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日本企業の中国ビジネスと中国法

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日本企業の中国ビジネスと中国法

著者 塚本 宏明

雑誌名 關西大學法學論集

55

3

ページ 871‑875

発行年 2005‑09‑30

URL http://hdl.handle.net/10112/12069

(2)

﹁グローバル企業と現代中国ビジネス法﹂︵ニ・完︶ とめてみたいと思っております︒ 関西大学法科大学院特任教授・弁護士 関西大学法科大学院の特任教授ということで︑中国法を担当しております弁護士の塚本でございます︒

本日は︑法科大学院開設記念シンポジウムにご参会いただきまして︑誠にありがとうございます︒

本日のシンポジウムは︑﹁グローバル企業と現代中国ビジネス法﹂ということで開催させていただいております︒司会者の方か ら全体的な問題提起をするようにということでございますが︑非常に範囲が広うございまして︑個別に述べるというのは大変時間 がかかることでございます︒大きく分けて二つございます︒

W T

O加盟後の中国ビジネス法ということでございまして︑最

近の外資投資法関係の問題であるとか︑会社法の改正の問題です︒二日目の七番目の﹁中国の会社法実施における問題点及び改正 の動向﹂は初日に予定していましたが︑胡先生のご都合がどうしても取れないということで二日目にずらせていただきました︒そ

の点を除けば︑初Hは大体

W T

O加盟後の中国ビジネス法という関係︑二日目は︑中国における紛争の解決ということを中心にま

中国の改革開放が始まったのが七八年の末ですから︑もう二五年余になります︒

改革開放当時というのは︑法律と名のつくものは正式には四つぐらいしかなかったので︑元々中国は法整備が遅れているとか︑

法が足らないと言われたのですが︑現在では︑私ども実務家から言わせますと︑過剰立法ではないか︒要するに法律の数はすごく

﹁日本企業の中国ビジネスと中国法﹂

塚 本 宏 明

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松下さんは︑随分前からやっておられますが︑ そういうところから︑H本企業が中国ビジネスをやっていく場合に︑法規の誤解や法規が理解できないということが起こり︑あ

るいはその前に︑法規を把握できないということがあったわけでございます︒最近は︑全体としては︑そういう問題は解消されつ

つありまして︑甚本法規の見直しということをしつつあります︒これが一段落しますと︑中国法というのはもう少し外国人にとっ

ても見やすい体系になろうと思いますが︑現状では少し注意をして見なければならないという問題がございます︒

日本企業の中国投資が増えていきますと︑それに伴ってトラプルが起きて紛争が増えてきます︒トラブルが起きたときに︑日本

企業の人は︑中国というのはあそこが悪い︑ここが悪いということをよく言うのです︒確かに︑中国側の制度の未整備の問題で

いろんなことがございますが︑

側のせいに日本人はしすぎるんじゃないかという気がするのです︒

なぜかというと︑日本の方が外国投資をしているのにもかかわらず︑外国に投資している観念が非常に薄い︒欧米へ投資する場

合ですと違った国へ投資するという感覚が強いかもしれませんが︑隣の国の中国投資ということを考えますと︑﹁同じだ﹂という

感覚が強すぎて︑そこに違いがあるということを往々にして忘れてしまうという問題が起きてまいります︒投資するについても︑

法制度の事前チェックということはなかなか十分に行われないまま行われて来たのです︒

ざいますが︑これらの企業でも︑中国法務というものを正式に位置づける︑あるいは中国法務マンを養成しようという動きが出ま

したのは︑実際には一九九七︑八年頃からなのです︒あれだけ大商社等が中国に行きながら︑九七年頃になって︑やっと各種の家

電メーカーさんなり︑商社さんなりから︑これから中国の法務マンを養成したいのだけれども︑どういうふうに養成したらいいん

だろうか︒中国の大学に行かせるのがいいでしょうか︑それとも中国の法律事務所に研修という形で入れた方がいいのでしょうか い側面があります︒ 関法

三五ニ

多くなった︒ただ︑そのなかの整理が十分できているかというと︑外国人からみますと立法技術の問題もありまして︑わかりにく

いろんな事情を聞いて見ますと︑どうも紛争が起きたり︑失敗をしたりする理由を中国

一般的にいきますと︑例えば日本の大企業︑家電さんもありますし︑商社等もご

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﹁グローバル企業と現代中国ビジネス法﹂︵ニ・完︶

それから︑企業買収の問題は︑

もらえるのではないかと思っております︒

たった七︑八年前の一九九七年頃から︑

スはやっていますが︑﹁中国は︑法務といっても︑法律問題で片づく話じゃないしな﹂ということで︑大きな会社で国際法務部門 があり︑独禁法法務部門があり︑国内法務部門があるというようなところでも︑中国法務については国際法務部門に人れてくれて なかったのです︒各事業部門の一部に中国法務を扱う人がいるという形で過ぎてきたというのが実情です︒それが︑やっと二

o o

0年を過ぎてから︑国際法務の一部門に中国法務を入れるようになったというのが現況でございます︒

また︑﹁中国は︑人治で︑法治は?﹂ということがよく言われていますが︑それは日本人として強調しすぎるので︑もっとわれ われとしては︑日本人自身が中国の法制度というものをきちっと理解して︑それにどう対応するか︑これからの日中ビジネスは︑

法を抜きにしては語れないということを考えなければいけないのではないかと思っております︒

それで︑今日︑これからございます投資関連については︑まず現況での投資関連の法整備の状況を陳先生からお話をいただき︑

そのあと︑進出した企業で起こりうる労働紛争に関連して︑中国の労働紛争の特色あるいは紛争処理の間題として労働仲裁等の問 題についての状況なり︑進め方を高弁護士の方から話していただきます︒時間が短いので︑概略ということになりますが︑制度の 製造物責任も︑中国で︑日本の製品について問題になって新聞等で書かれているものございますが︑製造物責任の法的な解決は

非常に大きい問題です︒もう︱つは︑現実的にどんな形で紛争が処理されていくのか︒製造物責任について言いますと︑ほんとう

に法的な道筋よりも︑

やっと始まったという段階なのです︒それまではどうしていたかといいますと︑ビジネ いわゆる報道によるバッシングみたいなものが沢山出てきまして︑そういうところにどう対処するかが弁護

士としては困るということもあるわけですが︑そんな点も含めて関先生からご紹介いただければ︑中国の現状というのが分かって

一昨年の暮れ頃から注目され出しました︒これは

H本企業も中国に沢山出ていて︑今後︑その再

概略をまずつかんでいただきたいと思っております︒ という相談を受けるようになりました︒

竺 五 一 ︱

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第五五巻︱二号三五四 編をしていく︒それから︑中国の国営企業その他についても︑企業再生のためにいろんな再編をしなければいけないという問題で ございまして︑これについては︑村上弁護士の方から︑新しい制度として︑どう活用できるか︑注意点はどこかということを概略 明日は︑基本的には紛争問題です︒日中間での民事訴訟法の運用等について︑どのような違いがあるのか︒制度的な問題あるい

は質問を通じて実際上の問題等についての感覚を得ていただければ非常にありがたいなと思います︒

法制度というのを見る場合︑翻訳文で見ることが多い︑例えば中国法を日本語に直して日本法と比べてみます︒そうすると︑文

字としてはほとんど変わりがないというのが沢山あるわけです︒でも︑法というものは常に時代と場所それぞれのところで︑その 文言によって担われる機能というのは違っているわけです︒日中間の問題でも︑法文を照らし合わせて︑﹁あぁ︑同じだから日本 と中国は一緒だ﹂というふうに考えないで︑同じような法文のもとに︑どういう違いがあるのかということを考えていただく︒学 生の方もいらっしゃると思いますが︑法を考えるときに︑国際比較という面ばかりではなく︑日本法においても︑やはり同じでし て︑例えば民法のある条文で︑大正時代に考えられたような内容と︑今︑それが担わされている機能︑解釈範囲︑妥当性というの が違ってくるわけです︒法というのは︑場所と時が違うことによって︑同じ条文でも担う機能が違う︒中国との関係でも︑中国の 法文のなかで︑どういう機能が担われているのかということを考えながら︑日本法と比較するということが必要であろうと思いま す︒中国の歴史といっても︑古い明時代とか清時代を考える必要はございませんで︑特に考えておくべきは︑ここ五

0年の社会主

義中国︑計画主義から変わってきた中国という問題︑だんだんと計画から自由へと変わってきた︒逆に

H本の場合は︑個人の権利

が非常に拡大されたところから︑ある種の制約が出てきたという面がある︒両方の側からいって︑

なっていても︑そこには担っている機能が違っているという面が沢山ございます︒そういう面で︑その背景を考えながら法規を考 えるということによって︑両国の法制度の違いというのを︑もう少し通常よりは正確に把握できるのではないかと思っております︒

その辺について︑皆さんにお考えをいただきながら︑このシンポを進めさせていただければ非常にありがたいと思っております︒ 説明していただこうと思います︒

関法

いま同じような法文上の形に

(6)

﹁グローバル企業と現代中国ビジネス法﹂︵ニ・完︶

問題提起というよりは︑挨拶みたいなことになりましたが︑これで終らせていただきます︒どうも︑ありがとうございました︒

WTO加盟後の中国の主な外資関係法整備の状況﹂

法﹂のシンポジウムに参加させていただき非常にうれしく思います︒

復旦大学法学院教授

(通訳•中国弁護士

尊敬する関西大学学長•河田先生及び今日ご来賓の皆様、本日の関西大学法科大学院の「グローバル企業と現代中国ビジネス 関西大学の法科大学院は︑すでに四月に設立されまして︑私の祝福は若干遅れてしまいましたが︑どうぞ︑お許しください︒

Hの私のテーマは︑﹁

W T

O加盟後の中国の主な外資関連法の制定及び改正の状況﹂でございます︒

私の報告は︑六つの部分に分けることができます︒まず一番として︑現行の中国の外資法の体系を簡単に概略として説明させて

一九七八年から改革開放政策を実施しはじめ︑その後︑段階的に外資が中国で投資することに関する法律を整備してき ました︒現在の段階では︑外資の経済発展の要求にわりと応えることができる︑あるいは適用する外資法の体系を樹立しています︒

中国外資法体系は︑全国人民代表大会及びその常務委員会が制定する専門の法律︑それから︑国務院が制定する専門行政法規︑

三五五

焙 ︶

治 東

参照

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