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リース判例法の展開O 鞠

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(35)

論 説

リ ー ス 判 例 法 の 展 開 O

高 橋 め ぐ み

第﹁節はじめに

第↓項わが国のリース法の展開

第二項リース取引の仕組みと紛争の形態

第二節リース取引の成立

第一項リース契約締結にあたっての当事者相互の関係

第二項リース取引の成立

第三節リース取引における当事者の権利義務

第四節契約解除をめぐる法的問題

第五節その他の問題点

第六晒即結瓶叩

嵐㌦鞍

35

第 [ 節 は じ め に

第一項わが国のリース法の展開

リース取引が昭和三八年にわが国に初めて導入されてから︑三〇年が経過した︒この三〇年の間・リース物件購入

(2)

神 奈 川 法 学 第31巻 第1号 36 (36)

額の伸びが民間設備投資の伸びを大幅に上回って推移するなど︑リー垂業は急激な成長を遂げてきた.しかし︑最

近では双方の伸びにあまり差はみられ富なっており︑平成四年以降︑月別リース契約額は前年比マイナスに転じて

疑・この背景には・バブル経瘡朋壊後の景気後退だけでは穿リー最引が浸透し市場が飽和点に達したとい︑つ事

(2)惰もあると思われる︒

芳・このようなリ支取引をめぐる法的紛争についてみてみると︑この三〇年間に︑この取引をめぐって紛争は

数多く発生している・たとえば昭和六一年九月には︑オフィスコンピュ多の販売およびパッ→リンソフトの開発を

手がけていたミ︒ク経理が破産是三負債総額四・・憶円)を受けたことにより︑同社と提携関係にあったノンバン

ク系リ;ス会社・エスコリースとユーザーとの間の紛争が多発し︑数百件にのぼる訴訟が札幌地裁に提起されること

となつ厚そして︑そのエスコリ支についても︑バブル経済崩壊による馨の焦げ付きが表面化した平成舜以降

同リースを支援の体制にあった三三の金融機関が︑支援打ち切りの方針を固め︑経営の悪化は必至となっている︒こ

のほか・昭和六犀の日総リースに続いて︑平成三年四月には静信リ支が会社更生法の適用を申請するなど︑リ!

ス会社の経営悪化・倒産等が現実化し︑リース産業が急成長を続けていた頃にはあ青深刻な問題としては考えられ

ていなかったような状況が︑次第に現実のものとなりつつある︒

リ支取引については・昭和四九年の大阪地裁洗を皮切りに︑現在までに一・・件を三る裁判例が判例集等で

紹介されている・また三度にわたる私法学△云のシンポジ覧等︑学界においても藷が盛んに行われてきた.本稿

は・これらの裁判例を総合的に検討し︑リー最引についてのわが国の判例法が到達している占⁝を示し︑あわせて学

説の状況をも概観しようとするものである︒

本稿では・平成七年δ月までに判例集に叢された裁判例︑および霧誌等において事実関係とともに紹介され

(3)

リー ス 判 例 法 の 展 開(う (37) 37

た裁判例・総計一一八件を分析の対象とした︒このような形で公にされた二八件の裁判例は︑当然のことながらリ

ース判例の氷山の一角にすぎず︑リース取引に関して各地の裁判所で日々下されている諸判断の完全な相似形である

ことを担保するものがあるわけではないが︑約一〇年ぶりにリース取引についての最高裁判例が相次いで出されても

競・この時点でこれら=八件を素材に判例法の到達点を探ることは決して無意味なことではない恵われる.な

お・一一八件のうちには︑そのほとんどを占める︑りース取引の構造そのものが紛争の原因となっている典型的なリ

ース裁判例のほかに︑運行供用者責任︑土地工作物責任が追及される場合であるとか︑リース会社が割賦販売や債務

の連帯保証を行った場合であるとか︑たまたまある紛争の当事者がリース取引に関わっていたにすぎない事例も含ま

れている・本稿で対象とする裁判例は︑紙数の都合上︑必要に応じて事案の概要筆口及するほかは︑個別に事案紹介

を行うことはしないが︑連載の最終回末尾に裁判例一覧表を付すので︑適宜参照されたい︒

第二項りース取引の仕組みと紛争の形態

リース取引の仕組みについては︑様々な論稿等で詳細な紹介がなされているので︑改めて繰り返すことは避ける

が・ここでは・紛争形態との関連においてこの取引の概要を示すこととしよう︒大まかな流れを示せば︑次の図の通

りである︒

ω契約成立準備︑リース契約の締結

通常は︑サプライヤー(物件の供給者)とユーザー(物件の使用者︑﹁借﹂﹂)とが物口叩の選定︑価格等について交渉

を行い︑レッサー(物件の所有者︑﹁貸主﹂)は関与しない︒この交渉が終〜して初めてレッサーが取引に関わること

になるが・多くの場合︑ユーザー・レッサー間のリース契約締結および次項に述べる物件納入についてもレッサーが

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神 奈 川 法 学 第31巻 第1号 38 (38)

直接交渉過程に立ち会うことなく︑サプライヤーがその業務を代行する︒リース取引においては・サプライヤi.レ

ッ サ ー 問 に 何 ら か の 撲 関 係 か 薩 す る こ と が 響 の 享 あ 麗 ︑ 窪 霧 関 係 が 奮 敵 レ ッ サ ふ 立 ち 八云

わないことがほとんどのようである︒同様のことは︑具体的に紛争が生じ裁判例に現れた事案をみる限りにおいても

いえる︒この段階で法的紛争が生じることはまれであるが︑ユーザーの契約理解︑後にも述べる蝦疵担保・物件の不

引渡.不存在︑そしてそれにともなう借受証の問題等︑後の紛争の火種の多くがここにあるといっても過言ではない

ことに照らすと︑この段階でのレッサーの立会いが紛争発生防止に大きく寄与することは確実であろう・学説には・

後に紛争の火種を残さないために︑この時点でレッサーに説明霧を課すべきであるとする見解も存在麺・

また︑通常︑契約締結にはユーザーのリース料債務を保証する連帯保証人が必要とされる︒このため・後に㈹で述

べるような紛争類型の多くには︑この連帯保証人がリース料債務等の被請求者として登場することとなる・

②物件引渡の確認(借受証交付ないし第一回リ1ス料支払い)

リース契約が締結されると︑サプライヤ!によって物件が納入されるが︑ユーザーは当該物件が契約目的に適って

いるか否かについてのチェックを行う︒これを﹁検収﹂という︒ユーザーへの物件引渡が確認されると︑レッサーはサプライヤ走物件の売買代金を支払い︑レッサー三ーザ商のリ支契約も発効する.物件引渡の確認は・通常

ユーザーの発行する借受証によって行われるが︑この借受証の発行はリース取引に重要な意味をもつため・多くの紛争において︑その効力が問題となりうる︒現実に︑裁判所が判断にさいしてこの借受証発行の事実に言及している紛

争をみると︑それには︑レッサあ蝦疵担保責任が問題となる場合のほかに︑二つの類型があるように思われる﹂

つは︑物件の一部または全部の引渡が未了であるまま検収を済ませユーザーが借受証を発行したが・物件がいつまで

も納入されない︑あるいは納入前にサプライヤーが倒産する︑といった場合(多くはサプライヤーによるコンピユi

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リー ス 判 例 法 の 展 開()

(39)

39

タ.ソフトウェアの開発に関する事例)である︒この場合には︑次の㈹で述べるような︑ユーザーが中途解約禁止条項

にも関わらず解除の意思表示をなし︑あるいは事実上リ1ス料を支払わないという状態が生じることが多い︒他方

は︑もとより物件の使用を予定せず︑リース取引の形式をもってユーザーが実質的な融資を受けるために借受証を発

行する場合(いわゆる﹁空‑1ース﹂)である︒この場合には︑連帯保証人の錯誤無効の主張がなされることが多い︒

なお︑借受証に替え︑第一回リース料支払いによって物件引渡の確認を行う場合もある(いわゆる特殊な﹁クイッ

(11)ク.リース﹂)︒この場合には︑一部の裁判例にみられるように︑リース契約の発効(すなわち︑レッサーによる売買代

金の早期支払い)を望むサプライヤーが︑断りなしにリース料を払い込んでしまう余地がより大きく残ることになり︑

借受証にくらべ︑物件引渡の確認はさらに不完全なものとなろう︒

㈹契約途中での紛争原因の発生

契約成立後の紛争形態として典型的なのは︑ユーザーが(リース契約においてはユーザー側からの契約解除を禁ずる特

約が付されているにもかかわらず)リース物件の暇疵ないし不備︑ソフトウェア等の未完成を理由にリース料の支払い

停止もしくはリース契約解除の意思表示をなし︑これに対してレッサーが残リース料相当額の規定損害金の支払いを

求めるというケースや︑前記のリース料不払いとは別に︑ユーザーにリース料の支払不能ないし遅滞や︑破産︑和

議︑会社更正の申立があった場合にはレッサーは通知︑催告なしに契約解除︑残リース料請求等ができる旨の特約が

あるために︑レッサーがユーザ!または連帯保証人に対して残リース料相当額の請求を行う場合である︒これら両者

の混合形態ともいえるものとして︑ユーザ!の経営状況悪化にともない︑レッサーが物件を引き揚げ︑ユーザーのリ

ース料の不払いに乗じて契約解除を行ったことが紛争の原因となったものも︑一ヶースではあるが存在する︒

このような紛争が裁判所に持ち込まれたさいには︑以下の問題が論じられることとなる︒まず︑物件に暇疵ないし

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神 奈 川 法学 第31巻 第1号 40 (4a)

不備が存する場合の︑﹁貸主﹂の﹁蝦疵担保免責特約﹂の有効性が争われることがある︒裁判例をみても︑この点は

非常に多くの事例で争われていることがわかる︒リース契約の経済的実質が物件の購入資金の融資であるという側面

を顧慮するならば︑この問題はサプライヤー・ユーザー間の紛争解決の手段が整備されていないことの現れでもあ

り︑このことと関連して︑サプライヤー・レッサー間の売買契約の性質が問題となることもある︒裁判例によって

は︑この売買を第三者(ユーザi)のためにする契約であると解し︑ユーザ!の受益の意思表示が問題とされるので

ある︒ただ︑サプライヤーが倒産してしまえばこの法的構成も無力となり︑結局サプライヤー・ユーザー問の問題が

レッサー・ユーザー間のリース契約へと持ち込まれることとなるのである︒

また︑実際にユーザーが倒産にいたる前にレッサーがなした解除の効果が認められるか否かについても争われるこ

とがある︒

ωレッサーによる投下資本回収様々な局面におけるリース料債権の取扱い

まず︑リース料債権の性質に関わる問題であるが︑利息制限法︑割賦販売法の適用が問題となる場A口がある︒さら

に︑会社更生の申立があった場合の︑履行期到来前のリース料債権についての会社更生法一〇三条一項の適用の可否

も問題となる︒

また︑レッサーが解除をなし残リ:ス料相当額を請求する場合には︑通常︑レッサーが規定損害金の請求と同時に

物件の引揚げを行うことができる旨が特約されているが︑そのさいの︑清算の要否︑その範囲︑方式等が問題とされ

ることもある︒

㈲このほか︑リース物件により事故が生じた場合の運行供用者責任︑土地工作物責任等︑第三者に対するレッサ

ーの賠償責任の問題︑第三者のリース契約・連帯保証契約の締結権の有無︑管轄等︑様々な問題が生じているが︑こ

(7)

れらについては︑前述の流れとは別に最後にまとめて紹介することとする︒ (41) リー ス 判 例 法 の 展 開 ←

41

次節以下では︑これらの諸点について︑わが国の裁判例︑学説がどのような見解を示しているかを︑各問題ごとに

みていくこととする︒具体的には︑第二節においてリース契約の成立前から契約締結までを︑第三節においてリース

契約中の各当事者の権利義務を︑第四節において契約解除にかかわる問題をそれぞれ扱う︒第五節でその他の問題点

について触れ︑最後に第六節において全体を総括することとする︒なお以下では︑引用等をのぞき原則として︑取引

の各当事者をそれぞれ︑サプライヤi︑レッサー︑ユーザーとし︑裁判例における具体的当事者をそれぞれS︑L︑

U︑連帯保証人についてはGで表すこととする︒

第 二 節 リ ー ス 取 引 の 成 立

第一項りース契約締結にあたっての当事者相互の関係

サプライヤーとユーザーとの間ですでに目的物件についての交渉が行われていたにもかかわらずリース契約自体の

締結にはいたらなかった段階で何らかの紛争が生じた場合には︑法形式上は直接の契約関係に立つことのない両者の

間の紛争を解決することが必要となる︒まず︑リース契約締結前のこの両者の関係について判断を下した裁判例をみ

た後︑レッサーのリース契約締結業務を代行するサプライヤーとレッサーとの法的関係をみることとする︒

ω契約締結前のサプライヤーとユーザー

まず︑契約締結前のサプライヤ!とユーザーとの法的関係を論じたものとしては︑二件の裁判例が存在する︒

ユーザーの第一回リース料不払いがサプライヤ⁝・レッサー間の売買契約の解除条件となっており︑この特約にも

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神 奈 川 法 学 第31巻 第1号 42 {42)

とついてレッサーが売買契約を解除した場合に︑サプライヤーがレッサーだけではなくユーザーに対しても損害賠償

(12)を請求した事例がある︒これは︑リース契約の利用を予定してサプライヤー・ユーザー間で締結されたプログラム使

用についての代金債務不履行が追及された事例であるが︑裁判所は以下のように述べている︒このプログラム使用契

約にもとつく代金支払債務は︑﹁本件リース契約および本件売買契約の成立後においては︑これにもとつくリース料

支払債務および売買代金支払債務に還元され︑その後の法律関係は︑本件リース契約または本件売買契約が事後に解

消されたような場合の法律関係をも含めてもっぱらその定めるところによって規律されるべきものである﹂︒以上の

ように判示し︑ユーザーの使用契約の債務不履行を問題とする余地はないとした︒

他方︑リース取引固有の問題というよりは契約解釈一般の問題に含まれるが︑借受証は発行したものの物件に蝦疵

があったためリース契約締結にいたらなかった事例について︑リース契約成立前のサプライヤー・ユーザi間での売

(13)買の成立を認め︑物件の改修工事と引換えにサプライヤ!に対する代金支払いを命じた裁判例がある︒裁判所は当事

者間の関係については﹁当時の当事者の意思解釈によって決すべき﹂であるとして︑﹁リース業者の関与がないとき

は︑ユーザー︑サプライヤー間の︑本件フリーザーの供給を受けるという基本契約⁝⁝上の権利︑義務として︑ユー

ザーが本件フリーザーの所有権を取得し︑⁝⁝代金支払い義務を負う﹂とした︒本件では︑暇疵があるにも関わら

ず︑サプライヤーによる回収の申し出を受けることなく漫然と物件を使用し続けたユーザーの行為態様が結論に何ら

かの影響を与えたのではないかとも推察される︒

このほか︑サプライヤーとユーザーの法的関係を論じたものではないけれども︑契約締結時のサプライヤーないし

サプライヤーの従業員の説明が契約内容に影響を与える場合もある︒たとえば︑消費者であるユーザーが︑リース契

約締結時にサプライヤーがなした︑いつでも物件の返還が可能であるという虚偽の説明を信じて︑中途解約禁止条項

(9)

リーx判 例 法 の 展 開(→

43

にもかかわらずリース契約篠の意志表不をなしたが・その篠の効力を認めた例がむ罷.また︑ユ辛が物件の

効果を確認する前に・サプライヤふ約束に反してリ支契約書︑借受証をレッマに叢してしまった場合には︑サプライヤユーザーはサプライヤーの暇疵修補までリ支料支払いを拒むことができるとした例もある.レッサー︑

‑間の代理関係の有無については次項で述べるが︑裁判所が明確な代理関係を認定することな〜あよ︑つな結論を導

いた背景には・リ支取引に登場する三当事者相互の距鶴係についての認識1これ,b三拳者のうちサプブイヤ

ーとレッサーとが緊密な関係にあるとの認識1が反映していると思われる︒

ース契約において・サプライヤーレッサ函には︑(リ支契魏結後の保審理契約葦除外すれば)明示的に

契約が籍されることはなく・右に述べた裁判所の判断にも基本的にこのことが反映されているといえよ︑つ.学説の

なかには・サプライヤ1テギ間の売剛貝契約の成立を認め︑改修工事と引埜に†ザふサでブイヤーに対す

る代金支払いをなすべきことを判示した前記裁判例について﹁空とース業者間に売買契約が締結された原因は︑

本来は売主と買主間に成立した物件の士冗買につき︑借主がりよの利用により売︑王への代金支払につき延払の利益を

受けようとしたことにあ呈すから︑潜在的なものとされていた空と塁間端貝関係は︑確定的な売買契約に転

化すると蟹れるからです﹂と述べこの問題を敷衛しようとする見解も見られるが︑あ‑までこの問題は当薯の意

思解釈に関わるものであり・それを離れてりよ取引一般におい三のよ︑つな結論を導ことができるとは思われな

鋤契約締結時のサプライヤーとレッサー

サプライヤふレッサありよ契約締結業務を代行し三ることは︑法的判断にどのよ︑つな影響を及ぼすのであ

ろうか・すなわち︑この両者間に代理関係が成立するか否かという問題である︒

(10)

神 奈 川 法 学 第31巻 第1号 44

(44)

まず︑サプライ下がレッサあ代理人ないし表見代理人であるとのユ←あ主張が排斥された例をみてみよ︑つ.サブ一ブイ下sが倒産した.﹂とにより目的物件となっていたコンビ言タ・ソフふ納入されなかった事例において︑UであるUは︑リ支契約籍のさいにSの従業員Aとの間で︑﹁ース料の支払いは・本件馨が約定通り

に性能を発揮して欝することを確認後に開始するものとする﹂旨の合意をしたと主張し︑SがレッサiLの代理人

ないし表見代理人であることを理由にLのリース料支払請求を拒んだ.裁判所は︑本件取引はいわゆるファイナンス.リースであり︑事実関係からはAはLか・ら代理権を授与されたと認めることはできず・使者にすぎないとした・そして︑﹁Uがファイナンス.リースの仕組みを理解していれば︑リース契約を籍するときに・Uと協議したのが

Sの従蕎Aであっても︑その立場は仲介者以上のものでないことが容易に智得たことを考麦と・使者のAに表

見代謂法理姦推するよ︑つな事情にもないといわねばならない﹂として︑LのUに対するリ支料支払請求を馨している.このほかに代理権の存在が否定された事例をみてみると︑物件が実際には引き婆れていない段階でリース契約書と借受証をテγからサプライ下が受け取ってレッ掌に提出したが︑それは借受証記載時にサプライヤーか︑b借受証等は物件発注およびリ麦契約締結濡に必要である︑あるいは物件搬入前にあらかじめ必要であるといった虚偽の説明を受けたからであるとユーザふ主張し︑そのうえで代理の成立を主張してリース料の支払いを拒絶したものが二件存在するが︑裁判所はいずれにおいても︑そのような特約が存在したとは認められず・ユーザi

(ヵ聾のよ︑つに考えていたとしてもそれはユ←あ内︑心の意思に過ぎないとし︑あわせて代理権の授権を否定して

次に︑レッサあサでブイヤ走対する代理獲与が墓された事例をみてみよう.コンピュータ端毒を目的物件とする取引についてサでブイヤふ虚偽の説明をして契約を繕した事例であるが︑レッサーのリ支料支払請求

(11)

リ ーx判 例 法 の 展 開c‑‑a {45}

45

に対してユーザーがなした虚偽表示による無効の抗弁が容れられ︑支払請求が斥けられたものである︒ここでは︑レ

ッ サ ふ サ プ ラ イ ヤ ー に 対 し て 代 羅 を 授 与 し た こ と が 前 提 き れ て 馳 . 右 の ケ 支 で 代 理 穫 与 が 認 定 さ れ た 根

拠は・レッサーがサプライヤーにリース料集金業務を当初から担当させていたことをはじめ︑﹁ユーザーとなるべき

者の選択を含めリース契約締結業務一切をサプライヤーに代行させた﹂ことであった︒このほか︑ユーザーが消費者

である場合に︑リース取引の一般的な構造からレッサー・サプライヤー間の代理関係の存在を認定した裁判例が存在

麺・これは・さきにも述べた・中途解約慾歪条項にもかかわらず︑消費者である†ザーのなしたリース契約解除

の効力を認めた事例である︒ここでは裁判所は︑﹁販売業者の外交販売員が自社の商品の販路を開くときは︑その外

交販売員が同時にリース契約の勧誘をもすることになる︒⁝⁝販売業者の行為は︑販売業者のための行為とりース業

者のための行為が︑分かち難く一体になっているのである︒利用者の方から見れば︑外交販売員は︑販売業者の代理

人であるのと同時にリース業者の代理人にも見えるのである﹂と述べている︒右にあげた二件は︑事実関係からみ

て・いわゆる典型的な提携リースであるとは思われない事案であるが︑一方︑提携リースについてこの問題をみてみ

ると︑代理関係の成立が問題となったすべての裁判例において︑レッサーの代理人である旨が認められており︑レッ

(21)サーのリース料支払請求が斥けられている︒

代理権授与の成否は︑具体的な事実関係から判断されるべきものであるが︑これをリース取引についてあてはめて

みた場合には︑典型的には提携リースに代表されるように︑レッサーが︑契約締結等にかかわる何らかの権限をサプ

ライヤーに授与したと評価できる事実が存在する事例においてのみ代理関係の成立が認定され︑したがって︑この事

実関係を離れて︑リース取引一般にサプライヤーとレッサーとの間で必ず代理関係が成立するということはできない

とするのが裁判例の傾向であると考えられる︒したがって︑各の紛争において︑サプライヤー.レッサーの提携等︑

(12)

神 奈 川法 学 第31巻 第1号 46 {46)

判断の材料となる事実関係に検討を加え︑

ろう︒ 代理の成立︑あるいは表見代理の成立等を判示することが必要となるであ

なお︑右に述べてきた代理の問題からは若干離れることになるが︑ユーザーの無権代理人がリース契約を締結した

が︑ユーザーには契約締結の意思がなくリース契約が不成立に終わり︑レッサーがサプライヤーに売買代金の返還を

求めた事例において︑レッサfとサプライヤーとの間の関係を準委任関係と判示したものも存在飢罷・クイック.リ

ース取引についてのものであるが︑裁判所は︑﹁﹂は︑Sに対し︑あらかじめ白紙のリース契約の申込書等を交付し

ており︑顧客からリースによる商口叩導入の申込みを受けたSにおいてリース物件︑月額リース料及びリース期間等の

事項を記載し︑顧客に署名(記名)押印をさせてLにこれを交付するというシステムがとられている﹂とのーーリー

ス契約において]般的な‑lI事実関係を認定したうえで︑﹁﹂はSに対し︑顧客の探知・選定を始め︑リース物件の

選定等の顧客との協議.決定及び当該顧客とのリース契約締結手続(顧客からSへのリース契約申込手続)に関する事

務手続を委任しているものというべきである﹂と判示した︒

学説のなかには︑先に述べた︑提携リースでない取引について代理関係成立を認めたさきの︹01︺撫について

﹁リ!ス取引の実体を十分に理解していない﹂としてこれに異論を唱えるのみならず︑提携リースについても︑﹁媒介

行 為 に は 本 人 の 代 羅 を 推 定 す る こ 請 で き ま せ ん ﹂ と し て 代 理 関 係 の 成 立 を 不 . 定 す る 考 え 方 も ー ス 会 社 の 代 理 人

をしている論者から提示されてはいるが︑このような見解は他には見あたらない︒かりに代理権授与が認められない

にしても︑レッサーが外観作出に関与したことを考慮すれば︑あまりに形式にとらわれた考え方といわざるをえな

い︒特に提携リースについては︑﹁﹂は︑Sを代理人として︑契約締結の交渉に当たらせるのであるから︑Sやその

外務員が詐欺やオーバートークを行った場合にも︑Lは︑民法一〇一条により︑代理人の詐欺やオーバートークにつ

(13)

リー ス 判 例 法 の 展 開(う (47)

いて︑善意を主張することができない﹂として︑このような裁判所の問題解決は一般に受け入れられるところとなっ

(25)ている︒また︑代理権授与自体を認めることができない場合にあっても︑民法一〇九条︑一一〇条の表見代理成立が

26)ありうるとする見解もある︒契約締結にさいしサプライヤーが虚偽の説明を行ったような場合には︑錯誤の項におい

ても述べるように動機の錯誤の問題であるとの問題の解消のしかたがなされており︑さらにこの事実についてレッサ

ーが善意であれば第三者の詐欺による取消も不可能となってしまう︒本来レッサーとサプライヤーとの距離は非常に

近いはずである︒このことはいわゆる提携リースがほとんどであることを考え合わせればなおさらである︒右のよう

な裁判例に立てば︑レッサーとサプライヤーとを切り離すことにより︑レッサーと密接に関係にあるサプライヤーの

主観的態様がレッサー.ユーザー間の法的関係にほとんど反映されないことになってしまう︒これでは︑レッサーは

サプライヤーのオーバートーク気味の営業活動から利益のみを得︑そこから発生する危険からは逃れることとなる・

このような状況からは︑前述したように代理関係ないし表見代理の成立を積極的に認めていく立場を支持するのが合

理的であろう︒

47

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(3)NBL()

(4)

(5)NBL11椿

(14)

神 奈 川 法 学 第31巻 第1号 48

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(15)75(16)(昭)(17)NBL=(上)17(18)NBL(上)24

79

(15)

リー ス 判 例 法 の 展 開(一)

(49}

49

(19)NBL{(上)10(20)=一六69

(a)NBL︹389︒

成元年=月二二日NBL四四号三三頁︹92︺(爵判決の控訴審判決)︑札幌地判平成元年三月吉NBL四四〇号六二頁

93

(22)311

(23)(18)10

(24)(16)

蒙袈山茂清費者り支の現状と分析‑消費者苦情の法的分哲講座(下三九〇頁.このほか︑石川正美提携リース契約

!

NBL(平)

(%)綿(昭)(以).

(10)

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(16)

50

調・目

神 奈 川 法 学 第31巻 第1号 (50)

参照