【論 文 】
』
日本 建 築 学 会構 造 系論 文 報 告 集 第435号・
1992年5月Journat of Strdct
.
Constr.
Engng,
AIJ,
No.
435,
May,
1992数値解析 手 法
に
よ
る
薄板
の せ
ん
断座 屈
後
挙 動
に
関
す
る
研
究
ON
POST
−
BUCKLING
BEHAVIOR
OF
THIN
PLATES
層
UNDER
SHEAR
FORCE
BY
NUMERICAL
METHOD
’
鈴 木 敏 郎
*,木 村 克 次
* *,
元結
正次
郎
** *
Toshiro
50Z
, 檢 広
吻
ゴKIMURA
andShOjiro
MOTOYUI
」
This paper describes the relation of
buckling
behavior
and tension fieid phenomenon of thinplates
under shearforces
.
’
lt is
known
that thin plqtes under shearforce
buckle
when theload
level
reaches the shearbuck
二1ing
strengt }l atf
主rstε}hd the stress condition of thin plates
belongs
to tensionfield
afte∫thebUck
.
ling
behavior
.
But it is unknown how the 且ateral
displacement
distribution
of thin plates changesfrom
buck−
ling mode to wrinkling mode.
ト
In
this paper,
weillustrate
the results of calculating thebuckling
behavior
and the post−
buckling
behavior
withfinite
element method considering geometrical non−
linearity,
and clarify the processfrom
thebuckli
・
ng mode to wrinkling mode.
・
KeywOiils
:shear buckling,
tensionfield
,
thinPlate
,
geometrical nanlinear analysisせ ん断 座 屈
,
張 力 場,
薄板,
幾 何 学 的非 線 形 解 析L
序 純 せ ん断応 力 が作 用し て い る薄 板の座 屈 後 挙 動は, 単 純に圧縮 力が作 用 する場.
合の座 屈 挙 動とは異な り座 屈し た後も非常に安定し た挙 動 を示すことは既に多くの論 文 に よ り明ら かに さ れており, そ の現 象は通 常 張 力 場 理論 を用い て説 明さ れて い る。
こ の張 力 場 理 論はWagner
に よ・
りプレー
トガー
ダー
の ウェ ブの鋼 板の せ ん断 耐 力が せ ん断 座屈 耐 力 を 超 え たのち も 上昇するという現 象を説 明 す る た めに考え出さ れ た もの で あ り]),
せ ん断 座 屈 後 再 び安 定し た挙 動に 移 行し たの ちの 釣 合い 状態を求め る た めに考 案され た工学 的に非 常に有益 な 理 論で あ る。
その 後,
様々な 展 開 を 受け, 張 力 場理論は確立さ れ て き た が2}.
7LSI,一
方で ;’
せ ん断 座 屈 後 どの よ う な過 程で張 力 場に至る の か につ い て は,
感 覚 的な解 釈は さ れてい る も の の実 際に は不 明確な点 が 多いの が 現状で あ る。
す な わ ち,Fig.
1に示す よ うに作 用せ ん断力と代表点にお け る 変 位と の関 係で い う ならば,
座 屈 前の関係 (線形 理論 ) お よび 座屈後か な り耐力が上 昇し た段 階で の関 係 (張 力 場 理 論 )が 現 在 明ら かに さ れてい るの み で,
’
そ の間を ど のような経 路で前 者の釣 合い か ら後 者の釣 合いへ 移 行す る かが明らか に され ていない ので あ る。
本来張 力 場 理論 は曲 げ剛 性が零とい う非 常に大 胆な る仮 定 をお く こと に より, 解 析 的に シ ワ発 生 現 象 を解 明可 能にする こ とを目 的とした略 算 的 手 法で あり,
こ の ような解析 的 手 法は シ ワ 発生現象 の 傾 向 を探る に は最 も適 した手 法である もの の, 実 際の鋼
板の よ うな場 合 必ず有 限の曲げ剛 性を有レ て お り その曲 げ剛 性の影 響』
(現 象 上か らみれ ば不 完 全 張 力場に おける せ ん断 座 屈と張 力場との関 係 )につ い て明 らか にする ことは張 力 場理論を用い ては不 可 能であ る。
ま た近 年 膜 構 造を対 象と し て張力場の概 念を有 限 要素法 に組み込ん だ解析 手法がMillerS
〕,
西村ら!)・
1°) によっ て 誘 導さ れ,
さ らに張 力 場上で生 じ る座屈波形 を シ ワ波o Disp]ac
¢
ITIL’
tltFig
.
1 Load・
d
】splacernent curve 摩東京工業大 学 エ 学 部 建 築 学 科 教 授
・
工 博 榊 東 急 建 設 構 造設計 部 部 長** * 東 急 建 設 構 造 設 計 部
・
工 博Pro‘
.
,
Dept.
o ‘Architec重ure,
Faculty ofEngineering
,
Tokyo Institute of Technolegy,
Dr.
Eng.
General Ma 皿ager
,
Dept.
of Struct.
Design,
Tokyu CQnstructlon.
Dept
.
Qf Struct.
Design,
Tokyu Construction,
Dr.
Eng.
Architectural Institute of Japan
NII-Electronic Library Service Arohiteotural エnstitute of Japan
(wrinkles )と折 り目 (
folds
)と区 別 し た上で折り目 につ いて挙 動 追 跡を可 能にす る幾何学的非線形 性を考 慮 し た 解 析 手 法 が,Contri
ら1 ],
Bauer5
)に よっ て提 示 さ れ てい る。 著 者らも後者の論点か ら静的・
動的両解析を 行い,
内 部に発 生す る圧 縮 力 を膜 が 解 放し てい く 過程で 折 り 目が生 じ る こ とを 示し た13 )・
M )。
こ れ らの数値解 析 手 法は複 雑な形 状 あるい は複 雑な境 界 条 件 を有す るものに 対 して も張 力 場 理 論 を適 用 可 能にする とい う点 また巨 視 的に み た張 力 場 発 生 後の挙 動 追 跡を可 能にする点で注目 に値す る が, 当 然の ことなが ら,
上 述し た有 限 曲 げ 剛 性 を有す る薄 板のせん 断座 屈 と張 力 場 との関 係につ い て そ れ らの解 析 手 法 を用い て明らか にする ことは不 可 能で あ る。 こ の よ う な薄 板の せん断 座 屈お よ び座 屈 後 挙 動は幾何 学 的 非 線形 問題と して評 価する ことによ り初め て 挙動 追 跡・
把 握す ることが可 能 となる ことは明ら か であるが, 同様な座屈 問題で あ る 圧縮 力を受け る柱や板の座屈 など が古く か ら座屈後 挙 動も含めた変 形 領 域につ い て究 明さ れ てい るにもか か わ らず,
せん断 力 下におけ る挙 動につ い て は解析 上の困 難 さのためにその よ うな解 析に よる研 究は十 分に は行わ れ て い な い の が現 状で ある。 しか しなが ら,
様々な数 値 解 析 手 法が確 立 され高 度な 非 線 形 方 程 式の取 扱いが容 易になり様々 な問 題に適 用 さ れ て い る現在,
張 力 場とい う略 算 的手 法 を用い な くとも 薄 板のせ ん断 力 下での実 挙 動の解 明 も また可 能と なっ て きてい るものと 思わ れ る。
そこで本 論 文で は有限の曲げ 剛性を有す る薄 板が せ ん 断 力 を受け る場 合の挙 動につ いて着 目し, 幾 何 学 的 非 線 形 性 を考 慮 し た有 限 要 素 法 を用いて忠 実に挙 動 追 跡する ことで そ の座屈 挙 動お よび 座屈 後の シ ワ発生現 象へ の移 行 する過 程が とらえられ ることを示 すと ともに現 在 推 測 で し か ないせ ん断 座 屈か ら張 力 場へ の移 行 過 程につ い て 明 ら かにす る。
2.
解 析モデル 本論文では,
薄板の材料特 性と しては等方弾性と し,
形 態と して は張 力 場を形成す る最も典型的な例と し て 長 方形 薄 肉弾 性 体が せ ん断力 を受け る場合につ いて考え2node8
beam
element
Rigid bea皿 2
8node5
sheli
element
E
畳
鳥 配羅
X四、
伽, Zlwρ5〕 mgid be巴m 3一
110
一
一
Fig
.
2 Analytical modelる
。
薄 肉弾 性体の境 界条件として は, 周 辺 単 純 支 持とす る と と もに微 小 変 位 時に純せ ん断 応 力状 態とな るよ うにFig.
2に示すよ うな設 定を行っ て い る。
具 体 的に は,
・
辺 上の節 点につ い ては,
u,
v、
w の並 進変位成分の み拘 束する。
。
辺 上の節点につ い て は 並 進変位 成 分の う ち ω の み を拘束す る。。
辺 上の 節点につ い ては並 進変位成 分の うちw およ び 回転 変位成 分の う ち θ。を 拘束す る。
・
片 持ち梁 状態 か ら生じ る全体的な曲 げ応 力 を排 除す る た め に辺 上に剛な断面性能 を有す る梁要素を配す る。 た だ し,
単 純 支 持を表現す る た めに ね じ れ 剛性は零 と して いる。 ま た,
辺 および辺 の交点は各 梁 要 素がピン接 合とな る よ う に設 定し てい る。 解 析に用いたモ デル の薄 肉 弾 性 体の デー
タ値 は,
材 料 定数と してヤング係数E =2100t
/cmZ , ボア ソン比 v=
0.
3と し,
ま た 形状デー
タ と して幅 厚 比b
/t=
1000 (t
==O.
1 ,b
= 100.
0), 辺長 比 α=
1.
5 (a=
150.
Oc皿,
b=
100.
Ocm
)と設 定 し てい る。
また周 辺の境 界 梁につ い て は剛 な 断 面 性 能 を確 保 する ために断 面 積 A=
1.
OX105
cm2,
断 面 2次モー
メ ン ト1=
1.
0×IO5 cma を設定し て い る。
なお,
実 際に用い た要 素タイ プと して は,
薄 肉弾性体 の部 分が 8節 点シェ ル要 素]1 )であり,
周 辺 梁 部 分には通 常の 2節 点 梁 要 素 を採 用して い る。 シェ ル要 素による分 割 数は長 辺 方 向に 16, 短 辺 方 向に 8 と して い る。 幾 何 学 的 非 線 形 性 を考 慮する場 合の定 式 化とし て は,
ひずみ な らびに回 転につ い ては変 位に比し小さい もの と仮 定し て お り,
ひずみ お よ び応 力につ い てGreen
の ひずみ,2
nd Piola・
Kirchhoff
応 力 を そ れ ぞ れ用 い たTota
且・
Lagrange 定式 化を採用している
。
解 析手順と し て は, まず上 記で設 定した モデル を用い て計 算 式に よる推 定 座 屈 荷 重の 1/4程 度を加 力した の ち 座 屈解 析を 行い, 座 屈 荷 重お よび座 屈モー
ドの算 定を 行っ ている。
次に得ら れ た座 屈モー
ドを初 期 不 整と して モ デル に付 加した状 態で辺 の中 央 点の変 位 制 御に よ り 有 限変位解 析を行っ て い る。
た だし,
変 位 制 御で解 析を 行う場合制 御点の変 位 が 逆 行す るよ うな現 象は追 跡でき ない。 この よ う な 場合に は一
旦別の釣 合い経 路に移 行さ せ た後 制 御点の変 位を減少させ る こ と によっ て そ の移行 区 間の挙動 を極 力 再現 す る手 順 を踏んで い る。
な お,
初期 不 整 として与え るモー
ドの振 幅の大きさに つ いて は板 厚の 1/100とし て い る。3.
解 析 結 果 3.
1 座 屈 挙 動につ い て Fig,
3
は初 期 不 整な しの状態で微 小な せ ん断 力 を作用 さ せ た と き の線形 座屈解 析の結 果で,
1次一
4次の座 屈 N工 工一
Eleotronio LibraryFig
.
3a Buckling modeFig
.
3c Buckhng modei モ
ー
ドの面 外 変 位の分 布 状 態を表して い る。1
次モー
ド 図 中のQ
。。t は数値解析に よ る値で あ り,Q
。i の値は次 式に よっ て求め た結果を示し た もの であ る。
Q
・t−
[
・ 1,告
9
、、)(
吾)
1
・
bt
..
..
(1 )i、)h=
5.
34十4・
(b
/α)1 両 者は よ く対 応し て おり解析上設 定し た モ デル化が妥 当であること を示 して いるtu1) 。 既に多く の文tUil
’ で報告さ れ てい る よ う に1
次の座屈 モー
ドは非 常に単 調.
な波形 を 示 しており,
張力場におい て想 定して いるいわ ゆ る シワ波 形と は直 接 結びつ くもの では な く,
同 様に2
次 以 降の座 屈 波 形も張 力 場を 想定す る に は不 満 足な分布 状 態と なっ て いる。 次に上 記の座 屈モー
ドを 初 期 不 整として与えて行っ た 非 線 形 解 析 結 果につ い て述べ る わ けであ る が,
膜の よう に板 厚が非 常に薄い場 合に は初 期 不 整に敏 感に屎応する ために初 期 不 整の存在状態の乱れ が その後の挙 動に多 大、
な影 響を与え ること が文 献4 )に記さ れ て ている ご と か ら,
まずこ こ で は本解析モ デル の場合 (幅厚 比 = 1 OOO) の初 期 不 整の分 布 状 態が座 屈およ び座 屈 後 挙 動に与え る 影 響につ い て簡 単な検 討 を行 う。 Fig.
3に示 し た座 屈モー
ドの う ち 3次モー
ドお よび4 次モー
ドにつ い て は.
より低い座 屈 荷 重 点におい て それぞ 注1):式 (1)は近 似 式であるが辺 長比 1.
5の場合精算値と よい対 応 を示すこと か ら本 式に て比 較 検 討し て いる。
1
Fig
.
3b Buckhng modeFig
.
3d
Buckling mod ざれ ユ次モ
ー
ド, 2次モー
ドに吸 収さ れ る こ.
とは明 白であ るの で省略す るもの とし, 2次モー
ドを初 期 不 整 として 与えた場 合につ いて数 値 解析 結 果を通してその影 響を検 討する。Fig.
4に荷 重変 位曲線を示す。
縦 軸は せ ん断 力Q
を 1次せ ん断 座 屈荷重Q
。1で無 次 元 化し た値を,
横 軸は 図中
に記 して各点で の面外 変 位 W を板 厚 tで除 し た 値 を そ れ ぞ れ表し ている。
また Fig.
5はFig.
4 中に示 し た 各 荷 重レ ベ ル での面 外 変 位 分 布 状態を示し てい る、
両 図 か ら, 2次モー
ドで初 期 不 整を 与 えてい る た めに座屈荷 重 点 以 前の段 階一
A一
に て そ の モー
ド分 布に応1
じ た面外変位が増 加している のが わ か る
。
し か し な が ら1
次 座 屈 点 近伊で極めて数 値 的に不 安 定な状 態と な り,
別の釣合いQIQ
・11.
o
△.
B冒
△・
△・
O.
5・
A−
q!qd=
o.
19−
Bg q/Qd昌
1、
聞一
G Q/q・
1=
1」3 w /t一
〇.
05
0
.
0
o.
05
0.
10
Fig
.
4 Load.
displacement curve0.
15
Architectural Institute of Japan
NII-Electronic Library Service Arohiteotural エnstitute of Japan
QIQ
・] 30.
0
20.
o
10.
O
ん髭
曹
A・
Q/Qcl=
1.
OD−
B−
Q〆Qcl=
2,
14−
C−
Q/Qd=
6、
31−
D−
Q〆Qd=
11、
31−
E−
QIQci≡
s.
!4曹
F曹
Q〆Qd 冒 30!墨4/
L’nea 「s°【’
つ・
D・
−
C−
/密
γ
・▽
.
急
Fig
,
5a Lateral displacementFig
.
5b Lateral displacement0』
−
B・
0.
5 1.
OFig
.
6 Load.
d亘splacement curve一
2.
O圃
1.
D D.
0 1.
0 2.
O Fig.
7a Load.
Lateral displacement curveQ/Qd
1
30
・
o一Ω
昏
叶一
Q−
1
20』 10,
W /tFig
.
5c Lateral displacement一
4・
0−
2,
0 0.
0 2.
0 4』Fig
.
7b Load・
late[a [displacernent curve経 路に急 激に移 行す る現 象が み ら れ る
。
移行し たの ちの 面 外 変 位 分 布状態は もは や 2次 座 屈モー
ドの よ う な逆対 称モー
ドで は な く,
1次モー
ド同様 対称モー
ドと なっ て お り後述 す る初 期 不整 と して1
次モー
ドを与え た 場合の 解 (Fig.
10参 照)とよく対応し てい る。
以上の ことか ら,
本 解 析モ デル の場 合に は,
2次座屈モー
ド以 上の高 次の モー
ド形の初 期 不 整の場 合,
ある程 度 変 形が進 行してい く過 程で 1次モー
ドに吸収さ れ る た め に本論 文で取り扱 うよ うな座屈 後の大 変 形 領 域での挙動には そ れ ほ ど 影 響 を与え ないもの と判 断さ れ る。 3.
2
座屈 後 挙動につ い て こ こ で は 座屈 後さら に変形 が 進 行 し た 領域につ い て検 討 する。 与え る初 期 不 整と しては 上述 し た よ う に2
次以 上の座屈モー
ドにつ い て は無 視して1
次モー
ドのみ と し て い る。
Fig
.
6,
Fig,
7に荷 重変 位 曲線を示す。
Fig.
6は荷重 と荷 重 方向の面内変位関係を,Fig.
7a,b
は荷 重と図 中 に示 した各 点で の面 外 変 位との 関 係を そ れぞれ表し てい る。
無 次 元 化の方 法は前 述と同 様である。
Fig.
6から薄 肉 弾 性 体 内 部の面 外変位の変 動に かかわ らず 作 用せ ん断 力と荷 重 点にお け る荷 重 方 向変位との関 係は座屈 直後に緩や かに勾配 が変化 す るがその後は直線 的であ り,
その意味で は せん断座 屈後の挙 動は非常に安 定してい る よ うにみ え る。
た だ し,
変 形が さ らに進ん だ 段 階 (荷 重 レ ベ ルー
D−
)に達 し た直 後 数 値 的に極め て不 安 定な状 態と なり,
その結果荷重,
変位と もに急 激に減一 112一
N工 工一
Eleotronio Library' Fig8a Fig.8b Fig.8c Fig.9aPrmcipaldirection
'
Principal Prlncipal Principal stresses stresses stresses Fig.9bPrincipal ' direction-113-Architectural Institute of Japan
NII-Electronic Library Service ArchitecturalInstitute of Japan Fig.10a LateraldispLacement Fig.10c ttt
t t tt
Lateral-.t
.
,
Fig.10e Lateral displacement.t
-tt
'
:/t :,
'
t/tii
ii
displacernent114
--Fig.11
Bucklingmede Fig.10b-.tt
Lateratdis-/4
Jt
i
placement'
・
Jtt
' + +- i Fig. 10d--i-Lateralw'
..
t/..1,+
-l -+ J- -d --disptacernent Fig.1OfLateraldisplacement Fig12Configuration少し
一
旦一
E一
点に ま で戻り そ の後 再び ほとん ど 同一
の 直 線上 を 上昇 する とい う逆 行 現 象 (図 中 細 線で示す)が生 じて いる。 こ こ で,
こ の座 屈 後の勾 配 を完 全 張 力 場 理 論 による解と比 較す る。
張 力 場環論による一
定ひずみ状態 (本 解 析 対 象に相 当 〉で のQ
−U
関 係 は次 式で与え ら れ る。Q
一礬
・
σ一 臨・
・……・
………・
…・
……
(・)こ れ かう座 屈 前の勾配
Kiin
。ar と張 力場状態で の勾配・
Kten
の比 は 次の よ うにな る。
K・。 。/・・ineaT
一
一
・釧 ・一
・,
3)……・
(・) 本 結果 に よる勾配の変 化をFig.
6か ら求める と o.
72 となる。1
割 程 度 本 解 析 結 果が大き く なっ て いる が,
後 述 するよ うに境 界 周 辺 部分は張 力 場 状 態と なっ ていない こ とを考 慮す れ ば妥 当な数 値と思わ れ る。
.
一
方,
面 外 変 位に着 目「
する とFig.
7a,b
か ら わ か る ように上述の座 屈 解 析に より算 定 され たせん断 座 屈 耐 力’
点で 1次の モー
ド形の面 外 変 位が増 大す るとい う いわゆ る 座屈 現象が み ら れてい る が,
その後 直 ちに端 部 近 傍の 点での変位が逆行してお り,
面 外変位の増 分 状 態が初 期 不 整と して与え た 座屈モー
ドか ら変 化し て い るのがわ か る。 せ ん断 力が増 加して い くにつ れこ の ような現 象 がよ り中 央 部に近い点の変 位へ と徐々 に波 及してい き,
さ ら に荷重が増加 し た,
段 階一
D一
に お い て再び数 値 的に不安 定 な状 態と な り全く別の 釣 合い経 路に飛び移る現 象 が 起こ る。 特にFig.
7b
に示す よ うに中 央 点の面 外 変 位は座 屈 荷 重 点 以降成 長 したの ちジ荷重レベ ルー
D 一
に お いて 急 激 な変化 を示し実質 上零に等しい値に まで減 少して い る。 こ の極め て強い非線形 性 を示す現 象を明ら か に す る た め に次にFig.
6中に示 し た各 荷 重レベ ル で の応 力度分布 状 態お よび面 外 変位 分 布 状 態にっ い て述べ る。
ま ず,
.
Fig、8に各 荷 重レベ ルでの最 大 主 応 力・
最 小 主’
r 応・
力の分 布 状 態を示 す。
ただ し,
図 中の値は次式にて求め た値に て無 次 元 化し て い る
。
a
.
≒筆
’
……………・
…・
・
……・
…・
・
………
(・)Fig.8a
に示 すように座 屈直後の荷重レベ ルー
A一
で は極 めて狭い範囲で最大・
最 小主 応力と もに存 在して お りほ ぼ純せ ん断 状 態が保たれて い る。
こ の ことは座屈により 生じた単調な面 外 変 位の応 力 状 態に及 ぼす影 響は小さい こと を意 味す る。
また座 屈 後 徐々 に薄 板の 中 央 部 分に最 大 主応 力が集 中し始め る一
方で最 小 主 応 力が減 少し てお り応 力の流れ が一
方 向を示す よ うになる (Fig,
8b)。
そ の後 数値 的に安定な状態になっ た段 階一
F 一
での応 力 分 布 状態 は,
境界 付近,
特に 2方 向を境界に接してい るコー
ナー
部 分では その 拘 束 効 果に よ り負の最小 主 応 力 が か な りのオー
ダー
で存在している もの の,
中央部分で は最 小 主 応 力 と 最 大 主 応 力 との比 が 0.
10以下と なっ ており張 力 場に近い状態と なっ て いる。 完全 張 力 場理論に よ る解 と比較す る と,
無 次元化に用い た応 力度 (式 (4 )}が一
様 な ひずみ状 態で の張 力 場 理 論 によ る解で あ るこ と お よ び本解析 結果がFig.
8c1
に示す よ う に中央 部 分で 1.
0 近 傍の値と なっ てい ること か ら両 者は ほ ぼ対 応して い る こと が わ か る。
な お,
荷 重 レベ ルー
A − F 一
で の主応 力の 方向をFig.9
に示す。
Fig.
ユO
は各 荷 重 レベル で の面 外変位分布を示し た も の で あ る。
まずFig.
10a
に示す座 屈直後の荷重レ ベ ルー
A 一
での面外変位分布はFig.3.
に示し た座 屈モー
ドと よ く一
致してお り,
圧 縮 力下で の座屈挙 動同様初期不 整と して与えた座屈モー
ドと座屈時の変 位増 分モー
ドが 等 し い こと が わか る。 しか しな が ら,
荷 重 変 位 曲 線に て端 部 で の変 位が逆行し て い る ことか らも わか るよ うに コー
テー
部の 負の変 位 領域 (青色部分)が 拡 大 してい く ど と も に そ の局 所 的な波 形の極 大 点が中 央 部に移動 して いく 様子 が み ら れ る (Fig.
10 a−
c)。
ま た さ らに変 形 が 進 行 した段 階で の変 位分布図 (Fig.
Iod
)に はコー
ナー
部に 次の正の変 位領域が生 じ てい る (緑 色 部分)。
この よ う な新た な波の発 生お よびその 波の中 央 部へ の伝 播の結 果, 中 央 部に おけ る正の変 位 領 域での波 形は振 幅 (面 外 変位 〉が成 長す る一
方で波 長が次第に短く なっ てい くこ と が わ か る。
.
. ・
、
「
」
点
一
D 一
に 到るまで上
述の 現 象は継 続 され る が,
点一
E 一
へ 移 行す る過 程で そ れ ま で対 角 線に対 し て対 称であっ た 波形が非 対 称な変 位 分 布に変 化してい る。 こ の現 象 を説 明 する ために数 値 的に不安 定に な る点一
D一
で座屈解 析を 行っ た結 果 をFig.
11 に示 す。 図か.
らわか るように求め ら れ た座 屈モー
ドに前 述し た線 形 座 屈 解 析の低 次の モー
ドと は も は や対応 して お らず,
.
その段 階での面外変位分 布状 態 (Fig,
10d >の 稜 線, 谷線部 分と座 屈 波 形の節 部 が位置
的に ほ ぼ対 応す る モー
ドと なっ てい る。
ま たこの座屈モー
ドは数 値 的に再 び 安 定し た段 階で の 面外変位状態と 比較す る と よ く対応してお り,
こ の こと は急激に変位モー
ドが対称モー
ドか ら非対称モー
ドへ 移 行す る とい う非線形解析の結果が妥当な もの であ るこど を意味してい るe2) 。 こ のよ う なモー
ドの 急激な変化は 近藤7} やMansfield6
} らによっ て既に一
部 想 像されて い た が, 実 際に は次の よ うな原 因に よっ て生 じる。
すな わ ち, 座 屈 後 作 用せ ん断 力が大 きくな る につ れ単 純な座 屈モー、
ド波形が成 長 する の で あ る が,
変 形が進 行す る過 程でコー
ナー
部におい て 注2)’
こ の よ うに対 称モー
ドか ら非 対 称モー
ドへ 移 行する現 象は本来分岐座 屈現象で あ る が,
本解析では解析モデ ルが有し ている極め て小さ な非 対 称 性か ら外 乱を与え な くて もその挙 動 追 跡が可 能 となっ て い るものと思わ れる。
そのた めに こ こで は得ら れ た非 線形解 析結果の 妥 当性を固 有 値 解 析に よ り確 認して いる。
一
・
−
115
一
Architectural Institute of Japan
NII-Electronic Library Service Arohiteotural エnstitute of Japan
ー
QL
一
Q
剛 。nFlg
.
13 Condition afterbuekling
座屈モ
ー
ド波 形と は異な る波 形が発 生す る。
そ の波が 徐々 に中 央 部へ 伝 播 する結 果 中 央 部の 波 形は振 幅が成 長 する反 面 波 長が短 く な り,
座 屈直後は薄板全体を占め て い た波 形がバ ン ド状の局所的な波 形に 変 化す る。
この変 位モー
ドが変化す る 挙動は せ ん断 座屈後の 直接 基 本 釣 合 い上に存 在し て お り,一
様圧 縮 力 下での球 形シェ ル の軸 対 称 座 屈 挙 動に もみ られ る現 象で あ るe こ の バン ド状の 面 外 変 位の局 所 的な増 加と ともに応 力の釣 合いか ら生 じ る正の最 大 主 応 力 もま た増 加す る(主 応力図 :Fig.
8b
>。
Fig.
13はその よ うな状 態の概 念 図を示したもの で あ る が, 当然ながら増 加す る正の主 応 力は面 外 変 位の急 激な 増 加を次 第に拘 束 して い く。
こ の ことは Fig.
7で荷 重 レベ ルー
B 一
か ら荷 重レベ ルー
D 一
に至る間の荷重と中央 点 で の面 外 変 位 との 関 係が下に 凸の 曲 線に なっ て いること か らも理 解さ れ る。 さ ら に そ の拘束効 果が徐々 に大き く なり,
荷 重レベ ルー
D 一
を越えた直後 局 所 的に成 長し てき た中 央の面外 変位が 正の主 応 力に よ り押し戻さ れ面 外 変 位波 形 が よ り複 雑に 分 割 され る結 果と なっ て い る (Fig.
10e)。
ま た その後の変 位 分 布 状態 を み る と前述 の座 屈 直後の挙 動 同様コー
ナー
部で発生 し た波が中央 部 へ 伝 播 され る現 象が みられて いる が,
継 続 的に面 外変位 波 形が増え続 けるの で は な く,
荷重レ ベ ルー
F 一
以 降は変 位波 形 状 態は変 化せずそ の波 形 振 幅の みが 成長し て い き 数 値 的に は安 定し た状 態が最 終 段 階 (QIQCi
=
9326 ) まで継 続し た。
面 外 変 位 波 形 方 向はFig
.
10f
の面 外変 位分布図 をみ る か ぎり ほ ぼ薄 板 全 体で一
定 方 向とな っ て お り その値は約42度と先の最 大 主 応 力 方 向と よ く対 応 し てい る。
以上の考 察か ら本 解 析 結果 は 張 力 場 理 論 に て想定 して い る シ ワ発 生 現 象を 十 分な精 度で追 跡し て い るもの と考 え ら れ る。
最後に極めて大きい せ ん 断 力 (QIQ
。i;
9326 ) 下での変形 状態に つ い て,
よ り視 覚 上と らえや すい よ う に コ ン ピュー
タ グラ フ ィッ ク に よ る変 形 図を Fig.
12に 示す。
一
116
一
4.
結 論 本 論 文で は薄肉弾性 体がせん断 力 を 受ける場 合の座屈 挙 動お よ び座 屈 後 挙 動と し ての張 力場がどの よ う な移 行 経 路 をたどるの か を,
幾 何 学 的 非 線 形 問 題と して解 明 を 図っ た。
その結 果 次の点が明ら か とな っ た。・
せ ん断座 屈 耐 力 を越え た直 後せ ん断 力 とその荷 重 方 向 の変 位 との関 係は緩や かに勾 配が変 化 する が,
そ の後は 単なる単調 増 加で は な い もの の ほ ぼ 直 線 的な関 係を保 つ o ・与え る初期 不 整の波 形 として は本 解 析 例で は最 低 次の 座 屈モー
ド を考 慮すれ ば座屈後の挙 動は十分解 析で き るQ 。面 外 変 位は座 屈モー
ド形の全 体 的な波 形で一
旦は進 行 す るが, そ の後 徐々 に バ ン ド状の局 所 的な波 形1に変 化し て いき,
さ らに変形が進 行してい く な かで同 様に増 加 す る 正 の主 応 力に よっ て そ の座屈 モー
ド型の面外変位が次 第に 拘 束・
抑制され る。
その拘束 効果 が あ る 限 界 点に達 し た段階で, つ い に はより安 定し た全く別の釣・
合い状態 に移 行す る。
・応 力 度 状 態は せ ん断 座屈後た だ ちに張 力 場 状 態に達す るのではな く, 座屈後の面外変位の成 長状態に対応 して 徐々に部分的な領域に応 力が集 中し始め張 力場を形成し てい く。
な お,
本 論文で は幾何 学的非線形 解析に よ り薄肉 弾 性 体の シ ワ発生挙動 を追 跡す ることを主た る 目的と し てい る た めに様々な 条件下で の定暈的な検討 は行っ てい な いo こ の点につ い て は今 後 別 報に て議 論 して い く予 定であ る。
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