酵素
大阪電気通信大学 5/8/18
教科書 第4章
本日の講義の内容
• 触媒反応とエネルギーの利用
• 酵素の性質
• 酵素反応の調節
• 酵素の種類
触媒反応とエネルギーの利用
触媒の種類
無機物からなる
無機触媒
と有機物からなる
有
機触媒
がある。
①無機触媒の例⇒過酸化水素水に二酸化マンガンを
入れると過酸化水素水が分解して水と酸素になる。
②有機触媒の例⇒細胞内に含まれるカタラーゼとい
う酵素を過酸化水素水に加えると、過酸化水素水が
水と酸素に分解する。
酵素とは
生物の細胞の中で作られる、触媒作用の
酵素の性質
基質特異性
カギ(作用される基質)と鍵穴(酵素側の受け場所)
の関係になる構造を持っている。
このために特性が出る。決まった物質にしか働かない。
同じ働きをする酵素の3次元構造はよく似ていることが多い。
最適温度
• 酵素が最もよくはたらく温
度を最適温度という。
• 温度が上がりすぎると変性
(活性部位の立体構造が変
化)して活性を失う。
• ヒトが持つ酵素の最適温度
は、30度~40度であるもの
が多い。
最適pH
• 酵素が最もよくはたらく
pHを最適pHという。
• 酵素が受けるpHの影響は
大きく、 強酸性、強塩基
性下では変性してしまう。
• ヒトの胃はpH2付近、腸は
pH8付近に保たれています。
酵素のつくりと働き
• 酵素の主成分はタンパク質(熱に弱い)である。
• 酵素は触媒で、反応前後で酵素自身は変化しな
酵素反応速度
酵素反応速度=単位時間あたりの生成物量
• ある時間内に酵素が基質と結合し、
どれだけの量の生成物がつくられる
か。
• 基質酵素複合体がどれだけできるか
で酵素反応速度が決まってくる。つ
まり、酵素と基質の濃度が大切であ
る。
酵素反応速度グラフ
基質が十分にあるときは、反応速度は一定となる。
『研究.net 』より引用
X軸⇒基質の濃度
Y軸⇒反応速度
(酵素の濃度は一定)
競争的阻害(競合的阻害)
基質と化学的に構造の似た物質が活性部位を奪い合うた
めに反応速度がさがる。基質濃度を十分にすれば反応速
度はもとに戻る。
http://www7a.biglobe.ne.jp/~ajamaica/forcw/bunshi/bunshi_enzyme.htm
競争的阻害の例
コハク酸 VS マロン酸
『きぃくんの 高校生物学講座』より引用
コハク酸脱水素酵素は、コハク酸と結合し水素を外す。
コハク酸と立体構造のよく似たマロン酸は
コハク酸脱水素酵素に結合することができ
る。このマロン酸が結合してしまうとコハ
ク酸はコハク酸脱水素酵素に結合できなく
なります(=コハク酸の結合が阻害される。)
抗インフルエンザウイルス薬
リレンザ
タミフル
非競争的阻害(非競合的阻害)
阻害物質が活性部位以外の部分に結合して酵素の構造を
変化させる。基質濃度を高くしても反応速度は戻らない。
http://kenkou-jouhou.com/seikagaku/kouso-sogai.html
フィードバック調節
酵素反応で生じた生成物が、酵素の反応を阻害・促進
する現象。
反応生成物が結合する部位をアロステリック部位、ア
ロステリック部位を持つ酵素をアロステイック酵素と
いう。
負のフィードバック調節の例
補因子
• 酵素がはたらくのに必要な補助因子という低分子
の物質がある。
• 酵素の中には、タンパク質のみではたらけるもの
と、この補酵素との結合が必要なものとがありま
す。
• 補助因子は補酵素、補欠分子団、金属イオンに大
分されます。
補酵素
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/b/b7/%E9%85%B5%E7%B4%A0%E5%9F%BA%E8%B3%AA%E8%A4%87%E5%90%88%E4%
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必要な補酵素を持たない状態の酵素=アポ酵素
補酵素と結合した状態の酵素=ホロ酵素
• 補酵素はタンパク質以外で出来ていて、多くの場合は
ビタミンとして知られている。
• 補酵素の結合は弱く、透析によって分離できる。
透析
きぃくんの 高校生物学講座』より引用
セロハンにチマーゼを入れ透析すると、 低分
子の補酵素はセロハンを通り抜け外液へ、高
分子の酵素はセロハンを通れずに内液へ残る
酵素の種類
酵素の種類は非常に多いが、働きによって分
類すると以下の4つに分けられる。
①加水分解酵素
加水分解(水を加えて) 分解するをスムーズに行われ
るように助けている。
• 炭水化物加水分解酵素
• タンパク質加水分解酵素
• 脂肪加水分解酵素
• ATP分解酵素
炭水化物加水分解酵素
炭水化物(糖分)を加水分解する酵素
デンプン+水→デキストリン+マルトース 【アミラーゼ 】
マルトース+水→グルコース+グルコース 【マルターゼ 】
スクロース+水→グルコース+フルクトース 【スクラーゼ 】
ラクトース+水→グルコース+ガラクトース 【ラクターゼ 】
タンパク質加水分解酵素
タンパク質を加水分解する酵素
まとめてプロテアーゼとよぶ。
タンパク質+水→いくつかのペプチド 【ペプシン、トリプ
シン、キモトリプシン 】
ペプチド+水→いくつかのアミノ酸 【ぺプチダーゼ 】
脂肪加水分解酵素
脂肪を加水分解する酵素
脂肪+水→脂肪酸+グリセリン 【リパーゼ 】
ATP分解酵素
ATPからエネルギーをとりだす酵素
ATP+水→ADP+リン酸+エネルギー 【ATP分解酵素 】
②酸化還元酵素
酸化還元反応を促進する酵素。酸素をつけたり(酸
化)、酸素を取ったり(還元)、水素を取ったり(還元)
するのを助ける。
AH2+X→A+XH2 【脱水素酵素】
AH2+1/2O2→A+H2O 【酸化酵素】
過酸化水素(H2O2)→酸素(O)+水(H2O) 【還元酵素】
③脱炭酸酵素
二酸化炭素を放出させるのを助ける。
主として発酵・呼吸に関係する。
R・COOH→R・H+CO2 【デカルボキシラーゼ 】
④転移酵素
自分の持ってるリン酸基(‐PO4)やアミノ基(‐NH2)
をつきはなして他の物質におしつける、「転移反
応」これを助ける酵素。
有機物の合成に関係する。
リン酸転移酵素(フォスフォトランスフェラーゼ)⇒
リン酸基を転移させる
アミノ基転移酵素(トランスアミナーゼ)⇒アミノ基
を転移させる
の二種類ある。
酵素の存在場所
酵素は全て細胞内で作られるが、働く場所は酵素に
よってことなる。働く場所によって以下の二つに分
けられる。
細胞外酵素 細胞外に分泌されて働く酵素で、だ
腺・胃腺・膵臓からでる消化酵素などがこれにあた
る。
細胞内酵素 細胞内で働く酵素。酵素は細胞内の特
定の場所に存在している。
細胞内酵素の例
細胞膜⇒ATP分解酵素
細胞質基質⇒解糖や発酵の酵素群(ATP合成・分解酵
素)
ゴルジ体⇒多糖類・糖タンパク質の合成酵素
核⇒DNA合成酵素、RNA合成酵素
葉緑体⇒光合成の酵素群(ATP合成酵素)
ミトコンドリア⇒好気呼吸の酵素群(ATP合成酵素)
制限酵素
二本鎖 DNA の特定の塩基配列を認識して結合し、
ある決まった配列部分を切る酵素である。その種類
はいくつかあり、それぞれ認識する配列が異なって
いる。
酵素の異常が原因となる病気
主な参考文献
• 新しい教養のための生物学 (裳華房)
• 細胞の分子生物学 第5版 (NEWTON PRESS)
• Essential 細胞生物学 第2版 (南江堂)
来週の講義(5月15日)は、
『代謝』
について講義します。
※事前学習として教科書5章を読んでおいて下さい。
• 授業で使用したスライドはホームページにUPしま
す。
必要に応じでダウンロードして下さい。
URL:
http://www3.kmu.ac.jp/bioinfo/edu_osakadenkitsushin.ht
ml
質問は以下アドレスへ
Mail:
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