電子機器冷却用装置のヒートシンクの伝熱促進に関 する研究
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(2) (論文博士). (1,000 字程度) 字 20 世紀後半のブロードバンドの実現に伴うインターネットの普及およびパソコ 審. 査. 要. 旨. ンの普及,それらをインフラとして支えるデータセンターの増設,21 世紀に入り 携帯電話の普及とこれに伴う基地局の増設,さらにはこれらの小型化,これらの通 信設備,装置の発達を牽引してきたのが CPU などの半導体素子の処理速度の向上 である.半導体素子は小型化の推進とともに処理速度も向上し,これに伴い発熱量 及び発熱密度が高くなってきている.素子単体の冷却は言うに及ばず,これらの素 子で構成された装置,この装置を覆うケース,さらにはその装置のケースを収納す るキャビネット,これらのキャビネットを設置したデータセンターや基地局全体に まで熱対策の必要性は及んでいる.本論文では,発熱密度が増加し続ける電子機器 冷却用装置に注目し,熱対策において重要な鍵を握るヒートシンクの伝熱促進につ いて,詳細な検討を行うと共に,次世代ヒートシンクを提案している. まず,従来のペルチェモジュールの吸熱能力の限界を熱流体力学的に検討し,こ れを改善すべく,あらゆる方面からの理論的および実験的考察を行っている.その 結果,放熱側の熱抵抗を半減することが可能となり,ペルチェ式クーラでは世界一 のCOPを達成すると共に,大幅なコンパクト化を実現している. さらに,次世代ヒートシンクの可能性を探るべく,充填層で代表される非連結多 孔質体と発泡材で代表される連結多孔質体の界面熱伝達率の違いについて,境界層 理論および局所体積平均理論に基づく検討を行っている.よどみ境界層を想定し算 出した非連結多孔質体の界面熱伝達率は実験式と良好な一致を示している.また, 局所体積平均理論に基づきモデル化を行うことで,連結多孔質体の界面熱伝達率が レイノルズ数に比例する理由を明らかにしている. 次に,発泡多孔質体とピンフィンシンクの熱伝達機構の差を、局所体積平均理論 に基づく数学モデルにより明らかにすることで、発泡多孔質体の高性能なヒートシ ンクへの応用の可能性について検討している.これらの結果を踏まえて,ハイブリ ッドフィンシンク,すなわち,ピンフィンシンクの熱伝導特性と発泡多孔質体の熱 伝達特性のそれぞれの優位性を組み合わせたシンクを提案し、熱伝達特性の測定を 実施している.その結果,熱伝達特性が大幅に向上することを実験的に明らかにす ると共に,あわせて理論解析を実施し,理論式が実験値とが良好な一致を示すこと を明らかにしている。軸流ファンによるハイブリッドピンフィンシンクの熱伝達性 能の向上について実験的に検討した結果,次世代コンパクト・ヒートシンクとして 極めて有望であることを明らかにしている. 以上に要約するように、本論文は、熱流体力学に基づき,電子機器冷却用装置の ヒートシンクの伝熱促進について,理論と実験の両側面から,多くの新たな知見を 提供しており、工学上寄与するところが極めて大きい.よって本論文を博士(工学) の学位に値する内容と判断する..
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