自己を見つめ、自己の生き方についての考えを深める児童の育成
― 役割演技を取り入れた話合いを通して(第3学年)―
那覇市立大名小学校教諭
鈴 木 ゆかり
Ⅰ テーマ設定の理由
学習指導要領の一部改正(平成 27 年3月)により「道徳の時間」は「特別の教科 道徳」(以下 道 徳科)となることが示された。改正の背景となった道徳授業の課題はまず「年間 35 時間の授業時数の 確保が十分なされていないという量的課題」、次に「読み物の登場人物の心情理解に偏った読み取りに とどまる傾向があるという質的課題」である。中央教育審議会答申(2014)は道徳科設置の意味と目 的について、「発達の段階に応じ、考えが一つでない道徳的な課題を一人一人の児童生徒が自分自身の 問題と捉え、向き合う『考え、議論する道徳』へと転換を図るものである」と示した。 「新学習指導要領解説 特別の教科 道徳編」(以下 解説道徳編)においては、道徳科の目標が 「(前略)道徳的諸価値についての理解を基に,自己を見つめ,物事を多面的・多角的に考え,自己の 生き方についての考えを深める学習を通して,道徳的な判断力,心情,実践意欲と態度を育てる」と 定められ、自己の生き方について考えを深めることのできる資質や能力を育成することが求められて いる。それと同時に「指導計画の作成と内容の取扱い 第 2 節 道徳科の指導」においては、道徳的 価値を自分との関わりにおいて捉え、現在の自分やこれからの生き方を積極的に考えられるようにす るための指導方法の工夫が求められている。それを踏まえて「道徳教育に係る評価等の在り方に関す る専門家会議」の報告書(以下 報告書)(2016)では、道徳授業における「質の高い多様な指導法の 例」として、(1)読み物教材の登場人物への自我関与が中心の学習(2)問題解決的な学習(3)道 徳的行為に関する体験的な学習の3つを取り上げている。 これまでの自身の道徳授業を振り返ると、児童が教材を通してねらいとする価値について理解して いるように見えても、教材から離れて自分を振り返る場面になると、教材から考えた道徳的価値が自 分の生活や生き方について考えるところまで及んでいないと感じることがあった。また道徳的価値に ついてペアやグループで話し合い、考えを交流させる場においても、実感を伴わず道徳的価値の自覚 を深めるには至らないこともあった。このことは、児童が道徳的価値について考えるとき、話し合う ことを通して「自分ならどうする」と教材の人物と自分を重ねて考えたり、自らの経験を振り返りな がら考えたり、自他の考えを比較し自らの価値観を捉え直したりするなど自分との関わりで考えさせ る指導の工夫が足りないからではないかと考える。 「自己を見つめる」ことが深まれば、表面的な価値の捉えではなく、生活経験の中の自分の行為に ついても道徳的価値を見出すことができるのではないか。あるいは、行為そのものを改善することは 難しいと実感しながらも、これからの課題や目標を見つけ次にとるべき行為を自覚し、より良い生き 方につなげようとする新たな自分を発見することも考えられる。そのような児童の姿を目指すために は、道徳的諸価値の理解を自分との関わりで考えさせ、自分を振り返り生活と結び付けながら考えら れる授業づくりをしていく必要があると考えた。特に教材に描かれている道徳的価値について話し合 う場面において、自分と重ねながら考えることと自分の生活経験を想起しながら考えること、他者の 意見や経験を聞き自らのものと比較して考えること、それらを繰り返していくことは、自己を見つめ、 自己の生き方について考えを深めていくものと考える。そのように思考するためには、生活を振り返 りねらいとする価値へ向かうような働きかけが重要である。そのためには、経験や考えをもとに感じ 方、考え方を語らせる役割演技などの疑似体験的な活動が有効ではないかと考える。 そこで本研究では、役割演技を取り入れた話し合いをすることで、自己を見つめ、自己の生き方に ついて考えを深める児童を育成することにつながると考え、本テーマを設定した。〈研究仮説〉 道徳科の授業において、児童が役割演技を取り入れた話し合いをすることで、自己を見つめ、自己 の生き方について考えを深めることができるであろう。
Ⅱ 研究内容
1 「自己を見つめる」とは 「解説道徳編」では、「道徳性を養うために行う道徳科における学習」の中で「自己を見つめる とは,自分との関わり,つまりこれまでの自分の経験やその時の感じ方,考え方と照らし合わせ ながら,さらに考えを深めることである」と明記されている。また、「このような学習を通して, 児童が自ら道徳性を養う中で,自らを振り返って成長を実感したり,これからの課題や目標を見 つけたりすることができるようになる」と自己を見つめることのできる学習を通して道徳的価値 の理解と自己理解を深めることの重要性が示されている。 赤堀(2013)は、「よりよく生きる上での課題を明らかにするためには的確な現状認識が不可欠 であり、現在、自分自身がどのような状態にあるのかを明確にすることで、解決すべき課題が明 らかになる」と述べている。本学級の児童については、日常生活の中で自分なりの道徳的価値観 で判断し行動しているが、自分の感じ方や考え方について立ち止まって振り返る経験や機会は少 ないと思われる。 そこで道徳授業の中で、道徳的価値について考えるとき、「自分ならどうする」「同じような経 験をしたとき、自分は何を感じどのように考えていたのか」と的確に自分の現状を認識するため に、自分を振り返り生活と結び付けながら考えること、つまり「自己を見つめる」ことのできる 指導の工夫が重要であると考える。 2 「自己の生き方についての考えを深める」とは 「解説道徳編」によると、「道徳的価値の理解を基に自己を見つめるなどの道徳的価値の自覚を 深める過程で,同時に自己の生き方についての考えを 深めているが,特にそのことを強く意識させることが 重要である」とある。また、「道徳的価値の自覚を深め る指導を通して,児童自らが振り返って成長を実感し たり,これからの課題や目標を見つけたりして,自己 の生き方についての学習ができるよう工夫する必要が ある」と示されている。 赤堀(2010)は、「自己の生き方について考えを深め るということは、道徳的価値の自覚を深めることと重 なる部分が多い」と述べている。また価値の自覚を深 める過程で、自己の生き方についての考えを深めるこ とを強く意識した指導について、「道徳的価値を自分な りに発展させていくことへの思いや課題を培う学習を 確実に行うことが必要である」と明記し、「そのために は、ねらいとする道徳的価値を視点に現在の自分の状 況を明らかにし、より確かに自分自身を振り返れるよ うに、ねらいとする道徳的価値に関わる経験やそれに 伴う感じ方、考え方を直接的に想起させることが重要 である」と説いている。 また、永田(2009)は「自己の生き方について考えを 深めることについて、まず自分を肯定的に受け止められるようにすること、そして自分の特徴を 知り、伸ばしたい自己を見つめられるようにすること、それとともに現在の生活及び将来の生き 図 1 「自己を見つめる」と「自己の生き方 についての考えを深める」との相関図 図 1 「自己を見つめる」と「自己の生き 方についての考えを深める」との相関図方の課題を考えて、自己の生き方として実現していこうとする思いや願いを深めること」が大切 だと述べている。これらのことから「自己の生き方についての考えを深める」とは、道徳的価値 に関わる事柄について自分の問題として捉え、自分の経験に伴う考えを想起しながら自己の生き 方の方向性を見出すものと捉える。 さらに、上述した「自己を見つめる」と「自己の生き方についての考えを深める」との相関に ついては図1に示す通り、二つの学習は密接に結びついている。このことからも、道徳的価値の 理解と自己理解を深め、自らの成長を実感したり課題や目標を見つけたりしてこれからの「自己 の生き方」への思いや願いを深めるためには、「自己を見つめる」ことのできる学習展開が重要だ と言える。 3 役割演技を取り入れた話合いについて (1) 「道徳的行為に関する体験的な学習」について 上述した「考え、議論する道徳」への質的転換を図る上で重要なことは、学習指導要領の趣 旨を把握し、指導する教師が学校や児童の実態を踏まえて、工夫改良を加えながら指導方法を 選択することであると「報告書」で述べられている。さらに「役割演技などの体験的な学習を 通して、実際の問題場面を実感を伴って理解することを通して、様々な問題や課題を主体的に 解決するために必要な資質・能力を養うことができる。 問題場面を実際に体験してみること、 また、それに対して自分ならどういう行動をとるかという問題解決のための役割演技を通して 道徳的価値を実現するための資質・能力を養うことができる」と示されている。 また「解説道徳編」では、「道徳的行為に関する体験的な学習等を取り入れる工夫」として、 「登場人物等の言動を即興的に演技して考える役割演技などの疑似体験的な表現活動を取り 入れた学習も考えられる」としている。よって本研究の授業展開においても疑似体験的な表現 活動としての役割演技を取り入れ、思考の広がりや深まりにつながるかを検証していきたい。 (2) 役割演技の意義と特質について 「解説道徳編」の「道徳科に生かす指導方法の工夫」において、「児童に役割を与えて即興的 に演技する役割演技の工夫などがよく試みられ,実際の場面の追体験や道徳的行為などをして みることも方法として考えられる」と記されている。また、道徳的諸価値の理解のための指導 の際には「本来実感を伴って理解すべき道徳的価値のよさや大切さを観念的に理解させたりす る学習に終始することのないように配慮することが大切である」と示されている。 早川(2017)は役割演技について「道徳的価値のよさを、他者から教えられるのではなく演じ ることを通して自分に引きつけて考え、実感的に理解する指導法」だと述べ、「登場人物の台詞 を言わせて感想を語らせることに終始する誤った役割演技の解釈を、本来の即興性や自発性・ 創造性を大きな特徴とする役割演技への正しい理解へと転換することが役割演技の効果的な活 用につながる」としている。赤堀(2013)は「資料の中の特定場面や状況における特定人物を 演じることで、自分の体験や感じ方、考え方などを振り返ることを通して問題解決に向かって 考える活動を行う」と述べている。 これまで役割演技は劇化や動作化との違いが不明瞭で、低学年の学習において取り入れられ る傾向があった。しかし役割演技の意義や特質を正しく理解すると、中高学年においても有効 に活用できる。児童が即興的に演技するということは、自分の感じ方、考え方を語らせるとい うことである。その時の感じ方、考え方は児童の生活経験に基づくものであり、自分との関わ りで考えていると言える。 教材の道徳的価値について考えるとき、役割演技を通して自分がどのように感じたか、どの ような考えを選択するかということは、自己を見つめ、自己の生き方についての考えを深めて いくことにつながるものと考える。また、それを観察する児童も臨場感を持って道徳的価値に ついて考え、理解が深まるものと思われる。これらのことから、道徳授業の学習過程に役割演 技を取り入れることは、児童が実感を持って道徳的価値の理解を自分との関わりで捉え、自己
を見つめ、自己の生き方についての考えを深めることに役立つものと考える。 (3) 役割演技を取り入れた話合いについて 「解説道徳編」で「話合いの工夫」について、「話合いは,児童相互の考えを深める中心的な 学習活動であり,道徳科においても重要な役割を果たす」と明記されている。赤堀(2017)は「話 合いで道徳的価値にかかわる多様な感じ方、考え方などを知る」とし、「道徳的価値の理解を図 る学習は集団思考に基づく学び合いが大切であること」と述べている。 このように役割演技を取り入れた話合いをすることは、自分の感じ方、考え方を表明した り、他の感じ方、考え方と比較して考えたり することにより自己を見つめ、自己の生き方 について考えを深めることに、より密接につ ながっていくものと考える。 赤堀(2013)は役割演技活用上の留意事項 として「資料の文脈に沿った劇ではなく、授 業者が恣意的に期待する発言を引き出すため に行うものではない。無言の演技が重要なこ ともあり、演技の巧拙は問わないことが原則 である。大切なことは子供が自らの体験や感 じ方、考え方を背景に演技できるようにする こと」と述べている。役割演技を取り入れた 具体的な話合いの進め方を次に示す(表 1)。 以上のことから、研究テーマである「自己 を見つめ、自己の生き方について考えを深め る児童の育成」に迫るため、役割演技を取り 入れた話合いを深める道徳授業を実践するこ ととする。
Ⅲ 指導の実際
1 指導計画 30 年度使用される道徳教科書の中から、本校の年間指導計画に照らし合わせ、「A 主として 自分自身に関すること」「B 主として人との関わりに関すること」「C 主として集団や社会と の関わりに関すること」「D 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること」の4つ の視点より役割演技を取り入れた話合いが効果的であると判断した教材を選択し6回の検証授業 を設定した。 回 教材・内容項目 ねらい 評価 評価方法 1 「わたしたちの『わ』」 親切,思いやり(B) 自分のしている親切について考え、相手が望む親切をしようとする態度 を育てる。 ・ね ら い と す る 道 徳 的 価 値 に 対 す る 見 方 ・ 考 え 方 の 変 化 ・ 「 自 己 を 見 つ め る 」 「 多 面 的 ・ 多 角 的 に 考 え る 」 な ど の 学 習 の 深 ま り ・ 生 き 方 に つ い て の 考 え の 深 ま り ( 目 標 ・ 課 題 の 意 識 ) ・ 道 徳 ノ ー ト ・ 発 言 内 容 2 「ロバを売りに行く親子」 節度,節制(A) 自分の考えをきちんと持ちよく考えて行動しようとする心情を養う。 3 「ジュースのあきかん」 規則の尊重(C) 社会のきまりと公共の場所との関わりについて考え、気持ちよく生活するための公徳と大切にしようとする態度を育てる。 4 「私だって」 相互理解,寛容(B) 自分も過ちを犯すことがあることを自覚し広い心で相手の過ちを許そ うとする心情を養う。 5 「心の優先席」 親切,思いやり(B) 相手の置かれている状況を自分のこととして想像することによって相 手のことを考え、親切な行為を自ら進んで行おうとする心情を養う。 6 善悪の判断 「思い切って言ったら どうなるの?」(A) 勇気を出して正しいことを行った時の自信や成長と、行えないときの 後ろめたさや後悔の念に気づき、正しいと判断したことは勇気をもっ て行おうとする態度を育てる。 進め方 意義・内容 1 ウ ォ ー ミ ン グアップ 演じやすい雰囲気づくり 役割演技をする際の約束 2 条件設定 場面の状況、登場人物の役割な どを設定し考えさせる内容を焦 点化する 3 役 割 や 条 件 に 即 し た 即 興的演技 ① 場面を設定し役割を与えて 演じさせる手法 ② 独演によって自分の感じ方 や考え方を語らせる手法 ③ 葛藤が生じる二つの自我を 推定して演じさせる手法 4 演 技 の 中 断 と話合い*1 授業者の助言を基に話合いを深 めることによって道徳的価値に 関わる多様な感じ方・考え方に 触れ他者理解を深める 5 役割交代*2 自分と異なった立場や感じ方・ 考え方などに対する認識を深め る 6 演 技 終 了 後 の話合い 道徳的価値に関わる感じ方・考 え方を中心に話合い、道徳的価 値の理解を深める 表 1 役割演技を取り入れた具体的な進め方 (赤堀 2013 を参考に作成) *1*2 状況に応じて取り入れる2 本時の指導(第6回) (1) ねらい 勇気を出して正しいことを行った時の自信や成長と、行えないときの後ろめたさや後悔の 念に気づき、正しいと判断したことは勇気をもって行おうとする態度を育てる。 (2) 授業の工夫 ① 導入で自分の生活経験を想起させることで自分と関わりのある問題だと意識させ、価値へ の方向付けを行う。 ② さとみが話しかけてきたとき、思い切って言う場面を役割演技で再現させ、「ともこ」がど んな気持ちになるかを経験をもとに話し合わせ、勇気を出して正しい行動をすることの良さ について」考えさせる。 学習活動 ○基本発問 ◎中心発問 ・補助発問 指導上の留意点 導 入 1 自分の経験の中で、勇 気を 出 し た場 面 、 出す のが 難 し かっ た 場 面に ついて思い出す。 ○勇気を出す時ってどんな時ですか?出せない時 は?勇気を出すと、何かいいことあるの? ・事前の調査から、勇気を出して行動した経 験や勇気を出すことの難しさに ついて想 起させ、勇気を出すことの良さについて考 えていこうとする方向付けを行う。 展 開 2 教材「思い切って言っ たら ど う なる の ? 」を 読んで話し合う。 ① あやちゃんの人物像 を捉え、三人の関係 について考える。 ② ともこの不安につい て、考える。 ③ あやちゃんにともこ がが思い切って言う 場面を役割演技で考 える。 1ウ ォーミ ング アッ プ (演技についての約束) 2条件設定 3即興的演技 (ねらいに迫る場面を演じる ) ね ら ④ 思い切って正しいこ とができた時のよさ について考える。 6演技終了後の話合い ⑤ 勇気を出して行動し た時のよさについて 振り返る。 ○あやちゃんってどんな子ですか? ・あやちゃんとともこはどんな関係? ○ともこが言えないのはなぜ? ◎思い切って(あやちゃんに)言ったら(ともこの 気持ちは)どうなるの? ・思い切って言ったとき、ともこは何を感じるか、 やってみて考えよう。 ・ さ と み さ ん を 誘 わ な か っ た ら と も こ の 気 持 ち は? 〇勇気を出して正しいことをすると、どんないい ことがあるの? 〇これまでに勇気を出してやってよかったという ことはありますか? ・教材の人物や状況をより深く把握させる ために、予め教材プリントを配 布してお き、内容を捉えさせておく。 ・あやちゃんの性格や行動を考えさせ仲間 外れはよくないことだと確認する。 ・あやちゃんとともこは完全な対等関係で はなく、強い絆の友人ではないことを読み 取らせる。 ・さとみを誘うことで、自分が仲間外れにあ うかもしれないなど、自分の身に被害が及 ぶ不安について十分に想像させ、正しい行 動を阻む感情を明らかにさせる。 ・思い切って言った場合のともこの気持ち や感じ方について話し合わせる。 ・観客はともこの気持ちになって観ること に留意させ、勇気を出して言うことの良 さについて考えさせる。 ・さとみを誘わなかった場合は、仲間はず れにした罪悪感と後悔が残ることに気づ かせる。 ・勇気を出して行動することのよさについ て感じ取らせたい。 終 末 3ふりかえりを書く。 ○今日の授業でわかったことや気付いたこと、自 分の経験を振り返って考えたことなどを書きま しょう。 ・ふりかえりの視点を複数示し、その中から 書きたいことを中心に書かせる。 演じて考える 観て考える
3 仮説の検証 本研究では、「自己を見つめ、自己の生き方についての考えを深める児童の育成」を目指して授 業づくりを行ってきた。研究仮説に基づき、「役割演技を取り入れた話合い」が前述の児童の育成 に有効な手立てであったかを検証する。主に道徳ノートの記述と授業記録、検証授業の前後に行 ったアンケート調査をもとに、抽出児童と学級集団の視点から考察し、検証を行う。 (1) 演技を取り入れた話合いを通して「自己を見つめる」ことができたか 「自己を見つめる」とは「自分との関わり,つまりこれまでの自分の経験やその時の感じ方, 考えと照らし合わせながら,さらに考えを深めること」(解説道徳編)である。ここでは、道徳 授業を通して自分の経験を思い起こし自分自身の現状を認識している記述があれば、児童は 「自己を見つめている」と捉える。 ① 道徳ノートの振り返りから児童の変容 ア 抽出児童(A児・B児・Ⅽ児のノートから) 抽出する児童はこれまでの道徳授業における観察で、あまり自分の考えを表出しない児 童や道徳的価値についての理解が不十分な児童、自分に振り返って考える記述の乏しい児 童に絞り、検証授業前後の考え方の変容を見取る。事前授業と検証授業における同一児童 の道徳ノートの振り返りから「自己を見つめる」に関連して記述してある内容を一部抜粋 し比較・考察した(表2)。 普段のA児は授業中の発言が少なく、振り返りの記述では道徳的価値の理解はできてい るように捉えられるが、自分事としての思考の深まりの視点ではやや弱い印象を受ける児 童である。また、B児は教材の人物へ共感する記述は多いが、道徳的価値の理解や自分に 振り返って考える記述が不十分な児童である。C児は道徳的価値について考える内容やこ れからの生き方に関する記述は認められるが、自分の考えを発言したり自分事として考え たりする記述が少ない児童である。A児のノートについてみると、事前授業では、自分に 振り返っているような内容の記述はあるものの、全体で話し合った価値についての理解を 表面的に捉えている印象を受ける。役割演技を取り入れた検証授業では、【寛容】という道 徳的価値について自分の経験に照らして考え、自己を見つめながら価値の理解と自己理解 を深めているように捉えられる。 次にB児をみると、 事前授業では、教材の 内 容 に 対 す る 感 想 が 中 心 に な っ て お り 、 「 な ぜ 人 の も の を と ってはいけないのか」 と い う 道 徳 的 価 値 の 理解に至っていない。 し た が っ て 道 徳 的 価 値 の 理 解 に 基 づ く 自 己 理 解 に ま で 考 え が 及 ん で い な い と 考 え られる。役割演技を取 り 入 れ た 検 証 授 業 で は、教材と同じような 経験はなくとも、「も し こ の よ う な 状 況 に 出会ったら」と想定し 事前授業 検証授業 A 児 ぼくは花をぬすんだりしません。 自分だけがいいと思わないで、み んなのこともちゃんと考えます。 きまりは、みんなが一緒に幸せに 生きていくためにあります。 「みんなうれしく」【規則の尊重】 前に、ぼくが一生懸命に描いた絵に〇さん が絵の具をとばしてしまいました。〇さん はあやまっていたけど、ぼくはずっとおこ っていました。今日、□さんが言ったよう に、わざとじゃないとわかっていてもすぐ には許せないけど、許さないでいると心が もやもやします。 「わたしだって」【相互理解・寛容】 B 児 人のものはとっちゃいけないの で、「ぼく」はいけないと思いま した。「ぼく」がおばあさんにご めんなさいと言うか心配です。 「みんなうれしく」【規則の尊重】 大事なものがこわされたりよごされたりし たらどうなるかということについて考えま した。ゆるすとどんなことになるか、ゆる さないとどんなことになるかを、いっぱい 考えました。私はよごされた経験はないけ ど、もし、大事なものをよごされてずっと 許さなかったら、心がすっきりしなくて後 からこうかいするかもしれないと思いまし た。 「わたしだって」【相互理解・寛容】 C 児 やくそくをやぶったら、相手 も自分もかなしくなるというこ とがわかりました。やくそくを 守ると相手も自分もうれしくな るということもわかりました。 わたしはやくそくを守っていき たいです。 「やくそく」【正直・誠実】 私のおばあちゃんは車いすで生活してい ます。おばあちゃんがかばんをおとした時、 私がとってあげたことを思い出しました。 おばあちゃんはにこにこして「ありがとう」 といったけど、私が車いすだったら、どのよ うに感じただろうと思いました。 「わたしたちのわ」【親切・思いやり】 表2 振り返りから「自己を見つめる」児童の変容
て多面的・多角的に考えることで自分事として捉えており、自己理解につながっているも のと考えられる。 C児は授業を通して道徳的価値についての理解を深め、自己の生き方として実現してい こうとする思いを記述しているが、A児と同様に表面な捉えだという印象は否めない。役 割演技を取り入れた検証授業では、【親切・思いやり】という道徳的価値について教材と自 分の経験を重ね、自分の行為について振り返り、さらに他者の立場に立った時の心情につ いて多角的に考え理解しようとする様子がうかがえる。 これらのことから、児童が道徳的価値について考えるとき、役割演技を取り入れた話合 いをすることで自分との関わりで考え自己を見つめることに有効であるといえるだろう。 イ 学級集団 検証授業前に 行った道 徳授業の中か ら無作為に選んだ6 時間分と検証授業 6時間分の道徳ノートの振り返り記述 を4つの視点に分類、比較した(図2)。 児童の記述から、「わかったこと」や「気 づいたこと」等のキーワードや道徳的価 値に迫る内容を「道徳的価値の理解」、自 分の経験に照らして振り返っている内 容を「自己を見つめる」、友達の意見を聞 いて違う立場や角度から考える等、多面 的な見方をしている内容を「多面的・多角的」、これからの自分について考えている内容を 「自己の生き方についての考えを深める」として分類した。 検証前と検証後を比較すると、4つの視点すべてにおいて割合が上がっており、役割演 技を取り入れた話合いをすることで学級集団として全体的に思考の広がりや深まりにつな がったと考える。特に「自己を見つめる」「多面的・多角的」記述においては、それぞれ2 倍以上の変容が認められ、役割演技を通して話合いをすることが、実感を伴って自分自身 を振り返ったり、様々な視点から考えたりする効果が大きいことがわかる。 ② 授業記録からみた児童の変容 検証授業での児童の発言の中から、「自 己を見つめている」と思われる箇所を取り 出すと、登場人物の心情やテーマについて 尋ねた時、C1~C4までの4名が、自分 の経験と重ねて考えて発言している様子 が見られた(図3)。しかし、その頻度は 少なく、限られた児童によるものだったの で課題が残る。そのため、今後は考えの 根拠となる経験をもとに話し合う指導の 工夫が一層必要だと考える。ただし道徳ノ ートの振り返りでは6割弱の児童が自分の経験と照らし合わせて考えていることから、「自 己を見つめる」について効果があったものと捉えている。 ③ アンケート調査からの児童の変容 検証授業前後に行ったアンケート調査から「自己を見つめる」についての児童の意識の 変容を考察する。調査項目から「自己を見つめる」に関連する項目を抜き出し比較すると「自 分の経験をもとに話し合うことがある」の内容で、「よくある」「ときどきある」と答えた児 童の割合が検証前と後では、37%(7名)から 60%(12 名)に増えた(図4)。また、「自分 図2 振り返りから 4 つの視点の変容 57% 37% 56% 70% 43% 18% 24% 63% 自己の生 き方 多面的・ 多角的 自己を見 つめる 道徳的価 値の理解 検証前 検証後 図3 児童の発言記録 T:けい子はおさむのことを許してるの? C1:許してない。家でお兄ちゃんとけんかしてぼくが泣 いたとき、お兄ちゃんが「ごめん、許して。」と言 っても、本当は許してないけどめんどくさいから 「うん。」と言うことがある。 T:許す時と許さない時の気持ちはどのようにちがう? C2:心から許したと思ってもそのことを思い出していい 気持ちにならないこともあった。 C3:許さなかったらずっと忘れないけど、許すと少しは いい。 C4:許さないでいるとその人のことをずっと忘れないで いるだけじゃなくて、ほかのことまでいやな気持に なった。だから、許した方がいい。
ならどうするかを考えて話し合うことがあ る」の内容でも「よくある」「ときどきある」 と答えた児童の割合は 52%(10 名)から 70%(14 名)に増えている(図5)。 また、検証授業後に役割演技を取り入れ た 道 徳 授業 に つい て 自由 記 述 をさ せ た と ころ、「自己を見つめる」に関連する内容の 記述をしている児童が 20 名中8名いた。 そのうち、Ⅾ児は役割演技を通して自分の 経験を振り返って考えることが容易になる 旨の記述をし、E児とF児は演じたり観た りすることで、自分の気持ちや考えが明確 になると記述している(表3)。その他5名 の児童も同様に経験を思い出したり考えが 明確になったりするなど、「自己を見つめ る」に効果があったと感じていたことがわ かった。 このことから、実際に役を演じたり観た りして考え話し合うことが、自分の経験を 思い出して道徳的価値についてとらえ直す ことや「自分ならこうするだろう」と今の 自分について認識する、つまり「自己を見 つめる」ことにプラスに作用したのではな いかと考える。 一方で肯定的な変容の見られない児童も 30~40%(6~8名)いる。要因としては、 それぞれの経験値の違いもあるが、自分の 経験を基に話し合うような具体的な視点を 示すことも必要であったと考えられる。 (2) 役割演技を取り入れた話合いを通して「自己の生き方についての考えを深める」ことができ たか 「自己の生き方についての考えを深める」とは、道徳的価値に関わる事柄について自分の問 題として捉え、自分の経験に伴う考えを想起しながら自己の生き方の方向性を見出すもの捉え ることから、道徳ノートの振り返りに「これから~していきたい」という趣旨の記述があれば、 「自己の生き方についての考えを深める」ことにつながっていると解釈した。 ① 道徳ノートの振り返りから児童の変容 ア 抽出児童(G児、H児、I児のノートから) ここで抽出する児童は、授業で考える道徳的価値についてある程度理解できるものの、 ノートの記述から生き方についての願いや思いが読み取りにくい児童である (表4)。 G児は自分を振り返って考えることの多い児童であり、事前授業でも【友情】について 自分の経験を思い起こしてはいるが、お互い理解し助け合って友情を築いていくというね らいとする価値には到達していない。検証授業では自分を教材の中の状況において考える ことができており、また簡単には行動できないという人間理解の視点でも捉え、さらに生 き方につなげて考えている様子がうかがえる。 H児は事前授業で教材から【家族愛】という道徳的価値について理解し関連価値である D 児 げきを見ると自分のけいけんを思い出して考えること ができました。なぜなら、話の内容がよくわかるか ら、同じようなことがあったかな?と思い出すからで す。 E 児 いつもは、ただ話し合って考えるだけだけど、「やっ てみてかんがえよう」はその時だれがどう思っている か考えやすいし楽しい。役を演じると自分の気持ちが はっきりわかる。みて考えるのは、演じるよりはわか らないけど何もやらないよりは考えられる。自分だっ たらどうするのかなとか相手がどんな行動をするのか なと考えるのでとてもいい。 F 児 「やってみて考えよう」でいっぱい意見が出るのがい い。いつもあまり言わない人の意見が聞けるのがおも しろかった。自分ならどう言うかじっさいに言って、 その言葉で自分がどう思っているかがわかって自分の 思いがはっきりわかる気がしました。 図4 アンケートから「自己を見つめる」 児童の変容 25% 21% 35% 16% 30% 42% 10% 21% 検 証 後 検 証 前 自分の経験したことをもとに話し合う よくある 時々ある あまりない ない 40% 26% 30% 26% 20% 37% 10% 11% 検 証 後 検 証 前 自分ならどうするかを考えて話し合う よくある 時々ある あまりない ない 表3 「自己を見つめる」についての自由記述 図5 アンケートから「自己を見つめる」 児童の変容
【感謝】にまで考 えを広げている。 自分を振り返って 考えていることが 読み取れるが、こ れからの生き方に ついては記されて いない。検証授業 で は, 話 し 合 っ た 道徳的価値につい て理解はするが、 実践するには難し いこと、しかしそ うありたいと願う 姿が記述されてい る。このことは、 自分に引き寄せて 考え、具体的に自 己の生き方につい ての考えを深めて いると捉えてよい だろう。 I児は事前授業では教材の感想にとどまる内容の記述であるが、検証授業では【勇気】 という道徳的価値について自分の経験から振り返り、自分の現状を把握し直してこれから の生き方につなげる記述になっている。 このような結果から、「自己の生き方についての考えを深める」という視点から見ても、 役割演技を取り入れた話合いをすることが児童の思考の広がりや深まりに効果を表し、自 己の生き方として実現していこうとする思いや願いを膨らませることができたと考える。 ② アンケート調査から児童の変容 検証授業前後に行ったアンケート調査か ら、「自己の生き方についての考えを深め る」についての児童の意識の変容を考察す る。調査項目から「自己の生き方について の考えを深める」に関連する項目を抜き出 し比較すると、「新しい考えを発見すること がある」の内容で、「よくある」「ときどき ある」と答えた児童の割合が検証前と後で は、74%(14 名)から 80%(16 名)とわず かに増え、「ない」答えた児童は5%(1名) から0%(0名)に減っている(図6)。役 割演技を通した話し合いをすることで、新 たな気づきが価値観の再構築を生み、自己 の生き方への考えが深まることにつながっ たと言える。一方で、「これからどうしたい かを考えることがある」の内容では「よく 事前授業 検証授業 G 児 お友だちを作るとき、わたしはいつ もドキドキしていたけど、自分から 声をかけて友だちになれました。そ のときはうれしかったです。 「貝がら」【友情・信頼】 今日分かったことは、許さないと心がいつ までももやもやすることです。私はこうい う経験をしたことがありません。でも、こ んなことがあったら、すぐには許せないけ ど、時間がたったらなにか言葉を言っても やもやしている心を落ち着かせたいです。 「わたしだって」【相互理解・寛容】 H 児 家族は、私を育ててくれたし助けて くれたしめんどうをみてくれたし生 んでくれたからかんしゃをしていま す。その気持ちに気づけたのがうれ しいです。 「母の日のプレゼント【家族愛】 今日の勉強でみんなで話し合って分かった ことは大事なものをこわされてもゆるさな いよりゆるす方が心がすっきりして気持ち がよくなるということです。わたしはそん なことをされたことがないけど、頭の中で 想像したらゆるせないなと思いました。で も、友だちの発表を聞いてゆるせる人にな りたいと思いました。 「わたしだって」【相互理解・寛容】 I 児 今日は「なかよしポスト」の勉強を しました。なかよしポストは人のい いところややさしくしてもらったこ とを紙に書いて入れるものです。み んなにわらわれたよう子ちゃんはが っかりしていたけど、ポストにごめ んねと書いた紙が入っていたので、 あやまるなんてやさしいなと思いま した。 「なかよしポスト」【愛校心】 「思い切って言ったらどうなるの?」とい う勉強をして、自分がいいと思うことを正 直に言うとすっきりするということがわか りました。わたしはお父さんに正直に言う のがこわくてうそをついてしまって、その あとずっともやもやがとれなかった。少し でももやもやがとれるために、次からはこ わくても勇気を出して正直に言えるといい です。 「思い切って言ったらどうなるの?」 【善悪の判断・勇気】 表4 振り返りから「自己の生き方についての 考えを深める」児童の変容 55% 42% 25% 32% 20% 21% 0% 5% 検 証 後 検 証 前 道徳の学習で新しい考えを発見する よくある 時々ある あまりない ない 65% 52% 15% 32% 20% 16%0% 検 証 後 検 証 前 これからどうしたいかを考える よくある 時々ある あまりない ない 図6 アンケートから「自己の生き方についての 考えを深める」児童の変容 図7 アンケートから「自己の生き方についての 考えを深める」児童の変容
ある」と答えた児童は 52%(10 名)から 65%(13 名)と増えているものの、「時々ある」が 32%(6 名)から 15%(3名)に減り「あまりない」が 16% (3名)から 20%(4名)に微増している(図7)。 「あまりない」と答えた児童のアンケートの自由記 述欄を見ると「頭で考えていたことが演技でみると ごちゃごちゃになった」と書かれており、想像で考 えるより実際に演じたり演技を観たりすることで 実感としてより複雑に考えることができ、思考が深 まっているといえるのではないか。 また、検証授業後の役割演技を取り入れた道徳授 業についての自由記述からは「自己の生き方についての考えを深める」に関連する内容の記 述をしている児童は 20 名中5名いた(表5)。5名とも「これからの自分について考えるこ とができた」と記述しており、役割演技を取り入れた話合いをすることが将来起こりうるか もしれない事態を想定して、自分の思いや願いを培うのに効果があったと考えられる。興味 深いのはJ児の「演じるよりも観て考えることのほうが、これからの生き方を考えやすい 」 と答えている文言である。演じるよりも観客として考えるほうが、客観的且つ冷静に自分に ついて考えることができ、一層自己の生き方についての考えを深めるのかもしれない。 さらに、「自己を見つめる」や「自己の生き方についての考えを深める」についての記述が ない児童を含む 20 名全員が「役割演技を取り入れた方が話の内容がわかり考えやすい」と答 えている。自由記述からは役割演技が「自己を見つめる」と「自己の生き方についての考え を深める」ことに有意な効果が認められたとは言えないが、少なくとも道徳的価値について 児童が思考を深めることには効果があったと捉える。 このような結果から、役割演技を取り入れた話合いをすることは、児童が自己を見つめ自 己の生き方についての考えを深めることに有効な手だてとして考えることができる。特に、 道徳的価値について実感を伴って考えていたことから、道徳的価値の理解についての深まり に成果があったと考察する。
Ⅳ 成果と課題
1 成果 (1) 道徳授業の学習過程に役割演技を取り入れた話合いを組み込むことで、児童が実感を伴って 道徳的価値について考え、思考の広がりや深まりにつながった。 (2) 役割演技をする場面を設定し即興的に演技させたことで、自分の経験を基にして考えた言動 や行動を選択し、ねらいとする価値への理解についての話合いができた。 (3) 児童が演じたり観たりすることで、自己を見つめ、自己の生き方についての考えを深める振 り返りを引き出すことができた。 2 課題 (1) 道徳ノートの振り返りからは、「道徳的価値の理解」「自己を見つめる」「多面的・多角的に 考える」「自己の生き方についての考えを深める」の 4 つの視点においての記述は増えたが、建 前論にならないよう留意しながらさらに考えを表現するための書く活動も含めた指導の工夫 が必要である。 (2) 話合いの場面でねらいとする価値について考えを交流する際、自分の経験を基にした考えや これからの自分について話し合ったりさせるためには、「今の自分と比べてどうか」「登場人物 から学ぶことや生かせそうだと思うことは何か」など話合いの視点を具体的に示すことも重要 である。 J 児 演じたり観たりすることで、出てきた人の 気持ちがわかって自分の考えが持ちやすく なりました。みているときに、演じている 人はどう思ってやっているんだろうと考え ると、どんどん自分の考えが思いつきまし た。見ている方がこれからどうしたらいい んだろうということも考えやすかった. K 児 自分がこんな場面になったらこうしたいな と、これからの自分について考えることが できた。「やってみて考えよう」をする前は これからの自分については少ししか考えら れなかったけど、今はいっぱい考えること ができた。 表5 「自己の生き方についての考え を深める」についての自由記述〈参考文献〉 早川裕隆 2017 『体験的な学習 役割演技でつくる道徳授業』 明治図書 諸富祥彦 2017 『考え,議論する道徳科授業の新しいアプローチ 10』 明治図書 柳沼良太 2017 『道徳の理論と指導法』 図書文化 赤堀博行 監修 盛岡市立河北小学校 著 2017 『考え、議論する道徳授業への転換』 教育出版 赤堀博行 2017 『特別の教科 道徳で大切なこと』 東洋館出版社 永田繁雄 監修 2017 『学習指導要領改訂のポイント 特別の教科道徳』明治図書 西野真由美 鈴木明雄 貝塚茂樹 編 2017 『考え、議論する道徳の指導法と評価』 教育出版 加藤宜行 編 2017 『資質・能力を育成する道徳科授業モデル』 学事出版 加藤宜行 編 2017 『子どもに寄り添う道徳の評価』 光文書院 赤堀博行 監修 2016 『これからの道徳教育と道徳家の展望』 東洋館出版社 貝塚茂樹 関根明伸 編 2016『道徳教育を学ぶための重要項目 100』 教育出版 道徳教育編集部 2016 『必ず知っておきたい!質の高い 3 つの指導方法大研究 道徳教育 11 月号』 明治図書 柳沼良太 竹井秀文 2016 『アクティブラーニングに対応した道徳授業』 教育出版 新宮弘識 2016 『道徳授業ハンドブック3』 光文書院 赤堀博行 2013 『道徳授業で大切なこと』 東洋館出版社 道徳教育編集部 2012 『役割演技の力を問い直す!道徳教育 12 月号』 明治図書 赤堀博行 2010 『道徳教育で大切なこと』 東洋館出版社 永田繁雄 2009 『新学習指導要領の趣旨を生かした新しい自分に出会う道徳の学習』 東洋館出版社 〈参考URL〉 文部科学省 小学校学習指導要領解説 特別の教科 道徳編(平成 29 年6月) http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2017/11/29/1387017_12_3.pdf 道徳教育に係る評価等の在り方に関する専門家会議 「特別の教科 道徳」の指導方法・評価等について http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2016/08/15/1375482_2.pdf(平成 28 年7月) 文部科学省 道徳に係る教育課程の改善等について(答申)(平成 26 年 10 月 21 日) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/__icsFiles/afieldfile/2014/10/21/1352890_1.pdf 文部科学省 考える道徳への転換に向けたワーキンググループ 議論のまとめ案についての参考資料 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/078/siryo/1377233.htm (平成 28 年8月 16 日)