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論文審査の結果の要旨

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Academic year: 2021

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論文審査の結果の要旨

氏名:水 島 大

博士の専攻分野の名称:博士(生物資源科学)

論文題名:

Candida versatilis SN-18

におけるグリセロール生成機構の解明 審査委員:(主 査) 教授 春 見 隆

(副 査) 教授 高 橋 令 二 教授 西 尾 俊 幸

申請者が研究対象としている

Candida versatilis SN-18

は、高糖濃度条件下(20%グルコース)にお いて約

40 g/L

のグリセロールを生産する酵母である。これは、出芽酵母

Saccharomyces cerevisiae

と比較して約

4

倍のグリセロール生産量であり、このため、

C. versatilis SN-18

は微生物発酵による グリセロール生産の実用化が期待されている菌株である。しかし、現状では実用レベル(100 g/L)のグ リセロール生産量に達していない。グリセロールは、医薬品、食品や様々な化成品製造のための原料 として利用されており、油脂工業の廃棄物や石油系化合物からの合成によって製造されている。申請 者は、グリセロールのより広範な用途開拓のためには微生物発酵によるグリセロールの製造が好まし いとの考えから、

C. versatilis SN-18

を用いたグリセロール発酵生産の実用化を念頭に、代謝工学的 制御によるグリセロール生産量の向上を目指している。本論文では、

C. versatilis SN-18

のグリセロ ール生産とその生産に関わる酵素の遺伝子発現量を比較解析することで、高糖濃度条件下におけるグ リセロール生成機構について報告した。

具体的には、

C. versatilis SN-18

が、グリセロール生産の鍵酵素とされている

Glycerol 3-phosphate dehydrogenase(GPD)の相同遺伝子を、同一染色体上に直列に 2

つ(

Cvgpd1 , Cvgpd2 )有していること

を本研究で明らかしたが、これは従来にない新知見である。また、

S. cerevisiae

を用いた異種発現系

により

Cvgpd1

Cvgpd2

がコードしているタンパク質は、NAD+依存型

GPD

であることを明らかし

た。さらに、20%グルコース存在下のような高糖濃度条件下における

C. versatilis SN-18

のグリセロ ール生成は、これまで浸透圧耐性と関連付けられてきた機構とは異なる別の機構の存在を予測させる 結果を示した。

これらの成果は、高糖濃度条件下におけるグリセロール生成機構を明らかにするとともに、代謝工 学的にグリセロール生産性を向上させる技法に大いに寄与するものと考えられる。よって本論文は,

博士(生物資源科学)の学位を授与されるに値するものと認められる。

以 上

28年 2月 5日

参照

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