• 検索結果がありません。

学位論文内容の要旨

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "学位論文内容の要旨"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

博 士 ( 工 学 ) 石 橋 宏 仁

学 位 論 文 題 名

NEDOL 法石炭液化 / ヾイロットプラント予熱器 および反応器における三相流動特性

学位論文内容の要旨

  わ が国 では 石油代替エネルギーを得る技術開発の一環として,石 炭の直接液化プロセ スの 開発 研究 が精 力的 に推 進さ れて き た. この プロ セス では ,石 炭を約723K,15 Mpa 以上 とい う高 温高圧の条件において水素化することにより直接液化 し,石油に類似した 液体 燃料 油を 得ることを目的とし,プロセスはスラリー調製,液化 反応,液化油蒸留お よび 循環 油水 添反 応の4つの 工程 から 成る.これらの工程において 最も操作条件が厳し い液化反応工程はいくっかの未解決な課題を抱 えている.中でも,スラリー予熱器では,

加熱 とと もに スラリー粘度が上昇すると流動が緩慢となり,伝熱速 度が低下する結果,

予熱管壁への粒子付着が起こり,管閉塞などの深刻な操作トラブルを弓1き起こす.また,

液化 反応 器内 は高温高圧気液固三相系で,複雑な流動状態を呈し, ガスホールドアップ や流 体物 性な どに関する知見が不十分であるので,これが石炭の反 応率や生成物の収率 に与 える 影響 を正確に把握することは難しいのが現状である.さら に,これらの主要装 置の スケ ール アップについては,これまで大型プラントの運転結果 に関する報告が少な く,設計計算の基礎となる物質収支や熱収支などに関する知見が十分蓄積されていナょい.

本研 究は ,わ が国 にお いて 国家 プロ ジ ェク トと して 取り 上げ られ た直接液化法である NEDOL法 に 基 づ ぃ た150ト ン / 日 規 模の バイ ロッ トプ ラン ト予 熱器 と液 化 反応 器に お ける スラ リー 流動特性と液化反応特性を明らかにしたものであり, 本論文はその研究成 果を纏めたものである・

  本論文は,5章か ら構成される・

  第1章 は 序論 であ り, 本研 究の 背景 ,既往の関連研究,本研究の 目的および本論文の 構成について述べている.

  第2章 で は, バイ ロッ トプ ラン トヘ アピン型予熱管内流れ方向の 圧力損失と管壁およ び内部流体温度の変化を測定し,石炭種やスラ リー濃度の影響を検討するとともに,.ス ラリ ーの 有効 粘度および熱伝導度を推算した結果を述べている.す なわち,予熱管内ス ラリ ー有 効粘 度の変化を圧力損失の変化として測定し,石炭種によ り粘度増減の原因が 粒子 膨潤 およ び溶解であるか,重質液化生成物の粒子表面への蓄積 および溶解であるか が異 なる こと ,管内におけるコーキングやスケーリングは予熱管へ の熱流束を高および

‑ 87

(2)

低負荷部に分割して適正に保ち,管外表面温度を723K以下に制御することにより,

抑制できることを初めて明らかにしている.また,既往の研究成果に基づぃて本研究に おける測定結果からスラリー有効粘度および熱伝導度,ガスホールドアップなど,プラ ント設計に不可欠な因子を解析した結果も明らかにしている.

  第3章では,直径Im,高さllmの気液固三相懸濁気泡塔型液化反応器内ガスホール ドアップを,差圧法とガス遮断法の2種の方法により常温高圧冷油,高温高圧熱油およ び高温高圧の3条件において測定した結果を述べている.ガスホールドアヅプはガス空 塔速度が0.08 m/s以下の範囲でガス空塔速度とともにほぼ直線的に増加するが,それ以 上のガス空塔速度の範囲では増加率が急激に減少すること,ガスホールドアップに対す る反応温度,圧カおよび石炭種の影響は小さいこと,塔径が0.175m以上になるとガス ホールドアップに対する塔径の影響もきわめて小さいことを明らかにしている.さらに,

反応器内流体の状態をドリフトフラックスモデルに基づぃて解析し,均一気泡流である ことを明らかにし,均了気泡流におけるスリップ速度とガスホールドアップの相関式を 提示して,これに基づぃて商業規模の液化反応器におけるガスホールドアヅプを予測し ている.

  第4章では,本バイロットプラントで得た液化ナフサ,常圧軽油,減圧軽質軽油およ び減圧重質軽油を試料として,充填式精密蒸留塔によりASTM D‑2829に従って平均沸 点 範囲が353〜643Kの12種の狭沸点留分に蒸留,分別し,各留分の比重,平均分子 量,標準蒸発潜熱,密度,粘度,比熱,熱伝導度,表面張力,蒸気圧および蒸発潜熱を 測定した結果を述べている.すなわち,(1液化油の物性tま,含まれるナフタレン,フェ ナントレン,ピレンなどの多環芳香族類やバラフイン類の組成に強く依存するので,組 成が石炭種やプロセスにより異なること,大型の石炭液化プラントの設計のためには,

循環溶剤が平衡に達した後に取得した物性デ一夕を用いる必要があることを明らかにし ている.また,上記の液化油物性を既往の研究に基づいて適切に推算する液化反応シミ ユレー夕用推算法を明らかにしている.

  第5章は,本研究成果を総括したものである.

  以上のように,本研究は,150トン/日バイロットプラント予熱管における圧力損失 と液化反応器におけるガスホールドアップを測定し,これらを解析することによりさら に大型の商業規模の予熱器と液化反応器の設計や操作に不可欠な工学的設計因子に関す る知見を明らかにしたものである.

‑ 88

(3)

学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

NEDOL 法石 炭液 化パ イロ ット プラ ント予熱器 および反応器における三相流動特性

  わが国では石油代替エネルギーを得る技術開発の一環として,石炭の直接液化プロセスの開 発 研究が精 力的に推進されてきた.このプロセスでは,石炭を約720K,15 Mpa以上とぃう 高温高圧の条件において水素化することにより直接液化し,石油に類似した液体燃料油を得る ことを目的とする.プロセスはスラリー調製,液化反応,液化油蒸留およぴ循環油水添反応の 4つの工程から成る.これらの工程において最も操作条件が厳しい液化反応工程はいくっかの 未解決な課題を抱えていた.中でも,スラリー予熱器では,加熱とともにスラリー粘度が上昇 して流動が緩慢となり,伝熱速度が低下する結果,予熱管壁への粒子付着が起こり,管閉塞な どの深刻な操作トラブルを引き起こす.また,液化反応器内は高温高圧気液固三相系で,複雑 な流動状態を呈し,ガスホールドアップや流体物性などに関する知見がほとんど存在せず,こ れらが石炭の反応率や生成物の収率に与える影響を正確に把握することは困難であった.さら に,これらの主要装置のスケールアップについては,これまで大型プラントの運転が少なく,

設 計 計 算 の 基 礎 と な る 物 質 収 支 や 熱 収 支 な ど に 関 す る 知 見 が 不 十 分 で あ っ た .

  本研究は,わが国におぃて国家プロジェクトとして取り上げられた直接液化法であるNEDOL 法に基づぃた150トン/日規模のバイロットプラント予熱器と液化反応器におけるスラリー流 動特性と液化反応特性を明らかにしたものであり,本論文はその研究成果を纏めたものである.

  本論文は,5章から構成される.

  第1章は序論であり,本研究の背景,既往の関連研究,本研究の目的およぴ本論文の構成に ついて述ぺている.

第2章は,ヘアピン型予熱管内流れ方向の圧力損失と管壁およぴ内部流体温度の変化を測定

89

俊 彦

英 郎

   

   

忠 正

   

葉 井

千 荒

服 林

授 授

授 授

   

   

教 教

教 助

査 査

査 査

主 副

副 副

(4)

し ,石 炭種 やス ラリ ー 濃度 の影 響を 検討 するとともに,スラ リーの有効粘度およぴ熱伝導度を 推 算し た結 果を 述ぺ た もの であ る, すな わち,予熱管内スラ リー有効粘度の変化を圧力損失の 変 化と して 測定 し, 石 炭種 によ り粘 度増 減の原因が粒子膨潤 およぴ溶解であるか,重質液化生 成 物の 粒子 表面 への 蓄 積お よぴ 溶解 であ るかが異なること, 管内におけるコーキングやスケー リ ン グ は予 熱管 への 熱流 束を 高お よび 低負 荷部 に分 割 して 適正 に保 ち, 管外 表面 温度 を723K 以 下に 制御 すれ ば, 抑 制で きる こと を初 めて明らかにしてい る.また,既往の研究成果に基づ いて本研究 における測定結果からスラリー有効粘度およぴ熱伝導度 ,ガスホールドアップなど,

プラント設 計に不可欠な因子を解析した結果も明らかにしている.

  第3章で は, 直径Im, 高さllmの 気液 固三 相懸 濁気 泡塔 型液 化反 応器 内ガ スホ ー ルド アッ プ を ,差 圧法 とガ ス遮 断 法の2種 の方 法に より 常温 高 圧冷 油使 用条 件,高温 高圧熱油使用条件お よ ぴ高 温高 圧液 化反 応 条件 にお ぃて 測定 し,既往の測定結果と比較した結 果を述べている.ガ ス ホー ルド アッ プは ガ ス線 速度 が0.08m/s以 下の 範 囲で はガ ス線 速度とと もにほぼ直線的に増 加 する が, それ 以上 の ガス 線速 度の 範囲 では増加率が急激に減少すること ,気液平衡を考慮し たガスホー ルドアップに対する反応温度,圧カおよび石炭種の影響は小さいこと,塔径がo.175m 以 上に なる とガ スホ ー ルド アッ プに 対す る塔径の影響もきわめて小さいこ とを明らかにしてい る .さ らに ,反 応器 内 流体 の状 態を ドリ フトフラックスモデルに基づぃて 解析し,均一気泡流 で ある こと を明 らか に し, 均一 気泡 流に おけるスリップ速度とガスホール ドアップの相関式を 提示して, これに基づぃて商業規模の液化反応器におけるガスホー ルドアッブを予測している.

  第4章で は, 本バ イ ロッ トプ ラン トで 得た 液化 ナフ サ, 常圧 軽油,減 圧軽質軽油およぴ減圧 重 質軽 油を 試料 とし て, 充填 式精 密蒸 留塔 によ りASTM D‑2829に従 って 平均 沸 点範 囲が353〜 643Kの12種 の狭 沸点 留分 に蒸 留, 分別 し,各留分の比重,平均分子量, 標準蒸発潜熱,密度,

粘 度, 比熱 ,熱 伝導 度, 表面 張力 ,蒸 気圧およぴ蒸発潜熱を測定した結 果を述べている.すな わ ち, (1液化油 の物性は,含まれるナフタレン,フェナントレン,ピレ ンなどの多環芳香族類 や バラ フイ ン類 の組 成に 強く 依存 する ので,組成が石炭種やプロセスに より異なること,大型 の 石炭 液化 プラ ント の設 計の ため には ,循環溶剤が平衡に達した後に取 得した物性データを用 い る必 要が ある こと を明 らか にし てい る.また,上記の液化油物性を既 往の研究に基づぃて適 切 に 推 算 す る 液 化 反 応 シ ミ ュ レ ー 夕 用 推 算 法 を 明 ら か に し て い る .

第5章は,本 研究成果を総括したものである.

  これを要するに,著者は,150トン/日石炭液化パイロットプラント予熱管における圧力損失,

液化 反応 器に おけ るガ スホ ール ドァッブな らびに生成液化油の物性を測定し,これらを解析す るこ とに より さら に大 型の 商業 規模プラン トの設計や操作に不可欠な工学的設計因子に関する 知見 を明 らか にし たも ので あり ,石 炭転 換工 学の 進 歩に 貢献 する とこ ろ大 なる もの がある,

よって著者は,北海道大学博士(工学)の学位を授与される資格あるものと認める.

90

参照

関連したドキュメント

氏名 学位の種類 学位記番号 学位授与の日付 学位授与の要件 学位授与の題目

beam(1.5MV,25kA,30ns)wasinjectedintoanunmagnetizedplasma、Thedrift

第一章 ブッダの涅槃と葬儀 第二章 舎利八分伝説の検証 第三章 仏塔の原語 第四章 仏塔の起源 第五章 仏塔の構造と供養法 第六章 仏舎利塔以前の仏塔 第二部

図2に実験装置の概略を,表1に主な実験条件を示す.実

③ドライウェル圧力 原子炉圧力容器内あるいは原子炉格 納容器内にある熱源の冷却が不足し

高(法 のり 肩と法 のり 尻との高低差をいい、擁壁を設置する場合は、法 のり 高と擁壁の高さとを合

環境局では、これに準拠し、毒性ガス、可燃性ガス、支燃性ガスを取り扱う高圧ガス保安法 対象の第 1 種製造所、第

格納容器内圧力計【SA】 格納容器内雰囲気放射線レベル計【SA】