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海 底 土 層 の 透 水 係 数 の 測 定

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Academic year: 2021

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(1)

海 底 土 層 の 透 水 係 数 の 測 定

松 原 茂*

Measurement of  Hydraulic Conductivity of the  Soil  Layer under the Seabed in  Situ 

by 

Shigeru MA TSUBARA 

(Department of Civil Engineering) 

The hydraulic  conductivity  in  situ  has  been measured  only  on  land.  It  is, however,  important for the calculation of drainage to  estimate the water  quantity  that  filtrates  under  the dike in reclaimed land.  In this paper the author proposes the new methods for measuring  hydraulic conductivity  of  the  aquifer  under the  seabed  in  situ.  The partially  penetrating  test  well, the pipe with screen  of long and narrow slots  in the lower end, is  interpenetrated  into  aquifer  under  seabed.  The first  method is  to measure the water  quantity poured into  the pipe to maintain the constant higher level  than sea  water level  and the  second  method  is  to  measure the  rate of rise  of  water  table  in  the  pipe  after  pumping water  out  of  the  pipe.  By above  meoods the  author  succeeded  to  determine  the  hydraulic  conductivity  of  the aquifer under the seabed in Nakaumi, Shimaneken, Japan. 

現場における透水係数の測定は陸上に限られている.

一方,近代になるにつれて干拓がさかんに行われるよ うになり,干拓堤防ならびにその下部を浸透する海水 量を見積ることが必要になることがある.現在,工事 が実施されている島根県中海の干拓計画の段階では,

干拓地内の潮回しと外海との水位差が6 mにも及ぶの で,堤防下部を浸透する海水量を把握することが,湖 差が小さく乙れを利用して排水することが困難な中海 では,ポンフ。排水計画にとって必要であった.そのた め土層のサンプルを持ち帰って実験室内で透水試験を 行なって透水係数を決定すると共に,海底の滞水層全 体の平均的な透水係数を得るために現場試験が実施さ れた.ととでは測定できる要素から透水係数を算出す る方法を理論的に解析し,これを中海の現場試験に適 用した.以下乙れらについて簡単にのべる.

1. 測 定 方 法

1のような海底土層構造を考える.水平な海底面

*土木工学科

から水平な不透水面までの透水層の厚さを h,平均海 面を考え水深を Hoとし,先端にストレーナを切っ たパイプをうちこみ,内部の土砂を排除してストレー ナの部分から水が自由に通れるようにしてある.

1)  一定水位、法

管内の水位を一定の値 H にするために単位時間内 に管内から揚水または管内に供給する水量 Qを測定 する.

2)  回復水位法

最初揚水または給水して管内の水位を H1Iとして その管内の水位の回復を単位時間毎によみとる.

2. 理 論 式 1)  一定水位法

試験井内の水位を一定に保つ時の滞水層内の定常流 を考える,図1に示すように管内のストレーナを切っ た部分は周囲の土層に対して対称的に位置して居り,

円筒座標を考えるのが便利である.海底面と円管パイ

(2)

:54 海底土層の透水係数の測定

Test凶ell

leαnSe(エLeve【

H

      7

re(1 Bed

HQ 70

r

H1

Z2 Z1 Z

言卜一・r

Aquifer h

Aquidude

Impervious B(ユse

r

      Z

Fig.1 Partially penetrating test well in the aquifer under sea−bed

プの軸線との交点を原点0とし,鉛直下方に9軸,

これに直角に管の半径方向にγ軸を図1のよづにと る.流れは9軸に対して軸対称と考えられる.図1 のように半径㌦で深さが91から92までストレー ナを切った部分の管が透水層の厚さhの土層内に存 在するとする.この問題の解析は次の微分方程式のφ を求めることに帰する.Laplaceの方程式は次式で与 えられる.

  ÷審(  ∂φγ ∂7)+裳一筆    (・)

 境界条件として

Hoの海底ではポテンシャルは一定で,透水係数をみ とすると

  9=0でφ匹好為         (2)

不透水面を通しての流れはないので         ∂φ

  ・勃で一石一一〇     (3)

ストレ・βナを切っ売管壁では管内鯛く位が一定であ名・

ときポテンシャルは一定である.

  γ=γω(91<9〈92)でφ=一定=φω=たH(4)

ここに

φ一ゐ(ρρ19)一・   (・)

で定義され,ρ,ρ1は(γ,9)点の土層内の流体の圧 力と密度で,gは重力の加速度である.解析は(1)を 境界条件を考えて直接解く方法と鏡像の方法が考えら れる.ここでは後者を考える.解析に先立って=透水層 の厚さ乃の2倍を長さの単位として採用する.変数 を次のように定義する.

    γ        9        91       92

  ρ=一2万・Zσ=羽万,κ1=一2万・κ2=一π,

     γzσ   ρω=2h 方程式(1)の特解は

}誌舞   、(6)

で強さ96αの流入素片が原点0から別軸に沿って κ=αの所におかれていることを示している.方程式

(2),(3)を満足するようにするためには湧出点と流入 点を図2のように置けばよい.g>oとすると,この

(3)

EXPLANATION

lコSource

oSink

     o(○,一1一ρ()

回(0,一1十氏.)

[ヨ(○,一(x)SeαBed

Impervious Bαse

0(○,1−6〈)

       回(0,1+o()

Fig.2 1mage system for a partially penetrating     test well

場合は管内の水位が海面より低く,海水が管内に流入 する時で,一定量ρだけ揚水して管内の水位を一定 にしている.4<oは流れは管から外側に向い管内に 一定量ρだけ給水する場合に相当する.さて

 流入点の座標は(0,±2η+α),{0,±(2η+1)_α}

 湧出点の座標は(0,±2η一α),{0,±(2η十1)十α}

となり,従ってこれらによるポテンシャルは次式で与 えられる。

蜘4・{一石,+(1評+研(1一,,)、

 。。     1      。。      1 一。三、》房+(・。+。一,、)・一。三、》ρ・+(・。一。+別)・

 。。      1      0。      1 一。三。》ρ・.(2π十1一α一zo)・一。三。》ρ・.(・。。・.α.,,)・

 ○。      1       。。      1

㌔三、》,・+(・。一。一 )・㌔三、》,・+(・。+。柳)・

+淫。》ρ、.誌α_),+淫。》ρ,滋一_),}

      (7)

(7)式は数値計算に不適当なので流入素片に近いρの 小さい所では(7)式をρについて展開して少しく操作 すると次式が得られる.

岬・〔      1         1一》ρ・+(。一切・+》ρ・+@+・),

     1      1

》ρ2+(1一α一zo)2 》ρ2+(1+α+ )2      1      1

+》ρ・+(1十α一zσ)r+》ρ・+(・一。+別)・

+1{ψ(・+αiω)+ψ(・+zo喜α)

+ψ(1+■=α一別  2)+ψ(・+1穿zσ)

一ψ(・一 吉α)一ψ(・+α者zσ)一ψ(・+1+窒一 )

一ψ(  1一α十zo1十    2)}+寺ρ・{ζ(ミ・+・i )

+ζ(3・・+等α)+ζ(・,・+1一隻 )

+ζ(    1十α十zo3,1十      2)一ζ(3・・一別吉α)

一ζ(・,・+α評)一ζ(…+1+箋一ω)

一ζ(3,・+と響)}一、16ρ・{ζ(臥・+α毒別)

+ζ(5・1+誓α)+ζ(…+1一隻 )

+ζ(    1十α十zσ5,1十      2)一ζ(…一誓α)

一ζ(・,・+α劉一ζ(・,・+1+箋 )

一ζ(   1一α十zo5,1十    2)}〕  (8)

ここにψはr関数から定義されDi−gamma関数と して知られている.すなわち次式で示されるものであ

る.

ψ(・)一レ一一・・5772一÷

  +鯵..讐(1   1挽  y十翅)

ζ(∫,:y)一i(。筆,)、

ここにζはRiemannのZeta関数である.

(8)式をαについて管内のストレーナの長さκ1から ん2まで積分して方程式(1),(2),(3)を満足するポテ

ンシャルφを得る.

(4)

56 海底土層の透水係数の測定

φ一・{T(κ2,ρ,z・)一丁(…卿)}+c (9)

ここにσは積分常数でC=ゐHoとなる.一丁は次式

で示される.

T(α,ρ,Zσ)=109一

{別+・+》ρ・+(別十α)・}

×

{α一初+》蒼てα一砺2}

{一1+α一・・+》ρ2+(1一α搬)2}

×

{1+α+ω+》ρ2+(1+α+切2}

{1+α一別+》戸2+(1+読緬)弓   {一1+α柳+》ρ2只i一α一 )・}

r(・+α劉r(・+1+響)

のため管内の水位Hが上昇する.その時次式が成立

する.

  ・・辮一9    (・4)

(14)式に(12)式を入れて実測開始の時刻 =0の試験 井内の水位をH1.として積分すると次式が得られる.

  (H−Ho)=(H1−1ヲ o)θβ孟       (15)

ここに

  β一4讐野立    (・6)

      ω

+÷1・9

    ×

     r( α十zo1十  2)r(・+1+隻一別)

+÷〆{一ζ(玖・+劉+ζ(歌・+学)

+ζ(   1一α一τσ2,1十    2)一ζ(…+1+隻+zσ)

ぺ・+別碁α)r(・+1一箋一別

ぺ・一別吉α)べ・+1一筆柳

一ζ(21_ 2)+ζ(名・+禦)

+ζ(・,・+1+隻一別)一ζ(2・・+1一隻+初)}

+0(ρ4) (10)

ここに

・一、。(9       (1192−91))

となることは明らかである。

(4)式と(9)式より(11)式を参照して,別としてκ1と り 2の中心をとり,次の式を得る。

  ・ゐ一砺一嵩H一砺    (・2).

ここに

  M−T(       κ1十κ2κ2・ρz〃・  2)

   一丁(      κ1十κ2κ1・ρω・  2)  σ・)

これによりρと(H−Ho)を測定して透水係数々の 値を求めることができる.これが一定水位法の原理で

ある.

2)回復水位法

 管内に単位時間に9だけ滞水層内から流入し,そ

現場測定により(15)式を用いて減衰の度合よりβを決 定し(16)式より透水係数たを算出する.これが回復水

位法の原理である.

3)一定水位法における簡易式

 (7)式の2項までとったものを考えると(10)式は       卿+α+》ρ2+@+α)2   T(α,ρ,zo)=lo9

      (17)

      醒二戸+》ρ2+(α一ω)2 となり(13)式のMが非常に簡単になる.これを簡易 式と名,づけることにする,(17)式を(12)式に代入して 透水係数の値が求まる.

5.実 測 例

 中海干拓の堤防構築予定線上で実測を行なった.す なわち図3の島根半島と江島を結ぶ線上のNo.1,

No.2及びNo.3の地点で一定圧力の下で,つまり 海面より高い水位にパイプ内の水位を一定に保つため に,パイプ内に流入させなければならない水量を測定 した.表1にはストレーナを切った部分の位置,その 半径,不透水層の厚さ,及び加圧水圧などを変化させ たさいの流入水量を測定し,(17)式の簡易式を用いて       ヨ透水係数の値を算出したものを示す.ほぼ10cm/

sec程度のものである.(10)式の精度を考える.数字 を玩ぶ嫌いはあるが,透水係数の値は(17)の簡易式に よる値1.158610×10一5m/sec(表1の2行目のNo.1)

は(10)式の第1項,つまり簡易項に(8)式から見られ るように更に3,4,5,6の項の寄与があると1,173 1717×10一5m/secとなる.透水係数の増加量は1.26

%である.r関数の項まで入れると1.1734112×10−5 m/secで簡易項に比し1.28%の増加となる.もちろ んρω2とρω4の項は省略できる.従って今回のよ うに透水係数の小さい時は簡易項のみでも使用に耐え るといえる.試験井のストレーナ部分の滞水層内での 位置と,ストレーナの長さの滞水層の厚さに対する相 対的な値によってMの値が左右されることは注意を 要する.以上が一定水位法による結果である.

(5)

      蕊 Sαkαishi Shim(エne Peninsu【(1 .律

      ㌶SGkαi Rd【wαy

      Tonoe

Miho Bαy

TestWeU Nα1

      Nα2       No3

N(1k(ユumi Wdt(1ri

Eshim

0   1000   2000m

Fig.3 Location of test wells

Table l Permeabilities(k)calculated by the formula from observation data We11

No.1 No.1 No.1 No.1 No.2 No.2 No.2 No.2 No.3 No.3 No.3

91(m)

10。1Q 16.10 10.10  4.15 19.00 19.01 10.00 10.00 14.10  5。10  9.10

92(m)

11.00 17.09 11.00  5.02 20.00 19.92 10.91 10.91 15.00  6.00 10.00

γω(m)

0.058 0.044 0.044 0.044 0.058 0.058 0.058 0.058 0.045 0.045 0.045

h(m) H一π0(m) ρ(m3/sec)

      一420.30     8.19    2,538×10

      −417.18     10.10     2。222×10

      −417.18      8.19     2.5  ×10

      −417.18     2.13     2.564×10

      −420.30     3.68    3.3  ×10

      −420.30     2.48    2.632×10

      −420.30     3.58     2.324×10

      −420.30     3.20    2.0  ×10

      −418.30     7.36    2.34 ×10

      −418.30    1.17    2.62 ×10       −418.30   1.21   2.8 ×10

ゐ(m/sec)

    一51.49×10     −51.16×10     −5 2.08×10     −42.03×10     −54,05×10     −54.50×10     −53.11×10     −53.00×10     −51.62×10     −41.17×10     −41.23×10

 水位回復法については噴砂現象がおこってあまりよ い結果は得られなかったが,表1のNo.1の試験井 の3行目のものについては噴砂現象が全然おこらず,

図4に示すような時間の経過に伴なう水位の回復が見 られた.この時は最初試験井内の水位を海面より3.06 伽下げて時間と共に水位の回復を読みとった.これを

(15)式の対数をとったものに代入してΣ4法を用いて 透水係数を算出した.値は2.2×1『4cm/secである.

これは一桁一定水位法によるものより小さい,試験井

内の水位を海面より高くして試験を行なえば噴砂現象 が起らないと考えられるが海上なので困難な面もある.

これらに対して資料を持ち帰っての実験室内の透水試 験の結果得られた値を表2に示す.

 ボーリングの結果による土質柱状図をも図5に示す,

室内試験による透水係数の値と一定水位法によるもの を比較するにオーダはほぼ同じ程度である.定水位法 にしてもストレーナの部分が滞水層の比較的浅い所に あるものは透水係数は大きく出ている.これらの点で

(6)

58 海底土層の透水係数の測定

E

03

8

ε

62 9

3

茜1

0 20 40 60 80

100

120   140  160

Minute一一引レ

Fig.4 Rise of the water table in a test well

Table 2 Permeabilities(cm/sec)obtained by laboratory test

Well No.1 Well No.2 Well No.3

Depth(m) Permeability Depth(m) Permeability Depth(m) Permeability

0・00−0・30 薗ャ・6〜1・9×1『40・00〜0・30 2.59〜3.60i・.0〜・.5×・0一u  3.・0

    6.・・}・.3−6.5×・・一・

、2.82一、8.22i、.5一、.9×、。一・23.,。一23.55

  *:Values for undisturbed samples

      一41.2〜1.7×10       −2 3.3〜3.4×10

      一6 1.8〜2.1×10

0.00〜0.30     3.90 9.30〜10.20 16.00〜17.4

      一3

*2.6〜3.5×10       −24.8〜5.2×10       −2   1.22×10       −36.3〜7.5×10

なお深く考察すべき余地を残すとは言え,現場測定と しては比較的妥当な結果が得られたものと考える.

4.む す び

 海底下の透水層の透水試験は前例がなく,利用する 測定公式も作られていない.ここでは一応公式を提出

し,あわせて現場測定に適用し良好な結果が得られた しかし,不備の点も多い.これらについては更に多く の実測と共に理論面からも将来の研究を期待する.こ の現場の透水試験に御協力頂いた農林省岡山農政局の 方々に深謝する.

(7)

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Fig. 5

No.2

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       59

  EXPLANATION

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Generalized graphic logs of wells used in aquifer test in Nakaumi, Shimaneken

参照

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