未来を開く図書館ネットワーク
埼玉県図書館連携活動報告書
平成 22 年 3 月
埼玉県図書館連携活動報告書共同執筆委員会
目次
はじめに 2
埼玉県における館種を超えた図書館連携について
西村 哲(埼玉県立熊谷図書館) 5
図書館と県民のつどい
池田幸子(埼玉県立浦和図書館) 12
埼玉県大学・短期大学図書館協議会(SALA)の活動について
鈴木正紀(文教大学越谷図書館) 18
「共通閲覧証」を通した協力体制 : 埼玉県大学・短期大学図書館協議会の活動-
菊池美紀(聖学院大学総合図書館) 22
城西大学図書館における館種を超えた地域連携
若生政江(城西大学水田記念図書館) 25
埼玉県地域共同リポジトリ形成事業 : 情報ネットワーク社会における地域連携の可能性 村田 輝(埼玉大学図書館) 30
埼玉県図書館連携報告書共同執筆委員会 39
県立図書館 大学図書館 学校図書館 市町村立図書館
類縁機関図書館
地域における情報拠点形成プロジェクト
地域リポジトリ SUCRA
インターネットを通して、価値ある知識・情報 へのアクセスを可能に
埼玉県図書館協力ネットワーク
物流ネットワークと資源共有
地域・館種を超え、
全世界の価値ある資料・情報を届ける
知識基盤社会を生きる市民をサポート
レファレンス協同DB 事例提供数全国№1
スピーディーで的確な情報提供および 情報利用支援を実現
地域との連携
男女共同参画社会の実現
子育て支援図書館・ビジネス支援図書館 など豊かな男女共同参画社会の実現へ
埼玉県では館種を越えた図書館連携によって、埼玉県に関わる全ての人々を支援します。
どんな小さな図書館も全世界の価値ある資料や情報とつながっています。
市民のニーズ
はじめに
埼玉県における図書館連携活動は、その圧倒的な規模及び構想力において他に例を見な い。埼玉県図書館協会公共図書館部会に加盟している施設は 218 館あり、埼玉県大学・短 期大学図書館協議会に加盟している機関が 45 機関あるが、これらの全ての図書館が活発に 連携し、その総合力によって県内全域にサービスを展開している。このことは埼玉県に住 み、あるいは活動している人々の知的ニーズが高度かつ広範であって、単一の図書館で対 応しきれるレベルではないことを意味している。
埼玉県は人口が多く(平成 22 年 2 月現在推計約 717 万人、全国第 5 位)、生産年齢人口 割合の高い(平成 17 年調査 69.4%、全国第 1 位)活気に溢れた県である。首都東京に隣接 し、交通の利便性も高いことから、多様な産業が集積する一方で、豊かな自然にも恵まれ ている。県外への通勤・通学者が全国で最も多いことも特色であり、働く場所であるとと もに住む場所としての性格も強い。埼玉県は住民が英気を養い、知識を蓄え、活動に向か っていくための拠点であり、文化・教育・情報・福祉等の面での高いレベルの住民支援が 求められているといえる。
図書館は複合的・横断的性格にその特徴がある。学校や公民館、美術館・博物館、スポ ーツ施設といった公的施設がそのサービス対象と用途を自ずから限定してしまうのに対し て、図書館のサービス対象は年齢・職種を問わず、教養・文化から、子育て・教育、調査・
研究、職業・ビジネス、趣味・娯楽、生活上の必要に至るまでの様々な用途に活用され、
住民の福祉や社会・経済活動に貢献する。また、地域の大学・研究機関等に付設される図 書館の蓄積する高度な知識・情報は、その十全な活用がなされるならば、地域にとって極 めて重要な資源となる。知識基盤社会・情報化社会に生きる人々が、その経済的条件に関 わらず、持てる力を十分に生かし、自己の実現に向けてチャレンジできる基盤を提供する ために、図書館は高度化されなければならず、公共・学校・大学等の館種を超えた図書館 連携が一層求められているのである。
なお、本報告書の目的は、埼玉県において大規模に進められている館種を超えた図書館 の連携活動について、その理念、現状と経緯、今後の展望を整理し、埼玉県における未来 志向の図書館施策に資することにある。本報告書を構成する各論稿を読んでいただければ、
埼玉県における図書館連携活動の目指すべき方向性と図書館施策に望まれるものが自ずか ら見て取れるものと思われるが、総括的提言を以下に列記することにより、本報告書の序 文としたい。
<知識基盤社会と図書館>
21 世紀は知識基盤社会といわれ、知識そのものが経済発展や社会福祉に大きな役割を果 たす社会に大きく変貌を遂げつつある。知識社会においては、高度な知識やその知識の体
系が仕事の上でも生活の中でも必要不可欠であり、国家・社会・個人が繁栄を維持するた めには、国民の全てに対して高度な知識体系へのアクセス機会が提供されなければならな い。その具体的な実現は、レファレンス中心の図書館構築、電子化された資料を含む戦略 的蔵書形成、大学・研究機関との連携による知識・情報の活用などによってなされなけれ ばならない。
<レファレンス中心の図書館構築・図書館職員の高度化>
公共図書館は従来、住民の教養・娯楽のために図書の貸出を行う施設というイメージが 強かったがこれは周辺的機能に過ぎない。公共図書館の主たる機能は、住民の社会的・経 済的活動や、生活上の諸問題を解決するための情報提供及び情報利用支援にあり、この本 来的な機能を実現するためには、レファレンス中心の図書館が構築されなければならず、
図書館職員の高度化が必要である。ちなみに、埼玉県立図書館は、国立国会図書館のレフ ァレンスデータベースの寄与度全国 No.1 で表彰されるほどの実力を有しており、さらなる 発展が求められる。
<地域における物流ネットワークと資源共有>
埼玉県においては、資料の相互貸借ネットワークが全県的に整備されており、全ての県 民が地理的条件に関わらず、大学図書館の所蔵する高度な学術書も含めたあらゆる資料を 入手できる環境が整備されている。この環境は埼玉県における大きな成果として維持され なければならないないとともに、「埼玉県図書館協力ネットワーク」への埼玉県大学・短期 大学図書館協議会(SALA)の参加によって、さらなる展開・発展が望まれる。また、埼玉 県立図書館は、県内の全ての住民と図書館にとっての資料・情報の最後の砦としての役割 を果たすべく、保存図書館機能を確立する必要がある。
<地域における情報拠点形成プロジェクト>
情報のデジタル化とネットワーク化が社会全体に浸透している今日、図書館は紙媒体の 資料を扱うだけでは十分ではなく、インターネットとデジタル技術を活用した情報の収 集・蓄積・発信及び各種情報サービスを展開する必要がある。埼玉県では、地域の図書館 の館種を超えた連携によって、情報ネットワーク上の共同図書館である「埼玉県地域共同 リポジトリ」の形成を進めているが、この事業は地域の住民や研究者等と広範に連携しつ つ、埼玉県における情報拠点形成プロジェクトとして一層推進される必要がある。
<豊かな男女共同参画社会実現への貢献>
今後の日本では男女共同参画社会への転換が求められている。男女が共に安心して働く ことのできる環境を整備するとともに、子育てを家庭だけではなく社会が担い、知識基盤 社会に相応しい子育て、子育ての質が求められる。図書館は未来の知識社会に生きる子ど
もたちに相応しい知的空間を提供するとともに、図書館に保育所を付設するなどの工夫を 通して親子をともに支援する子育て支援図書館を設置し、豊かな男女共同参画社会実現へ 向けて貢献する必要がある。
<図書館ネットワークによる人材育成>
埼玉県における館種を超えた図書館ネットワークは、人材育成の面でも活用されるべき であり、公共・学校・大学図書館を越えた共同研修や人材交流等を通して、知識基盤社会 に対応できる高度な図書館職員が養成されなければならない。また、人材の高度化のため には、県内の教育・研究機関との連携によって図書館職員の再教育・研究活動の場が提供 されなければならず、また有為な人材を確保するためのシステムが構築されなければなら ない。
埼玉大学図書館専門員 村田 輝 埼玉大学図書館長 坂西友秀
埼玉県における館種を超えた図書館連携について
西村 哲(埼玉県立熊谷図書館)
0. はじめに
埼玉県では近年,大学図書館と公共図書 館とが資料の相互貸借を中心に館種を超え て連携する取り組みを模索している。
本文は,このような動きについて,埼玉 県 大 学 ・ 短 期 大 学 図 書 館 協 議 会 ( 略 称 SALA)(http://www.sala.gr.jp/)と埼玉県 立 浦 和 ・ 熊 谷 図 書 館
(https://www.lib.pref.saitama.jp/)とが,
共同で報告するものである。
1. 資料相互貸借を巡る動き
埼玉県の公共図書館界では,昭和 40 年 代から図書館資料の相互貸借を行ってきた。
大学図書館との関係では,平成 17 年 3 月に埼玉大学図書館と県立図書館とが相互 協力に関する協定を結び,貸借資料の搬送 のため,平成 17 年度当初から県立図書館 の搬送車の巡回コースに埼玉大学を加えた。
また,翌平成 18 年3 月には埼玉県立大学 情報センターと協定を結び,平成 18 年度 当初から県立大学にも搬送車を巡回させて いる。
さらに平成20 年4 月から,県内市町村 図書館の希望館と両大学とで資料相互貸借 の試行を行い,平成 21 年度当初からは埼 玉県図書館協会公共図書館部会加盟館と両 大学とで本格実施している。
2. 埼玉県の公共図書館の現状
埼玉県は東京都の真北に位置し,東京都 と 12 市が境界を接している。平成の大合 併を経て,平成21年12月現在40市29町 1村の70市町村あり,平成21年度末には,
このうち2市6町が2市になる予定である。
公共図書館の設置率は,合併による自治 体数の減少もあり,市・村が 100%,町が 82.8%(未設置5町)で,全体では92.9%
である。また,未設置の町においても公民 館図書室等があり,中には公立図書館を上 回る蔵書・活動を行っているところもある。
平成21年4月1日現在,埼玉県図書館 協会公共図書館部会に加盟している施設は,
県立図書館3,県の機関6,国の機関1,及 び全市町村の中央館・地区館・分館・分室,
公民館図書室の合計218館である。
県立図書館は,平成 15 年度に本格的に 電算システムを導入し,それまであった 4 館を浦和・熊谷・久喜の3館に統合,再編 した。現在は,所蔵資料と機能を分担した 3館で1館の機能を果たす図書館として活 動している。
3. 図書館協力ネットワークの概要
図 1. 埼玉県内図書館ネットワークのイメージ図(阿部浩和氏(騎西町図書館司書)作成)
(1) 資料相互貸借の現状
埼玉大学・県立大学と県立図書館相互の資料 貸借数は表2のとおりである。
埼玉県図書館協会公共図書館部会の加盟館
(自治体)どうしが平成20年度に相互に貸出 した資料点数は,203,741 点であった(『埼玉 の公立図書館 平成21年度』(埼玉県図書館協 会2009.8刊)による)。過去5年ごとの貸出冊 数の推移は以下のとおりであり,昭和55年度 と比べると27倍,平成元年度との比較では6.7 倍となっている。
表 1.公共図書館部会加盟館相互の貸出冊数
(『埼玉の公立図書館』より)
年度 貸出冊数(全県) 加盟館・施設数
昭和55 7,523 87
昭和60 15,923 111
平成元 30,406 128
平成5 62,130 151
平成10 102,164 141
平成15 176,885 159
平成20 203,741 218
表 2.大学と県立図書館との相互貸借冊数
① 埼玉大学と県立図書館(平成 17 年 4 月から)
A.埼玉大学→県立図書館 B.県立図書館→埼玉大学
年度 冊数 年度 冊数 17 233 17 350 18 188 18 630 19 193 19 475 20 229
20 226
② 県立大学と県立図書館(平成 18 年 4 月から)
C.県立大学→県立図書館 B.県立図書館→県立大学
年度 冊数 年度 冊数 18 64
18 52 19 71 19 25 20 30
20 27
平成20年度の埼玉大学・県立大学と市町 村図書館等との相互貸借冊数は表3のとおり である。
表 3.大学図書館と市町村図書館等との相互貸借冊
A.大学図書館→市町村立図書館
年度 埼玉大学 県立大学 計 20 259 100 359
B.市町村立図書館→大学図書館
年度 埼玉大学 県立大学 計 20 20 9 29
(平成20年度は試行実施。大学の蔵書を借りるには「県内市 町村図書館等に所蔵がない」「研究室用図書は判断が必要」等の 制限があり,県立熊谷図書館の図書館協力担当が市町村図書館 等からの申込みを仲介して実施した。平成21年度の本格実施 からは大学に直接申込ができるようにした。)
(2) ネットワークを支えるもの a 「連絡車」「協力車」の運行
県内図書館の資料相互貸借を主とする物流 ネットワークを担っているのが,埼玉県立熊谷 図書館を発着する「連絡車」「協力車」であり,
あらかじめ定めたコースを定期運行している。
平成20年度は,「連絡車」が県立図書館2館 及び埼玉大学等を週5回(月・水・木・金・土) 運行,「協力車」は,市町村立図書館等(70市
町村及び7機関)を週1回運行(市町村は中央 館のみ)した。「連絡車」「協力車」とも運行は 業者に委託し,業者の所有する車両で行ってい る。
「連絡車」「協力車」の主な業務内容は,以 下のとおりである。
① 相互貸借資料の搬送
② 各種交換資料の集配
③ 貸出文庫・調べ学習文庫・16ミリ映画フ ィルム・遠隔地返却資料・教育センター 返却図書等の搬送
④ 公立図書館等についての情報収集及び提 供
⑤ 図書館運営についての相談・援助 なお,④⑤の業務を行うため,担当職員が月 に1回,「協力車」に同乗している。
平成20年度の稼働日数は,「連絡車」が253 日,「協力車」は9コースを年間50~51回巡 回し,延べ454日巡回であった。
表4に平成20年度の資料別の搬送数を記す (交換資料・教育センター返却・遠隔地返却以 外は一部を除き,貸出・返却の往復の数とな る。)。
その総数は年々増加している。平成16年度 は840,787点だったので,5年間で13%増え た。
表 4.資料搬送量 相互
貸借 貸出文庫
16ミリフィ ルム
障害奉仕
用資料 交換資料
教育センタ
ー返却 高校 大学 遠隔地返却
(冊)
(タイト
ル) (冊) (点)
視聴覚そ の他
(点) (点) (件) (冊) (冊) (冊) (件) (点)
合計
(点)
820,747 1,707 15,278 3,315 40,388 11 66,467 2,937 713 1,281 268 1,100 952,237
次に,平成 20 年度の巡回コース表を記す
表 5.巡回コース表
【協力車】コース(曜日)
1コース(火):長瀞町→皆野町→小鹿野町→秩父市→横瀬町→寄居町→東秩父村→熊谷市 2コース(火):川島町→三芳町→志木市→和光市→富士見市→ふじみ野市→吉見町 3コース(水):川越市→鶴ヶ島市→狭山市→入間市→所沢市→新座市→朝霞市
4コース(水):久喜市→幸手市→杉戸町→宮代町→蓮田市→伊奈町→県民活動総合センター(伊奈)→
上尾市→桶川市→さいたま文学館(桶川)
5コース(木):総合教育センター浦和(さいたま)→さいたま市→県議会(さいたま)→戸田市
→蕨市→川口市→鳩ヶ谷市→草加市
6コース(木):羽生市→北川辺町→大利根町→栗橋町→鷲宮町→加須市→騎西町→菖蒲町
→北本市→鴻巣市→行田市
7コース(金):総合教育センター深谷(深谷)→深谷市→本庄市→上里町→神川町→美里町
→小川町→国立女性教育会館(嵐山)→嵐山町→滑川町
8コース(金):東松山市→坂戸市→飯能市→日高市→毛呂山町→越生町→鳩山町→ときがわ町 9コース(金):越谷市→八潮市→三郷市→吉川市→松伏町→埼玉県立大学(越谷)→春日部市
→白岡町
【連絡車】(月・水・木・金・土)
県立熊谷→県立久喜→埼玉大学→県立浦和→*埼玉県男女共同参画推進センター(さいたま)
→県立久喜→県立熊谷 *埼玉県男女共同参画推進センターは,土曜日のみ巡回する。
※ 平成 21 年度は予算が減少したため,「協力車」を1コース減らして 8 コースに再編し,1 コース 当たりの巡回館数を増やしたり,一部を「連絡車」のコースに組み込むなどで対応した。この結果,
現在は「連絡車」「協力車」の使い分けが不明確となっているので,平成 20年度のコース表を掲げ た。
搬送時にはプラスチック製の折りたたみコ ンテナを使用している。密封はしていない。各 種統計や荷物の個数等を巡回先の図書館等で 記載し,荷物とともに県立熊谷図書館に回送す る。
b 『図書館協力ハンドブック』-相互貸借ルー ル-
埼玉県立熊谷図書館では毎年,『図書館協ハ ンドブック』を編集・発行し,加盟館に配布し ている。
また,巡回コースの先の館に届ける資料があ る場合は「途中下車」と名付けたシステムで,
即日配送している。
これは,埼玉県における資料相互貸借に係る 処理方法等を収録したもので,市町村立図書館 等向けの「本編」のほか,「公民館編」「高校編」
を作成している。
内容としては,県立図書館の図書館協力業務
体制,資料の探し方(トゥール),相互貸借の 貸出期間・条件,申込方法,汚破損・紛失等の 事故処理,複写,協力レファレンス,障害者サ ービス,16 ミリ映画フィルム・貸出文庫等の団 体貸出,雑誌の移管受入,交換資料の配布方法 など,盛りだくさんである。
218 館に及ぶ加盟館の職員が日常の相互貸借 業務に支障をきたすことなく,円滑な運用が行 われるようにするためには,このようなマニュ アル集が必要と考えている。
この『ハンドブック』には「資料編」があり,
各種要項・要領・協定・様式集を掲載している。
以下にその一覧を記す。
(『図書館協力ハンドブック 2009 年度』より)
■資料 1 県内図書館等への図書館資料協力貸出要項
■資料 2 埼玉県公共図書館等の資料相互貸借に関する 協定
■資料 3 図書館間図書資料相互貸借要領
■資料 4 図書館協力担当者会運営要項
■資料 5 「埼玉版ISBN総合目録」運用に関する申 合せ
■資料 6 埼玉県公共図書館等における資料保存に関す る協定
■資料 7 埼玉県公共図書館等における資料保存実施要 領
■資料 8 埼玉県立図書館連絡車及び協力車運行要項
■資料 9 埼玉県立図書館連絡車及び協力車運行実施要 領
■資料 10 埼玉大学図書館と埼玉県立図書館の相互協力 に関する協定書
■資料 11 埼玉大学図書館と埼玉県立図書館の相互協力 取扱要領
■資料 12 埼玉県立大学情報センターと埼玉県立図書館 の相互協力に関する協定書
■資料 13 埼玉県立大学情報センターと埼玉県立図書館 の相互協力取扱要領
■資料 14 埼玉大学図書館及び埼玉県立大学情報センタ ーと埼玉県内市町村立図書館等との資料相互 貸借に関する協定
■資料 15 埼玉大学図書館及び埼玉県立大学情報センタ
ーと埼玉県内市町村立図書館等との資料相互 貸借要領
■資料 16 埼玉県立図書館レファレンス業務取扱要領
■資料 17 電子メールによるレファレンス業務取扱要領
■資料 18 埼玉県立図書館資料複写要項
■資料 19 埼玉県立図書館資料複写取扱要領
■資料 20 埼玉県立熊谷図書館団体貸出用視聴覚資料貸 出要項
■資料 21 埼玉県立熊谷図書館貸出文庫運営要項
■資料 22 埼玉県立図書館資料収集方針
■資料 23 埼玉県立図書館視覚障害者サービス実施要項
■資料 24 館外貸出資料遠隔地返却手続取扱要領
■資料 25 埼玉県立図書館連絡車及び協力車搬送集配資 料規程
■様式 1 平成21年度連絡車・協力車統計様式
■様式 2 所蔵調査・相互貸借申込書
■様式 3 購入希望図書申込書
■様式 4 図書館協力調査申込書
■様式 5 協力レファレンス申込書
■様式 6 資料複写申込書
毎年度当初に,埼玉県図書館協会公共図書館 部会加盟館の図書館協力担当者会議を開催し,
新たな年度版の変更箇所等について適宜協議 を行うとともに共通理解を図っている。
c 協力ウエブサイトの運営
相互貸借業務を円滑に進めるため,県立図 書館のサーバーに専用のウエブサイト(認証 必要)を設けている。運営は県立熊谷図書館 の図書館協力担当が行い,ほぼ毎週更新して いる。
内容は,休館情報,貸出条件の変更,各館 からのお知らせ,協力調査一覧,交換資料の 配布数一覧,研修会のお知らせ等である。
併せて,相互協力のための様式集や巡回日 程表,『埼玉県立図書館レファレンス事例集』
『埼玉県公共図書館視覚障害者用録音・点字 図書情報』など,業務に有用なデータベース
類のファイルを掲載している。 図 3 目録類
4. トゥール(資料の所在確認のための目 録類)・横断検索システム
「埼玉県内公立図書館等横断検索システム」
(図2)(http://cross.lib.pref.saitama.jp/)の稼働 により,加盟館どうしの所蔵資料の確認が容易 になった。
・ 『埼玉県郷土資料総合目録 昭和45 年3 月 31 日現在』(埼玉県立浦和図書館 昭 和46年11月刊)参加28館(県立2館 市 立21館 町立5館)
図 2 埼玉県内公立図書館等横断検索システム
・ 『埼玉県公共図書館新聞雑誌総合目録 昭和49年12月末現在』(埼玉県公共図書 館協議会昭和51年3月刊)参加37館(県 立3館 市立25館 町立4館 機関5館)
・ 『埼玉県立図書館合同蔵書目録・書名編
(1981.3.31現在)』(埼玉県立浦和図書館 昭和60年3月刊)
これにより、県立図書館の所蔵が容易に 把握できるようになり、協力貸出が活発に なった。さらに、著者・分類編が61・62年 度に刊行され、平成7年3月の第3期1987 年4月〜1992年3月増加分)で完結した(1
~3期合計19分冊)。
本システムは平成17年10月に参加館のみア クセス可能とするテスト版を開始し,平成 18 年3月に一般公開した。平成21年8月現在,
Web-OPACを公開している県内市町村61のほ
か,県立図書館,6専門機関,2大学が参加し
ている。 ・ 『埼玉県立図書館合同蔵書目録CD-ROM 版=愛称「彩BISC」』(平成7年3月刊)
さらに検索の便が図られた。
資料相互貸借を行うのには,各種の蔵書目 録,総合目録が必要である。次に,横断検索シ ステム以前の検索トゥールの主なものを挙げ る。
・ 『埼玉県公共図書館等購入雑誌一覧』(埼 玉県立図書館 平成7年2月刊)
県立図書館の雑誌・新聞の所蔵状況も併 せて掲載され,逐次刊行物の検索が便利に なった。
・ 『埼玉版ISBN総合目録』(埼玉県公共図
書館協議会図書館システム・ネットワーク 専門委員会=CD-ROMで配布)
平成11年度第1回(1999.10)のデータ提 供は県立,37 市町村 1 機関,データ件数 594,263件)。以降毎年3~4回更新され,
平成21年度第4回(2009.1)(埼玉県図書 館協会図書館ネットワーク専門委員会)の データ提供は県立,65 市町,2 機関,デー タ件数1,771,829件となっている。
なお,このISBN目録の編集の段階で,
単館所蔵(データ提供館内での所蔵が 1 冊 しかない状態を指す)が相当数あることが 判明し,そのリスト(平成21年3月抽出デ ータ116館274,753冊)を作成した。その 後,「埼玉県公共図書館等における資料保存 に関する協定」及びその「実施要項」を定 め,共同して保存にあたることとし,刊行 年の古い図書の相互貸借に役立っている。
・ 県立図書館が WebOPAC を公開(平成 15 年 3 月)
協力貸出の有力なトゥールとなっている。
5. 搬送システムの課題
埼玉県内の公共図書館の資料相互貸借量は 増加の一途を示しており,減少する要素は見つ からない。増加要因のひとつとして,各自治体 の財政事情の悪化により図書館費が減少し,各 館で利用者が必要とする資料を購入できてい ないことが挙げられる。
現在,県内の相互貸借資料の流通を担ってい る県立図書館の搬送システムに係る予算も毎 年の縮減を余儀なくされており,現状の維持が 必ずしも楽観を許されない状況である。
県では平成20年度に「埼玉県立図書館ライ フチャンスライブラリー化基本計画策定委員
会」を設置し,今後の県立図書館のあり方につ いての「提言」を平成21年2月に受理した。
(http://www.pref.saitama.lg.jp/A20/BI00/lif e_chance_library/life_chance_library_main.h tml)
その中で,図書館協力に関しては,「図書館 ネットワークの充実-大学及び高校図書館と の関係」「資料配送方式の見直し-配送スピー ド改善」として,現在の搬送頻度を増やすこと,
さらに地域館・分館,大学・短期大学図書館,
高校図書館,類縁機関への配本・回収を図るこ とが提言されている。
「提言」によると,埼玉県内に大学・短期大 学は43校,高校は215校あるが,先の表 5.
で示した巡回先以外の大学・高校・類縁機関は,
必要な資料を直接借りに行くか,近隣の巡回先 である図書館等を通して借受・返却をしている。
県民が必要とする資料を身近な場所で迅速 に受け取れるようにする新たな搬送システム が求められている。
図書館と県民のつどい
池田幸子(埼玉県立浦和図書館) 1. 「図書館と県民のつどい」開催の経緯
平成 17 年 7 月 29 日に「文字・活字文化振 興法」が施行され,地域における図書館の役 割が改めて注目を集めた。また,同法により 10 月 27 日が「文字・活字文化の日」と定めら れた。
埼玉県図書館協会では,これまでも県民向 けの図書館講演会を行うなど,県内における 読書活動の普及に努めてきたところであるが,
「文字・活字文化の日」制定を記念し,図書 館サービスの一層の向上と読書活動のさらな る推進を図るため,県民とともに図書館のあ り方を考える「図書館と県民のつどい埼玉」
を,県教育委員会との共催により実施するこ ととし,地元自治体のさいたま市教育委員会 の後援も得た。
平成 19 年 10 月 27 日土曜日に,記念すべき 第 1 回のつどいが,「図書館で未来を開こう!
図書館と県民のつどい埼玉 2007」として,さ いたま市民会館うらわを会場に開催された。
従来,県教育委員会との共催により実施して きた「埼玉県子ども読書活動交流集会」も,
この事業の一環として行うよう位置づけられ た。
当日の日程は(資料 1)の通りである。
2. 「図書館と県民のつどい」運営体制と実 施内容
埼玉県図書館協会の構成員である,大学図書
館,高校図書館,公共図書館,図書館協議会の メンバーに県民ボランティアが加わって,分科 会ごとに実行委員会を組織した。
記念講演は埼玉県内在住の絵本作家である,
長谷川摂子氏に依頼したところ,幸いにして御 快諾を得ることができた。同氏の講演会として は県内最初のものとなり,子どもの読書関係者 から多数の申込があった。
分科会 1 は図書館協会の「ネットワーク専門 委員会」のメンバーを中心に,同委員会の委員 長である,熊谷市立熊谷図書館の油橋将之氏の 進行により,館種を超えた県内図書館ネットワ ークの現状と将来展望について4 人のパネリス トによる討議を行った。
分科会 2 は,さいたま市と春日部市の図書館 友の会の活動を報告していただいた。まさに,
「図書館と県民のつどい」にふさわしく,図書 館応援団として,また,図書館の御意見番とし て率直な意見交換が行われた。
分科会 3~5 は,従来「埼玉県子ども読書活 動交流集会」として実施してきた事業を,本「つ どい」の分科会として位置づけたものである。
分科会 3 では,越谷市あいのみ文庫の活動報 告を中心に,地域文庫や家庭文庫の関係者およ び,一般県民の参加を得て意見交換が行われた。
分科会 4 は学校での活動について,ボランテ ィア団体(小川町・おはなしサークル・ピッコ ロ)による事例と司書教諭(本庄市立旭小学校)
による事例発表により,多角的な活動の可能性 を探ることができた。
分科会 5 は読み聞かせ講座で,「実技編」と
題されている通り,実践的な内容で,たのしい おはなし会を実施するためのノウハウを伝え るものであった。実習を伴う講座のため,定員 が各 50 人に制限されている中で,約 2 倍の申 込みがあり,関心の高さが伺われた。会場確保 の制約があり,多くの希望を受け入れられず,
事務局としては悩ましいところであった。
分科会6 は高等学校における図書館職員活動 の 2 つの事例発表を中心に,専任職員の役割の 重要性が討議された。
実技指導として,日本図書館協会資料保存委 員の真野節雄氏による「製本入門」が実施され。
実技中心のため,定員は 10 人と少数であった が,参加者の皆様には午前・午後に渡って熱心 に取り組んでいただいた。
パネル展示は分科会 1 に関連づけて,「よく わかる図書館ネットワーク」と題して,埼玉県 内の図書館ネットワークの現状を紹介するパ ネルの展示とビデオ上映を行った。
資料 1)
全体会(10:00~12:00)
○ 開会式
○ 記念講演 「私の読書と子どもの読書」 講師:長谷 川摂子氏(絵本作家)
分科会(13:30~15:30,分科会6のみ 13:00~15:30)
○ 分科会 1 「こうすればあなたの手元に資料が届く~
ネットワークで広がる図書館利用~」
パネリスト:村中 登氏(埼玉県立熊谷図館)早川 伸祐氏(朝霞市立図書館)浜田賢一氏
(文教大学越谷図書館)森 生也氏(埼 玉大学図書館)
進行:油橋将之氏(熊谷市立熊谷図書館)
○ 分科会 2 「あなたの力を図書館へ ~図書館友の会
づくりと活動~」
発表 1: 根本源清氏(さいたま市図書館友の会)
発表 2: 山口 潤氏(春日部市図書館友の会
○ 分科会 3 「地域で子どもと読書を楽しむ」~子ども 読書活動交流集会(地域・家庭文庫編)~
発表:塩谷智紗子氏(越谷市・あいのみ文庫)
○ 分科会 4 「学校でこんなこともできる・している」
~子ども読書活動交流集会(学校編)~
発表 1:溝口史江氏(小川町・おはなしサークル・
ピッコロ)
発表 2:榊 聡美氏(本庄市立旭小学校)
○ 分科会 5 「読み聞かせ講座(たのしいおはなし会を もつために)」~子ども読書活動交流集会(実技編)
~
(A) 小さい子向け 講師:坂本由紀子氏(児童図書 館研究会会員,元公共図書館司書)
(B) 大きい子向け 講師:大井むつみ氏(東京家政 大学)
○ 分科会 6 「高等学校における図書館活動~読む喜 び,知る楽しさを深化させる専任職員の存在とは
~」
発表 1: 「学校図書館員の職務分析」浦野はるみ 氏(聖望学園中等高等学校)
発表 2: 「図書館からの進路学習支援」中山淳子 氏(埼玉県立浦和西高校)
実技指導 「製本入門 ~自分だけの本をつくろう!
~」(10:00~15:30) 講師:真野節雄氏(日本図書 館協会資料保存委員)
パネル展示 「よくわかる図書館ネットワーク」
(10:00~15:30)
3. 第 2 回「図書館と県民のつどい」 分科会 2 は学校での活動を,蓮田おはなし の会による事例と川越市に小学校による事 例発表があり,意見交換では,学校図書館の 職員体制充実が重要である旨の発言もあっ た。
(1) 概要
前年度に開催した「図書館と県民のつどい 埼玉 2007」が好評であり,継続的実施を望む
声が,各界から寄せられた。 分科会 3・4 は読み聞かせ講座で,前年度 に引き続き「実技編」と題して,たのしいお はなし会を実施するための実践的な講座と なった。
埼玉県図書館協会では,10 月 27 日の「文 字・活字文化の日」を記念する行事として定 着させるため,継続的な実施を図った。
第 2 回は「図書館と県民のつどい埼玉 2008 図書館で未来を開こう!」と題して,期日は,
平成 20 年 11 月 1 日(土)とし,会場はさい たま市民会館うらわを第一会場に,平成 19 年 11 月に開館した浦和コミュニティーセンター を第二会場として開催した。
第 2 分科会では 10:00~15:30 の間,展 示と実技指導。12:00~16:00 の間「図書の リサイクル」が行われた。
展示は大学図書館・高校図書館・公共図書 館の3つに分かれて,それぞれ展示および発 表を行った。
当日の日程は(資料 2)の通りである。 実技指導は,前年に続いて日本図書館協会 資料保存委員の真野節雄氏により「製本入門
~自分だけの本をつくろう!~」が実施され た。8 人の参加者は午前・午後に渡って熱心 に取り組んでいただいた。
(2) 運営体制と実施内容
前年度同様,埼玉県図書館協会の構成員で ある,大学図書館,高校図書館,公共図書館,
図書館協議会のメンバーに県民ボランティ アが加わって,分科会ごとに実行委員会を組 織した。
「図書のリサイクル」は埼玉県立図書館に 寄贈された資料のうち,県立図書館で受け入 れなかった図書を中心に,県民の皆様へ無償 譲渡するもので,約 2,000 冊の図書を展示し,
譲渡した。
第 1 会場では,午前に記念講演,午後に分 科会 1~4 が行われた。
記念講演は絵本ぐりとぐらの作者で児童 文学者中川李枝子氏により,「しあわせな時」
と題して行われた。
(資料 2)
第 1 会場(10:00~15:30)
○ 開会式
○ 記念講演「しあわせな時」 講師:中川李枝子氏(児 童文学者)
○ 分科会 1 「絵本のある子育て ~家庭からそして地 域へ」
~子ども読書活動交流集会(地域・家庭文庫編)
~
発表:小田 香澄氏(河原文庫)
ぐりとぐらの根強い人気を反映して,定員 400 人に対して 600 人の申込みがあり,心な らずも,参加者を抽選で決定させていただい た。
分科会 1 は狭山市地域文庫連絡会の活動報 告を中心に,地域文庫や家庭文庫の関係者お よび,一般県民の参加を得て意見交換が行わ れた。
○ 分科会 2 「学校でこんなこともできる・している」
~子ども読書活動交流集会(学校編)~
発表 1:岡野 悦子・江角 時子氏(蓮田おはなし の会)
発表 2:福満 芳枝氏(川越市立川越西小学校)
○ 分科会 3 「読み聞かせ講座(小さい子向け)~た のしいおはなし会をもつために~」
~子ども読書活動交流集会(実技編)~
講師:坂本由紀子氏(児童図書館研究会会員,元公 共図書館司書)
○ 分科会 4 「読み聞かせ講座(大きい子向け)~た のしいおはなし会をもつために~」
~子ども読書活動交流集会(実技編)~
講師:大井むつみ氏(東京家政大学)
第2会場(10:00~16:00)
展示
〈大学図書館〉10:00~15:30
ニュートンからピーターラビットまで~大学のお 宝~
〈高校図書館〉12:00~15:30 Welcome ! 高校図書館出張所
〈公共図書館〉12:00~15:30
図書館クライシス~市民の財産を未来につなげる ために~
発表 1: 澤田 敬子氏(製本工房トントン)
発表 2: 濱田 幸子氏(杉戸町図書館友の会)
発表 3: 秋本 敏氏(ふじみ野市立図書館)
実技指導 「製本入門 ~自分だけの本をつくろう!
~」
講師:真野節雄氏(日本図書館協会資料保存委 員)
リサイクル 「図書のリサイクル」
4. 第3回「図書館と県民のつどい」
(1) 概要
平成 19,20 年度と回を重ねるごとに参加人数 も飛躍的にのびた「図書館と県民のつどい埼玉」
であったが,前回,会場が 2 か所に分かれてしま う問題があった。
これを踏まえ,第 3 回『図書館と県民のつどい 埼玉 2009 図書館で未来を開こう!」と題し,
平成 21 年 11 月 28 日(土)に浦和コミュニティ センターを会場に開催された。
当日の日程は(資料 3)の通りである。
(2) 運営体制と実施内容
今までと同様,埼玉県図書館協会の構成員であ る,大学図書館,高校図書館,公共図書館,図書 館協議会のメンバーに県民ボランティアが加わ り,分科会ごとに実行委員会を組織することにな った。前回好評だったことを受けて,協力する館 やメンバーも増え,前回以上に熱のこもった準備 が進められた。
午前中に記念講演,午前から午後にかけて展示 会,製本講座,午後に分科会 1~4 が行われた。
記念講演は,「のはらうた」の作者で詩人・童 話作家である工藤直子氏を講師に,「うたが生ま れるとき」と題して行われた。
定員 400 名のところ 420 名の応募があり,ほぼ 満席の状態になった。
分科会 1 は文庫から外に出て地域と子どもを 繋ぐ活動をしている 2 団体「NPO 法人こどもとお はなしの家」,「文教大学あいのみ文庫」の報告を 行った。
分科会 2 では,学校でできる活動を広く知って もらおうとさいたま市立大砂小学校図書ボラン ティアの大河内氏,三郷市前谷小学校福田氏が事 例報告を行った。
分科会 3・4 は毎回人気の読み聞かせ講座で,
「小さい子向け」「大きい子向け」の実技編が行 われた。
そのほか 10:00~12:00,13:30~15:30 までの 2 回,和装本を作る製本講座,10:00~16:00 の間,
展示が行われた。
展示は前回同様,大学図書館・高校図書館・公 共図書館の3つに分かれて,それぞれ展示を行っ た。
大学図書館の展示は,昨年同様,埼玉県大学・
短大図書館協議会(SALA)の協力を得て,参加館 数が昨年 7 機関から 10 機関に増えた。当日は,
各大学のここでしかみられない貴重な資料に大 勢の県民が来場し,盛況のうちに幕を閉じた。
(資料 3)
○ 開会式
○ 記念講演 「うたが生まれるとき」
講師:工藤直子氏(詩人・童話作家)
○ 分科会 1 「地域で子どもと本をつなぐ」
~子ども読書活動交流集会(地域・家庭 文庫編)~
発表 1: 柴田 啓子氏(NPO 法人こどもとおはな しの家・深谷市)
発表 2: 塩谷 智紗子氏(文教大学あいのみ文 庫・越谷市)
○ 分科会 2 「学校でこんなこともできる・している」
~子ども読書活動交流集会(学校編)~
発表 1: 大河内 令子(さいたま市立大砂土小 学校図書ボランティア)
発表 2: 福田 孝子氏(三郷市立前谷小学校)
○ 分科会 3 「読み聞かせ講座(小さい子向け)~読 みなおすベーシック絵本~」
~子ども読書活動交流集会(実技編)~
講師: 坂本由紀子氏(児童図書館研究会会員,
元公共図書館司書)
○ 分科会 4 「読み聞かせ講座(大きい子向け)~読み なおすベーシック絵本~」
~子ども読書活動交流集会(実技編)~
講師: 大井むつみ氏(東京家政大学)
展示 〈大学図書館〉10:00~16:00
太宰治からファーブルまで ~大学図書館のお宝 見せします~
特別出展:旧制浦高記念資料室
〈高校図書館〉12:00~16:00 高校生の Lovebook(ラブック)
〈公共図書館〉12:00~16:00
こんな“mono”もってます,集めてます
製本講座 「はじめての和装本 ~和装製本で手作りの一 を~」
講師:真野節雄氏(日本図書館協会資料保存 員)
5. 今後の課題
第 3 回目を無事終了したつどいだが,今後 の課題は大きい。
課題としては,2 つあげられる。
・会場の確保について
参加者数を大きく左右する会場の確保だ が,自前の施設をもたないがゆえに,規模 が年々大きくなっている現状として条件の よい会場を確保することが非常に難しくな っているのは事実である。準備の問題もあ り,県内を巡回する形がとれるのか,検討 しなくてはならない。会場の規模に合わせ て内容を見直すかどうか,今後の大きな問 題である。
・内容について
同じ図書館といっても,対象者や設立母 体が異なる様々な図書館が行うイベントの ため,共通のテーマをもって開催するのは 難しい部分がある。実行委員会がそれぞれ
独立した形で行われ,独自の視点から魅力 的な企画が練られきたのは確かだが,様々 な図書館が共通のテーマでイベントを運営 することを望む声もある。テーマをどう設 定し,図書館をアピールするイベントにす るにはどうしたらよいのか,3 回を終了し,
大きな岐路にたっているともいえよう。
埼玉県大学・短期大学図書館協議会(SALA)の活動について
鈴木正紀(文教大学越谷図書館)
■ 歴史・目的
埼玉県大学・短期図書館協議会(Saitama Academic Library Association 以下“SALA” という。)は,埼玉県内にある大学,短期大学 および類縁機関図書館(室)45 機関からなる 組織である。
大学図書館の団体としては,国立大学,公立 大学,私立大学,公立短期大学,私立短期大学 といった,設置母体別の協会・協議会はそれぞ れ全国規模で存在する。
それに対し,SALA のような地域協議会は,
そうした設置母体を問わず,「地域」という 1 点をキーとして組織を構成しているのが特徴 である。こうした協議会はその目的を,相互協 力を通じて相互の改善向上を図るとしている ことが多い。SALAの目的もそうしたものとな っている。
SALAの活動は,1988年3月10日に設立準 備総会が埼玉県立浦和図書館で開催されたこ とに端を発する。その2ヶ月後の5月19日に 設立総会が城西大学で開催され,その歴史を歩 み始めた。このときの総会参加機関数は27機 関であった。会の目的は,会則で「会員間の相 互協力を通じて,相互の改善向上を図ること」
と定められている。
参加機関数はその後増加を続け,多少の出入 りはありながらも現在は45機関に上る。埼玉 という地域の特性上,東京に本部を持ち,機能 の一部を埼玉に置いているという大学も少な くない。一方,埼玉を本拠としている機関も当 然ある。しかし,前者のような機関数が多いこ
とは首都隣接という埼玉特有の事情を反映し ていると思われる。
■ 運営
会の運営は,14 機関からなる幹事会によっ て行われている。幹事館は互選により代表幹事 館を選出する。そこに事務局を置き,会務を統 括することになっている。ここ数年,幹事会は 年に4から5回開催されており,総会・研修会 の準備など事業の実行をつかさどっている。幹 事会は,企画,広報,相互協力・ホームページ,
会計といった会務を分担し,必要に応じて担当 館でミーティングを持ち,担当している会務に ついて必要な議論を行っている。
会の最高議決機関は総会である。年1回開催 され,予決算,活動計画などが審議される。
■ これまでの活動
SALA がこれまで行ってきた活動は主に,
(1)共通閲覧証制度の運営,(2)研修会の開 催,(3)会報,ニュースレターの発行である。
共通閲覧証については別の稿で取り上げられ るため,ここでは,研修会と会報,ニュースレ ターについて述べる。
研修会は年1回,通常秋から冬の時期に開催 される。幹事会の中の企画担当がこれを所掌し ている。これまで21回開催されてきている。
テーマは時々のトレンドを反映したり,ある場 合にはそうしたことを離れ,ベーシックなテー マを設定することもある。開催スタイルも,講 演形式をとることが多いものの,ワークショッ