2000.12.20
経済学史・チェックテスト
(注)・『経済学史』・『経済政策思想史』・自筆ノートのみ持ち込み可能。
・ 60 分、座席指定。
・【1】【2】は隣と交換して自己採点する。設問ごとに小計を記入すること。
・薄い字、小さい字、書き殴った字は採点しない。
・ 12/25 までに採点結果をウェブに掲示する。
【1】次の文章を書いた人物を枠内から選べ。また、( )にあてはまる言 葉を、カッコ内の3つの選択肢から選べ。(1点×40)
(1)土地が富の母であるように、( )は富の父であり、その能動的な要 因である。(土地、労働、資本)
(2)わが国から運び出される貨幣は間題ではない。なぜなら、それは再びわ が国に戻ってくるからである。我々が失う貨幣は、わが国の( )な貿易差 額だけである。(一時的、個別的、全般的)
(3)かように各部分は( )に満ちていたが、全部そろえばまさに天国で あった。…全体でいちばんの悪者さえ公益のためにはなにか役立つことをした。
…美徳だけで国民の生活を壮大にはできない。(悪徳、公益、見えざる手)
(4)国民は生産階級、地主階級および不生産階級という、3つの市民階級に 集約されるものとする。…[単なる消費という]こうした支出が埋め合わされる のは、ただ( )階級のみである。この階級に限っては、他の階級の援助を 必要とせず、自階級だけで生存できるのである。(地主、生産、不生産)
(5)彼は公共の利益を促進しようと意図していないし、自分がどれだけそれ を促進しつつあるのかを知ってもいない。…彼はただ自分の利得だけを意図す るにすぎない。しかし彼はこの場合でも( )に導かれて、自分が全然意図
(6)社会の進歩につれて、第2等の肥沃度の土地が耕作されるようになると、
地代は直ちに第1等地に始まる。そしてその( )の額は、これらの土地部 分の質の差異に依存するであろう。(利子、価格、地代)
(7)第1、食物は人類の生存に必要である。第2、両性間の情欲は必ずあり、
だいたい今のままで変わりがないだろう。( )は制限がなければ幾何級数 的に増加する。生活資料は算術級数的にしか増加しない。(情欲、人口、食物)
(8)富の生産に関する法則・条件は物理的性格を持ち、人間の意のままに動 かすことはできない。…しかし富の( )の場合はそうでない。それはもっ ぱら人為的制度上の問題である。(分配、生産、交換)
(9)生産物に対して、( )をひらくのは生産である。…一生産物は生産が 終わるとその瞬間から、その価値の総額だけ他の生産物に対して販路を提供す る。(消費、均衡、販路)
(10)ケネーの論ずるものは明らかに、世界主義(コスモポリタン)経済学…
である。そしてこれは政治経済学 politische 0komomie(ないし( )経済 学 National-Okomomie)…とは、対立している。(国際、国民、国土)
(11)経済学は所与の諸目的を達成するための諸手段が( )であるという ことから生ずる、人間行動の側面を取り扱うものである。…このことの当然の 帰結として、経済学は諸目的の間では全く中立的であるということになる。
(豊穣、稀少、一定)
(12)社会のとっての( )の極大とは、この位置からほんの僅か遠ざかる ことによって、ある人には快適になるが、他の人には不快な結果を必ずもたら す点である。(新結合、依存効果、オフェリミテ)
(13)発展の形態と内容は、「( )の遂行」という定義によって与えられる。
この概念は次の5つの場合を含んでいる。(新結合、依存効果、オフェリミテ)
(14)市場の( )が成立するためには、…各商品の有効需要と有効供給が 等しいことが、必要かつ十分である。(乖離、攪乱、均衡)
(15)私は経済学を( )および苦痛の微積分学として取り扱おうとした…。
…このように扱われた経済学の理論は静態力学と酷似し、そして交換理論は…
「てこ」の均衡法則と類似することが判明した。(快苦、快楽、快気)
(16)経済学者のメッカは、経済動学よりはむしろ経済生物学である。…経済 学は一面において富の研究であると同時に、他面において…( )研究の一 部である。(経済動学、生物、人間)
(17)私有財産制の根底に横たわる動機は、見栄である。…価値ある品物の
( )的消費 conspicuous consumption は、…世間的名声の手段である。
(衒示、示威、威圧)
(18)利子理論は価格理論に極めて似ているのであって、実際、それは価格理 論の1つの特殊分野である。( )は現在財と将来財の交換における価格を 表示する。(交換比率、為替レート、利子率)
(19)第1命題:他の事情にして等しければ、( )の平均量が大きければ 大きいほど、経済的厚生は大きい。(国内総生産、国民分配分、貧者)
(20)もし( )経済学が誤っているとすれば、その誤りは、論理的整合性 に著しく留意して構成された上部構造の中に見出されるべきではなく、前提が 明確性と一般性に欠けている点に見出されるべきだからである。
(ワルラス、スミス、伝統的)
(1)˜(10)
リスト、ペティ、スミス、マン、スチュアート、マンデヴィル、セイ、ケネー、
リカード、マルサス、ミル、シスモンディ (11)˜(20)
ピグー、パレート、ジェボンズ、シュンペーター、ワルラス、ガルブレイス、
【2】次の問に答えよ。(2点×20)
(1)Mercantilism を日本語に直せ。
(2)『外国貿易によるイングランドの財宝』(1664)は次のうち、どの視点から執 筆されたものか。重金主義・個別的貿易差額主義・全般的貿易差額主義。
(3)『蜂の寓話』(1717)における逆説は、ホッブズ・モデル(個人の利益追求→
社会の無秩序)とスミス・モデル(個人の利益追求→社会の秩序)のどちらに 似ているか。
(4)ヒュームやスチュアートが用いた概念で、「労働(レイバー)」に対置される。
商業文明によって奢侈・知識・人間らしさと共に生まれ、自発的な生産的労働 として高い利潤を生む行為である。この概念は何か、カタカナ6字で答えよ。
(5)ケネーの用いた概念で、現代では流動資本として分類される。農産物を生産 する間に必要な種子・肥料・農民の食料など。この概念は何か。
(6)division of labour を日本語に直せ。
(7)スミスが『諸国民の富』で前提とした社会で、個人の自由と権利(特に財産 権)が守られた安全な世界で、個人が逸脱行動をしない社会を何と呼ぶか。
(8)リカードとマルサスがこの法律を巡って論争したもので、ナポレオン戦争終 結(1815)をきっかけに制定された法律は何か。
(9)古典派に共通な賃金の説明で、実質賃金は労働需要(資本のうち賃金の支払 いに充てられる部分)と労働供給(人口)によって定まるとした。ただしミル はこの説を撤回したが、この説とは何か。
(10)アダム=スミス革命やケインズ革命と並ぶ経済学の革命で、新古典派 neo- classical school の誕生を導いた革命を何と呼ぶか。
(11)『純粋経済学要論』の筆者は誰か。
(12)消費者余剰、需要の価格弾力性、代表的企業、外部経済などの概念を発明 したり、用いたりした経済学者は誰か。
(13) 『資本と資本利子』を著し、迂回生産性の優位を説いた経済学者は誰か。
(14)実物利子率と貨幣利子率の乖離という分析装置を用い、資本主義の不安定 性を説明した経済学者は誰か。
(15)ヴェブレンの主著を挙げよ。ただし『企業の理論』は除く。
(16)ピグーが創始した経済学の一分野は何か。
(17)社会主義経済計算論争に参加し、ミーゼスやハイエクの陣営をバローネと 共に攻撃した経済学者は誰か。
(18)ゲーム理論において、ある戦略がどのプレーヤーにとっても最適で、これ 以上それを変更する誘因を持たない状態を何均衡と呼ぶか。
(19)ケインズの「ハーヴェイロードの前提」を批判し、ワグナーと共に政策の 実現過程を重視し、バージニア学派を形成した者は誰か。
(20)時に異端の経済学者と呼ばれ、「資本主義はその成功ゆえに、革新的企業が 死滅し、やがて官僚の支配する社会主義へ移行する」と説いた者は誰か。
【3】次のどちらかの設問を選び、5行以内で論述せよ。(10 点)
(a)『経済政策思想史』の第 11 章を参照し、ケインズ革命の政策面での浸透の 仕方を略述せよ。4つの局面を指摘するだけで良い。
(b)マーシャルの4つの時間区分を指摘し、供給曲線の傾きとの関係を図示しな がら説明せよ。
【4】次のどちらかの設問を選び、5行以内で論述せよ。(10 点)
(a)戦間期は現実世界が激動期だっただけでなく、経済学の理論面にとっても革 新的な変動が現れている。現実との関係で、理論面の革新をいくつか挙げ、説 明を加えよ。
(b)「囚人のディレンマ」を解説せよ。なぜディレンマなのか、どのような前提 があるのか、習慣の役割や繰り返しゲームとの関連は何か、という点にも留意 すること。
【おまけ】授業を建設的見地から批評せよ。