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西崎宏1.

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Academic year: 2021

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日本の伝統芸能における音楽表現と活動支援 一三線と津軽三味線を中心として‑

教科・領域教育専攻 芸術系(音楽)コース

西 崎 宏

1 .

研究の目的と方法

現在日本の人々は国際社会の中で世界の国々 と関係を持ち,お互いに支え合いながら生活し ている。そのような中で,人とのふれあいを大 切にし,コミュニケーションを円滑に進めてい くためにも,あらためて日本という国の伝統や 文化,歴史の特質や普遍性を再認識し,また自 己あるいは国としてのアイデンティティを見つ め直すことは不可欠である。そのためには最も 身近な郷土,あるいは日本を特徴づける特定の 地域の文化について理解を深め,継承すること は重要である。それらの文化財としての伝統音 楽や芸能には,社会や人間にとって極めて有益 な価値や生来有する多様な能力を認めざるを得 ない。郷土の文化に目を向けることで,国や地 域を愛する心を育み,また,その地域を支える 社会の構成員としての自己を自覚することで人 の成長を促すことになろう。それゆえ,伝統の 尊さや普遍的文化の重要性に気付かされるので ある。

今日のようにめまぐるしく変化する社会環境 にあって,人々の中で、希薄化しつつある共働す る心や消滅しつつある生活文化に再び自を向け ることは教育的な視点からも重要である。つま り

, 日本人の民俗性を決定づける要素,すなわ ち普遍的な伝統文化によって形成された個々人 を取り戻す意味において,その文化的側面のひ とつである伝統的音楽文化をみつめることでそ

指 導 教 官 草 下 貫 教 授

の文化の真の価値を究明し,学校教育や社会に おける教育への一助としたいと考えた。

本研究では,まず日本の伝統的な音楽及び芸 能について精査し,伝統音楽の持つ表現のあり 方や伝統としての文化的価値や教育的意義を探 求する。さらに近年急速に人気を集めている沖 縄音楽と津軽三味線に焦点を当て,それらの地 域的,伝統的音楽の特性,あるいはそれらの音 楽が内包する魅惑の要因を含めて究明する。ま た本来,唄として伝承された民謡から発展し,

今日の演奏形態にみられるような三線や三味線 による独奏音楽として成立した経緯を三弦属楽 器の構造やそれらの歴史的変遷過程を含み概観 する。さらにそれらを鑑み,学校や社会におけ る音楽表現活動の一手段として捉え,地域や学 校の組織的活動やボランティア活動などに活用 する方法を検討する。

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論文の概要

第一章では日本の伝統芸能について概観し,

日本音楽の歴史的背景や伝統としての文化的価 値及び教育的意義を考察する。第二章では三線 を中心に沖縄音楽について,第三章では津軽三 味線を中心に津軽地方の伝統音楽について考察 しその魅力を検討する。第四章では学校や社会 における和楽器の活用を含めた音楽表現活動に ついて考察する。

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研究のまとめ

本研究では日本の伝統芸能における音楽表現 や活動支援について探究したO そこで、は伝統音 楽の文化的価値や教育的意義を再認識すること となったO さらに日本伝統音楽の持つ二面性,

すなわち(1)原型を留めながら未来永劫伝承さ れる立場に置かれるもの。(2)伝統を守りつつ各 時代や社会の要求に呼応するように進化するこ とを容認する立場におかれるものが存在するこ とも知り得た。本論においては日本の中でも特 に郷土性が強く現れる沖縄地方と津軽地方の民 間伝承音楽について概観した。そこでは土地に 根付き,民衆に愛されてきた三線と津軽三味線 の歴史や楽器の構造,さらにそれらの伝統的な 音階や技法を通して三線と津軽三味線を中心と した音楽の魅力について探究したo 三線や三味 線などの伝統的な楽器は歴史を遡ればアジア 地域の弦楽器に依拠しているが, 日本に伝来し 伝承されていく過程で改良され新たな技法が編 み出されてきた。その技法や音楽は,地域にお ける文化として発展してきたもので、あり,郷土 性が色濃く反映しているため,そういった音楽 を理解することで国や郷土を愛する心,さらに は伝統の重要性の認識へとつながるO

また,音楽表現実践のあり方を検討し,子ど もたちが日本の伝統楽器への関わりをより自然 に体験することの必要性を述べた。そこから,

日本の文化史や地域の風土や地史に触れ,自ら の技量に応じ,伝統音楽による表現活動をする ことの意義とその重要性を述べた。三線・三味 線を活用するとしづ具体的なねらいとしては,

日本の伝統的な楽器や音に直接触れることで自 国の文化に興味・関心を持たせ, 日本的な音の 美しさや雰囲気を味わい,さらに日本の伝統的 な音楽の特質や文化遺産としての価値や魅力に

気づかせることにある。

さらに,学校での活動だけでなく,不足して いる人材や教材を地域全体で支援していけるよ うに,公共団体や施設との交流を図り相互的な 関わりを築いていく必要がある。

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今後の課題

本研究を通して教育や音楽活動への民謡の有 用性を新たに発見し伝統音楽を通した音楽活 動や表現活動支援の一助となる確信を得た。民 謡のように日々の生活の中で育まれた芸能は,

現在の音楽活動においても社会集団の結束を強 めたり,コミュニケーションの一手段として活 用する素材としては極めて有効である。民謡を はじめとする地域に根ざした伝統音楽関連の研 究を進め,それらを教育現場や地域活動におけ る耕オとして発展的に導入することは意味深い。

さらに,三線や三味線を耕オとして取り入れ る学習の有効'性については,習得が困難である からこそ楽曲に内在する伝統的な要素を理解で き,文化としての価値認識につながると述べた が,それらを用いた授業の詳細なカリキュラム や授業指導案については触れることができなか ったO またその教材を扱っていく際の評価の問 題や,地域の活動においての指導計画について も考察する必要があるが,それらは今後の課題 としたい。

{学位関連演奏曲目}

(1)安里屋ユンタ 作詞:星克 (2)津軽あいや節 (3)津軽よされ節

沖縄民謡 作曲:宮良長包

津軽民謡 津軽民謡

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参照

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