代謝
大阪電気通信大学 5/15/18 教科書 第5章本日の講義の内容
• 代謝とは?
• 同化で生じる化学反応①(炭酸同化)
• 同化で生じる化学反応②(窒素同化)
• 異化で生じる化学反応①(好気的代謝)
• 異化で生じる化学反応②(嫌気的代謝)
代謝とは?
代謝とは
生物の体内・細胞内で生じる化学反応全般 ⇒生命活動のエネルギーを作る。(同化・異化) 同化:エネルギーを吸収する反応 例)光合成 異化:エネルギーを放出する反応 例)呼吸同化で生じる化学反応①
(炭酸同化)
炭酸同化
二酸化炭素を材料としてエネルギーを利用して有機 物をつくる事。 例)光合成 光合成 CO₂ H₂O 有機物 O₂ 光エネルギーhttp://www.comeluck.jp より引用
植物の葉はなぜ緑色なのか?
吸収スペクトル
吸 光 度 色素ごとの各波長光に対する吸光度グラフ 光合成色素:チラコイドに存在し、光を吸収する。 例)クロロフィルa、クロロフィルb、カロテン、キサントフィル 雑学5.光合成色素の種類|結果 Oh! Life|1.023world作用スペクトル
各波長に対する光合成効率のグラフ https://fromhimuka.com/chemistry/1785.html 吸収スペクトルと作用スペクトルがほぼ対応することにおり、 光合成色素に吸収されたエネルギーを光合成に利用しているこ とが分かる。光合成の反応
1. チラコイドでの反応 2. ストロマでの反応 連続1.チラコイドで起こる反応
光化学系II ↓ 電子伝達系 ↓ 光化学系 I ↓ 光リン酸化光化学系Ⅱ
2H₂O → 4H⁺ + O₂ +4e–
4H⁺はチラコイド内膜へ
O₂は外へ
電子伝達系
光化学系Ⅱで、できた 電子e⁻が通るエネル ギーによって、H⁺が取 り込まれる。光化学系Ⅰ
NAPD⁺ + H⁺+ 2e⁻ → NADPH
電子伝達系通ってきた 電子(e⁻)がストロマへ と放出される。 ストロマにあるNADP⁺ と結合してNADPHへ
光リン酸化(ATP合成酵素)
ADP + リン酸 → ATP
ATP合成酵素での反応
チラコイドで起こる反応まとめ
水の分解による反応12H₂O + 12NADP+ → 6O₂ +12NADPH + 12H⁺ ATP合成 18ADP + 18リン酸 → 18ATP 外へ ストロマへ ストロマへ
ストロマで起きる反応
チラコイドでの反応で生じた12(NADPH+H⁺)とATPを利 用して、さらにCO₂を材料として有機物をつくる。 カルビン・ベンソン回路が使われる。 ①RuBP→PGA ②PGA→GAP→RuBP①RuBP→PGA
二酸化炭素が取り込まれ、リブロースビスリン酸 (RuBP)がホスホグリセリン酸(PGA)になる。②PGA→GAP→RuBP
ホスホグリセリン酸(PGA)からグリセルアルデヒド リン酸(GAP)になり、グリセルアルデヒドリン酸の 一部がグルコースになる。光合成のまとめ
6CO₂+12H₂O C₆H₁₂O₆+6H₂O+6O₂このように、カルビンベンソ
ン回路を使用して光合成を行
う一般的な植物を
『C₃植物』
という。
C₄植物
葉肉細胞のC₄回路を使っ てCO₂から最終的にリン ゴ酸をつくり、維管束鞘 細胞のカルビン・ベンソ ン回路を使う。 強光下での光合成速度が 大きい。 例:トウモロコシ、スス キ、アワ、サトウキビCAM植物
高温で乾燥している砂漠など、厳しい環境に適した植物。 例:サボテン、パイナップル、ベンケイソウ、アロエ CO₂の取り込みを夜間に行い昼間は気候をとじた状態にする。 ⇒C₄回路を夜間、C₃回路(カルビン・ベンソン回路)を昼間に 行う。同化デンプンと貯蔵デンプン
光合成で作られたグルコースはデンプンとして蓄えられる。 同化デンプン 光合成でつくられたグルコー ス由来のデンプン 貯蔵デンプン 他の組織(葉など)で作られた 養分や、根から吸収された養 分が転流し、種子などに運ば れ、つくられたデンプン。葉緑体DNAの遺伝
斑入りの葉白い部分の細胞は、
欠陥のある葉緑体
を遺伝により受け
ついている。
同化で生じる化学反応②
(窒素同化)
窒素固定・硝化・窒素同化
窒素固定
空気中のN₂を水にとけるNH₄⁺にする。 このような反応ができるは、窒素固定生物のみである。 窒素固定生物の例: 根粒菌・ネンジュモ・クロストリジウム・アゾトバク ターN₂+3H₂
2NH₃
NH₄⁺
ニトロゲナーゼ 水に溶けてイオンへ根粒菌の窒素固定
根粒菌はマメ科植物根に共生している時のみ、窒素固 定を行う。NH₄⁻を直接植物に渡しており、この関係 は相利共生である。 https://engei-dict.882u.net/archives/1521 http://www.city.yao.osaka.jp/0000002056.htmlNH₄⁺
有機物
根粒菌
植物
相利共生硝化
死体などから発生するアンモニウムイオン(NH4⁺) は 土中の亜硝酸菌によって、亜硝酸イオン(NO2⁻) へと 酸化される。また、亜硝酸イオンは硝酸菌によって 硝酸イオン(NO3⁻) へと酸化される。この働きを硝化 と呼ぶ。NH4⁺
NO2⁻
NO3⁻
亜硝酸菌 硝酸菌窒素同化
植物が土中から硝酸イオンやアンモニウムイオンを 根から吸収し、アミノ酸や核酸、ATPなどを合成す る働きを窒素同化と呼ぶ。異化で生じる化学反応①
(好気的代謝)
異化
複雑なものをいくつかの簡単なものに分解して、
エネルギー(ATP)を生み出す
酸素を用いて
有機物を分解し、ATPを産生する。
⇒
好気的代謝(呼吸)
酸素を利用せず
に有機物を分解し、ATPを産生
する。
⇒
嫌気的代謝(解糖・発酵)
エネルギー通貨ATP
酸素を使う反応…燃焼と呼吸
【燃焼】 有機物などを酸素を使って一気に酸化する反応。熱と光がで る。 【呼吸】 有機物の酸化を段階的に行い、エネルギーを取り出す過程。呼吸の反応
2 2 34 ①解糖系→②クエン酸回路→③電子伝達系 細胞質基質 ミトコンドリア (マトリックス) ミトコンドリア (内膜)解糖系
C₆H₁₂O₆+2NAD⁺ 2C₃H₄O₃+2(NADH+H⁺)+2ATP
クエン酸回路へ 電子伝達系へ
クエン酸回路
2C₃H₄O₃+6H₂O+8NAD⁺+2FAD 6CO₂+8(NADH+H⁺)+2FADH₂+2ATP 呼吸によって排出される 二酸化炭素は、クエン酸 回路でできる。 電子伝達系へ電子伝達系
24H⁺+6O₂ 12H₂O+34ATP
呼吸によって取り込まれ る酸素は、電子伝達系で 消費される。