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G9a/GLP複合体によりメチル化されたDNAリガーゼ1はUHRF1をDNA複製の場にリクルートしDNAメチル化を制御する

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Academic year: 2021

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Title Methylation of DNA Ligase 1 by G9a/GLP Recruits UHRF1 toReplicating DNA and Regulates DNA Methylation( Abstract_要旨 )

Author(s) Tsusaka, Takeshi

Citation Kyoto University (京都大学)

Issue Date 2018-03-26

URL https://doi.org/10.14989/doctor.k21028

Right

Type Thesis or Dissertation

Textversion ETD

(2)

京都大学 博士( 医科学 ) 氏 名 津 坂 剛 史

論文題目

Methylation of DNA Ligase 1 by G9a/GLP Recruits UHRF1 to Replicating DNA and Regulates DNA Methylation

(G9a/GLP 複合体によりメチル化された DNA リガーゼ1は UHRF1 を DNA 複製の場にリクルートし DNA メチル化を制御する) (論文内容の要旨) 多くの細胞は基本的に単一の遺伝情報(ゲノム)を持ち、エピジェネティック な制御機構により細胞固有の遺伝子発現パターンを形成すると考えられてい る。ヒストンや DNA におけるメチル化修飾はエピジェネティクス制御機構の 中心的なものであり、遺伝子発現を制御し、細胞固有のパターンを示す。これ らのメチル化パターンは細胞分裂を経ても安定的に継承される。ヒストンに比 べると、DNA のメチル化パターンの継承機構は理解が進んでおり、中心的な役 割を担う分子 UHRF1 と DNMT1がすでに明らかにされた。DNA 複製直後、 鋳型DNA 鎖がメチル化されていたとしても、新生鎖 DNA にはメチル基が付加 されておらず、DNA 二本鎖はヘミメチル化状態を形成している。UHRF1 はこ のヘミメチル化状態を認識し、DNA メチル化酵素 DNMT1 をリクルートする ことで新生鎖DNA のメチル化を誘導し DNA メチル化パターンを継承させる。 しかしながら、UHRF1 がどのように効率良く DNA 複製の場にやってくるのか は不明だった。 本研究では、まず質量分析法により、UHRF1 の結合因子として DNA 複製因 子DNA ligase 1 (LIG1)を同定した。変異体を用いた解析により、UHRF1 がそ の TTD ドメインを介して LIG1 と結合すること、また LIG1 の N 末端領域が UHRF1 との結合に重要であることを示した。この LIG1 の N 末端領域はヒス トンH3 によく似た配列(ヒストン様配列)を含み、ヒストン H3 の 9 番目のリジ ン(H3K9)に相当するリジン(K126)がメチル化されることを見出した。K126 を 含むLIG1 ペプチドと UHRF1 の TTD ドメインを用いた解析により、LIG1 が そのメチル化依存的に TTD ドメインと結合することを示した。さらに、ヒスト ンH3K9 をメチル化する酵素として知られる G9a/GLP 複合体が LIG1 の H3K9 様リジンもメチル化することを in vitro のメチル化アッセイおよび G9a/GLP ノッ クアウト 細胞や阻害 剤を用い た解析によ り明らか にした。以 上より 、 G9a/GLP により H3K9 様リジンがメチル化された LIG1 は UHRF1 と複合体 を形成することを明らかにした。LIG1 は岡崎フラグメントを連結する DNA 複 製因子である。ゆえに、LIG1 が UHRF1 と複合体を形成し、UHRF1 の複製フ ォークへの局在を制御することが考えられた。チミジンアナログであるEdU を 用いた DNA 複製フォークのイメージングと免疫染色とを組み合わせた解析に より、LIG1 のメチル化が生じない細胞では UHRF1 と複製フォークとの共局 在の割合が低下することを見出した。さらに、DNMT1 も UHRF1 と同様に複 製フォークに局在しにくくなっていた。つづいて、LIG1 のメチル化が生じな い細胞における DNA メチル化のレベルを調べてみたところ、ゲノム全体に渡 る DNA メチル化レベルの低下が観察された。これは UHRF1 とそれに続く DNMT1 が DNA 複製の場にやってこれず、効率的に DNA メチル化の継承が行 われないためと考えられた。これらの結果より、G9a/GLP によりヒストン様配 列がメチル化された LIG1 が UHRF1 を複製の場にリクルートすることで、複 製にともなう DNA メチル化の継承を効率的に行うという分子機構が強く示唆 された。 本研究結果は、DNA 複製とそれにともなう DNA メチル化の継承機構の一端 を明らかにし、ヒストン様配列を持つ非ヒストンタンパク質のメチル化修飾の 新たな重要性を示した点で意義深いと考えられる。 (論文審査の結果の要旨) DNA のメチル化修飾は塩基配列情報によらず遺伝子の発現を制御するエピ ジェネティクス機構のひとつであり、細胞分裂の過程で正確に複製される。本 研究では、DNA メチル化修飾の複製に必須の分子 UHRF1 の制御機構を明らか にすることを目的とした。 免疫沈降と質量分析器を用いた解析により、UHRF1 の新規結合タンパク質 として DNA 複製因子である DNA リガーゼ1を同定した。DNA リガーゼ1は ヒストン H3 様の配列をもち、ヒストンメチル化酵素として知られる G9a/GLP 複合体によりその配列中のリジンがメチル化されること、またこのメチル化が UHRF1 との結合に重要であることが示された。DNA リガーゼ1のメチル化が 生じない細胞では、UHRF1 と DNA メチル化を担う DNMT1 の DNA 複製の場 に局在する割合が大きく低下し、ゲノム全体に渡り DNA メチル化状態が低下 していることが示された。これらの結果より、G9a/GLP 複合体による DNA リ ガーゼ1のメチル化修飾依存的に、DNA リガーゼ1が UHRF1 を DNA 複製の 場へリクルートすることで DNA メチル化の複製を効率よく行うという機構が 示唆された。 以上の研究は UHRF1 分子のリクルートメント機構の解明に貢献し、DNA 複製にとも なう DNA メチル化の継承機構の全容解明に寄与するところが多い。 したがって、本論文は博士( 医科学 )の学位論文として価値あるものと認める。なお、本 学位授与申請者は、平成30年3月6日実施の論文内容とそれに関連した試問を受け、 合格と認められたものである。 要旨公開可能日: 年 月 日 以降

参照

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