TheJaPanese /buプnal of Psychonomic Science
2011
,
Vo1.
30,
No.
1,
34−
43原
著 論文
静 止 刺激
へ の川
頁
応
と
運動 刺 激
へ の順 応
が
motion
−
induced
blindness
に
及
ぼ
す
影響
井
上
和
哉
・
菊
地
正
筑 波 大 学
The
effects
of
adaptation
to
a
static
stimulus
and
amoving
stimulus
on
motion
−
induced
blindness
Kazuya
INouE
andTadashi
KIKucHI
University
ofTsukuba
*
We
examined the effect of adaptation to a static stimulus and a rnoving stimulus on motion−
induced blindness (MIB ).
In Experiments l and 2,
a static stimulus waspresented
at O,
5,
0r lOsprior to the onset of the moving stimulus
.
(In Experiment 3,
stimulus was presented O,
1,
3,
0r5sprior ,
)Adaptation
to the static stimulusdecreased
the
latency
ofMIB
regardlessif
the
adaptation sti皿 ulus
,
which was viewed with Qne eye,
was presented to the same or other eye after the onset of the moving stimulus (Experiment l).
An adaptation effect was not obtained when thelocation of a birlocularly adapted stimulus changed at the onset of the moving stimulus (
ExperF
ment
2
).
Moreover,
the effect was marginal for the stimulus adapted for 3 s (Experiment 3).
InExperinlent
4,
the presentation Qf the moving stimulus occurred 20sprior to the onset of the static st 土mulus.
Adaptation to a moving stimu !us pro!onged the disappearance latency of MIB.
Based
on these results,
we discussed possible mechanisms ofMIB .
Key
words :motion−
induced blindness,
adaptation,
perceptual filling−
inMotion
−
induced btindness (以 下,
MIB )とは,
静止 し た刺 激の周 囲に 運動す る刺激が存 在 すると,
静 止 刺 激が消 失と出 現を繰 り返 すよ うに知 覚 さ れ る 現 象で あ る
(
Bonneh ,
Cooperman ,
&Sagi,
2001 )e MIB の生 起メ カニ ズム につ い ては
,
これ まで運 動 刺 激 側の要 因 が キに 強 調さ れ てきた。
例え ば注 意 競 合 説で は,
運 動 刺 激に優 先 的に注 意 が向け ら れ,
静 止 刺 激に注 意が向かな くな る た め に,
静 止 刺 激が消 失する と仮定 して い る(Bonneh et al.
,
2001
)。 ま た,
面によ る遮 蔽 説で は,
運 動 刺 激が知 覚 的な面を形 成し,
その 面 が 静 止 刺 激 を 遮 蔽 す るた め に静 止 刺 激 が 消 失 す る と仮 定 して い る 〔Graf,
Adams ,
&Lages
,
2002 ;Lages,
Adams,
&Graf,2009
}。
し か し
,
運 動 刺 激に関 係 する要 因だけで は な く,
静 止*
Graduate
School of
Comprehensive
Human
Sciences,
University of Tsukuba , 1−
1−
1 Tennodai,
Tsukuba 305−8572,
Japan
.
刺激に関 係す る要 因
,
特に順応 がMIB
に関 与 す るこ と がそ の後の研 究で指 摘さ れて い る。
例え ば,
刺 激の消 失時に マ イ クロ サ ッ カ
ー
ドが減 少し,
刺 激の 出現時に マ イクロ サ ッ カ
ー
ドが±曽加す る(Hsieh
&Tse,2009
)。 ま た,同
一
の 刺 激 を 同一
の空 間 位 置に提 示 し続 けるこ と は,
MIB
の生 起 を促進 す る (Hsu ,
Yeh ,
& Kramer,
2006 }。
これ らの研 究は,
MIB が 生起するた めに は同一
の刺 激が同
一
の網 膜 位 置に固 定さ れ,
lrl頁応が生じる ことが重 要であ るこ と を示して い る。
Hsu ,
Yeh ,
&Kramer
(2004,
2006 )は,
消 失に影 響を与え る要 因が MIB と知 覚的充填現象 (perceptual filltng
−
in;以下 PFI)で共 通で ある こと か ら,
MIB とPFI は共 通の生 起メ カニ ズム を持っと 主張して い る (
PFI
説 )。PFI
と は,
絶え ず変 化す るホワ イ トノ イズ上に提 示さ れ た物 体が消 失 する現 象で あ り
,
ホ ワイ トノ イズか ら な る背景 と物 体との 境 界へ の順 応によっ て生 起 する と考え られて い る (De
Weerd ,
Desi−
mone,
&Ungerleider,1998
;Ramachandran
&Greg一
ory
,
1991;Ramachandran ,
Gregory,
&Aiken,1993
)。つ ま り
,
MIB の PFI 説で は,
MIB もrl
頂応によっ て生 起す ること を 仮定 してい る。
MIB
の生起に順 応が重 要な役割を果た す こ と が示され て い るもの の
,
MIB の生 起に関わ る順 応の詳 細は明らかでは ない
。
順 応に は,
網 膜や外 側 膝 状 体な どの皮 質 下 の 視覚 経 路で 生 じ る もの (Chander
&Chichilnisky
,
2001;McLellarld
,
Ahmed,
& Bair,2009
;Shou ,
LL
Zhou
,
& Hu,
1996),
V1 や V2 の よ うな初 期 視 覚 野で生じ る もの 〔
Maffei,
Fiorentini
,
& Bisti,
1973
;Vautin &Berkley,1977
), 顔 に 対す る )i
「頁応 (Leopold,
OToole ,
Vetter.
&Blanz,2001
)の よ うに初 期 視 覚 野よりも高 次 な段 階で生 じ る と考え ら れ て い るもの な ど,
さ まざま な 種 類が存 在す る。
本研究の 目的は,
MIB
に関 与して い る 順応の詳 細を明ら かにする ことである。 実 験1
で は,
網 膜や外 側 膝 状 体な どの皮 質 下の部 位で 生 じる順 応がMIB に関与す る か を検討し た。 MIB に類 似し た消 失 現 象の Troxler 効 果 (Troxler,
1804 )の生起 に は,
網 膜 (Kotulak &Schor,
1986)や 外 側 膝 状 体 (Clarke
&Belcher,1962
)な どの 皮質下の 部 位で の 順応 が関 与 する こと が報 告さ れて い る。Bonneh et a1.
(2001〕 は,
高 コ ン ト ラス ト の刺 激の ほ うがMIB が生 起 しやす い ことか ら, 低コ ン トラ ス トの 刺激が消 失す るTroxler
効果とMIB
は異な る 生 起 メ カニ ズム を持つ と 主張 して い る。
しか し,
Troxler 効 果 とMIB は,
順 応や眼 球 運 動 が重要な役 割を果た す とい う点で共通 し て お り(Hsieh
& Tse
.
2009 ;Hsu et al.
,
2006 ; Martinez−
Conde,
Macknik , Troncoso
,
& Dyar,
2006>,
MIB とTroxler 効果の生 起メ カニ ズ ム の
一
部が共 有さ れ ている 可能 性は十 分に考え ら れ る。 実験 1で は両眼分 離 提 示を用いて,
網 膜や外 側 膝 状 体 な ど 皮 質 下での 静 止 刺 激へ の 順応 がMIB
に影響を与え る か否かを検討し た。 実 験 2で は,
順 応した静 止 刺 激の位 置 を変 化させ るこ とに より,
MIB
の生 起に関わ る順 応が刺激の 空 間 位置に 依 存 す るの か否か を検 討 し た。 V1 や V2 の よ う な初 期 視 覚 野で生 じる順 応は空 間 位 置に依 存 的であることが知 ら れ て お り,
初 期 視 覚野で の 順応がMIB
の 生 起に 関 わっ てい る とすれ ば,
静 止 刺 激へ の 順 応の効 果は空 間 位 置 依 存 的で ある と考えら れる。
実験3
で は,
順 応時間を操 作し,MIB
の生起に影 響を 与え るの に必 要な順応時 間にっ い て 明 ら かに する。 ま た,
実 験 1お よ び2 と は異な る運 動 刺 激パ タンを 用 い て, 静止刺 激へ の順 応効果を確 認 する。 最 後に実 験 4 で は,
運 動 刺 激へ の順 応を検 討 するこ と に よ り,
PFI 説の み で MIB を説 明で き る か ど う か を検 討 し た。Keysers
&Perrett
(20D2
〕は,
時 空 間 的に近 接 した刺 激の表 象は競 合 し,
強 度の低い (刺 激 を 符 号 化 し てい るニュー
ロ ンの活 動が弱い)表 象は競 合に負け, 意 識か ら消失す る と 主張して いる。 彼らによ れ ば, 運動 刺 激に対 する神 経 活 動は静 止 刺 激に対する神 経 活 動よ り も 時 間 的に減 衰 し に くいため,
運 動 刺 激 表 象は静 止 刺 激 表 象との競 合に勝ち,
MIB
が生 起す る。
運動 刺 激に順応す るこ と は 運動 刺激 に対す る神経活 動を低 ドさ せ ること が報 告 さ れて い る (Van Wezel & Britten
,
2002 >。 し たが っ て
,
MIB が 運動 刺 激 表 象と静 止 刺 激 表 象との競 合に よっ て生 起 す るので あ れ ば, 運動 刺 激に順応 し た状況で は運 動 刺 激 表 象は静 止 刺 激 表 象との競 合に勝ちに く くな り,
MIB は生じ に くくな る ことが予 測される。
そ れ に対 し,
静 止 刺 激へ の順 応がMIB
の原 因で あ る と仮 定 する PFI 説の み がMIB の 説 明と して妥 当で あると す れ ば,
運 動 刺 激へ のlll
頁応はMIB に影 響 を与え ない ことが予 測 さ れ る。 な お,
MIB に関 する過 去の研 究で は累 積 消 失 時 間を指 標 と して用い るこ とが多い。
しか し,
本 研 究で は先 行 提 示さ れ る順応刺激 がMIB
に与え る影 響を検 討してお り,
各 試 行の 初 期に順 応の 効 果が観 察される と考え られる た め,
最 初の 消 失が生 起 するまで の潜 時およ び最 初の消 失 の持 続 時間を指標と し た。 実 験1
実験1
で は, 両眼分 離 提 示を用い て,Troxler
効 果と 同 様に網 膜や外 側 膝 状 体に おけ る順 応が MIB に影 響を 与え る の か,
Troxler 効果とは異な り, 皮質で の順 応も ま たMIB
に影 響を与え るの か を検討 し た。 両眼 か らの 視 覚 情 報の統 合は主 に Vl か ら開 始される た め(Hubel &Wiesel,
1962
),
MIB
に影響を 及ぼす順応の効果が 眼球 間で転移する ことは,
両 眼か らの情 報が統 合された V1 以 降での順 応がMIB
の生 起に関 与す るこ と を示 唆す る (Blake,
Overton,
&Lema−Stern,
1981)。 それに対 し,
順応の効 果が眼 球 間で転 移しな い ことは
,
網 膜や外 側 膝 状 体な ど両 眼か らの情 報が統 合さ れ る 以前の部 位で の順 応 がMIB
に影 響を与えて い る こと を示 唆 する。 実 験 1で は,
運 動 刺 激 を提 示 する前に静 止ター
ゲ ッ ト刺激 (以 ド, ター
ゲッ ト刺激)を一
方の 眼に先行提示し,
運 動刺激を 提 示する際に (以 下,
テ ス ト時 ),
ター
ゲッ ト刺 激 を提 示 する眼 を 変え ることで,
先 行 提 示によ る順 応の効 果が 眼 球 間で転移す る か ど う か を検 討し た。 ま た,
Hsu et al.
(2006>で は 15 秒の順 応がMIB
を 促 進 すること が示さ れて い た ため,
そ れ よ り も 短 い 時 間の順応 が MIB に影 響を与えるか を検 討 する ために5
秒 と10
秒の川頁応時間36 基 礎 心 理 学 研 究 第 30 巻 第 1号 を使用 し た。 方 法 実験参加者 健常な視力ま たは矯riE視力を有 し た大 学 生
,
大 学 院 生 11名が実 験に参 加した。
装 置 実 験刺激は すべて22
イン チCRT
ディ ス プレ イに提 示さ れ,
実 験 参 加 者か らデ ィ ス プレイ まで の距 離 は57.
3cm
に設 定さ れ た。
実 験 参 加 者の反 応はマ ウス に よ り取得さ れ た。 右眼 と左眼に別 々の刺激を提 示す る た めに,
液 晶シ ャッ タ (NuVisien 社 ) が 使 用 さ れた。 デ ィ スブ.
レイの垂直同期 周 波 数は120Hz
で あり,
1秒 あた り60 フ レー
ムずっ が 左右 眼の提 示に割 り 当て られ た。 実 験 刺 激の制 御はオー
サ リングソ フ トのDirector
Mx
(Macromedia 社 )に よっ て行わ れ た。 刺 激 注 視 点,
ター
ゲ ッ ト刺 激,
運 動 刺 激 が 用い られ た (Figure
1
)。
注 視 点は灰 色の 十 字で あり (視 角0.
7D,
輝 度 30.
1cd 〆m2 ),
デ ィ スプ レイの 中 央に提 示 され た。 消 失の判 断 を求め る ター
ゲッ ト刺 激 と して,
黄 色い小 円 が用い ら れ た (直 径0.
7e,
29.
7 cd/m2 )。 夕一
ゲッ ト刺激 は,
注 視 点か ら 5aの距 離の左 右いずれ かの位 置に提 示 さ れ た。
夕一
ゲ ッ ト刺 激は1
試 行 ごとに左 右 交互に 提 示 さ れ た。 運 動 刺 激と して,
7x7 個の 青い ト字の配 列が用 い ら れ た。
配 列 全 体の大 きさ は,
縦 横 共に12.
8
° であっ た。 十 字の 配 列は,
中央の 十字が注 視点と同じ位置にな る ように提 示 さ れ,
注 視 点を中 心に して 時 計 回 りに200°
/秒の 速 度で回転 し た。
手 続 きFigure
1
は 1試 行の刺 激 提 示 系 列 を示 して い る。
注 視 点が両 眼に提 示さ れ,
10秒 後に運 動 刺 激が提 示 さ れ た。
ター
ゲ ッ ト刺激 は 連動 刺 激の提示と同 時か (0
秒 条件),5
秒前か (5
秒条 件),10
秒前 (10
秒条 件) に提 示された (順応時 間 )。
ター
ゲッ ト刺 激が運 勤 刺 激に 先 行し て提示 さ れ る条件で は,
試 行の半数で ター
ゲッ ト 刺 激が提 示さ れる眼 が変 化し (異眼条 件 ),
残 りの半 数の 試 行で変 化しな かっ
た (同 眼 条 件 )。
夕一
ゲ ッ ト刺 激が提 示さ れ る眼の変 化は,
運動 刺激の提 示と同 時に行わ れ た。 運 動 刺 激は順 応 後の ター
ゲ ッ ト刺 激と同じ片眼に提 示された。 実 験 参 加 者は,
注 視 点 を 注 視 しな が ら,
夕一
ゲッ ト刺 激を観 察し,
夕一
ゲッ ト刺 激が完 全に消失し た ときにマ ウスの ボ タ ン を 押し,
消 失し た夕一
ゲ ッ ト刺 激 の一
部で も 出現 し た と きにマ ウス の ボ タンを離すこ と が 求め ら れ た。 運動 刺 激の 提 示 開 始か らマ ウス の ボ タンを 押 し始め るまでの時 間 (消 失 潜 時 ) とマ ウスの ボ タンを 押し続けて い る時 間 (消 失 持続時 間 )が 測 定 さ れ た。 実 験 参 加 者がマ ウ ス の ボ タンを離す か,
運 動 刺 激の提 示か ら15秒 経 過 した場 合に 1試 行が終 了 したs その 後,
実 験 参 加 者は,
ター
ゲッ ト刺 激が 完 全 に消失す る前に反応 し な か っ た か どうか をマ ウスで報 告 するよ うに求め ら れ た。
順応眼 (異 眼,
同眼)X 順 応 時間 (5,
10秒 )の 4条 件に加え,
順 応し ない条 件 (0秒 )を各20
試 行,
計100
試 行が行わ れた。
試 行の実 施 順は ラ ン ダム で あっ た。
15sTestPe 〜 10s l Adaptation g Period i 禪 i
Left Eンe Right Eye Time Left E)
’
e Right EyeSame
Eye
Condition
Different
Eye
Condition
Figure L A sequencc of a trial
ln
Experiment
1.
In
the same eye condjtion,
a yellowdot
was presentedto the right eye unUl the end of a trial
.
ln the different eye condition,
theyellow
dQt
waspresented
toa ( O O O O O U O
レ 0
O
D
O
り 0
〔 0 5 0 5 0
「
、
.
0 アら う ヨ
ペ ヰ
(
。
旦 き 田一
58
唱 霍 塁 乱儒
罰
5
) b ( oσ oDo 勧 oooo 印り 岡 oo o 呂5
4
勹
」
O
B
6
4 コ
ユ
ユ
ユ
ユ
ユ
ロ
ロ 雷 旦
8
暑 」 = 自 。 目 田 竈 象 豊 〔【
一
← NetAdaPt り 5 1〔ト 0 5 Lo Adsptation Ti mne (s〕 Adaptation Time 〔s) Figure 2.
The disappearance latency (a) andthe disapPearance duration (b)as a function
of adaptation time
in
Experiment
1.
Error
bars
show ±1SE .
結 果 15秒 以 内に消 失が生 じ な か っ た試 行およ び 夕一
ゲッ ト刺 激が完 全に消 失 する前にボタ ンを押し た試 行は分 析 の 対象か ら除外 し た。
除 外 し た 試行は全 体の 4.
8% で あ っ た。 除外し た試 行の割 合は すべ て の条件で同程度で あっ た。
消 失 潜 時と消 失 持 続 時 間 共に,
実 験 参 加 者の各 条 件の 平 均か ら‡3SD
以内の値を分 析の対 象と し た。11
名の 消 失 潜 時と消 失 持 続 時 間の平 均を条 件 ご とに算 出 し た (Figure
2)。
同 眼・
異 眼 条 件ごとに,
順 応 時 間 (0
,5
,10 秒 ) を 独 立 変 数と して1
要 因 参 加 者 内の分 散 分 析 を行っ た ところ, 同 眼 条 件と異眼条 件の いず れにおい て も主効 果が有 意であっ た(F(2,
20
)=
11.
60,p
く,
Ol
; F(2,
20}=
33.
12,
p
〈.
OO 。
ラ イア ン法に よる多 重比較を行っ た とこ ろ,
同眼条 件と異 眼 条 件の ど ち らにおい て も,
5秒 条 件 と 10秒 条 件は 0秒 条 件よ り も,
消 失 潜 時が短か っ た (MSe =
239738,
ルtSe=
180916,
ρsく,
05
;これ 以降の 多 重 比較はすべ て有 意 水 準5%の ライア ン法に よっ て 行っ た)。 ま た,
異眼条 件で の み,
10秒条件は 5秒条件よ り も消失潜 時が短かっ たφ<.
05
)。 異 眼条件に おい て消失 潜 時が短い傾 向が グラ フか ら認め られた た め,
r順応眼 (同 眼,
異眼 ) と川頁応時間 (5,10
秒 )を独 立 変 数 と し た2
要因参 加者 内の 分 散分析を行っ た。 その 結果,
順 応眼 の主効 果が有 意で あ り〔F(1,
10)二
6,
50,
p
<.
Ol),
異 眼 条 件の ほうが消 失 潜時は短かっ た。 順応眼 と順 応時間との 交 互作 用が有意傾 向であっ た(F(1,
10)=3.
34,
ρπ.
098)。 消 失 持 続 時 間に関 して,
順 応 時 間 (0,
5,
10秒 )を 独 立 変 数とした1
要 因 参 加 者 内の 分 散分 析を行っ た ところ,
同眼条 件では有意で は な かっ
た が (F(2,
20)= L82},
異 眼 条 件では有 意 傾 向で あっ た (F〔2,
20)=3.
29,p =.
06
)。
し か し, 5
%水 準で多重 比較を行っ た ところ,
いず れの条 件 問に も有 意 な差は認め られ な かっ た(MSe =91314
)。 考 察 ター
ゲッ ト刺 激を先 行 提 示 した条 件は,
先 行 提 示 して いない条 件よ りも消 失 潜 時 が 短 く,
ター
ゲッ ト刺 激へ の 順応 が消失 を促進 す る こ と が示さ れ た。 こ の 結 果 は, ター
ゲ ッ ト刺 激へ の順 応がMIB の累 積 消 失 時 間を増や すこ とを報 告 し た Hsu etal.
(2006)と一
致 する。
本 実 験 の結果は,5
秒の順 応がMIB
を促 進 するこ とを 示 し て お り,
15秒の順 応が MIB を促 進す ること を示し たHsu
et al.
(2006 )よ り も 短い時 間の 順応 が.
MtB の生 起に関 わっ ているこ とを 示し てい る。
順応によ る消失 潜時の短縮は同眼条 件と異 眼 条 件の 両 方で認め ら れ,
MIB に影 響を及ぼす 順 応の効 果は眼 球 間 で 転 移 するこ とが 示さ れた。
また,
眼 球 間の転 移に よっ て 川貞応の 効 果は減 少し な か っ た。 も し網 膜や外側膝 状体 な ど,
皮 質に至る以 前で の 順 応がMIB に主に関 与 して い る とすれ ば,
異 眼条 件で の順 応の効果は同 眼 条 件と比 べ て減少す る は ずで あ る。 し た が っ て, 同眼条件と比べ て異 眼 条 件の順応の効 果が減少しな か っ た ことは,
両眼 情 報が統 合さ れ た Vl 以降での順 応が MIB の生 起に関 与 してい ること を示唆 す る。Troxler
効 果は 主 に網 膜や 外 側 膝 状 体で の順応に よっ て生 起する こと が報 告さ れてい る ため (
C
!arke &Belcher,
1962;Kotulak
&Schor,
1986
),Troxler
効 果 とMIB
には,
異な る タ イ プの順 応 が関 与して い るこ と が考え ら れ る,, た だ し,
本 実 験で観 察 さ れ た異 眼 条 件にお ける順 応 効 果は異 眼 間 抑 制の 効 果 を含んで い る 可能性 が あ る。 順 応 効果 は一
般 的に,
順応 刺 激とテ ス ト刺 激が同じ眼にある ときよ りも,
異なる眼 にあ る と きに小さ く な る〔Blake
et aL,
1981)。
しか し,
本 実 験で はこの一
般 的な傾 向と は異なり,
異 眼 条 件の ほ うが順 応の効 果は大 きかっ た。
Wolfe (1984}は,
単 眼に 順応刺 激を提 示し, その後に両眼に異な る刺 激を提 示す る と,
順 応 刺 激を提 示 して いた眼に提 示さ れ た刺 激の知 覚が抑 制さ れ るこ と を報 告 して い る。
本 実験の同 眼条 件 で は,
ター
ケ’
ッ ト刺 激が先 行 提 示さ れて いた眼に運 動 刺 激が提 示され た た め,
運 動 刺 激の処琿が抑 制され,
MIB が生 じに く くな っ た可能性が考え ら れ る。 ま た,
異眼間 抑制が異 眼 条 件の消 失を促 進 し た可 能 性 も否 定で き ない ため,
異 眼 条 件に おけ る消失の促 進の ど の程度がrl頂応に よ る もの で, どの程度が異 眼間抑 制に よ る もの か を分 離 する実 験を今後行う必要が あるだろ う。
消 失 持 続 時 間に関 して は,
順 応の効 果は 顕著に認め ら れ ず,
異眼条件の 10 秒 条 件が わ ず か に長い傾 向に ある の みだ っ た。 こ の理 由と して, 消失 持続時 間が主にマ イ ク ロ サ ッ カー
ドの 影 響 を受 け る こ と が考え ら れ る38
基 礎心 理学 研究 第 30 巻 第 1号 (Hsieh & Tse,
2009 )。 マ イ ク ロ サ ッ カー
ド に よっ て ター
ゲッ ト刺 激の網 膜 位 置が変 化 する こ と が 夕一
ゲ ッ ト刺激 の復 帰の タ イ ミング を決定 し ている た め に,
消失持 続時 間に関して川頁応の効 果が顕 著に認 め ら れなか っ た可 能 性 が考え ら れる。
消 失 持 続 時 間と異な り,
消 失 潜 時につ い て順 応の効果 が 認 め ら れ たの は,
夕一
ゲッ ト刺激の先行 提 示 中に刺 激 が お お むね同 じ網 膜 位 置にあっ たた め であ る と考え ら れ る。
実 験 参 加 者は一
点を注 視し続け る よ う に要 求さ れて い た た め,
夕一
ゲッ ト刺 激の先 行 提 示 中に たとえマ イ クロ サ ッ カー
ドが 生 じたとし ても,
刺 激はお お む ね同じ網 膜 位 置に投 射さ れて いたはずで あ る。 そ の 結 果,
そ の網 膜 位 置で 順 応が生 起 し,
消 失 潜 時が短 く なっ た可 能 性が考え ら れ る。
実 験2
実験 1の 結 果 か ら,
静 止刺激 に対 す る 順応が MIB の 生 起を促 進 すること が明ら かになっ た。 また,
異 眼 提 示 条 件で も 順 応の効 果が 認め ら れた こ と か ら,
両眼情 報が 統 台さ れ たVl
以降で の1幀応がMIB
の生 起 に関 与 して い る こ と が示 唆さ れ た。
V1 や V2 な どの初 期 視 覚 野で 生 じ る順応は空間位置に依 存 的で あるこ と が知 られて お り,
初期 視覚野で の順 応がMIB
の生 起に関わ っ て い る とすれ ば,
静 止 刺 激へ の順 応の効 果は空 間 位 置 依 存 的で あ る と考え ら れ る。 そこ で実験2
で は, 順 応時とテ ス ト 時で 静 止夕一
ゲ’
ッ ト刺 激の提 示 位 置 を 変 化させ る ことに より,MIB
の 生 起に関わ る順 応が刺激の空間位置に依存 するのか を検 討 し た。
方 法 実 験参 加 者 健 常な視 力また は矯正視 力を有する 10 名の大 学 生,
大 学 院 生が実 験に参加し た。 実験1
と は異 な る実験 参 加 者で あっ た。 装 置と刺激 液晶シ ャ ッ タ が使用さ れ な か っ た こ とを 除き,
使用 さ れ た装 置と刺 激は実 験 1と同じであ「
た。 手 続き 実 験1
と は 異 な り,
刺 激は すべ て両 眼に提 示 された。 夕一
ゲ ッ ト刺 激と 運動刺激の 提 示の タイ ミン グ は実 験 1 と同 じ であっ た。 順 応 時 間が 0秒の条 件で は,
運 動 刺激の 提示 と と もに ター
ゲ ッ ト刺 激が0
° ま た は 180° の位 置に提 示さ れ た (注 視 点の右を0°
,
左 を 180:
,
上を90D
と定義)。 順応 時間が5
秒ま た は10
秒の位置 同一
条 件で は,
順 応 時に ター
ゲ’
ッ ト刺 激が O’
(また は 180°
)の位 置に提 示さ れ,
運動 刺 激 提 示 後も同一
一
の位置 に提示 さ れた。
順 応 時 間が 5秒また は 10秒の位 置 変 化 条 件で は,
順 応 時 に ター
ゲ ッ ト刺 激が60
° (また は120
° )の 位 置に提 示 さ れ,
運 動 刺 激の提 示と同 時に 60c か ら OD (また は 120°
か ら180°
)の 位 置ヘ ター
ゲッ ト刺 激の提 示位置が変 化した。 運動 刺 激 提 示中の ター
ゲ ッ ト 刺激の位置は,
すべ て の 条 件で O°
ま た は180°
で あっ た。
実 験 参 加 者の課 題は実 験 1と同じで あ っ た。
刺 激の 提示位置 (同一
一
,
変化 )×順応 時 間 (5.
10秒)の 4条 件 に加え,
順応 し ない条 件 (0秒 条 件 )を各 20 試 行,
計100
試 行が行わ れ た。 結 果 15 秒以内に消 失が生じ な か っ た試 行およ びター
ゲッ ト刺 激が完 全に消 失 する前に ボ タンが押された試 行は分 析の 対 象か ら除外し た。
除外し た試行は全 体の 4.
3
%で あっ
た。 実 験 1 と同 様 に各 条 件の平 均 値 を 算 出 した (Figure3
)。 消 失 潜 時に関 して,
位置 同一
条 件と 位 置変化条 件ご とに,
rl【頁応 時 間 (0,
5,
10 秒 )を独 立 変 数と し た 1要 因 参 加 者 内の分 散 分 析 を 行っ たとこ ろ,
位 置 同一
条 件で は主 効 果が有意で あ り(F
〔2,18
)=20.
75,
p
く.
01
) , 位 置 変 化 条 件で は 主効 果は有 意で な か っ た 〔F(2,
18)=
L38 )。 位 置 同一
条 件の 消 失 潜 時に関し て 多 重 比 較を行 っ た と ころ,
5 秒条件と10
秒条 件は0
秒 条件よ り も消失潜 時が短かっ た (MSe=
190336,
Ps
<.
05)。2
肖失 持 続 時 間に関して,
位 置同一
条件と位 置変 化条 件ごとに, 順 応時 間 (0,5,
10 秒 )を独 立 変 数と し た1
要 因 参 加 者 内の分 散 分 析を行っ た ところ,
主 効果 は有意で な かっ た(F(2,18
}=
0.
47;F(2,
18)=1.
75
)o 考 察 位置同一
条 件で ター
ゲッ ト刺激へ の順応が消 失 潜 時を 短 くし た。 こ の結 果は,
同一
の 刺 激を同一
の場所に提示 した と きに順応 がMIB を促進 する こと を示し た Hsu et al.
(2006
)お よび本研 究の実 験1
と一
致 する。 それに対 し,
順 応し た刺 激の位 置が変 化し た条 件で は,
順応の 効 ) a ( 0 00 0 0
D
O O
O
O
O
O
O 「
.
0
5 0
5 仰 西
6
5
5
4
4 富 日
)
h 呂 8駆
日 8 壽 」 驫 註 臨 昭 紹 自}
一
△r・
NotA」apt 十 Comstm匸PDSILIo冂十 Pos三nonal C匝ange
昌
ラ b ( oo oo oo oΩ 0 4つ
臼
08
〔
聟 言 。 = 田 目 自 g 鬟 霍 磊 画 含切
5
一
レ NotAdap巳 十 Conslan1Posltbn
十 Pos江【ional Change
順
0 5 10 0 5 L
Adap電ation Time (s) Adaptation Time (s〕 Figure
3.
The
disappearance
latency
(a)andthe disappearance duration (b)as a
function
of adaptation time in Experiment 2
.
Error果は認め ら れ な かっ た。 っ まり , 同
一
の 物 体をr順応時と は 異 なる空 間 位 置に提示す る ことは MIB を促進 し な か っ た。 こ の こと か ら,
MIB に影 響 を 及ぼす 順 応は,
提 示さ れ た物 体の空 間 位 置に対して生 じるもの であるこ と が示された。 本 研究 か らは具 体 的に皮 質の どの部 位で の 順 応が MIB に影 響 を 与え る か は明 確に主 張で きな い。 先行 研究で は,
MIB に はV1 や V4 が 関与す るこ と が 指 摘さ れてお り(Donner.
Sagi,
Bonneh ,
&Heeger,2008
;Libedinsky
,
Savage,
& Livingstone,
2009 ),
これ らの領 域で生 じ る空問位置 に依 存 した タイ プ の順応が MIB の生 起に関わっ て いる可能性が考え ら れ る。 実 験
3
実 験1およ び 2 の 結 果で は,
実 験 1の 異 眼 条 件 を 除 き,
順 応 時 間 5秒 条 件 と 10秒 条 件の 間に差 異 は 認め ら れ な かっ た。 こ の ことは,
順 応 時 間 5秒で MIB に対 す る効 果が ほ ぼ漸 近 値に達して い た こ とを 示唆 して い る。
そこで実験3
で は, よ り 短い順 応 時 間を 設定 し,MIB
に どの よ う な効果が 認 め ら れ るのか を検討し た。 ま た,
本 実 験で得られた静 止 刺 激に対するrl
頂応の効 果が一
般 的な もの であ るこ と を確認する た め に,
実 験1
お よ び2
と は 異 な る 運動刺激を用いた。 MIB の 研究で は,
実 験 1お よ び2で用い られたよ う な 十 字の配 列の回 転 (e.
g.
,
Graf
et aL,2002
)もし く はラ ン ダム ドッ ト の 運動{e.
g.
Bonneh etal.
,
2001 )が 主 に用い ら れて き た。
そ こ で実 験 3 で は,
ラン ダム ドッ ト の運 動を用い て,
静 止 刺 激に対 する順 応 効果の一
般 性を確認 した。
方 法 実験参加者 健常な視 力ま た は矯正視 力を有 し た大 学 生,
大 学 院 生 10名が実 験に参 加した。
これ まで の実験 と は異な る実 験 参 加者が参加し た。 装置 実験2
と同 様で あっ た。
刺 激 注 視 点,
ター
ゲッ ト刺 激,
運動刺激が用い ら れ た。
注 視 点は白 色の 円で あ り (視 角で 直 径 O.
4°
,
104.
2 cd /m2 ),
デ ィ ス プ レイ の中 央に提 示さ れ た。
消 失の判 断 を 求め る 夕一
ゲッ ト刺激と して,
黄色い小円 が用い ら れ た (直径 0.
4°
,
40.
5cd /m2 )。
ター
ゲッ ト刺 激は,
注 視 点 か ら7°
の距 離の 左 右いずれ かの 位 置に 提 示 さ れ た。 夕一
ゲッ ト刺激は1
試行ご と に左右交互 に提示さ れ た。 運動 刺 激 と して,
150 個の 青い ド ッ ト が 用 い られ た 〔0.
2°
,
10.
6cd /m2 )。
ドッ トは注 視 点か ら10
° 以内の 円 形 の領域に提 示さ れ,
注視 点を中心 に 60Dの速 度で時 計 回 りに回 転 した。
手 続き 注 視 点が提示 さ れ,
5 秒後に運動刺 激が提 示 ) a ( 0D
ひ
0
0 0
0
0
0
0
D O 5
0
「
‘
0
5
D 「
.
r
、
.
4
4
3
3
(
自)
か 目 85 畧 壽 」 田 含 曳 省 畠 b ( 姻聊
… 。
(
諠 言 。 鷺 」88
壽」
覗 註 匹 選 畠 D [ 3 5 0 1 3 5 Ad叩tatiott Time(s 〕 Adaptation Time (s)Figure 4
,
Thc disappearancelatency
(a)andthe disapPearance duration (b)as a function
of adaptation time
in
Experiment3.
Error
bars show ±lSE.
さ れ た
。
ター
ゲッ ト刺 激は運 動 刺 激の提 示と同 時か,
運 動 刺 激の提 示の 1,
3,
5秒 前に提 示 さ れ た。
実験 参加 者 は,
注 視 点を注 視し な が ら,
ター
ゲ ッ ト刺 激を観 察 し,
夕一
ゲ ッ ト刺 激が完 全に消 失 した ときに マ ウス の ボ タン を押し, 消失 し た ター
ゲッ ト刺激の・
’
部で も出現 した と きにマ ウ ス の ボ タン を離す こと が求め られ た。 実 験参加 者が 消 失を報 告 するか,
ター
ゲ ノ ト刺 激の提 示か ら 15 秒 後に,
1
試行が終r
し た。 すべ て の 刺 激は試 行の終了 まで提 示さ れ た。 各 順応時 間 条 件にっ き24 試行,
計 96 試 行 が 行われた。
結 果 15 秒以内に消 失が生 じ な かっ た試 行お よ び 夕一
ゲ ッ ト刺 激が完 全に消 失 する前に ボ タ ン を押した試 行は分 析 の対 象か ら除 外し た。
除 外した試 行は全 試 行の5.
7
%で あっ た。 除 外した 試行の割 合は すべて の条 件で同 程 度で あっ た。 これ まで の実 験 と 同 様 に,
消 失 潜 時 と持 続 時 間 を 求め た (Figure
4)。 消 失 潜 時と消 失 持 続 時 間につ い て順 応 時 間 (O.
1,
3,
5
秒 ) を 独 立 変 数 と した 1要 因 参 加 者 内の 分 散 分 析を行っ た とこ ろ,
消 失 潜 時に関して は角意 な 主効 果が認め ら れ たの に対 し 〔F(3,
27)=
5,
09,
p
〈,
OD,
消 失 持 続 時 間に関 して は有 意な主 効 果は 認 め ら れな か っ た (F
(3,27
)一
・
O.
35
)。 消失潜 時にっ い て多重 比較を行っ た と ころ,
5秒 条 件は 0秒 条 件よ り も消 失 潜 時が短か っ た (MSe=
222854,
ρ〈.
05)。3
秒条 件は0
秒条 件よ り も短 い傾 向にあっ たφ〈,
10)。
また,
5秒 条 件は1秒 条 件よ りも短い傾 向にあっ た (p
<.
10>。 そ れ 以外の条件 間には 有意な 差 は 認 め ら れ な か っ た。 考 察 5秒 条件で順 応 効 果が認め られ, 3 秒条件で 順 応効果 が有意傾 向で あっ たこ と お よ びこれ まで の実 験 結 果か40
基 礎 心理学 研 究 第30巻 第 1 号 ) a ( oo oo oo oD oo oo o O5
0
5
0
「
ゴ
フ める
ミ
び
ヨ
ロ
ヰ(
。
・
旦 敦5
鵞 日 巴 目 田 田 二 籌 沼 自 Adup[ No【・
A山 pt Adaptatien Co皿dition )b
〔 oo oo oo oり 0 64
2
0
(
吮
口口
〕
蔭 畠 冨 尉」
目(
【
9 目 軻」
弊 O 畠 皓属
閉
眉
(口
AdaPt No匸一
AdaPt Adaptation ConditionFigure 5
.
The disappearance latency (a)andthe
disappearance
duration
(b
)as afunction
of adaptation(presence or absence )
in
Experiment
4,
Error
bars
show †1SE ,
ら
,MIB
の生 起に及ぼす順応はお お よ そ3 秒程度か ら 生 起し始め,
5秒 程 度で漸 近 値に達 する こと が示 唆され たo 運動 刺 激と して ラ ンダム ドッ トを 用いて も静止刺激に 対 する順 応 効 果が観 察 さ れたこ とか ら,
静 止 刺 激に対 す る 順応 効果 は 運動 刺激の種類に は 依 存 し ない一
般的 な効 果で あ ること が示 唆さ れ た。 実験
4
実 験 1か ら3 まで の結 果は,
静 止 刺 激へ の 順 応がMIB
を促進 す ること を 示 して お り,
静止刺激へ の順応が MIB の主 要な要 因で あるとする PFI 説 を 支 持 する もの で あっ たD 実 験 4で は,
運 動 刺 激へ の 順 応 がMIB
に及 ぼす 影 響を検 討 し,PFI
説の みでMIB
が説 明で き る か ど うかを 検 討 した。
Keysers &Perrett
(2002 )は,
運 動 刺 激 表 象と静止刺 激 表 象が 競合し,
運動 刺 激 表 象が競 合 に勝っ た めに MIB が生 起 する と主 張して い る。
これ が 正 しい と す れ ば,
運動 刺 激に対す る神 経 活 動が低 下し た 状 況で は,
運 動 刺 激 表 象は静 止 刺 激 表 象との競 合に勝ち に く く な り,
MIB
が 生 起 しに く くな るこ と が 予測さ れ る。 し た がっ
て,
運 動 刺 激に順応 し, 運動 刺 激へ の 神経活 動が低 下し た状 況で は(Van Wezel & Britten
,
2002
),
MIB
が生 起しに く く な るこ と が予測 さ れ る。 こ の仮説と は異なり,
PFI 説で は運 動 刺 激の具 体 的な役 割は想定 し て いない た め,
運動 刺 激へ の順 応が MIB に及ぼ す 影 響 を予 測で き ない。 し た がっ て,
運 動刺激へ の順応 がMIB
に 影響 を 与え るこ とは PFI 説の みで は MIB を十 分に説 明で き ない こと を示 唆す る。 方 法 実 験 参 加 者 健 常な視 力ま た は矯 正 視 力を有 し た大 学 生,
大 学 院 生 10 名が実 験に参 加 した。 これまで の実 験 と は異な る実 験 参 加 者が参 加した。
装 置と刺 激 実 験2
と同 様で あっ
た。 手 続き 運 動 順 応あ り条 件と運 動 順 応な し条 件 (以 下,
順 応 あり条 件と順 応な し条 件 )が設 定さ れ た。
順 応 あ り条 件で は,
注視 点と 運動刺 激が始めに提 示さ れ,
注 視点の提 示か ら20秒 後に 夕一
ゲッ ト刺 激が注 視 点の右 または左5
° の位 置に提 示さ れ た。 順 応な し条 件で は,
注 視 点の提 示と同 時に,
順応 あ り条 件の運 動 刺 激が静 止し た 状 態で提 示 さ れた (静 止パ タン)。 注 視 点の提 示 か ら20
秒 後に ター
ゲ ッ ト刺激が提示さ れ,
同 時に静止パ タ ン の運 動が開 始され た。 これまで の実 験と同 様に,
ター
ゲ ッ ト刺 激の消 失 およ び 出 現に対して マ ウス で反 応 する こ と が求め ら れ た。 実 験 参 加 者が消 失を報 告 する か,
ター
ゲッ ト刺 激の提 示 か ら15
秒 後に,1
試 行が終 アし た。 すべ て の刺 激 は 試 行の 終了まで提 示 さ れ た。 各 条 件 に っ き20試 行,
計 40試 行が ラ ン ダム な順 番で行わ れ た。
結 果 15秒 以 内に消 失が生 じ な かっ
た試 行お よ び ター
ゲッ ト刺 激が完 全に消 失 する前に ボ タンが押された試 行は分 析の対 象か ら除外した。 除 外し た試行は全体の8,
0% で あ っ た。 除 外 試 行がこれ まで の実 験と比べ て多い のは,
ター
ゲッ ト刺 激が完 全に消 失す る前に反 応が行わ れた試 行が増 加し た た めであっ た。 これ まで の実 験と同 様に,
消 失 潜 時と消 失 持 続 時 間を 求め た (Figure5
)。 順 応あり条 件と順 応な し条 件の消失 潜 時を対応のある t検定で比較し た ところ,
順応 あ り条 件と比べ て,
順 応な し条 件で は消失潜 時が有 意に短かっ た(t〔9
)=2.
67 ,
pく,
05
)。 消失 持続 時間に関して は, 順応 の効 果は認め ら れ なかっ た ¢ (9
)=0.
49)。
考 察 運 動 刺 激へ の 順 応が MIB に影 響を与え る こ と を示 し た 本実 験の 結果 は,
運動 刺 激の具体 的な 役割を 想定 して いない PFI 説の みで はMIB を 十 分に説 明で き ない こ と を 示唆 して い る。
つ ま り,
静1』刺 激へ の順応の み で はMIB
を 十 分に説 明で きない こ とを 示 唆して い る。
こ の こと か ら
,
MIB
を 十分に説明す る ため には,
注 意 (Bonneh
et al
.
,
2001 ;Geng,
Song ,
LL Xu,
&Zhu,
2007 ;Sch61−
vinck &
Rees,2009
),
面によ る遮 蔽 (Graf
et aL,
2002 ),
表 象の 競 合(Keysers & Perrett
,2002
>な ど, 静止刺 激 に対 する順 応 以 外の要 因 も考 慮する必 要が あ る と考え ら れる。 総 合 考察
始めに本 研 究の消 失 持 続 時 間お よ び消 失 潜 時を先 行 研 究 と比 較し,
その後にMIB
の 生 起に関 与 する順 応にっ い て考 察 す る。Sch61vinck
&Rees
(2009
)を除き,
先行 研究の消 失 持 続 時 間の 平 均 はお お よ そ 2秒以下で あ り(Funk & Pettigrew
,
2003;Geng et aL,
2007 ;Graf et al.
,
2002 ;Kawabe ,
Yamada,
&Miura,
2007 ), 本研 究の 消失 持 続 時 間 (1
〜2
秒 )は先 行 研 究と同 程 度で あ っ た。Sch61vinck
& Rees 〔2009 )の消 失 持 続時問は 2.
6〜
3.
5 秒 程度で あ り, 本研究と比べ て長か っ た。 こ の理由の1
つ と して ター
ゲ ッ ト刺 激の提 示位置の違いが考え ら れ る。
Bonnch et a1.
(2001 )は視 野の左 上 部 分に提 示さ れ た 夕一
ゲッ ト刺 激は消 失しや すい ことを 報 告 して いる。
Sch61vinck & Rees (2009 )の実 験 2で は,
夕一
ゲッ ト 刺 激 を視 野の左 上に のみ提 示 してお り,
そ の結 果,
本 研 究 と比べ て 消 失持 続 時間 が 長 く なっ た 可能性 が考え ら れ る。 消失潜 時を 報 告 し た 先行 研究に は,SchOlvinck
& Rees (2009
)とHsu
et a1.
(2004
)が あ るQSch61vinck
& Rees (2009 >で は,
消 失 潜時は5〜
7秒程度であ り,
本研 究 (4〜6
秒) と同 程度であ っ た。Hsu
etal.
(2004
)で は,
実 験 条 件に よっ て消 失 潜 時は か な り異な る もの の,
ター
ゲッ ト刺 激の 偏心 度が本研究と同程 度の場 合, 消失潜 時 は 5秒 程 度で あり,
本 研 究と おお むね同じ で あっ た。
本 研 究の 日的は,
MIB の生 起に関わ る静止刺激へ の順 応の詳 細を明ら か に す ることであっ た。 実験1
で は,
順 応 刺 激が同じ眼に提 示さ れ る か否か に か かわ らず,
順 応 は同 程 度にMIB
の生 起 を 促 進し た。 実験2
で は,
順 応 後に ター
ゲ’
ッ ト刺激の 位 置を変 化さ せ た とこ ろ,
位 置が 変 化 して い ない状 況での み,
順 応 がMIB
を促 進 した。
実 験1
の結 果が異眼間抑 制の 影響を受けて い る可能 性は 否定で き ない ものの,
これ らの結 果は,
皮 質で生 じる1
幀 応で,
かっ 空 間 位 置に基づ く順 応が MIB の生 起に関わ る とい う仮説 を支 持す る。
皮質での 順 応 がMIB
に関 与 す ること は,
主に網 膜(Kotulak & Schor,
1986)や外 側 膝 状 体 〔Clarke & Belcher,
1962
}での 順 応の関 与が指 摘 さ れて い るTroxler
効 果の 知 見と一
一
一
致 し ない。 む し ろ,
視 覚 皮 質の V4 の 関 与が指 摘さ れて い るPFI
の 知 見と一
致 し (De
Weerd ,
Gattass,
Desimone,
& Ungerleider,
1995
),MIB
の生 起に関 与 す る 順応はPFI の生 起に関 与 する順 応と共 通して い る可能性が考え ら れ る。 空 間 位置に対 する 順応が MIB の生 起に重 要で あ る こ と は,
ゆっ く り と移動 す る ター
ゲッ ト刺 激が 消 失す る結 果 (Bonneh et al.
,
2001
}と一
致 し ない。 し か し,
この不.
一
致 は,
MIB の生起に関わ る順応 が 比較 的に短時 間で生 起 することと,
周 辺 視野の受 容 野が大 きい こと を 考 慮 す る こ とによっ て 説明 可能であ る。
実 験 3に おい て,
ター
ゲッ ト刺 激に対 する3秒 程 度のr
順応 も,
消 失 潜 時に影 響 を 及ぼす 傾 向が示さ れて い る。 また,
MIB と類 似し た消 失現象である一
般 化フ ラッ シュ
抑 制で は,
1秒以下の か な り 短期 的な順 応が消失を促 進 し た(Wilk,
Logothetis,
& Leopold,
2003 )。 以 上 の こと か ら,
短時間で生じ る順応 (e
.
g.
,
Boynton & Finney,
2003 )が MIB に も関 与し て い ること が考え ら れ る。 ま た,MIB
やMIB
と共通の メ カニ ズ ム で生 起 する と されて い る PFI に は,
比 較 的 大 きな受容 野を持つV4
が関与 してい る (De
Weerd
et aL,
1995;Donner et al.
,
2008 ;た だ しV1 の関与を主張す る 研 究と して,
Libedinsky et al.
2009 )。
Bonneh et a 【.
(2001 }の 研究で は,
比 較 的ゆ っ く り と移 動 する夕一
ゲッ ト刺 激が使 用さ れて いた。 その 結果,
あ る程度の 時 間 同一
の受 容 野に刺 激が存 在 する ことにな り,
ター
ゲ ッ ト刺 激に対す る 順応が生 起し,
MIB
が生 起し た 可能 性が考え ら れ る。 受 容 野の 大 き な周辺視 野で の順応 がMIB
の生 起に とっ て重要で あ る かを検討 する た めに,
周 辺 視 野で の 受 容 野の 大 き さ を推 定した う えで,
ター
ゲッ ト刺激の 移 勤速度を操 作す る実 験が今後 必 要で あ る。 最 後に,
本 研 究の結 果と既 存の仮 説と の整 合 性にっ い て論じ る。 静止刺 激へ の順 応がMIB
を促 進す るこ と を 示 した実 験 1か ら3 まで の結 果は,
MIB の生 起に順 応 が重要であ ること を仮 定す る PF工説 (Hsu
et al.
.2004,
2006
)を支 持 するもの であっ た。
し か し,PFI
説は運 動 刺 激の影 響を想 定して お らず,
運 動 刺 激へ の順応が MIB の生 起を 遅延さ せ た実験4 の結果を説 明で き ない。一
方,
実 験 4 の結 果は面に よ る遮 蔽 説(Graf et a1.
,
2002 } や注 意 競合説 (Bonneh
et al.
,
2001
)を否定 する もの で は ない 。 た だ し,
面による遮蔽 説で実験 4 の結果を説 明 す る に は,
運 動 刺 激へ の順 応に よ っ て知 覚 的な面の形 成が 阻 害さ れ ること を 仮 定 し な け れ ば な ら ない。 すな わ ち,
運動 順応条 件で は面の知覚が弱め ら れ,
静[E
刺 激に対 す る遮 蔽 効 果の生 起が遅 く なっ た と考え る 必要が あ る。 ま た,
注 意競合 説で実験4 の結 果を説 明する に は,
運 動 刺 激に川頁応 することで運 動 刺 激によ る注 意の捕 捉効 果が弱 め ら れ,
静止 刺 激に対して注 意が向け られやすくな っ た42
基礎心 理学 研 究 第 30 巻 第1号 と仮 定 する必 要がある。 こ れ らの 仮 定に対 する実 験 的な 証拠は得ら れ て お ら ず,
今 後の 検 討が必 要で あ る。.
先 行 研 究が示 して き た よ うに, 多 くの要因がMIB
の生起に 影響を.
.
与えて お り,
現 時 点で はMIB は単…
の メ カ ニ ズ ム に よ っ て生 起して い るの で は ない と考え るのが妥 当で あ ろ う。今後の 研 究で は,
注 意 (Bonneh et a].
,
2001 ),
面 に よ る遮 蔽 (Graf et al.
,
2002 ),
表象の競 合 (Keysers &Perrett
,2002
), 順 応 (Hsu
et aL,
2006
)など, 複数の要 因の組み合わせ を想 定した モ デ ルを構 築する こ とが必 要 であると考え られ る。 謝 辞 本 論文の執筆にあ た り,
武田裕 司 氏 (産業技 術 総 合 研 究 所 )よ り多 大なるご協 力をい ただ きまし た。 記して感 謝いた し ます。 引 用 文 献Blake
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