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商 事 判 例 研 究

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(1)四七. 商事判例研究. 早稲田大学商法研究会. 手形金請求の訴え提起が原因債権の消滅時効を中断するとされた事例. ︵昭和六二年一〇月一六日最高裁第二小法廷判決︑上告棄却︑民集四一巻七号一四九七頁︑判例時報一二五六号. 債務の支払のために手形の交付を受けた債権者が債務者に対して手形金請求の訴えを提起した時は︑原因. 二五頁︑判例タイムス六五三号八一頁︑金融商事判例七八四号三頁︶. ︹判示事項︺ ︹参照条文︺. 民法一四七条︑手形法一七条︑同法七七条. 債権についても消滅時効の中断の効力を生ずる︒. ︹事実の概要︺. 一五五. 一 Xは給排水︑衛生設備工事の請負を業とする株式会社である︒昭和四八年五月一〇日︑XはYとの間にYの社宅新. 商事判例研究.

(2) 早法七二巻一号︵一九九六︶. 一五六. 設工事にともなう空調・衛生設備工事の工事請負契約を︑請負代金一五九〇万円の約定で締結した︒Yはこの請負代金債 二. 請負代金債務のうち四二〇万円は未払いのままである︒このうちの四〇万円については︑昭和四九年二月末ごろ︑. 務支払のために︑Xに対して金額一六〇万円︑満期昭和四九年五月十五日の約束手形を振出した︒. 三. Xは手形金支払を求め︑手形訴訟を昭和四九年五月一五日に提起し︑そして同年八月七日に仮執行宣一言付の勝訴判. 訴外A︑XおよびYとの間で︑Aが免責的に引受ける旨の合意がなされた︒. 決を得たが︑Yが異議を申し立てたので︑通常訴訟に移行した︒Xは通常訴訟移行後の昭和四九年一二月一四日︑手形金. 一六〇万円の請求に併せて︑請負残代金債権の支払を求める請求を追加した︒Yは︑これに対して︑抗弁として︑工事代. 金四〇万円についての免責的債務引受契約の存在︑工事の蝦疵による工事代金九九五万五八二五円の損害賠償請求金と請. 四 第一審判決︵東京地裁昭和五六年三月二五日︶は︑Yの抗弁のうちXの工事に︸部綴疵があり︑その結果損害に二. 負残代金三八O万円との対等額における相殺を主張した︒. 原審において︑Yは︑新たな抗弁として︑手形金請求の原因債権に相当する工事代金中︑Xが本訴で請求していな. 六〇万円の支払を命じる判決をYに対して下した︒これに対して︑Yは控訴した︒. 六万円が生じたことを認め︑これと手形債権との相殺を認め︑昭和五六年三月二五日︑手形金二二四万円︑残代金債権二. 五. い一六〇万円については︑工事が終了した昭和四八年二一月下旬または同四九年一月一五日から三年経過した同五一年一. 六. 原審判決︵東京高裁昭和六〇年四月三〇日︶は︑Yの抗弁の内の債務引受の点を認め︑代金債権を︸審判決のこ六. 二月下旬または同五十二年一月一五日に消滅時効が完成したので︑これを援用する旨を主張した︒. ﹁債務者が債権者に対し債務の支払のために約束手形を振り出した場合において︑右債権者が右債務者に対し右約束手形. 〇万円から二二〇万円に減額した︒しかし︑手形金債権の原因債権の消滅時効の抗弁については︑. り約束手形金債権についての時効のみならず原因関係の債権についての時効も中断するものと解するのが相当である﹂と. 金の支払を求めて訴えを提起することは原因債権の債権の請求の手段としてこれを行うものであるから右訴えの提起によ 判示し︑一審判決を維持した︒.

(3) これに対して︑Yは﹁手形債権と原因債権とは法律上別個の債権であるから︑ 手形債権についての請求行為があって. 上告棄 却. も︑原因債権の消滅時効を中断しない﹂旨を主張して︑上告した︒. ︹判旨︺. ﹁債務の支払いのために手形が授受された当事者間において債権者がする手形金請求の訴えの提起は原因債権の消滅時効. を中断する効力を有するものと解するのが相当である︒けだし︑かかる手形授受の当事者間においては手形債権は原因債. 権と法律上別個の債権であっても︑経済的に同一の給付を目的とし︑原因債権の支払手段として機能しこれと併存するも. のにすぎず︑債権者の手形金請求の訴えは︑原因債権の履行請求に先立ちその手段として提起されるのが通例であり︑ま. た︑原因債権の消滅時効は右訴訟において人的抗弁となりうるところ︵昭和四三年︵オ︶第六三八号同年二一月二百第. 一小法廷判決・裁判集民事九三号五八五頁参照︶︑右訴えの提起後も原因債権の消滅蒔効が進行しこれが完成するものと. すれば︑債権者としては︑原因債権の支払手段として手形債権の履行を請求していながら︑右時効完成の結果を避けよう. とすると︑更に原因債権についても訴えを提起するなどして別途に時効中断の措置を講ずることを余儀なくされるため︑. 債権者の通常の期待に著しく反する結果となり︵最高裁昭和五二年︵オ︶第入六七号同年一月二三日第一小法廷判決・民. って︑不合理な結果を生じ︑ひいては簡易な金員の決済を目的とする手形制度の意義をも損なう結果と招来するものとい. 集三二巻一号一項参照︶︑他方債務者は︑右訴訟係属中に完成した消滅時効を援用して手形債務の支払を免れることにな. 原因債権自体に基づく裁判上の請求に準ずるものとして中断の効力を有するものと解するのが相当だからである︒﹂. うべきであり︑以上の点を考慮すれば︑前記当事者間における手形金請求の訴えの提起は︑時効中断の関係においては︑. 島谷裁判官の 意 見 ︵ 要 旨 ︶. ﹁私は︑⁝⁝法廷意見の結論には賛成であるが︑その理由を異にする⁝⁝法廷意見は︑手形授受の当事者間において原因. 一五七. 債権が時効消滅した場合に︑債務者はこれを人的抗弁事由として手形債務の支払を拒絶できることを前提としたうえ︑そ 商事判例研究.

(4) 早法七二巻一号︵一九九六︶. 一五八. れによる不合理な結果を回避するするという実質的な理由から︑手形金請求の訴えに原因債権の消滅時効を中断する効力. を認めている︒しかし︑私は︑かかる法廷意見の引用する判例︵最高裁昭和四三年︵オ︶六三入号同年二一月二一日第一. 小法廷判決︶は変更されるべきであると考える︒⁝⁝原因関係と手形関係はそれぞれ別個の債権であって︑消滅時効はそ. れぞれ別個に完成するものであり︑一方の権利についての時効完成は他方の権利に消長をきたすものではないと考える︒. 実質的に見ても︑原因債権の支払のために手形が授受された直接の当事者間において︑原因債権が弁済等により満足を得. た場合には︑債務者がこれを人的抗弁として手形金の支払を拒み得ることももちろんであるが︑その理由は債務者は二重. に満足を得ることができないからであり︑原因債権について時効の完成したにすぎない場合には︑債権が満足されたわけ. ではないから︑これを債権が満足された場合と同一視することはできない︒⁝⁝したがって︑原因債権の消滅時効が完成. した場合を︑弁済等により満足を得た場合と同様に扱い︑人的抗弁の対抗を許すことは︑あまりに形式論にすぎず︑合理. 的根拠を欠くものといわざるをえない︒よって︑原因関係の消滅時効は人的抗弁事由には当たらないものと解するのが相 当であると思料する︒﹂. 多数意見によれば︑原因債務に支払いのために手形が授受された場合には︑O手形授受の当事者間では手形. ︹評釈︺ 結論的賛成︑ただし︑多数意見の理論構成には賛成することはできない︒. 一. 債権は原因債権と別個のものであっても︑経済的には同一の給付を目的とする支払手段として機能するにすぎず︑. 口もし時効中断効を認めないとすると︑手形債権者は別途に原因債権についても時効中断の措置をとらなければな. らなくなる︒口また︑当事者間においては原因債権の消滅時効は手形金請求に対する人的抗弁事由となる︵最高裁. 昭和四三年﹃二月=百第一小法廷判決︶ことを前提とし︑この人的抗弁の対抗によって債務者が支払いを免れるとい. うのであれば︑簡易な金員の決済手段である手形制度の意義を損なうという不合理な結果を招くことになる︒以上. の理由から︑手形金請求の訴えを提起した場合には原因債権についても時効中断の効力を認める︑というものであ.

(5) る︒. すなわち︑本判決では︑原因債務の支払のために手形が授受された当事者間では︑原因債権の消滅時効は手形金. 請求に対する人的抗弁事由になってしまい︑前記の日の不都合を生じさせるから︑何とかして原因債権が消滅時効. にかからないようにしなければならない︑という価値判断︵利益衡量︶が最初に働き︑その価値判断に基づいて︑. 手形金請求の訴えを提起した場合には原因債権に対しても時効中断の効力を認めることによって︑原因債権が消滅. 時効にかかることを防いでいるものと考えられる︒その積極的理論的根拠として︑前記e手形債権が原因債権と経. 済的には同一の給付を目的とし︑手形債権は原因債権の支払手段として機能している︑という点をあげている︒. しかしながら︑本判決の右のような理論構成では根本的な解決にはなり得ないように思われる︒なぜならば手形. は経済的には原因関係決済の手段ではあるけれども︑手形債権は法律的には原因債権とは別個・独立の債権であり︑. しかもその行使には原因債権の主張・立証を必要としないのであるから︵鈴木竹雄口前田庸補訂・手形法・小切手法︵新. 版︶二一頁︑竹田省・手形法・小切手法七頁︑大隅健一郎・新版手形法小切手法講義二〇頁︶︑手形債権の行使には原因債権の行. 使を当然には含んでいるとは考えることはできないからである︒したがって︑手形金請求の訴えによって消滅時効. が中断されるのは理論的には手形債権だけに限られることになる︵兼子一・民事訴訟法体系︵増訂版︶一七九頁︑同・民事 訴訟法〇九九頁︶︒. さらに︑本判決の理論構成では手形が裏書された場合に理論的破綻をきたすことになる︒例えば︑AがBに約束. 手形を振出し︑これをBがCに裏書し︑そしてCがAに手形金請求の訴えを提起したところ︑その訴訟係属中にA. B間の原因債権とBC間の原因債権がともに短期消滅時効にかかってしまったという場合を想定したい︒本判決が. 言うように︑原因債権の消滅時効が手形金請求に対する人的抗弁事由であるとすれば︑この場合はコ一重原因欠. 一五九. 敏﹂の場合と同じことになるから︑Cの手形金請求に対してAは﹁権利濫用﹂もしくは﹁固有の経済的利益の欠 商事判例研究.

(6) 早法七一一巻一号︵一九九六︶. 一六〇. 敏﹂を根拠に支払を拒むことができることになる︒そして︑本判決が手形金請求の訴えの提起に原因債権の消滅時. 効の中断を認めたのは︑手形授受の直接の当事者間では手形は原因債権の支払手段として機能するからである︒し. かし︑手形がBからCに裏書された場合にはそもそもAC間には直接の原因関係は存在しないから︑CがAに対し. て手形金請求の訴えを提起したとしても︑AC問には消滅時効を中断すべき原因債権が存在しない︒そして︑Cが. Aに対して手形金請求の訴えを提起した場合には︑CがBに対して原因債権を行使した場合とも同一視することは. できないし︑同様にBがAに対して原因債権を行使した場合とも同一視することもできない︒そうすると︑Aに対. するCの手形金請求の訴えの提起によって消滅時効を中断するのは︑CがAに対して有する手形債権についてだけ. ということになる︵手形法七一条︶︒このように本判決の立場では︑約束手形の振出の原因債権と裏書の原因債権が. ともに短期消滅時効によって消滅した場合には︑Cの手形金請求に対してAは﹁権利濫用﹂もしくは﹁固有の経済. 判決の立場では約束手形が振出当事者間にとどまっている場合とそれが裏書された場合とでは結論が異なってしま. 的利益の欠訣﹂を根拠に手形金の支払を拒むことができることになる︒同じ原因債権の消滅時効でありながら︑本. う︒右のことは︑本判決の理論構成が原因債権の消滅時効という問題についての根本的な解決にはなり得ないこと. それでは︑何故に本判決は従来の伝統的無因性理論との一貫性を欠くような理論構成をとらなければならな. を如実に示すように思われる︒. 二. かったのであろうか︒その鍵は最高裁判所が原因債権の消滅時効を人的抗弁事由と捉えている点にある︒そうであ. ればこそ︑本判決は前記口日の不都合の発生を阻止するために︑手形債権の行使によって原因債権の消滅時効を中 断するというやや強引な構成をとらざるを得なかったものと考えられるからである︒. 本判決が引用する最高裁昭和四三年﹈二月一二日第一小法廷判決の事案は︑XとYとの間で衣料品売買契約が締. 結され︑その売掛代金債権の取立のためにXはYを支払人とする自己受為替手形を振出し︑Yに引受けさせたとい.

(7) うものであった︒Xはこの手形に基づきYに対して手形金請求の訴えを提起した︒第︼審︵名古屋地裁昭和四一年七月. 二九日︶では︑Xの請求が認容された︒しかし︑原審︵名古屋高裁昭和四三年四月九日︶では︑Yが﹁本件手形の原因債. 権である衣料品売買代金債権は︑民法一七三条一号所定の二年の消滅時効にかかるものであり︑本訴提起当時には. すでに右時効期間は満了しているので︑右時効を援用する﹂旨の抗弁を新たに主張したため︑Xが敗訴する結果と. なった︒これに対して︑Xは上告したところ︑最高裁は上告を棄却し︑﹁XのYに対する売掛代金債権が本訴提起. 前に民法一七三条一号所定の二年の時効期間の満了によって消滅し︑Yは右事由をもってXからの本件為替手形の. 請求を拒むことができるとした原審の判決は正当であり︑原判決に所論の違法は存しない︒﹂と判示した︒. そこで︑本判決がその前提とする原因債権の消滅時効が︑手形金請求に対する人的抗弁事由になるか否かについ. 手形が原因債務の﹁支払に代えて﹂授受された場合には︑その当事者間では手形の授受とともに原因債. て検討したい︒. 三 1. 務は消滅する︒通説は︑この場合の法的性質を﹁代物弁済﹂と考えている︵我妻榮・新訂債権総論一二〇四頁︑鈴木・前掲. 二三五頁・三一二頁︑竹田・前掲五四頁︑大隅・前掲六八頁︶︒これに対して︑手形が原因債務の﹁支払のために﹂授受さ. れた場合には︑その当事者間では原因債権と手形債権とが併存することになる︒この場合には︑原則として︑債権. 手形は無因証券である︒無因証券とは︑証券上の権利の存在が︑証券上の法律行為の原因となった法律関. 者は手形上の権利を原因債権よりも先に行使することになる︵鈴木・前掲二一二五頁︑竹田・前掲五四頁︑大隅・前掲六九 頁︶︒. 2. 事典下巻増補版一九六四頁︶︒手形が無因証券であることは︑手形に表章されている権利が無因的権利であり︑無因的. 係︑すなわち︑原因関係の存否︑または効力によって影響を受けない有価証券をいう︵上柳克郎﹁無因証券﹂民事法学. 一六一. 権利を発生させる行為それ自体が無因行為であることを意味している︒無因行為とは︑出措行為の原因︵8霧曽︶を 商事判例研究.

(8) 早法七二巻一 号 ︵ 一 九 九 六 ︶. 一六二. 当該行為の成立要件に含んでいない法律行為のことをいう︵閃ビヨρ>凝馨警R謡一目号ω曽邑酵窪菊8ヌ田&戸U器. 小橋一郎・手形法・小切手法九頁以下︑木内宜彦. ︒ごギ弩芦U一①︾び卑吋欝夢①津8ω≦①魯ωΦ一ρ一︒︒︒Pψ器旧 力Φ o 算 ω 鷺 ω 魯 経 紗 ω . ︾ 仁 戸 一 鶏 ︒ ︾ ω ● 嶺 ︒ ︒︸撃ヨ曽p9①OΦω鋤ヨ富oど一9一︒認︸ω﹂︒. ωけ区一R・のΦ馨巴9鑛臥邑ぎ津仁&くの詩のぼωω3暮Nα霞3>訂q欝臨OPお8ψ蜀. ﹁原因関係と手形抗弁︵本論︶﹂手形抗弁の理論六〇頁以下︑同・手形法小切手法︵企業法学m︶第二版二一〇頁以下︑松坂佐一・民法. 提要総則︵第三版・増訂︶一九四頁︶︒それゆえに︑手形が原因債務の﹁支払いのために﹂授受された場合にはその当事. 者間において原因関係が無効・取消などの事由によって消滅したとしても︑手形上の権利はそれによって影響を受. ら︑その結果︑原因関係と手形関係という二つの効力的牽連性が切断されることになる︵倉澤康一郎﹁手形の無因性と. けることはない︒すなわち︑手形行為の成立要件から手形債務負担という出絹の原因︵︒霊絶は捨象されているか. 人的抗弁﹂手形法の判例と論理一八九頁︶︒. 3 手形行為をその典型とする無因行為もまた有因の債務契約と同様に︑ある一定の目的を達成するための手段. 的行為としてなされるものである︒この目的が出措をなすに至らしめたものであるから︑出損行為の原因︵︒き絶. と呼ばれ︑ローマ法以来その主要なものとして︑贈与原因︵︒雲終3墨&一︶︑与信原因︵︒翌錦R9窪色︑弁済原因. ≦婁RBきp臣9翌墨ぎ. 一ゆ①8ω︒零るΦ暮R\冒胃件ぎΦFd轟RΦ︒辟︷Φ鼠讐ΦωΦ邑9Φ毎渥﹂︒︒︒︒︒あ●︒︒あ鼠色g騨■四■. ︵8霧霧︒一<8琶が挙げられている︵困一爵ρoき鶏巨α鳴器冴98ω旨毘詔B四﹂︒︒︒G︒あひ︒ ︒魚●勺 富目αの一ω魯窪琶血αΦ暮ω3雰N三冨︒窪. ・●ψF神戸寅次郎﹁契約解除論﹂神戸寅次郎著作集上巻三四七頁︑松坂・前掲一九四頁︶︒たとえば︑売買契約では︑売主は. 売買代金を獲得するためにその手段として売買の目的物の所有権を移転する債務を負担するのであり︑買主は売買. の目的物を獲得するために売買代金債務を負担する︒このように売買契約を典型とする双務契約では︑当事者の一. 方が負担する債務は相手方が負担する債務の原因︵8霧節︶となっている︵与信原因8仁鋸Ra︒&一︶︒そして︑売買契. 約が締結されたならば︑その後に進展が続かなければならない︒すなわち︑債務契約によって財産移動が開始され.

(9) る場合には︑この債務契約に関連づけられた財産移動は﹁清算目的﹂のために︑つまり弁済のために︵︒墜鋸. ω︒一く窪色行われる︵穿ヨm目﹄動Pω﹂琶︒それゆえに︑売主は﹁弁済のため﹂に目的物を買主に引き渡すのであ. り︑買主は﹁弁済のため﹂に代金を売主に支払う︒このように人の行為による財産移動は出掲︵N毫Φ&巨閃︶であ. り︑出損とは︑当事者の一方がその意思に基づいて財産上の損失をなすことにより︑他方を利得させることを意味. する︵石里暑久夫﹁出指﹂民事法学辞典上巻増補版入九〇頁︶︒出摘は人の行為による財産移動であるから︑それは必ず目. 的に向けられている︵寄①炉■Φぎ菖9号ω>凝窪①ぎ①づω昌三R9算ωレ︒鐸ωるヨ困一嘗ρ鎧99ω●昌︒したがって︑出揚行. 為は行為の有効性・存続に対する行為目的の影響の有無によって︑有因行為︵蓋5巴①ω089弾︶と無因行為︵畢. 弩舞塞曾ω9弾︶に区別することができる︵固仁ヨρ窪︒ρψ一器3困凶爵ρ鐘b︒ψ︒︒昂る︒ぎ翌α29§島譜窪N貫需挙. θ琶鵯ざ己一窪8琶9葺げ&魯琶讐pお・︒一あ﹂ω律石田・前掲入九〇頁︶︒すなわち︑有因行為と無因行為の区別の基準. は︑e目的の合意︵N壽良奉邑呂費巨閃︶を出指行為の成立要件に含むか否か︑口そこで合意された目的の到達. ︵N≦①︒ぎ霞Φ酵R目鐙︶に出掲行為の効力が依存するか否か︑という点に存在する︵富ぼ長貫霧鈷︒雲鐙富痒δ急ω﹂目. N9零ぼ痒αR留く蒔ミーωま言凝剛鐸罐︒露招a︒耳Φ扇貸︒︒︒あ﹂犠3寧目簿9・き・Pω﹂費あ魯轟&9き・︒・ψ蕊3︒右の区. 別は︑結局のところ出指行為の法的構造に関する差異にほかならない︒そして︑e目的の合意と口目的の到達との. 関係で注意すべきことは﹁目的の到達は目的の合意を前提とする﹂ことである︒なぜならば︑目的の合意が存在し. なければ︑そもそも目的の到達を観念することができないからである︒右のことを前提とすれば︑有因行為は目的. の合意を当該行為の成立要件に含んでおり︑かつその目的の到達に依存する行為である︒これに対して︑無因行為. は目的の合意を当該行為の成立要件に含まず︑したがって︑その目的の到達にも依存しない行為である︒. 4 無因行為である手形行為は目的の合意︵N壽良お邑旨費§閃︶を当該行為の成立要件に含まず︑その目的の到. 一六三. 達︵N≦︒良の墓凶3R琶臓︶にも依存しない︒したがって︑例えば︑約束手形が売買代金債務の支払のために振出され︑ 商事判例研究.

(10) 早法七二巻一号︵一九九六︶. 一六四. その後︑売買契約が無効・取消などの事由によって消滅した場合でも︑約束手形の振出は依然として有効であるか. ら︑手形債務も存在する︒しかし︑この場合には︑約束手形の振出の当事者間で合意された手形債務負担の目的が. 到達されていないから︑手形債務の負担それ自体が﹁法律上の原因﹂を欠く出掲となり︑したがって︑受取人は振. 出人の損失において手形債権︵無因債権︶を不当に利得することになる︵ドイツ民法八二一条二項参照︶︒つまり︑無因. 的債務負担行為の法的構造の特殊性のために︑無因債権それ自体が不当利得の対象になるものと考えることができ. る︵≦①凶ぎ雲99Φぱ韓巨堕ぎ扇霧房ぼ津剛辞O器ヨ日霞9一S︒︒あ﹄臼貼.我妻榮・債権各論下巻一九四八頁︑松坂・事務管理・不. 当利得︵新版︶七一頁︑四宮和夫・事務管理・不当利得一一〇頁︶︒そして︑手形債務負担行為によって追求された目的が到. 達の途上にある場合には︑ひとまず法律上の原因を有する債務として受取人は当該債権を保有することができる︒. これに対して︑その目的が挫折する場合には︑手形債務負担の法律上の原因が欠敏するから︑当事者間に不当利得. 返還請求権が根拠づけられる︒そして︑この場合には︑受取人の手形金請求に対して債務者たる振出人は右の事由. を人的抗弁として対抗することもできる︵上柳克郎﹁手形債権の無因性﹂会社法・手形法論集三さ二頁︑三七四頁︵注︶二︑大. 塚龍児﹁原因関係の時効消滅は人的手形抗弁となりうるか﹂北大法学論集三八巻五・六号下巻三二四頁︑同﹁本件判批﹂法学教室九一. 号一二七頁︑四宮・前掲一二四頁︶︒したがって︑手形行為の原因︵︒き冠とは原因債権︵9琶段︒三霊鑛︶であるより. は︑むしろ手形授受の当事者が手形債務の負担によって達成しようとした行為目的︵OΦω鼠雰署Φ畠︶であると考え. ることができる︵Nα一一房ぴ9①≦騨ざ轟<8田員a8雲ω8∋9§身①旨艶9一ω鴨鷺呂びR≦9房色琶αω魯①良ぎ匙段自響α号の. Φ曇象Z魯ヨRρN=力に︒︒︵一︒︒︒昏︶G︒一︒︒拝ωo富鋤民①び田糞亀鶏きω価①§9§身R鼠一g陣ω鴨閃象島象Φ艮g≦Φ9ωΦ一−毒qω900凝−. 鼠暮蒔9旨這8口︒ミ味 福瀧博之﹁原因関係に基づく手形抗弁の法律構成﹂川又還暦・商法.経済法の諸問題四〇四頁以下︑四一七. 頁︑高田晴仁﹁裏書の単純性とその機能﹂法学政治学論究一一一号≡一八頁以下︶︒このように︑不当利得についての規定は無. 因的出指行為の制度に対して必要不可欠な相関概念なのであり︵固二Bρ窒︒Pω﹄罫原島重義﹁﹃無因性﹄概念の系譜に.

(11) ついて﹂九州大学法学部三+周年記念論文集・法と政治の研究四七四頁以下︶︑無因行為である手形行為の原因︵︒磐絶が欠. 敏した場合には︑当事者間に不当利得関係が成立し︑それが人的抗弁を基礎づける︒すなわち︑無因行為の背後に. 存在する利益調整機能である不当利得返還請求権こそが︑手形法一七条本文が規定する﹁人的関係二基ク抗弁﹂の. 5 本判決では︑原因債務の支払のために手形がされた当事者間の原因債権の消滅時効が人的抗弁事由である︑. 正体であると考えられる︵高田・前掲二二九頁︶︒. と判示している︒しかし︑手形授受の直接の当事者間で認められる人的抗弁の本質を﹁不当利得の抗弁﹂であると. する私見の立場からは︑原因債権が消滅時効にかかることによって︑手形授受の直接の当事者間で合意された手形. 債務負担の目的が不到達に終わり︑その結果︑手形を保有することそれ自体が不当利得を構成するのか否かについ. てする必要が生ずる︒換言すれば︑原因債権の消滅時効の場合はω原因契約の無効・取消などの事由によって原因. 債務が不存在となる場合や@原因債務の弁済による消滅の場合と同一視することができるのか否かが問題となる︒. 本件のように︑原因債務の支払いのために手形が授受された場合には︑原因債権と手形債権とが併存する︒この. 場合には︑原因債権の時効消滅は手形金請求に対する人的抗弁事由となるというのが︑わが国の通説である︵竹. 田・前掲四六頁︑大隅健一郎H河本一郎・注釈手形法小切手法一九〇頁︑大野實雄﹁振出人と受取人との関係﹂手形法・小切手法講座. 二一八頁︑高窪利一・手形・小切手法通論︵全訂版︶三さ二頁︶︒しかし︑私見では︑原因債権の時効消滅の場合は︑条文. 商事判例研究. 一六五. 制度論理と援用の問題﹂消滅時効法の原理と歴史的課題三六頁︶︒例えば︑債務者が消滅時効を援用したとしても︑それに. その判断は蓋然的判断であって︑判断の対象たる事態そのものが明瞭確実になるわけではない︵内池慶四郎﹁時効の. て曖昧となった法律関係を︑現状に即した正当化事由の存在の蓋然性によって処理しようとする制度であるから︑. や@原因債務の弁済による消滅の場合と本質的に異なるものと考える︒というのも︑時効とは︑時間の経過によっ. の文言上は同じく債権の消滅であってもω原因関係の無効・取消などの事由によって原因債務が不存在となる場合. 11.

(12) 早法七二巻一号︵一九九六︶. 一六六. よって当該債務の不存在や弁済が確定されたことにはならない︒この点において︑債権の消滅時効の場合は前記ω. の場合や@の場合とは明らかに異なるものなのである︒なるほど︑現行民法典では消滅時効の効果を条文上﹁債権. ハ⁝⁝消滅ス﹂と規定しているけれども︵民法第一六七条︶︑それが完全に貫かれているわけではない︵民法第五〇八条. 参照︶︒この点︑内池慶四郎教授は︑時効について旧民法と現行民法を比較検討され︑﹁旧民法では自然債務が﹃相. 殺ノ抗弁二依リテモ之ヲ要求スルコト得﹄ないものであったi財産編五六二条ーのに対して︑現行民法五〇八. 条はドイツ民法第二草案の影響の下に時効にかかった債権により相殺することを認めているなど︑時効の効果が旧. 民法におけるよりも明らかに後退しているので︑現行法における効果内容は権利得喪論から単純に割り出すことが. できない点に注意を要する﹂ことを指摘されている︵内池﹁時効完成後の債務の承認﹂演習民法︵総則物権︶三二六頁︶︒こ. のように現行民法典においても︑消滅時効の援用によって債権は完全に消滅してしまうのではなく︑げんに自然債. 務として存続すると解釈するのが一般的な理解である︒さらに石田喜久夫教授は︑消滅時効援用後の債務の弁済の. 問題について﹁消滅時効の抗弁を出された債務も自然債務として存続するから︑ここで議論されているような形で. なされた弁済は︑本旨債務の弁済として完全に有効であ﹂る旨を主張されている︵石田﹁消滅時効と債務﹂自然債務論. 序説六〇頁以下︑同・新版注釈民法⑯六六四頁︑同旨︑谷口知平・不当利得の研究一一二頁以下︑磯村哲﹁債務と責任﹂演習民法m債. 権総論一三頁以下︑沢井裕﹁自然債務﹂総合法学一九六一年一一月号五一頁︶︒そして︑この解釈を前提とすれば︑原因債権. の消滅時効が援用されたとしてもそれは自然債務として存続するから︑手形行為の目的は不到達とはなっておら. ず︑手形行為の原因︵︒翌絶の欠鉄もきたしていない︒それゆえに︑手形授受当事者間に不当利得を根拠づけるこ. ともできない︒したがって︑原因債権の時効消滅は手形金請求に対する人的抗弁事由とはならないものと言わざる を得ない︒. これに対して︑前記ωの場合や@の場合は原因債権の消滅時効の場合と事情を異にする︒ω原因契約が無効・取.

(13) 消などの事由によって消滅した場合には︑その効果として原因債務も消滅する︒その結果︑手形行為の目的である. ﹁手形を用いて原因債務を弁済する﹂H﹁弁済目的﹂も不到達に確定するから︑手形行為の原因︵︒貰量が欠敏し︑. したがって︑手形授受当事者間には人的抗弁が基礎づけられる︒実質的に考えても︑↑りの場合には︑原因契約の消. 滅によって反対給付︵対価︶を得ることなく︑債務者だけが手形債務の支払を強制されるという不都合が生じてお. り︑この不都合を排除するために手形授受当事者間に人的抗弁による対抗を認める理由が存在する︒@の場合に. は︑手形金の支払がなされる以前に原因債務が弁済されると︑それによって債権者は一定の財貨獲得という目的を. 達成したことになるから︑原因債権は目的到達によって消滅する︵於保不二雄・債権総論︵新版︶三四八頁︶︒手形債権. ↓昌びuR>凝弩α器↓色α①ωUの暮ω98雪旙呂9窪認9寅切き巳H逼コ巴留﹂曽︒︒あ●旨巳︒それゆえに︑原因債. は原因債権とは法律的には別個・独立の債権であるけれども︑経済的には一回の給付によって満足すべき関係にあ る︵. 権が弁済された場合には︑その結果︑手形行為の目的である﹁手形を用いて原因債務を弁済する﹂U﹁弁済目的﹂. が不到達に確定するから︑手形行為の原因︵︒雲絶が欠敏し︑したがって︑手形授受当事者間には人的抗弁が基礎. づけられる︒また@の場合には︑手形債権と原因債権の併存を認めたことから生ずる二重弁済の危険を債務者が負. 担するという不都合が生じており︑この不都合を排除するために手形授受当事者間に人的抗弁による対抗を認める 実質的理由が存在する︒. 以上のことからすれば︑原因債権の消滅時効の場合は︑前記↑りの場合や@の場合とは法律的に同一視することは. できないし︑実質的に考えても︑前記ωの場合や@の場合に債務者に生ずる不都合は何ら生じてはいないのであ. る︒結局のところ︑原因債権が時効にかかったということは︑当該原因債権を積極的に行使することが妨げられる. 一六七. ことを意味するにすぎないように思われる︵大塚・前掲﹁原因関係の時効消滅は人的手形抗弁となりうるか﹂三二六頁︑同・ 前掲﹁本件判批﹂一二七頁︶︒. 商事判例研究.

(14) 早法七二巻一号︵一九九六︶. 一六八. 四 この問題に関して︑かねてから木内宜彦教授が﹁⁝⁝既存債務の時効による消滅時効が問題となる︒しか. し︑まず既存の債務の時効による消滅が給付目的の消滅をきたして︑弁済や相殺などの場合と同様に8霧鋤の欠. 訣をきたすということには疑問であ﹂ると述べられ︵木内﹁手形の原因関係と手形抗弁﹂手形抗弁の理論六四頁︑同﹁本件判. 批﹂前掲三八五頁︶︑その後に発表された多くの論文がこの場合に不当利得の成立を否定し︑原因債権の消滅時効を. 人的抗弁事由とはならないと結論づけていることは正当である︵大塚・前掲﹁原因関係の時効消滅は人的手形抗弁となりう. るか﹂一三一頁︑同・前掲﹁本件判批﹂一二六頁︑田邊光政﹁本件判批﹂判例評論三五五号五七頁︑同﹁手形債権と原因債権のうちの. 一方についての時効中断と他方についての中断効の有無﹂手形研究四七五号二三︼頁︑林蜴﹁期限後裏書と手形抗弁﹂北大法学論集三. 一巻三・四号下巻四二一頁︑菅野佳夫﹁手形授受の当事者間における原因債権の時効消滅を︑人的抗弁と認めないための一試論﹂法経 論叢︵三重大学︶一〇巻一号四五頁︑吉田光碩﹁本件判批﹂判例タイムズ六七〇号七二頁︶︒. 右のような見解に対して︑時効援用権濫用説から次のような批判がある︒すなわち﹁右の見解は消滅時効の完成. により権利そのものが消滅すると構成するわが国の時効制度と調和しない︒それゆえ︑わが時効制度と手形債権の. 無因性とに矛盾しない解釈論的構成を考えるならば︑債務者が原因債権の消滅時効を援用することは信義則違反な. いし権利濫用にあたると解するほかあるまい﹂という批判である︵山崎潮﹁手形金請求訴訟におけるその原因債権の時効消. 滅の抗弁の当否﹂判例タイムズ三九二号二八頁︑奥島孝康﹁本件判批﹂昭和六二年度重要判例解説ジュリスト九一〇号二八頁︶︒し. かし︑現行民法の時効制度は権利得喪論から単純に割り出すことができないことは︵内池・前掲﹁時効完成後の債務の. 承認﹂三一一六頁︶︑既に述べた通りである︒時効援用権濫用説の論者は﹁手形債権と原因債権が併存する場合︑その. どちらか一方が存続するかぎり︑債務者は支払に応ずる意思があると解釈するのが合理的であり︑かかる意思をも. って手形を交付した債務者が原因債権の消滅時効を援用することは信義則に反し︑時効援用権の濫用にあたるとい. うべきである﹂と主張する︵山崎・前掲二八頁︑奥島・前掲一一八頁︶︒しかしながら︑そのような意思を一体何を根拠.

(15) に認めることができるのであろうか︒もし︑手形授受当事者間の手形外の合意の中に手形債権と原因債権のどちら. か一方の債権が存続する限り支払いに応ずる意思が含まれているというのであれば︑その合意によって当事者は拘. 束されることになる︒すなわち︑その場合には手形授受当事者間には原因債権の消滅時効を援用しないことを目的. とする債権・債務が成立し︑その違反は債務不履行を構成することになる︒しかし︑そのような合意はとりもなお. さず時効利益の予めの放棄であり︑したがって︑それは民法一四六条の規定と正面から衝突するから︑そのような. 合意を根拠に時効援用権の濫用を根拠づけることはできないことになる︒これに対して︑右のような意思が事実上. のものにすぎない場合にも︑債務者の原因債権の消滅時効の援用が信義則違反・権利濫用になるとするならば︑原. 因債務の支払のために手形が授受された場合には︑原因債権の消滅時効の援用権がはじめから否定されているのと. 全く同じことであり︑それは民法第一四六条の規定の趣旨に反することになるから︑したがって︑原因債権の消滅. 時効の援用を権利濫用として根拠づけることもできない︒このように時効援用権濫用説に対しては︑民法第一四六. 私見の結論を要約すれば︑原因債権の消滅時効が援用されても︑それは自然債務として存続するものと解す. 条の規定に反する法律構成になっており︑その理論構成自体に問題があると批判することが可能である︒. 六. るから︑それによって手形行為の目的は不到達とはならず︑したがって手形行為の原因︵︒窪絶は欠敏しない︒そ. の行使には原因債権の主張・立証を必要とせず︑しかも手形債権は原因債権とは法律的には別個・独自の債権なの. れゆえに︑原因債権の時効消滅は手形金請求に対する人的抗弁事由とはならないものと考える︒さらに︑手形債権. であるから︑手形債権の行使には原因債権の行使を含むものと解することもできない︒したがって︑私は︑島谷裁. 一六九. ︵渋 谷 光義︶. 判官の少数意見と同様に原因債権の時効消滅は手形金請求に対する人的抗弁事由ではなく︑原因債権の時効中断を 認める必要もなかったと解さざるをえない︒. 商事判例研究.

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参照