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有機融雪剤製造機械システムの開発に関する

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(1)

システム開発 16−F−3

有機融雪剤製造機械システムの開発に関する フィージビリティスタディ

報  告  書

―要旨―

平成17年3月

財 団 法 人   機 械 シ ス テ ム 振 興 協 会

委 託 先   財 団 法 人 エ ン ジ ニ ア リ ン グ 振 興 協 会

(2)

こ の 事 業 は 、 競 輪 の 補 助 金 を 受 け て 実 施 し た も の で す 。

(3)

わ が 国 経 済 の 安 定 成 長 へ の 推 進 に あ た り 、 機 械 情 報 産 業 を め ぐ る 経 済 的 、 社 会 的 諸 条 件 は 急 速 な 変 化 を 見 せ て お り 、 社 会 生 活 に お け る 環 境 、 都 市 、 防 災 、 住 宅 、 福 祉 、 教 育 等 、 直 面 す る 問 題 の 解 決 を 図 る た め に は 技 術 開 発 力 の 強 化 に 加 え て 、 多 様 化 、 高 度 化 す る 社 会 的 ニ ー ズ に 適 応 す る 機 械 情 報 シ ス テ ム の 研 究 開 発 が 必 要 で あ り ま す 。

こ の よ う な 社 会 情 勢 の 変 化 に 対 応 す る た め 、 財 団 法 人 機 械 シ ス テ ム 振 興 協 会 で は 、 日 本 自 転 車 振 興 会 か ら 機 械 工 業 振 興 資 金 の 交 付 を 受 け て 、 経 済 産 業 省 の ご 指 導 の も と に シ ス テ ム 技 術 開 発 調 査 研 究 事 業 、 シ ス テ ム 開 発 事 業 、 新 機 械 シ ス テ ム 普 及 促 進 事 業 等 を 実 施 し て お り ま す 。

こ の う ち 、 シ ス テ ム 技 術 開 発 調 査 研 究 事 業 及 び シ ス テ ム 開 発 事 業 に つ い て は 、 当 協 会 に 総 合 シ ス テ ム 調 査 開 発 委 員 会 ( 委 員 長 : 放 送 大 学 副 学 長 中 島 尚 正 氏 ) を 設 置 し 、 同 委 員 会 の ご 指 導 の も と に 推 進 し て お り ま す 。

本 「 有 機 融 雪 剤 製 造 機 械 シ ス テ ム の 開 発 に 関 す る フ ィ ー ジ ビ リ テ ィ ス タ デ ィ 」 は 、 上 記 事 業 の 一 環 と し て 、 当 協 会 が 財 団 法 人 エ ン ジ ニ ア リ ン グ 振 興 協 会 に 委 託 し 、 実 施 し た 成 果 を ま と め た も の で 、 関 係 諸 分 野 の 皆 様 方 の お 役 に 立 て れ ば 幸 い で あ り ま す 。

平 成 1 7 年 3 月

      財 団 法 人 機 械 シ ス テ ム 振 興 協 会

(4)

は じ め に

我 が 国 の 国 土 面 積 の 約 6 割 を 占 め る 積 雪 寒 冷 地 域 で は 、 冬 季 の 道 路 交 通 の 安 全 性 ・ 円 滑 性 の 確 保 の た め 主 に 塩 化 物 系 融 雪 剤 ( 凍 結 防 止 剤 ) が 使 用 さ れ て お り 、 そ れ に 含 ま れ る 塩 素 に よ る 車 両 や 橋 梁 な ど の 腐 食 劣 化 や 街 路 樹 な ど 植 栽 へ の 深 刻 な 悪 影 響 な ど 、 周 辺 環 境 へ の 影 響 が 課 題 と な っ て い ま す 。 一 方 、 食 品 や 食 品 材 料 な ど の 加 工 に よ り 大 量 に 発 生 す る 有 機 系 の 廃 棄 物 の 有 効 利 用 が 大 き な 課 題 と な っ て い ま す 。

こ れ ら の 有 機 系 の 廃 棄 物 を 原 料 と し て 、 塩 害 の な い 融 雪 剤 を 製 造 す る 機 械 シ ス テ ム 技 術 を 実 現 し 、 こ れ に よ っ て 使 い や す い 液 状 ・ 粒 状 の 融 雪 剤 試 作 品 の 融 雪 効 果 を 確 認 し 、 ま た 製 造 プ ラ ン ト の 仕 様 お よ び 設 計 技 術 を 得 る こ と が で き ま し た 。

従 来 に は な か っ た こ の よ う な 新 し い 技 術 の 機 械 プ ラ ン ト が 普 及 す る こ と に よ り 、 廃 棄 物 の 有 効 利 用 お よ び 融 雪 剤 に よ る 塩 害 の 防 止 に 役 立 つ と と も に 、 冷 熱 エ ネ ル ギ ー と し て の 雪 の 利 用 に 際 し 、 塩 分 の 除 去 や 塩 害 へ の 対 応 を す る 必 要 が な く な り 、 都 市 で の 雪 氷 冷 熱 の 利 用 も 拡 大 す る こ と に な り ま す 。 特 に 積 雪 地 の 食 品 系 有 機 廃 棄 物 か ら 有 用 再 生 製 品 ( 有 機 融 雪 剤 ) を 製 造 す る た め 、 原 料 費 で 有 利 で あ る と と も に 、 環 境 保 全 に 効 果 的 で あ り 、 か つ 、 地 域 の 交 通 の 利 便 性 に も 寄 与 す る た め 公 共 性 が 高 く 、 各 地 域 で 広 く 普 及 を 図 る べ き 性 格 の も の で あ り ま す 。

  本 書 は 、 食 品 系 の 有 機 廃 棄 物 を 原 料 と す る 有 機 融 雪 剤 の 製 造 機 械 シ ス テ ム に 関 す る フ ィ ー ジ ビ リ テ ィ ス タ デ ィ ( 以 下 ス タ デ ィ と い う ) を 行 っ た 結 果 で あ り ま す 。

  本 ス タ デ ィ の 成 果 が 、 今 後 の 食 品 系 廃 棄 物 の 有 効 利 用 と 産 業 育 成 ・ 雇 用 増 大 お よ び 環 境 貢 献 と 融 雪 事 業 の 一 助 と な る こ と を 切 望 す る 次 第 で あ り ま す 。

平 成 1 7 年 3 月

  財 団 法 人   エ ン ジ ニ ア リ ン グ 振 興 協 会  

(5)

目   次

1 . ス タ デ ィ の 目 的   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・       1

2 . ス タ デ ィ の 実 施 体 制   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・       2

3 . ス タ デ ィ の 内 容   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・       5 3.1  平 成 16年 度 以 降 の 課 題 と 要 検 討 内 容   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・     7 3.2  有 機 融 雪 剤 の 製 造 プ ロ セ ス の プ ラ ン ト 操 業 条 件 の 研 究   ・ ・ ・ ・ ・ ・     8 3.2.1  プ ラ ン ト 操 業 条 件 の 検 討 課 題 と 研 究 内 容     ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・   8 3.2.2  原 料 の 選 定   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・     10 3.2.3  繊 維 質 分 解 酵 素 添 加 に よ る 分 解 液 状 化 促 進   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・     11 3.2.4  加 圧 ろ 過 に お け る 固 液 分 離 効 率 化   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・     23 3.3  有 機 融 雪 剤 の 雪 質 ・ 用 途 条 件 等 に 対 す る 適 用 拡 大 実 現 の 研 究   ・ ・ ・ ・     28

3.3.1  有 機 融 雪 剤 適 用 拡 大 の 課 題 と 研 究 内 容   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・     28 3.3.2  有 機 融 雪 液 剤 の 調 製 と 試 作 有 機 融 雪 剤 の 性 状 確 認   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・     30 3.3.3  有 機 融 雪 液 剤 の 固 形 剤 化 と 性 能 評 価   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・     32 3.3.4  有 機 融 雪 液 剤 含 浸 す べ り 止 め 材 調 製 と 適 用 性 評 価   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・     44 3.3.5  融 雪 剤 の 取 り 扱 い 方 法 に 関 す る 検 討   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・     51 3.4  有 機 融 雪 剤 の 製 造 プ ラ ン ト 設 計 技 術 の 研 究   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・     59

3.4.1  製 造 プ ラ ン ト の 概 略   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・     61 3.4.2  各 装 置 の フ ロ ー 図 ・ 基 本 仕 様 と 施 設 レ イ ア ウ ト   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・     63

4 . ま と め   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・     67 4.1  有 機 融 雪 剤 製 造 の プ ロ セ ス と 製 造 コ ス ト   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・     67 4.2  融 雪 剤 の 道 路 ・ 構 造 物 等 へ の 影 響 と 環 境 コ ス ト の 試 算   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・     70 4.3  有 機 融 雪 剤 製 造 事 業 実 現 の た め の 課 題 と 今 後 の 展 開   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・     72

(6)

1. ス タ デ ィ の 目 的  

 

  寒 冷 地 な ら び に 我 が 国 の 約 6 割 以 上 の 面 積 を 占 め る 積 雪 地 域 で は 、 冬 季 道 路 交 通 の 安 全 性 ・ 円 滑 性 の 確 保 の た め 、 主 と し て 塩 素 を 多 量 に 含 む 塩 化 物 系 の 融 雪 剤 ( 凍 結 防 止 剤 ) が 使 用 さ れ て お り 、 社 会 資 本 や 交 通 施 設 等 の 腐 食 劣 化 を 助 長 す る こ と な ど が 課 題 と な っ て い る 。 一 方 、 都 市 域 と そ の 周 辺 で は 大 量 の 食 品 廃 棄 物 が 発 生 し て お り 、 肥 料 ・ 飼 料 な ど 従 来 の 再 利 用 先 以 外 の 大 量 利 用 用 途 の 開 発 が 求 め ら れ て い る 。

道 路 周 辺 の 環 境 や 道 路 構 造 物 、 車 両 な ど に 悪 影 響 を 与 え る 塩 化 物 系 の 融 雪 剤 に よ る 課 題 を 解 決 し 、 あ わ せ て 食 品 廃 棄 物 ( 主 に 業 務 用 食 品 お よ び 食 品 加 工 系 廃 棄 物 ) の 都 市 内 有 効 利 用 を 実 現 す る た め に 、 食 品 系 有 機 廃 棄 物 を 原 料 と し た 低 環 境 負 荷 ・ 低 腐 食 型 の 融 雪 剤 を 製 造 す る 実 用 プ ラ ン ト の 開 発 が 有 効 な 手 段 と し て 考 え ら れ る 。

  平 成 15 年 度 は 、 食 品 廃 棄 物 を 原 料 と し て 、 塩 化 物 を ほ と ん ど 含 ま ず 腐 食 性 の 低 い 有 機 融 雪 剤 を 製 造 す る プ ロ セ ス の 技 術 が 実 現 し た 。 こ の 技 術 は 、 さ ら に 有 機 融 雪 剤 製 造 プ ロ セ ス の 効 率 化 、 融 雪 剤 と し て の 対 象 用 途 お よ び 使 用 条 件 の 拡 大 を 図 り 、 実 用 的 な プ ラ ン ト 技 術 と し て 普 遍 化 す る 必 要 が あ る 。

そ の た め 本 ス タ デ ィ で は 、 食 品 系 廃 棄 物 を 原 料 と し て 製 造 さ れ る 有 機 融 雪 剤 の 製 造 機 械 シ ス テ ム の 普 及 を 実 現 す る た め 、 有 機 融 雪 剤 製 造 プ ロ セ ス の う ち の 分 解 ・ 分 離 工 程 の 効 率 化 を 目 指 し た プ ロ セ ス 技 術 の 開 発 お よ び 多 様 な ニ ー ズ に 対 す る 融 雪 剤 製 品 の 製 造 技 術 の 開 発 を 実 施 し 、 有 機 融 雪 剤 の 製 造 プ ラ ン ト の 汎 用 化 技 術 の 確 立 を 図 る こ と を 目 的 と し た 。

 

(7)

2 . ス タ デ ィ の 実 施 体 制

  本 ス タ デ ィ で は 、 財 団 法 人 機 械 シ ス テ ム 振 興 協 会 内 に 「 総 合 シ ス テ ム 調 査 開 発 委 員 会 」 を 、 財 団 法 人 エ ン ジ ニ ア リ ン グ 振 興 協 会 内 に 「 有 機 融 雪 剤 製 造 機 械 シ ス テ ム の 開 発 に 関 す る 委 員 会 」 を そ れ ぞ れ 設 置 し た 。 ま た 、 ス タ デ ィ の 実 施 の た め 、 エ ン ジ ニ ア リ ン グ 振 興 協 会 内 に 実 行 組 織 を 設 置 し 、 上 記 委 員 会 の 指 導 の も と 、 開 発 目 標 お よ び 開 発 計 画 の 策 定 、 実 験 の 詳 細 計 画 作 成 、 実 験 結 果 の 解 析 ・ 評 価 を 実 施 し た 。

本 ス タ デ ィ の 実 施 体 制 を図 2-1に 示 す 。

         

図 3   実 施 体 制

図 2-1  本 ス タ デ ィ の 実 施 体 制  

 

財 団 法 人   機 械 シ ス テ ム 振 興 協 会 総 合 シ ス テ ム 調 査 開 発 委 員 会

財 団 法 人   エ ン ジ ニ ア リ ン グ 振 興 協 会 地 下 開 発 利 用 研 究 セ ン タ ー

有 機 融 雪 剤 製 造 機 械 シ ス テ ム の 開 発 に 関 す る 委 員 会

実 行 組 織

㈱ 間 組

実 験 お よ び 解 析

ろ 過 試 験

再 委 託 外 注 外 注

(独)北 海 道 開 発 土 木 研 究 所 共 同 研 究

路 上 す べ り 抵 抗 試 験

(8)

総 合 シ ス テ ム 調 査 開 発 委 員 会 委 員 名 簿

( 順 不 同 ・ 敬 称 略 )

委 員 長   放 送 大 学   副 学 長       中   島   尚   正  

委   員   政 策 研 究 大 学 院 大 学       藤   正       巌 政 策 研 究 科

教 授

委   員   東 京 工 業 大 学       廣   田       薫 大 学 院 総 合 理 工 学 研 究 科

知 能 シ ス テ ム 科 学 専 攻 教 授

委   員   東 京 大 学 大 学 院       藤   岡   健   彦 工 学 系 研 究 科

助 教 授

委   員   独 立 行 政 法 人 産 業 技 術 総 合 研 究 所   太   田   公   廣 産 学 官 連 携 部 門

コ ー デ ィ ネ ー タ

委   員   独 立 行 政 法 人 産 業 技 術 総 合 研 究 所     志   村   洋   文 産 学 官 連 携 部 門

シ ニ ア リ サ ー チ ャ

(9)

有 機 融 雪 剤 製 造 機 械 シ ス テ ム の 開 発 に 関 す る 委 員 会 委 員 名 簿  

( 順 不 同 ・ 敬 称 略 )  

委 員 長       神 田   鷹 久     信 州 大 学 工 学 部 物 質 工 学 科 教 授    

委   員       天 野   良 彦     信 州 大 学 工 学 部 物 質 工 学 科 助 教 授    

委   員       浅 野   基 樹     独 立 行 政 法 人 北 海 道 開 発 土 木 研 究 所   道 路 部 交 通 研 究 室 長    

委   員       中 田   仁 史     社 団 法 人 食 品 需 給 研 究 セ ン タ ー   研 究 員    

委   員       今 岡   孝       石 川 島 播 磨 重 工 業 株 式 会 社   回 転 機 械 事 業 部 汎 用 機 械 設 計 部   分 離 機 グ ル ー プ   課 長  

 

委   員       西 原   潔       株 式 会 社 竹 中 工 務 店   環 境 ビジネスプロデュース本 部   課 長    

委   員       吉 村   和 彦     株 式 会 社 間 組   技 術 ・ 環 境 本 部 環 境 事 業 開 発 部 長    

オブザーバ    北 島   宏 樹     経 済 産 業 省 製 造 産 業 局 産 業 機 械 課 国 際 プ ラ ン ト 推 進 室         課 長 補 佐  

 

オブザーバ    富 永   潤 一     経 済 産 業 省 経 済 産 業 政 策 局 地 域 経 済 産 業 グ ル ー プ         産 業 施 設 課   課 長 補 佐  

 

オブザーバ    島 津   久 樹     農 林 水 産 省 総 合 食 料 局 食 品 産 業 企 画 課 食 品 環 境 対 策 室         課 長 補 佐  

 

オブザーバ    島 田   雄 二     経 済 産 業 省 北 海 道 経 済 産 業 局   環 境 資 源 部 環 境 産 業 振 興 室 長    

事 務 局       宮 川   彰 彦     財 団 法 人 エ ン ジ ニ ア リ ン グ 振 興 協 会         地 下 開 発 利 用 研 究 セ ン タ ー   研 究 理 事    

事 務 局       前 田   信 行     財 団 法 人 エ ン ジ ニ ア リ ン グ 振 興 協 会  

  地 下 開 発 利 用 研 究 セ ン タ ー 技 術 開 発 第 一 部   主 任 研 究 員    

協 力 員       丸 山   能 生     株 式 会 社 間 組   技 術 ・ 環 境 本 部 技 術 研 究 所 先 端 研 究 室 長    

協 力 員       山 内   寛       株 式 会 社 間 組   技 術 ・ 環 境 本 部 技 術 研 究 所 先 端 研 究 室   課 長    

協 力 員       佐 々 木   肇     株 式 会 社 間 組   技 術 ・ 環 境 本 部 技 術 研 究 所 先 端 研 究 室   課 長  

(10)

3 . ス タ デ ィ の 内 容  

 

  本 ス タ デ ィ で は 、 主 に 積 雪 寒 冷 地 の 都 市 域 を 対 象 に 、 食 品 廃 棄 物 を 原 料 に 用 い て 低 環 境 負 荷 ・ 低 腐 食 型 の 融 雪 剤 ( 凍 結 防 止 剤 ) を 製 造 す る シ ス テ ム の 普 及 技 術 の 実 現 を 目 指 し 、 汎 用 的 な 有 機 融 雪 剤 製 造 シ ス テ ム 開 発 の た め の 検 討 、 評 価 を 実 施 し た 。

 

(1) 有 機 融 雪 剤 の 製 造 プ ロ セ ス の プ ラ ン ト 操 業 条 件 の 研 究

  融 雪 剤 製 造 プ ロ セ ス の 分 解 工 程 お よ び 分 離 工 程 の 操 業 条 件 に つ い て 検 討 し 、 処 理 時 間 の 短 縮 と 固 液 分 離 の 効 率 化 を 図 る 。

  多 く の 食 品 廃 棄 物 に 大 量 に 含 ま れ る 繊 維 質( セ ル ロ ー ス・ヘ ミ セ ル ロ ー ス・ペ ク チ ン 等 ) の 分 解 促 進 の た め 、 分 解 液 状 化 工 程 に お い て 一 定 の 耐 熱 性 を 有 す る 繊 維 質 分 解 酵 素 を 添 加 し 、 反 応 条 件 に つ い て 検 討 す る 。 酵 素 添 加 に よ る 分 解 促 進 に よ り 、 分 解 液 状 化 工 程 の 時 間 短 縮 と 食 品 廃 棄 物 の 高 度 分 解 を 行 う 。

そ し て 、 食 品 廃 棄 物 の 高 度 分 解 に よ っ て 、 分 解 懸 濁 液 の 粘 性 低 下 に よ る 固 液 分 離 の 効 率 化 と 分 離 固 形 残 さ の 減 量 化 を 達 成 す る こ と に よ り 、 固 液 分 離 工 程 の 大 幅 な 効 率 化 に つ な が り 、 ろ 過 装 置 の 小 型 化 が 可 能 と な る 。

① 繊 維 質 分 解 酵 素 添 加 に よ る 分 解 液 状 化 促 進

    ・ 室 内 試 験 で 市 販 の 繊 維 質 分 解 酵 素 混 合 剤 を 原 料 ス ラ リ ー に 添 加 し て 、 分 解 液 状 化 が 促 進 可 能 な 条 件 を 見 出 し 、 分 解 液 状 化 工 程 の 時 間 短 縮 と 食 品 廃 棄 物 の 高 度 分 解 を 図 る 。ま た 、き の こ 廃 菌 床 由 来 の 繊 維 質 分 解 酵 素 の 適 用 の 可 能 性 に つ い て も 検 討 す る 。     ・ 実 機 拡 張 用 の せ ん 断 撹 拌 分 解 機 を 用 い て 酵 素 添 加 に よ る 分 解 促 進 の 検 討 を 行 う 。

② 加 圧 ろ 過 試 験 に よ る ろ 過 効 率 化 ・ 剥 離 特 性 の 検 討

・ 室 内 加 圧 ろ 過 試 験 に よ り 、 原 料 ス ラ リ ー の 分 解 の 効 率 化 が 分 解 懸 濁 液 の ろ 過 特 性 と 固 形 残 さ の 剥 離 性 お よ び 分 離 固 形 残 さ の 減 量 に 与 え る 効 果 を 定 量 的 に 把 握 す る 。

・ ス ケ ー ル ア ッ プ 検 討 用 の 加 圧 ろ 過 試 験 機 を 用 い て 、 効 率 的 に 分 解 し た 懸 濁 液 の ろ 過 特 性 、 固 形 残 さ の 脱 水 ・ 剥 離 特 性 な ど を 把 握 し 、 ろ 過 面 積 低 減 の た め の 基 礎 デ ー タ を 得 る 。

(2) 有 機 融 雪 剤 の 雪 質 ・ 用 途 条 件 に 対 す る 適 用 拡 大 実 現 の 研 究

積 雪 条 件 、 雪 質 条 件 等 の 融 雪 剤 使 用 条 件 を 拡 大 す る と と も に 、 多 様 な ニ ー ズ に 広 く 対 応 で き る よ う に す る た め 、 試 作 し た 有 機 融 雪 液 剤 の 固 形 剤 化 お よ び す べ り 止 め 材 へ の 含 浸 な ど に よ る 固 形 剤 化 製 品 製 造 の 検 討 と 試 作 し た 新 規 形 態 融 雪 剤 の 性 能 と 適 用 性 の 評 価 を 行 う 。 ま た 、 融 雪 剤 の 取 り 扱 い 方 法 に 関 す る 条 件 に つ い て も 検 討 を 行 う 。

固 形 剤 化 に よ り 融 雪 剤 の 機 能 強 化 ・ 適 用 拡 大 を 達 成 す る こ と に よ り 、 融 雪 剤 の 取 り 扱 い 性 能 の 向 上 と 減 容 化 に 寄 与 し 、 融 雪 剤 の 散 布 シ ス テ ム の 効 率 化 や 輸 送 ・ 保 管 コ ス ト の 低 減 に つ な が る こ と が 期 待 さ れ 、 広 く 一 般 に 用 途 が 拡 大 す る も の と 考 え ら れ る 。

  ① 融 雪 液 剤 の 固 形 剤 化

    ・試 作 し た 有 機 融 雪 液 剤 を 乾 燥 に よ り 塊 状 に し 、得 ら れ た 塊 を 粉 砕 機 で 粒 状 に 粉 砕 し 、 粒 剤 化 す る 。 ま た 、 調 整 し た 多 孔 質 材 料 を す べ り 止 め 担 体 に 用 い て 、 有 機 融 雪 液 剤

(11)

  ② 新 規 融 雪 剤 試 作 品 の 性 能 と 適 用 性 の 評 価

    ・ 固 形 剤 化 し た 融 雪 剤 の 融 雪 効 果 を 把 握 す る た め の 室 内 試 験 を 行 い 、 試 作 融 雪 剤 の 融 雪 性 能 を 定 量 的 に 評 価 す る 。

    ・ す べ り 摩 擦 抵 抗 値 な ど を 指 標 と し た 路 上 試 験 を 実 施 し 、 試 作 し た 固 形 融 雪 剤 等 の 効 果 に つ い て 評 価 す る 。

  ③ 融 雪 剤 の 取 り 扱 い 方 法 に 関 す る 条 件 検 討

    ・ 融 雪 製 剤 の 形 態 ( 液 剤 、 固 形 剤 ) ご と に 、 既 存 の 散 布 機 械 シ ス テ ム を 転 用 す る 場 合 の 散 布 シ ス テ ム と し て の 適 合 性 、 使 用 者 側 か ら み た 実 用 性 な ど に つ い て の 検 討 を 行 う 。 ま た 、 新 規 融 雪 製 剤 の 保 管 に 関 す る 条 件 検 討 を 行 う 。

(3) 有 機 融 雪 剤 の 製 造 プ ラ ン ト 設 計 技 術 の 研 究

  施 設 汎 用 化 に 関 す る 検 討 と し て 、 装 置 や 施 設 の 規 模 、 複 数 形 態 ( 液 剤 、 固 形 剤 ) の 融 雪 剤 を 製 造 す る 場 合 の 基 本 仕 様 を 決 定 し 、 製 造 プ ラ ン ト の プ ロ セ ス フ ロ ー 条 件 を 求 め る 。

     

(12)

3.1  平 成 16 年 度 以 降 の 課 題 と 要 検 討 内 容  

  平 成 15 年 度 に 実 施 し た ス タ デ ィ か ら 明 ら か と な っ た 有 機 融 雪 剤 製 造 プ ラ ン ト 実 用 化 の 課 題 と あ わ せ 、H16年 度 以 降 に 検 討 が 必 要 と さ れ た 研 究 内 容 に つ い て表 3.1-1 に 示 す 。

表 3.1-1  平 成 15 年 度 に 明 ら か と な っ た 課 題 と 要 検 討 内 容 項 目 平 成 15年 度 の 実 施 内 容 と

明 ら か と な っ た 課 題 平 成 16年 度 以 降 の 要 検 討 内 容

□ 食 品 系 有 機 廃 棄 物 に 限 定

・① り ん ご 果 汁 残 さ と ② 調 理 残 さ か ら 有 機 融 雪 剤 を 試 作

課 題

・ 有 機 分 と 富 栄 養 塩 濃 度 の 低 減

調 理 残 さ を 原 料 と す る 場 合 の 塩 化 物 混 入 許 容 濃 度 の 把 握

■ 調 理 残 さ を 利 用 し た 有 機 融 雪 剤 の 金 属 腐 食 性 再 評 価

□ り ん ご 果 汁 残 さ を 原 料 に 用 い て 製 造 効 率 化 と 製 剤 多 様 化 検 討 実 施

・ 富 栄 養 塩 含 有 量 の 低 さ

・ 寒 冷 地 で の 発 生 量 の 多 さ

課 題

・原 料 固 形 分 の 分 解 性 向 上 に よ る 分 解 工 程 、 分 離 工 程 の さ ら な る 効 率 化

□ 室 内 融 氷 試 験 に よ る 融 雪 性 能 確 認

□ 路 上 試 験 で の 凍 結 防 止 効 果 の 確 認

課 題

・ 固 形 剤( 粒 剤 )化 や す べ り 止 め 材 含 浸 製 品 化 な ど に よ る 性 能 ・ 効 果 持 続 性 向 上 、 機 能 強 化

課 題

・汎 用 性 を 有 す る 製 造 プ ラ ン ト の 実 現

・ 有 機 融 雪 剤 製 品 製 造 コ ス ト の 低 減

■ 製 造 プ ロ セ ス 向 上 に よ る 製 造 工 程 効 率 化

・繊 維 質 分 解 酵 素 等 の 添 加 に よ る 原 料 固 形 残 さ の 効 率 的 分 解

・分 解 工 程 、分 離 工 程 の 一 層 の 効 率 化

・ プ ラ ン ト 操 業 技 術 の 確 立

■ 融 雪 剤 の 対 象 用 途 お よ び 使 用 条 件 の 拡 大 を 目 指 し た 多 様 な 有 機 融 雪 製 剤 製 造 プ ラ ン ト の 実 用 化

・ 固 形 融 雪 剤( 粒 剤 )製 造 プ ロ セ ス の 検 討 と 性 能 評 価

・有 機 融 雪 液 剤 含 浸 多 孔 性 す べ り 止 め 材 製 造 プ ロ セ ス の 検 討 と 性 能 評 価

・各 種 形 態 融 雪 剤 の 取 り 扱 い 条 件 と 既 存 散 布 シ ス テ ム 改 良 に 関 す る 検 討

■ 多 様 な 有 機 融 雪 剤 製 造 の た め の 汎 用 プ ラ ン ト 施 設 設 計 技 術 の 確 立

・複 数 形 態 の 有 機 融 雪 剤 製 造 の た め の 装 置 と 施 設 規 模 お よ び プ ラ ン ト 基 本 仕 様 の 決 定

・プ ラ ン ト の プ ロ セ ス フ ロ ー 条 件 検 討

□ 高 濃 度・高 流 動 性 原 料 ス ラ リ ー 調 製 条 件 の 明 確 化

□ 効 率 的 な 固 液 分 離 条 件 の 明 確 化

(13)

3.2  有 機 融 雪 剤 の 製 造 プ ロ セ ス の プ ラ ン ト 操 業 条 件 の 研 究  

3.2.1  プ ラ ン ト 操 業 条 件 の 検 討 課 題 と 研 究 内 容  

  融 雪 剤 製 造 プ ロ セ ス の 時 間 短 縮 と 低 コ ス ト 化 を 図 る た め 、 分 解 工 程 お よ び 分 離 工 程 の 一 層 の 効 率 化 お よ び プ ラ ン ト 操 業 条 件 に つ い て 検 討 し た 。  

  平 成 15 年 度 に 実 施 し た 有 機 融 雪 剤 製 造 プ ラ ン ト の ス タ デ ィ よ り 明 ら か と な っ た 製 造 プ ラ ン ト 実 用 化 の 課 題 お よ び 平 成 16 年 度 の 研 究 内 容 を図 3.2.1-1 に 示 す 。 太 い 破 線 で 囲 ん で 示 し た 部 分 が 本 章 の 内 容 に 関 す る 課 題 と 研 究 内 容 で あ る 。

図 3.2.1-1  有 機 融 雪 剤 製 造 プ ラ ン ト 実 用 化 の 課 題 と 平 成 16 年 度 研 究 内 容  

  有 機 融 雪 剤 製 造 プ ロ セ ス の 一 層 の 効 率 化 と プ ラ ン ト 操 業 条 件 を 検 討 す る た め の 考 え 方 と 手 順 を図 3.2.1-2 に 示 す 。

原料 

・食品廃棄物  (リンゴ搾りカス) 

前処理工程 

・ 粗破砕 

・ 循環混合 

分解工程 

・ 分解液状化 

分離工程 

・ 加圧ろ過 

保管工程 

・ 長期保管 

製剤工程 

・ 金属塩溶解 

プラント操業条件の確立 

① 分解液状化工程の効率化 

・分解液状化の時間の短縮 

・ 固形分の減量化 

② 加圧ろ過工程の効率化 

・ ろ過の効率化 

・ 分離固形残さの減量 

雪質・適用条件等に対する適用拡大

① 積雪・雪質条件に対する課題 

・ 液剤浸透による効果の低下 

② 用途拡大に向けた課題 

・ 低温での適用制限−すべり止め 材との複合による機能強化 

③液剤・固形剤の取り扱い方法 

■ 繊維質分解酵素添加による分解液状化促進 

■ 加圧ろ過試験によるろ過効率化・剥離特性の検討 

■ 固形剤化 

■ 試作融雪剤の性能・適用性の評価 

■ 融雪剤の取り扱いの条件検討  課題 

研究内容 

(14)

 

図 3.2.1-2  有 機 融 雪 剤 製 造 プ ロ セ ス 効 率 化 と プ ラ ン ト 操 業 条 件 検 討 の 考 え 方 と 手 順

  好 気 条 件 で 高 速 撹 拌 分 解 処 理 す る 「 せ ん 断 撹 拌 分 解 技 術 」 を 食 品 廃 棄 物 加 水 ス ラ リ ー の 分 解 液 状 化 工 程 に 適 用 す る こ と に よ り 、 悪 臭 の 発 生 な く 、 高 温 で の 固 形 分 の 分 解 可 溶 化 が 可 能 と な っ た 。 し か し 、 固 形 分 含 量 が 非 常 に 高 い 高 濃 度 ス ラ リ ー を 原 料 と す る た め 、 分 解 が 困 難 な 繊 維 質 が 一 部 残 り 、 固 液 分 離 工 程 実 用 化 の 妨 げ と な る こ と が 明 ら か と な っ た 。     ま た 、 原 料 中 の 繊 維 質 ( 多 糖 類 ) を 分 解 し て 、 有 機 分 解 液 中 に 低 分 子 有 機 分 と し て 回 収 で き れ ば 、 原 料 の 高 度 利 用 の 実 現 に つ な が る と 考 え ら れ る 。  

 

そ こ で 、食 品 廃 棄 物 に 多 く 含 ま れ る 繊 維 質( セ ル ロ ー ス・ヘ ミ セ ル ロ ー ス・ペ ク チ ン 等 ) の 分 解 を 促 進 し て 分 解 液 状 化 工 程 の 時 間 短 縮 と 食 品 廃 棄 物 の 高 度 分 解 を 実 現 さ せ る た め 、 分 解 液 状 化 工 程 に お い て 繊 維 質 分 解 酵 素 を 添 加 し て 分 解 を 促 進 す る こ と を 試 み た 。 分 解 工 程 の 効 率 化 達 成 に よ り 、 分 解 懸 濁 液 の 粘 性 低 下 に よ る 固 液 分 離 工 程 の 効 率 化 と 分 離 固 形 残 さ の 減 量 化 を 図 っ た (図 3.2.1-2)。  

    ◇ 高 温 ・ 好 気 条 件       ◇ 多 重 管 型 加 圧 ろ 過     ◇ 高 濃 度 有 機 分 を 含 む         操 業 条 件 検 討 内 容   

分 解 工 程

せ ん 断 撹 拌 分 解

分 離 工 程 加 圧 ろ 過 脱 水

【 課 題 】  

・ 分 解 時 間 短 縮

・ 高 度 分 解 に よ る 固 形 分 の 減 量 化

・ 分 解 懸 濁 液 中 の 繊 維 質   分 解 に よ る 低 粘 性 化

【 課 題 】  

・ ろ 過 速 度 の 向 上

・ 固 形 残 さ の 減 量 化

・ 固 形 残 さ 剥 離 特 性 の 改 善 繊 維 質 分 解 酵 素 添 加 に

よ る 分 解 促 進

1 ) 繊 維 質 分 解 酵 素 の 添 加   ・ 添 加 酵 素 の 選 定     ・ 酵 素 添 加 量  

  ・ 分 解 工 程 で の 添 加 時 期    

2 ) 酵 素 反 応 条 件     ・ pH、 温 度  

(15)

3.2.2  原 料 の 選 定  

有 機 融 雪 剤 の 原 料 に 適 し た 有 機 廃 棄 物 と し て 、 塩 化 物 の 含 有 が 少 な く 、 比 較 的 均 質 で 内 容 物 の 変 動 も 小 さ い 工 場 発 生 の 食 品 系 事 業 廃 棄 物 が あ げ ら れ る 。 国 内 で 発 生 す る 代 表 的 な 食 品 系 事 業 廃 棄 物 の う ち 、 未 利 用 分 が 相 当 量 認 め ら れ る も の の 発 生 量 と 主 な 利 用 状 況 を 表 に 示 す (表 3.2.2-1)。  

 

表 3.2.2-1  融 雪 剤 原 料 に 適 し た 未 利 用 食 品 系 事 業 廃 棄 物  

種 類 水 分 推 定 年 間 発 生 量 主 な 利 用 状 況 積 雪 地 で

の 発 生 比 率

お か ら 80% 前 後 75万 t 肥 飼 料 86% 、食 品 4 % −

焼 酎 か す 90% 超 34万 kL 肥 料 19% 、 飼 料 19% 低 い

み か ん 果 汁 残 さ 85% 前 後 2.5〜15万 t 飼 料 87% 低 い

り ん ご 果 汁 残 さ 80% 前 後 4.4〜8.6万 t 飼 料 64% 、 肥 料 13% 高 い

馬 鈴 薯 澱 粉 か す 90% 超 77.7万 t 飼 料 70% 高 い

甜 菜 製 糖 か す 50〜30% 20万 t

( 添 加 石 灰 含 む ) 農 地 還 元 50% 高 い 出 典 : 有 機 廃 棄 物 資 源 化 大 辞 典 ( 農 山 漁 村 文 化 協 会 刊 、 1997) に 一 部 追 加    

  平 成 15 年 度 ス タ デ ィ で は 、 上 記 の う ち 、 り ん ご 果 汁 製 造 残 さ ( 以 下 り ん ご 搾 り か す と 記 す )、 お よ び 事 業 系 生 ご み を 原 料 に 選 ん で 有 機 融 雪 剤 の 試 作 を 実 施 し た 。

り ん ご 搾 り か す は 糖 質 な ど を 多 く 含 み 、 積 雪 寒 冷 地 で の 発 生 が 多 く を 占 め る た め 融 雪 剤 原 料 と し て 有 利 で 、 さ ら に 製 造 プ ロ セ ス で ろ 過 処 理 が 困 難 な 点 か ら 分 解 ・ 分 離 装 置 仕 様 の 検 討 の た め に 有 意 義 と 判 断 し 選 定 し た 。 事 業 生 ご み は 季 節 的 な 排 出 量 の 変 動 が 少 な く 、 融 雪 剤 ( 凍 結 防 止 剤 ) の 使 用 量 が 多 い 都 市 部 ま た は 市 街 域 で の 発 生 が 多 い こ と か ら 検 討 対 象 に 選 ん だ 。 ま た 、 事 業 生 ご み で は 、 異 物 混 入 の 少 な い 調 理 残 さ を 原 料 に 用 い た 。

馬 鈴 薯 澱 粉 か す は 寒 冷 地 で の 発 生 量 が 多 く 、原 料 へ の 適 用 が 期 待 さ れ る が 、富 栄 養 塩( リ ン 、 窒 素 ) の 含 有 が 多 く 、 現 時 点 で そ れ ら の 安 価 な 除 去 手 段 が な い こ と か ら 検 討 対 象 か ら 除 い た 。

平 成 15 年 度 の 試 作 有 機 融 雪 剤 の 試 作 、 性 状 分 析 に よ り 、 以 下 の こ と が わ か っ た 。

・ り ん ご 搾 り か す 、 調 理 残 さ の い ず れ を 原 料 に 用 い て も 、 十 分 な 融 氷 性 能 を 有 す る 有 機 融 雪 剤 を 製 造 可 能 で あ る 。

・ り ん ご 搾 り か す を 原 料 に 用 い た 融 雪 剤 は 金 属 腐 食 性 を ま っ た く 示 さ な か っ た 。

・調 理 残 さ を 原 料 に 用 い た 場 合 、塩 化 物( 塩 素 )イ オ ン が 0.2〜0.3% 含 ま れ 、10 倍 近 く に 希 釈 し た 有 機 融 雪 液 剤 に 低 炭 素 鋼 を 浸 漬 す る 試 験 で 腐 食 性 が 確 認 さ れ た 。

平 成 16 年 度 に お い て は 原 料 を り ん ご 搾 り か す に 限 定 し て 、 プ ラ ン ト 操 業 条 件 お よ び 融 雪 剤 の 適 用 拡 大 の 検 討 を 行 う も の と し た 。 事 業 生 ご み ( 調 理 残 さ ) に つ い て は 、 平 成 15 年 度 に 試 作 し た 融 雪 剤 を 用 い て 金 属 腐 食 性 の 再 試 験 を 行 う に と ど め る 。

(16)

3.2.3  繊 維 質 分 解 酵 素 添 加 に よ る 分 解 液 状 化 促 進

室 内 試 験 に お い て 、 市 販 の 繊 維 質 分 解 酵 素 剤 を 原 料 破 砕 ス ラ リ ー に 添 加 し 、 分 解 液 状 化 を 十 分 に 促 進 可 能 な 条 件 を 見 出 し 、 分 解 液 状 化 処 理 の 時 間 短 縮 と 食 品 廃 棄 物 の 高 度 分 解 を 図 っ た 。市 販 繊 維 質 分 解 酵 素 は 、セ ル ロ ー ス 分 解 酵 素( セ ル ラ ー ゼ )、ヘ ミ セ ル ロ ー ス 分 解 酵 素( ヘ ミ セ ル ラ ー ゼ )、ペ ク チ ン 分 解 酵 素( ペ ク チ ナ ー ゼ )等 を 含 む 粗 酵 素 を 用 い た 。ま た 、 き の こ 廃 菌 床 に 含 ま れ る 繊 維 質 分 解 酵 素 の 適 用 可 能 性 に つ い て も 検 討 し た 。

室 内 検 討 の 結 果 を 踏 ま え 、実 機 拡 張 用 モ デ ル 分 解 機 で の 酵 素 添 加 量・反 応 条 件 を 決 定 し 、 1,000L容 量 の せ ん 断 撹 拌 分 解 機 を 用 い た 繊 維 質 分 解 促 進 試 験 を 行 っ た 。

a)市 販 酵 素 添 加 室 内 試 験 に よ る 分 解 促 進 試 験   1)  試 験 方 法  

(1)  試 験 管 内 分 解 促 進 試 験  

り ん ご 搾 り か す 加 水 ス ラ リ ー ( 以 下 り ん ご ス ラ リ ー と 記 す ) を 対 象 に 、 繊 維 質 分 解 酵 素 添 加 に よ る 効 果 の 確 認 と 酵 素 投 入 時 期 の 条 件 決 定 の た め の 室 内 試 験 を 実 施 し た 。    試 験 は 試 験 管 内 で の 予 備 試 験 と 小 型 発 酵 槽 を 用 い た 分 解 試 験 に よ り 、 酵 素 に よ る 分 解 促 進 の 効 果 を 判 定 し た 。具 体 的 な 酵 素 分 解 試 験 の 手 順 と 考 え 方 を図 3.2.3-1に 示 す 。   

                                         

 

・ 試 料   り ん ご ス ラ リ ー

・ 使 用 酵 素   セ ル ラ ー ゼ 、 ヘ ミ セ ル ラ ー ゼ 、 ペ ク チ ナ ー ゼ 等 を 含 む 市 販 繊 維 質 分 解 酵 素

・試 料 は 実 機 拡 張 用 分 解 機( 有 効 容 量 1,000L)で 72 時 間 高 温 好 気 分 解 処 理 し た り ん ご 搾 り か す 分 解 懸 濁 液 を 用 い る 。

「 試 験 管 内 で の 酵 素 分 解 予 備 試 験 」

目 的   ・ 机 上 で 選 定 し た 10種 の 繊 維 質 分 解 酵 素 か ら 使 用 酵 素 剤 を 絞 り 込 む 。       ・酵 素 分 解 に 適 し た pH条 件 、温 度 条 件 、酵 素 添 加 量 の 見 込 み を つ け る 。 判 定 方 法   ・ 回 収 固 形 残 さ の 減 量 効 果

      ・ 原 料 ス ラ リ ー の 粘 性 低 下 傾 向 ( 目 視 判 定 )

・ 試 料 に は 小 型 発 酵 槽 を 用 い て 処 理 し た り ん ご 搾 り か す 分 解 懸 濁 液 を 用 い る 。

「 小 型 発 酵 槽 で の 酵 素 分 解 試 験 」

目 的   ・ 実 用 的 な 酵 素 添 加 量 を 決 定 す る 。

      ・原 料 ス ラ リ ー の 分 解 工 程 の 途 中 で 酵 素 剤 を 添 加 し 、酵 素 を 至 適 pH・温 度 条 件 で 作 用 さ せ る た め の ス ラ リ ー 調 製 条 件 に つ き 検 討 す る 。

      ・ ス ラ リ ー 分 解 過 程 で 酵 素 を 添 加 し て 、 十 分 な 分 解 促 進 効 果 が 得 ら れ る か を 検 証 す る 。

判 定 方 法   ・ 回 収 固 形 残 さ の 減 量 効 果

      ・ 原 料 ス ラ リ ー の 粘 性 低 下 ( 粘 度 計 測 定 に よ る 定 量 評 価 )       ・ ろ 過 特 性 ( ヌ ッ チ ェ ろ 過 に よ る ろ 過 速 度 )

(17)

    (2)  小 型 発 酵 槽 分 解 促 進 試 験  

小 型 の 撹 拌 分 解 槽 を 用 い て 、 り ん ご 搾 り か す を 原 料 に 、図 3.2.3-2 に 示 す 条 件 で 好 気 撹 拌 分 解 処 理 し て り ん ご 分 解 懸 濁 液 を 調 製 し た 。

図 3.2.3-2  り ん ご 分 解 懸 濁 液 試 料 調 製 の 条 件

図 3.2.3-2の 方 法 で 調 製 し た り ん ご 分 解 懸 濁 液 を 試 料 に 、表 3.2.3-1に 示 す 条 件 で 、 小 型 発 酵 槽 を 用 い た 分 解 促 進 効 果 確 認 試 験 を 実 施 し た 。

使 用 し た 小 型 発 酵 槽 お よ び 通 気 ・ 撹 拌 な ど の 条 件 は 分 解 懸 濁 液 試 料 の 調 製 の 装 置 ・ 条 件 と 同 一 で あ る 。

表 3.2.3-1  小 型 発 酵 槽 を 用 い た 酵 素 添 加 効 果 確 認 試 験 の 条 件

 

      ス ラ リ ー 原 料 ・ 添 加 物

・ 原 料 ス ラ リ ー :130mlり ん ご ス ラ リ ー + 水 道 水 260ml

・ 添 加 物 : 上 記 ス ラ リ ー に 水 酸 化 ナ ト リ ウ ム を 加 え てpH10 に 調 整 し た 後 、0.05% 〜0.1% の 炭 酸 カ ル シ ウ ム 粉 末 を 添 加 し た 。 小 型 発 酵 槽 装 置 ・ 処 理 条 件

・ 内 容 積 700ml( 有 効 容 量 500ml) の 小 型 発 酵 槽 を 用 い た 。

・ 分 解 は 65℃ 定 温 で 、 試 料 pHが 約 5 と な る ま で 約 44時 間 行 っ た 。

・ 通 気 速 度 は 2vvm( 通 気 量 分 当 た り 分 解 槽 内 容 積 の 2 倍 ) と し た 。

・ 撹 拌 装 置 は 1 段 の 撹 拌 翼 を 使 用 し 、 撹 拌 速 度 を 200rpm に 設 定 し た 。

使 用 酵 素 と 処 理 条 件

・ 使 用 酵 素 : 試 験 管 内 で の 分 解 促 進 予 備 試 験 で 選 定 し た セ ル ラ ー ゼ XP−425( ナ ガ セ ケ ム テ ッ ク ス 社 製 ) を 用 い た 。

・ 処 理 条 件 : 試 料 分 解 懸 濁 液 を pH5.0に 調 整 し た の ち 酵 素 を 添 加 し 、50℃ 〜60℃ で 6 時 間 、 好 気 撹 拌 条 件 下 熱 処 理 し た 。 処 理 開 始 後 2 時 間 ご と に 5 ℃ 上 昇 さ せ た 。 試 験 ケ ー ス

・ 対 照 試 験   : 酵 素 無 添 加

・ 酵 素 添 加 1 : 市 販 酵 素 0.1%   り ん ご 分 解 懸 濁 液 試 料 390mlに 対 し 0.39g添 加

・ 酵 素 添 加 2 : 市 販 酵 素 0.2%   り ん ご 分 解 懸 濁 液 試 料 390mlに 対 し 0.78g添 加

・ 酵 素 添 加 3 : 市 販 酵 素 0.3%   り ん ご 分 解 懸 濁 液 試 料 390mlに 対 し 1.17g添 加

(18)

2)  試 験 管 内 予 備 試 験

セ ル ラ ー ゼ 、 ヘ ミ セ ル ラ ー ゼ 、 ペ ク チ ナ ー ゼ の う ち 少 な く と も 2 種 類 の 酵 素 を 含 む 数 あ る 市 販 繊 維 質 分 解 酵 素 よ り 、 机 上 検 討 に よ り 10 種 の 候 補 を 選 択 し て 用 い た 。

・ 実 機 拡 張 用 モ デ ル で 分 解 し た り ん ご ス ラ リ ー に 各 酵 素 を 1 % 添 加 し て 、pH5 、45

℃ で 2 時 間 熱 処 理 し 、 固 形 残 さ は 遠 心 分 離 (5,000rpm) に よ り 回 収 し た 。

・ 試 料 量 は 20ml と し た た め 、 粘 度 低 下 効 果 は 目 視 に よ り 判 定 し た 。

試 験 の 結 果 を表 3.2.3-2に 示 し 、絞 り 込 ん だ 5 種 類 の 酵 素 の 性 質 を表 3.2.3-3に 示 す 。

表 3.2.3-2  試 験 管 内 予 備 分 解 試 験 結 果 回 収 固 形 残 さ 添 加 酵 素 名 粘 度 低 下 効 果

重 量 (g) 相 対 重 量( % )

分 解 効 果 の 総 合 判 定

① ペ ク チ ナ ー ゼ

X P −534 低 め 7.4 86

② ド リ セ ラ ー ゼ 高 い 3.1 36 ◎

③ セ ル ラ ー ゼ

X P −425 高 い 2.7 31 ◎

④ セ ル ラ ー ゼ

X L −531 高 い 3.2 37 ◎

⑤ ス ク ラ ー ゼ S 低 め 5.9 69

⑥ ス ク ラ ー ゼ N 高 め 5.3 62

⑦ セ ル ロ シ ン

P E60 高 い 4.5 52

⑧ セ ル ラ ー ゼ A

ア マ ノ 3 高 い 3.7 43 ○

⑨ マ セ ロ チ ー ム A 高 め 6.5 76

⑩ セ ル ラ ー ゼ

オ ノ ヅ カ 3 S 高 い 3.3 38 ◎

無 添 加 ・ 無 処 理 効 果 な し 8.6 100 −

 

以 上 の 結 果 か ら 、 ② 、 ③ 、 ④ 、 ⑧ 、 ⑩ の 5 種 類 の 酵 素 に 絞 り 込 ん だ 。

表 3.2.3-3  選 定 酵 素 製 剤 の 性 質 酵 素 製 剤 名

< 生 産 菌 >

60℃ 安 定 性

50℃ 安 定 性

至 適 温 度

( ℃ )

pH6 安 定 性

pH6 相 対

活 性( % ) 至 適 pH

② ド リ セ ラ ー ゼ

< サ ル ノ コ シ カ ケ > × △ 30−50 ○ 65 3 〜5.5

③ セ ル ラ ー ゼ X P −425

< ト リ コ デ ル マ 属 か び > △ 〜 ○ ○ 50 ○ 65 4 〜 6

④ セ ル ラ ー ゼ X L −531

< 黒 麹 か び > ○ ○ 55 ○ 35 3.5〜 5

⑧ セ ル ラ ー ゼ A ア マ ノ 3

< 黒 麹 か び > △ 〜 ○ ○ 55 ○ 60 4 〜5.5

⑩ セ ル ラ ー ゼ オ ノ ヅ カ

< 黒 麹 か び > △ ○ 55 ○ 50 4 〜 5

pH6 で の 相 対 活 性 : 各 酵 素 の 至 適 pHで の 活 性 ( 活 性 最 高 値 ) を 100と し た と き の 相 対 値

(19)

3) 2 次 試 験 管 内 予 備 試 験

酵 素 添 加 量 を 0.1%( 原 料 ス ラ リ ー1L 当 た り 1g、1,000L当 た り 1kg)と し て 、以 下 の 各 条 件 で 繊 維 質 の 酵 素 分 解 処 理 を 行 っ た 。

・ 実 機 拡 張 用 モ デ ル で 分 解 し た り ん ご ス ラ リ ー を 対 象 に 、pH4.5〜5、50〜65℃ で 8 時 間 熱 処 理 し た 。 固 形 残 さ は 遠 心 分 離 (5,000rpm) に よ り 回 収 し た 。

・ ス ラ リ ー 温 度 は 初 発 の 50℃ か ら 2 時 間 経 過 ご と に 5 ℃ 上 昇 さ せ た 。

・ ス ラ リ ーpHは pH5 に あ わ せ た が 、 酵 素 反 応 処 理 後 い ず れ も 4.5強 に 低 下 し た 。

・ 試 料 の 量 は 20ml と し た た め 、 粘 度 計 で の 測 定 試 料 量 (500ml 弱 ) に は 満 た ず 、 粘 度 低 下 の 効 果 は 目 視 に よ り 判 定 し た 。

試 験 結 果 を表 3.2.3-4に 、分 解 処 理 後 の 回 収 固 形 残 さ 重 量 の 比 較( 固 形 残 さ の 減 量 率 ) を図 3.2.3-3に 示 す 。

表 3.2.3-4  2 次 試 験 管 内 分 解 試 験 結 果 粘 度 低 下 効 果 と 処 理 後 pH 回 収 固 形 残 さ 4 時 間 後

(55℃ )

8 時 間 後

(65℃ ) 添 加 酵 素 名

粘 度 pH 粘 度 pH

重 量

(g)

相 対 重 量

( % )

総 合 判 定

① ド リ セ ラ ー ゼ 高 め 4.8 高 め 4.6 4.78 76 ○

② セ ル ラ ー ゼ

  X P −425 高 い 4.8 高 い 4.7 4.22 68 ◎

③ セ ル ラ ー ゼ

  X L −531 低 め 4.8 高 め 4.7 4.92 78 ○

④ セ ル ラ ー ゼ A

  ア マ ノ 3 低 め 4.7 低 め 4.6 5.31 84 △

⑤ セ ル ラ ー ゼ

  オ ノ ヅ カ 低 め 4.7 高 め 4.6 5.25 83 △

無 添 加 効 果

な し 4.9 効 果

な し 4.8 6.32 100 −

図 3.2.3-3  固 形 残 さ の 相 対 重 量 の 比 較 0

20 40 60 80 100

①ド リセラーゼ

②セルラ

ーゼXP-425

③セルラーゼXL-531

④セ ルラー

ゼア マノ3

⑤セ

ルラーゼオ ノヅ

固形残さ重量相対値(%)

(20)

試 験 管 内 酵 素 分 解 予 備 試 験 の 結 果 よ り 、 以 降 の 分 解 促 進 試 験 は 以 下 の 条 件 で 実 施 す る こ と と し た 。

(1) り ん ご ス ラ リ ー の 分 解 促 進 用 酵 素 に は 、セ ル ラ ー ゼ XP-425( ナ ガ セ ケ ム テ ッ ク ス 社 製 ) を 使 用 す る 。

(2) 酵 素 投 入 の 条 件 は 、 上 記 酵 素 が 最 も 高 い 活 性 を 示 す 「pH5.0、50℃ 」 を 基 本 と す る 。

(3) 上 記 繊 維 質 分 解 酵 素 の 添 加 量 ( 重 量 % ) は 0.1% を 目 安 と す る 。

4)  小 型 発 酵 槽 分 解 促 進 試 験

小 型 発 酵 槽 を 用 い た 分 解 促 進 試 験 の 結 果 を表 3.2.3-5に 示 す 。市 販 酵 素 の 添 加 量 0.1% 、 0.2% 、0.3% の す べ て の 試 験 ケ ー ス に お い て 、 試 料 懸 濁 液 の 粘 度 低 下 と ろ 過 速 度 の 向 上 お よ び 固 形 残 さ 重 量 の 減 少 が 確 認 さ れ た 。

表 3.2.3-5  市 販 酵 素 添 加 に よ る 小 型 発 酵 槽 分 解 促 進 試 験 結 果 ろ 過 効 率

試 験 ケ ー ス 粘 度

(mPa・s) ろ 過 時 間

( 分 )

ろ 過 速 度

(L/m・hr)

固 形 残 さ 乾 重 (g)

/ 相 対 値 ( % )

対 照 試 験 ① 酵 素 無 添 加、無 処 理

( 無 希 釈35

で 300超 ) 97 18.7 2.87

/100 対 照 試 験 ②

酵 素 無 添 加 15 44 41.2 2.70

/94 酵 素 添 加 1

(XP-425  0.1% ) 5 20 90.6 1.02

/36 酵 素 添 加 2

(XP-425  0.2% ) 3.5 32 56.6 0.72

/25 酵 素 添 加 3

(XP-425  0.3% ) 3.5 30 60.4 0.68

/24

粘 度:簡 易 粘 度 測 定 装 置 を 用 い て 測 定 し た 。測 定 に 必 要 な 試 料 の 量 は500mlで あ る た め 、 390mlの 試 料 に 145mlの 脱 イ オ ン 水 を 加 え て 測 定 し た 。

ろ 過 効 率 : ブ フ ナ ー ロ ー ト ( ヌ ッ チ ェ ) ろ 過 器 で ろ 過 試 験 を 実 施 し 、 約 0.5L の ろ 液 が 0.0177mの ろ 過 面 積 を 通 過 し た ろ 過 時 間 (hr) か ら ろ 過 速 度 (L/m・hr) を 求 め た 。

小 型 発 酵 槽 を 用 い た 分 解 促 進 試 験 の 結 果 か ら 明 ら か と な っ た こ と を 整 理 し て 記 す 。 (1) り ん ご 分 解 懸 濁 液 試 料 に 市 販 酵 素 セ ル ラ ー ゼ XP-425 を 添 加 す る こ と で 、 繊 維 質

が 効 果 的 に 分 解 さ れ 、 粘 度 低 下 と ろ 過 速 度 向 上 お よ び 固 形 残 さ の 減 量 が 可 能 で あ っ た 。

(2) 酵 素 添 加 量 0.1% 以 上 で 十 分 な 固 形 残 さ 量 の 減 少 が み ら れ る が 、粘 度 低 下 の 結 果 な ど か ら 、実 機 拡 張 モ デ ル で の 分 解 で は 、酵 素 添 加 量 は 0.2% 以 上 が 望 ま し い と 考 え ら れ る 。 た だ し 、 実 機 拡 張 モ デ ル で の 分 解 で は 、 原 料 ス ラ リ ー 濃 度 を 室 内 試 験 の 倍 近 く と し て い る こ と か ら 、 酵 素 添 加 量 は 0.3% に 設 定 す る も の と す る 。

 

(21)

b)実 機 拡 張 モ デ ル 分 解 機 で の 分 解 促 進 試 験  

有 効 容 量 1,000L の 実 機 拡 張 用 モ デ ル 分 解 機 を 用 い て 分 解 液 状 化 促 進 試 験 を 実 施 し た 。 試 験 の 原 料 に は り ん ご 搾 り か す を 用 い 、 分 解 液 状 化 工 程 の 途 中 で 適 量 の 市 販 繊 維 質 分 解 酵 素 剤 を 原 料 ス ラ リ ー に 添 加 し て 、 分 解 促 進 と 粘 度 低 下 の 効 果 に つ き 検 証 し た 。

  ま た 、 室 内 試 験 で 決 定 し た ス ラ リ ー 調 製 条 件 ( 初 期 pH 調 整 の う え ア ル カ リ 鉱 物 添 加 ) に お い て 、懸 濁 液 の pH・温 度 管 理 を 酵 素 添 加 に 適 し た 範 囲 に 調 整 可 能 な こ と を 確 認 し た 。

繊 維 質 分 解 酵 素 は 、 室 内 試 験 で 選 定 し た 酵 素 製 品 ( セ ル ラ ー ゼ XP-425) を 用 い た 。

1) 原 料 ス ラ リ ー の 調 製

    り ん ご 搾 り か す を 原 料 と す る 加 水 ス ラ リ ー の 調 製 条 件 を表 3.2.3-6に 示 す 。

表 3.2.3-6  実 機 拡 張 モ デ ル で の 減 量 ス ラ リ ー の 調 製

 

2)  せ ん 断 撹 拌 分 解 処 理

  ・酵 素 添 加:分 解 槽 内 温 度 が 55℃ 近 く で 酵 素 を 添 加 し た 。酵 素 添 加 前 に 酢 酸 1 L を 添 加 し 、 酵 素 の 至 適 pH で あ る 5 近 く (pH7.4 → pH5.2) に 低 下 さ せ た 。   ・酵 素 添 加 量:り ん ご ス ラ リ ー940Lに 対 し 0.3%( 重 量 / 容 量 )の 2.82kgを 添 加 し た 。

・処 理 条 件:撹 拌 速 度 560rpm、通 気 速 度 約 2vvm( 1 分 当 た り 容 器 の 2 倍 量 )と し た 。

分 解 促 進 試 験 に お け る 温 度 と pHの 経 時 変 化 を図 3.2.3-4に 示 す 。 [分 解 槽 内 の 温 度 と pHの 経 時 変 化]

時 間 hr  温 度(℃)  pH      0T        23      9.5 10        55      7.4 10.5   55 5.2 12   57 5.3 16   65 5.2 20   70 5.2 24   73 5.1 36   78 5.2 40   80 5.1 44   81 5.0    48   81 4.9

48   81 4.9       

10 20 30 40 50 60 70 80 90

0 10 20 30 40 50

時間(hr)

温度

(℃)

2 4 6 8 10 pH

温 度

pH

0 日 目 1 日 目 2 日 目

    ↑

酵 素 添 加 り ん ご 搾 り か す ( 品 種 : 津 軽 )       430kg

    水 道 水       510L      

      Total  940L  ( ス ラ リ ー の 初 期 pH =3.3)

・ 水 酸 化 ナ ト リ ウ ム 水 溶 液 で pH10.0 に 調 整 後 、0.05% (470g) の 炭 酸 カ ル シ ウ ム 粉 末 を 添 加 混 合 し た 。

図 3.2.3-4  実 機 拡 張 モ デ ル 分 解 機 の 分 解 促 進       試 験 に お け る 温 度 と pHの 経 時 変 化

(22)

3)  簡 易 粘 度 測 定

  分 解 促 進 試 験 に お け る 粘 度 の 経 時 変 化 を図 3.2.3-5に 示 す 。

            粘 度 (mPa・S)       時 間hr  2 倍 希 釈   4 倍 希 釈

0T    >300      15 12 70 5.0 16 60 5.5       20      85 6.0 36 110 9.0 40 95 8.0 44 80 7.5 48 80 7.0

      図 3.2.3-5  実 機 拡 張 モ デ ル 分 解 機 分 解 促 進 試 験 で の 懸 濁 液 の 簡 易 粘 度 測 定 結 果

実 機 拡 張 モ デ ル 分 解 機 を 用 い た 分 解 促 進 確 認 試 験 の 結 果 を 以 下 に 整 理 し て 記 す 。

・せ ん 断 撹 拌 処 理 を 従 来 の 72時 間 よ り 1 日 短 い 48 時 間 で 終 了 し た 。酵 素 の 活 性 発 現 に 好 適 な 条 件 で 繊 維 質 分 解 酵 素 を 添 加 し 、粘 度 の 変 化 か ら 酵 素 添 加 の 効 果 を 確 認 で き た 。

・ 酵 素 添 加 に よ る 粘 度 の 上 昇 は り ん ご 繊 維 質 の セ ル ロ ー ス ・ ヘ ミ セ ル ロ ー ス ・ ペ ク チ ン な ど の 高 分 子 多 糖 の 絡 み 合 い が ほ ぐ さ れ 、 そ れ ら が 水 に 溶 出 し た た め と 考 え ら れ る 。

・ 初 期 の 酵 素 分 解 後 も 徐 々 に 多 糖 の 溶 出 は 続 い た が 、 多 糖 類 の 酵 素 に よ る 分 解 が ま さ っ て 高 分 子 多 糖 の 分 子 量 が 低 く な り 、 速 や か に 粘 度 低 下 に 転 じ た と 考 え ら れ る 。

・ 固 形 残 さ の 減 量 効 果 は 顕 著 な も の で は な か っ た 。 そ の 原 因 は 、 室 内 試 験 で は 原 料 ス ラ リ ー を 長 時 間 熱 処 理 し た の ち に 酵 素 を 作 用 さ せ た た め 固 形 残 さ の 減 量 効 果 が 高 い の に 対 し 、大 型 分 解 機 を 用 い た 試 験 で は 熱 分 解 が 十 分 進 む 前 の 時 点 で 酵 素 を 添 加 す る こ と 、 ま た 原 料 の 固 形 有 機 分 濃 度 が 室 内 試 験 で の 2 倍 ほ ど 高 い 点 に あ る と 推 測 さ れ る 。

0 5 10 15 20

0 10 20 30 40 50

時間(hr)

2倍希釈

4倍希釈 粘度(mP・S)

0日目 1日目 2日目

300

200

100 400

↑ 2倍 希釈

↑ 4倍 希釈

 酵素添加

(23)

廃 菌 床 原 料 か ら の 粗 酵 素 液 回 収 と 乾 燥 粉 末 化

① 菌 床 に 等 量 の 中 性 リ ン 酸 緩 衝 液 を 加 え 、 廃 菌 床 を 良 く ほ ぐ し た 後 、 撹 拌 混 合 す る 。

② こ の 菌 床 懸 濁 液 を 圧 搾 機 に か け 、20MPaの 圧 力 で 粗 酵 素 抽 出 液 を 回 収 す る 。

③ 遠 心 分 離 (12,000×g) と ろ 紙 ろ 過 に よ り 粗 酵 素 抽 出 液 か ら 微 粒 子 等 を 除 く 。

④ 得 ら れ た 粗 酵 素 液 に 2 倍 容 量 ( え の き た け ) ま た は 1.5倍 容 量 ( ぶ な し め じ た け ) の エ タ ノ ー ル を 加 え 、 酵 素 蛋 白 質 の 沈 殿 を 得 て 、 こ れ を 乾 燥 さ せ て 粗 酵 素 粉 末 標 品 と す る 。 廃 菌 床 か ら の 粗 酵 素 粉 末 の 回 収 率

・ 粗 酵 素 粉 末 の 収 量 は 菌 床 培 地 成 分 に よ り 変 動 は 認 め ら れ る が 、 以 下 の よ う で あ っ た 。   0.5% 〜1.8% ( 菌 床 の 湿 重 量 に 対 し て 回 収 さ れ た 粗 酵 素 粉 末 の 重 量 )

  す な わ ち 、 1kgの 廃 菌 床 か ら 5g〜18g の 粗 酵 素 エ タ ノ ー ル 乾 燥 粉 末 が 得 ら れ る。 c)き の こ 廃 菌 床 の 繊 維 質 分 解 酵 素 適 用 検 討  

市 販 の 繊 維 質 分 解 酵 素 は 比 較 的 高 価 な た め 、 有 機 融 雪 剤 製 造 コ ス ト の 上 昇 は 避 け ら れ な い と 予 想 さ れ る 。 そ こ で 、 分 解 処 理 コ ス ト の 低 減 の た め 、 寒 冷 地 で の 発 生 量 が 多 い き の こ 廃 菌 床 の 繊 維 質 分 解 酵 素 源 と し て の 利 用 可 能 性 に つ い て 検 討 し た 。 き の こ 廃 菌 床 に 繊 維 質 分 解 酵 素 が 含 ま れ 、 そ れ を 抽 出 利 用 可 能 な こ と は 、 長 野 県 農 村 工 学 研 究 所 等 に よ る 研 究 に よ り す で に 確 認 さ れ て い る 。  

  き の こ 廃 菌 床 を り ん ご ス ラ リ ー 等 の 分 解 促 進 に 適 用 す る た め の 検 討 内 容 を表 3.2.3-7 に 示 す 。  

 

表 3.2.3-7  き の こ 廃 菌 床 を 用 い た り ん ご ス ラ リ ー 分 解 促 進 検 討 の 内 容    

               

  寒 冷 地 で の 生 産 量 が 多 い え の き た け と ぶ な し め じ た け の 人 工 栽 培 で 発 生 す る 廃 菌 床 に 含 ま れ る 繊 維 質 分 解 酵 素 が 、 り ん ご ス ラ リ ー の 分 解 促 進 に 利 用 可 能 か 否 か を 、 室 内 分 解 促 進 試 験 に よ り 検 討 し た 。

  1)  繊 維 質 分 解 酵 素 の 粗 精 製 と そ の 特 性  

    (1)  繊 維 質 分 解 酵 素 の 粗 精 製 ( 出 典 : 長 野 県 農 村 工 業 研 究 所 報 告 書 )  

      え の き た け お よ び ぶ な し め じ た け 廃 菌 床 か ら の 繊 維 質 分 解 酵 素 ( セ ル ラ ー ゼ ・ ヘ ミ セ ル ラ ー ゼ ) の 粗 精 製 の 方 法 と 粗 酵 素 粉 末 の 収 率 を表 3.2.3-8に 示 す 。  

 

表 3.2.3-8  き の こ 廃 菌 床 か ら の 繊 維 質 分 解 酵 素 の 粗 精 製 方 法 と 回 収 率 

①   農 産 廃 棄 物( え の き た け 、ぶ な し め じ た け 栽 培 後 の 廃 菌 床 )か ら の 繊 維 質 分 解 酵 素 の 抽 出 方 法 、 製 剤 化 条 件 の 検 討

②   抽 出 し た 繊 維 質 分 解 酵 素 の 大 ま か な 性 質 の 把 握

・ 酵 素 剤 の 至 適 pH、 至 適 温 度

・ 好 適 な 条 件 に お け る 繊 維 質 酵 素 活 性 ( セ ル ラ ー ゼ 、 ヘ ミ セ ル ラ ー ゼ 等 )

③ り ん ご ス ラ リ ー 熱 分 解 処 理 物 を 対 象 に 、 抽 出 酵 素 剤 が 十 分 な 粘 度 低 減 と 固 形   分 減 量 の 効 果 を 示 す こ と の 確 認

(24)

繊 維 質 分 解 酵 素 の 性 質  

・ え の き た け と ぶ な し め じ た け 両 菌 床 か ら 回 収 さ れ る 繊 維 質 分 解 酵 素 の セ ル ラ ー ゼ ・ ヘ ミ セ ル ラ ー ゼ と も に 、 活 性 の 至 適 pH は 微 酸 性 (pH5 〜6.5) に あ り 、pH5 〜 7 に お い て 安 定 で あ る 。

・ 各 酵 素 の 至 適 温 度 は 40〜50℃ に あ り 、温 度 安 定 性 に つ い て は 糖 基 質 の な い 条 件 に お い て も 40℃ 〜50℃ ま で 一 定 の 時 間 活 性 が 保 持 さ れ る こ と が わ か っ て い る 。

    (2)  繊 維 質 分 解 酵 素 の 性 質( 出 典:長 野 県 農 村 工 業 研 究 所 報 告 、信 州 大 学 工 学 部 物 質 工 学 科 機 能 物 質 化 学 研 究 室 研 究 報 告 )  

      え の き た け と ぶ な し め じ た け 両 者 か ら 得 ら れ る 粗 酵 素 の 各 pH・ 温 度 で の 相 対 活 性 と 安 定 性 な ど の 性 質 の 概 要 を表 3.2.3-9に 示 す 。  

      酵 素 の 性 質 は セ ル ラ ー ゼ 活 性 と ヘ ミ セ ル ラ ー ゼ ( キ シ ラ ナ ー ゼ ) 活 性 に 分 け て 示 し た 。 え の き た け 粗 酵 素 で は 、 代 表 的 な 酵 素 活 性 と し て ヘ ミ セ ル ラ ー ゼ 活 性 の み 明 ら か と な っ て い る 。  

 

表 3.2.3-9  廃 菌 床 か ら 回 収 し た 粗 酵 素 の 性 質 

 

2)  り ん ご 搾 り か す 加 水 ス ラ リ ー に 対 す る 繊 維 質 酵 素 分 解 酵 素 処 理 の 効 果

予 備 分 解 試 験 と し て 、 熱 分 解 処 理 済 み の り ん ご 搾 り か す 加 水 ス ラ リ ー の 熱 処 理 物 ( 分 解 懸 濁 液 ) を 試 料 と し て 、 廃 菌 床 の 破 砕 物 ま た は 廃 菌 床 粗 酵 素 を 加 え て 繊 維 質 分 解 促 進 効 果 を 調 べ た が 、 十 分 な 効 果 は 確 認 さ れ な か っ た 。

予 備 分 解 試 験 で 明 ら か と な っ た こ と を 以 下 に 整 理 し て 記 す 。

・ 廃 菌 床 の 破 砕 物 を 添 加 し た 場 合 、 破 砕 物 添 加 に よ る 固 形 残 さ の 増 量 に よ る デ メ リ ッ ト の 方 が 大 き く 、 酵 素 に よ る 分 解 促 進 効 果 を 確 認 で き な か っ た 。

・ り ん ご 分 解 懸 濁 液 に 対 し 、 え の き た け 粗 酵 素 で は 0.1〜0.5% を 、 ぶ な し め じ た け 粗 酵 素 で は 0.1〜1.0% を 添 加( い ず れ も 重 量/容 量 % )し て そ の 効 果 を 調 べ た が 、流 動 性 改 善 お よ び 固 形 残 さ の 減 量 と も に 顕 著 な 効 果 を 確 認 で き な か っ た 。

上 記 の 結 果 は 、き の こ 菌 床 か ら 回 収 し た 粗 酵 素 に は 、セ ル ラ ー ゼ と ヘ ミ セ ル ラ ー ゼ( キ シ ラ ナ ー ゼ ) が 含 ま れ る が 、 り ん ご 繊 維 質 の 多 く を 占 め る 多 糖 で あ る ペ ク チ ン の 分 解 酵 素 活 性 が 十 分 に 含 ま れ て い な い こ と が 一 因 と な っ て い る と 推 定 さ れ た 。

そ こ で 、 好 熱 菌 と き の こ 繊 維 質 分 解 酵 素 の 両 者 を 加 え る こ と に よ っ て 促 進 分 解 を 図 る こ と を 前 提 と し て 、 熱 処 理 に よ る 分 解 の 進 ん だ り ん ご ス ラ リ ー に ペ ク チ ン 分 解 酵 素 を 産 生 す る 好 熱 菌 を 添 加 し て 分 解 懸 濁 液 試 料 を 調 製 し 、 き の こ 酵 素 に よ る 分 解 促 進 効 果 の 評 価 を 行 う こ と と し た 。

 

(25)

(1)  試 験 管 内 分 解 促 進 試 験   (a)  試 験 方 法  

分 解 懸 濁 液 試 料 は 、 以 下 の 手 順 で 調 製 し た り ん ご 分 解 懸 濁 液 を 用 い た 。   ① り ん ご 搾 り か す に 倍 量 の 水 道 水 を 添 加 し ア ル カ リ で pH10.0に 調 整 す る 。   ② 0.1% の 炭 酸 カ ル シ ウ ム 微 粉 末 を 添 加 混 合 す る 。

  ③ 小 型 発 酵 槽 を 用 い て 65℃ に て 32 時 間 好 気 撹 拌 分 解 処 理 を 実 施 し た の ち 、微 量 の 酢 酸 を 添 加 し て pH5 に 調 整 す る 。

  ④ 上 記 熱 分 解 ス ラ リ ー に 1/100 容 量 の 好 熱 菌 培 養 液を 加 え 、55℃ で 12 時 間 好 気 撹 拌 条 件 下 に お い て 処 理 す る 。

好 熱 菌 培 養 液 : 中 性 液 体 培 地 で 55℃ に て 約 1 日 好 気 培 養 し た 菌 液 で あ り 、 生 菌 数 は 約 101 3/ml で 、 培 養 後 の 培 地 pH は 4.5で あ っ た 。)

酵 素 添 加 処 理 の 条 件 お よ び 測 定 の 手 順 を図 3.2.3-6に 示 す 。    

             

 

図 3.2.3-6  き の こ 酵 素 添 加 効 果 予 備 試 験 の 条 件 と 手 順    

(b)  試 験 結 果  

  試 験 結 果 を表 3.2.3-10に 示 す 。    

表 3.2.3-10  き の こ 酵 素 添 加 に よ る 試 験 管 内 分 解 促 進 試 験 結 果   固 形 残 さ 減 量 効 果 酵 素 添 加 条 件 流 動 性

改 善 効 果

糖 度

( 上 昇 率 % ) 固 形 残 さ 湿 重 (g)

/ ( % )

残 さ 減 量 率

( % )

酵 素 無 添 加 − 4.3

( − ) 8.95 0

セ ル ラ ー ゼXP-425 

0.1% 効 果 あ り 4.4

( 2 )

6.01

(67.2) 32.8

え の き た け 粗 酵 素

0.2% 効 果 な し 4.6

( 7 )

7.53

(84.1) 15.9

え の き た け 粗 酵 素

0.5% 多 少 効 果 あ り 5.1

(18)

6.94

(77.5) 22.5

ぶ な し め じ た け

粗 酵 素   0.5% 効 果 な し 4.9

(14)

7.79

(87.0) 13.0

ぶ な し め じ た け

粗 酵 素   1.0% 多 少 効 果 あ り 5.8

(35)

6.68

(74.6) 25.4

  糖 度 :Brix計 ( 簡 易 糖 度 計 ) を 用 い て 計 測 し た 。

分 解 懸 濁 液 試 料 20g

酵 素 添 加 ・ 保 温

遠 心 に よ る 固 液 分 離

・ 遠 心 チ ュ ー ブ に と る   ・50℃ 〜55℃ で     ・ 遠 心 条 件 15000rpm、10分       4 時 間 保 温     ・ 沈 降 固 形 残 さ の 重 量 を 測 定       ・ 流 動 性 の 目 視 確 認

      ・ 酵 素 処 理 終 了 後       懸 濁 液 の 糖 度 測 定

(26)

き の こ 粗 酵 素 に よ る 試 験 管 内 分 解 促 進 試 験 の 結 果 を 整 理 し て 記 す 。

・ え の き た け 、 ぶ な し め じ た け の 両 廃 菌 床 か ら 回 収 し た 粗 酵 素 を 用 い 、0.5〜1.0%

を 添 加 す れ ば 市 販 酵 素 と 同 様 の 粘 度 低 下 お よ び 固 形 残 さ 減 量 の 効 果 が 得 ら れ る 。

・ 小 型 発 酵 槽 を 用 い た 分 解 促 進 試 験 は 、 酵 素 添 加 量 が 少 量 で 済 む え の き た け 粗 酵 素 を 使 用 し て 実 施 す る こ と と す る 。  

     

(2)  小 型 発 酵 槽 分 解 促 進 試 験   (a)  試 験 方 法  

・ 市 販 酵 素 を 用 い た 小 型 発 酵 槽 で の 分 解 促 進 試 験 と 同 じ 装 置 お よ び 処 理 条 件 で 、 き の こ 廃 菌 床 由 来 の 粗 酵 素 粉 末 を 添 加 し て 分 解 促 進 試 験 を 実 施 し た 。す な わ ち 、 装 置 は500ml有 効 容 量 小 型 発 酵 槽 を 使 用 し 、好 気 撹 拌 条 件 下( 通 気 速 度 2vvm、

撹 拌 速 度 約 200rpm) で 50〜60℃ に お い て 6 時 間 熱 処 理 し た 。

・き の こ 酵 素 の 試 験 管 内 分 解 促 進 試 験 に 用 い た 試 料 の 調 製 と 同 じ 方 法 で 、65℃ で の 好 気 撹 拌 熱 処 理 後 、55℃ で 好 熱 菌 添 加 処 理 を 施 し た り ん ご 分 解 懸 濁 液 を 試 料 に 用 い た 。

・ 試 験 ケ ー ス は 以 下 の 4 ケ ー ス と し た 。

① 酵 素 無 添 加

② 市 販 酵 素 セ ル ラ ー ゼ XP-425  0.1%

③ え の き た け 粗 酵 素   0.2%

④ え の き た け 粗 酵 素   0.5%

   

(b)  分 解 促 進 試 験 結 果

小 型 発 酵 槽 分 解 促 進 試 験 の 結 果 を表 3.2.3-11 に 示 し 、 固 形 残 さ 減 量 率 の 比 較 を図 3.2.3-7に 示 す 。

表 3.2.3-11  き の こ 粗 酵 素 添 加 に よ る 小 型 発 酵 槽 分 解 促 進 試 験 結 果   ろ 過 効 率 固 形 残 さ 減 量 効 果 試 験 ケ ー ス 粘 度

(mPa・s) ろ 過 時 間

( 分 )

ろ 過 速 度

(L/m・hr) 固 形 残 さ 乾 重(g)

/ 相 対 値 ( % )

減 量 率

( % ) 対 照 試 験

酵 素 無 添 加 40 151 23.9 3.11

/100 −

セ ル ラ ー ゼ

XP-425  0.1% 12 40 45.3 2.21

/71 29

え の き た け

粗 酵 素   0.2% 30 42 43.1 2.60

/84 16

え の き た け

粗 酵 素   0.5% 16 44 41.1 2.41

/77 23

粘 度 : 簡 易 粘 度 測 定 装 置 を 用 い て 測 定 し た 。 測 定 試 料 量 が 500ml 以 上 必 要 な た め 、390  ml 試 料 に 145mlの 脱 イ オ ン 水 を 加 え て 測 定 し た 。

ろ 過 効 率 : ブ フ ナ ー ロ ー ト ( ヌ ッ チ ェ ) ろ 過 器 で ろ 過 試 験 を 実 施 し 、 約 0.5L の ろ 液 が 0.0177mの ろ 過 面 積 を 通 過 し た ろ 過 時 間 (hr) か ら ろ 過 速 度 (L/m・hr) を 求 め た 。 

図 3.3.1-2  有 機 融 雪 剤 の 粒 剤 化 検 討 と 評 価 の 内 容 有 機 融 雪 液 剤 を 工 業 的 な 真 空 乾 燥 方 法 に よ り 固 形 化 し 、 乾 燥 に よ り 得 ら れ た 粉 体 の 造 粒 ま た は 固 形 物 の 解 砕 ・ 分 級 に よ り 融 雪 粒 剤 を 試 作 し た 。 試 作 し た 有 機 融 雪 粒 剤 の 性 能 は 、 簡 易 室 内 融 氷 試 験 お よ び 路 上 で の す べ り 抵 抗 試 験 に よ り 評 価
表 3.3.3-2  事 前 散 布 に よ る 粒 剤 の す べ り 摩 擦 抵 抗 測 定 試 験 の 条 件   項   目 条     件 試 験 体 数 2 試 験 体 散 布 す る 水 の 量 水 膜 厚 2 mm 相 当 融 雪 粒 剤 散 布 量  150g/m 2 試 験 温 度 2 ℃ 〜 − 5 ℃ 〜 − 10℃ 引 っ 張 り 速 度 3 cm/秒 荷 重 10kg  測 定 時 間 散 布 後 2 、 3 、 4 、 5 、 6 、 7 、 8 時 間 測 定 回 数 各 条
図 3.3.4-1  融 雪 液 剤 含 浸 す べ り 止 め 材 の 氷 板 へ の 付 着 率   表 3.3.4-4  融 雪 液 剤 含 浸 す べ り 止 め 材 に よ る 融 氷 試 験 結 果  融 氷 量 ( ml)  す べ り 止 め 材 試 料 1 時 間 後 2 時 間 後 4 時 間 後  市 販 融 雪 剤 含 浸 す べ り 止 め 材 0 0 0 天 然 ゼ オ ラ イ ト 0 0 0 ク リ ン カ ア ッ シ ュ A  4 5 5 ク リ ン カ ア ッ シ ュ B
表 4.2-1  ド イ ツ 連 邦 に お け る 道 路 橋 の 補 修 事 例 と コ ス ト   橋 梁 名 規 模 (幅 ×長 さ )  建 設 費 ( DM)  補 修 費( DM)  補 修 内 容 フ ォ ー ル マ ー シ ュ タ イ ン渓 谷 橋 29×315m 4,160.000 1,165,000 床 版 コンクリート除 去 後 、ポリマーモルタルに よ る 断 面 修 復 ヘ ヒ ト ハ ウ セ ゙ ン ・ オ ーステ橋 11.5×111m 不 明 650,000 床 版 伸 縮

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