急性心不全患者に対する早期理学療法の安全性と効果に関する多施設共同研究
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(2) 急性心不全に対する理学療法. 147. 2.急性期における運動機能指標の反応性. かった。一方で,バランス機能指標の反応性は低値を示した。. SRM を用いて評価した急性期運動療法に対する運動機能指. この原因として,本研究で用いたバランス機能指標では,初期. 標の反応性を,全症例および年代別で算出した。SRM が 0.8. 評価の時点で天井効果を示す患者の割合が高かったことが関与. 以上であった指標はいずれの年代においても 4 m 快適歩行速. していると考えられる。整形外科疾患や虚弱高齢者の運動療法. 度と 10 m 快適歩行速度のみであった。SRM が 0.5 ∼ 0.8 で中. 介入においてプライマリーエンドポイントに用いられている. 程度の反応性を示したのは,SPPB 合計点と SPPB 歩行スコア. SPPB は 2),本研究の対象者では 65 歳未満で約半数,65 歳以. で,75 歳未満では 5 回立ち座り時間も中程度の反応性を示した。. 上 84 歳以下の患者で約 30%の患者が天井効果を示していた。. SPPB のバランススコアおよび立ち上がりスコアはいずれの年. 近年,心疾患患者の急性期運動療法開始時期は早期化されてお. 代においても SRM は 0.5 以下であった。. り,初期評価の時点であってもバランス機能低下を示す患者が. 3.退院 5 ヵ月後の歩行能力と退院時の運動機能指標との関連. 少なかったことが天井効果の要因と考えられる。. 退院 5 ヵ月後に屋外で歩行が可能か否か,連続して 1 km の. 退院 5 ヵ月後の自宅での実用歩行能力を反映する指標として. 歩行が可能か否かを退院時の運動機能から予測可能か否かを評. は,6 分間歩行能力の予測能がきわめて高く,続いて,最大歩. 価するため,各運動機能指標の ROC 曲線の曲線下面積を用い. 行速度,快適歩行速度の予測能が優れていた。. てその予測能を評価した。屋外歩行が可能か否かを判別するた. これらの結果から,本研究における多施設介入試験フェーズ. めの指標として,予測能が高かったものから順に 6 分間歩行距. では 6 分間歩行距離をプライマリーエンドポイントに設定し,. 離(AUC = 0.88) ,最大歩行速度(AUC = 0.79) ,快適歩行速. 急性期のリハビリテーションによってこれらをより改善できる. 度(AUC = 0.78) ,等尺性膝伸展筋力体重比(AUC = 0.71)で. か,また,セカンダリーエンドポイントとして安全性に関する. あった。また,連続 1 km の歩行が可能か否かについても,6. 評価指標を調査し,急性期理学療法の効果と安全性を検証して. 分間歩行距離(AUC = 0.84) ,最大歩行速度(AUC = 0.80) ,. いく予定である。. 快適歩行速度(AUC = 0.79),等尺性膝伸展筋力体重比(AUC. 文 献. = 0.70)の順に高値を示した。 考 察 本研究は,急性心不全で入院し入院期の運動療法を施行した 患者を対象として,入院早期および退院時に運動機能評価を行 い,運動機能指標の分布と反応性を評価した。その結果,急性 心不全患者でも容易に測定可能な 10 m 快適歩行速度がもっと も高い反応性を示した。4 m 快適歩行速度は SPPB の評価指標 のひとつとなっているが,10 m 快適歩行速度より反応性は低. 1)Guralnik JM, Simonsick EM, et al.: A short physical performance battery assessing lower extremity function: Association with self-reported disability and prediction of mortality and nursing home admission. J Gerontol. 1994; 49: M85‒M94. 2)Latham NK, Harris BA, et al.: Effect of a home-based exercise program on functional recovery following rehabilitation after hip fracture: A randomized clinical trial. JAMA. 2014; 311: 700‒708..
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