ブラウニ ングの 「チ ャイル ド、 ロー
ラ ン ド ・ 暗 黒 の 塔 に 到 達 せ り 」 は 果 し て寓話詩であろうか。
渡 邉 清 子
はじめに
表題の詩"ChildeRolandToTheDarkTowerCame"①はBrowningの研 究者達 によってそれがallegory(寓話詩)であるか否か等 につ き、多 くの異 な
る観点か ら論評 されて来た。
F.G.Kenyonは"Itsexplanationhasalwaysbeenafavouriteexercise in Browning Societies,and many ingenious meanlngS have been ex‑
tractedfrom it;butitseemspreferabletoregarditasmerelyafan‑
tasiaonthethemeofEdgar'ssonginKingLeaT・."② と述べて い るo し か し彼が この作品を単なるFantasia、つま り幻想詩、 或 は空想詩 と考 え るの がのぞましい、 と述べたことに対 し、賛意、反論、異論が続出 した。 ある者 は これを純粋なロマ ンスと称え、ある者 はこれを寓話詩 と主張 し、他の ものはプ ラウニ ングにありがちな深 い思想を秘めた作品だと断定 した。各人各様の意見 には、理の通 る所や通 らないところ等色々あるが、その賛否を決める前 に、や はり作品その もの ゝ成立 と、内容をよ く吟味 して置 く必要 があると思 う。 そ
① 本論文に引用する詩は下記の全集のVo1.3からのものである。
SirF.G.Kenyon;(Withintroductionby) ;TheWoT・hsofRobeT・t BT・OWning:CentenaryEditionlnTenVolumes,(AmsPress,Inc.,New York,1966),pp.405‑413.
@ F.G.Kenyon;ibid.,p.xlv. 1
れでこの ことを踏 まえつ ゝ、各節毎 に解説を試み、 この作品のより良 き理解を 深めたいと思 う。
Browningによれば この詩は1852年1月2日にバ リーでか ゝれたのであるが、
1855年 に始めてMenandWomenの中に印刷発行 されたL。 それか ら後、幾つ かの言葉や句読点が書 き変 え られ、1963年 にDramaticRomanceの中 に編入 された。 この詩 は34stanzas(節)か らなる長 い詩である。 各節 は ともに、各 行6つのiambicpentameterを持つ6行か らな って いて、 そのrhymescheme
はabba・abでsonnet形式の6行を踏襲 している。
ChildeRolandが書 かれた経緯 につ き、Browning自 らが説 明 した ものを LilianWhitingが紹介 している。 それをNortonB.Crowell①及び、William ClydeDeVane④がそれぞれの論文に指摘 していて重要 だ と考え るので、下 に引用 してお く。
Browningが死ぬ2年前の1877年 に、或 る人が この詩に寓意的解釈をほどこし て、詩人の意見を求めたことがあった。その時の彼の答が次の通 りであったと 言われる。
Oh,no,notatall.Understand,Idon'trepudiateit,either.Ionly meanIwasconsciousofnoallegoricalintentioninwritingit.'T was likethis:oneyearinFlorence,Ihadbeenverylazy;
IresolvedthatIwouldwritesomethingeveryday.Well,thefirst dayIwroteaboutsomeroses,suggestedbyamagnificentbasket thatsomeonehadsentmywife.ThenextdayChildeRolandcame uponmeasakindordream.Ihadtowriteit,thenandthere,
③ NortonB.Crowell;A ReadeT・'sGuideloRobertBroLUning, (UniversityofNew MexicoPress,1972),p.140.
@ william ClydeDeVane;A BrowningHandbook, (F.S.Craft&Co. New York,1935)p.204.
andIfinished.itthesameday,Ibelieve.Butitwassimplythat Ihadtodoit.Ididnotknow thenwhatImeantbeyondthat, andI'm sureIdon'tknow now.Butlam veryfondorit.
こゝに述べているように、 自分の怠 け癖について反省 した彼は 「一 日に一つ の詩を」 と1852年の元旦 に決意 し、その日に"WomenandRoses"を完成 し、
翌2日に"ChildeRoland''を、 そ の明 くる3日■に は"LoveAmong the Ruins"を書 き終えたと言 っている。
このような超人的な早 さで これだけの大作を ものにす ることの出来たプラウ ニ ングのことをDeVaneは次の如 く評 してい る。 "Undertheseconditions, itisevident,Browningcalleduponhisdeepestresources,forthethree poemsthuswrittenrepresenta vivid dream,a fantasy thatmight almostbecalled a nightmare,and possibly reminiscence."⑤た しか に DeVaneのみならず他の研究者が指摘す るようにBrowningはこれ らの詩を書 く にあたって、彼自身がそれと気付かない多 くの豊かな経験を通 して、潜在意識 的に、心中深 く秘蔵 していた"resources"を用 いたので はないか と推察 され る。それで人々は彼の用 いた"resources"(要素) が何であ ったか、 そ して それ らは何を意味す るか等 々を詮索 したが る。 それ故Browningも"CPilde Roland"はallegoryであるのか、ないのか、 さもなければ、詩 の中にいかな る意味がか くされているのか等々、読者 にたずね られて、相当に困惑 した らし い。 しか しその度毎 に彼 はそれを否定 し続けた。Crowellはその ことに関 し次 の如 く言及す る。
Brownlngrepeatedlydeniedthatthepoem hadanyallegoricalsignifi
‑canceormoralpurposP・Heinsistedthatitwassimplyadramatic visioninspiredbyEdgar'ssonginLear,ActⅢ,sceneiv,inwhich Edgar,disguisedasamadman,saysorhisnightmareJOurney,‑⑥
@ Willam ClydeDeVane;ibid.,p.204.
@ NortonB.Crowell;ibid.,p.140. 3
されば こそBrowningはわ ざわ ざ詩 の題 名 の下 に (SeeEdgar'ssongin
"Lear'') と記 している。 この詩の題名 と成立 についてIoanM.Williamsは 次のように説明 している。"Thetitleorthepoem istakenfrom aline inEdgar'ssonginKingLeaT・I
ChildeRowlandtothedarktowercame, Hiswordwasstill,‑Fie,rob,andfun,
IsmellthebloodofaBritishman. (Ⅱ,iv,ll.187‑9)'
InitscontextinKingLeaT・thelinehasnoapparentmeanlng,but ismysteriousandsuggestive.Browningtakesthisstrangelyemotive line,andbuildsarounditaspecific,concretecontext.Heputsboth ChildeRolandandtheDarkTowerimthecontextorthechivalric quest‑athemewhichwas,throughouthiscareer,aconvenientand attractivemedium fortheexpressionorhisphilosophy.①
Browningと深 い交 わ りを持 ち、 彼 の詩 の良 き理解者 と して知 られている Mrs.S.Orrがこの見事な詩が、「リヤ王」に出ていたわずか一行か ら暗示を受け て書き上げられたということにつ き、手短に明瞭に述べているところがあるので注 目したい。
"‑ ;and wearereduced to taking thepoem asa simplework or fancy,builtup ofpicturesqueimpressionswhichhave,separatelyor collectively,producedthemselvesintheauthor'smind."と述べ、更 につけ 加えて̀̀Butthesepicturesqueimpressionshad,also,theiridealside, whichMr.Browning asspontaneously reproduced;and wemay all recognlZeunderthesemblanceoftheenchanted country and thead‑ venturousknight,apoeticvisionorlire:"⑧と言 う。 この こ とが や は り
O IoanM.Williams;RobertBrowning(LiteratureinProspective) (EvansBrothersLtd.,London1967)p.103.
@ Mrs.SutherlandOrr;A HandbookTotheWorkso/RobertBrou)nine (G.BellandSons,Ltd.,London,1927)p.274.
後の批評家達の見逃せぬ所 となった。 ともあれBrowningの想像力 は果 て しな く拡が り、それを もとにして鋭い描写力を巧みに駆使 し、 この作品をまとめあ げたのは事実であるO彼がEdgarの うたの中に"tower"とい う言葉が あるの を見た時、 いっかバ リーで見たCarraraMountainsの中 に立 っていた塔 の絵 を連想 したのであろうとMrs.Orrは言 う。又詩の中に出て くる盲 目の老 いぼ れた馬 について彼女 は、Browning自身の部屋に装飾用 と してか け られてい る つづれ織の壁掛 に措かれている馬のイメージを連想 したと本人がのべたと伝え ている。Dr.Furnivall⑨も又、詩の中にあ らわれ るやせ衰 えた、 無気味 な赤 い馬 は、詩人の部屋 に掛 けられてある壁掛か らとられたイメージであるとし、
又塔についてはCorreCastleか、或 はイタリーの山の中にある塔の絵を連想 し て詩の中に投入 した ものとも述べている。彼に言わせ ると、 これ らの要素の詮 議立てそれ自身 は、直接的にあまり重要でないか も知れないが、詩人が作詞す
るにあたっての抱負や目的を知 る鍵 にな り得 ると説明 している。
ついでなが ら、 この作品は、Browning自らが強力に主張 し,言 うよ うに、
始めか ら遠大な理想や意図を もって書 ゝれた ものではない らしい。詩人のこの 説を支持す るStoprordBrookeを もう一人紹介 して置 きたいと思 う。彼 は以下 のように率直に明言する。
IbelievethatChildeRolandemerged,allofasuddenandtoBrow‑
ning'ssurprise,outofthepureimagination,liketheSea‑born Queen;thatBrowningdidnotconceiveitbeforehand;thathehad nointentioninit,noreasonforwriting it,and nodidacticor moralaim init.Itwasnotevenbornofhiswill.Nordoeshe seem tobeacquainted with theold story on thesubjectwhich tookaballadform inNorthernEngland.Theimpulsetowriteit wassuddenlyawakenedinhim bythatlineoutofanoldsongthe
@ JamesFotheringham:StudiesoftheMindandArtofRobertBrow‑
ning,(HoraceMarshall& Son,London,1900),p.474. 5
FoolquotesinKingLeaT・.0
Brookeの この明言 は、前述 したように、Browningがか って読者 の問 に答え たこの詩に関する所見 そのままを、ほとんど文字通 りに、正直に受 け継いだ も のとして注 目され る。Brookeのこの意見に対 して、 その まま納得 し、賛意を 表す る者 は必ず しも多 くはないか も知れないが、貴重な意見だと思 う0
これまではこの詩が寓話詩であるか、否かを考えるのに時を費や したが、 こ れか らは内容 に入 って行 きたい。先ず はじめに、物語の大意を説明 し、次いで、
各節を個別的に解釈 し、終 りには、あ くまで も寓話詩であるとか、moralview が隠 されているとか、言 う人々の考えにも耳を傾 けて行 きたいと思 っている。
DarkTower(暗黒の塔)への冒険にいどんだ勇敢 な騎士 は今まで に数多 く あったが、か って 1人 もその目的を達 し、無事に成功 して戻 って来た ものはな かった。それにもめげず"ChildeRolandという若 い騎士 はその任務遂行 のた め暗黒の塔を目差 して出かけて行 く。彼は途中で想像 も及ばぬ数限 りのない苦 労や困難に遭遇す る。彼は荒涼 とした原野をわたりなが ら、身の毛のよだっよ うな不気味な光景 に幾度 も出会 った。道なき道を進みなが ら、堪え難い孤独感 や絶望感に襲われたが、懸命にそれ らと戦 いっ ゝ、忍耐 と力を振 りしぼ り、押 し進んで行 った。彼 は時折彼を誘 うが如 き人影や声を聞いたとさえ思 った。疲 労困ばいの末、や っと目差すDarkTowerに到達 した。その時彼は、勇敢 に、
たじろかず唇 に角笛をあて、高 らかにそれを吹 き鳴 らした。以上が この詩の概 要である。
William Lyon Phelpsは"Thepoem ChildeRoland isunlqueamong Brownlng'smonologues.HispoetryusuallylSOrthenoondayandthe
@ StopfordA.Brooke;ThePoetT・y0/RobertBrowning.(New York, ThomasY.CrowellCompany,1902),pp.274‑275.
market‑place;butthismighthavebeenwrittenby Coleridge,orMe‑
terlinck,orEdgarAllanPoe.Ithasindeedthe ̀wizardtwilight' Coleridgeknew・The atmosphere is uncanny and ghoul‑haunted :the sceneryisaseriesofsombreandhorribleimaginings"①と評 してい る。
陰 うつな不気味なその辺 りの様子や、その中を旅す る騎士の様子を作者 は、す べて騎士 自身が語 るmonologue(独白) という形をとって述べさせている。
Blackburnが "‑itisobviousenoughthatBrownlngistheprotagonist asheattemptstotravelthroughadepressionwhichcannotbeavoided orwishedawayontootherpeople."① と指摘 しているよ うに、 その独 白 の主人公 は騎士、即 ちBrowning自身であると考え られる。 それ故、 人 々は執 念深 く、彼がいかなる意図をもって この詩を書 くに至 ったかを、聞 きたが り、
又憶測 した くなるのであろう。 しか し我々はもはやその書かれた意図が何であ るかを求める前に、詩人が 「Edgarの歌」の中の1行か ら得た ヒン トを もとに して作 り出 したrantasiaの世界に踏み込んで各節毎に読解を試みたい。
Ⅰ
Myfirstthoughtwas,heliedineveryword, Thathoarycripple,withmaliciouseye Askancetowatchtheworkingorhislie Onmine,andmouthscarceabletoafford
Suppressionortheglee,thatpu一sedandscored 5 Itsedge,atonemorevictim gainedthereby.
いみ じくも Ⅰ.M.Williamsが"Thisfirststanzasetsthetoneofthe
⑪ Willam LyonPhelps;RobertBroLuningHow loKnow Him,
(Ⅰndianapolis,TheBobbs‑MerrillCo‥ Publishers,1915)pp.231‑2.
⑫ ThomasBlackburn;RobeT・lBT・OWning:A studyofm sPoetry.
(Eyre&SpottiswoodeLondon,1967),p.172.
wholepoem."(p.104)と述べているように詩全体を覆 う異様な気味 の悪 い 雰囲気が漂 う。騎士の独白は次のようにはじまる。
自分 は最初に、.彼の白髪の政の老人奴は一語一語我 に嘘をついている と思 った。彼は彼の虚言がどのような影響を我 に与えたかをみるため に、我 にむか って意地の悪 い流 し目を送 って来た。
彼 は今、 もう一つの獲物を手 に入れた喜びを隠 し切れぬかのように口 許をすぼめ、 ぎゅっと紋をよせて引 き締めた.
読者 はこの節か らは奇怪 な老人の外見の姿形 と、騎士 に対する悪意は感ぜ ら れ るが、騎士がどこに行 く道を老人 にたずねたかはわか らない。又彼が何を目 的 として こゝに辿 り着いたか も不明である。 それなのに老人の態度 は全 く物知 り顔である。
Ⅱ
Whatelseshouldhebesetfor,withhisstar√?
What,savetowaylaywithhislies,ensnare Alltravellerswhomightrindhim postedthere,・ Andasktheroad? IguessedwhatskulHikelaugh 10 Wouldbreak,whatcrutch'ginwritemyepitaph
Forpastimeinthedustythoroughfare,
いったいあの老人 は杖を もって、何の目的があって此所 に現れたので あろ うか。そこに立 って道を問 う旅人達を待 ち伏せ していて、 うまく 崩 し、 自分の恩 うま ゝに操 ろうとす る以外に、 どうしようというのか.
彼が もしそ うす ることが出来たな らば どんな骸骨 のよ うな不気味 な げ らげ ら笑 いを発 す るだ ろ うか、 又 いか様 に して彼 は杖 で我 が 基碑銘 を気 ま ぐれ に、 填 だ らけの大 道 で書 き始 め るのだ ろ うか、
(詩の Ⅱ節の終わ りはコンマで区切 られ、Ⅱの初めまで続 いた一つ の文 の ように意味の上で はな っている。)
Ⅲ
Irathiscounsellshouldturnaside lntothatominoustractwhich,allagree,
HidestheDarkTower.Yetacquiescingly 15 1didturnashepointed:neitherpride
Norhoperekindlingattheenddescried,
Somuchasgladnessthatsomeendmightbe.
もし老人の誘いに自分が従 って、かの暗黒の塔の隠されてあるとい う 気味の悪い荒野に踏み込むな らばと、我 は思 った
。(
Ⅱ節 の終 りか ら ここまで続いている) 自分 はそれで もいさざよ く指示 された方 に向か って行 った。 さりとて何か自分が目当てに しているものに到達するだ ろうと言 う希望や誇 りが抱 けたか らではな く、た ゞこの苦難の旅の終 りが近づいたのではないか、 という喜び しかなか ったのであった.Ⅳ
For,whatwithmywholeworld‑widewandering, Whatwithmysearchdrawnoutthro'years,my
hope 20
Dwindledintoaghostnotriもtocope
WiththatobstreperousJoysuccesswouldbring,‑
1hardlytriednow torebukethespring Myheartmade,findingfailureinitsscope.
と言 うのは、 自分 は今 まで世界中を股 に掛 けて遍歴 し、幾 とせ も探検 9
に明け暮れたが、我が希望 は影の如 くす っか り痩せ衰えて しまったか らであった。例え成功が もた らされて も、その賑々 しい喜 びに も、 と て も堪え られそ うにな くなって しまった。 自分 はもはや今 は、かって 失敗するか も知れないと言 う予感を持ちなが らも、希望の泉を湧 き立 たせたことを、非難す ることも出来な くな って しまった。
Browningの詩 には詩人が心のお もむ くま ゝに句読点や文脈を、無祝 して奔 放 に筆を走 らせている所が多い。 この次のⅤ、Ⅵ、Ⅶは本来一つの文であるべ きである。V.C.Harringtonも"StanzasV,ⅤⅠ,andVIIarereallyall onesentence.ThereisnoconclusiontothesentenceuntilstanzaVII.''⑳
と注意を促 している。
V
Aswhenasickmanveryneartodeath 25 Seemsdeadindeed,andreelsbeginandend
でhetearsandtakesthefarewelloreachfriend, Andhearsonebidtheothergo,draw breath Freelieroutside,("sincealliso'er,"hesaith,
"Andtheblow fallennogrievingcanamend;") 30 それは恰 も瀕死の病人が自らもう既 に死んだもの ゝように思われてい る時、周囲の人々のある者 は涙を流 し、あるものは涙を乾か している のを感 じる。又友人達か ら送 られる別れの言葉を聞 き取 る。臨終の床 の側で息を殺 していた人々は外 に出てはっとする。そ して (「これで 商事休す。絶えた命 は再びつなぎ止めることは出来ない。嘆いて も仕 方がない。」)と言 っているのを聞いている、そんな時のようである。
⑬ VernonC.Harrington;BrowningStudies;(Boston,RichardG.
Badger,TheGorham Press,1915)p.122.
Ⅵ
Whilesomediscussirneartheothergraves Beroom enoughforthis,andwhenaday Suitsbestforcarrylngthecorpseaway, Withcareaboutthebanners,scarvesandstaves:
Andstillthemanhearsall,andonlycraves 35 Hemaynotshamesuchtenderloveandstay.
そればか りか一方では数人の人々は、そ この近 くのどこの墓の側に、
今病死 した人を埋葬す る土地があるだろうかと相談 している。死骸 を 運び出すのはいつが一番良いか、その日取 りの こと、それ と共 にどん
な旗を、肩 にかける黒のどんなスカーフを、又、 どんな旗竿を、等 と、
当日のために用意すべ きものを、心 くぼ りして話 している声を死に瀕 する男 は皆聞いている。それで彼はこれ らの人々の心やさ しい心通 を 恥づか しめてはならないので、早 く死んで しまいたいと願 うような も のである。
Ⅶ
Thus,Ihadsolongsufferedinthisquest, Heardfailureprophesiedsoort,beenwrit Somanytimes・among"TheBand''‑towit, TheknightswhototheDarkTower'ssearch
addressed
Theirsteps‑thatjusttofailasthey,Seemedbest, Andallthedoubtwasnow‑shouldIbefit?
40
このように して長い間、 自分 はこの困難な探索 (quest)に耐え、多 く の苦難に遭遇 して来た。人々の間で、前 もって予言 され、書 き記 され ている暗黒の塔を日差 しで quest'に出かけた騎士達の冒険的探求の失
放談を度々聞かされた。それで自分はもう探検に出かけて行 く熱情杏 全 く、失 くして しまっていた。が、 自分 も騎士の一人 として彼等 と共 に失敗 して亡 びるのも却て最 もよいことのように思えた。 しか し自分 はこの期 におよんで、疑問 とす る所 は、「自分ははた して この失敗 を 繰返す ことにす らふさわ しい者であろうか」 ということであった0
この節の終 りの数行 は理解 しにくい所があるので、Phelpsが この箇所に関す る解説を している所を引用 しておく。参考 になれば、 と思 う。
"Roland alone is left. And he has experienced so many dis‑ appolntmentSthatnow allhopeoffinding theTowerisdead in his breast.Justonesparkofmanhoodremains.Hecannotsucceed,but Godgrantthathemaybefittofail."⑩
Ⅷ
So,quietasdespalr,Iturnedfrom him, Thathatefulcrlpple,Outorhishighway
Intothepathhepointed.Alltheday 45 Hadbeenadrearyoneatbest,anddim
Wassettligtoitsclose,yetshotonegrlm Redleertoseetheplaincatchitsestray. そこで絶望 し切 った人のよ うに、 自分 は静かに、あの憎むべき忌 まわ
しい蚊か ら向 きをかえて、彼のいる大道か ら離れ、彼が指 し示 した小 道へ と入 って行 った。 その 日は1日中物寂 しい限 りの1日だった。 い つとはなしに夕闇が迫 り、暗い夜を迎えようとしていた。その時、一筋の 余光がまるでこの荒野に迷い込んだ獲物、つまり自分を、 じっと悪意に充 ちた赤い流 し目でみて、ほ くそ笑んでいるかのように見えた。 自分 は
⑭ william LyonPhelps;ibid.,pp.235‑236.