 結 ご 本 人 の 死 亡 注意! 「ご本人の判断能力が衰えても任意後見監督人選任申立を行わずに金銭管理 の任意代理契約のまま財産管理を行う」という形での悪用例が出ています。 詳しくは東京都福祉保健局URL参照「任意後見制度に関係する悪質な犯罪行為にご注 意ください」 http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kiban/sodan/kouken/kouken_kakki.html 判 断 能 力 の 衰 え 38 任意後見契約 判断能力が衰えた際、 任 意 後 見 人 候補 者 等 が 家 庭 裁 判 所 へ 「『任意後見監督人』 選任の申立」を行うこ とで任意後見人の支 援は始まります。 これら4つの契約は、 別々の契約です

(39)

自立

尊厳の保持

虐待防止を目的として取組むのではなく、「その人らしい イキイキとした生活への支援」のプロセスとして虐待防止 をとらえ、組織として取組みを行う。 「自立」とは、「人が要支援・要介護状態になっても、可能な限りできる 範囲で、可能な限り自分らしい生活を営むこと、自分の人生に主体 的・積極的に参画し自分の人生を自分自身で創っていくこと」

(40)

参考資料・参考文献

 厚生労働省老健局『市町村・都道府県における高齢者虐待への対応と養護 者支援について』平成18年4月  厚生労働省 平成18年度~23年度 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者 に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果  認知症介護研究・研修仙台センター「介護現場のための高齢者虐待防止 教育システム」,2009  認知症介護研究・研修仙台・東京・大府センター「高齢者虐待を考える 養 介護施設従事者等による高齢者虐待防止のための事例集」,2008  東京都『高齢者虐待防止に向けた体制構築のために ―東京都高齢者虐 待対応マニュアル―』平成18年3月  (社)日本社会福祉士会編『市町村・都道府県のための養介護施設従事者 等による高齢者虐待対応の手引き』平成24年3月 40

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