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複合膜の光スイッチング特性

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Academic year: 2021

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(1)

UV重合型液晶性モノマーを用いたリバースモード型(高分子/液晶)

複合膜の光スイッチング特性

*1 *1

蓮尾東海 山口雅裕

Light Switching Characteristics of Reverse Mode Type (Polymer/Liquid Crystal) Composite Films using UV curable Liquid Crystal monomer Ⅱ

HaruumiHasuoMasahiro yamaguchi

電界OFF時に光透過,電界 ON時に光散乱状態をとるリバースモード型(高分子/液晶)複合膜の高性能化を目 的とし,液晶セグメントを有する光重合性モノマーの合成及び複合膜を作製し,電気光学特性の測定・評価を行っ た。その結果,液晶性モノマーに4-methylphenyl (4-acryloyloxy) benzoateACPBC3)を用いて作製した複合膜は,電

OFF ON 72.7% 6.9% 10.5 10Vrms

界 及び 時光透過率がそれぞれ , (コントラスト: )と更なる改善が必要であるが,

以下の低電圧駆動を示し(7.3Vrms),駆動電圧低減に有効であることが明らかとなった。

1 はじめに

電気光学表示素子の代表となった低分子液晶を用い た表示素子は,電場による液晶分子の再配列に伴う光 学的変化を利用しており,低電力消費・低電圧駆動か つ小型,薄型,軽量が特徴である。しかし,表示の為 には2枚の偏光板を必要とすることから,暗く視野角 特性に問題がある。これに対し(高分子/液晶)複合 膜は,偏光板を必要としないために明るく視野角特性 に優れている。通常の(高分子/液晶)複合膜は電界 無印加では,液晶相と高分子マトリクス界面の屈折率 の違いやダイレクタがランダム配向となるために光散 乱状態となり,電界印加により光散乱状態から透過状 態に変化する(ノーマルモード)。(高分子/液晶)複 合膜の応用の面,特に窓などに使用する場合に置いて は故障時に不透明な白濁状態になるという問題点があ る。このため,電界無印加時に光透過,印加時に光散 乱となるリバースモード特性が期待されている。

リバースモード型複合膜は,液晶/モノマーの混合 物をラビングにより配向処理を施されたITO透明電極 間で重合反応を行うことにより作製でき,モノマーと してネマチック相を有する2官能液晶性モノマーと正 の誘電率異方性を持つ液晶を用いてホモジニアス(平 行)配向状態で重合する系 と負の誘電異方性を持つ1) 液晶を用いてホメオトロピック(垂直)配向状態で重 合する系2 )が報告されている。また,誘電異方性が低

周波数で正,高周波数で負となるような液晶とモノマ ー混合物を用いて低周波の電圧を印加した(ホメオト ロピック配向)状態で UV 重合する系も報告されてい る 。この系はラビング処理なしにリバースモード型3 ) 複合膜が作製できる事より注目されている。

しかし,これらの複合膜は高駆動電圧,低コントラ スト等の問題があり,実用化のためには前述の電気光 学特性の更なる向上が不可欠である。

本研究は,リバースモード型複合膜の電気光学特性

(コントラスト,ヒステリシス,駆動電圧)の向上を 目的とし,ポリマーネットワークを形成する新規モノ マーの設計・合成を行い,最適モノマー構造の探索,

及び複合膜作製条件の最適化を行っている。

種々の液晶性アクリレートモノマー これまでに4 , 5 )

の合成及び複合膜作製・評価を行ってきており,高分 子主鎖と液晶コア部間にフレキシブルなメチレン鎖を 含まない単官能液晶性モノマーは低駆動電圧に有効で あることが明らかとなった。

本報では,新たに末端官能基の異なる単官能液晶性 モノマーを合成し,複合膜の電気光学特性に与えるモ ノマー種の影響について検討した。

2 実験

2−1 光重合型液晶性モノマーの合成

4-fluorophenyl (4-acryloyloxy) 単官能 液晶性 モ ノマー

benzoate ACPBF 4-methylphenyl(4-acryloyloxy)benzoate( ) ACPBC3 4-methoxyphenyl (4-acryloyloxy) benzoate

( )

*1 化学繊維研究所

(2)

ACPBOC3),負の誘電異方性を有する液晶性モノマ 4-heptyloxy 2,3-dicyanophenyl {4-[6-(acryloyl ーとして

oxy) hexyloxy]benzoateC6DCPBC5,4-heptyloxy

( )

2,3-dicyanophenyl 4-acryloyloxybenzoate ACDCPBC5

。 。

を合成した その構造式及び合成ルートを図-1に示す

2−2 複合膜セルの作製

液晶性モノマー,液晶 E7(メルク社製 ,及び重合) 開始剤を所定の重量比で混合し,Tc 点以上の温度で キャピラリー法によりITO電極付き標準セル(アンチ パラレル配向処理,10 μm)中に導入した。重合反応 は,室温まで冷却したセルをホットプレート上,所定 温度で所定時間UV照射する事により行った。

2−3 電気光学特性評価法

複合膜の電気光学特性(ヒステリシス,TO F FTON, コントラスト,しきい値電圧 VT10%,駆動電圧 VT90%,) の測定は,新たに導入した高集光角電界印加装置で行

, 。

い セルと検出部の間に偏光板を導入した系で行った の方形波を で変調させたA 印加電圧は1kHz 1Vms/sec.

M波を用いることにより測定した。

3 結果と考察

3−1 液晶性モノマーの末端官能基の影響

メチレンスペーサーを有さない単官能液晶性モノマ ー 液 晶/ (E7)の重量比を 10/90,重合条件 40-30 分 の複合膜作製条件でモノマー種の影響を調 /2.5mWcm-2

べた。それらの複合膜のヒステリシス曲線,及び電気 表 に示す。まず,駆動電圧に 光学特性を図 ,及び-2 -1

ACPBC3 7.3

ついて比較すると を用いたとき最も低く

(3)

の低電圧駆動が達成された。

Vrms

駆動電圧は液晶ポリマー間の相互作用(高分子に-

) 。

よる液晶の束縛 に大きく影響すると考えられている 末端にシアノ基を有する液晶 E7(極性大)と末端に

( ) アルキル基を有する液晶性モノマーACPBC3 極性小 から作製された複合膜では,高分子による液晶の束縛 が低減されために低電圧駆動が達成されたと推測され る。しかし ACPBC3/E7 複合膜は初期透過率,散乱度 が悪くコントラストが低い。この理由として初期配向 状態に乱れが発生したためと推察され,コントラスト 改善のためには重合前のACPBC3/E7混合物のTc点よ り十分に低い温度(配向の乱れが少ない温度)で重合 反応を行う必要があると考えられる。

負の誘電異方性を有する液晶性モノマーの影響 3−2

上述の液晶性モノマーは正の誘電異方性を有するた

, ,

め 電界印加時に低分子液晶と共に電界方向に駆動し 電界印加時の光散乱強度の低下が考えられる。

上記の影響を改善するために負の誘電異方性を有す る液晶性モノマー C6DCPBC5ACDCPBC5 を合成し 複合膜作製を試みた。

C6DCPBC5 を 用 い て 作 製 し た 複 合 膜 の 結 果 を 図-3 に示す。C6DCPBC510wt%添加した複合膜はリバー スモード特性を示さず,電界上昇に従い透明状態にな った。更にモノマー添加量を20 or 30wt%と増加する に従い,高電圧を印可しても光散乱状態を維持出来る 事ことが明らかとなった。これは,低モノマー添加量 の時はメチレン側鎖を持つために低分子液晶の影響に よりポリマーの液晶コア部分も電界方向に動くが,添 加量増加に伴い低分子液晶の影響よりもポリマー自身 の誘電率異方性(電界印加方向と垂直方向に配向)の 影響が大きくなり,電界を印可してもポリマーの液晶 部は水平配向を維持するため光散乱状態が保持される と考えられる。しかし,その光散乱強度は低いことか ら,低分子液晶の影響でポリマー中の液晶部の配向が 電界印加方向にティルトしていることが示唆される。

ノマー C6DCPBC5 添加量の多い複合膜は電界除去後

も光散乱状態を維持し、メモリー特性を示す事が明ら かとなった。

また,メチレンスペーサーを持たない負の誘電異方 性を有するモノマー ACDCPBC5 は、電界印加による 低分子液晶の影響を受けにくいと考えられるが、今回 使用した液晶 E7 に難溶で今回の組成比での複合膜作

(4)

製は不可能であった。

4 まとめ

今回,末端官能基の異なる単官能液晶性モノマー用 いてリバースモード型(高分子液晶)複合膜作製・/ 電気光学特性の測定を行った。その結果,末端にアル キル置換基を有する単官能液晶性モノマーACPBC3を 用いた複合膜は,駆動電圧 10Vrms 以下と低電圧駆動 が可能であることが明らかとなった。しかし,電界印 加時の光散乱強度が低い為コントラストが不十分であ る。駆動電圧の上昇なしにコントラスト向上を図るに は重合温度の厳密な制御が必要があると推察される。

最後にこの研究を進めるに当たり適切なご指導頂き ました九州大学の梶山千里教授,菊池裕嗣助教授に深 く感謝します。

5 参考文献

1R.A.M.HikmetJ.Appl.Phys.vol.68p.4406(1990) 2Y.-D.Ma 他2名:SPIEvol.1257p.46(1990) 3T.Goto他1名:J,Appl.Phys.Lett.vol.60p.392(1992)

)蓮尾東海 他1名:平成10年度福岡県工業技術 4

センター研究報告,p.90

)蓮尾東海 他1名:平成11年度福岡県工業技術 5

センター研究報告,p.58

参照

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