• 検索結果がありません。

糖尿病性腎症と尿中低分子

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "糖尿病性腎症と尿中低分子"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

博 士 ( 医 学 ) 三 好 秀 明

学 位 論 文 題 名

糖尿病性腎症と尿中低分子 AGE (終末糖化産物,

Advanced Glycation Endproduct) との関連にしゝ‑C 学位論文内容の要旨

  現tr.,糖尿病慢性合併症の発症や進展の原因として最も有カな説のうちのーつに.蛋 由 糖 化 反 応 を 基 と し たaclvancecl glycation enclprocluct (AGE)説 が あ る,AGE は還元糖とアミノ酸の非酵素的蛋白糖化反応(グリケーション)における最終産物で,生 体内 の比較I的半 減期の長 いコラ ーゲンな どの蛋白 の分子 間,または分子内で架橋を形 成す ることに よって .また様 々なサ イトカインや成長因子の産生を介して,組織の障害 を 起こす といオJれて いる,し かし.AGE形成 の詳細 にっいて は未だ明 らかで はなく,

!ft休I勺のJt要.へ(;じ構造についても明らかにはされていない,これまで様々なAGE 候im物質が報fIテされているが.それら候補物質はin vitroで作製されたものがほとんど で . fHト に 存 ´ に す る 全 八 ( ; Fの 数 % に す ぎ な い と 言 わ れ て い る .   ′I:仆f勺のー\(;F暈は.その産生と除去能カに依っており,産生のスピードは高血糖状 態 に胤定 され, 除去能カ はマクロ ファー ジの働き と腎機 能に規定 されて いると考 えら れる,流I卿I|には.ネ‖,織に蓄積したノ丶GEがマク口ファージや蛋白分解酵素により貪食.

う 解されて できた 比較的小 分子量 のAGE(AGEーDe ptide)とt血清蛋白に蓄積している 比較 的人分了量の八(;E(A(;EーDr otein)の2種類のAGEが存在すると考えられてお り.特に血巾八(;Eゆ(2p ticleの量は,健常者に比較し糖尿病患者群で有意な増加,また 糖 尿 病性 腎 不 全の た め 透析 を 行っ ている群 では正常 者に比 べ約5倍の増 加を認め たと され 現伍の透 析療法 では,最 も除去 効率の良い透析膜でも,AGEーpeD ticleの除去は不 nI・I分であ ると報告されている,更にAGEーDePticleはAGE‑Droteinと比較し,それらの 持つ 八(;E活 眦毒性が 強いと されている.本研究はA(Eの持つ特性のーっとしての特 異的螢光波長(Excit.ati()n370iiin/Einissioi1゛441:01iiii)を利用して,尿中からAGE‑

I)el)licleを分離し,更に糖尿病性腎症の進行と尿中A(;EーpeD tideにっいての関係を明 解にすることを『1的とした,

   2型純尿病患者1n(】人,非糖尿病性の腎障害患者39人,また正常コント口ール20人,

計1 r)c)人 につい ての来院 時随時 尿を対象とした,糖尿病患者100人はt糖尿病性腎症病 川Jう 畑に従いrI仟に分類した(N:腎症前期群.Mi:早期腎症期群,Ma:顕性腎症期群 C: 腎小令!UHほ III):透折療法J・川群).非糖尿病性の腎障害患者39人は,透析療法導入の有 無により2餅にク}熾した(n・(::非透析療法群,n‑HD:透析療法群).尿検体は全て採取 当Hに(:enlril)rel) 10 (Amicon.Denvers. MA,USA)を用い,遠心操作(3,000 rpm, 45 min)にて う 了 ・景1万以上の 分画と .分子量1万 以下の分 画に分離を行い,分子量1万 以 ド の分 剛 の うちr)01t亅 を分 子篩HPLCに 流し、AGE特異 的螢光波 長でモ 二夕ーを し て. 尿【1・J八GEの検mを行っ た,全ての群で、時間19分,22分に2つの大きなピークと いく っかの小 さなピ ‥クを認 め.大 きなピークについて,それぞれピーク1,ピーク2と

‑ 424

(2)

し た . に ー クIは 分 ア 量 約6.000 Da, ピ ー ク2は 分 子 量 約2,500 Daで あ っ た , ま た 、 糖尿 病の 腎 不余 刈群 患者 ((ニ冫.透析療法期群 患者(HD),非糖尿病の透析 療法期群患者(nー II川 の:jljiに はさ らに .他 に は認 めら れな い 大き なピ ーク を時 間38分に 認め(ピーク3),

分・ア鼠は約:j(】【)1);lであった.更に、それら3群の尿中AGEーpep ticleの総量は,他の群 と 比 較 し 約2〜3倍 の 増 加 を 認 め て お り , こ れ ま で の 血 中 に お け るAGEーpepticleの 同 群 で の 増D‖ を 報 告 し た 結 果 と 一 致 し た 成 績 で あ っ た . し か し ,AGE‑peptide値 は 透 析 患 者 で は 糖 尿 病 と 非 糖 尿 病 と で 有 意 な 差 を 認 め な か っ た . こ の 事 実 か ら は ,AGE・pep tide の 増 ん ‖ に は , 八c;Eの 産 生 上昇 より も ,体 内か らの 排泄 低 下の 方が 大き な 要因 にな ると 考 えCれ た っ ま り 腎 機 能 が 低 下 す る と 、 血 中 のA(;E量 が 多 い に も 関 わ ら ず 腎 臓 か ら 排

‖ltし き れ ず 尿IIlの 八 ( ;E鼠 が 多 い に も 関 わ ら ず 尿細 管 での 十分 な再 吸 収が 出来 なく な ることが,ioL 11、 尿巾の八(;Fの増加の原因に なると推測される.

  ま た 本n肝 究 で 報 告 し た ピ ーク3は ,糖 尿病 と 非糖 尿病 の腎 不全 期 群患 者(C,nーC)を 比 較し て児 た 際, 糖尿 病(C) では 認め る が、 非糖 尿病 (n―C)で は殆 ど認め られないことがわ か っ た 、 さ ら に 分 予 篩 トIPL()で 得 ら れ た3つ の ピ ー ク に つ い て , そ れ ぞ れ イ オ ン 交 換 111 ̄Ji; をf,rい, 検帚tし たと ころ ピ ーク1と ピー ク2は い くっ かの 物質 の 混合 であ るこ と が ォjか り . ピ ー 一 ク :jは イ オ ン 交 換HPLC, 逆 相HPLCの 結 果 か ら も 単 一 の 物 質 で 構 成 さ れ て い る 可 能 性 が 示 唆 さ れ た . こ れ は 分 子 量 が300 Daと 非 常 に 小 さ い こ と か ら ,AGEー 1〕 ぐI) い (1( ! の生 体内 にお ける 分 解産 物, もしくは未だ主要構造の確 定レていないAGE物 質そのものである可能 性も考えられた,

  ボ リ ク 口 ー ー ナ ル 八(,F抗 体 を 使 用 し た 競 合ELISAの 結 果 か ら も , ピ ー ク1と ピ ー ク2 に は 八 ( ;Fが 含 ま れ て い る こ と が 示 唆 さ れ た が , ピ ー ク3がAGE構 造 体 を 含 ん で い る と い う こ と は1丱 ら か に は で き な か っ た , し か し , 今 回 のELISAの 結 果 だ け で は , 完 全 に ピ ー ク :jの 物 質 が 八(;Eで な い と は 確 定 で き な い も の と思 わ れ, さら なる 検 討が 望ま れる , 八 ( ほ 駿 をtllll定 す る こ と は械 尿病 合 併症 の治 療効 果の マ ーカ ーと して も ,合 併症 出現 の り ス ク の マ ‥ 力 一 と し て も 有 用 で あ る . し か し . こ れ ま で の 報 告 で は 使 用 す るAGE抗 仆 に よ っ て , ヽ ( ;r景 の 結 果 は 異 な っ て お り , さ ら に 一 部 のA(;E抗 体 はepitopeと な る

,\(;rの榊J&III仆が不IリJであり.また,そ れがllete roge neousなものであることが予測 さ れ て い る , そ れ ゆ え 多 く の 種 類 のA(;E抗 体 の 分 類 と 標 準 的 な 免 疫 学 的 測 定 法 の 確 立 が 望 ま れ て い る ,A(;E特 異 的 螢 光 測 定 法 は 最 も 代 表 的 な 測 定 法 で , 血 中 の 低 分 子 量 の 八GEに つ い て .ELISA法 と 蛍 光 測 定 法 を 同 時 に 比 較 検 討 し た 最 近 の 報 告 で は 強 い 相 関 が 示 さ れ て い る ,I・IPL(,と 螢 光 モ 二 夕 一 を 組 み 合 わせ た 本測 定法 は, 簡 便で 更に ピー ク ご と のaT佃iも 可 能 で あ る , 生 体 内AGEの 臨 床 的 意 義 を 解 明 す る 有 カ な 測 定 法 と し て 今 後 応 川 で き る と 考 え ら れ る , ま た 一 般 的 に 糖 尿 病 患 者 で 腎 障 害 を 認 め た 際 , そ の 病 因 が 高m糖 の み に よ る も の か , 合 併 し た 高 血 圧 に よ る も の か ま た は 他 の 腎 臓 病 が 合 併 し た も の な の か は , 臨 床 デ ー タ な ど か ら あ る 程 度 予 想 は 出 来 る が 確 定 診 断 が 困 難 な 場 合 も 多 い , 腎 生 検 は そ の 半I亅 定に 対し て 有用 な検 査で はあ る が, 侵襲 的な 検 査で あり .重 篤 な 合Df症 が ゎ き る こ と や 実 施 自 体 が 難 し い 施 設 も あ り , 必 ず し も こ の 検 査 は 容 易 で は ない ,/ ヂ[iilのネ |1f果より,ピーク3は腎機 能障害を持つ糖尿病患者の診 断の一助として有 効な8舗Jふ マ一 力. .とt´ にり うる と 考え られ ,ま た病 因 を明 らか にする 目的にも有用であ るlIJ能t′|tがち. えIユれた,

  以l, : よ り 尿lIl弧 分 ナ 八(;Eが. 糖 尿病 性腎 不全 患者 と ,非 糖尿 病透 析 患者 で著 しく 増 加Jす る こ と をI川 ら か に し た . ま た 分 子 篩I‑IPLCな どを 応 用し 、腎 不全 患 者に 特異 的な ピ ー ク の 存 花 を 維 認 し た , 特 に 分 予 量300 Daの ピ ー ク は , 非 糖 尿 病 性 の 保 存 期 腎 不 全 患 者 に は 認 め ら れ な い こ と か ら , 糖 尿 病 患 者 の 腎 機 能 障 害 に お け る 高 血 糖 と の 因 果 関 係 を 検 索 す る 上 で , 有 用 な 検 査 と 成 り う る 可 能 性 が 示 唆 さ れ た , 今 後 、 生 体 内AGEの 最 終 分解産物である可能性 も視野に入れた検討が期待 される,

425 ‑

(3)

学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

糖尿病性腎症と尿中低分子AGE (終末糖化産物,

Advanced Glycation Endproduct) との関連にしゝ ‑C

  本 研究 は、糖尿病慢性合併症の要因と考えられているAdvanced Glycation Endproduct(以 下AGE)、中でも生物活性が高いと考えられている低 分子AGE(以下AGE‑pept ide)に関して、

尿中AGE.peptideと糖 尿病 性腎 症進 展と の関 連 を明 らか にし 、更 に数 種類 のAGE‐peptide に対して検討を加えたものである。

  AGEは 還元糖とアミノ酸の 非酵素的蛋白糖化反応(グルケーション)における最終 産物で、

生体 内の 比較 的半 減期 の長 いコ ラー ゲンなどの蛋白の分子間、または分子内で架橋 を形成す るこ とに よっ て、 また 様々 なサ イト カインや成長因子の産生を介して、組織の障害 を起こす と い わ れ て い る 。 し か し 、AGE形 成の 詳細 に つい ては 未だ 明ら かで はな く、 生体 内の 主要 AGE構造 につ いて も 明ら かに はさ れて いな じゝ 。こ れま で様 々なAGE候 補物 質が 報告 され て いる が, それ ら候 補物 質はinvitroで 作製 され たも のが ほと んど で、 生体 に 存在 する 全AGE の数%にすぎないと言われている。

  腎 症進 行度 別に 分類 した 糖尿 病患 者、非糖尿病性の腎障害患者ら計159人の随時尿peptide 分 画 を そ れ ぞ れ 分 子 篩HPLCに よ り 分 析 し 、AGE特 異 的 螢 光 (Ex370nm/Em440nm)を 有す る3種類 の特徴的なピークを 得た。抗AGE抗体を用いたELISA法により、分子量6,000、2,500 Daの2つ の ピ ー ク に はAGE物 質 の 存 在 が 確 認 さ れ 、 更 に イ オ ン 交 換HPLC、 逆 相HPLCに よ り 、 数 種 類 のAGE.peptideが混 在し てい るこ とが 明ら かと なっ た。AGE特 異的 螢光 を有 する 分子 量3boDaのpeptideは、 糖尿 病と 非糖 尿 病の 透析 群と 糖尿 病性 保存 期腎 不全 群に ほ ぼ特 異的 に認 めら れ、 同様 に腎 機能 の低下している非糖尿病性の保存期腎不全群に は見られ なか った 。こ のpeptideはか なり 小さ い物 質で あり 、生 体内AGE物 質の 最終 分解 産物 であ る 可能 性が 示唆 され た。 また 、腎 障害 をもつ糖尿病患者において、腎障害が糖尿病に よるもの か他 の腎 疾患 の合 併な のか 、時 に行 われる腎生検と同様に、糖尿病自体の腎障害へ の関与を 測る指標になる可能性が示唆された。尿中の総AGE.l)ept,ide量は糖尿病性腎症の進行と共に 増加を認め、これまでの報告と併せて、要因としてAGE・I)eptideの近位尿細管での再吸収障 害と 、AGE.peptideの 糸球 体通 過障 害に伴う血中AGE.peptide増加の反映が考えら れた。糖 尿病性腎症群でも排泄機能が保たれている場合は、 血中AGE.pept ide増加は乏しく、正常対

夫 博

隆 正

池 香

小 浅

授 授

教 教

査 査

主 副

(4)

象群でも2 ,500Da ピークは尿中に比較的多く認めることより、高血糖によるAGE 生成ととも に、それ以上にAGE‑peptide 排泄が生体内、結果としては尿中のAGE‑peptide の量を反映す る要素と考えられた。

   発表終了後、吉木教授から糖尿病性腎症AGE 免疫染色に使用される抗AGE 抗体の多様性、

血液中における同様のAGE‑peptide の検出の有無について質問があり、最後に300Da の物質 に対してのキャリアタンバクを利用した抗体作製についての提言があった。続いて、浅香教 授から、使用した抗AGE 抗体の作成法と認識するエピトープ、生体内でのAGE の存在形態、

統計処理の仕方、透析患者の血中AGE‑peptide 量に関するこれまでの報告との差違について 質問があった。これらの質問に対し、申請者は概ね適切な解答をした。最後に、本研究の臨 床応用に向けての展望を述ベ、質疑応答を終了した。

   この論文は、糖尿病慢性合併症の要因である AGE‑peptide と糖尿病性腎症の関連を明らか にし、腎症進行と深く関与する新たなpeptide を示した研究として高く評価され、今後、未だ 不明である生体内主要AGE 物質の構造解明、糖尿病慢性合併症の新しい治療の開発に貢献す るものと期待される。

   審査員一同は、これらの成果を高く評価し、大学院課程における研鑽や取得単位なども併 せ申 請者 が博 士( 医学 )の 学位 を受 ける のに十 分な 資格 を有 する もの と判 定した。

427

参照

関連したドキュメント

目標を、子どもと教師のオリエンテーションでいくつかの文節に分け」、学習課題としている。例

太宰治は誰でも楽しめることを保証すると同時に、自分の文学の追求を放棄していませ

特に(1)又は(3)の要件で応募する研究代表者は、応募時に必ず e-Rad に「博士の学位取得

を育成することを使命としており、その実現に向けて、すべての学生が卒業時に学部の区別なく共通に

を育成することを使命としており、その実現に向けて、すべての学生が卒業時に学部の区別なく共通に

具体的な取組の 状況とその効果 に対する評価.

具体的な取組の 状況とその効果 に対する評価.

具体的な取組の 状況とその効果 に対する評価.